変形性股関節症でやってはいけないこと【7選】悪化させない工夫と治療法を解説

公開日: 2019.05.08
更新日: 2025.08.30

「変形性股関節症でやってはいけないことは?」

変形性股関節症と診断され、悪化させないために「やってはいけないこと」を知りたい方も多いのではないでしょうか。

股関節に過度な負担をかける動作を続けることで、症状を進行させてしまうため注意が必要です。

この記事では、変形性股関節症の方がやってはいけないことや治療法について詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 変形性股関節症でやってはいけないこと
  • 変形性股関節症を悪化させないための工夫
  • 変形性股関節症の主な治療方法

近年の治療では、手術や入院をせずに変形性股関節症を治療できる再生医療が注目されています。

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変形性股関節症でやってはいけないこと【7選】

変形性股関節症でやってはいけないことは、以下の通りです。

上記の行動は股関節に大きな負担をかけ、痛みや変形の進行を招く原因となります。

日常生活の中で可能な限り避けて、症状の悪化を防ぎましょう。

長時間の立ち仕事

長時間立ち続けると、股関節に大きな負担がかかり、強い痛みや症状の悪化につながる可能性があります。

接客業や工場での作業などの立ち仕事だけでなく、キッチンでの料理や洗濯物を干すなどの家事も、毎日の積み重ねで股関節に負担を与えるため注意しましょう。

長時間の立ち仕事では、こまめに姿勢を変えたり休憩をとったりして、股関節にかかる負担を軽減することが重要です。

膝を深く曲げる

膝を深く曲げる動作は股関節に大きな負担がかかり、変形性股関節症の症状を悪化させる恐れがあります。

関節の軟骨や骨への負担が増して痛みや炎症の悪化、変形の進行につながる可能性があるためです。

とくに、以下のような動作には注意が必要です。

  • 草むしり
  • スクワット
  • 和式トイレの使用
  • 床に膝をついて掃除をする
  • 床にある物を拾うために深くしゃがみ込む

日常生活の中で無意識に行うことも多いため、動作を見直し股関節にやさしい姿勢を心がけましょう。

激しい運動

変形性股関節症の方にとって過度な運動は股関節に大きな負担をかけ、痛みや炎症の悪化、関節の変形を進行させるリスクがあります。

衝撃が大きい運動や股関節に強い負荷がかかる動作は注意が必要です。

以下のような運動は、変形性股関節症の悪化につながる可能性があるため控えましょう。

  • ジョギングやランニング
  • 長時間のウォーキング
  • 階段昇降を繰り返す運動
  • スクワット
  • テニスやバスケットボールなど急激な動きのあるスポーツ

一方で、運動をまったく行わないのもよくありません。

変形性股関節症の治療では、股関節への負担を軽減しつつ可動域を確保するために適度な運動が重要です。

無理のない範囲で継続して股関節を動かさないと、関節の可動域が狭くなり筋力の低下を招いてしまいます。

専門家の指導のもと、自分に合った運動量・運動内容を見極めながら継続的なケアを行いましょう。

急激な体重増加

体重が増えると、股関節にかかる負担も大きくなります。

立ち上がりや階段の昇降、歩行などの動作では体重の数倍の力が股関節に加わることもあります。

急激な体重増加は股関節への負荷を高め、痛みや変形の悪化を引き起こす原因の一つです。

変形性股関節症の治療を続ける上で、適正体重の維持は重要です。

日々の食事管理や無理のない運動を通じて、体重のコントロールを意識しましょう。

重量物の持ち運び

重たい荷物を持ち上げたり運んだりすることは、股関節に大きな負担をかけます。

持ち上げる瞬間や持ち運んでいる最中は、体重の数倍もの力が股関節に集中し、変形性股関節症による痛みや変形の悪化を招く原因になります。

職業的に股関節への負担がかかりやすくなる例は、以下の通りです。

  • スーツケースを持ち運ぶ
  • 買い物袋を両手に持って歩く
  • 建設現場や引越し業、工場作業など重いものを扱う仕事に従事する

仕事の都合で避けられない場合でも、台車の活用や十分に休憩時間を確保するなど、股関節への負担を軽減することが重要です。

周囲の理解と協力を得ながら可能な限り負荷を減らし、症状の進行を防ぎましょう。

脚に負担のかかる靴の着用

ヒールの高い靴やクッション性の乏しい靴は股関節に余計な負荷をかけ、変形性股関節症の悪化を招く可能性があります。

歩行時の衝撃が十分に吸収されず股関節に直接伝わることで、痛みや炎症が強くなる恐れがあるためです。

症状に応じて靴の見直しや買い替えを検討しましょう。

変形性股関節症の方が靴を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。

  • 自分の足に合った靴を選ぶ
  • クッション性が高く、着地の衝撃を吸収できる
  • かかと部分に安定感があり、歩行時にぶれにくい
  • 中敷きを使用して衝撃を和らげたり、安定性を高める

サイズの合った靴や股関節への負担を軽減できる靴を選ぶことで、痛みの緩和にもつながります。

今の靴が自分の症状に合っているか、見直してみましょう。

正座やあぐらで座る

正座やあぐらの姿勢は股関節を深く曲げることになり、大きな負担がかかるため変形性股関節症の方は避けたい動作です。

和式トイレの使用や低い椅子での立ち座りは膝を深く曲げる体勢になりやすく、関節にストレスを与えます。

日常生活では脚つきの椅子や洋式トイレを使用し、膝の角度が90度以下にならないよう心がけましょう。

住環境を和式から洋式に変える意識が、股関節への負担軽減につながります。

変形性股関節症でやってはいけないことを続けるリスク

変形性股関節症において、股関節に負担の大きい行動を続けるリスクを解説します。

リスクを回避するためにはやってはいけないことを理解し、日常生活や職場での行動を見直してみましょう。

疼痛が強くなる

変形性股関節症は、股関節に負担がかかる動作や姿勢を続けると症状の進行が進み、疼痛が強くなる可能性があります。

疼痛は、強い痺れを感じる人や焼けるような感覚など、痛みの感じ方には個人差があります。

股関節の負担を軽減するために体重管理を徹底し、膝や腰を深く曲げるような動作は避けましょう。

日常生活が困難になる

股関節に負担をかけ続けると、変形性股関節症の症状が悪化したことによる痛みで日常生活が送るのが難しくなる可能性があります。

重度の変形性股関節症では歩行できないほど痛みが強くなるなど、日常生活を送れなくなるケースもあります。

歩行困難になると、仕事に行けなくなることはもちろん、スーパーやコンビニなどへの簡単な外出も難しくなるでしょう。

治療の選択肢が限られる

変形性股関節症が進行することで、治療の選択肢が限られてしまう点も大きなリスクです。

初期の変形性股関節症では、リハビリや運動療法、薬物療法など幅広い治療法の中から症状に適した治療を行います。

しかし、股関節に負担がかかる生活を続けていると症状が進行し、「手術しないと治らない」という状況になる可能性があります。

人工関節置換術や骨切り術など、手術リスクや術後のリハビリテーションが必要な治療が必須になってしまいます。

変形性股関節症を悪化させないための工夫

股関節への負担や禁忌肢位を避けて生活するためのポイントは、以下の3つです。

少し意識を変えるだけでも、股関節の負担軽減が見込めます。

日常生活の中で無理なく取り入れましょう。

正しい姿勢を意識する

股関節の負担を軽減するには、姿勢の意識が重要です。

姿勢が悪いと股関節に余計な力がかかり、痛みや変形の進行を招く恐れがあります。

また、長時間同じ姿勢で過ごすことも関節に負担を蓄積させる要因となるため、こまめに姿勢を変える習慣を身につけましょう。

股関節への負担を減らすための正しい姿勢の例は、以下のとおりです。

  • 耳、肩、腰、膝、くるぶしが一直線になるように立つ
  • 骨盤を立てて座る
  • 足を組まずに両足を床につけて座る
  • 座面の高さは膝が90度になるように調整する
  • 長時間座る場合は30分〜1時間ごとに立ち上がる

両足を肩幅に開き、かかとを壁につけて立つと正しい姿勢ができているか確認できます。

後頭部、胸の後ろ、お尻が壁につき腰の後ろに手のひらが入る程度の隙間があれば、姿勢はおおむね良好です。

また、トップスとボトムスの脇のラインの縫い目がまっすぐになっているかもチェックの目安になります。

小さな意識を積み重ねて、股関節へのダメージ軽減につなげましょう。

体重管理を徹底する

股関節への負担を軽減するには、適正体重の維持が不可欠です。

体重が増えると股関節への圧力も大きくなり、痛みや変形の悪化リスクが高まります。

股関節に負担の少ない運動を選ぶことで、痛みを悪化させずに健康的に体を動かせます。

股関節にやさしい運動の例は、以下のとおりです。

  • ウォーキング(平坦な道をゆっくりと)
  • 水中ウォーキング
  • 水泳
  • 自転車
  • ヨガやピラティス(関節に負荷をかけすぎない動作)
  • 股関節まわりのストレッチや軽い筋トレ

日常的に無理のない範囲で運動習慣を取り入れ、体重増加を防ぎましょう。

以下の記事では、股関節の強化に効果が見込める踏み台昇降について紹介しているので参考にしてください。

サポート用具を活用する

立ち上がるときや歩くときに股関節へかかる負担を減らすために、サポート用具を活用するのも一つの選択肢です。

サポート用具の一例は、以下のとおりです。

歩行時や立ち上がるときの股関節への負担を軽減
クッション性の高い靴 歩行時の衝撃を吸収し、関節への負担を減らす
中敷き 安定性やフィット感を向上させ、歩行をサポート
手すり 立ち座りや歩行の補助に役立つ
椅子用クッション 座るときの負担を和らげる

痛みの予防や進行抑制のためにも、無理をせずにサポート用具の使用を検討しましょう。

変形性股関節症の治し方|主な治療方法

変形性股関節症の治療法は、主に以下の3種類です。

まずは保存療法から始めることが一般的で、保存療法でも改善しない場合や悪化した症状には手術療法を検討されるケースがあります。

また、手術しない治療法として注目されている再生医療も選択肢の一つです。

それぞれの治療方法について詳しく解説します。

保存療法

保存療法では、股関節にかかる負担を軽減して、症状の進行を抑えることが目的となります。

主な保存治療には、以下のようなものがあります。

  • 薬物療法
  • リハビリテーション
  • 運動療法
  • 物理療法
  • 生活習慣の改善指導

保存療法では、股関節周辺の筋力や柔軟性を向上させることで、股関節への負担を軽減することが重要です。

しかし、対症療法である保存療法では、変形性股関節症の原因を根本的に治せるわけではないことを覚えておきましょう。

手術療法

保存療法を半年程度継続しても症状の改善が見られない場合は、手術療法が検討されるケースがあります。

変形性股関節症で行われる手術は、主に以下のとおりです。

手術方法 内容

股関節鏡視下手術

内視鏡で関節軟骨の傷んだ部分を切除する手術

骨切り術

骨盤や大腿骨の骨を切り、一部を移動させることで股関節の形を矯正する手術

人工関節手術

損傷した股関節を人工関節に置き換える手術

手術には入院が必要ですが、手術の翌日から歩行訓練を開始されることが多いです。

一般的には1週間から3週間程度で退院できますが、術式によっては1〜2ヶ月ほど入院しなければならないケースもあります。

再生医療

再生医療とは、損傷した組織の機能を取り戻すために、人間が持つ自己修復力を活かした治療方法です。

治療には患者さま自身の幹細胞を用いた「幹細胞療法」と血液から抽出した血小板を用いた「PRP療法」があります。

再生医療による治療は、手術や入院の必要がないので、日常生活を送りながら治療ができるのは大きなメリットです。

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変形性股関節症でやってはいけないことでよくある質問

変形性股関節症でやってはいけないことでよくある質問に答えていきます。

以下の内容を参考にして日常生活を送りましょう。

変形性股関節症の貧乏ゆすりはやってはいけない?

変形性股関節症では貧乏ゆすりと似た動きのジグリングという動きを運動療法として取り入れています。
※出典:PubMed

つま先を床につけた状態で左右のかかとを小刻みに上下させて、かかとは床から2センチ程度上げます。

関節に負担をかけることなく動かせる方法としておすすめです。

変形性股関節症でやってはいけないストレッチは?

変形性股関節症の方は、関節に負担のかかるストレッチは避けましょう。

誤ったストレッチは痛みや炎症を引き起こす恐れがあります。

とくに、以下のような動きは控えましょう。

ストレッチの内容
曲げ伸ばしや回旋(ねじれ)を伴うストレッチ 合蹠のポーズ
股関節に強い負荷をかけるストレッチ ダウンドッグ
長時間同じ姿勢で行う静的ストレッチ 立ったまま上半身だけを伸ばす動き

ストレッチを行う際は痛みが出ない範囲で、股関節に優しい方法を心がけましょう。

股関節に負担をかけない寝方は?

股関節に負担をかけない寝方は、横向きや仰向けで脚を自然な位置に保つ姿勢です。

変形性股関節症の方は、就寝時の姿勢によっても関節への負担が変わります。

以下のような寝方を試してください。

  • 仰向けで寝る場合|膝の下にクッションを入れる
  • 横向きで寝る場合|膝の間にクッションを挟む

股関節にやさしい姿勢は、痛みの軽減や症状の進行予防につながります。

医師や理学療法士と相談しながら、自分に合った就寝スタイルを整えましょう。

変形性股関節症による股関節の痛みには再生医療をご検討ください

変形性股関節症を悪化させないためには、やってはいけないことを理解し、日常生活の中で注意することが大切です。

  • 長時間の立ち仕事
  • 膝を深く曲げる
  • 激しい運動
  • 急激な体重増加
  • 重量物の持ち運び
  • 脚に負担のかかる靴の着用
  • 正座やあぐらで座る

股関節に痛みや違和感がある場合には、我慢せずに医療機関を受診しましょう。

治療を続けても改善が見られない場合や、手術を勧められたものの手術や人工関節は避けたい場合には、再生医療による治療が選択肢の一つです。

再生医療は、手術や入院をせずに変形性股関節症を治療できる方法として注目されています。

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監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長