-
- 再生治療
関節の痛みや変形が辛い関節リウマチは治るのか?辛い症状を抑えこむ寛解とは? 関節の痛みや変形といったつらい症状が出現することで知られている関節リウマチ。 もしも、そんな関節リウマチだと診断されたら「これからどうなるのか」「治るのだろうか」と不安になる人も多いでしょう。今回は、関節リウマチは治るのかについてご紹介します。 関節リウマチとは 関節リウマチは自己免疫疾患のひとつです。細胞やウイルスなどが体内に侵入すると、免疫機能が異物を感知して闘おうとします。 しかし、免疫機能に何からの不具合が生じ自分の体を異物として攻撃してしまうことがあります。これが自己免疫疾患です。 そして、自己免疫が関節の骨や軟骨をいためるのが関節リウマチなのです。 関節リウマチは病気が進行すると関節の骨や軟骨が破壊されてしまいます。関節リウマチの患者さんの手や足が変形してしまうのはこのためです。 日常生活に支障が出たり、歩行が不安定になったりするため、変形を防ぎたいという人は多いでしょう。 そんな関節リウマチですが、治療によって治るのでしょうか。 結論からいうと、完治はしません。 しかし、病気の研究や治療薬の開発が進み、「治る」に近い状態にもっていくことが可能になりました。 治るというわけではないのですが、「寛解(病気が活発ではなく落ち着いている状態)」は期待できるのです。炎症が落ち着いている状態になるため、関節の痛みといった辛い症状も軽くなるでしょう。 関節リウマチ 治らないが、寛解(病気が活発ではなく落ち着いている状態)を目指せる 関節リウマチの治療法は? 関節リウマチの治療法は、薬物療法が主軸になります。抗リウマチ薬で病気が治るわけではありませんが、進行を遅らせたり炎症を抑える効果が期待できます。 また、内服薬だけでなく、点滴という方法もあります。リウマチの薬といっても種類はいろいろあるため、症状や病気の程度によって薬剤が検討されます。 さらに、痛みが強いときには痛み止めを併用したり、炎症に対してステロイドを使用することもあります。 早期発見・早期治療をすると関節リウマチが悪化する前に進行を遅らせることも可能になります。 しかし、関節リウマチの治療に用いられる薬には副作用もあります。皮膚のかゆみ、皮疹、肝障害、胃腸障害といった副作用が出る薬もあるのです。 症状が落ち着いたからといって副作用を気にして自己判断で内服を中止するのは危険です。せっかく落ち着いた症状や炎症が再燃するリスクがあるからです。 治療や副作用のことなどは医師と相談しながら、指示通りに内服することが大切です。 関節リウマチの最新治療法に再生医療が登場 これまで関節リウマチの治療は薬物療法がメインでした。しかし、「副作用の心配」という患者さんが多いという現状もあります。 そんな中、近年、「再生医療」が関節リウマチの治療法として注目されています。PRP(多血小板血漿)を直接関節に注射するという、これまでの関節リウマチの治療にはなかった新たな方法です。 PRPとは、聞き慣れない人も多いかもしれませんので、簡単に説明します。 PRPとは多血小板血漿のことで、自分の血液から抽出します。このPRPを関節に注射すると、成長因子として新しい細胞や組織をつくりだす働きをするのです。 関節リウマチは自己免疫が関節の骨や軟骨を攻撃し、炎症が起きたり破壊される病気です。 再生医療では、成長因子が新しい細胞や組織をつくることで、関節の炎症を鎮めることが期待できます。 リウマチ自体が治るわけではありませんが、炎症が落ち着けば関節の痛みが軽減する可能性があるでしょう。 そして再生医療のメリットのひとつが、副作用です。PRPは自分の血液から抽出するため、副作用の心配が少なく安心して治療を受けることができます。 まとめ・関節の痛みや変形が辛い関節リウマチは治るのか?辛い症状を抑えこむ寛解とは? 関節リウマチの治療は薬物療法がメインですが、抗リウマチ薬によって治るわけではありません。 しかし炎症を抑え、症状を落ち着かせることや病気の進行を遅らせることは可能です。ただ、薬物療法では副作用が不安という人も多いでしょう。 近年、副作用の心配が少なくてすむ再生医療が、関節リウマチの治療として期待されています。治療法の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。 再生医療は、どこでも受けられる治療ではありません。厚生労働省が認めたクリニックでしか受けることができない治療です。当院は再生医療の専門クリニックですのでお興味やご不明などございましたらご遠慮なくご相談ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.05.26 -
- 幹細胞治療
「ウイルス性肝炎を発症したかもしれない」「健康診断で肝機能の異常を指摘された」と、お悩みの方はいませんか。 ウイルス性肝炎とは、ウイルスが原因で肝臓に炎症が起こる疾患です。 肝機能の異常が見つかった場合は、症状の悪化を防ぐために、早めに治療を開始しましょう。 本記事では、ウイルス性肝炎の種類や対策方法について、詳しく解説します。 肝臓は人体のなかで最大の臓器であり、代謝機能や解毒作用などの働きをもちます。 ウイルス性肝炎になった際は早期治療を行い、症状の悪化や肝硬変への移行を防ぎましょう。 ウイルス性肝炎とはどんな病気?基礎知識を解説 ウイルス性肝炎とは、ウイルスの感染によって引き起こされる肝臓の炎症のことです。 肝臓の働きと肝炎について ウイルス性肝炎とそのほかの肝炎の違い 肝臓の主な働きには代謝や解毒などがあり、病気によって働きが阻害されることで、さまざまな身体の不調が起こります。 倦怠感や食欲低下などの症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 肝臓の働きと肝炎について 肝臓の主な働きは、以下の4つです。 代謝 解毒作用 エネルギーの貯蔵 胆汁の生成 肝機能に障害が発生すると、必要な栄養素を体内に取り込めなくなったり、有害物質が体内に停滞したりします。 肝臓は機能が低下していても症状が現れにくいため、「沈黙の臓器」と呼ばれます。 急激に肝細胞が破壊されることで発症する肝炎は、急性肝炎と呼び、原因はウイルス感染である場合が大半です。 急性肝炎は自然治癒するケースもありますが、症状が悪化すると肝硬変になる恐れがあるため注意が必要です。 ウイルス性肝炎とそのほかの肝炎の違い ウイルス性肝炎以外の肝炎には、主に以下の種類があり、発症原因が異なります。 肝炎の種類 発症原因 アルコール性肝炎 過度なアルコール摂取で肝臓に炎症が起こる 非アルコール性脂肪肝炎 肥満や糖尿病により肝臓に脂肪が蓄積し発症する 自己免疫性肝炎 免疫異常により肝細胞が障害されて発症する 薬物性肝障害 中毒性 薬剤の代謝物によって肝臓に炎症が起こる 特異体質性 先天的な代謝酵素の欠如やアレルギー反応として起こる 肝炎は発症前に原因となる行動をとっていることも多く、診断時の判断材料となるため、医療機関で伝えることが大切です。 ウイルス性肝炎の種類と症状 ウイルス性肝炎には、以下の4種類があり、倦怠感や食欲不振などの症状があらわれます。 A型肝炎ウイルス B型肝炎ウイルス C型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルス いずれもウイルス感染によって発症する肝炎ですが、感染経路が異なるため覚えておきましょう。 A型肝炎ウイルス A型肝炎ウイルスは経口感染が多く、加熱が不十分な二枚貝を摂取したり、海外旅行で飲食したりすることで体内に侵入します。 特に衛生環境が良くない地域へ旅行し、感染源となる食材を摂取した場合は、A型肝炎を発症する恐れがあるため注意が必要です。 A型肝炎ウイルスの主な症状は、以下のとおりです。 食欲不振 発熱 倦怠感 吐き気・嘔吐 黄疸(皮膚が黄色くなる症状) A型肝炎はウイルス性肝炎のなかでも、症状が強くあらわれますが、劇症化する症例は少なく自然治癒するケースが大半です。 食欲不振に対する薬や肝臓に負担を与えないような食生活などの対処法がとられます。 B型肝炎ウイルス B型肝炎ウイルスは、主に以下の経路により感染します。 輸血 母子感染 性行為 注射による感染 刺青 など B型肝炎ウイルスの母親から生まれた子どもは、キャリア(保菌状態)となり、慢性肝炎や肝硬変に進展する可能性があります。 また、刺青や性交渉によって、感染者の血液に触れたりすると、B型肝炎ウイルスを発症する恐れがあるため注意が必要です。 B型肝炎の主な症状は、以下のとおりです。 発熱 倦怠感 食欲低下 吐き気・嘔吐 右わき腹の痛み 黄疸 一般的な風邪症状と似た症状がみられますが、症状は慢性化するため、早めに医療機関を受診し治療しましょう。 C型肝炎ウイルス 血液や体液によって感染するC型肝炎ウイルスは、ワクチンがないため注意が必要です。 C型肝炎ウイルスでは主に以下の症状がみられますが、重症化しにくい場合や自覚症状がない場合もあります。 全身の倦怠感 食欲低下 発熱 C型肝炎ウイルスの多くは慢性化し、肝硬変や肝がんに進行する恐れがあります。 倦怠感や発熱などの症状が落ち着き目立った症状がみられなくなった場合でも、病気が進行しているケースがあるため、医療機関の早期受診が大切です。 E型肝炎ウイルス E型肝炎ウイルスは、豚やイノシシ、鹿などが持つウイルスによって感染する可能性があります。 生肉を食べたり、衛生環境の良くない海外で水を飲んだりすると、E型肝炎を発症する可能性があります。 E型肝炎の主な症状は、以下のとおりです。 腹痛 寒気 発熱 倦怠感 食欲不振 症状が慢性化するケースは少なく、多くは自然に治癒するため、E型肝炎の治療では症状の改善を目指す「対症療法」を行うのが一般的です。 しかし、症状が慢性化し劇症肝炎を発症した場合は注射(インターフェロン療法)によって治療するケースもあります。 ウイルス性肝炎の対策について ウイルス性肝炎を予防するには、以下の感染対策を十分に行うことが重要です。 手洗い・うがいを行う 海外での飲食に注意する 入れ墨やピアスの穴開けを行う際は清潔な器具を使用する 他人の血液を素手で触らない 血液が付着する可能性のあるものを他人と共有しない(歯ブラシ、かみそりなど) コンドームを正しく使用する A型・E型肝炎は、口から体内にウイルスが入り込む「経口感染」によって発症します。 血液や体液を介してウイルスが体内に侵入するB型・C型肝炎は、針刺し事故や性交渉が感染の原因となるため、感染者との接触に注意が必要です。 ウイルス性肝炎の治療法については、以下で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 ウイルス性肝炎は肝硬変へと進行するリスクがある ウイルス性肝炎が慢性化すると、肝硬変へと進行するリスクがあります。 症状の悪化を防ぐためには、検査で陽性となったら早期から治療を開始することが大切です。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、気づかぬうちに肝硬変になっているケースもあります。 肝硬変は肝細胞が線維化して肝臓が固くなる病気で、自然治癒は見込めません。 また、ウイルス性肝炎以外の肝機能障害でも、肝硬変になるリスクがあるため注意が必要です。 以下の記事では、脂肪肝が肝硬変に移行する理由について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 進行した肝硬変に対する治療法「再生医療」について ウイルス性肝炎から進行した肝硬変に対する治療法として、先端医療である「再生医療」が注目されています。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、線維化した肝細胞を修復・再生する治療法です。 再生医療は肝細胞を修復することで、肝臓が元の機能を取り戻せる可能性がある治療法です。 慢性化した肝炎や肝硬変などでお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 まとめ|ウイルス性肝炎は早期発見・早期治療が重要 ウイルス性肝炎には、A型・B型・C型・E型肝炎の4種類があり、感染経路や対策方法が異なります。 肝炎は慢性化すると、従来の治療では完治しないといわれている肝硬変へと進行する恐れがあるため、感染対策を十分に行うことが大切です。 全身の倦怠感や食欲低下など、ウイルス性肝炎の症状がみられる場合には、早めに医療機関を受診し治療を行いましょう。 ウイルス性肝炎から肝硬変へと進行し、慢性的な症状にお悩みの方は、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療による治療法について気になる点がある場合は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)にお問い合わせください。
2020.05.25 -
- 肩
肩の石灰化は腱板と呼ばれる腱の中にカルシウムが蓄積して痛みを伴う疾患です。急激に強い痛みが伴うことから多くの方が悩まされています。 そんな肩の石灰化の痛みを改善するには、ストレッチによる運動治療が有効です。 本記事では、効果的なストレッチ方法を3選紹介します。症状改善と日常生活の質向上を目指すためにもぜひ最後までご覧ください。 肩の石灰化に運動治療(ストレッチ)が有効な理由 肩が石灰化している場合、夜中に肩の痛みで目が覚める・腕を動かすと痛みがある・腕を動かせないといった症状があります。 肩の石灰化に有効な治療法は多数存在しますが、そのなかの ひとつに運動療法によるストレッチが挙げられます。 ストレッチは石灰化を起こしている肩周辺の筋肉をほぐし、可動域を広げる効果があります。 この項目では、そもそも肩の石灰化とはどういった疾患なのかを具体的に解説した上で、運動治療の目的を紹介します。 肩の石灰化(肩石灰沈着性腱板炎)とは 肩の石灰化とは、体内の余分なリン酸カルシウムが肩関節の動きを安定させる役割のある腱板の周囲に沈着して硬くなってしまうことです。 沈着する初期のリン酸カルシウムはミルク状ですが、徐々に練り歯磨き状・石膏状へと硬くなっていきます。 この石灰化したものを身体が異物と認識し、攻撃することで腱板が炎症を起こします。また、硬くなり膨れ上がった石灰が腱板を突き破ることで、激しい痛みが生じます。そうした症状を、石灰沈着性腱板炎と言います。 運動療法の目的 石灰沈着性腱板炎は、発症してから1週間から4週間の急性期に強い痛みが生じます。よって急性期は保存療法で安静を保ち、強い痛みが落ち着いてから運動療法を開始します。 運動療法は、ダメージや運動不足によって硬くなった筋肉や関節をほぐすことを目的とし、痛みの緩和や関節の可動域を広げる効果があります。 また、肩の石灰化に対して運動療法を行う場合は、痛みが強くならないよう注意しなければなりません。無理して運動してしまうと症状が悪化してしまいます。 肩の石灰化に有効なストレッチ3選 肩の石灰化に運動治療が有効な理由を確認いただいたところで、さっそく有効なストレッチ3選を紹介します。 ストレッチは、空き時間を利用しながら手軽にできる運動療法です。確認し次第実践してみましょう。 タオルを使ったストレッチ タオルの両端を両手で持って、上下に動かす タオルの両端を両手で持って、腕を真上に挙げた状態でゆっくり左右に動かす 両腕を下げて体の後ろでタオルの両端を持ち、その状態で左右に動かす ※いずれも繰り返し行います 硬くなってしまった筋肉や関節をほぐすイメージで行います。強い痛みが出る場合は、無理をせず中止してください。 肩の後ろを伸ばすストレッチ 横向きで寝る(ストレッチを実施する肩が下になるよう) 下側の腕を肘から直角に曲げる(腕は肩と並行になるよう真横に向ける) 曲げている肘の手首を上側の手でつかむ 手首を腹部側に徐々に倒す(床につけるように) 上記は、肩の後ろを伸ばすのに効果的なストレッチです。就寝前など、寝転んだついでに実践できるお手軽なストレッチとなっています。 インナーマッスルストレッチ 床や背もたれのない椅子に座る 伸ばす方の腕を下から背中に回す 棒やタオルを持ったもう一方の腕を上から背中に回す 棒やタオルを両手で持ち、上に回した腕で伸ばす腕を引き上げる 上記ストレッチは、棒やタオルといった引っ張れるものを使用します。 お互いの腕を上下に分けて背中に回し、伸ばす側の腕を引っ張るイメージです。 適切なストレッチで肩の石灰化を緩和しよう 肩の石灰化に対して運動療法は有効ですが、間違ったタイミングや方法でおこなうとかえって悪化を招いてしまいます。自己判断で運動したり自己流の運動をしたりせずに、医師や専門家のアドバイスをきちんと受けた上で正しく行いましょう。 また、手術を伴わない療法として再生医療が近年注目を集めています。肩の痛みにお悩みの方は再生医療による治療も検討してみてはいかがでしょうか。
2020.05.24 -
- 免疫細胞療法
運動で免疫力を高めたいと考えている方は多いのではないでしょうか。 風邪をひきやすい、疲れが取れにくいなど、免疫力低下を感じている方にとって、日々の運動で免疫力をアップする方法は気になることでしょう。 本記事では、運動によって免疫力がアップする理由から、おすすめの運動方法、そして適切な運動量まで詳しく解説します。 日常生活に取り入れやすい運動習慣から始めましょう。 過度な運動がかえって免疫力を下げてしまう可能性についても触れながら、健康づくりに役立つ情報をお届けします。 運動で免疫力アップする理由 https://www.youtube.com/watch?v=lUGtwkIV7po 運動で免疫力がアップする理由としては、次の2つが考えられます。 体温が上がって血行が良くなる ストレス解消によって自律神経のバランスが取れる 運動によって筋肉を動かすことによって体温が上がり、血行が良くなることで免疫力がアップします。 また、ストレス解消にもつながり、副交感神経が優位な状態を保つとリンパ球が増えることで免疫力が向上する※こともわかっています。 ※出典:J-STAGE「運動と免疫と健康」 一方で、過度な運動は免疫力の低下につながるため、「適度な運動」であることが大切です。 体温が上がって血行が良くなる 運動をすると筋肉が動いて体温が上がり、血行が促進されることで免疫細胞が体内を移動しやすくなるため免疫力向上につながります。 また、運動後は筋肉に血液が多く送られ、疲労回復が促されるとともに代謝も活発になります。 中程度(週5回、45分間、心拍数60程度を維持できる早歩きなど)の運動を継続することで、血液中の免疫グロブリン(IgG、IgA、IgM)が増加※することが報告されており、これは感染症への防御機能が高まる可能性を示しています。 ※出典:PubMed ちなみに、風邪のときに熱が出るのは、免疫細胞がウイルスと闘っている証拠です。体温の上昇は免疫機能の活性化に関わっているとされています。 ストレス解消によって自律神経のバランスが取れる 運動がストレス解消となって自律神経のバランスが取れることで、免疫力向上につながります。 現代社会では多くの人が様々なストレスを抱えていますが、このストレスが免疫機能に大きな影響を与えます。 イライラしている状態が続くと交感神経が過度に優位になり、免疫細胞の働きが低下するため、この状態が続くことは好ましくありません。 そんな時には運動が有効です。適度な運動にはストレス解消効果があり、ストレスが発散されることで心身がリフレッシュされます。 運動時は一時的に交感神経が優位になりますが、運動後のリラックス状態では副交感神経の働きが活発になります。 運動は免疫力向上のための自律神経のバランスを取るのに有効な対策です。 免疫力アップにはどれくらい運動すれば良い? 免疫力を高めるための適切な運動量は、以下を参考にしてください。 毎日60分間、歩行や家事などの身体活動を行う 毎週60分間、息が弾み汗をかく程度の運動を行う ※出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2023」 また、運動を習慣化するには、「+10(プラステン)」という考え方が有効です。 毎日10分多く体を動かすだけでも免疫力向上に効果があります。 過度な運動はかえって免疫力を低下させる「オープンウィンドウ」現象を引き起こすため、無理のない範囲で続けることが大切です。 運動による免疫力アップが期待できる方法 運動で免疫力をアップさせたい方には、次の方法がおすすめです。 ウォーキング 縄跳び 上半身のストレッチ 下半身の筋トレ 継続するためにも興味があるものから始めてみましょう。 ウォーキング ウォーキングは免疫力アップに効果的で、運動習慣のない方でも始めやすい運動です。 長時間のウォーキングが難しい方は、「立つ」という基本動作を意識することから始めてみましょう。 立つだけでも股関節や膝を使い、ふくらはぎに負荷がかかるため血液循環が促進されます。 デスクワークが中心の方は、1時間に一度立ち上がる、エレベーターではなく階段を使う、少し離れた場所へは徒歩で行くなど、日常生活の中で歩く機会を増やすことから始めてみましょう。 無理なく継続できる範囲で実践することが、免疫力アップの鍵となります。 縄跳び 縄跳びは手軽に始められる全身運動で、免疫力アップに効果的です。 縄跳びをすることで血液循環を促進し、体温を上昇させることで免疫細胞の活性化につながります。 また、リズミカルな動きはストレス解消効果も期待できるため、自律神経のバランスを整えるのにも役立ちます。 初心者は1分間を数セット、慣れてきたら5〜10分間を目標に行いましょう。 エア縄跳びでも同様の効果があり、室内でもできるため、場所や天候に左右されず継続しやすい運動方法といえます。 上半身のストレッチ 上半身のストレッチは、肩こりや姿勢の改善だけでなく、免疫力アップにも効果的です。 とくに肩や胸、背中のストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、血流を促進します。 デスクワークなどで固まった筋肉をほぐすことで、リンパの流れも良くなり、免疫細胞が体内をスムーズに巡回できるようになります。 朝晩5分程度、腕を広げる胸のストレッチや、肩を回すなどの簡単な動きから始めましょう。呼吸を意識しながら行うことで、リラックス効果も高まります。 下半身の筋トレ 下半身の筋トレは、体内最大の筋肉群を鍛えることで代謝が上がり、免疫力アップに効果的です。 太もも、お尻、ふくらはぎなどの大きな筋肉を動かすことで、全身の血流が改善され、免疫細胞の働きが活性化します。 スクワットはとくにおすすめで、自分の体重だけで効果的なトレーニングができます。 膝に負担をかけない程度に浅く腰を落とすだけでも十分効果があります。 過度な運動習慣は逆効果になることもあるため注意 適度な運動は免疫機能を高めますが、過度な運動は逆に免疫力を低下させることがあります。 マラソンのような高強度の運動後は、数時間〜数日間にわたり免疫力が低下し、感染症にもかかりやすくなります。 免疫力アップを目指す場合は、息が弾み軽く汗をかく程度の中強度の運動を30分程度、週に2〜3回行うことが理想的です。 運動後に強い疲労感や倦怠感を感じる場合は、運動強度や時間を見直しましょう。 免疫力アップ目指すなら再生医療による「免疫細胞療法」も検討しよう 免疫力アップを目指すなら、運動習慣の改善と合わせて再生医療による免疫細胞療法も検討しましょう。 免疫力が低下すると、日常生活に多くの影響を及ぼします。 風邪を引きやすい 帯状疱疹や口唇ヘルペスが出やすい 皮膚トラブルや花粉症が悪化している これらの症状に当てはまる方は、免疫力が下がっているサインかもしれません。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療によって免疫力向上を図る「免疫細胞療法」を提供しています。 日々の生活で免疫力の低下を感じている方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 【まとめ】運動で免疫力アップするには適度な運動習慣が重要! 運動が免疫力を高める主な理由は、体温上昇による血行促進と、ストレス解消による自律神経バランスの改善です。 免疫力アップに最適な運動量は、毎日60分の歩行や同程度の身体活動、または毎週60分の息が弾む程度の運動が理想とされています。 ただし、いきなり始めるのではなく、「今より10分多く体を動かす」という小さな変化から始めるのが継続のコツです。 ウォーキングなどの手軽にできる運動から取り入れていきましょう。 大切なのは「適度」であること。過度な運動はかえって免疫力を低下させるため、無理のない範囲で続けることが健康的な免疫力アップへの近道です。 日常的な運動習慣に加えて、より積極的に免疫力向上を目指す方は、当院の「免疫細胞療法」もご検討ください。
2020.05.23 -
- 再生治療
初期段階の関節リウマチは、他の病気にも見られる症状が多いため早期発見が難しい病気です。 そのため「関節リウマチは何科に行けばいいかわからない」という方もいるでしょう。 本記事では「関節リウマチを疑った時に受診すべき診療科」について詳しく解説します。 また、受診する診療科よりも「早期受診」が重要視される理由も紹介しています。 受診すべき診療科と早期受診の重要性を理解して、関節リウマチを早期発見・早期治療できるようにしましょう。 関節リウマチは何科を受診すべき?内科でも整形外科でも良い 「関節リウマチかも」と思ったら、リウマチ科・内科・整形外科などを受診しましょう。 関節リウマチは他の病気にも見られる初期症状が多く、初期段階での発見が難しい病気のため、医師の総合的な判断が必要です。 そのため、どの診療科を受診するかよりも治療を担当する医師の知識と経験が豊富である方が重要といえます。 一つの判断基準として「日本リウマチ学会リウマチ専門医」の有資格者は、関節リウマチに関する専門性が高いと判断できます。 内科と整形外科はどっちが良い? 内科と整形外科のどちらか迷った場合は、まずは内科のリウマチ専門医へ受診するのがおすすめです。 最近の関節リウマチの治療では、以下のような関節外症状の内科的な知識が必要になってきています。 薬の副作用管理が複雑 感染症対策などの緊急時の対応 など 整形外科でも、経験豊富で症例が多いリウマチ専門医のいる病院であれば問題ありません。 とはいえ、内科と整形外科が連携して治療することが重要なのでどちらの診療科も必要不可欠です。 関節リウマチは診療科選びよりも早期受診することが重要 関節リウマチは、 早期に適切な治療を行えば病気の進行を抑えられますが、発見や治療が遅れると関節破壊が進行し続けます。 初期症状は「体がだるい」「熱っぽい」「朝方に手がこわばる」など、他の病気にも見られるものです。 自己判断せず、少しでも不安があれば医療機関に相談することが大切です。 現在は、アロマ・整体・漢方・温泉・サプリメントなど、たくさんの民間療法がありますが、試している間にも病気が進行する可能性があるため、試す前に、まずは専門医の診断を受けることをおすすめします。 リウマチの初期症状 関節リウマチの初期症状には、以下のようなものがあります。 【関節リウマチの初期症状】 倦怠感、身体が重い感じ 食欲不振、体重減少 微熱 手足や指のこわばり(特に起床時) 関節の痛みや腫れ これらの症状は、日常生活で「靴ひもを結ぶ」「ボタンを掛ける」「茶碗を持つ」「歩く」「体を洗う」「腰を曲げる」「蛇口を開閉する」「車の乗り降り」といった動作がしにくくなったことで気づく場合もあります。 関節リウマチは、30~50代の女性に多く見られます。 仕事や家事、育児などに追われて初期症状に気づきにくい場合もあるため注意が必要です。 関節リウマチは自己免疫疾患の一つで、関節が腫れ、放置すると変形する可能性があります。 病気が進行すると関節に腫れや激しい痛みが生じ、関節を動かさなくても痛みが生じるようになります。 少しでも気になる症状がある場合は、我慢せずに医療機関に相談することが大切です。 リウマチの診断には専門的な知識が必要とされるため、リウマチ専門医のいる医療機関を受診すると安心です。 関節リウマチの診断・検査方法 関節リウマチは、他の病気と初期症状が似ていて識別しづらいため、以下のような方法で診断・検査を行います。 【関節リウマチの診断・検査方法】 問診・診察 血液検査 レントゲン 関節エコー検査 尿検査 それぞれの診断・検査方法について解説していきます。 問診・診察 関節リウマチの診察では、以下のようなことを質問されるので事前に確認しておきましょう。 家族歴について:血のつながった家族の中に関節リウマチの人がいないか 既往歴について:過去にかかった病気について、現在治療中の病気がないか 症状について:いつ頃症状が出たか、現在どのような症状か 関節リウマチが発症する原因はまだ明らかになっていませんが、遺伝的な要素が関与していると考えられています。 三親等内に関節リウマチや自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、強皮症など)の人がいるかは、重要な情報です。 また、適切な薬物療法を行うために現在治療中の病気や服用中がある場合は、答えれるようにしましょう。 血液検査 関節リウマチで基準値よりも高くなるのが抗CCP抗体とRF(リウマチ因子)です。これらはリウマチ体質である可能性が高いことを示します。 また、CRP(炎症反応)が高くなることも関節リウマチの特徴です。関節の痛みや腫れといった症状や、血液検査の結果をみて診断します。 レントゲン 骨の変形や破壊状態をレントゲンで確認することができます。関節リウマチの診断基準の項目にも含まれているため、関節の痛みなどで受診するとレントゲン検査を行うことが多いでしょう。 関節エコー検査 関節エコーは、レントゲンに骨の破壊が映る前の、まだ症状が進んでいない段階でも病気をとらえることができます。関節内の炎症や腫れがわかり、早期発見・早期治療につながるでしょう。 尿検査 尿検査では、尿にたんぱく質が出ていないか、白血球や赤血球が含まれていないかを検査します。 薬の副作用や他の病気(合併症)を調べられます。 関節リウマチの治療法は再生医療という選択肢もあります! 関節リウマチに対する従来の治療は、薬物療法が基本とされていましたが、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 【再生医療とは】 機能障害や機能不全になった生体組織に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のこと 薬物療法では、関節リウマチの進行を抑制する抗リウマチ薬が処方されますが、完全に治すのは難しく長期的な治療が必要です。 しかし、再生医療では患者自身の幹細胞を培養し、患部へ投与することで損なわれた関節リウマチの根本的な改善が期待できます。 自身の細胞を用いた治療方法のため、副作用の心配が少ない点も再生医療の強みの一つです。 再生医療による幹細胞治療は、ぜひ当院へご相談ください。 【まとめ】関節リウマチは受診する診療科より早期受診が重要 関節リウマチは早期発見・早期治療が極めて重要な病気です。 初期症状は倦怠感や微熱、関節のこわばりなど一見ありふれたものですが、放置すると急速に進行し、取り返しのつかない関節破壊を引き起こす可能性があります。 少しでも症状に気づいたら、リウマチ科や膠原病科、専門の整形外科を受診しましょう。重要なのは、関節リウマチの診断・治療に精通した医師による診察を受けることです。 診断には血液検査やレントゲン、関節エコー検査などが行われます。 治療は主に薬物療法が基本ですが、副作用の心配もあります。最近では、自己血液を用いたPRP療法という再生医療も注目されており、副作用のリスクが低い新たな選択肢として期待されています。 関節リウマチは適切な治療で進行を抑えられる病気です。自己判断や民間療法に頼らず、専門医による早期の診断と治療を受けることが、QOL(quality of life :生活の質)を維持する上で非常に大切です。 関節リウマチは治るのか?辛い症状を抑えこむ寛解については、こちらをご覧ください
2020.05.22 -
- 股関節
股関節が痛くなったときに考えられる原因の1つが股関節の石灰化です。 股関節内に石灰化したカルシウムが沈着すると、痛みや関節の可動域の制限を引き起こします。 ときには、強い痛みで歩けなくなる恐れがある疾患です。 本記事では、股関節の石灰化の症状や原因、対処法について詳しく紹介します。 また、石灰化した股関節の根本的な治療に期待できる再生医療についても紹介しているので参考にしてみてください。 股関節が石灰化すると歩けない可能性があるのはなぜ? 股関節が石灰化すると歩行が困難になる可能性がある理由は、症状が進行することで強い痛みや股関節の可動域が制限されるためです。 股関節の石灰化は「石灰沈着性腱炎」という病名で、石灰と呼ばれるカルシウムの結晶が股関節の組織に溜まる病気です。 股関節以外にも肩関節、手足の関節などによく発症し、急に患部が痛んだり、夜も眠れないほどの痛みを感じたりします。 股関節に発症すると炎症による痛みで関節の動きが制限され、歩行が困難になるなど日常生活に大きな影響を与える病気です。 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因は、身体が石灰を異物と判断して攻撃するために起こる炎症です。 石灰化したカルシウムが股関節に沈着すると、身体が石灰を異物だと認識して攻撃するので関節がダメージを受けて炎症を起こします。 沈着したカルシウムを異物と判断して攻撃することは本来ならありませんが、なぜ攻撃するのかは解明されていません。 また、石灰化が肩の腱板に起こると「石灰沈着性腱板炎」になり、痛みを引き起こします。詳しくは下記の記事を参考にしてください。 病態によって症状が異なる場合がある 石灰沈着性腱炎による股関節痛の痛みの度合いや鎮静化するまでの期間は個人差があり、年齢や免疫反応(石灰を攻撃する力)によって異なります。 若い人は体の免疫反応が強いため、炎症が激しく、強い痛みが出ることがあります。 しかし、症状が鎮静化するまでの期間は短いケースが多いです。 免疫反応が弱い高齢者では、強い炎症や激しい痛みになるケースは少なくなりますが、鎮静化するまでの期間が長くなる傾向にあります。 股関節はどうやって石灰化する?沈着するカルシウムについて 股関節が石灰化するきっかけとなるのがカルシウムの沈着です。 カルシウムが沈着する主な要因は、以下の通りです。 カルシウムの代謝異常によって骨からカルシウムが溶け出す 加齢によってカルシウムの代謝バランスが崩れる カルシウムの過剰摂取によって石灰化を促進する可能性がある カルシウムは本来、骨を維持するために腸から吸収し、余分なものは尿で排出しています。 しかし、加齢によって吸収と排出のバランスが崩れたり、カルシウムを過剰摂取したりすると石灰化が促進される可能性があります。 また、カルシウムは体内の細胞が活動するのに欠かせないので、カルシウム不足になると骨を溶かして補おうとします。 代謝異常によって必要以上にカルシウムが溶け出してしまうことで、カルシウムの蓄積につながり、石灰化する可能性があります。 股関節の石灰化による炎症や進行を治療する方法 股関節の石灰化によって歩けないときの治療法を紹介します。 保存療法 再生医療 股関節の石灰化は自然に治癒する場合もありますが、痛みが強い方や長引いている方は、医療機関を受診しましょう。 保存療法 股関節の石灰化に対する保存療法は以下の通りです。 安静にする 鎮痛剤や抗炎症剤の内服 石灰部位への注射 石灰の吸引 リハビリテーション 保存療法では、痛みの原因である石灰を吸引したり、炎症を抑えたりする治療が一般的です。 重度の場合や保存療法で改善が見られない場合、石灰部位を外科手術で摘出する治療も検討されます。 再生医療 股関節の石灰化による治療では、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療の治療は、主に以下の2種類です。 幹細胞治療:損傷した組織の再生および修復 PRP治療:自然治癒力を高め、炎症を抑える とくに幹細胞治療では自身の細胞を活用し、損傷した股関節の再生・修復を目指します。 患者さまから幹細胞を採取・培養し、注射で患部に投与します。 手術や入院をせずに根本的な治療が期待できるため、近年注目されている治療法です。 股関節の石灰化による歩行の困難さにお困りの方は当院へご相談ください 歩行が困難なほどの股関節痛にお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 当院で提供している再生医療の特徴は、以下の通りです。 股関節の疾患に対する幹細胞治療の症例数は数千件以上 独自の培養技術で幹細胞の生存率・活動率が高い 手術や入院が不要で早期回復を目指せる 当院(リペアセルクリニック)では、豊富な症例を元に患者さまそれぞれの症状に合わせた治療法をご提案します。 再生医療の効果には個人差がありますが、股関節の強い痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 股関節の石灰化で歩けない方からよくある質問 股関節痛の石灰化で歩けない方からよくある質問をまとめました。 受診の検討や予防に役立ててください。 股関節の石灰化は自然に治る? 股関節の石灰化に有効なストレッチは? 股関節の石灰化に効く食べ物は? 股関節の石灰化は自然に治る? 股関節の石灰化は、保存療法を受ければ自然に軽快する場合が多い病気です。 関節の石灰化による痛みが出たら、一般的に痛み止めの服用やステロイドの注射、リハビリなどの保存療法を行います。この治療を3カ月行なったところ、73%以上に改善があった報告もあります。※ ※出典:肩の石灰性腱鞘炎:メカニズム、病因、および治療に関する臨床的展望 保存的な治療を行えば、比較的高い確率で改善する病気です。 股関節の石灰化に有効なストレッチは? 石化に有効なストレッチはありませんが、予防のために股関節を柔らかくするストレッチがおすすめです。 寝ながらできる簡単なストレッチについて紹介します。 寝た姿勢になる 膝を胸に向かってゆっくりと引き寄せる 20〜30秒姿勢を保つ 3セット繰り返す 朝晩1回ずつ継続して行いましょう ただし、石化の根本的な治療が必要になるので、専門家への相談を忘れずに行ってください。 股関節の石灰化に効く食べ物は? 石灰化しやすい食べ物や石灰化に効く食べ物は、今のところありません。 コーヒーが石灰沈着性腱炎の原因と言われていますが、医学的根拠はなく因果関係も証明されていません。 全身の炎症を抑えたいなら、抗炎症食品として有名な果物や野菜、ナッツ、脂肪の多い魚の摂取がおすすめです。 【まとめ】股関節の石灰化は早期治療によって進行を防ぐことが大切 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因や症状について紹介しました。 股関節痛の原因はさまざまですが石灰沈着性腱炎が疑われる場合、症状の度合いによって適切な治療法も異なります。 股関節が痛みや思うように動かせない方は、放置せずに早めに医療機関を受診してください。 また、当院(リペアセルクリニック)では、股関節の疾患に対して再生医療による治療を取り扱っています。 股関節痛を根本的に解決したい方は、まず当院へご相談ください。
2020.05.20 -
- 再生治療
ウイルス性肝炎の症状とは?【急性肝炎&慢性肝炎】 肝臓は沈黙の臓器と言われるのをご存じでしょうか。肝臓の病気は自覚症状があまりなく、病気の発見が遅れることがあるのです。そんな肝臓の病気として多いウイルス性肝炎。今回はウイルス性肝炎の症状についてご紹介します。 ウイルス性肝炎とは?急性肝炎ではどのような症状が出るの? ウイルス性肝炎とは、肝臓がウイルスに感染して炎症を起こしている状態のことをいいます。A・B・C・D・E型がありますが、このうちD型は、ほとんど日本では見られません。 感染して初めての炎症を「急性肝炎」といいますが、この時期にはどのような症状が出るのでしょうか。 急性肝炎の症状 食欲低下 発熱 全身倦怠感 黄疸 黄疸はビリルビンという肝細胞でつくられる色素が血中に放出されて、皮膚や粘膜が黄褐色になるという症状です。経口感染のA型やE型では慢性化せずに治ることがほとんどです。ただし、C型肝炎は急性肝炎を起こしても症状が現れないことがあります。 頻度は高くありませんが、急性肝炎が重症化して意識障害が起こることもあります。これを急性肝不全といい、命に関わる状態になる場合もあります。 ウイルス性肝炎が慢性化するとどうなる?症状でわかるの? 炎症がつづく状態が「慢性肝炎」です。A型とE型は急性肝炎から慢性化することは稀ですが、B型とC型は慢性化するリスクのあるウイルス性肝炎として知られています。 血液感染のB型肝炎は、大人になってから感染すると急性肝炎を発症する可能性がありますが、多くは完治して慢性化しません。3歳未満での感染では慢性化するリスクが高くなります。 C型肝炎は急性肝炎を起こしても無症状のことが多く、慢性化してしまうこともあります。慢性肝炎になっても自覚症状がなく、放置してしまうことが危険です。 症状があって治療できればウイルスを排除できる可能性がありますが、肝臓の怖いところは無症状の場合があることです。ウイルスによって肝臓の炎症が続くと、肝細胞が破壊されて肝硬変や肝臓がんを合併するリスクがあるのです。 ウイルス性肝炎から肝硬変に!症状や治療法は? 慢性化したウイルス性肝炎が悪化すると、肝細胞の線維化が進み肝硬変になるリスクがあります。肝臓が固くなってしまう肝硬変は、本来の代謝機能がうまくいかず、さまざまな症状がみられるようになります。 初期症状としては、全身倦怠感や食欲低下が出現します。しかし、この時点では「単なる疲れ」と自己判断することもあるでしょう。肝硬変が進むと、肌の色が黄色くなる黄疸が現れます。 病気が進むにつれて、お腹に水が溜まる、むくむなどの症状がみられるようになります。肝性脳症になれば意識障害のような命に関わる状態になる場合もあります。 肝硬変になるとさまざまなリスクが生じることになりますが、根本的な治療はなく、これ以上悪化させないための食事療法が中心でした。 そんな肝硬変の治療に、再生医療が注目されています。自己由来幹細胞を静脈注射で肝臓に送り届け、線維化して固くなった肝細胞を溶解・修復するという治療法です。 肝細胞が修復されることで肝臓が本来の機能を取り戻すことが期待できるでしょう。 まとめ・ウイルス性肝炎の症状とは?【急性肝炎&慢性肝炎】 ウイルス性肝炎は急性期に症状があるものもあれば、無症状のまま慢性化してしまう場合もあります。症状がないまま放置してしまえば、慢性化して肝硬変を合併することもあります。 肝硬変の治療には、肝臓本来の働きを取り戻す再生医療が注目されています。治療の選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.05.19 -
- 免疫細胞療法
免疫細胞を活性化するためにやるべきこととは? 免疫とは、ウイルスを始めとする異物を認識して、侵入を防いだり、侵入した異物を排除したりする能力のことです。この免疫力が低下してしまうといろいろな身体の不調を引き起こしてしまいます。 免疫力を低下させないため、または、低下してしまった免疫力をアップさせるためには免疫細胞を活性化させることが必要になります。今回は、免疫細胞を活性化させるために日常生活でできることを紹介します。 生活のリズムを整えて免疫細胞を活性化! 免疫細胞を活性化させるためには規則正しい生活を送ることが大切です。免疫細胞は自律神経と大きく関係していて、自律神経のバランスがきちんと整っているときに免疫細胞は活性化されやすくなります。 そのため、免疫細胞を活性化させるためには自律神経のバランスを整えることが重要です。夜更かしをしたりして生活のリズムが乱れていると、体内時計のリズムがくるって自律神経のバランスも乱れがちになってしまいます。 自律神経のバランスが崩れて免疫細胞の活性化を妨げてしまわないように、就寝時間や起床時間をできるだけ一定にするなど、生活のリズムを整えることが大切です。 体を温めて免疫細胞を活性化! 免疫細胞を活性化させるためには、体を温めることも大切です。 免疫細胞は血液中にあるリンパ球にたくさん存在していますが、体が冷えてしまっていると、血管の収縮によって血液の流れが悪くなって体の隅々まで行き届かなくなってしまいます。 体を温めるコツは太ももやお腹など大きな筋肉がある部位をしっかりと温めることです。また、体を冷やさないコツは、首、手首、足首など「首」がつく部位を衣類やウォーマーなどでしっかりガードすることです。 また、お風呂もシャワーですませるのではなく湯船に浸かるようにするのもおすすめです。湯船の温度は38℃くらいにして、ゆっくりと浸かりましょう。 バランスのとれた食事と運動で免疫細胞を活性化! 免疫細胞を活性化させるためには、バランスのとれた食事を摂ることが大切です。かかっている病気によっては控えるべき食べ物もありますが、それ以外の場合は、なるべく多品目の食品をバランスよく食べることを意識しましょう。 また、適度な運動をおこなうことも免疫細胞の活性化につながります。運動不足の人がいきなり激しい運動をすると逆に自律神経のバランス乱れの原因になってしまうので、いつもより少し体を動かすくらいの気持ちで運動を始めましょう。 まとめ・免疫細胞を活性化するためにやるべきこととは? 以上、免疫細胞の活性化ために普段からやるべきことについて紹介しました。普段の生活を工夫することでも免疫細胞を活性化させることは可能ですが、医療機関で免疫細胞療法をおこない、免疫細胞の活性化をすることもできます。 免疫細胞療法は病気のいろいろな段階で、また、健康な状態でも自己治癒力アップやウイルス感染や癌の予防のためにおこなうことができますよ。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.05.18 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎は、前触れもなく関節に突然強い痛みが発生するので、初めて発症した人は痛みが辛いのはもちろんのこと「放っておくと悪化するの?」「悪化したらどうなるのだろう」と不安になる人も多いでしょう。 ここでは、石灰沈着性腱板炎が悪化するとどういった症状が出るのかについて、また、悪化した時の治療方法についても紹介します。 石灰沈着性腱板炎が悪化する流れ 石灰沈着性腱板炎は腱板にリン酸カルシウムの石灰が沈着し、その石灰を何らかの原因で身体が異物だと判断して攻撃することで腱板が炎症を起こすものです。 沈着する石灰は最初ミルク状ですが、悪化すると練り歯磨き状になり、さらに悪化すると石膏状になるというようにどんどん硬くなっていき、石灰が溜まって膨れ上がっていきます。 そうなると痛みがどんどん増してしまいます。 さらに、石膏状になって膨らんだ石灰が腱板を破って関節の周囲にあって関節の動きを滑らかにする働きのある滑液包へと移動すると強烈な痛みが生じます。 石灰沈着性腱板炎を悪化させないための保存療法について 石灰沈着性腱板炎が発症してから1週間から4週間くらいの急性の時期は保存療法による治療がおこなわれます。 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って患部を動かさないようにして負荷を軽減した状態で安静したり、炎症鎮痛剤を内服するによって炎症や痛みを抑えたりします。 このような保存療法をおこなうことで石灰が体内に吸収されて消失して、悪化せずに軽快するケースが多いです。 また、この時期は石灰がまだミルク状なので、痛みが強い時は注射針を挿入して吸引して取り除く治療をおこなうこともできます。 石灰沈着性腱板炎の悪化した際の治療法 石灰沈着性腱板炎が悪化すると、慢性的に痛みが強くなり関節を思うように動かせなくなってしまいますが、石膏状になった石灰は注射針を挿入しても吸引して取り除くことはできませんし、放置しておいて自然に軽快することも期待できません。 そういう場合は、内視鏡による手術が検討されるのが一般的ですが、近年では衝撃波によって石膏状の石灰を取り除く体外衝撃波療法のように皮膚を切開する必要のない治療法もおこなわれるようになってきています。 まとめ・石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎が悪化した時の症状や治療方法について紹介しました。 石灰沈着性腱板炎は悪化せずに自然に治まっていくこともありますが、悪化すると痛みや関節の可動域制限などでつらい日々を過ごすことになってしまうこともあります。 悪化させないためにも早めに医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください 監修;リペアセルクリニック大阪院
2020.05.17 -
- 再生治療
- 幹細胞治療
- PRP治療
関節リウマチと診断されたけど治るのか、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか? 関節リウマチは免疫の異常により関節が炎症を起こし、進行すると関節の破壊や変形につながる病気です。 完治が難しいとされる一方で、近年は治療法が進歩し、寛解という状態を目指すことが可能に。 本記事では、関節リウマチの「完治」と「寛解」の違いを詳しく解説します。 発症の背景やリスク要因・治療法についても、紹介していますので「この先どうなるのか不安」「何を選べばいいか迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。 【結論】関節リウマチは現在の医学では完治は難しい|治療目標は寛解 関節リウマチは、免疫の異常によって発症すると考えられており※、現在の医学では完治が難しいとされています。 ※出典:日本リウマチ学会「リウマチ・膠原病を心配したら」 根本的な原因を取り除く治療法は確立されていないため、「治す」のではなく、「うまく付き合う」ことが治療の基本方針です。 ただし、近年の治療法の進歩により、痛みや腫れを抑えて、日常生活に支障のない状態(寛解)を目指すことは可能になっています。 重要なのは早期発見・早期治療で、発症して間もない段階で治療を開始すれば、進行を抑えやすくなります。 また、リウマチは進行性の疾患のため、治療を怠ると関節の変形が進み、日常生活に深刻な支障をきたす恐れがあるので注意が必要です。 そのため、自己判断せず、必ず専門医のもとで治療方針を継続的に見直すことが大切です。 関節リウマチの主な原因 関節リウマチの原因は一つに特定できず、以下のような複数の要因が絡み合って発症すると考えられています。 原因 内容・具体例 免疫異常 免疫システムが自分自身の滑膜組織を攻撃し、炎症が慢性化する 遺伝的素因 関節リウマチになりやすい体質が遺伝するが、必ず発症するわけではない 環境要因 喫煙、歯周病、腸内環境の異常、化学物質、外傷、強いストレスなどが発症や悪化のリスクになる ホルモンの影響 ・女性に多く、30~50歳での発症が多い ・妊娠・出産・閉経など、女性ホルモンの変化が関与する可能性がある 発症割合の内訳 ・遺伝子によるもの:約40% ・環境ストレス因子によるもの:約60% 体を守るはずの免疫が誤作動を起こし、本来なら攻撃しないはずの自分自身の関節を標的にしてしまうのが関節リウマチの発症メカニズムです。 原因はまだ完全には解明されていませんが、現在では「遺伝的な素因」と「環境要因」など、複数の要素が組み合わさって免疫の異常が生じると考えられています。 また関節リウマチは30代から50代の女性※に多く見られ、妊娠や出産、閉経などのホルモンバランスが変化しやすい時期と重なって発症する事例も。 ※出典:リウマチeネット このように、関節リウマチはさまざまな要因が複雑に絡み合い、免疫のバランスが崩れて発症に至ると考えられます。 関節リウマチの寛解を目指すための治療法 関節リウマチの治療法は、大きく分けると5つあります。 治療法 説明 薬物療法 免疫の異常な働きを調整し、炎症や痛みを抑える薬を使用する。 生物学的製剤 免疫の特定の働きをピンポイントで抑えるタイプの薬。 手術療法 関節の変形や機能障害が進行した場合に、関節の修復や置換を行う。 リハビリテーション 関節の動きや筋力を維持・改善し、日常生活の自立をサポートする。 再生医療 損傷した関節組織の修復を目指す治療法。現時点では標準治療ではない。 治療は患者の症状や進行度に応じて、これらを組み合わせて計画が立てられます。 専門医から治療の目的や効果、副作用の説明を受け、納得した上で取り組む姿勢が大切です。 ここでは、関節リウマチの代表的な5つの治療法を詳しく解説します。 薬物療法 関節リウマチの薬物療法は炎症を抑え、関節の破壊や変形防止を目的とし、治療を進めていく上での軸になる存在です。 症状や病状に合わせてさまざまな種類の薬が使用されますが、従来から使用されている定番は抗リウマチ薬(DMARDs)です。 抗リウマチ薬には複数の種類があり、それぞれ作用の仕方や副作用のリスクが異なるため、患者ごとに最適な組み合わせが検討されます。 ただし、薬物療法は副作用のリスクもあるため、治療中は定期的な血液検査や医師の管理が欠かせません。 必ず専門医と相談しながら、自分に合った治療を安全に継続していくことが大切です。 生物学的製剤 生物学的製剤は、従来の抗リウマチ薬とは異なり、炎症の原因となる特定の免疫物質(サイトカイン)直接ブロックするため、高い抗炎症効果が期待できます。 製剤は遺伝子工学などのバイオテクノロジー技術を用いて製造され、以下のように種類が豊富です。 薬剤の種類 作用機序 TNF阻害薬 ・腫瘍壊死因子(TNF)を中和し、炎症反応を抑制 ・骨破壊を抑制し、関節の損傷を防ぐ IL-6阻害薬 ・インターロイキン-6(IL-6)の働きを抑え、炎症を軽減 ・免疫反応を調整し、関節の損傷を防ぐ T細胞活性化阻害薬 ・T細胞の活性化を抑制し、免疫反応を調整 ・サイトカインの産生を抑えることで、炎症を軽減 生物学的製剤は従来の抗リウマチ薬で効果が不十分な場合や、関節破壊の進行が早い場合に検討される治療法です。 注射または点滴で投与され、高い効果が期待できる一方で、結核などの潜在感染症を悪化させる可能性※があるため、治療前に検査が必須です。 ※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチ(RA)に対する TNF 阻害薬使用の手引き」 導入にあたっては、専門医と相談のうえ、効果とリスクを理解したうえで計画的に進めましょう。 手術療法 関節リウマチの手術療法は薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法で効果が得られない、関節の変形や機能障害が進行した場合に検討されます。 主な手術方法は以下の3つです。 手術の種類 特徴 滑膜切除術 ・炎症を起こしている滑膜を取り除く手術 ・痛みや腫れを軽減し、関節の機能を改善する ・回復が早い 関節形成術 ・変形した関節を再構築し、可動性を回復させる手術 ・自分の関節を動かせるようにするのが目的 人工関節置換術 ・傷んだ関節を人工関節に置き換える手術 ・痛みを大幅に軽減し、関節機能を再生する ・人工関節の耐久性は10年ほど※ ※出典:愛媛大学医学部附属病院 人工関節センター 手術療法は効果的な手段ですが、出血や感染、合併症などのリスクもあるため、手術の種類・適応・術後の生活について、専門医と相談することが重要です。 術後は適切なリハビリを行うことで、関節の動きや日常動作の改善が期待できます。 リハビリテーション 関節リウマチのリハビリテーションは薬物療法と並行して行われる治療法で、期待できる主な効果は以下の3つです。 痛みの軽減 炎症の軽減 関節の変形防止 これらを目指しながら、患者の状態に合わせた以下のような個別プログラムが組まれます。 種類 特徴 理学療法 関節の可動域を広げる運動や、筋力トレーニング、温熱療法などが行われる 作業療法 日常生活動作の練習や、関節に負担をかけない動作の指導、自助具の活用などが検討される 装具療法 関節を保護し、痛みを軽減するための装具(サポーターやインソールなど)が使用される ただし痛みや炎症が強い場合は安静を保ち、無理に動かさず安静を優先することが基本です。 再生医療(PRP療法・幹細胞治療) 再生医療は関節リウマチ治療の新たな選択肢として注目されており、主な治療法としては以下の2つがあります。 治療法 特徴 PRP療法 ・患者自身の血液から血小板を濃縮したPRPを抽出 ・関節内に注入して成長因子を放出し、組織の修復を促す ・炎症を抑える作用や、痛みを軽減する効果が期待されている 幹細胞治療 ・患者自身の脂肪組織や骨髄から幹細胞を採取 ・培養・増殖させた後、関節内に注入する ・損傷した軟骨や骨組織の再生を促す 再生医療は薬物療法や手術療法と比べて体への負担が少ないのが特徴で、患者自身の細胞を用いるため、拒絶反応のリスクも低いとされています。 ただし自由診療となるため、費用面などに注意が必要です。 治療を検討する際は専門医に相談し、自身の症状に合った選択肢か見極めましょう。 【まとめ】関節リウマチは完治が難しいものの、症状の寛解は目指せる!早期発見・治療を行おう 関節リウマチは、現代医学では完治が難しい疾患ですが、適切な治療と生活習慣の見直しによって症状の「寛解」は目指せます。 「リウマチ=一生つらい病気」と決めつけるのではなく、早期に発見し、適切な治療を始めることが何より重要です。 関節の痛みやこわばりなどの初期症状を感じたら、早めに専門医を受診しましょう。 関節リウマチは長く付き合っていく病気ですが、正しい情報と治療に基づき、希望を持って前向きに暮らすことは可能です。 症状の進行を防ぎ、よりよい生活を送りたい方は、ぜひリウマチ専門医に相談し、必要に応じて再生医療も視野に入れてみてください。
2020.05.16 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎とは 石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板にカルシウムが蓄積し、それが炎症を引き起こすことで強い痛みや肩の可動域制限が起こるつらい疾患症状です。 この痛みは前触れもなく突然発生することが多く、夜中に寝返りを打った瞬間に激痛が走って目覚めたり、痛みから腕や物を持ち上げたりする動作が難しくなります。そのため、症状が続くと日常生活の質が大きく低下し、不安やストレスを感じることも少なくありません。 そこで、ここでは、石灰沈着性腱板炎の痛みの原因やどれくらいの期間痛みが続くのかについて紹介します。 痛みが続く原因 石灰沈着性腱板炎の痛みは、石灰が沈着することによる腱板の炎症によるものです。 沈着する石灰はリン酸カルシウム結晶で、なぜリン酸カルシウムが沈着してしまうのかは解明されていません。 また、石灰が付着しても必ず痛みが生じるわけではないので、症状が出ていない人のなかにも石灰が沈着している人はたくさんいます。 沈着した石灰が硬くなって膨らんでしまうと痛みが増し、腱板を破って関節の周囲にある滑液包へ出てしまうと強烈な痛みが生じます。 痛みが続く期間 石灰沈着性腱板炎には3つの型(急性型、亜急性型、慢性型)があり、この型によって痛みが続く期間が異なります。 急性型 急性型は発症してから1週間から4週間に炎症によって強い痛みが生じるタイプです。 沈着する石灰はミルク状です。そして、体内で一部吸収されることもあり、自然に消滅することもあります。 石灰が消滅し炎症も治まれば痛みも生じなくなるのですが、多くの場合、残存します。 亜急性型 亜急性型は1ヶ月から半年くらい痛みが続くタイプです。 急性型のような症状が出たり、症状が治まったりするのを繰り返すのが特徴です。 慢性型 慢性型は6ヶ月以上痛みが続くタイプです。 関節をたくさん動かすと痛む、腕を挙げると痛むのが特徴です。 石灰沈着性腱板炎の治療法 発症から間もない時期 石灰沈着性腱板炎が発症してから1週間から4週間くらいの急性の時期は保存療法による治療がおこなわれます。 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って患部を動かさないようにして負荷を軽減した状態で安静したり、炎症鎮痛剤を内服するによって炎症や痛みを抑えたりします。 このような保存療法をおこなうことで石灰が体内に吸収されて消失して、悪化せずに軽快するケースが多いです。 また、この時期は石灰がまだミルク状なので、痛みが強い時は注射針を挿入して吸引して取り除く治療をおこなうこともできます。 悪化してしまった場合 石灰沈着性腱板炎が悪化すると、慢性的に痛みが強くなり関節を思うように動かせなくなってしまいますが、石膏状になった石灰は注射針を挿入しても吸引して取り除くことはできませんし、放置しておいて自然に軽快することも期待できません。 そういう場合は、内視鏡による手術が検討されるのが一般的ですが、近年では衝撃波によって石膏状の石灰を取り除く体外衝撃波療法の ように皮膚を切開する必要のない治療法もおこなわれるようになってきています。 石灰沈着性腱板炎の治療に手術が必要なのか?についてはこちらもご覧ください 石灰沈着性腱板炎の予防 石灰沈着性腱板炎の原因については、はっきりしたことが分かっていませんが、予防には、肩関節まわりの筋力トレーニングやストレッチといった、一般的な肩の痛みの予防法が有効だと考えられます。 軽いダンベルを持って、可動域を意識したトレーニングや肩を色々な方向に動かすラジオ体操、ヨガにダンスなどもよいでしょう。肩を酷使する仕事やスポーツをする場合は、定期的な休息を取り、無理をしないよう心がけることが大切です。 また、食べ物で予防を心がけるのであれば、オメガ3脂肪酸を多く含む魚やナッツ類、ビタミンCやEを豊富に含む果物や野菜は、全身の炎症を抑える効果が期待できます。これらの栄養素を含む食品は、腱の健康を保つために有益であるという研究結果もあるので、積極的に摂取していくのがおすすめです。 肩のストレッチについてはこちらもご覧ください まとめ 石灰沈着性腱板炎は、肩に強い痛みを伴う疾患です。型によって痛みの強さや感じる期間は異なりますが、早期治療をすれば早期回復が見込めるものでもあります。悪化すると日常生活の質が低下してしまうので、早期に医療機関を受診するようにしましょう。
2020.05.15 -
- 幹細胞治療
肝臓の病気で多いウイルス性肝炎!感染経路と慢性による合併症の危険性に注意 肝臓の病気の中でも多くを占めるウイルス性肝炎。この病気の名前を聞いたことがある人は、多いのではないでしょうか。今回はウイルス性肝炎とはどのような病気なのか詳しくご紹介します。 ウイルス性肝炎とは? ウイルス性肝炎とは、ウイルスが肝臓に感染し炎症を起こす病気です。A型・B型・C型・D型・E型があり、そのうちD型ウイルス性肝炎は、日本ではほとんど存在していません。 感染して初めて起こる炎症を「急性肝炎」、炎症が続いている時を「慢性肝炎」といいます。 感染してから発症するまでに潜伏期間が数週間ある場合が多いのですが、その間無症状でも肝臓の中で感染が広がっていきます。そのため、急性肝炎を発症したときには、既に重症化していることもある病気なのです。 また、ウイルス性肝炎で肝臓が炎症した状態が続くと肝細胞が破壊されてしまいます。そうなると、慢性肝炎から肝硬変や肝臓がんを合併するリスクもあります。 B型とC型は特に慢性しやすいウイルス性肝炎として知られています。 ウイルス性肝炎の感染経路とは? それぞれのウイルス性肝炎の感染経路とはどのようなものかを見ていきましょう。 A型ウイルス性肝炎 ウイルスが口に入ることで感染します。貝類での感染が多いといわれていますが、衛生状態のいい日本ではあまり多くありません。海外で飲食した際に感染したという事例があります。 B型ウイルス性肝炎 B型肝炎は、血液や体液から感染することで知られています。輸血・刺青・針刺し事故・注射器の使いまわしで感染リスクがあります。また、B型ウイルス性肝炎は母親が感染している場合、出産のときに赤ちゃんへの感染リスクがあります。 しかし日本ではB型ウイルス性肝炎の対策としてワクチンが登場し、母子感染対策も広く知られるようになりました。そのため、母子感染の例はほとんど見られなくなっています。 C型ウイルス性肝炎 こちらもB型と同じく感染者の血液から感染します。輸液や血液製剤からの感染が報告されているのが特徴です。B型と同じく母子感染や刺青などでも感染リスクがあります。 また、B型C型ともに性行為で感染することもあります。出血を伴う性行為だけでなく、体内にいるウイルス量が多い場合は体液だけでも危険とされています。 E型ウイルス性肝炎 A型と同じく経口感染です。以前は発展途上国で多く見られたのですが、近年日本でも増加しています。 ウイルス性肝炎で合併する肝硬変と治療法 慢性化しやすいB型・C型肝炎の治療では、慢性化して肝硬変や肝臓がんを合併しないようにすることを目標にします。抗ウイルス薬を使ってウイルスを排除するという治療法です。 しかし、それでも慢性肝炎となり肝硬変を合併することもあります。肝硬変とは肝細胞が線維化して肝臓が硬くなってしまう病気です。肝臓が本来の働きを発揮することができなくなってしまいます。 肝硬変の怖いところは、一度硬くなった肝臓は自然に元に戻ることがないということです。そんな肝硬変の治療として近年再生医療が注目されています。 自己由来幹細胞を静脈点滴で肝臓に送り届けるという方法です。幹細胞が線維化した肝細胞を溶解・修復することで、本来の肝臓の機能を取り戻すことが期待されるのです。 まとめ・肝臓の病気で多いウイルス性肝炎!感染経路と慢性による合併症の危険性に注意 ウイルス性肝炎とは、ウイルスが肝臓に感染し炎症が起こる病気です。慢性肝炎から肝硬変や肝臓がんを合併することもあります。線維化して硬くなった肝臓は、本来の機能を発揮することができません。 そんな肝硬変の治療に再生医療が注目されています。自己由来幹細胞が線維化した肝細胞を溶解・修復することで元の機能を取り戻すことが期待できるでしょう。再生医療(幹細胞治療)に関して詳しい内容をお知りになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.05.14 -
- 変形性股関節症
- 股関節
変形性股関節症は、「股関節が痛くて座ったり立ち上がったりするのがつらい」「階段の昇り降りや靴を履くのが大変」などの症状が出現します。 変形性股関節症の症状で日常生活に支障が出ていて、手術をしないで治したいと思う方もいるでしょう。 本記事では、変形性股関節症を手術しないで治す方法について詳しく解説します。 変形性股関節症は病期ごとに治療方法が異なります。症状に合った治療方法を検討し、変形性股関節症の症状緩和を目指しましょう。 変形性股関節症を手術しないで治す方法はある?主な治療方法 変形性股関節症を手術なしで治す方法は、以下の4つです。 変形性股関節症は骨盤と大腿骨(足の骨)との間の軟骨の擦り減りが原因です。擦り減った軟骨は、自然に再生することはありません。 そのため、痛みや症状を緩和する治療が中心となりますが、再生医療では変形性股関節症の症状の緩和や軟骨の再生が可能です。 変形性股関節症の治療法については、以下で詳しく解説しているので参考にしてください。 温熱療法 変形性股関節症の症状を緩和する方法の1つに、温熱療法があります。股関節を温めると血行が良くなり筋肉がほぐれるため、痛みの緩和が期待できます。 しかし、炎症を起こしている場合、温熱療法を実施することで症状の悪化につながる可能性があります。 温熱療法は症状の程度をみながら、やりすぎないように注意して実施しましょう。 運動療法 変形性股関節症の症状を手術なしで緩和する方法に、運動療法があります。 運動を行うことで、関節の位置矯正や筋肉の柔軟性が向上し、症状を緩和できる可能性があります。筋力トレーニングやストレッチなどを無理のない範囲で行いましょう。 運動療法は正しい方法で行わなければ、症状が悪化するリスクもあるため注意が必要です。 薬物療法 変形性股関節症は薬物療法によって、症状の緩和が期待できます。 内服薬や外用薬、座薬などの抗炎症薬は、急性炎症による痛みの緩和が期待できます。 しかし、薬物療法による痛みの緩和はあくまで一時的で、変形性股関節症が治るものではありません。 変形性股関節症のステージや症状によって合う薬も異なるため、医師へ相談し自身に合った治療を受けましょう。 再生医療 再生医療は変形性股関節症の症状緩和と、重症化予防に効果が期待できる治療法です。 再生医療は自身の細胞を使用する治療で、痛みの緩和だけでなく、擦り減った関節軟骨の再生にも効果が見込めます。 手術や入院なしで受けられる再生医療は、仕事で忙しい方でも治療を受けやすいのが特徴です。 変形性股関節症はステージによって治療法が異なる 変形性股関節症は、ステージ(病期)によって治療方法が異なります。変形性股関節症になった際は以下のポイントを押さえて、自身に合った治療方法を検討しましょう。 変形性股関節症が悪化しないように、正しい時期に適切な治療を受けましょう。 初期と進行期は「保存療法」 変形性股関節症の初期と進行期は、保存療法を中心とした治療を行うのが基本です。 初期症状として、動作時に股関節に痛みを感じることが多いです。病期が進行していくにつれて、動作時だけでなく常に痛くなる「持続痛」や夜間の痛み「夜間痛」も出てくる場合があります。 手術を回避して治療を行うためには、保存療法に加えて日常生活の改善も重要です。股関節にできるだけ負担をかけないように、身体の使い方を意識して動きましょう。 軽症のうちに治療を開始すれば、症状の悪化を防ぎ、手術療法が必要となるリスクを軽減できます。 末期・重症化の場合は「手術療法」 変形性股関節症が重症化、または末期になった場合、手術療法による治療を検討します。 手術療法は、保存療法を行っても改善しない場合に選択肢となる治療法の1つです。 手術には主に、骨盤や大腿骨の骨を切って関節面を調整する「骨切り術」と関節を人工関節に入れ替える「人工股関節術」があります。 変形性股関節症を手術しないで治す再生医療とは? 手術なしで変形性股関節症を治療する方法として、再生医療が注目されています。 変形性股関節症の治療法にお悩みの方は、以下のポイントを確認し、再生医療による治療をご検討ください。 変形性股関節症の方は、軽症のうちから治療を開始し、症状の進行を抑えることが大切です。 手術をしないで変形性股関節症の治療ができる再生医療について、詳しく解説します。 再生医療とはどんな治療法? 再生医療は、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して股関節に注射し、損傷した関節軟骨の再生を目指す治療法です。 変形性股関節症は、関節軟骨が徐々に擦り減ることで骨同士がぶつかり痛みを感じるため、再生医療により関節軟骨が再生されれば、手術を必要とする状態へ悪化するのを抑えられる可能性があります。 再生医療がおすすめな人 再生医療は、以下の方におすすめな治療法です。 再生医療は手術や入院を必要としない治療法で、忙しい方でも受けやすいのが特徴です。 基礎疾患や年齢の問題により手術を受けられない方でも、再生医療であれば変形性股関節症の治療が受けられる可能性があります。 当院(リペアセルクリニック)の再生医療の特徴 当院(リペアセルクリニック)の再生医療の特徴は、以下の4つです。 一般的に股関節への注射は関節の外側に針を刺しますが、関節内に幹細胞が届きにくいという欠点があります。 当院(リペアセルクリニック)では、特殊な針とエコーやレントゲン装置を使用し、股関節内の損傷部位に直接幹細胞を注入しています。 また、股関節は身体のなかで一番大きな関節であり、関節軟骨の再生には多くの幹細胞が必要です。 独自の培養技術により幹細胞の生存率・活動率が高いため、治療成績が良い特徴があります。 幹細胞を抽出するために採取する脂肪も最低限(米粒2〜3粒程度)なので、身体への負担も少ないです。 再生医療による治療を検討している方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 変形性股関節症やってはいけないこと 変形性股関節症でやってはいけないことは、以下のとおりです。 股関節に負担のかかる姿勢は、変形性股関節症の症状を悪化させるため注意が必要です。 変形性股関節症の悪化を防ぐために、ストレッチを中心的に行い、痛みが強いときは休息をとるようにしましょう。 【まとめ】変形性股関節症を手術しないで治すための選択肢「再生医療」 変形性股関節症は初期や進行期の場合は保存療法を中心に治療されますが、重症・末期の症状の場合は手術も検討されます。 また、手術以外の治療法としては、再生医療があります。再生医療は、擦り減った関節軟骨の再生が期待できる治療法です。 治療方法の選択にあたっては、安全性や効果を重視しながら、医師と十分に相談することが大切です。 再生医療を含めた治療方法について詳しく知りたい方は、ぜひ再生医療専門クリニックである当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2020.05.13 -
- 再生治療
「朝、手がこわばって動かしづらい」「関節が腫れて痛い」といった症状から「もしかしてリウマチかも?」と不安になる方もいるでしょう。 関節リウマチは関節に慢性的な炎症が続く自己免疫疾患で、進行すると関節の変形や破壊を引き起こす可能性があります。 実際に日本では、およそ70万〜100万人※の方が関節リウマチに悩まされています。 ※出典:公益社団法人 日本WHO協会 誰でも発症する可能性はありますが、性別・年齢・体質・生活習慣などによって、リウマチになりやすい人の傾向があるのも事実です。 そこで本記事では、リウマチになりやすい人の特徴を詳しく解説します。 リウマチのリスクを減らしたい方、日常生活での予防策を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。 リウマチになりやすい人の主な特徴 リウマチになりやすい人の主な特徴を、以下の項目に分けて紹介しています。 性別・年齢 30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率 遺伝・家族歴 HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる 生活習慣 喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性 既往歴 特定の感染症にかかったことがある リウマチは、特定の要因が重なると発症リスクが高まると考えられています。 それぞれ詳しく見ていきましょう。 性別・年齢|30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率 関節リウマチは、30代〜50代の女性に多く見られ、男性の4〜5倍の発症率とされています。※ ※出典:日本リウマチ学会「関節リウマチ(RA)」 直接関係あるわけではないものの、以下のような妊娠・出産といった女性ホルモンの影響が関与している可能性が考えられます。 状況 ホルモン変化 免疫システムへの影響 妊娠初期 ホルモン増加 免疫抑制で自己免疫疾患リスクが一時的に低下 出産直後 ホルモンが急減 免疫が再活性し、リウマチなどの発症リスク上昇 産後・更年期 ホルモンバランスの乱れ・減少 自己免疫疾患リスクが高まる ただし、リウマチは女性に多い疾患ではあるものの、男性にも発症リスクはあるので、性別・年齢を問わず注意が必要です。 遺伝・家族歴|HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる 関節リウマチの発症には遺伝的な素因が関与するとされており、なかでも以下の「HLA-DR4」という遺伝子を持つ人は、発症リスクが高い傾向にあります。 HLA-DR4の特徴 説明 定義 ヒト白血球型抗原(HLA)システムの一部であり、免疫系の調節に関与する細胞表面受容体。 関連疾患 関節リウマチ(RA)、1型糖尿病、自己免疫性肝炎、Vogt-Koyanagi-Harada病などとの関連がある。 リスク HLA-DR4を持つ個体は、関節リウマチや1型糖尿病の発症リスクが4〜5倍高いとされる。 性別の影響 HLA-DR4は女性に多く見られる傾向があり、とくに自己免疫疾患においては女性の発症率が高い。 免疫応答への影響 HLA-DR4は特定のペプチドを提示し、免疫系の細胞を活性化することで、自己免疫反応を引き起こす可能性がある。 実際にリウマチ患者の約70%※にHLA-DR4の保有が確認されています。 ※出典:厚生労働省「関節リウマチ」 また、家族に関節リウマチの患者がいる場合は、免疫が過剰に反応しやすい体質を遺伝的に受け継いでいる可能性があるため、発症リスクが高まるとされています。 生活習慣|喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性 関節リウマチの発症や進行には、日々の生活習慣が関わっており、以下のような習慣はリスクを高める要因となります。 喫煙 肥満 歯周病 喫煙は発症リスクを高めるだけでなく、免疫システムが異常に活性化され、関節の炎症を引き起こしやすくなるほか、治療効果を低下させる可能性も。 また歯周病もリウマチとの関連が指摘されており、口腔内の炎症が免疫系に影響を与えることで、発症に関わる自己抗体の生成を促す可能性があります。 ※出典:J-Stage「日本内科学会雑誌第103巻第9号 」 既往歴|特定の感染症にかかったことがある リウマチの発症要因として、過去に特定のウイルスや細菌に感染した既往歴が免疫異常を引き起こし、発症に関与する可能性が指摘されています。 なかでも、ヘルペスウイルスの一種であるEBウイルスは免疫系に影響を及ぼし、発症リスクを高める可能性があると報告されています。 ※出典:J-Stage ただし、感染症が直接的なリウマチの原因となるわけではありませんが、慢性的な感染症や免疫システムに影響を与える感染症には注意が必要です。 リウマチの注意すべき初期症状|放置は関節の破壊や変形が進む可能性も 関節リウマチは早期発見と適切な治療が重要になるため、以下のような初期症状があるかチェックしてください。 朝起きた時の手のこわばり 複数の関節の腫れや痛み 症状が左右対称に出る 微熱や倦怠感、食欲不振が続く 朝起きたときに手がこわばる感覚があり、30分以上続く場合はリウマチの典型的な初期症状とされています。 これらの初期症状を見逃して放置してしまうと、関節の炎症が慢性化し、関節の破壊や変形が進んでしまうリスクも。 「なんとなくおかしい」と感じたら自己判断せず、早めに専門医を受診しましょう。 リウマチにかかるリスクを減らすために日常生活で意識したい予防策 関節リウマチは完全に防ぐことが難しい病気ですが、以下のような生活習慣の見直しによって発症リスクを下げられる可能性があります。 禁煙 口腔ケアの徹底 バランスの取れた食事 適度な運動習慣 感染症の予防 ストレスを溜めない これらの習慣は、関節リウマチの発症リスクを下げるだけでなく、免疫バランスの維持や全身の健康管理にもつながります。 「すでに関節に違和感がある」「家族にリウマチの人がいる」といった方は、これらの予防策をできることから実践し、必要に応じて専門医のアドバイスを受けるようにしましょう。 【まとめ】リウマチになりやすい人の特徴を知って、発症しないための予防・対策を行おう! リウマチになりやすい人の特徴は、主に以下の通りです。 性別・年齢 30代~50代の女性は男性より4~5倍の発症率 遺伝・家族歴 HLA-DR4遺伝子を持つ・家族に関節リウマチの方がいる 生活習慣 喫煙・肥満・歯周病などがリスクを高める可能性 既往歴 特定の感染症にかかったことがある リウマチになりやすい人の特徴を理解し、自身のリスクを把握すれば、発症の予防や早期発見につながる可能性があります。 関節の痛みや腫れ・朝のこわばりなどの初期症状に気づいた場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けてください。 また近年ではPRP療法や幹細胞治療などの再生医療も注目されており、従来の治療で改善が難しい方にとって、新たな可能性として期待されています。 再生医療の特徴については、以下をご参考にしてリウマチに対する不安を解消しましょう。
2020.05.12 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎の治療には手術が必要なのか? 石灰沈着性腱板炎は、肩に突然激しい痛みが生じて関節を動かせなくなってしまいます。 しかし、医療機関の受診を検討している人のなかには「手術を受けることになってしまうのでは?」「手術じゃないと治らないのだろうか」と不安になっている人も多いのではないでしょうか。 石灰沈着性腱板炎の治療で、発症時期や状態によっては手術が検討されるケースもあります。ここでは、手術が検討されるケースや手術内容などについて紹介します。 石灰沈着性腱板炎の手術が検討されるケース 石灰沈着性腱板炎の治療では必ずしも手術がおこなわれるわけではありません。 石灰沈着性腱板炎が発症して1週から4週くらいの急性型の場合は、沈着している石灰はミルク状で、時間が経過すると吸収されることがあります。 しかし、多くの場合は残存します。もし、痛みや関節が動かせないなどの症状が強い場合は、注射針で吸引することもできますが、急性型が過ぎても改善されず、ミルク状だった石炭が段々と硬くなってきて石膏状になってしまうこともあります。 硬く膨らんだ石灰によって、強い痛みが続き、関節の可動にも支障がある場合は手術が検討されます。 石灰沈着性腱板炎の手術内容 石灰沈着性腱板炎の手術では関節鏡を用いた手術がおこなわれます。 関節鏡とは、細い棒状の形をしたCCDカメラで、直径5ミリくらいとかなり細いので、皮膚に小さな傷を開けるだけで関節内に挿入し、関節内の状態を細部まで確認することができます。 関節鏡で状態を確認できたら、腱板に沈着している石炭を専用の機械で取り除きます。石灰を取り除いた部分は穴が開いた状態になりますが、自然に修復されるので縫合の必要がないケースがほとんどです。 入院期間と術後について 手術によって沈着していた石灰が確実に取れた場合は、手術後比較的早めに効果を実感することができますし、入院期間も数日で済むケースが多いです。 手術が成功し、腱板に沈着していた石灰が消失した場合は1週間から2週間くらいで腕を挙げることができるようになり、医師のアドバイスを受けてストレッチなどのリハビリを自分でおこなっていくというのが術後の一般的な流れになります。 まとめ・石灰沈着性腱板炎の治療には手術が必要なのか? 石灰沈着性腱板炎の治療で手術が検討されるケースや手術の内容について紹介しました。 手術というと肉体的にも精神的にも大きな負担がかかるイメージを持つ人も多いと思います。 しかし、石灰沈着性腱板炎の手術は肉体的、精神的負担も比較的少ないので、必要以上に不安になる必要はありません。 また、早期治療をおこなえば手術を受けずに軽快することも可能なので、我慢せずに早めに医療機関を受診することをおすすめします。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.05.11 -
- 幹細胞治療
ウイルス性肝炎の治療法とは 肝臓の病気のひとつであるウイルス性肝炎ですが、どのような治療をおこなうのでしょうか。慢性化すると、場合によっては命に関わるウイルス性肝炎。今回はそんなウイルス性肝炎の治療についてご紹介します。 ウイルス性肝炎にはA・B・C・D・E型がありますが、D型は日本ではほとんど見られません。一方、A型とE型は経口感染といってウイルスを口にすることで感染してしまいます。 そして、感染した場合、急性ウイルス性肝炎を引き起こし、治療は対症療法がメインになります。 慢性化しやすいのはB型とC型 慢性化することで知られるB型・C型肝炎の治療についてみていきましょう。どちらの治療も、肝臓のウイルスを排除して慢性化しないようにするのが治療の大きな目的になります。 2014年頃まではウイルス性か肝炎の治療にはインターフェロンが使われることがほとんどでした。しかし、インターフェロンはウイルスを排除する力が強い半面、副作用に苦しむ患者さんも多くいました。そして、治療を中断せざるを得ない人までいたのです。 その後はインターフェロンを使わない治療が選択されるようになりました。しかし、治療を続けても肝臓の炎症が続き慢性肝炎に移行する場合もあるのが現実です。 ウイルス性肝炎が慢性化するとどうなるの? 慢性肝炎になりやすいといわれるB型肝炎とC型肝炎は、慢性化するとどうなるのでしょうか。肝臓に炎症が続くため、徐々に肝細胞が破壊されていきます。さらにその状態が続けば肝硬変や肝臓がんを合併することもあります。 肝臓は沈黙の臓器といわれ、はっきりとした自覚症状がないまま病気が進行してしまうことがあります。そのため、治療の中断はせず継続して経過を見ていく必要があるのです。 肝硬変とは、肝細胞が線維化して肝臓が固くなった状態です。肝硬変になると、代謝などの肝臓の機能が上手く働かなくなってしまいます。肝細胞は線維化すると自然に元に戻ることはありません。 ウイルス性肝炎の治療で慢性化を防ぎたいのは、肝臓が固くなってしまうのを阻止したいからなのです。 ウイルス性肝炎から肝硬変を合併したら再生医療という選択肢も ウイルス性肝炎の治療をしても、慢性肝炎になることがあり、慢性肝炎から肝硬変や肝臓がんを合併することもあります。肝硬変になるとこれまでの治療法では線維化した肝細胞を元の状態に戻すことは困難でした。 しかし、近年そんな肝硬変の治療に再生医療という選択肢が注目されています。自己由来幹細胞を静脈注射(点滴)で肝臓まで届ける方法で、肝臓に直接注射することはできないので、血液の流れを用いた治療法になります。 自己由来幹細胞は、線維化した肝細胞を溶解させてくれます。これまでの治療ではできなかった、線維化した肝細胞を修復することが可能になったのです。 固くなった肝臓が修復されると、肝臓本来の働きを取り戻すことが期待できるでしょう。再生医療で用いるのは自身の体から採取した細胞です。そのため、副作用の心配が少なくて済むというのもメリットのひとつです。 まとめ・ウイルス性肝炎はどんな治療法とは ウイルス性肝炎の治療では、慢性化しないように抗ウイルス薬を用いてウイルスを排除します。しかし慢性化して肝臓の炎症が続くと肝硬変や肝臓がんを合併することもあります。 近年注目を集めている再生医療は、線維化して固くなった幹細胞を溶解・修復することで肝臓本来の働きを取り戻すことが期待できる治療法です。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
2020.05.10 -
- 免疫細胞療法
「免疫」という言葉は日常的によく耳にしますが、その仕組みや働きについて詳しくは理解していない、という方も多いのではないでしょうか。 健康な日常を送れているときは、免疫システムについて意識することは少ないものです。 しかし、この目に見えない防御機構は24時間365日、私たちの体を様々な病原体から守り続けています。 この記事では、免疫システムの基本的な仕組みや、免疫力が低下したときの症状、そして免疫力を高める方法までをわかりやすく解説します。 さらに、免疫機能をサポートする先進的な選択肢として、再生医療による免疫細胞療法についてもご紹介します。 免疫の仕組み|どんな働きをしているの? 免疫とは、人の体を細菌やウイルスなどの外敵から守る防御システムのことです。 このシステムは「自己」と「非自己」を区別し、非自己と判断した異物(抗原)に対して防御反応を起こします。 体が抗原を検知すると、免疫グロブリンというタンパク質(抗体)を作り出し、抗原の活動を阻害します。 免疫システムの主な働きは次の通りです。 病原体の侵入防止と排除 がん細胞の監視と排除 老廃物の処理 過去に遭遇した病原体を記憶する機能 これらの機能がバランスよく働くことで健康が維持され、免疫システムは単なる防御機構だけでなく、体内環境を整える清掃員としての役割も担っています。 免疫システムは大きく2つに分類される 人の体には、日々侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から身を守るための防御システムが備わっています。 この防御システムを「免疫」と呼び、次の2つの仕組みで構成されています。 自然免疫 獲得免疫 これらは連携しながら健康を守る防御壁として機能しています。 外敵が侵入すると、まず自然免疫が即座に対応し、それでも撃退できない場合には獲得免疫が出動するという2段構えの防御体制となっています。 以下では、自然免疫と獲得免疫についてそれぞれ詳しく解説します。 自然免疫 自然免疫は、生まれつき備わっている免疫システムです。 皮膚や粘膜などの物理的バリアを突破して体内に侵入した病原体に対して、免疫細胞がすぐさま反応して攻撃・排除します。 自然免疫の中心的役割を担うのは、白血球の一種であるマクロファージや好中球などの病原菌を食べる貪食細胞です。 これらの細胞は体内をパトロールし、侵入した異物を見つけると素早く取り囲んで「食べる」ように分解します。 自然免疫の特徴は、異物の種類を特定せず、非自己と判断したものには何でも即座に攻撃することです。 ただし、攻撃の強さや特異性には限界があり、自然免疫で排除しきれなかった場合は獲得免疫が働きます。 獲得免疫 獲得免疫は、自然免疫で排除できなかった病原体に対して働く、より高度な防御システムです。 獲得免疫の大きな特徴は、一度出会った病原体を記憶する能力を持っていることです。 この「免疫記憶」により、同じ病原体に再び感染した場合には、より迅速かつ強力に対応することができます。 獲得免疫の中心的な役割を担うのはリンパ球と呼ばれる白血球の一種で、B細胞とT細胞に分類されます。 B細胞は特定の抗原(異物)に対して抗体を産生します。この抗体は鍵と鍵穴のように特定の抗原だけに結合し、病原体を撃退する働きがあります。 一方、T細胞には主にヘルパーT細胞とキラーT細胞があり、ヘルパーT細胞は他の免疫細胞に指令を出し、キラーT細胞はウイルスに感染した細胞やがん細胞を直接攻撃します。 さまざまな病気のワクチンは、この獲得免疫の仕組みを利用して作られています。 免疫力が低下するとどういう状態になる? 免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、一度かかると症状が長引く傾向があります。 具体的な症状としては、次のようなものがあります。 疲れやすさや倦怠感が持続する 口内炎や皮膚トラブルが増加する 傷の治りが遅くなる 帯状疱疹が発症しやすくなる など さらに、免疫システムはがん細胞の監視・排除も担っているため、免疫力低下はがんリスクの上昇にもつながる可能性があります。 健康維持のためには、免疫力を適切に保つことが非常に重要です。 免疫力を高める方法 免疫力を高める方法として、次の2つを紹介します。 生活習慣の改善 適切な体温の維持 日々の生活習慣の見直しと体温管理で免疫力を高め、健康な毎日を手に入れましょう。 生活習慣を改善する 免疫力向上の基本となるのが生活習慣の改善です。 まず重要なのは栄養バランスの取れた食事で、特に腸内環境を整えるヨーグルトなどの発酵食品や食物繊維を含む野菜・キノコ類を積極的に摂取しましょう。 免疫に関係する細胞の半分以上が消化管にあるため、腸内環境の改善は免疫力アップに直結します。 また、免疫力低下を防ぐために質の良い睡眠の確保も不可欠です。 入眠してから2〜3時間経過すると、細胞の修復や体の疲労を回復させる働きがある成長ホルモンが分泌されます。 睡眠時間が確保できないと免疫力の低下につながるため、寝る前にリラックスできる環境を整えて8時間以上の睡眠を心がけましょう。 さらに、過度なストレスは免疫細胞の働きを低下させるため、自分なりのストレス発散方法を知っておくことも重要な要素です。 適切な体温を維持する 免疫細胞が最も活発に働く体温は36.5~37.1℃といわれています。体温の低下は、免疫力低下の一因です。 体温が1℃下がると免疫力は約30%低下するともいわれており、適切な体温維持は免疫力向上の鍵となります。 体温を維持するためには、冷たい飲食物の摂りすぎに注意し、適度な運動で筋肉を動かして熱産生を促進することが効果的です。 また、半身浴やぬるめの入浴で体の芯から温めるのも良いでしょう。 体を温めることで血液循環が促進され、免疫細胞が体内をスムーズに巡り、効率的に働くことができます。 免疫力を高めるには再生医療による免疫細胞療法も選択肢の一つ 免疫力を高めたい方は、当院リペアセルクリニックで提供している再生医療の「免疫細胞療法」をご検討ください。 免疫細胞療法では、免疫細胞の機能向上を目指し、健康な体作りをサポートします。 風邪や皮膚トラブル、歯周病などでお悩みの方は、免疫力が低下している可能性が高いので、ぜひ当院へお問い合わせください。 以下のページでは、免疫細胞療法について詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。 【まとめ】免疫の仕組みはウイルスや細菌から身体を守る重要な防御システム 人の体には、病原体から身を守る「免疫」という防御システムが備わっており、「自然免疫」と「獲得免疫」の2つの仕組みで構成されています。 免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなり、疲労感や皮膚トラブルが増え、がんリスクも高まる可能性があります。 免疫力を高めるには、発酵食品や食物繊維を含む食事の摂取、質の良い睡眠確保、適度な運動などの生活習慣改善が重要です。 免疫力を高めるには、生活習慣の見直しの他にも「免疫細胞療法」という方法もあります。 免疫細胞療法を受けてみたい、詳しく知りたいとお考えの方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。
2020.05.09 -
- 肩
石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について 肩関節に突然強い痛みが出て関節を動かすこともできなくなってしまう石炭沈着性腱板炎は、夜中寝ている時に突然強い痛みが出ることがあります。そのため、痛みだけでなく、寝不足にも悩まされている人も少なくないでしょう。 そんな石炭沈着性腱板炎を治すために医療機関の受診を検討している人もいると思いますが、ここでは、石炭沈着性腱板炎の治療法について紹介します。 急性の石炭沈着性腱板炎の治療法 石炭沈着性腱板炎は発症時期によって急性型、亜急性型、慢性型に分けられますが、発症してから4週間までに強い痛みが生じる急性期には、保存療法がおこなわれるのが一般的です。 固定器具(アームスリング、三角巾など)を使って患部を固定して安静にしたり、湿布で患部を冷やす、消炎鎮痛剤を投与するなどで炎症を抑えたりすることで、軽快するケースが多いです。 痛みがかなり強い場合は、腱板に沈着した石炭に注射針を刺してミルク状になっている石炭を吸引して痛みをとる治療がおこなわれることもあります。 亜急性・慢性の石炭沈着性腱板炎の治療法 石炭沈着性腱板炎は多くの場合、急性に保存療法で安静にしておくことで軽快していきます。 しかし急性の時はミルク状だった石炭沈着が硬くなって石膏状になってくる亜急性型(発症から1ヶ月から6カ月)や慢性型(6カ月以上)では、関節を動かした時に石炭が周りの組織に当たるようになり、炎症や痛みが引かなくなることもあります。 こうした場合は手術で沈着した石炭を取り除くことが検討されます。石炭沈着性腱板炎の手術は内視鏡で患部を確認して器機で石灰を切除するのが一般的です。 体外衝撃波療法とは 石炭沈着性腱板炎の治療方法として、近年では手術の他に体外衝撃波療法もおこなわれるようになっています。 体外衝撃波療法とは、専用の機器によって衝撃波を体外から患部に照射する治療法です。ヨーロッパで普及した治療法で、日本では主に尿路結石の治療に普及しています。 石炭沈着性腱板炎の場合は、沈着している石炭の部分に体外から衝撃波を照射します。 痛みを発している神経の一部は衝撃波で破壊されるので痛みは取れていきます。(破壊された部分の組織は再生されます)また、石炭も衝撃波で破壊され、破壊された石炭は体内に吸収されて少しずつ消えていきます。 まとめ・石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について 石炭沈着性腱板炎の治療法について紹介しました。医療機関では発生時期や症状に応じた治療がおこなわれます。 石炭沈着性腱板炎によって痛みが生じたり、関節が動かせなかったりして悩んでいるけど我慢している人もいるかもしれません。 しかし、症状が長引いたり悪化したりしないためにも医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.05.08 -
- 腱板損傷
肩のインナーマッスルを構成する「腱板(けんばん)」が部分的、あるいは完全に断裂することで起こる腱板損傷。 特に40代以降に多く見られ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 そんな腱板損傷に対して「これって本当に治るの?」「手術しないとダメ?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷が治る可能性や具体的な症状・原因について詳しく解説します。 「放っておいても大丈夫?」と迷っている方も、正しい知識を持つことで、より良い治療選択につながります。 まずはご自身の状態を知るヒントとして、ぜひ参考にしてください。 【結論】腱板損傷が治るかは損傷の程度次第!完全・広範囲の断裂は自然治癒が難しい 腱板損傷が治るかは、以下の損傷の程度によって異なります。 自然治癒が期待できるケース(軽度な損傷) ・部分断裂や炎症のみの場合 ・早期に発見され、保存療法を開始した場合 ・リハビリや鎮痛薬で肩の動きを維持しながら回復が見込める 自然治癒が難しいケース(重度な損傷) ・完全断裂や広範囲の断裂がある ・損傷を長期間放置してしまった ・筋肉が萎縮・脂肪化してしまっている ・肩を動かすと常に激しい痛みがある 腱板損傷は、肩の運動に重要な役割を果たす腱板(けんばん)が、部分的または完全に切れてしまう状態です。 軽度の部分断裂であれば、保存療法(リハビリ・薬物療法)により改善が期待できるケースもあります。 しかし完全断裂や広範囲の損傷となると、腱の自然な再生が難しくなるため、手術が必要になるケースが多いです。 腱板損傷は放置せず、肩の痛みや可動域の制限が続く場合は、早期に専門医の診察を受けることが重要です。 腱板損傷の症状と原因 腱板損傷でよく見られる代表的な症状と、その主な原因について以下で詳しく解説していきます。 症状 原因 腱板損傷は、肩の運動に深く関わる重要な筋肉と腱が傷つくことで、痛みや可動域の制限など、さまざまな不調を引き起こします。 放置すると日常動作にも支障が出るため、早期発見・対応が重要になりますので、ぜひ参考にしてください。 症状 「肩の痛み」や「肩の動かしにくさ」が腱板損傷の主な症状です。 特に以下のような動作の際に痛みが生じるのが特徴です。 腕を上げる 下ろす ひねる 初期には夜間痛(夜寝ているときの痛み)から始まり、やがて日中の動作にも影響が出るようになります。 主に動作で痛みや制限を感じることが多いのは、以下のような場合です。 洋服を着る・脱ぐとき 入浴時に頭を洗うなどの頭より上の動作が困難になる 肩を動かすときに「引っかかる」感覚がある 力が入らず物を持ち上げられない 痛みが慢性化してくると、筋力低下や肩の可動域制限が進み、四十肩・五十肩と診断されることがあります。 特に高齢者では自覚症状が軽くても損傷が進んでいるケースがあるため、軽い痛みでも医師の診察を受けることが重要です。 原因 腱板損傷の原因は大きく分けて、以下の2つに分類されます。 加齢による変性 外傷(ケガ) 腱や筋肉が年齢とともに弱くなっていく自然な過程で起こります。 40代以降では腱板に小さな亀裂が入りやすくなり、繰り返しの使用によって徐々に損傷が広がることがあるためです。 たとえば、重いものを持ち上げる作業を繰り返したり、テニスや水泳など肩を酷使するスポーツを続けている人に多く見られます。 また転倒して手や肩を強く打ったり、無理な力が肩に加わった場合などに起こります。 とくに高所からの落下や交通事故などの衝撃で、腱が急激に断裂する「完全断裂」も少なくありません。 また、肩の構造的な異常(肩峰の形状や狭小な肩関節空間)により、腱板が骨が擦れやすくなる「インピンジメント症候群」も損傷の要因となる可能性があります。 いずれにしても、原因を正確に突き止めることが適切な治療の第一歩です。 腱板損傷の予後と回復までにかかる期間 腱板損傷はその程度や治療方法によって、予後や回復までにかかる期間が異なります。 軽度の損傷の場合 数週間〜数ヶ月 完全断裂や広範囲の損傷の場合 数ヶ月~1年 軽度の損傷の場合は、保存療法を中心としたリハビリテーションで数週間〜数ヶ月のうちに痛みが和らぎ、肩の動きも徐々に改善することが多いです。 しかし完全断裂や広範囲の損傷の場合は自然治癒が見込めず、手術を要するケースもあるため、ある程度の時間が必要です。 通常、術後は数週間の固定期間を経てリハビリが始まり、日常生活に支障がないレベルまで回復するには数ヶ月から半年程度、スポーツや重労働への復帰には半年から1年程度を要する場合もあります。 このリハビリ期間中に焦って無理な動作を行うと、再断裂のリスクが高まるため、医師や理学療法士の指導を守ることが非常に重要です。 また、高齢者や基礎疾患がある人、筋力の低下が著しい人では回復が遅れる傾向にあります。 一方で、早期に診断され、適切な治療を受けた場合には、比較的良好な予後が得られることも多いです。 腱板損傷の予後は以下の3要素に大きく左右されます。 損傷の程度 治療の選択 リハビリの継続 自己判断で放置せず、早期に専門医の診断を受けることで、長期的な痛みや機能障害を防ぐことができます。 腱板損傷を治すための治療法 腱板損傷の治療法には、主に以下3つがあります。 保存療法 手術療法 再生医療 軽度の場合は、保存療法による自然回復が期待できる一方、完全断裂や広範囲にわたる損傷では手術が検討されるケースもあります。 ここでは、それぞれの治療法の特徴と流れについて詳しく紹介します。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに腱板損傷の症状を緩和・改善する治療法です。 主に軽度〜中等度の部分断裂や、手術が難しい高齢者などに対して用いられます。 保存療法には、以下のような手段が含まれます。 消炎鎮痛薬の投与(内服・外用) ステロイド注射(関節内の炎症を抑える) 物理療法(電気治療や温熱療法など) 運動療法(リハビリ)(可動域と筋力の回復を目的) リハビリは非常に重要で、専門の理学療法士の指導のもと、痛みを抑えながら徐々に肩関節の可動域を広げていきます。 肩周囲の筋肉(特に三角筋や肩甲骨周囲筋)を鍛えることで、腱板の機能を補うようにするのが基本的な考え方です。 保存療法のメリットは、手術による身体的負担を避けられることですが、一方で損傷が進行するリスクや、完全には治らないまま機能障害が残る可能性もあります。 そのため、一定期間(おおむね3~6ヶ月)で改善が見られない場合や、日常生活に支障が続く場合は手術への切り替えが検討されます。 手術 腱板損傷が完全断裂している場合や保存療法で改善が見られないケースでは、手術による修復が必要となります。 手術は主に「関節鏡視下手術」で行われることが多く、身体への負担を最小限に抑えながら損傷部位を修復することが可能です。 術式には以下のようなものがあります。 腱板縫合術:断裂した腱を縫い合わせて骨に固定する 肩峰形成術:骨と腱が擦れ合わないよう骨を削る 部分置換術や腱移植:重度の場合、補強する人工物や他の腱を利用 術後は、肩の固定を数週間行ったのち、段階的にリハビリを開始します。 肩の可動域を回復し、再断裂を防ぐためには、術後のリハビリが非常に重要です。 医師と相談し、最も適した方法を選択することが大切です。 再生医療 腱板損傷に対しては、以下の治療法が検討されます。 PRP療法 自身の血液から抽出した血小板を濃縮し、損傷部位に注射する治療法 幹細胞治療 脂肪組織などから採取した幹細胞を用いて、より積極的に損傷した腱や筋肉の再生を促し炎症の抑制や組織の修復を促進 PRP療法は血小板には「成長因子」と呼ばれる組織の修復を促進する物質が含まれているため、損傷した腱の再生を助ける効果が期待されています。 外来での処置が可能で、入院も必要ありません。 ただし、再生医療は保険適用外の治療が多く、自費診療となる点には注意が必要です。 再生医療の詳細については、以下でも紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷が治るかは損傷の程度による!適切な治療を受けよう 腱板損傷は、損傷の程度・発見時期・治療内容によって回復の可能性が大きく変わります。 軽度な部分断裂:保存療法やリハビリによる自然回復が期待できる 完全断裂や広範囲の損傷:手術を含む積極的な治療が必要になることも 「自然に治るだろう」と自己判断せず、早期に医療機関を受診することが重要です。 医師による正確な診断を受け、自身の状態に最適な治療法を選ぶことが、回復への近道です。 医師や理学療法士の指導のもと、無理のないペースで回復を目指すことをおすすめします。 さらに近年では、再生医療(PRPや幹細胞治療)といった新たな選択肢も注目されています。 肩の痛みや動かしづらさを感じたら放置せず、ご相談ください。
2020.05.02 -
- 免疫細胞療法
マラソンは免疫力を低下させる?!免疫力を維持しながらマラソンする方法 病気の発症リスクに関係する「免疫力」は、高いほど病気の発症リスクを下げて生活の質を高めてくれます。免疫力の低下を防ぐためには運動を行うことが大切というイメージの方も多いと思いますが、実は、「マラソン」をすると免疫力が低下する可能性があるとの報告があります。 今回は、マラソンが免疫力を低下させる原因について解説します。 マラソンと免疫力低下の関係性 マラソンが免疫力を低下させる原因は、まず「激しい運動による免疫力低下」が考えられます。運動は適度に行うと免疫力を高められる可能性がある一方で、激しい運動は免疫力を低下させることがわかっているのです。 マラソン選手などのアスリートは一般人と比較して強度の高い運動をトレーニングとして行っているため、日常的に激しい運動をしていることになります。そして、激しい運動は体にとってストレスとなってしまい、ストレスが溜まることで免疫力を低下させてしまうのです。 無理なダイエットをしていませんか? マラソンのような走る運動をしているという方は、もしかすると「ダイエット」目的で行っているのかもしれません。しかし、身体に負担がかかるほどのマラソンを行うと、ダイエット目的のマラソンが免疫力を低下させる原因になってしまうかもしれません。 食事制限を伴うダイエットでは、栄養バランスの乱れや摂取エネルギー量が減少することによって、免疫力が低下してしまいます。これに激しい運動が加わることで、余計に免疫力を低下させてしまうのです。 免疫力を下げずにマラソンするためには? 免疫力を低下させないためには激しい運動を控えるのが一番なのですが、マラソンを継続したいのであれば、その他の部分でしっかりと免疫力を高めたいところです。 食事の栄養バランスを整える 体を温める ストレスを溜めこまない 十分な休息と睡眠を確保する 生活リズムを整える しかしながら、これでは十分に免疫力を高めることができず、病気になりやすい身体になってしまう可能性があることは否めません。アスリートのように体が資本の人にとって、体調を崩すことはスポーツにも大きな悪影響を及ぼす可能性があります。 一般の方でも、やはり免疫が低下し、風邪をひきやすくなるなどすれば、日常生活に支障をきたすでしょう。そこで紹介したいのが免疫細胞療法です。 病気に負けない免疫力を手にしたいのであれば「免疫細胞療法」を検討してみてはいかがでしょうか。免疫細胞療法は本人の血液から培養した免疫細胞を体内に戻すことで免疫機能を活発化し、免疫力を高めていくものです。 風邪をはじめとした感染症の予防だけでなく、「がん」の予防にもつながるとされている治療法です。 まとめ・マラソンは免疫力を低下させる?!免疫力を維持しながらマラソンする方法 マラソンは激しい運動になるほどに免疫力を低下させてしまいます。しかし、アスリートのようにトレーニングとして、人によってはダイエット目的で、どうしてもマラソンをしなければならないという場合もあるでしょう。 積極的に免疫力を高めたいのであれば、生活習慣を改善するだけでなく、免疫細胞療法も検討してみてはいかがでしょうか。興味があるかたは当院までお気軽にお問い合わせ下さい。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらもご参照ください
2020.05.01 -
- 肩
肩が動かない!リハビリでは治りにくい凍結肩の治療法「マニピュレーション」とは 五十肩(肩関節周囲炎)の症状は自然と改善していくこともありますが、症状が長引いて凍結肩になり、肩が動かせなくなってしまうこともあります。凍結肩になると運動療法やリハビリなどでは改善が期待できなくなるため、手術が検討されるのが一般的です。 しかし、他にもマニピュレーションという治療法もあります。今回は、マニピュレーションによる凍結肩の治療について紹介します。 マニピュレーションによる凍結肩の治療 凍結肩の治療におこなわれるマニピュレーションとは、肩に局所麻酔をおこなった状態で、関節包を医師の手で解離させる治療法です。局所麻酔をおこなう際には、超音波エコーで確認しながら狙ったところに正確に麻酔薬を注入していきます。 局所麻酔で肩関節の周りの痛みを感じなくなったところで、医師が患者さんの腕や肩を動かし、関節にくっついて硬くなっている関節包やじん帯を解離させます。 そうすることで、動かなくなった凍結肩を回復させていく治療法です。 マニピュレーションによる治療のメリット 凍結肩の一般的な手術では、皮膚を切開し内視鏡を使用し関節包を剥がしていきます。一方、マニピュレーションは、皮膚の切開をする必要がないというメリットがある治療方法です。 切開を必要とする手術の場合は、感染症のリスクが高いですが、マニピュレーションであれば、感染のリスクも少なく済みます。さらに、手術の場合は入院が必要で医療費も高額になります。 しかし、マニピュレーションは入院の必要がありません。日帰りでの治療が可能のため、費用の負担も手術より少なくすみます。このように、マニピュレーションには手術にはないメリットがたくさんあります。 治療後にリハビリは必須 マニピュレーションによる凍結肩の治療は、入院の必要がなく、日帰りで治療を受けることができますが、治療後のリハビリは欠かすことができません。マニピュレーションによる治療によって肩を動かしやすくなっても、そのままにしておくと関節包や靱帯が再び硬くなって動かなくなってしまいます。 そのため、硬くならないようにリハビリをしっかりとおこなう必要があります。リハビリ期間は通院で3週間くらいかけておこなわれるのが一般的です。マニピュレーションによる治療を検討している人はリハビリ期間も考慮して、治療計画を立てましょう。 まとめ・肩が動かない!リハビリでは治りにくい凍結肩の治療法「マニピュレーション」とは マニピュレーションによる凍結肩の治療について紹介しました。凍結肩になって肩が動かせなくなったら手術を受けるしかないと思っていた人もいるかもしれません。 しかし、マニピュレーションのように手術を必要としない治療法もあります。詳しくは、マニピュレーションを行っている医療機関の専門医にご相談くださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.04.30