-
- 肘
肘から下(前腕)の痛みが出る場合は、神経が圧迫されている・筋肉の使い過ぎ・皮膚疾患などさまざまな要因が考えられます。 そこで本記事では、肘から下に出る腕の痛みの主な原因を疾患別で紹介します。対処法もあわせて解説しているので、肘から下の腕の痛みにお悩みの方は最後までご覧ください。 腕(肘から下)が痛む主な原因|スポーツによる疾患 腕(肘から下)が痛む代表的な原因はスポーツによる疾患です。スポーツ特有の繰り返し動作が知らず知らずの間に部位を傷つけています。 この項目では、スポーツによって腕の痛みを引き起こす主な原因(疾患)について紹介します。 ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎) ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)は、肘の内側にある骨のとがった部分(内側上顆)に付着する筋肉が炎症する疾患です。 この筋肉は前腕を通って手首や指まで伸びているため、前腕から手にかけての痛みを引き起こします。名前の通り、ゴルフのスイングが原因で発症するケースが多い一方、他のスポーツの繰り返し動作でも発症しうる疾患です。 テニス肘(上腕骨外側上顆炎) テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、上記で紹介した内側上顆炎と類似した疾患で、肘の外側にある骨のとがった部分に付着する筋肉の炎症で引き起こされます。 テニスのバックハンドストロークといった肘を伸ばす繰り返しの動作が原因とされていますが、テニス以外のスポーツや日常生活でも発症します。 野球肘 野球肘は、投球における繰り返し動作によって引き起こされる疾患です。肘の内側・外側の靭帯や骨に負担がかかることで発症します。 主な症状は、肘の内側や外側の痛み・可動域の制限・投球時のパフォーマンス低下です。また、痛みの部位によって、内側型・外側型・後方型に分類されます。 成長期の子どもに多く見られ、適切な処置をしないと将来的に大きな問題につながる可能性があります。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は、とくに肘から下の腕部分に痛みや違和感を感じる慢性的な疾患です。加齢や長年の疲労による肘関節軟骨の摩耗や変性が主な原因となります。 年齢と共に発症リスクは高まりますが、繰り返しの動作を伴う職業の方やスポーツ選手などの若い方でも発症します。 主な症状は、肘の痛み・関節の腫れや硬直・可動域の制限です。とくに朝起きたときや長時間の安静後に症状が強くなることがあります。また、天候の変化で症状が悪化することもあります。 骨折 腕または肘から下に対して強い衝撃を受けた場合に考えられるのが骨折です。 肘から下には橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)の2本の前腕骨がありますが、どちらかが損傷していると肘から下に痛みが生じます。 転倒や衝突といったさまざまな不意の事故で骨折してしまう恐れがあり、誰しもが起こりうる疾患です。 腕(肘から下)が痛む原因|日常生活で起こりうる疾患 腕(肘から下)の痛みは日常生活においても発症します。 スポーツと同様に繰り返しの動作により引き起こされやすく、多くの方の悩みの種となっています。 そこでこの項目では、日常生活で起こりうる疾患について詳細に紹介します。 腱鞘炎 腱鞘炎は、手や指を頻繁に使う人によく見られる症状です。 私たちの手や指の動きは、前腕の筋肉によってコントロールされています。この筋肉が過度に使われると、筋肉と骨をつなぐ腱や腱を覆う腱鞘に炎症が起こります。その結果、前腕から手にかけての痛みやしびれが生じます。 たとえば、長時間のキーボード入力・スマートフォンの使用・楽器の演奏などは腱鞘炎のリスクを高めます。家事や育児でも、同じ動作を繰り返すことで腱鞘炎を発症することがあります。 肘部管症候群 肘部管症候群は、肘の内側を通る尺骨神経が圧迫されることで起こります。 主な原因は、肘を曲げた姿勢の長時間維持です。たとえば、デスクワークで肘をつく・運転中に肘掛けに肘をのせる・就寝時に肘を曲げた姿勢をとるなどの習慣が挙げられます。また、肘の怪我や関節炎などが要因となるケースもあります。 症状としては、肘の内側から小指側の前腕、手、指にかけてのしびれや痛み、握力の低下などがあります。肘を曲げた状態で長時間過ごした後に症状が強くなるのが特徴です。 肘内障 肘内障は、幼児に多く見られ「肘が抜けた」状態を指します。 主な原因は、腕を強く引っ張られたり、突然持ち上げられたりすることです。たとえば、子どもの手を引いて歩いているときに転びそうになり、急に腕を引っ張ってしまうような状況で頻繁に発生します。 主な症状は激しい痛みと腕を動かせなくなることで、子どもが突然泣き出したり、腕をだらんと下げたままにしていたりすると要注意です。 手根管症候群 手根管症候群は肘から下に痛みを発生させるだけでなく、しびれや運動障害を起こす疾患です。 手根管とは手首の屈筋側にある部位のことで、神経や筋肉の腱などを束ねて正しい動きに導く役割を持っています。この手根管は靭帯によって覆われていて、ほとんど伸び縮みができないバンドのような構造をしています。その狭い空間の中に、正中神経と9本の筋肉の腱が通っているので圧迫されやすい部位です。 前腕の屈筋群を繰り返し使うことによって引き起こされる疲労の蓄積が原因の場合もありますし、腫瘍が出来ているケースや骨折の後遺症として発生するケースもあります。しかし、多くの場合は特発性の手根管症候群で、原因の追求が難しい疾患です。 OKサインのような手の形がとりにくくなることが代表的な特徴です。したがって、細かい作業がしにくくなり日常生活に大きな影響を及ぼします。 頚椎ヘルニア 頚椎ヘルニアは、首にある椎間板が変形・突出し、脊柱の中を通っている脊髄や神経根を圧迫することで発症します。頚椎ヘルニアを引き起こす部位によっては肘から下に痛みを生じます。 頚椎ヘルニアには、急性的なものと亜急性(徐々に進行する)のものがありますが、多くは亜急性です。頚椎に微細な負担を長時間蓄積させ続け、少しずつ椎間板の変形を招くのです。 肘から下の痛みであることから見逃されがちな疾患ですが、頚椎から派出した神経が前腕から手指までつながっていることを理解しておきましょう。 頚椎症 頚椎症は頚椎ヘルニアと似たような発生機序で、背骨を構成している椎骨の変形によって前腕の神経を圧迫する病態です。 頚椎ヘルニアと同様に亜急性が多く、長時間にわたり同じ姿勢を取ることで筋肉の緊張を招いて少しずつ頚椎を変形させていきます。 日常生活の中で首に負担がかかる猫背やストレートネックなどの姿勢が定着していれば、若い世代でも十分に発症しえる疾患です。 頚肩腕症候群 頚肩腕症候群は、筋肉の緊張や血流の悪化によって痛みを引き起こす疾患です。 パソコンが普及し始めたころの、いわゆるキーパンチャーと呼ばれる人たちに続出した疾患でもあります。デスクワークが主流となりつつある現代でも同じリスクを抱えています。 首から前腕まで通過している神経は、さまざまな筋肉の間を縫うように通っています。その過程で、筋肉が緊張したり関節の悪い動かし方をしたりしていると、慢性的に神経を圧迫して痛みを伴うのです。 血管の圧迫による痛みにくわえ、しびれ・ふるえ・冷え・運動障害を引き起こすことが特徴です。また、手先が真っ白になるレイノー現象を引き起こすこともあります。 胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は、腕神経叢(わんしんけいそう)と呼ばれる神経群の圧迫によって発症する疾患です。 胸郭出口症候群は首が長い方・なで肩の女性・やせ型の男性といった身体的特徴をもつ方の発症率が高い一方で、日常生活において座っている時間が長い方でも発症リスクが高まります。 また、腕を上げ続けることによって痛みやしびれが悪化する点が特徴で、筋肉の緊張や鎖骨の動きによって腕神経叢が圧迫され肘の下や指先に痛みを発生させることもあります。 そのため、腕を上にあげている時間が長い美容師・理容師の発症率も高い傾向にあります。 肘から下の腕が痛い時の対処法 腕(肘から下)の痛みは自分で対処するよりも病院を早期に受診する方が確実かつ効果的に対処できます。しかし、痛みに我慢できる程度であれば「仕事や子どもの世話などの都合で様子を見てから」とお考えの方も多いことでしょう。 そこで本項目では、腕(肘から下)が痛いときの対処法をまとめて紹介します。 ストレッチ 寝起きに痛みを感じる場合や、重だるさを感じる場合は、腕の筋肉が温まっていないことで痛みを感じている可能性があります。 そんな腕の痛みや、だるい時におすすめしたいのがストレッチです。 あくまで気持ち良いと感じられる程度のストレッチで十分です。痛みが酷くなるほど強く、あるいは繰り返して行う必要は全くありません。 たったこれだけで肘から下の腕の筋肉をほぐせます。 片方が終わったら反対側も同様に伸ばしてください。血行が促進され、筋肉が少しずつ温まり痛みの解消につながります。 繰り返しになりますが、痛みが酷い場合の無理なストレッチはNGです。強い痛みを感じた際には速やかに医療機関を受診しましょう。 テーピング 仕事や作業などでどうしても腕を動かさねばならない方にはテーピングが効果的です。 上手に活用できれば、痛みを軽減しつつ腕をスムーズに動かすことも可能です。 また、ブレスレットをはめるようなテーピングもおすすめです。 あくまでも、テーピングは痛みを軽減する補助的な役割に過ぎません。ストレッチ同様、痛みが続くようであれば医療機関を受診しましょう。 背骨のゆがみを取る 頚椎ヘルニアや頚椎症などの神経症状はもちろん、前腕の筋肉疲労が原因で起きている痛みには背骨のゆがみを取ることが有効です。 根本となる背骨のゆがみが矯正されれば肩甲骨の動きも自然と改善され、前腕にかかる負担も大幅に軽減できます。 痛みのある部分だけを治療してもなかなか良くならない場合は、背骨といった根本的な部位のアプローチが必要と覚えておきましょう。 薬物療法を使う あまりにも強い痛みの場合は、痛み止め(消炎鎮痛剤)やビタミン剤の服用といった薬物療法も選択肢のひとつです。 症状によってはすぐに効果を感じられないこともありますが、とにかく痛みを解消したい際に有効な治療法です。 肘を温める 筋肉の緊張やオーバーユースによって出ている痛みに対しては肘を温め、血流を促すことで痛みの緩和につながります。 ホッカイロをあてておくだけでも良いですし、お風呂でよく温まることも効果を発揮します。 また、時と場所を選ぶケアなので実施する環境には注意しましょう。たとえば、クーラーの風があたってしまうと痛みが悪化する可能性もあります。 専門医に相談する 筋肉の損傷・靭帯の損傷・神経症状なのか自分で判断できない場合は専門医に相談してください。ひとまず整形外科の受診を推奨します。筋肉の疲労蓄積が原因の場合は安静処置で完治するかもしれませんが、靭帯損傷や神経症状の場合は悪化してしまうことも考えられます。 また、痛みをかばいながら行動してしまうと、肩こりや腰痛といった二次的な疾患を発症してしまいます。 腕(肘から下)の痛みに悩む方からよくある質問 この項目では、腕(肘から下)の痛みに悩む方からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、適切な対処法を見つけてください。 肘から下が急に痛くなったらどうすれば良い? 肘から下の腕が急に痛くなった場合、まず考えられる原因と適切な対処法の把握が重要です。 激しい痛みや、腫れ・変形が見られる場合は骨折や脱臼の可能性があるため、すぐに医療機関を受診してください。 軽度から中程度の痛みの場合は、以下の対処法を試してみましょう。 RICE処置:Rest(安静)・Ice(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)を行います。とくに、冷却は炎症を抑える効果があります。 痛み止めの使用:市販の消炎鎮痛剤を服用したり、湿布を貼ったりすることで痛みが和らぎます。 動作の制限:痛みを感じる動作を避け、腕を休ませることが大切です。 ストレッチ:痛みが和らいできたら、軽いストレッチを行い、血行を促進させましょう。 外側からくる肘下の痛みの原因は? 外側からくる肘下の痛みで代表的な原因は上腕骨外側上顆炎(テニス肘)ですが、他にもさまざまな要因が考えられます。 これらの症状は、似たような痛みを引き起こすため自己診断が難しいです。 痛みが長引く場合や、日常生活に支障をきたす場合は整形外科医の診断を受けることをおすすめします 腕(肘から下)が痛い原因を特定し適切な対処を行おう 原因不明の痛みが急に発症したり、徐々に悪化している場合は整形外科やスポーツクリニックといった病院を早期に受診することが重要です。 疾患によっては、痛みのある局部を集中的に治療しても改善しないケースもあります。 当院でもメールやオンライン相談を受け付けているので、ご気軽にお問い合わせください。
2019.04.13 -
- ゴルフ肘
- テニス肘
- 肘
- スポーツ医療
テニス肘の痛みを和らげるために、低周波治療器の貼り方についてお悩みの方もいるのではないでしょうか。 低周波治療器とは、電気刺激を利用して筋肉の痛みをやわらげる医療機器のことで、パッドを貼って微弱な電流を体に流して治療を行います。 そのため、痛みを感じる部分を中心に貼ることが重要です。 本記事では、テニス肘における低周波治療器の貼り方について解説します。 低周波治療器以外の治療法も紹介しているため、テニス肘の痛みを和らげたい方は、ぜひ参考にしてください。 また、長引くテニス肘の痛みには、先端医療である再生医療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みを手術せずに治療できる再生医療に関する情報や症例を配信しております。 「現在の治療で期待した効果が出ていない」「テニス肘を早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 テニス肘における低周波治療器の貼り方 テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は、上腕骨の遠位部に位置する外側上顆で炎症が起きて発症します。 低周波治療器は、痛みを感じている部分に貼るのが重要なので、テニス肘の症状を緩和したい場合は肘の外側に貼りましょう。 主に以下のような効果が期待できます。 血流が良くなり、疲労物質の排出が促進される 筋肉の緊張が緩和される 外側上顆や内側上顆への負担が軽減される 炎症が強い急性期には適していない場合が多く、症状が落ち着いてきた亜急性期から慢性期に使用しましょう。 治療前に必ず医師の診断を受け、適切な治療法と時期を判断してもらうのが重要です。電気刺激を行うと以下の効果が得られます。 テニス肘の治療方法【低周波治療器以外】 テニス肘の治療法として、以下の方法も効果的です。 ストレッチを行う 冷やす・温める 病院で温熱治療を受ける 運動療法を行う 患部をマッサージする 整体に通う ステロイド注射を打つ 手術を受ける 自分の状態に合わせて取り入れてください。 ストレッチを行う テニス肘は前腕の筋肉が緊張したり過度な負担がかかったりして発生します。 筋肉が硬くなっているため、前腕の筋肉を伸ばすストレッチが有効です。 テニス肘の場合はとくに手首の伸筋群(前腕)を入念にストレッチしましょう。肘を伸ばした状態で、手首を掌側(手のひら)に反対の手で手首を曲げると手首の伸筋群のストレッチが出来ます。 逆に、手首を伸展方向に他動的に曲げると前腕の屈筋群のストレッチが出来ます。どちらのストレッチも、肘の関節が伸びている状態で行ってください。 前腕の屈筋群も伸筋群も、肘関節と手関節をまたぐ筋肉なので、肘が伸びていないとストレッチ効果が半減します。 冷やす・温める テニス肘の症状に対するケアは、状態によって異なります。 自宅で患部を温める場合は、以下のケア方法がおすすめです。 お風呂でゆっくり温まる 電子レンジで温めた蒸しタオルを患部に当てる カイロを活用する また、慢性期では患部を冷やさないよう注意が必要です。長袖を着用したり、上腕から前腕まで覆うサポーターを使用したりするのも効果的です。 いずれの場合も、症状の程度や経過によって適切なケア方法が異なるため、必ず医師の診断を受け、指示に従いましょう。 自己判断でケアを行うのではなく、専門家のアドバイスを受けながら、症状に合わせた適切な対応を心がけてください。 病院で温熱治療を受ける 自宅で患部を温めるだけでなく、整形外科や接骨院などで受けられる温熱療法も効果的です。 筋肉を温めるという点ではまったく同じですが、温熱治療器を使えば芯の部分からしっかり温められます。赤外線治療器なら、体表面よりも深部を温められるため、効率的です。 さらに、ホットパックという道具を使うと温度を一定に保てるので、自宅で行うよりもよく温まります。 運動療法を行う 肘関節の屈曲や伸展、手関節の屈曲や伸展、手指の屈曲や伸展といった動作をスムーズに行うために、運動療法を受けるのも効果的です。運動療法は患部外を含めた練習動作も行います。 スポーツにおける体の動かし方が間違っているとすぐに再発してしまいます。また、テニス肘やゴルフ肘の痛みが軽減してからは、筋力強化も重要です。 前腕の屈筋群と伸筋群、肘の屈曲動作に関わる筋肉を強化すると、テニス肘やゴルフ肘の再発を予防できます。最初はあまり大きな負荷でやらずに、500mlのペットボトルを上げ下げする程度の運動がおすすめです。もし、痛みや違和感を感じた場合は、直ちに運動を中止し、医療専門家に相談しましょう。 患部をマッサージする 前腕の屈筋群や伸筋群をマッサージしたり、上腕・肩甲骨周辺のマッサージをしたりするのも重要です。マッサージによって筋肉の緊張を取り除き、外側上顆にかかる牽引力を軽減できます。 肩甲骨周りの動きが制限されると肩から指先にかけて負担がかかるため、上腕や肩甲骨周辺までマッサージを行います。 マッサージをあまりにも強い力でやりすぎると、かえって自分の体を守ろうとして筋肉が硬くなる可能性もあるため、マッサージが強ければ強いほど良いわけではありません。 整体に通う テニス肘の治癒を早くするために、全身のバランスも整えましょう。背骨の歪みによって、前腕に大きな負担をかける場合があります。 テニス肘が発症する理由は、単に前腕の屈筋群や伸筋群の使い過ぎだけでなく、体のバランスの崩れも考えられます。 たとえば猫背やストレートネックなど、肩甲骨の動きが悪くなるような姿勢だと、上肢全体の動きが悪くなります。通常よりも前腕の屈筋群や伸筋群に大きな負担をかけるので、テニス肘のリスクが高まるのです。 肘や前腕の治療を集中的に行っても痛みがなかなか軽減しない場合は、医師に相談した上で、姿勢や体全体のバランス評価を受けることを検討しましょう。医師の指示のもと、理学療法士や整体師など他の専門家の助言を得ると、より包括的なアプローチが可能です。 早期治癒と再発予防を目指す場合は、医師の診断と指示に基づいて、適切なリハビリテーションプログラムや姿勢改善エクササイズを取り入れるのが効果的です。 ステロイド注射を打つ テニス肘は、上腕骨外側上顆炎とも言われており、肘の外側に痛みが出る病気です。痛みが強い場合はステロイド注射をする場合もあります。 ステロイド注射は頻繁に打つと肘の腱が弱まるため、打てる回数が決まっています。打てる回数は年に3~4回程度で、1回目の注射から3カ月間の期間を空けてください。 ステロイド注射は即効性があり、数日から数週間効果が持続します。湿布などで痛みを取り除けず日常生活に支障を来す場合は、医師に相談してみましょう。 手術を受ける テニス肘は、症状が重症化すると手術が必要になる可能性があります。テニス肘は進行すると腕を曲げきれない、伸ばしきれないなどの症状が出るケースがあります。 症状がでるとスポーツはもちろん、日常生活にも大きな支障をきたしかねません。そのため、症状が進行した患者さんには、手術による治療が勧められています。 テニス肘になりやすい人の特徴 テニス肘になりやすい人や再発しやすい人には、以下の特徴があります。 テニス初心者 肘以外に痛みを抱えている人 姿勢が悪い人 テニス肘を再発予防するためにも、ぜひ押さえておきましょう。 テニス初心者 初心者の場合、ラケットのスイング動作を上肢の力に頼って行う人が多いです。 長年経験している方や、スポーツが上手い方のは、体幹の力を上手く使って体全体を回転させて打ちにいけますが、出来ないうちは肘や手首に負担がかかります。 結果的に外側上顆に付着する筋肉へと負担が集中するため、痛みを発症しやすいです。 肘以外に痛みを抱えている人 肩や腰など、前腕以外に痛みを抱えている人はテニス肘のリスクを高めてしまいます。テニスは回転動作を行うスポーツのため、腰に不安があると体の回転が甘くなります。 その分パワーを発揮するには上肢の筋力を発達させなければなりません。その結果前腕に力が入り、テニス肘を発症しやすくなってしまうのです。 日常生活の中でも、肩に痛みがあれば腕が上がりにくくなります。例えば腕を上げて行わなければならない洗濯物を干す動作をすれば、前腕に余計な負担をかけてしまうでしょう。 なお肘だけを治療しても改善に時間がかかります。肘以外の痛みの治療も並行して行いましょう。 姿勢が悪い人 背骨のバランスが悪い人は、肩を中心とした上肢の筋肉に慢性的な負担がかかり続けます。 猫背などのように、横から見たときに頭の位置が体幹からかなり前に出ている人は、首から背中にかけて日常的に負担をかけ続けています。 その結果肩甲骨の動きが悪くなって肩の可動域が狭まり、肘から先にも疲労を溜めやすくなるのです。さらに姿勢が悪い人は背骨のしなやかさが失われている場合が多く、仰向けや横向きになったときに体が休まりません。 すると睡眠時の回復力が低下してしまうので、疲れが抜けにくく筋肉の疲労を蓄積してしまいます。疲労からテニス肘の症状につながるケースがあるので、姿勢の改善はとても重要です。 テニス肘と低周波治療器に関するよくある質問 テニス肘と低周波治療器に関するよくある質問にお答えしていきます。以下を参考にして、効果的に低周波治療器を使用しましょう。 低周波治療器は使いすぎるとどうなりますか? 低周波治療器の効果的な使い方を教えてください テニス肘の安静期間はどのくらいですか? 低周波治療器は使いすぎるとどうなりますか? 長時間の治療や出力を強くしすぎた場合は、過剰な刺激になってしまい筋肉が疲労します。※ ※出典:PubMed 心地良いと感じる強さで1カ所あたり3〜15分程度行いましょう。 症状に合わせて刺激時間を30分程度に長くしても問題ありませんが、人によっては疲れを感じやすいため注意が必要です。 低周波治療器の効果的な使い方を教えてください 低周波治療器を効果的に使うためには、正しいパッドの貼り方と電気刺激の強度を知ることが重要です。 パッドは痛みのある部位に貼りましょう。痛みのある部位に合わせて上下または左右で挟むように貼るとより効果的です。 強さは、強すぎず心地良いと感じる強さで実施してください。※ ※出典:PubMed テニス肘の安静期間はどのくらいですか? テニス肘は原因となった動作を行うと痛みが出るので、安静にする必要があります。 軽い場合は数週間程度で治りますが、症状によっては2〜3カ月ほど安静期間が必要です。重症になると、さらなる安静期間をすごさなければなりません。 テニス肘の可能性がある人は、早期に医療機関を受診して医師の診断を受けましょう。 低周波治療器を効果的に貼ってテニス肘の痛みを改善しよう 本記事では、テニス肘の治療法として有効な低周波治療器のパッドの貼り方や、それ以外に併用できるおすすめの治療法を解説しました。 発症時期に合わせて適切に低周波治療器を使用すると、テニス肘の痛みの改善が期待できます。 現在受けている治療で期待した効果が出ていない方や、テニス肘を手術せずに治したい方は、先端医療である再生医療をご検討ください。 再生医療は、患者様の細胞や血液を用いて、損傷した組織や身体機能の再生・修復を図る治療です。 \テニス肘に対する再生医療について解説/ https://youtu.be/jy2_O_mEvGI?si=gakqvr0PwpUYszmz また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みを手術せずに治療できる再生医療に関する情報や症例を配信しております。 「つらいテニス肘の痛みを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について確認してみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.04.12 -
- 肘
ぶつけた肘の痛みがなかなか治らない、曲げると痛みがあるといった肘に関するお悩みを抱えている方も多くいらっしゃるかと思います。 日頃から感じる何気ない肘の痛みは、小さなストレスとして蓄積され、出来るだけ早く解決したい悩みの種になりやすい特徴をもちます。 そこで本記事では、ぶつけた肘の痛みが治らない原因から関連する病態や対処法を紹介します。 ぜひ参考にしていただき、肘の痛みから解放された快適な生活を取り戻しましょう。 ぶつけた肘の痛みが治まらない原因 肘の関節は、脂肪や筋肉で覆われていないためぶつけると痛みを感じやすい部位です。 ぶつかった際の衝撃にもよりますが、骨折を引き起こしている場合もあります。 また、小児に多い上腕骨顆上(じょうわんこつかじょう)骨折や、肘の先端をぶつけておこる肘頭(ちゅうとう)骨折なども考えられます。 下記では痛みの原因や特徴について詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 継続する肘の痛みは筋肉・骨の異常を疑う 肘をぶつけて曲げると痛い場合は、筋肉に異常が出ているケースや骨折などの可能性が考えられます。 肘を曲げるための主な筋肉は上腕二頭筋や上腕筋で、これらの筋肉に炎症や打撲があれば肘を曲げたときに痛みが出るでしょう。 また、肘の伸展に作用する筋肉の上腕三頭筋に異常が起きている場合も痛みが出ます。 骨に異常が出ている場合は、肘頭の骨折や上腕三頭筋付着部での炎症が考えられます。 肘頭は上腕三頭筋の停止部でもあるので、肘を曲げることで骨片が無理に引き離されます。 それが痛みを発生させる原因になるのです。 肘をぶつけて痛みが発生しやすい箇所 肘をぶつけて痛みが発生しやすい箇所は、、肘の背面に位置している尺骨の肘頭という部位です。 後ろ向きの転倒や、肩関節の伸展動作による打撲が主な要因です。 肘頭は筋肉や脂肪で覆われておらず、打撲や骨折が起こりやすい部位となっています。 また、上腕骨下端にある外側上顆や内側上顆もぶつけやすい部位のひとつです。 外側上顆・内側上顆は骨が少し外側に出っ張っているため、皮膚の上からでも容易に触わることが出来るくらい体表に近くなっています。 そのため、転倒などによるダメージをもろに受けやすい特徴があります。 肘の痛みから全身が痛くなることもある 「肘の痛みだからちょっと様子をみよう」「我慢できるから病院に行かなくて良いだろう」といった油断は禁物です。 初期の痛みはわずかかもしれませんが、知らず知らずの間に肘をかばって生活するようになり、肩や背中に負担をかけてしまいます。 そこから派生するように全身の疾患・痛みにつながっていくのです。 そのため、自己判断や油断は避け、違和感を感じたら医療機関を受診するよう心がけましょう。 肘を曲げると痛い!考えられる病態一覧 肘を曲げると痛くなる場合、考えられる病態一覧は以下の通りです。 肘をぶつけて曲げると痛い場合、筋肉が原因なのか骨が原因なのかを見極める必要があります。 下記では発生機序や症状から、考えられる病態と治療方法をご紹介していきます。 肘頭骨折 肘頭は尺骨の近位端部に位置する部位で、肘関節の大部分を構成しています。 体表に近い部分まで骨が出ているので、ぶつけることで骨折が起こることも十分に考えられます。 肘を曲げると痛いのはもちろん、場合によっては肘の動作がかなり制限されます。 伸ばす動作・曲げる動作がしにくくなるので、生活に支障をきたすことも。 肘をぶつけた後に肘頭部で強い痛みがある場合は、肘を動かさないよう安静にしてから整形外科を受診しましょう。 肘頭の骨折では、保存療法と手術のどちらも考えられます。 保存療法の場合はまず硬性材料によって1カ月以上の固定が必要です。 ただし、肘頭骨折は固定が難しい骨折でもあり、偽関節を作りやすい部位でもあります。 骨癒合した後は、少しずつ肘の可動域を広げていくための物理療法・運動療法・手技療法が有効です。 上腕骨顆上骨折 上腕骨顆上骨折は、上腕骨の下端部の内側上顆や外側上顆よりも近位部で折れてしまう骨折です。 高いところから落ちて手をついたり、後ろ向きに転倒して手をついたりして発症します。 上腕骨顆上骨折を起こすと、明らかな変形を認め運動がかなり制限されます。 曲げようとすると激痛が走るので筋肉の損傷とは違う痛みがでます。 上腕骨顆上骨折は変形が著しいケースが多く、手術となる場合も。 手術をせずとも、保存療法による改善も可能ですが、ギプスでしっかりと固定されるのでしばらくは肘を使えなくなります。 骨折が起きたときに神経や血管を圧迫したり、固定の仕方によって圧迫してしまったり、二次的な症状が起こることもあります。 小児の上腕骨顆上骨折では、変形したまま骨癒合してしまう内反肘という後遺症が残る可能性もあるので、注意が必要です。 テニス肘(テニスエルボー) テニス肘は、肘の外側で痛みが起こる症状です。 テニスプレーヤーがバックハンドの際に肘の外側で痛みを訴えることが多いことからテニス肘と呼ばれており、正式には外側上顆炎や肘外側の側副靭帯の損傷を指します。 肘をぶつけたことで痛みを発生しますが、1回の外力によってテニス肘を発生させることは稀です。 よほどの大きな外力で肘関節に捻りが加わると側副靭帯の損傷を起こしますが、多くは軽微な外力の繰り返しで受けるダメージ蓄積が要因です。 テニスをはじめとするスポーツ競技はもちろん、パソコンのタイピングや包丁をよく使う料理人なども発症する可能性があります。 テニス肘の基本治療は保存療法です。 側副靭帯が損傷していない限りは、固定することはほとんどありません。 痛みのある動作をなるべく避けて安静にすることが第一です。 マッサージやストレッチなど、自分でできるケアをしていくことも重要になります。 野球肘 野球肘とは、肘の内側側副靭帯の損傷や上腕骨内側上顆炎の総称です。 小学生や中学生の年代で、繰り返し投球動作で肘の内側に過度な負担がかかると発症することから野球肘と呼ばれます。 肘の内側についている靭帯・軟骨・筋肉・腱が損傷している状態なので、肘を曲げる動きで痛みが出ます。 手首の屈曲や手指の屈曲など、前腕の屈筋群に負担をかけ続けると野球肘発生のリスクも高まります。 骨自体に裂離骨折などが起きているケースは少なく、保存療法が一般的です。 野球をやっている場合は投球動作を中止し、安静が第一になります。 上腕部の筋肉から前腕の屈筋群にかけての負担を減らすことが大切です。 肩甲骨の動きが悪いと代償動作として肘に負担がかかるので、再発の予防をするためには肩甲骨や背骨のゆがみから取り除いていかなければなりません。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は男性に多い症状で、長年にわたる肘関節の酷使で肘に変形が起き、可動域制限や痛みを発生させる症状です。 スポーツ経験者や、重い物を持つなどの重労働を繰り返してきた方に発症のリスクがあります。 骨棘ができることで肘の関節面にある軟骨がすり減り徐々に変形していきます。 場合によっては肘の屈曲可動域が大幅に制限されるので、日常生活に大きな支障をきたすケースも。 変形性肘関節症の場合、日常生活にどの程度の支障をきたすかによって、手術・保存療法の選択が判断されます。 保存療法の場合は温熱療法や薬物療法、筋力トレーニングのリハビリを行います。 手術の場合は、変形して出来た骨棘を取り除く施術を行うのが一般的です。 関節リウマチ 関節リウマチは、手指など遠位部で炎症や痛みが起きることが多いですが、肘関節でも痛みを発生させることがあります。 発生の原因がはっきりしておらず、何が誘因になっているのか不明な点も多いです。 病態としては免疫の異常であり、本来であれば病原菌などの侵害物に対して攻撃を行う免疫が、体の細胞に対して攻撃を行ってしまう現象です。 関節の組織を破壊してしまうため、肘で発症すれば曲げるときに痛みが出て、変形することもあります。 関節リウマチの場合は、薬物療法や運動療法が主な治療法です。 変形が進んでしまっている場合には手術も選択肢に入り、変形による血管や神経の圧迫を防ぎます。 また、人工関節の置換術が行われることもあります。 肘を曲げて痛いときの対処法 肘を曲げて痛いときの対処法は、以下の通りです。 整形外科を受診する 接骨院を受診する 整体を受ける 温める 安静にする 再生医療を受ける 下記ではそれぞれの対処法を詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 整形外科を受診する 肘に関する症状を精査するなら整形外科を受診してください。 レントゲンやMRIを希望する場合は、大きな病院の中にある整形外科に行った方が確実です。 骨折が疑われる場合はもちろん、明らかに変形が起きている場合も精査が必要です。 腫れが顕著な場合や肘がほとんど曲がらない状態であれば、骨折を含め器質的な異常が隠れているかもしれません。 接骨院を受診する 肘を曲げて痛い原因が筋肉の炎症や関節の動かし方にある場合は、接骨院や整骨院でも有効な治療を受けられます。 整形外科で精査してもらい、骨折や病気でないことを確認してから接骨院や整骨院を受診しましょう。 物理療法・運動療法・手技療法などさまざまなアプローチが可能です。 整体を受ける 肘を曲げると痛い要因が、肩甲骨の動きや背骨のゆがみによって起きているケースもあります。 姿勢が悪く肩甲骨の動きも悪ければ、必然的に肘にも負担がかかります。 肘自体の問題よりも、周りの機能によって二次的なダメージを溜めているケースも存在します。 肘関節に電気治療を行ったり、肘の動きを良くするような手技療法だけでは改善しません。 そのため、整体を受けて姿勢の改善から取り組むことが重要です。 温める 捻挫や打撲でない場合や痛みが出てから数日経過している場合は、温めることが有効なセルフケアになります。 温めることで血流が良くなり、損傷している組織の代謝も上がって回復力がアップします。 サポーターを付けて冷やさないための工夫や、お風呂でしっかり温まるなど簡単なケアでしっかりケアしましょう。 安静にする 早く治そうと思ったら安静にするのが一番です。 リウマチなど放置で症状が進行してしまう場合は別ですが、そうでない限り肘を休めて筋肉疲労・痛みの軽減を目指すことが先決です。 ただし、安静時にも肘まわりの筋力は低下しています。 症状が改善してきたら、適度な運動を取り入れましょう。 再生医療を受ける スポーツによる障害や変形を伴った関節症など、肘に痛みが出る疾患はさまざまですが、痛みを取るには自己の自然治癒力を高めることが重要です。 有効なアプローチとして近年注目を集めているのが再生医療です。 再生医療は、自身の血液や脂肪を用いる特徴があり、「自然治癒力と再生する力」を高める治療法となっています。 血液を用いたPRP(多血小板血漿)療法は、傷を修復させる血液成分を抽出して患部に注射します。 スポーツ選手がケガをした際、手術をせずに早期復帰を目指す治療法としても取り入れられています。 また、脂肪を用いた脂肪由来幹細胞も有効な再生医療です。 幹細胞とは臓器・皮膚・骨・筋肉・靭帯などさまざまな細胞に分化する能力があります。 自身の脂肪から幹細胞を培養し、それを体内に戻すことで自然治癒力が向上します。 この治療法は患部に注射する方法だけでなく、点滴により全身に幹細胞を届けることも可能です。 以下では、肘関節に対する再生医療の症例を紹介していますので、併せてご覧ください。 https://youtu.be/Fl76KFeikmg >>再生医療による肘関節の症例はこちら 継続する肘の痛みは放置をせずに適した治療を受けることが重要 肘の痛みは放置をするとより重症化する可能性があるため、自分の症状に合わせて、以下の治療やケアを受けることが重要です。 整形外科を受診する 接骨院を受診する 整体を受ける 温める 安静にする 再生医療を受ける 肘の痛みに対する再生医療は、痛みの原因となっている部位を積極的に修復しながら治癒を目指せる、画期的な治療法です。 リペアセルクリニックでは再生医療のエキスパートとして、肘の痛みに対する幹細胞治療やPRP治療法による治療を数多く手がけてきました。 国内トップクラスの細胞加工室の高い技術で、安全かつ治療成績の良い再生医療を提供しています。 「肘の痛みをもっと和らげたい」 「これまでと違った新しい治療を受けてみたい」 肘の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度再生医療専門の当クリニックまでお問い合わせください。
2019.04.11 -
- 足底腱膜炎
「足の裏が痛くて歩けないときの原因は?」 「足裏の痛みの治し方は?」 足裏の痛みによって歩行が難しい場合、どのような原因があるのか、早く治す方法はないか、疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 足底腱膜炎をはじめとする複数の原因が考えられ、原因に応じて対処法や治療方法が異なります。 本記事では、足の裏が痛くて歩けない原因として考えられる疾患や、主な治療法についてわかりやすく解説します。 足の裏の痛みに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。 「足裏の痛みを早く治したい」「手術は避けたい」という方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \足裏の痛みに有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、足裏の炎症や痛みの原因となっている腱や靭帯の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 足の裏が痛くて日常生活に支障が出ている 足裏の痛みを早く治したい 現在の治療では目立った効果が出ていない 症例や治療法については、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは足裏の治療について無料相談! >>(こちらをクリック)今すぐ電話相談してみる 以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、足底腱膜炎が改善された患者さまの症例を紹介しています。 https://youtu.be/BnVHvOVmQmw?si=6BzBzJOJgyILfozR 足の裏が痛くて歩けないときの原因・病気 足の裏が痛くて歩けない場合、主に以下の原因・病気が考えられます。 足底腱膜炎 骨折 痛風などの炎症性疾患 鶏眼(魚の目) シーバー病 後脛骨筋機能障害 有痛性外脛骨 母趾種子骨障害 モートン病 足の裏が痛くて歩けないときは、痛みの原因は骨や筋肉の異常だけではなく、皮膚トラブルも疑う必要があります。 痛みの原因を推測できれば、受診すべき診療科を判断しやすくなります。 足の痛みがこれらの原因に当てはまる場合は、症状が悪化する前に医療機関を受診しましょう。 足底腱膜炎 足底腱膜炎とは、かかとから足指の付け根をつなぐ足底腱膜が炎症を起こし、痛みが生じる疾患です。 中高年に多い疾患といわれており、以下のような原因が考えられます。 激しいスポーツを長期的に続けている場合 長時間の立ち仕事をしている場合 足裏のアーチ形状の異常(偏平足やハイアーチ) 加齢や運動不足 足と靴のサイズが合っていない マラソンなどのスポーツは足の裏に負荷がかかりやすいため、足底腱膜炎になる可能性があります。 また、加齢や運動不足は足底腱膜を硬くするため、足の裏にかかる体重の負荷を逃しにくくなるのも特徴です。 足の裏はアーチ状になっており、体重の負荷を分散させていますが、偏平足やハイアーチ(土踏まずが高い状態)は足底腱膜にかかる負担が大きくなります。 足底腱膜炎は適切な治療を受けることで改善するため、足の裏に違和感や痛みがある場合は、早めに整形外科を受診しましょう。 骨折 足の裏を骨折すると、腫れや外傷によって歩けなくなる可能性があります。 高所からの転落などで足の裏を強く打ったときは、以下の症状をチェックしてみましょう。 強く打った部分が激しく痛む、またはしびれる 痛みの影響で大量の汗をかく 腫れや内出血がある 足の裏が動かしにくい 足の裏が変形している 骨折直後は痛みを感じない場合もあるため、痛みが強いときはレントゲン検査を受けるのがおすすめです。 骨折は神経障害などの後遺症につながる恐れがあるので、放置しないように注意しましょう。 痛風などの炎症性疾患 痛風とは、体内で過剰につくられた尿酸が結晶化し、関節に沈着して痛みを引き起こす病気です。 足の親指の付け根に激しい痛みが出やすいため、症状が悪化すると足の裏の痛みで歩けなくなるケースもあります。 また、足首やアキレス腱まで痛む場合は、乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん)や反応性関節炎の可能性も考えられます。 乾癬性関節炎は皮膚の病気ですが、反応性関節炎は感染症によって引き起こされるため、それぞれ治療方法が異なります。 これらの関節炎も症状が悪化すると痛みで歩けなくなる恐れがあるので、乾癬性関節炎は皮膚科、反応性関節炎は内科を受診しましょう。 鶏眼(魚の目) 鶏眼(魚の目)とは、足の裏の一部に刺激が加わり、皮膚の角質が厚くなる症状です。 芯の部分を踏み込むと針が刺さったように痛むため、歩けなくなる場合があります。 たこも皮膚のトラブルですが、角質が外側(表面側)に向かって厚くなり、芯がないので基本的に痛みはありません。 ただし、放置すると症状が悪化し、痛みを伴うケースがあります。 市販薬で改善する場合もありますが、早く治したい方は皮膚科で切除してもらうなどの治療を受けましょう。 シーバー病 シーバー病は走ったりジャンプなどの運動を繰り返したりすることで発症し、かかとの骨に痛みが生じる疾患です。 子どものかかとの骨は柔らかく弱い状態のため、成長期の子どもに多い症状です。 発症した場合は、患部に負担がかからないように安静にし、アイシングなどの応急処置を行いましょう。 後脛骨筋機能障害 後脛骨筋機能障害は、過度な運動やジャンプなど繰り返しの動作で、後脛骨筋へ負荷がかかることで症状が出る機能障害です。 足底のアーチを支える後脛骨筋腱が弱くなり、進行すると以下のような症状が出ます。 足の内側の痛み・腫れ 扁平足 足のこわばり 変形性足関節症 インピンジメント症候群 肥満体型や中年以降の女性など、足底のアーチを支える力が弱い人に多く見られるため、違和感があれば早期に医療機関を受診しましょう。 有痛性外脛骨 有痛性外脛骨は、オーバーユースや捻挫などの外傷により、土踏まずの上あたりにある外脛骨が炎症を起こして痛みが生じます。 腫れや赤みなどの症状のほか、足に合わない靴を履いていることで歩行や運動時に痛みが出ます。 初期段階では安静とアイシングで症状を緩和させますが、炎症が進行した場合は医療機関の指示のもと、物理療法やストレッチを行います。 母趾種子骨障害 母趾種子骨障害は、足底面にある2つの種子骨が骨折や関節症などにより炎症が起こることの総称です。 陸上競技やサッカー、バスケットボールなど走ることが多いスポーツでよく見られ、主な症状は以下のようなものがあります。 親指の付け根(母趾球部)の裏側の痛み 歩行時やランニング時の強い痛み 炎症が悪化した場合腫れや圧痛がある 母趾種子骨障害の治療では、安静や固定、消炎剤の投与などを行いますが、症状が悪化した場合は種子骨の抽出手術を行う場合があります。 モートン病 モートン病は、第3・4指の足裏の付け根の神経が圧迫され、炎症や腫れの症状により足の裏に痛みが出る疾患です。 ハイヒールや先の細い靴、長時間立ち続ける仕事などが原因となりますが、主な症状は以下のとおりです。 足裏に小石を踏んでいるような感覚 足指の付け根の鋭い痛み 焼けるようなしびれ 指先に力が入りにくい 靴を履いていると圧迫感がある モートン病の予防では、足に合う靴を履きインソールを見直すことが重要です。 主な治療法として、薬物療法などが行われますが、症状が悪化している場合は神経を切除する手術なども行われるケースもあります。 足の裏が痛くて歩けない症状の特徴【痛みを感じる場所別】 足の裏が痛くて歩けない症状の特徴には、以下のようなものがあります。 足指の付け根・土踏まず 足の外側・かかと 足の裏の痛みには特徴があるため、どの部分が痛いのか判別しておくと、原因を特定しやすくなります。 痛みを感じる部分や、痛みの種類は以下を参考にしてください。 足指の付け根・土踏まず 足の裏の上側(足指の付け根)や土踏まず・足のアーチ部分が痛む場合、以下の原因が考えられます。 痛みがある部分 痛みの特徴 考えられる原因 足の裏の上側 ・足指の付け根や親指 ・小指の側面が痛む ・骨の出っ張りがある部分が痛む ・外反母趾 ・種子骨の骨折や炎症 ・痛風 ・魚の目やたこ 土踏まず ・土踏まずに力が加わると痛む ・土踏まずが常に痛む ・偏平足 ・足底腱膜炎 足のアーチ部分 ・足指を反らせると足裏全体が痛む ・足底腱膜炎 親指が人差し指に向けて曲がっている場合、外反母趾の可能性があります。 また、親指の付け根が痛むときは、種子骨の骨折や炎症、痛風などが原因です。 足の裏の特定部分だけに刺激が加わると、魚の目やたこができるケースもあり、魚の目は硬くなった皮膚が内部に食い込むため、体重をかけると刺すように痛む場合があります。 土踏まずやアーチ部分が痛い場合は、偏平足や足底腱膜炎になっている可能性があります。 足に合った靴を履く・インソールを活用するなど、症状に合った対策をしましょう。 足の外側・かかと 足の裏の外側・かかとに痛みがある場合は、以下の原因が考えられます。 痛みがある部分 痛みの特徴 考えられる原因 足の裏の外側 ・歩くと足裏の外側が激しく痛む ・安静時にも足裏の外側がズキズキと痛む ・疲労骨折 ・踵骨骨折 ・関節炎や神経障害 かかと ・かかとの内側で前方の部分を押すと痛む ・足底腱膜炎 足の外側やかかとに痛みが生じる場合、過度な運動による負荷や足裏の組織への繰り返しの衝撃が関係していると考えられます。 足の外側の痛みは、疲労骨折によって引き起こされている可能性を視野に入れると良いでしょう。 また、足底腱膜炎は足裏全体に痛みが広がる可能性があるので、かかとの痛みや違和感には注意が必要です。 足の裏が痛くて歩けないときの治療法 の裏の痛くて歩けないときの主な治療法は、以下のとおりです。 保存療法 手術療法 軽い痛みや一時的な痛みなど、初期症状の段階では保存療法が選択されます。 しかし、重症化している場合は手術療法が検討されるケースもあり、一定期間の入院や継続的なリハビリテーションが必要です。 下記では具体的な治療方法について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。 保存療法 足の裏の痛みが初期段階であれば、保存療法を行います。 保存療法では炎症や痛みを抑えるため、以下の処置が行われます。 湿布・テーピング 患部のマッサージ 足底腱膜を柔軟にするストレッチ 筋力アップのトレーニング 装具の使用(靴底のインソールなど) 注射や鎮痛剤の服用 体外衝撃波治療 保存療法は炎症や痛みの緩和を目的としており、症状に応じて超音波や電気治療を行うケースもあります。 症状が悪化するようであれば、注射や鎮痛剤を服用します。 手術療法 足の裏が重度の足底腱膜炎だった場合、医療機関では手術を行うケースがあります。 手術には以下の種類があり、痛みの原因の除去が主な目的となります。 骨棘切除術:かかとの痛みを取り除くため、骨棘(こつきょく)を切除する手術 足底腱膜切離術:足裏の痛みの原因となる足底腱膜の一部を除去する手術 腓腹筋筋膜切離術:足底腱膜の負担を軽くするため、ふくらはぎの筋膜を切り離す手術 手術のための入院期間は2~3日程度ですが、術後のリハビリテーションには3~6カ月かかる場合があります。 足の裏が痛いときの予防・対処法 足の裏が痛くて歩けないときは、以下の予防・対処方法を実践してみましょう。 足裏にかかる負担を避ける 適切なストレッチを行う 患部をアイシングする 足の裏の痛みは放置しておくと、手術療法を行う場合もあるため、予防や対処法を身につけておくことが重要です。 足裏にかかる負担を避ける 立ち仕事や歩行時など、足の裏にかかる負担が重くなる場合は、以下の注意点を意識しましょう。 足の形やサイズに合った靴を履く 適度な間隔で休憩する 無理な歩行や運動を避ける 靴底のかかと部分にクッション性があると、足底腱膜にかかる負荷を抑えられます。 小さすぎる靴は炎症の悪化を招き、大きすぎる靴も歩行時に負担がかかるので、サイズや形にも注意が必要です。 立ち仕事や歩行が長くなると、足の裏だけではなく、膝や股関節にも大きな負担がかかるため、適度な間隔で休憩を挟みましょう。 無理な歩行や運動を避けておくと、足底腱膜炎などの悪化を防止しやすくなります。 適切なストレッチを行う 立ったり歩いたりする時間が長くなるときは、適度な間隔でストレッチを行いましょう。 片方の脚を後ろに下げ、アキレス腱を伸ばすようにゆっくり曲げると、足底腱膜の疲労が和らぎます。 足底腱膜が固くなっているときは、足の裏をもみほぐしておきましょう。 また、猫背や太ももの筋力低下も足底腱膜に負担をかけるため、デスクワークでは背筋を伸ばし、猫背のまま深く腰掛けないように注意しましょう。 患部をアイシングする 足の裏の痛みの初期段階では、炎症を抑えて痛みを軽減するために患部をアイシングするのも効果的です。 氷嚢やビニール袋に氷を入れて、直接肌に触れないようにタオルなどを使用して患部を冷やします。 長時間冷やしすぎると凍傷になる可能性もあるため、15〜20分程度を目安に冷やしましょう。 足の裏が痛くて歩けないときは再生医療をご検討ください 足の裏が痛くて歩けないときは、原因に応じて適切な治療を受けることで、症状悪化を回避できる可能性があります。 痛みを放置すると気づかないうちに症状が悪化し、日常生活に影響が出たり手術が必要になったりするケースもあるため、初期段階での治療開始が重要です。 手術に抵抗がある方や、長期入院を避けたい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、足裏の炎症や痛みの原因となっている腱や靭帯の改善が期待できます。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2019.04.10 -
- テニス肘
- 肘
- スポーツ医療
日常生活で特に思い当たる原因がないのに、ジンジンとした痛みや違和感を抱える方は少なくありません。 このような痛みが続くと、普段の動作に支障をきたしたり、不安を感じたりすることもあります。 本記事では、肘の外側が痛む原因として考えられる上腕骨外側上顆炎(テニス肘やスマホ肘)や神経痛について詳しく解説します。 肘の痛みを抱える方が少しでも安心して対策を講じられるよう、お役立ち情報をお届けします。 何もしてないのに肘(外側)が痛む原因 何もしていないのに肘の外側が痛む主な原因は、上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)と呼ばれる肘の病気です。 別名でテニス肘やスマホ肘とも呼ばれ、老若男女問わず発症する可能性があります。 上腕骨外側上顆炎の概要や治療法、予防法について詳しく解説します。 上腕骨外側上顆炎(テニス肘・スマホ肘)とは 上腕骨外側上顆炎とは、別名でテニス肘・スマホ肘と呼ばれる病態です。上腕骨にある外側上顆で炎症が起きる症状を指します。 上腕骨外側上顆炎の根本的な原因は、肘関節よりも前腕の筋肉群で生じる過度な負担です。手関節や手指の伸展動作に関わる筋肉で、前腕の伸筋群と呼ばれます。 前腕の伸筋群は上腕骨の外側上顆から前腕を通過し、手関節の先まで通っています。そのため、前腕の伸筋群を使いすぎによるダメージの蓄積が外側上顆にも負担をかけているのです。 ぶつけていないのに肘が痛くなるのはなぜ? 手関節や手指を繰り返し動かすことで前腕伸筋群が伸張を繰り返し、その牽引力が外側上顆の一点にかかります。 これが長時間・長期間続くことで徐々に外側上顆が炎症を起こし、結果的に伸ばすと痛い・曲げると痛いといった何もしなくても肘の外側に異常が生じるのです。 前腕の筋肉を酷使するテニスプレーヤーに多い症状であることから、テニス肘と別名がついています。 また、長時間にわたる操作でスマホを持つ(支える)前腕の筋肉が硬直し、外側上顆に負担をかけることからスマホ肘とも呼ばれています。 そのため、前腕をよく使うスポーツ選手はもちろん、何気ない日常生活から万人が発症します。 肘関節の構成 肘の関節は、上腕骨・前腕の橈骨(とうこつ)・尺骨(しゃっこつ)の3つの骨で構成されています。 肘関節を詳細に分類すると3つの関節が1つの関節包の中に納まっています。 肘関節を動かす最も大きな筋肉は上腕二頭筋です。肘関節の屈曲と前腕の回外の運動に関わっています。 上腕二頭筋は肩甲骨から上腕を通過して前腕まで通っているため、肩関節の異常が肘関節に影響する可能性もあります。 また、肘関節伸展に関わる主な筋肉は上腕三頭筋です。これも肩甲骨から上腕を通過して前腕まで通っています。 肩関節から肘関節にかけてコントロールする筋肉なので、肩関節の使い方次第で肘関節に影響を及ぼします。 上腕骨外側上顆炎の症状 上腕骨外側上顆炎はどなたでも起こり得る症状ではありますが、30~50代の女性の発症率が高い傾向にあります。筋力の弱さやホルモンバランスが関係しているとされています。 外側上顆炎は伸筋群が原因であるにも関わらず、手関節の伸展や手指の伸展以外の動作でも肘の外側に痛みを発生させます。 日常生活の動作では、以下の状況で痛みを感じます。 打撲や捻挫のように、一度の外力で急に外側上顆炎になることよりも、日常生活の動作の中で少しずつ負担を蓄積して発症するケースが多いのが特徴です。 そのため、治療が長期間に及ぶことも珍しくありません。 上腕骨外側上顆炎の治療方法 医療機関での上腕骨外側上顆炎の治療方法を紹介します。 上記の治療方法は、症状の程度や患者さんの状態に応じて選択されます。 とくに、再生医療は組織の修復や回復を促進する方法として、効果が期待されています。 1.電気治療 痛みがある肘の外側・前腕の筋肉を中心に行う、低周波や干渉波の電気治療が行われることがあります。 主な目的は前腕の筋肉で起きている緊張を取り除くことと、血流を良くすることです。 しかし、上腕骨外側上顆炎は炎症かつ筋肉の緊張による牽引力が原因であることから、稀に電気治療によって悪化してしまうケースもあります。 電気刺激が強すぎると、かえって自分の体を守ろうとする防衛機能が働き、逆に筋緊張を強めてしまうのです。 同反応が見られた場合は、電気刺激を弱めるか別の保存療法を選択します。 2.手技療法 前腕の筋肉をマッサージやストレッチでほぐすことが主な手技療法です。 上腕骨から指先まで通っている伸筋群もあるため、前腕だけでなく手指の動きを良くすることにもつながります。 手指の動きが良くなれば必然的に外側上顆の負担は減り、肘の外側の痛みが改善する仕組みです。 3.温熱療法 外側上顆炎の患者の中には、お風呂に入った後に少し痛みが軽減する方もいます。 これは、温められることによって血流が良くなり、前腕伸筋群の緊張が和らいだことが要因です。 そのため、赤外線などで外側上顆から前腕にかけて温熱療法を行いつつ、手技療法や運動療法をあわせて行うことで改善を早めます。 4.運動療法 運動療法は、肘関節の正しい動かし方を身につけたり、手関節や手指関節の動きをスムーズにしたりとさまざまな療法が存在します。 もちろん、痛みの程度を見ながら無理のない範囲で徐々に行うことが大切です。 肩関節や肩甲骨の動きが間接的に肘関節に影響を及ぼすため、肩関節の動きを良くして可動域を広げることが外側上顆炎の治療において重要です。 5.背骨の矯正 背骨や骨盤のゆがみを改善することで、外側上顆炎の改善効果が期待できます。 矯正によって姿勢が整うと、肩甲骨や胸椎の動きが正しくスムーズになり、肩関節の可動域が広がります。 肩関節の可動域が広がることで、肘関節への負担が軽減され、結果として手関節や手指の動きがスムーズになるのです。 外側上顆炎の治療では、肘だけに焦点を当てるよりも、背骨のゆがみを含めた全身のバランスを整える方が早期の改善につながりやすいとされています。また、再発予防にも効果的です。 6.再生医療 再生医療は幹細胞や血液を活用して損傷した組織の修復や再生を促進する治療法です。 上腕骨外側上顆炎のような慢性的な炎症や組織損傷に対して、有効な治療方法の一つとして挙げられます。 再生医療は従来の治療法では改善が難しい症例にも効果が期待され、早期の症状緩和や機能回復が目指せます。 また、自身の細胞を利用する再生医療は副作用が少ない点も特徴です。 肘の痛みが長引いている場合や、より根本的な治療を検討している方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへお気軽にご相談ください。 >>肘の痛みに対する再生医療の症例は、こちらからもご確認いただけます。 上腕骨外側上顆炎の予防方法 上腕骨外側上顆炎は一度なってしまうと治癒まで比較的時間がかかる症状であり、一度良くなった後も再発するケースが多いです。 そこでこの項目では、自分でできる上腕骨外側上顆炎の予防方法をご紹介します。 肘の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。 1.ストレッチ 前腕の伸筋群に疲労が蓄積することで外側上顆炎のリスクが高まることから、こまめな前腕のストレッチが予防に有効です。 外側上顆炎を発症した初期はストレッチの動作でも痛みを感じることがあるので痛みが軽減してから習慣にしてください。 やり方は簡単で、手関節の屈曲と伸展方向にゆっくりと伸ばすだけです。 しかし、伸筋群のみのストレッチでは外側上顆炎の再発予防としては不十分です。 屈筋群に緊張があるままだと、手関節伸展がしにくくなり、余計な筋力を発揮させて伸展動作を行わなければならなくなります。 外側上顆の負担を増す原因になるので、屈筋群もあわせてストレッチしておくことが大切です。 2.肘と前腕を温める 冷えは筋肉の緊張を生みやすいので、基本は温めるようにした方が改善の助けになります。 お風呂でしっかり温まることはもちろん、電子レンジなどで蒸しタオルを作って肘の外側から前腕にあてておくだけでも良いセルフケアです。 安価な物でも良いので、肘全体を覆うタイプのサポーターをするのも冷え対策につながるためおすすめです。 神経痛によって肘の外側が痛むこともある! 首から上肢にかけて通っている神経が圧迫されることによって肘の外側で痛みを発生させている場合もあります。 この項目では、肘の痛みの原因となる神経痛の概要や治療方法についてご紹介します。 頚椎ヘルニア・神経痛とは? 神経を圧迫する主な原因の一つに、頚椎ヘルニアが挙げられます。 この疾患は、神経が圧迫されることでさまざまな症状を引き起こします。 姿勢の悪いデスクワーク、バイクの長時間運転などにより、頚椎ヘルニアになってしまうと上記のような症状が現れます。 また、姿勢の悪さから頸椎ヘルニアになった場合は、肩甲骨の内側や外側の痛みや首自体の痛みも同時に感じるケースが多くあります。 肘の外側の痛みに加え、体幹に近い部位に痛みが点在している場合は、神経症状が原因である可能性を考慮することが重要です。 頚椎ヘルニア・神経痛の治療方法 肘の外側で出る痛みが神経痛であった場合、肘の動きの改善や前腕・上腕のマッサージは根本的な治療にはなりません。 神経が発生している背骨から治療していく必要があります。 この項目では、頚椎ヘルニア・神経痛の主な治療方法を5つご紹介します。 1.薬物療法 痛み止めや、ビタミン剤が薬物療法として主に使用されます。 あくまでも薬物療法は鎮痛作用を促すためのものです。 完治にはつながりにくいものの、日常生活に支障をきたす辛い痛みを防ぐ補助的な目的で利用します。 2.温熱療法 神経痛においても温めることが有効な治療方法です。 血流が良くなる上に筋肉の緊張が取れるため、神経の圧迫の軽減につながります。 3.牽引治療 整形外科では、頚椎を牽引して治療することが多いです。 牽引により背骨全体の筋肉がストレッチされ、神経の通り道を広くすることに期待できます。 しかし、牽引治療だけでは完治に至らない場合が多いです。 4.整体 姿勢を改善して首の負担を取り除くことや、関節の動かし方を改善して頚椎から出る神経を圧迫しないような体作りをしていきます。 手術以外の方法の中でも有効な治療方法であり、早期改善と再発予防につながりやすいです。 5.手術療法 スポーツ選手など特別な事情がある場合を除いては稀な選択と言えますが、頚椎の手術も有効な治療のひとつです。 頚椎のシビアな場所だけに、一般的には最終手段として選択される治療方法です。 肘に痛みが生じている際のストレッチ 肘の痛みが生じている際には、適切なストレッチを行うことで症状の緩和が期待できます。 以下に、肘の外側および内側に効果的なストレッチ方法をご紹介します。 肘の外側に効果的なストレッチ 肘の外側の痛みを和らげたいときは、下記のストレッチを試してみてください。 ストレッチは無理をせず、痛みを感じない範囲で行いましょう。 肘の内側に効果的なストレッチ 続いては、肘の内側の痛みを和らげるストレッチです。 ストレッチを行う際は、無理のない範囲でゆっくりと行い、痛みが強くなる場合は中止してください。 また、症状が長引く場合は専門医にご相談ください。 肘が痛む際に自分でできる対処法はある? 肘の痛みを和らげるために、自宅で簡単にできる対処法をいくつかご紹介します。 対処法 効果と説明 サポーターの使用 肘を固定し、動きを制限することで負担を軽減。炎症や痛みの緩和が期待でき、作業や運動中に効果的。 湿布を貼る 消炎鎮痛効果のある湿布で炎症や痛みを緩和。冷感タイプは急性の痛みに、温感タイプは慢性的な痛みに適している。 テーピング 筋肉や関節をサポートして痛みを軽減。専門家に貼り方を教わると効果的で、運動や日常動作の負担を軽くする。 安静にする 痛みが強い場合は肘を安静に保ち、過度な動作を避けることで症状を悪化させない。負荷のかかる作業や運動を控える。 冷却または温める 急性の痛みにはアイスパックで冷却、慢性的な痛みには温める方法が有効。痛みのタイプに応じて使い分ける。 これらの対処法は一時的な痛みの軽減に役立ちますが、痛みが長引く場合や悪化する場合は、医療機関での診察を受けることをおすすめします。 何もしてないのに肘の外側が痛む方からよくある質問 肘の外側が何もしていないのに痛む症状について、多くの方が疑問や不安を抱えています。 そこでこの項目では、よくある質問に対して医師の観点から回答します。 これらの質問に対する正しい理解を深めることで、症状への不安を軽減し、適切な対応が取りやすくなります。 気になる症状がある場合は、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。 何もしていない肘の痛みはガンの可能性もある? 結論から言えば、肘の痛みがガンである可能性は非常に低いですが、完全に否定はできません。 肘の痛みの大半は、上腕骨外側上顆炎(テニス肘)や神経痛によるものです。 ただし、痛みが長期間続く、急激な体重減少を伴うなどの場合はガンの可能性も考えられるため、専門医の診断を受けることをおすすめします。 ガン以外にも、関節リウマチなどの自己免疫疾患の可能性もあるため、早期発見・早期治療が重要です。 不安な症状がある場合は、まずは医療機関を受診し、適切な検査と診断を受けましょう。 ジンジン・ズキズキする肘の痛みはすべて神経痛やテニス肘? ジンジンやズキズキといった肘の痛みは、必ずしもすべてが神経痛やテニス肘が原因ではありません。 肘部管症候群・滑膜ひだ症候群・単純な筋肉の張りなど、考えられる疾患はさまざまです。 正確な診断と適切な治療のためには、症状の詳細な観察と医師による専門的な診断が重要です。 自己診断は避け、持続する痛みがある場合は整形外科をはじめとする医療機関を受診しましょう。 何もしていない肘の痛みは内側にも発症する? 肘の痛みは外側だけでなく、内側にも発症する可能性があります。 何もしていないのに肘の内側に痛みを感じる主な原因として、上腕骨内側上顆炎が考えられます。 この症状は、手首を曲げる筋肉や前腕の筋肉が肘の内側の骨(上腕骨内側上顆)に付着する部分で炎症を起こすことで生じます。 とくに、ゴルフやテニスのバックハンド、野球の投球動作など手首を曲げる動作を繰り返す人に多く見られます。 また、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けることでも発症することがあります。 本記事で紹介した上腕骨外側上顆炎の内側版と覚えていただいても差し支えありません。 何もしてないのに肘の外側が痛む原因まとめ 肘の外側で起きる痛みは、肘や前腕で問題が起きている場合と頚椎など中枢に近い部分で問題が起きている場合の2種類があります。 両者は治療方法も異なるので、どこで問題が起きているのか見極めるのが大切です。 何もしていないのに発症する外側の肘の痛みを早期に改善したい方は、医療機関を受診し専門医に相談するよう心がけましょう。 また、当院でも肘の痛みに関するご相談を受け付けています。どうぞお気軽にお問い合わせください。
2019.04.08 -
- 変形性膝関節症
膝を曲げると内側に痛みや違和感があったら、原因を特定したいとお悩みの方も多いのではないでしょうか。 膝の内側に痛みが出る場合、変形性膝関節症や鵞足炎などの疾患の可能性が考えられます。 放置すると痛みが慢性化したり、症状の悪化につながるため、違和感を覚えたら早期に対策を行うことが大切です。 この記事では、膝の内側に痛みが出る原因と自宅でできる対処法、放置するリスクについて解説します。 膝の痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは手術なしで痛みの改善が期待できる再生医療に関する情報を公式LINEで発信しております。 膝の痛みに対する治療の選択肢として、膝関節の症状に関する症例も紹介しておりますので、ぜひご登録ください。 膝の内側を曲げると痛い原因 膝の内側を曲げると痛い場合、さまざまな疾患や状態が考えられます。 主な原因として、以下の5つがあります。 鵞足炎(がそくえん) 変形性膝関節症 半月板損傷 内側側副靭帯損傷 その他に考えられる原因 これらの正しい知識を身につけて、適切な治療を選択しましょう。 鵞足炎(がそくえん) 膝の内側を曲げると痛い場合、膝の内側の腱が炎症している鵞足炎(がそくえん)の可能性があります。 主な症状は以下のとおりです。 膝の内側に鋭い痛みがある 階段の昇降時やしゃがむ動作でチクチクするような痛みを感じる 膝を曲げると痛みが強くなる 外傷ではなく膝の使いすぎが原因となる傾向があり、比較的若年層から中高年のスポーツ愛好者にも発症が見られます。 治療としては安静とアイシングによる炎症の抑制やテーピングによるサポートなど、保存療法が主流です。 鵞足炎を放置して自己判断で運動を続けると、炎症が悪化し慢性化する恐れもあるので、違和感を覚えたら早めに医療機関を受診しましょう。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで痛みや歩きにくさを生じる疾患です。 主に以下の症状があります。 立ち上がりや歩き始めに膝の内側が痛い 階段の昇降がつらい 膝の動きが悪い 膝を曲げると痛い とくに膝を曲げたときに痛みが出る場合、軟骨のすり減りによる炎症が進行している可能性があります。 治療としては運動療法や薬物療法などの保存療法が中心となり、症状に応じてヒアルロン酸注射や手術も選択肢となります。 放置すると症状が進行し安静時にも痛みが生じるようになるため、膝関節に違和感がある場合は早めに診察を受けることが大切です。 半月板損傷 膝の内側を曲げると痛い症状が急に現れた場合は、膝関節内のクッションである半月板の損傷の可能性があります。 主な症状は以下のとおりです。 膝の引っかかり感やロッキング(動かせない状態)が起こる 特定の角度で曲げると膝内側に鋭い痛みがある スポーツ中のひねり動作や加齢による変性が原因 半月板損傷は若い方でも起こりうる怪我であり、膝を特定の角度に曲げた時や体重がかかった時に鋭い痛みとして感じられることが多いのが特徴です。 放置すると症状が悪化したり、変形性膝関節症へ移行するリスクを高めたりする可能性もあります。 膝の違和感や痛みがある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 内側側副靭帯損傷 膝の安定性を支える内側側副靭帯の損傷も、膝の内側を曲げると痛い原因の一つです。 以下の症状があります。 膝内側の圧痛や腫れがある 膝を曲げたり体重をかけたりするときに内側が痛む スポーツや事故で膝に外側からの強い力が加わった際に、内側側副靭帯が損傷することがあります。 治療をしないと症状の悪化や、変形性膝関節症へ移行するリスクを高める可能性もあるため、放置は厳禁です。 その他に考えられる原因 膝の内側を曲げると痛い場合、脛骨の疲労骨折や膝の内側への負担を増大させるO脚が原因の場合もあります。 とくに慢性的な痛みや繰り返す症状がある場合は、注意が必要です。 疾患、症状 主な原因、症状、影響 疲労骨折 【原因】 ランニングなど繰り返しの負荷による骨への微細なひびが入る 【症状】 運動中や運動後だけでなく安静時にも局所的な痛みや腫れ O脚(内反膝) 【原因】 姿勢や歩き方の癖が原因で両膝が外側に湾曲し、膝の間に隙間ができる 【影響】 変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎のリスクを高める すねの内側に発生する疲労骨折は、初期には膝の内側に鈍い痛みを感じ、休息で軽快するものの運動を再開すると再び痛むのが特徴です。 ジャンプ動作や体重移動時にズキズキした深部の痛みがある場合は、疲労骨折を疑う必要があります。 O脚は膝の内側に持続的な圧力がかかる特徴があり、内側関節への負担が蓄積されることで、痛みや関節の変性を引き起こします。 O脚が進行すると、変形性膝関節症の発症リスクも高まるため、放置せず日頃の姿勢や歩き方の癖を見直すことが重要です。 膝の内側を曲げると痛いときの対処法【自宅でできる】 膝の内側に痛みを感じたとき、自宅でできる対処法を知っておくことで、症状の悪化を防げます。 痛みを緩和する方法として、以下の3つがあります。 患部をアイシングする 湿布を貼る サポーターやテーピングを活用する これらの対処法を理解して、適切に対処しましょう。 患部をアイシングする 膝の内側の痛みが急に生じた際に有効な対処法として、患部をアイシングして炎症を抑える方法があります。 冷却を行う際は、炎症が強い受傷直後から72時間以内が効果的で、炎症を抑えることによって腫れや痛みの軽減につながります。 冷やすのは1回15〜20分を目安に行い、凍傷リスクを避けるためタオルなどの布に包んで使用しましょう。 ただし、炎症が落ち着いている慢性化した痛みの場合は、冷やすのは逆効果になる可能性があります。 そのような場合は逆に温めた方が良い場合もあるので、症状に応じた対処が必要です。 湿布を貼る 膝の内側の痛みに腫れなどの炎症が見られる場合、湿布を貼るのも有効です。 湿布の主な効果として、湿布に含まれる消炎鎮痛成分による痛みと炎症の軽減が期待できます。 冷湿布には冷感がありますが、実際の冷却効果はないため、患部を冷やす目的であればアイシングの方が効果的です。 サポーターやテーピングを活用する 治療中やリハビリ中などにサポーターやテーピングを使用することで、痛みの緩和が期待できます。 サポーターには、膝が左右にブレたりグラついたりするのを防ぐ固定タイプや、血行不良からくる膝痛を防ぐための温めるタイプがあります。 サポーターで膝を固定すれば痛みは和らぎますが、あくまで膝の補助による一時的な効果です。 また、テーピングもサポーター同様、膝を固定することで痛みを緩和できます。 筋肉の働きを助ける作用があるため、膝関節のサポートにも有効です。 膝の内側を曲げたときの痛みを放置するリスク 膝の内側を曲げると痛い症状を放置してしまうと痛みが慢性化して日常生活に深刻な支障をきたす可能性があります。 放置することで考えられる主なリスクは、以下のとおりです。 症状の悪化と慢性化 関節変形の進行と機能障害 日常生活の質の低下(QOLの低下) 治療の長期化と手術リスクの増大 原因となっている疾患が進行し関節の変形が進むなど、様々なリスクが生じるため、早期の適切な対処が不可欠です。 痛みの原因が変形性膝関節症などである場合、放置すると軟骨のすり減りがさらに進み、骨の変形やO脚の悪化などが進行します。 膝の可動域に制限が生じ、歩行能力の低下や日常生活動作に支障をきたし、生活の質の低下につながるリスクもあります。 また、放置して症状が進行すると、治療が長期化したり手術を検討しなければいけない可能性が高まります。 上記のリスクを避けるために、膝の内側に痛みや違和感を覚えたら、早い段階で整形外科などの専門医を受診して正確な診断を受けることが重要です。 膝の内側を曲げたときの痛みを予防する方法 膝の内側の痛みを予防・再発防止するためには、膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がけ、関節の柔軟性を保つことが重要です。 【予防・再発防止するための方法】 筋力トレーニングとストレッチで関節の柔軟性を保つ 膝関節への負担を日頃から軽減する生活習慣を心がける 下記では簡単にできるストレッチ方法や、日ごろ意識したい生活習慣について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 膝周辺のストレッチを行う 膝の内側を曲げると痛い症状を予防・改善するためには、筋力の強化と柔軟性の維持が欠かせません。 大腿四頭筋やハムストリングスなど太ももの筋肉をターゲットにして、ストレッチを行うことで、膝関節の安定性を高めて動作時の痛みを軽減します。 【おすすめのストレッチ】 太もも前側のストレッチ 片足立ちで膝を曲げ、足首をつかんで伸ばす ハムストリングスのストレッチ 床に座って脚を前に伸ばし、つま先に手を伸ばす 股関節の開脚ストレッチ あぐらの姿勢で膝を地面に近づける 上記のストレッチを正しいフォームを意識しながら、無理のない範囲で継続して、関節の柔軟性を保ちましょう。 筋力トレーニングとストレッチは、痛みの再発防止だけでなく日常生活の動作をスムーズにし、関節を健康に保つ鍵となります。 膝に負担がかからない動作を身につける 膝の内側の痛みを防止するためには、日常生活の中で膝関節にかかる負担を少しでも減らす工夫を意識的に取り入れることが重要です。 特に膝の内側に負担がかかりやすい方は、生活の様々な場面で注意が必要です。 膝関節への負担を軽減するための具体的な生活習慣のポイントは以下の通りとなります。 生活習慣のポイント 工夫と注意点 座り方 床座りを避け、椅子中心の生活を意識する 体重管理 適正体重の維持を心がける 日常動作の工夫 ・立ち座り:支えを使いゆっくり行う ・階段昇降:手すりを使い一段ずつ昇り降りする ・荷物の持ち方:膝を曲げ腰を落とし、荷物を体に近づけて持つ 靴の選択 クッション性が高く安定した靴を選ぶ 長時間の同一姿勢を避ける 30分~1時間に一度は立ち上がったり、軽く膝を動かす 猫背やガニ股歩きなど、重心が片側に偏る姿勢は膝の内側に負荷を集中させるので、膝とつま先の向きを揃えることを意識して正しい姿勢を保ちましょう。 また靴の選択も重要で、底が硬くグリップ力のない靴は、膝にダイレクトな衝撃を与えます。 ウォーキングや日常用には、衝撃吸収性の高いスニーカーやインソールを活用しましょう。 生活習慣の見直しは、すぐに効果が現れるものではないかもしれませんが、長期的に見れば痛みを軽減し膝の健康寿命を延ばすために有効です。 できることから少しずつ取り入れ、無理なく継続していくことが大切です。 長引く膝の内側を曲げたときの痛みには再生医療も選択肢の一つ 膝の内側を曲げたときの痛みが長引く場合は、再生医療も治療の選択肢の一つです。 再生医療とは、自己の細胞や血液を利用して損傷した組織の修復・再生を促す医療技術で、手術に頼らずに関節の機能改善や痛みの軽減を目指します。 変形性膝関節症や半月板損傷、鵞足炎などによる膝の内側の痛みに対しても、再生医療が選択肢となります。 PRP(多血小板血漿)療法 血液から抽出した血小板成分を膝関節内に投与する治療法 幹細胞治療 脂肪組織などから採取した幹細胞を培養・投与する治療法 治療方法は注射や点滴のみで、日帰りで治療を受けられるため、手術や入院の必要がありません。 当院「リペアセルクリニック」では、患者さま一人ひとりの症状に合わせて治療方針を決定します。 丁寧なカウンセリングを行い、患者さまの目指す状態まで寄り添って治療していくので、膝の痛みでお悩みの方はぜひご相談ください。 ▼実際に当院で再生医療を受けた方のインタビュー動画 膝の内側を曲げると痛いときは早期に適切な治療を受けることが重要 膝の内側を曲げると痛い主な原因として、変形性膝関節症や鵞足炎、半月板損傷などが考えられます。 これらの疾患は、適切な対処をせずに放置してしまうと、症状が悪化・慢性化するリスクが高まるため早期の診断・治療が大切です。 主な治療法は保存療法や手術療法ですが、手術を避けたい場合は再生医療という選択肢もあります。 幹細胞や血液を利用する再生医療によって、膝の痛み解消につながる可能性があります。 膝の内側を曲げたときの痛みでお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 >膝関節に対する再生医療の症例はこちら
2019.04.08 -
- 股関節
股関節に何らかの問題があり、保存療法などの治療で改善が見込めない場合は、人工股関節への置換が選択されるケースもあります。 メリットが多い人工関節ですが、デメリットもあります。また、人工関節にしたくない方もいるのではないでしょうか。 そこで本記事では、人工股関節が必要になる原因から人工股関節にならないためにできることについて解説します。 人工股関節にした後に日常生活で注意することについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 人工股関節置換術とは? 人工股関節置換術とは、病気などで傷ついた股関節を、人工の股関節に置き換える手術を指します。 手術後は、なるべく早期から自分の足で歩き始めることが重要です。 人工股関節置換術が必要になる主な原因 人工股関節置換術が必要になる原因は、主に以下の疾患によるものです。 変形性股関節症 大腿骨壊死症 関節リウマチ それぞれの疾患でどのような症状がみられるのか、詳しく解説していきます。 変形性股関節症 変形性膝関節症とは、股関節の関節軟骨が変形することによって、痛みや可動域が制限される疾患です。 発症の原因は、「加齢による筋力の低下」、「股関節への過剰な負担」、「スポーツ外傷」などさまざまです。 変形した股関節をもとに戻すことはできないため、症状が悪化した場合は、人工股関節置換の手術が検討されるケースがあります。 大腿骨頭壊死症 大腿骨頭から関節内に流れる血流が悪くなることで、大腿骨頭の骨組織が壊死していく疾患です。 骨壊死だけでは痛みがない場合もありますが、進行すると壊死した骨が潰れ、体重がかかることによって痛みが生じます。 大腿骨壊死症の発症と関連する因子は解明されつつありますが、原因は未だ不明とされています。 大腿骨頭壊死症は見つかり次第すぐに人工股関節置換術を行うわけではなく、経過観察されるケースもあります。 関節リウマチ 関節リウマチは、免疫の働きに異常が生じ、健康な細胞を攻撃してしまうことで関節が炎症を起こす疾患です。 関節の痛みや腫れだけでなく、関節の変形や機能障害を引き起こす可能性もあります。 股関節の変形などの症状が悪化し、日常動作に大きな影響を及ぼしている場合は人工股関節置換術が適用されることがあります。 股関節の痛みに対する人工股関節置換術以外の治療方法 人工股関節置換術以外の治療法についても解説します。主に以下の3つが挙げられます。 保存療法 骨切り術 再生医療 ご自身の症状などを鑑みて、最適な治療法を検討してください。 保存療法 保存療法では、主に以下の方法を用いて症状・痛みの緩和が期待できます。 薬物療法によって痛みを抑える 温熱療法によって血行を促進し、痛みやこわばりを和らげる 運動療法で関節周辺の筋肉を鍛え、関節の動きをサポートする サポーターなどの装具で関節の負担を軽減する・安定させる 温熱療法は温めているときは痛みが軽減されますが、効果が持続しないことに注意が必要です。 運動療法を受ける際には、無理のない範囲で続けることが大切です。医師のアドバイスを受けながらトレーニングしましょう。 また、保存療法は痛みを和らげることが目的で、疾患の完治が期待できる治療法ではありません。 骨切り術 股関節の骨切り術は、「関節温存術」とも呼ばれています。 股関節がそれほど損傷していない場合、股関節周辺の骨を切って関節の向きなどを矯正する手術を行う場合があります。 状況に応じて、大腿骨側の骨を切る方法と骨盤側の骨を切る方法があります。 自分の組織や関節が残るメリットがありますが、完全に回復するまでに時間がかかるなどのデメリットがあります。 再生医療 保存療法で効果が得られなかった場合や人工関節を避けたい方は、再生医療の選択肢もあります。 再生医療とは、機能障害や機能不全になった組織に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のことです。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまご自身の細胞を用いて治療するため、アレルギーや拒絶反応の危険性が少ないです。 また、手術や入院も不要なので、現在注目されている治療法です。 人工股関節置換術による治療も増えてきている 股関節の痛みに対して、人工股関節置換術による治療を選択する方も増えてきています。 その理由は、人工関節の性能が向上し、耐久 耐用年数が長くなったためです。 一般的に高齢の方に多い治療法ですが、運動習慣や症状の程度によっては40代や50代で人工股関節置換術が選択される場合もあります。 人工股関節のデメリット・注意点 人工股関節には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点もあります。以下では、その注意点についてお伝えします。 脱臼する可能性がある 長期的なリハビリが必要 耐久年数が決まっている 感染症のリスクがある 人工股関節に置換し、日常生活が送れるようになったあとも、注意しなければならないことはいくつかあります。 脱臼する可能性がある 脱臼を防ぐために、日常生活の中で以下の動作を避けるようにしましょう。 あぐらをかく 低い椅子に長時間座る 前かがみになって靴を履く 人工股関節の足を軸にして立、体を伸ばす 股関節が深く曲がりこむ姿勢は脱臼の可能性が高まります。日常生活でも頻繁にとる姿勢ですので、術後は安静にし、股関節に負担をかけない姿勢を意識してください。 このような姿勢は日常生活の中で無意識にしてしまうことが多いので、手術後は過度な屈曲や伸展、外旋に注意しましょう。 長期的なリハビリが必要 多くの場合は人工股関節にするまでに、日常生活に影響を与えるほどの痛みと向き合ってきているでしょう。 したがって、筋力が大幅に落ちています。筋力を元通りに戻すのには時間がかかります。 どのくらいの生活レベルを目指すかにもよりますが、リハビリは長いスパンで計画する必要があります。 耐久年数が決まっている 人工股関節には耐久年数があります。 運動の習慣や生活にもよりますが、一般的に20年程度が人工股関節の耐久年数といわれています。 そのため、若い世代の方が人工股関節置換術を受けた場合は、再度手術を行い人工関節の置き換えが必要になる可能性があります。 人工股関節の性能が向上し耐久年数も長くなってきているため、再手術が必要かどうかは医師に相談しましょう。 感染症リスクがある 人工股関節には、合併症として感染症リスクがあることも注意が必要です。 人工関節周囲感染(PJI)と呼ばれ、手術中だけでなく、術後にも歯周病や虫歯などの菌が血液を介して感染する場合があります。 症状によっては再手術の可能性もありますので、違和感がある場合はすぐに医師に相談してください。 人工股関節にならないためにできること 人工股関節にならないためには、日常生活の動作に気を付けましょう。 股関節の負担を減らす生活を意識する 適度な運動やストレッチを行う 股関節に痛みがある場合は再生医療による治療を検討する 股関節の負担を減らす生活について、具体的に解説します。 股関節の負担を減らす生活を意識する 日常生活では、意外と股関節に負担がかかっています。以下のことを意識して生活してみてください。 椅子に座、椅子から立ち上がる際は反動をつけずにゆっくりと行う 股関節を深く曲げない 膝を内側にひねらない 重い物を持たない 転ばないよう注意する 低い場所に座ってかがんで靴を履く、ずっと座って頭を洗うなどの動作が股関節に負担をかけている場合があります。 日常生活を見直し、股関節への負担を和らげましょう。 適度な運動やストレッチを行う 股関節に負担をかけたくないからといって、一切運動をしないのは逆効果です。 適度な運動をすることにより股関節周辺の筋力が上がり、股関節にかかる負担が減ります。自宅での簡単なトレーニングもで筋力が上がりますので、無理のない範囲で継続して運動しましょう。 また、水中でのトレーニングや固定式バイクは股関節に負担をかけずに足の筋力を鍛えられます。 股関節に痛みがある場合は再生医療による治療を検討する 股関節の治療で人工股関節を入れたくない場合は、再生医療による治療を検討しましょう。 再生医療とは、機能障害や機能不全になった組織に対して、体が持つ再生能力を利用して損なわれた機能を再生させる医療技術のことです。 患者さまの幹細胞を採取・培養し、損傷した股関節を再生できる場合があります。手術や入院も必要ないため、注目されている治療方法です。 再生医療を検討している方は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 以下のページでは、股関節に対する再生医療の症例を公開しているため、併せて参考にしてください。 >再生医療による股関節の症例はこちら 【まとめ】人工股関節にならないためには股関節の負担を減らすことが重要 人工股関節置換術や、それ以外の治療法について解説しました。 人工股関節にならないためには、日常生活のなかで股関節に負担をかける動作を避けることが大切です。 人工股関節置換術は元通りの生活が送れるようになる半面、注意点も多くあります。ご自身の年齢や症状に合わせて適切な治療法を検討してください。 また、適度な運動によって股関節周辺の負担を和らげましょう。 どうしても股関節の痛みがおさまらない場合は、再生医療もご検討ください。
2019.04.08







