変形性股関節症の原因5つ!女性に多いといわれる理由や手術しないで治す方法について解説
公開日: 2019.05.08更新日: 2025.04.30
変形性股関節症は、女性に多い疾患といわれています。
変形性股関節症が女性に多いといわれる理由は、発症に女性ホルモンが関係したり、男性と比べて筋力が弱かったりするためです。
本記事では、変形性股関節症の原因について、詳しく解説します。
変形性股関節症の症状が悪化しないよう、自身に合った治療法を見つけましょう。
目次
変形性股関節症の主な原因5つ
変形性股関節症の主な原因は、以下の5つです。
股関節がすり減り変形する変形性股関節症では、痛みや動かしにくさなどの症状がみられます。
適切な予防策を行うことで、変形性膝関節症の発症リスクや症状の悪化リスクを低減できる可能性があるため、原因を調べることが重要です。
加齢によって関節軟骨の弾力性が低下している
加齢によって関節軟骨の弾力性が低下すると、変形性股関節症を発症しやすくなります。
関節軟骨の弾力性の低下により、股関節が通常とは異なる動きをし、すり減りや変形などが進行しやすくなります。
股関節の痛みや下半身の動かしにくさがある場合は、変形性股関節症の症状の可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
肥満・急激な体重増加による股関節への負担が大きい
変形性股関節症を発症する原因の1つに、肥満や急激な体重増加があります。
急激に体重が増加すると、身体を支えている股関節に大きな負担がかかります。
先天的・後天的な骨の変形がない場合でも、体重増加により変形性股関節症を発症するケースがあるため注意が必要です。
食生活や運動習慣の改善で体重管理を行いましょう。
オーバーユース(使いすぎ)によって股関節が摩耗している
オーバーユース(使いすぎ)によって股関節が摩耗している場合にも、変形性股関節症を発症する可能性があります。
股関節の摩耗により骨が変形すると、下半身に痛みやしびれなどの症状が出てきます。
スポーツ活動や日常生活で、股関節に負担のかかる動作を行う機会が多い方は注意が必要です。
以下の記事では、変形性股関節症がスポーツ選手に多い理由について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
先天性疾患によって関節軟骨がすり減りやすい
先天性疾患によって関節軟骨がすり減りやすい場合は、変形性股関節症になる可能性も高いため注意しましょう。
変形性股関節症の原因となる主な先天性疾患は、先天性股関節脱臼と臼蓋形成不全です。
先天性股関節脱臼 |
生まれつき股関節が脱臼を起こしている状態 |
臼蓋形成不全 |
股関節の屋根の部分にあたる臼蓋の発育が不完全で、大腿骨頭への被りが浅い状態 |
臼蓋形成不全では、中年以降にはじめて痛みがみられ、病気に気づくケースもあります。
先天性疾患のある方は、股関節の痛みだけでなく、動かしにくさや少しの違和感でも医療機関を受診することが重要です。
股関節疾患の後遺症として発症する可能性も
股関節疾患の後遺症として、変形性股関節症を発症する可能性もあります。
転倒や交通事故などで腰にダメージを負うと、大腿骨頭壊死や大腿骨頭すべり症を発症する恐れがあります。
大腿骨頭壊死 | 大腿骨の骨頭部(先端)が壊死する |
大腿骨頭すべり症 | 大腿骨が正常な位置からずれる |
大腿骨頭壊死や大腿骨頭すべり症は、変形性股関節症の原因疾患であり、発症すると股関節に痛みを生じるため注意が必要です。
変形性股関節症が女性に多いといわれる理由
変形性股関節症が女性に多いといわれる理由は、以下の2つです。
- エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量低下が発症原因になるため
- 男性より筋力が弱いため
エストロゲンは、骨代謝を促して骨量を増やす女性ホルモンで、閉経後に分泌量が低下します。
女性の場合は更年期以降、エストロゲンの分泌量が低下し、骨のすり減りが進行しやすいため注意が必要です。
また、女性は男性と比べると筋力が弱く、歩行や立ち上がり動作などで股関節に負担がかかりやすい特徴があります。
変形性股関節症の人がやってはいけないこと
変形性股関節症の人がやってはいけないことは、以下のとおりです。
- 深くしゃがむ動作
- 下半身に負担がかかる動作
- サイズの合っていない靴の着用
- 不十分な体重管理
変形性股関節症になった方は、日常生活の中で気を付けなければいけない動作が多いです。
対策として、股関節周辺の筋トレやストレッチなどを行うと、可動域の拡大や柔軟性向上に期待できます。
股関節に過度な負担がかからないよう、体重管理を徹底し、無理な動作は控えましょう。
変形性股関節症でやってはいけない動作について、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
変形性股関節症はどうやって治療する?
変形性股関節症の主な治療法は、以下の2つです。
股関節の痛みを治療せずに放置していると、症状が悪化し、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
股関節に違和感がある際は、早めに医療機関を受診し、自身に合った治療法を検討しましょう。
保存療法
変形性股関節症の治療法の1つに、保存療法があります。
保存療法は、以下の手段で症状の緩和を目指す治療法です。
- 薬物療法(痛み止め・抗炎症薬 など)
- 温熱療法(ホットパックの使用)
- 運動療法・リハビリテーション療法
- 日常生活の改善(体重管理・食事管理)
痛みや腫れなどの症状がある場合には、薬物療法や温熱療法による保存療法が行われるのが一般的です。
変形性股関節症の病状が進行し、股関節の可動域が狭まっているケースでは、リハビリを実施し日常生活動作の再獲得を目指します。
手術療法
保存療法を行っても症状の改善がみられない場合は、手術療法が検討されます。
変形性股関節症の主な手術方法は、関節を残して治療する「関節温存手術」と、損傷した部位を人工物に入れ替える「人工股関節置換術」です。
手術療法は、症状を根本的に治せるメリットがありますが、入院やリハビリなどで治療期間が長引くデメリットもあるため注意しましょう。
変形性股関節症で手術療法を受けるタイミングにお悩みの方は、以下の記事も参考にしてください。
変形性股関節症を手術せずに治療できる再生医療について
変形性股関節症を手術せずに治療したい場合は、再生医療による治療も1つの選択肢です。
再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、すり減った股関節の軟骨を修復・再生する治療法です。
当院(リペアセルクリニック)では、以下の特徴をもつ再生医療をご提供しています。
- 入院や手術が不要
- 患者様自身の細胞を利用するためアレルギーや副作用のリスクが低い
- 痛みだけでなく原因となっている組織の修復にも期待できる
再生医療は通院での治療が可能なため、仕事や家庭の事情で長期休みがとれない方でも受けられます。
変形性股関節症の症状にお困りの方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
【まとめ】変形性股関節症は進行する前に治療を開始することが重要
変形性股関節症は、先天性疾患やオーバーユースなどが原因で発症します。
症状が進行すると股関節の痛みだけでなく、下半身の動かしにくさもみられる場合があるため、初期の段階で治療を開始することが重要です。
保存療法を受けても症状の改善がみられない場合は、手術療法や再生医療が検討されます。
再生医療は、関節温存手術や人工股関節置換術と比べて、身体への負担が少ない治療法です。
手術を避けて変形性股関節症を治したい場合は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
略歴
2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業
2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医
2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科
2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科
2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科
2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長