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- 股関節
- 変形性股関節症
- 再生治療
変形性股関節症で手術を受けるタイミングは、多くの患者さまにとって悩ましい問題です。 痛み止めやリハビリなどの保存療法を長い期間続ける中で「手術を受けた方が良いのかな」と不安に思う方もいるでしょう。 この記事では、変形性股関節症の手術のタイミングを決める重要なポイントについて解説しているので、ぜひ参考にしてください。 変形性股関節症の手術を受けるタイミング 変形性股関節症の手術を受ける明確なタイミングはありませんが、痛みによって歩けなくなる前が推奨されます。 痛みや症状の程度は個人差がありますが、歩けないほど重症化してしまうと手術の難易度が上がり、その分危険度も増してしまいます。 変形性股関節症は、初期段階でも夜眠れないほどの痛みがある方もいれば、進行期でも痛み止めなどの保存療法で痛みがコントロールできている方もいます。 そのため、最終的には患者さまが手術を必要とするかどうかが判断基準になるため、医師と相談して、タイミングを判断することが重要です。 変形性股関節症の手術のタイミングを決める重要なポイント 変形性股関節症の手術タイミングを判断する際は、日常生活への支障の程度が重要な判断基準となります。 具体的には以下のような症状があれば、手術を検討した方が良いケースが多いです。 思い通りに歩けない 眠れないほどの痛みがある 痛み止めなどの薬が効かなくなった 階段の上り下りが難しい 関節が硬くなり軋む感覚がある 保存療法で一時的に症状が改善したとしても、股関節をかばう動作により腰や膝に過度な負担がかかることがあります。 今までできていたことが痛みでできなくなったり、眠れないほどの痛みが続いたりする場合は手術を検討した方が良いでしょう。 変形性股関節症の手術で行う「人工股関節置換術」とは 変形性股関節症では「人工股関節置換術」という、変形した股関節を人工の股関節に置き換える手術があります。 本章では、以下の2つについて解説します。 人工股関節置換術とは 人工股関節置換術によるリスク 患者さまに適したタイミングで手術を受けるために、人工股関節置換術の知識を深めていきましょう。 人工股関節置換術とは 人工股関節置換術とは、股関節後面から切開して、損傷・変形した股関節を人工の股関節と置き換える手術です。 人工の股関節に置き換えることにより、痛みを取り除き歩行や日常生活における動作をスムーズに行うことを目的としています。 手術による傷口は股関節の後面に残り、変形の程度によって傷口の大きさも変わります。 人工股関節置換術によるリスク 人工股関節置換術を行うことで、日常生活や仕事へ復帰できる可能性がある反面、脱臼などさまざまなリスクもあります。 手術の際に股関節を安定させる役割を持つ関節包靭帯を一部切除することがあり、手術直後に無理な姿勢や運動をすると脱臼するリスクがあるため注意が必要です。 また、人工関節は細菌感染しやすいため、手術中の傷口からだけでなく術後にむし歯などの口腔内細菌が移る可能性もあります。 感染症を合併すると、状態に応じて人工関節の再置換や長期間の抗菌薬療法などを行う必要があります。 変形性股関節症の手術を避けたい方は再生医療も選択肢の一つ 変形性股関節症の手術を避けたい方は、幹細胞を用いて股関節の軟骨の修復を促す「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療とは、幹細胞の再生能力を活用し、すり減った股関節の軟骨の修復・再生が期待できる先進医療のことです。 今までは手術による人工関節置換術が一般的でしたが、近年の治療では手術しないで治療できる可能性がある再生医療が注目されています。 当院「リペアセルクリニック」では、股関節内の必要な箇所に幹細胞を届ける「関節内ピンポイント注射」を行っているため、治療成績も良好です。 変形性股関節症にお悩みの方は、手術や入院が伴わない再生医療も選択肢としてご検討ください。 【まとめ】変形性股関節症の手術タイミングは医師と相談しよう 変形性股関節症は人によって痛みや症状の程度が違うため、手術のタイミングは医師と相談して決めることが重要です。 手術には痛みや症状の改善が目指せるメリットがある反面、脱臼や感染症などのリスクも伴うため、不安に感じる方も多いかもしれません。 手術によるメリットとリスク、そして今の生活の状況など総合的に考えて手術を受けるか判断しましょう。 変形性股関節症を改善したいけど「手術は受けたくない」とお悩みの方は再生医療をご検討ください。 再生医療では患者さまから採取・培養した幹細胞を用いた手術も入院も必要としない治療法です。 変形性股関節症を手術しないで治療したいという方は、ぜひお気軽にご相談ください。
2020.03.10 -
- ひざ関節
- 再生治療
- 幹細胞治療
半月板損傷の代表的な治療は手術です。手術と聞くと「なんだか怖いイメージがある」「リスクがないか心配」などのお悩みの声をよくいただきます。 そこで本記事では、半月板損傷の手術の内容やデメリットをはじめ、手術なしで実施できる治療法について紹介します。 感染症のリスクや知覚神経へのダメージ、仕事復帰までの期間が長くなるといった半月板損傷の手術におけるデメリットを詳細に解説しているので、手術を検討している方はぜひ最後までご覧ください。 半月板損傷とは 半月板とは膝関節にある軟骨で、C型をした板状のものです。膝の内側と外側に1つずつあり、関節のクッション性を高める役割を担っています。 そんな半月板ですが、ジャンプやターンなどの動きや急激な衝撃で損傷する場合があります。それが半月板損傷です。半月板損傷を起こすと、歩行時の痛み・膝の引っかかり感・腫れ・曲げ伸ばしのしにくさといった症状が出現します。 半月板損傷の治療は手術以外にもあり、保存療法とリハビリで様子を見ることがあります。しかし、症状がひどくなったり、断裂した半月板の一部が繰り返し関節に挟み込まれる場合には手術が検討されます。 半月板損傷における手術のデメリット 半月板損傷の手術は、膝の関節に2~3カ所切れ込みを入れ、カメラで半月板の状態を確認しながら行います。損傷が小さい場合は縫合し、縫い合わせられない場合は切除します。 傷が小さくて済むので体への負担が比較的少ない点が特徴です。しかし、体の一部を切るわけですから、リスクがない訳ではありません。 つまり、手術のデメリットも気になるところです。 感染症にかかるリスクが上がる リスクの頻度としては高くありませんが、傷口に細菌が入り感染するリスクがあります。 感染すると膝が腫れたり、熱が出たりします。感染の治療をあわせて行うことになるため、術後のリハビリが遅くなる点が懸念されます。 知覚神経を傷つける可能性がある 手術のときに皮膚の表面にある知覚神経を傷つけてしまうリスクがあります。その結果、術後に皮膚の知覚が鈍くなる恐れがあるのです。 関節の動きが悪くなったり、痛みが続いたりする訳ではありませんが、熱いものや鋭利なものに触れても気付きにくくなるため、やけどやケガを負うリスクが向上します。したがって、知覚神経の負傷は手術において考慮しておきたい重要なデメリットの1つです。 仕事復帰までの期間が長くなる 半月板損傷の手術にかかる時間はそれほど長くありませんが、術後のリハビリ期間は長期にわたります。 断裂した半月板を縫い合わせたからといって、すぐにもとのように動けるわけではないことを理解しなければいけません。手術後、すぐに膝に負荷をかけると再断裂を引き起こすリスクが高まります。 もとの日常生活に戻るまでには数カ月、さらに仕事やスポーツに復帰するまでには6カ月程度の期間がかかることを想定しておきましょう。早期に仕事・スポーツへの復帰を目指す方にとっては大きなデメリットといえるでしょう。 半月板損傷の手術に関するよくある質問 半月板損傷の手術に関するよくある質問をまとめました。不明な点を明らかにして、慎重に手術の検討をしましょう。 半月板損傷で手術した場合の入院期間はどのくらいですか? 半月板損傷で手術した場合、一般的な病院では3〜10日が目安です。 入院例を以下にまとめました。 1日目:入院 2日目:手術 3日目以降:松葉杖にて歩行の練習。問題なければ退院 術後の膝の状態や松葉杖での歩行の習得状況によって、入院が延長する場合があります。 半月板損傷の手術費用はどのくらいかかりますか? 半月板損傷の手術費用は5〜20万円程度と幅広く、入院期間と負担率によって変動します。 たとえば、70歳以上で3割負担の方が9日間入院すると約9万円の費用が必要です。上記の費用はあくまでも目安となります。詳しい費用を確認したい方は、手術を受ける予定の医療機関に直接問い合わせてみましょう。 手術をせずに半月板損傷を治す方法はありますか? 半月板損傷を再生医療で治す方法があります。 再生医療では、自身の細胞から採取して培養した幹細胞を膝に注射します。その幹細胞が損傷した半月板を修復してくれるのです。また、幹細胞が膝の炎症を抑えて痛みを軽減させてくれます。 自分自身の細胞を使用するため、アレルギーなどの反応が少ない点、手術を避けられる点で身体への負担を抑えた治療法と言えます。また、手術よりも治療期間が短くなるメリットがあります。 半月板損傷手術のデメリットを回避できる再生医療を検討しよう 半月板損傷の手術には、感染のリスクをはじめとするさまざまなデメリットがあります。 対して、近年では手術に代わる治療として再生医療が注目されています。副作用が少なく治療期間を短縮できる再生医療なら、早期に仕事やスポーツに復帰できる可能性が高くなります。 半月板損傷で悩んでいる方や、半月板損傷の手術におけるデメリットが気になる方は、再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。
2020.02.29 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
肝臓といえば「お酒」というイメージがありますが、お酒以外でも肝臓にダメージを与えている可能性があります。 「身体の疲労がなかなか取れない」という人は、肝機能が低下しているかもしれません。 本記事では、低下した肝機能を回復させる方法について詳しく解説していきます。 肝機能の低下を放置すると「脂肪肝」や「肝硬変」という病気に繋がる可能性があります。 肝臓の働きや肝機能を回復させる方法を理解して、肝臓疾患を予防しましょう。 肝臓はどのような働きをしているの? 肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器といわれており、以下のような働きをしています。 代謝 食事などから摂取した栄養素を体内で利用できるエネルギーとして蓄える機能 解毒 薬やアルコールなどの体にとって有害な物質を分解して無害化する 胆汁の生成 脂質の消化や吸収に必要な胆汁を生成・分泌する 「肝臓が疲れている」場合、エネルギーとして代謝できなかった栄養素が中性脂肪となって蓄積されます。 また、アルコールなどの解毒されるべき物質がそのまま体内に残ってしまいます。 生命活動にとって重要な働きをしている肝臓の疲労や疾患は、早めの対策・治療が必要です。 しかし、肝臓には神経が通っていないため、何らかのダメージを受けても自覚症状が現れにくく「沈黙の臓器」とも呼ばれています。 そのため、人間ドックや健康診断を受けて肝臓の異常を早期発見することが重要です。 肝臓を回復させるには食事の見直しや運動が大切 肝臓を回復させるには、食事による栄養素の摂取や有酸素運動、禁酒で肝臓を休める必要があります。 たんぱく質やビタミン類を摂取する 脂質と糖質の摂取を控える 肥満状態を改善する 1日30分程度の有酸素運動 アルコールの摂取量を抑える それぞれの項目について詳しく解説していきます。 たんぱく質やビタミン類を摂取する 肝臓の働きをサポートする効果に期待できる栄養素と主な食べ物を紹介します。 必要な栄養素 主な食べ物 詳細 たんぱく質 鶏ささみ、青魚、豆腐、卵など 幹細胞の修復や機能回復に必要な栄養素 ミネラル 野菜、海藻類、きのこ類など 代謝、解毒、胆汁の生成など肝臓の働きをする過程に欠かせない栄養素 抗酸化ビタミン (ビタミンA・C・E) ・ビタミンA 緑黄色野菜、ウナギなど ・ビタミンC レモン、パセリ、ブロッコリーなど ・ビタミンE 大豆類、青魚、ブロッコリーなど 肝臓内の活性酸素を抑え、肝機能の低下を防ぐために必要な栄養素 タウリン 貝類、タコ、エビなど 肝臓の解毒作用を高めて肝機能をサポートする効果が期待できる栄養素 食生活の見直しは、「肝機能の低下予防」と「肝機能を高めるサポート」のどちらの効果も期待できます。 暴飲暴食や偏った食事を避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。 脂質と糖質の摂取を控える 肝臓を回復するためには、脂質と糖質の過剰摂取を控えることが重要です。 高脂肪・高糖質の食事は肝臓に負担をかけ、脂肪肝の原因となります。 特に、揚げ物やファストフードなどの飽和脂肪酸を多く含む食品、清涼飲料水や菓子類などの単純糖質の食べ過ぎは控えるべきです。 代わりに、不飽和脂肪酸を含む青魚などを適量摂取し、精製された糖質ではなく玄米や全粒粉パンなどの複合糖質を選ぶようにしましょう。 糖質制限と適切な脂質バランスを保つことで、肝臓への負担を軽減し、回復を助けることができます。 肥満状態を改善する 過剰な体脂肪、特に内臓脂肪は肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」の主な原因となります。 肥満状態を改善して適正体重を目指すことで、肝臓への負担を大幅に軽減できます。 具体的には、一日の摂取カロリーを適切に管理し、ゆっくり確実に減量することが重要です。 急激なダイエットは逆に肝臓に負担をかけるため避けましょう。目標は1ヶ月に1〜2kg程度の減量が理想的です。 1日30分程度の有酸素運動を習慣化する 肝機能を改善するためには1日30分程度の有酸素運動を取り入れましょう。 肥満や運動不足によって、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積される「非アルコール性脂肪肝」が起こる可能性があります。 ウォーキングや水泳などの有酸素運動を習慣にし、肝臓に蓄積した中性脂肪を減らしましょう。 有酸素運動によって脂肪肝化が改善される※1ことも報告されています。 ※参考:一般社団法人 日本肝臓学会「追補内容のお知らせ『NAFLD/NASH 診療ガイドライン』」 アルコールの摂取量を抑える 肝機能を改善させるためには、禁酒もしくはアルコールの摂取量をできるだけ抑えましょう。 お酒の飲酒量が多いと、アルコールを分解する働きを持つ肝臓に負担がかかり続けるため「アルコール性脂肪肝」になる可能性があります。 厚生労働省では、適度な飲酒量として1日あたりの純アルコール量は約20gとしています。 主な酒類の目安量は、以下の通りです。 お酒の種類 純アルコール量 ビール(中瓶1本500ml) 20g 清酒((1合180ml)) 22g ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml) 20g 焼酎(35度)(1合180ml) 50g ワイン(1杯120ml) 12g しかし、アルコールは肝臓にとってストレスになるため、肝臓が疲労している時は禁酒することをおすすめします。 肝臓が回復するまでの期間と肝臓の状態 肝臓の機能が回復するまでに必要な期間は、肝臓の状態によって大きく違いがあります。 例えば、飲酒により一時的に肝臓が疲れている状態であれば、2日間の禁酒期間を設けることで肝臓は回復するといわれています。 一方で、慢性肝炎を放置して「肝硬変」になっている場合だと、いくら期間を設けても肝機能が回復することはありません。 極端な 2 例を挙げましたが、このように肝臓の回復に必要な期間および回復するかどうかについては、肝臓がどの程度のダメージを受けていて、どういった状態になっているかによって左右されるのです。 肝機能低下が招く疾患とは? 肝臓が疲れていると表現される「肝機能が低下している状態」を放置すると、様々な病気に繋がるリスクがあります。 病名 主な症状 脂肪肝 自覚症状がほぼないため、健康診断などの血液検査で発覚することが多い アルコール性肝炎 食欲不振・だるさ・発熱などの症状があり、肝臓の腫れや上腹部に痛みを感じる ウイルス性肝炎 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)・食欲不振・嘔吐・全身の倦怠感・発熱など 肝硬変 ・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる) ・腹水(下腹部が張る) ・くも状血管拡張(首、前胸部、頬に赤い斑点ができる) ・手掌紅斑(掌の親指と小指の付け根が赤くなる) など 肝機能の低下は、肝機能を回復させるために生活習慣を見直せば改善することが多いです。 しかし、肝機能の低下を放置して病気になってしまうと適切な治療が必要になります。 肝機能が低下している前兆 肝機能が低下しても初期段階では症状が現れにくいため、血液検査を受けて初めて異常に気づくことも多いです。 しかし、肝機能の低下が進行すると肌が黄色くなる黄疸やむくみ、尿の色が濃くなるなどの症状が現れます。 気づいた時には症状が進行している可能性があるため、早めに医療機関を受診して検査を受けましょう。肝臓の回復には早期発見が重要です。 肝疾患の改善につながる可能性がある「再生医療」 従来の肝硬変の治療法では、症状の進行と合併症を防ぐことを目的としており、元の状態に戻すのは難しいとされています。 そんな、治らないとされている肝疾患には再生医療という選択肢があります。 患者さま自身から幹細胞を採取・培養して点滴投与します。ご自身の細胞を使用することから、副作用などのリスクが少ないのが特徴です。 肝疾患を根本的に治したい方は、当院「リペアセルクリニック」の無料メール相談・オンラインカウンセリングをご利用ください。 【まとめ】肝臓を回復させるには再生医療による治療をご検討ください 疲れた肝臓の機能を回復させるには、脂肪や糖質の過剰摂取を避ける食生活や、適度な運動など生活習慣の改善が大切です。 普段から肝臓を労わっていれば、少し疲れた程度なら数日の期間で回復しますが、慢性的に肝臓が疲れていると肝疾患になってしまいます。 そうなると、回復に時間がかかる、あるいは自然回復しない状態に陥ってしまう可能性があります。 肝疾患には薬物治療や運動療法の他にも、再生医療という選択肢があります。肝機能の低下に悩んでいる方は、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。
2020.02.28 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
肝硬変と聞くと「治らない」「怖い病気」というイメージがあるかもしれませんが、医療の進歩により治療の選択肢が広がっています。 本記事では、従来の治療法から最新の再生医療まで、肝硬変に対する様々なアプローチを解説します。 また、病状の段階別の治療法や、日常生活で実践できる予防法についても詳しく紹介します。 肝硬変の治療について不安がある方は、この記事を参考にしてください。 肝硬変を治すにはどんな治療がある? 肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、症状が出にくいため発見が遅れやすく、従来の治療では「肝硬変は治らない病気」といわれています。 肝硬変に対する従来の治療方針と近年注目されている再生医療について解説します。 近年注目されている「再生医療」は、硬くなった肝臓を修復する可能性のある治療法です。 ここでは、従来の治療方針と合わせて解説します。 従来の治療方針 肝硬変の従来の治療方針は、根本的な治癒よりも「進行抑制」と「症状緩和」を主な目標としています。 硬化した肝臓組織を元に戻すことは困難であるため、患者さんの状態に合わせた対処法が重要となります。 肝硬変の従来の治療における主なポイントは以下の通りです。 原因疾患への対処(ウイルス性肝炎には抗ウイルス薬、アルコール性には完全禁酒) 栄養バランスの良い食事と適度な運動の維持 病状に応じたタンパク質摂取量の調整 腹水や肝性脳症などの合併症に対する薬物療法 定期的な血液検査や超音波検査による経過観察 重症例における肝移植の検討(ただしドナー不足の課題あり) 特に初期段階では生活習慣の改善を中心とした治療で病状を安定させることが可能なケースもあるため、早期発見・早期治療が重要となります。 肝硬変治療に注目されている再生医療 「肝硬変は治らない」という常識を覆す可能性を秘めているのが、再生医療です。 従来の治療法では難しかった肝臓組織の修復が、先端技術によって実現できる可能性があります。 再生医療による肝硬変治療のポイントは以下の通りです。 幹細胞を活用して傷ついた肝臓組織を修復・再生 「自己骨髄細胞投与療法」で一部患者の肝硬変が改善した実例あり 入院や手術不要で治療できる 患者さま自身の細胞を用いるため副作用リスクが少ない 再生医療は病気の進行を抑えるだけでなく、硬化した肝臓を元の状態に近づける可能性がある点が画期的です。 山口大学の研究では、患者さま自身の骨髄から採取した細胞を静脈注射する方法で、一部の患者さまが慢性肝炎の段階にまで回復したことが報告※されています。 ※出典:Medical Note「肝硬変になった肝臓は再生可能? 他家間葉系幹細胞を用いた肝硬変の研究」 治らないといわれていた肝硬変の改善に期待できるため、多くの患者さまに新たな希望をもたらす可能性がある治療法です。 肝硬変の2つの病状に対する治療法 肝硬変は進行度によって大きく「代償性」と「非代償性」の2つの段階に分けられます。 代償性肝硬変では、肝臓はまだある程度の機能を保っており、症状があまり現れないことが特徴です。 一方、非代償性肝硬変になると、腹水や黄疸などの明らかな症状が出現し、より積極的な治療が必要になります。 どの段階にあるかによって治療方針は大きく変わりますので、医師の説明をしっかり理解しましょう。 代償性肝硬変 代償性肝硬変とは、肝臓が硬くなっていても、まだ十分な機能を保っている状態です。 この段階ではほとんど自覚症状がないため、健康診断や他の病気の検査で偶然見つかることもあります。 代償性肝硬変の治療目標は「これ以上悪化させない」ことです。 残念ながら、硬くなった肝臓を元に戻す薬はまだありませんが、原因に対する治療で進行を抑えることができます。 まず大切なのは原因疾患への対応です。 B型やC型肝炎ウイルスが原因なら、抗ウイルス薬でウイルスの活動を抑え込みます。 非代償性肝硬変 非代償性肝硬変は、肝臓の機能が著しく低下し、様々な症状が現れる肝硬変が進行した状態です。 この段階では、患者さまの生活の質を維持するために、合併症への適切な対処が重要となります。 非代償性肝硬変の症状と治療のポイントは以下の通りです。 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)の出現 腹水に対する塩分制限(1日5〜7g)と利尿剤療法 重度の腹水には「腹水穿刺(ふくすいせんし)」による直接排液 非代償性肝硬変では、上記のの症状が患者さんの日常生活に大きな影響を与えるため、家族の理解とサポートも大切です。 合併症の初期症状(意識の変化や腹部膨満感の増加など)に気づいたら、すぐに医療機関を受診しましょう。 肝硬変になる原因は肝機能障害からの進行が多い 肝硬変は突然発症するものではなく、肝臓の慢性的な障害が徐々に進行して引き起こされます。 主な原因となるのは、B型・C型肝炎ウイルス感染や、脂肪性肝疾患です。 上記のような病気により肝臓に持続的な炎症が起こると、その修復過程で線維(瘢痕組織)が形成され、肝臓全体が硬く小さくなっていきます。 かつてはC型肝炎ウイルスが原因の割合が高く、肝硬変全体の約半数を占めていました。 肝硬変に進行する前に、原因となる肝疾患を治療することが重要です。 肝硬変の進行を防ぐ方法や予防法について 肝硬変は一度進行してしまうと完全に元に戻すことは難しい病気ですが、早い段階から適切な対策を取ることで進行を遅らせたり、発症そのものを予防したりすることが可能です。 特に近年の日本では、ウイルス性肝炎の治療薬が進歩したことで、ウイルスが原因の肝硬変は減少傾向にある一方、アルコールや脂肪肝など生活習慣に起因する肝硬変の割合が増加しています。 そのため、日々の生活習慣の見直しがますます重要になっています。 食生活を改善する 肝臓は「体の化学工場」とも呼ばれ、食事内容が直接肝機能に影響します。 肝硬変の予防や進行抑制には、日々の食習慣の見直しが欠かせません。 肝臓に優しい食生活を送るために、何を食べるべきか、何を控えるべきかを理解しましょう。 積極的に摂りたい食品 控えるべき食品 野菜・海藻・きのこ類(ビタミン・食物繊維が豊富) 揚げ物・スナック菓子(高脂肪・高カロリー) 魚(DHA・EPAが豊富) インスタント食品・ファストフード 脂肪の少ない肉(鶏むね肉など) 清涼飲料水・甘い菓子類(高糖分) 大豆製品(豆腐・納豆など) 塩分の多い食品(漬物・加工肉など) オリーブオイル・ナッツ類(良質な脂質) 生の魚介類・加熱不十分な肉(感染リスク) コーヒー(適量) アルコール飲料 食事の取り方も重要で、一度に大量に食べるより少量ずつ規則正しく摂ることで、肝臓への負担を減らせます。 特に肝硬変の方は腹水悪化を防ぐため、塩分制限(1日7g以下)を心がけましょう。 肝機能が低下している方は食中毒リスクが高まるため、生ものは避けましょう。 禁酒・減酒する アルコールは肝臓で分解される過程で、肝細胞にダメージを与えるため、禁酒・減酒が肝硬変の進行を防ぐポイントです。 お酒の飲む量が多く、期間が長いほど肝臓の線維化(硬くなること)が進行します。 肝硬変や肝がんを予防するためには、「肝硬変になる前にお酒をやめること」が効果的です。 すでに肝硬変と診断された方は、それ以上の悪化を防ぐために禁酒が強くすすめられます。 肝機能低下や肝疾患はすぐに治療する 肝硬変の多くは、肝機能障害や肝疾患が長期間進行した結果として発症します。 そのため、前段階である肝炎や脂肪肝などの早期発見と適切な治療が非常に重要です。 例えば、B型・C型肝炎ウイルスに感染している方は、自覚症状がなくても放置すると肝硬変や肝がんへ進行する恐れがあります。 早期に適切な治療を行えば、肝硬変への進行を防げる可能性が高まります。 肝炎ウイルスは自覚症状がないまま肝臓を傷めることが多いため、過去に輸血を受けた経験がある方や感染リスクがある方は一度検査を受けることをおすすめします。 【まとめ】肝硬変を治すには再生医療による幹細胞治療を検討しよう 肝硬変は一度発症すると完全な治癒は難しいものの、早期発見と適切な治療により進行を抑えることが可能です。 従来の治療法は進行抑制と症状緩和が中心でしたが、再生医療という新たな選択肢が登場し、肝機能の回復に期待が寄せられています。 肝臓の健康は日々の生活習慣に大きく左右されますので、この記事の情報を参考に、ご自身やご家族の肝臓を守る取り組みを始めてみてください。
2020.02.24 -
- 肩
- 再生治療
肩が痛い上がらない!原因と治療、病院は何科を受診すべきか? 急に肩が上がらなくなった!腕を上げると肩に強い痛みがある!ズキズキとした痛みで寝れない、こんな状態になると不安になられて当然です。 なぜ痛むのか?なぜ腕が上がらないのか?で、どうすれば良いのか?その原因と治療のため、病院に行くべきなのか、整体やマッサージで良いのか?迷われることでしょう。 できるなら最初、病院でしっかりと検査され、診断を受けられることをお勧めします。では「肩が痛い」「肩が上がらない」場合、病院で何科に行けばいいのか?ということもあると思います。 今回は、肩が痛む、肩が上がらないときには様子を見るか、病院に行くべきなのか?その際、何科を受診すればよいのかについて解説してまいりましょう。 肩が痛くて上がらない!この症状は四十肩か五十肩?はたまた肩腱板断裂? 肩を上げると痛みが走る、もしくは腕を上げると肩に強い痛みが起こるという場合は、体に何らかの異常が生じているサインです。 四十肩・五十肩だろうと思っていたら、肩腱板が損傷していたり、もしかすると断裂している可能性もあって、そうなると手術の可能性も考えられるのです。 そのため「肩(腕)が上がらない」「肩が痛む」という症状があるなら自己判断で「そのうち治るだろうと」放置せず、早めに病院を受診することをおすすめします。 前途のように、見た目だけでは原因が分からず、検査が必要なことがあるからです。 病院では何科を受診すればよい? 病院の何科を受診すればいいの?今回のように、肩が上がらない、肩が痛む場合は、まずは整形外科を受診することをおすすめします。 検査をしてみて他に原因がある場合は、他の科を紹介してもらえます。あなたがスポーツをしている場合は、スポーツ障害を扱っている病院を受診するという方法もあります。 肩が痛む、上がらない ・病院の整形外科を受診 ・他に原因がある場合は他科の紹介も可能 ・アスリート、スポーツ選手は、スポーツ障害を扱う病院もある 肩が上がらない!手術を避ける新たな治療法の選択 肩が上がらない状態が続くと手術を検討することがあります。スポーツをしているなら肩が上がらないと、思うようなパフォーマンスを発揮することが難しくなるなど復帰が難しくなるかもしれません。 ただ、治療とはいえ、手術をするとなれば、その成否はもとより、患部にメスを入れることになり、復帰までの期間が延びてしまい、その間はトレーニングもできなくなる可能性もあります。 手術を受けるべきか?!悩ましいところです。 しかし近年、身体への負担が少なく、治療期間も短くて済む【再生医療】という選択肢があります。アスリートにとって朗報ですが、自由診療となり、健康保険が使えない点で検討が必要です。 再生医療は、「肩が上がらない」という場合の治療法としても、もちろん有効ですがスポーツ医療の分野でも大きな注目を集めています。 実際、有名なスポーツ選手が再生医療による治療によって短期間で復帰を果たしています。再生医療では、自分の細胞からとった幹細胞を患部に注射し、損傷した腱板を修復するという治療法が用いられます。 注意点としては、再生医療は新しい治療方法、先端治療法なので、一般的な病院で受けることができません。厚生労働省から認可を受けて再生医療を提供しているクリニックなどでの受診が必要です。 当院も厚生労働省から認可を受けて日本でもトップクラスの症例数がございますので、もしもお悩みなら、お気軽にご相談ください。親切丁寧にご説明させて頂きます。 再生医療 ・これまでできるようになった先端医療 ・手術を避けることができ、入院も不要 ・一般的な医療機関で受けることができない ・厚生労働省から許可を得た再生医療専門のクリニックを受診する必要性 まとめ・肩が痛い上がらない!原因と治療、病院は何科を受診すべきか? 肩が上がらないときに病院を受診するか、何科に行くべきか悩む人は多いと思います。基本的には、症状があるときには、原因究明、治療のためにはレントゲンやMRI、エコーなど検査が必要です。 すでに肩に何らかのトラブルが起きている可能性がありますから、なるべく早く医療機関、整形外科を受診しましょう。 早めの受診が早期治療につながり、その分、治癒も早まります。また、手術にかわる新たな治療法として再生医療という治療法も期待されています。 肩が上がらない、スポーツに復帰したい、早く治したいという方は、整形外科はもちろんですが、再生医療についても検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.02.23 -
- 肩
- 再生治療
20代でも腕を上げたときの肩の痛みに悩む方は少なくありません。実は、20代でも四十肩や腱板損傷といった症状が起こる可能性があります。 この記事では、20代で肩に痛みが生じる主な原因や、症状に合わせた具体的な治療法について詳しく解説します。肩の痛みに悩む方が症状を改善し、快適な生活を取り戻せるよう役立つ情報をお届けするので、ぜひ最後までご覧ください。 【20代】腕を上げると肩が痛い原因とは? 20代でも腕を上げたときに肩が痛むのは珍しくありません。 具体的に腕を上げると肩が痛い原因として考えられる2つの理由について解説します。 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎) 腱板損傷 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎) 四十肩や五十肩の正式な病名は「肩関節周囲炎」です。 肩関節には骨・軟骨・靭帯・腱板・関節包など多くの組織が存在します。肩の酷使や加齢などが原因で組織が衰え、炎症が起こると肩関節周囲炎になります。 腕を上げる際の痛みや可動域の制限により、日常生活での動作に支障が出るのが特徴です。 加齢が原因の場合が多いですが、はっきりとした誘因がわかっていない部分もあり、20代や30代でも発症します。 腱板損傷 ケガやスポーツなどによって肩を使い過ぎると起こるのが、腱板損傷です。腱板は肩関節にある腱を指します。 肩をぶつけたり転んで手をついたりしたときに肩に負荷がかかると腱板が断裂してしまいます。痛みを伴うパターンや痛みはないものの肩が上がらないなど、症状は人それぞれで、20代でも発症するため注意が必要です。 腱板損傷は、特に肩や腕をよく動かすスポーツで起こるリスクが高く、スポーツ外傷のひとつです。 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と腱板損傷の違い 腕が上がらないと言えば四十肩・五十肩をイメージする人もいるでしょう。 四十肩・五十肩で腕が上がらなくなるケースは多いです。しかし四十肩・五十肩の原因は本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまう点にあります。また、痛みが強すぎて動かせないケースもあります。 腕が上がらない理由は異なりますが、肩関節周囲炎か肩腱板損傷かを自分で判断するのは難しいです。 腕を上げると肩が痛いときの治療法 腕を上げると肩が痛い場合、症状に応じた治療法が必要です。ここでは、薬の服用、リハビリテーション、外科手術の方法や効果について解説します。 薬の服用・リハビリテーション 薬の服用は、痛みや炎症を抑えるための基本的な治療法です。 消炎鎮痛剤や筋肉の緊張を和らげる薬の使用により、症状の緩和を図ります。一方、リハビリテーションは肩の可動域を回復し、筋力を強化することを目的としたものです。ストレッチや肩周辺の筋肉を鍛えるエクササイズを通じて、再発防止や長期的な改善を目指します。 外科手術 外科手術は、重度の肩の痛みや機能障害が続く場合に検討される治療法です。 四十肩や腱板損傷が原因で、薬やリハビリでは改善が見られない場合に行う治療です。具体的な手術内容には、内視鏡による肩の掃除(関節鏡手術)や、腱板の修復手術などが含まれます。 手術後はリハビリが必要で、肩の可動域と筋力を回復させるためのトレーニングを行うのが一般的です。 20代の肩痛みは医療機関の受診がおすすめ 肩の痛みや可動域制限は、四十肩・五十肩や腱板損傷など、さまざまな原因が考えられます。放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、まずは医療機関の受診が必要です。 治療法としては薬の服用、リハビリテーション、外科手術が挙げられますが、手術のリスクを避けるための再生医療も選択肢のひとつです。 腱板損傷の治療では、幹細胞を使った再生医療により症状を改善できます。効果に個人差はありますが、高い確率で痛みが軽減します。再生医療による治療をご検討の際は、ぜひリペアセルクリニック大阪院へご相談ください。
2020.02.21 -
- 肩
- 腱板損傷
- 再生治療
「肩を動かすと痛い」「夜になるとズキズキして眠れない」といった、肩の不調が続いている場合、腱板損傷が原因かもしれません。 腱板損傷は40代以降に発症しやすいとされており、日常の些細な動作や加齢による変化でも引き起こされることがあります。 しかし「肩の痛みの原因って何があるの?」「腱板損傷ってどんな症状?」「どうすれば予防できるの?」と、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷の主な原因だけでなく、症状が進行する前に早期発見・予防につなげる方法も解説しています。 腱板損傷は放置すると腱板断裂に進行するリスクもあり、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。 「もしかして自分も腱板損傷かも」と感じている方は、ぜひ本記事を参考に、早期発見と適切な対処を行いましょう。 腱板損傷の原因とは|使いすぎ(オーバーユース)に注意が必要 腱板損傷は、以下のような原因によって引き起こされます。 変性(加齢など) 外傷性(転倒・打撲・事故など) オーバーユース(繰り返しの動作・スポーツ) 腱板損傷の詳細については、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 加齢性変化(年齢) 腱板損傷の原因のひとつが、加齢による腱の変性(老化)です。 腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)から構成されており、肩の安定性とスムーズな動作を支える重要な組織です。 しかし年齢を重ねると、以下のような組織の変化が起こります。 コラーゲン繊維の弾力性が低下 血流が悪化し、栄養や酸素の供給が不十分に 腱自体がもろくなり、損傷しやすくなる その状態で肩を使い続けると、日常の動作や軽い作業でも腱に小さな損傷が蓄積し、やがて断裂につながることがあります。 また腱板は40代から少しずつ傷みやすくなり、加齢とともに誰にでも腱板損傷を起こる可能性(※)があるので注意しましょう。 ※参照:MSDマニュアル「肩腱板損傷」 初期の段階では「肩に違和感がある」「少し痛む」といった症状にとどまることもありますが、進行すると夜間痛や腕の可動制限など、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 加齢に伴う腱板の劣化の場合は、日頃からストレッチや適度な運動を心がけることで、ある程度予防が期待できます。 外傷性(転倒・打撲・事故など) 腱板損傷は加齢や使いすぎだけでなく、転倒・打撲・交通事故などの外傷が原因で突然発症するケースもあります。 このような外傷性の腱板損傷は、発症直後から痛みが強く、腕が上がらない・力が入らないといった症状が急激に現れるのが特徴です。 また以下のような状態が見られる場合は、早めに整形外科を受診し、身体診察・MRIなどで状態を確認することが大切です。 安静にしていても痛みが引かない 内出血や腫れがある 肩の動きに明らかな制限がある 外傷をきっかけにした腱板損傷は早期発見と早期治療が重要になるので、自己判断せずに速やかに医療機関へ受診しましょう。 オーバーユース(繰り返しの動作・スポーツ) 腱板損傷は、肩の使いすぎ(オーバーユース)によっても生じることがあります。 オーバーユースによる腱板損傷のリスクが高い動作・場面としては、以下のようなものが挙げられます。 野球やソフトボールの投球動作 テニス・バドミントンなどのサーブやスマッシュ動作 重量物を頭上に持ち上げる動作 水泳のクロールなど、腕を頭より上に繰り返し動かす運動 ※参照:MSDマニュアル「肩腱板損傷」 特にテニス、野球、水泳などの肩を頭より高く挙げた状態に保ったまま負荷をかけるため、腱板に強いストレスがかかります。 症状は、初めは軽い違和感や筋肉の張り程度であることが多いですが、そのまま使い続けると腱板断裂に進行するリスクもあるため、注意が必要です。 腱板損傷を防ぐための方法 腱板損傷を予防するために、日常生活の中で以下のような対策を意識してみましょう。 肩のストレッチ 適度な筋力トレーニング 同じ動作の繰り返しを避ける 腱板周囲の筋肉や関節が硬くなると、肩の動きに無理がかかり損傷のリスクが高まるのでストレッチで肩甲骨や肩関節の可動域を広げるようにしましょう。 また長時間の作業や肩に負担のかかるフォームに注意し、痛みが出たら無理に動かさず、休むことも大切です。 少し痛むだけだからと放置すると、炎症が進行して断裂に至るリスクもあります。 軽い痛みや動かしにくさを感じたら、整形外科を早めに受診し、画像検査(MRIやエコー)などで状態を確認しましょう。 腱板損傷に有効なトレーニング方法については、以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷の原因を知って早期発見・予防につなげよう 腱板損傷は、加齢による腱の変性(老化)・転倒や打撲などの外傷・肩の使いすぎなど、複数の要因が重なって発症します。 特に40代以降は腱板の組織が弱くなりやすく、日常の些細な動作でも損傷を起こすリスクがあります。 発症を防ぐためには、以下の点を意識しましょう。 肩の柔軟性を保つストレッチを取り入れる 適度な筋力トレーニングを行う 肩に違和感があれば早めに状態を確認する 肩の不調をそのままにしておくと、腱板断裂や痛みが強くなる・腕が上がらなくなるなど、日常生活に影響が出ることもあります。 気になる症状があれば、無理せず整形外科を受診し、早めに対処しましょう。 また当院(リペアセル)では症例などの情報に関する詳細についてLINEでも解説していますので、肩に違和感を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.19 -
- 免疫細胞療法
- 再生治療
- 肝疾患
日常的にアルコールを摂取している方にとって、アルコール性肝硬変のリスクは他人事ではありません。 肝硬変は肝機能が低下するほか、さらに悪化すると肝性脳症などの合併症を引き起こす可能性も高まります。 しかし「アルコール性肝硬変は改善できるのか?」「完治は難しいと聞くけど、どうすれば進行を止められるのか?」 と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、アルコール性肝硬変の完治の可能性や、合併症の対処法について解説します。 末期症状や合併症についての詳しい解説もしていますのでご覧ください。 【結論】アルコール性肝硬変の完治こそ難しいが、進行の抑制は可能 アルコール性肝硬変まで進行してしまうと、元の健康な肝臓に戻る(完治)ケースは極めて難しいです。 ※参照:全国健康保険協会 ただし、病状の悪化を抑えつつ、ある程度の肝機能を維持しながら日常生活を送ることは可能です。 アルコール性肝硬変の進行を抑制するためには、禁酒が重要です。アルコール依存症になっている場合は、専門医に相談し、早期に治療を開始しましょう。 また、併せて生活習慣の改善も大切です。脂質や塩分を抑え、タンパク質豊富な食事を心がけてください。 肝硬変になる前の脂肪肝の場合は、禁酒や生活習慣の改善が期待できます。 肝臓における生活習慣の見直し方法などについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 アルコール性肝硬変に至る進行ステップ アルコール性肝硬変は、突然発症する病気ではありません。 長期間の飲酒を続けることで肝臓は徐々にダメージを受け、以下のように段階を経て進行していきますので、各ステージで適切な対応を取ることが重症化を防ぐ鍵となります。 アルコール性脂肪肝 初期 肝臓に脂肪が多い状態 節酒・減量で改善 長く放置した場合や重度の場合は肝炎や肝硬変に進行 アルコール性肝炎 肝機能が低下 発熱・腹痛・下痢・嘔吐などの症状 アルコール性肝硬変 末期 肝細胞が変形して縮み、正常な機能が大きく損なわれる 栄養が不足して痩せていくが、おなかは腹水が溜まり膨らむ 吐血、昏睡の危険性が高まる 初期のアルコール性肝炎は、目立った症状がないのが特徴です。 禁酒・節酒を行わずアルコールの摂取を続けると、アルコール性肝炎や肝硬変を発症する可能性が高まります。 アルコール性肝炎の中でも、重症になると多臓器不全や意識障害を伴う場合があり、劇症肝炎と呼ばれます。 また、多量の飲酒によってアルコール性肝障害が進行すると、肝がんを発症するリスクも高まります。 ※参照:国立がん研究センター「肝がんの原因・症状について」 アルコール性肝硬変の末期症状と合併症の対処法 アルコール性肝硬変が重症化すると、以下のようなさまざまな症状や合併症を引き起こします。 腹水 吐き気・嘔吐 息切れ 食欲不振 腹部の膨張など 肝性脳症 手が震える 注意力の低下 性格の変化 昏睡など 食道動脈瘤 食道の静脈瘤に血液が溜まりこぶのようなものができる 破裂すると吐血・消化管出血などのリスクがある それぞれの合併症の対処法について詳しく紹介します。 腹水 腹水の対処法は、主に3つあります。 食事療法 利尿剤 腹水穿刺 腹水の発生・悪化を防ぐためには、食塩摂取量の制限が基本です。 塩分は体内に水分を保持する性質があることで過剰摂取すると腹水の悪化につながるため、塩分は1日に5~7g※にしましょう。 ※参照:日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)」2020年発行 また、腹水を体外へ排出するために、利尿剤(尿量を増やす薬)が処方されることがあり、体内に余分な水分が蓄積するのを防ぎます。 腹水が大量にたまり、腹部膨満や呼吸困難、食欲不振などの症状が強く現れる場合には、腹水穿刺(ふくすいせんし)という処置が行われます。 このように腹水は単なる症状ではなく、肝硬変の機能が低下した段階に入っているサインです。 進行を防ぐには断酒・栄養管理や、内科的・外科的治療などを組み合わせて全体的に病態のコントロールをすること必要です。 肝性脳症 肝性脳症とは、肝機能の低下により体内の有害物質(特にアンモニア)が解毒されずに脳へ到達し、意識障害や神経精神症状を引き起こす合併症です。 治療の基本は、主に以下の通りです。 誘因の除去 栄養療法 薬物療法 肝性脳症は、以下のような特定の誘因をきっかけに急激に悪化することが多いため、まずはそれらを的確に見つけ出し、排除することが最優先です。 便秘 タンパク質の過剰摂取 消化管出血 感染症 脱水・電解質異常 利尿薬の過剰投与 ※参照:J-Stage「日本内科学会雑誌第111巻第1号」 かつてはタンパク質制限が推奨されていましたが、現在は過度な制限は予後を悪化させるとされ、適正なタンパク質摂取の維持が重要とされています。 また薬物療法では腸内アンモニアの生成・吸収を抑えることを目的とした治療が中心になります。 肝性脳症は肝硬変が進行しているサインであり、放置すると昏睡や死亡に至ることもある重大な状態です。 しかし、誘因の早期除去・適切な栄養と薬物管理により、再発予防が期待できます。 ただし自己判断での食事制限はリスクも大きいため、医療機関と連携しながら治療を継続しましょう。 食道静脈瘤 食道静脈瘤は、肝硬変によって肝臓内の血流が悪くなり、門脈圧(門脈内の血圧)が上昇することで、食道の静脈が異常に膨らんだ状態です。 破裂すると大量吐血や消化管出血を引き起こし、命の危険が伴う深刻な状態になります。 破裂を未然に防ぐ、あるいは破裂後の止血を行うために、主に以下の2つの内視鏡的治療が用いられます。 食道静脈瘤硬化療法(EIS) 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL) 食道静脈瘤硬化療法(EIS)は、内視鏡を使って食道静脈瘤に硬化剤(血管を固める薬)を注入し、静脈瘤を閉塞させる方法です。 瘤そのものに直接作用するため、再発リスクが比較的低いとされていますが、処置の際の合併症や身体への負担がやや大きいという側面もあります。 一方で、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)は内視鏡で静脈瘤を確認し、ゴムバンドで結紮(縛る)することで血流を遮断し、壊死・脱落させることで瘤を除去する治療法です。 患者の病態や静脈瘤の状態に応じて治療方法が異なるため、専門医と相談しながら治療方針を決定します。 アルコール性肝硬変の初期症状と早期発見のポイント アルコール性肝硬変の初期症状と早期発見のポイントは、以下の通りです。 初期症状|倦怠感や食欲不振など 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど)での早期発見 早期発見のための自己チェック 検査を欠かさない、自覚症状を見逃さない2点が重要です。 初期症状|倦怠感や食欲不振など 肝硬変の初期症状として、以下のようなものがあります。 慢性的な倦怠感 食欲不振 突然の食欲低下や慢性的な倦怠感といった症状が続く場合、肝炎や肝硬変の可能性が考えられます。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、自覚症状が現れにくく、気づいたときには病気が進行しているケースも少なくありません。 しかし、肝硬変へと進行する前の肝炎の段階で異変に気づき、早期に受診・治療を開始すれば、回復の可能性が期待できます。 気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど)での早期発見 肝臓の異常は自覚症状が出にくいため、血液検査による早期発見が重要です。 AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPといった酵素の数値は、肝機能の状態を把握する基本的な指標です。 AST ・肝細胞に含まれる酵素で、肝臓にダメージがあると血液中に漏れ出し、数値が上昇します。 ・ALTは肝臓に特化しているため、肝炎などの診断に役立ちます。 ALT γ-GTP ・胆道や解毒機能に関わる酵素で、数値が高いと肝臓や胆道に何らかの異常がある可能性がある ASTやALTという酵素の数値を測る検査です。幹細胞が破壊されると血液中に控訴が漏れ出し、ASTやALTの数値が高くなります。 γ-GTPは胆道から分泌される酵素で、肝臓の解毒作用に深く関連しています。過度な飲酒や肝硬変、肝臓がんや胆石、胆管がんなどが原因で数値が高くなる可能性があります。 また、服用している薬の副作用によっても数値が上がるケースがあるので、医師に相談して薬の量を減らすなどの対策が必要です。 早期発見のための自己チェック 早期発見のため、普段からご自身の体調に気を配るようにしましょう。 肝硬変や肝炎のチェックポイントをご紹介します。以下の特徴に当てはまっている場合、肝炎などの可能性があります。 疲労感 倦怠感 食欲不振 吐き気 むくみやすい 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状がない場合も多いです。人によっては疲労感や食欲不振などの症状が現れます。 もし原因不明の疲労感や吐き気がある場合は、医師に相談し適切な治療を受けましょう。 アルコール性肝硬変の治療 アルコール性肝硬変の治療法は、主に5つあります。 断酒 薬物療法 食事療法 肝移植 再生医療 アルコール性肝硬変の治療では、断酒が重要です。肝硬変の進行抑制はもちろん、肝機能の回復も期待できます。 薬物療法では、ビタミン剤やアミノ酸製剤が処方されます。肝臓保護や症状の緩和が目的です。薬物療法は完全な回復を目的とした治療法ではありません。 食事療法では脂肪分の少ない食事が推奨されます。ビタミンやミネラルを積極的にとりましょう。 肝臓の機能が著しく低下している場合、肝移植が検討されます。 再生医療は、低下した肝機能を改善できる可能性があります。肝硬変以外にも、脂肪肝においては血流促進による疲れやすさの改善などに寄与する可能性があるとされています。 【まとめ】アルコール性肝硬変になっても諦めず症状の緩和を目指して治療に臨もう アルコール性肝炎は、完治は困難ですが進行の抑制は可能です。 断酒や食生活の見直し、運動習慣をつけると肝機能の改善が期待できます。 アルコール性肝硬変は、合併症を引き起こすリスクも高まるため、普段の節酒やバランスの良い食事が大切です。 肝硬変を予防するため、普段から体調に気を配り、検査を受けるようにしましょう。 アルコール性肝硬変の治療法として、再生医療の選択肢もあります。患者さまの細胞を利用した治療法のため、拒否反応のリスクが低い安全な治療方法です。 再生医療については、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2020.02.18 -
- 肩
- 再生治療
スイングショルダー(ゴルフ肩)の症状が治らず、悩んでいる方はいませんか。スイングショルダーとは、ゴルフをプレーする際の動作によって起こる肩関節周囲の炎症です。 ゴルフを正しくない姿勢でプレーしたり、過度に打ちっぱなしを行ったりすると、スイングショルダーになりやすいため注意が必要です。 本記事では、スイングショルダーの原因や治療について紹介します。スイングショルダーの原因や治療法を理解して、ゴルフ肩を治しましょう。 この記事を読むとわかること スイングショルダーになる原因 スイングショルダーの治療法 ゴルフ肩(スイングショルダー)とは? ゴルフ肩(スイングショルダー)とは、ゴルフのプレーによって生じる肩関節周囲の損傷です。ゴルフのスイング動作は、肩周囲の筋肉の伸張、収縮を繰り返します。 筋肉や関節に大きな負担がかかると肩関節周囲が損傷し、疼痛(とうつう)やしびれなどの症状が現れます。 スイングショルダーの症状が出た場合は、無理してプレーせずに治療を受けるのが大切です。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患は? ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患の具体例は、以下のとおりです。 腱板損傷 腱板断裂 肩峰下インピンジメント 上腕二頭筋腱損傷 変形性関節症 肩関節の不安定性 ゴルフのスイング動作により引き起こされた、肩周囲の関節や腱の損傷は、スイングショルダーに分類されます。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状 ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状は、以下のとおりです。 肩甲骨内側の疼痛 肩から腕にかけてのしびれ感 首のだるさ 肩甲骨周りの可動域制限 スイングショルダーの人は、利き腕と反対側の肩が下がっているのが特徴です。症状がひどくならないうちに、治療を受けましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)になりやすい人 ゴルフ肩(スイングショルダー)は、スイング時の姿勢が崩れていたり、頻繁にゴルフを行ったりする人がなりやすいといわれています。スイング動作を無理に行った場合は、肩周囲に大きな負担がかかります。 トップの位置を高く上げ過ぎたり、グリップに力を入れ過ぎたりすると、ゴルフ肩になる可能性があるため注意が必要です。猫背の人や股関節が硬い人も、スイング動作の際に上手に体を動かせず、全身に大きな負担がかかります。 スイングショルダーの症状が悪化しないよう、ゴルフスイングの姿勢だけではなく、普段から姿勢を意識して過ごしましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方は、主に以下の3つです。 安静にする 鎮痛消炎剤での症状の緩和 専門家による治療を受ける ゴルフ肩(スイングショルダー)は、間違った知識で対策するとさらに症状を悪化させてしまう可能性があるため、医療機関で治療を受けるのがおすすめです。 安静にする ゴルフ肩(スイングショルダー)を治すためには、まず安静にしましょう。スイングショルダーの症状がある場合は、無理して動かさないようにし、筋肉を休ませてください。 スイングショルダーは、筋肉や関節の無理な動きが原因で起こります。誤った姿勢でスイングし続けたり、ゴルフを過度にやりすぎたりすると、さらに症状が悪化します。 ゴルフを続けるためにも、スイングショルダーの症状が落ち着くまで十分に休息をとりましょう。 鎮痛消炎剤での症状の緩和 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方に、鎮痛消炎剤を用いて症状の緩和を行う方法があります。鎮痛消炎剤には、ゲルやローション、湿布などさまざまな形態があります。 疼痛や腫れなどの症状が出現したら、すぐにプレーをやめてアイシングをし、患部の炎症を抑えてください。 鎮痛消炎剤には症状を和らげる作用があります。しかし、スイングショルダーが完治するわけではありません。症状が悪化する前に専門家に相談し、早めに治療を受けましょう。 専門家による治療を受ける ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、専門家による治療を受けることが大切です。専門家は、患者さんの症状に合わせて、適切な治療法を提案してくれます。 安易にストレッチを行い症状が悪化すると、競技復帰までに時間がかかります。適切な治療を早期から始め、症状の悪化を防ぎ回復を早めましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)から競技復帰までの期間とプロセス ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、競技復帰までに3〜6カ月の期間が必要です。症状の程度や治療開始スピードによって、治癒にかかる期間は異なります。 復帰までのプロセスは、まず痛みを軽減させるために安静や薬物療法を行います。症状が和らいだ後には、肩周りの筋力を強化し、可動域の改善を目的としたリハビリを開始する流れです。 治療開始が遅れたり、重度の症状が出現したりしたときは、回復に6カ月以上の期間が必要な場合もあります。重度のスイングショルダーは、外科的治療を行う可能性もあるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケア ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防できるケア方法には、以下の4つがあります。 肩関節周りの筋力強化 スイングフォームを見直す 軽い負荷から再開 ゴルフをする前にストレッチをする スイングショルダーになった経験がある人も、再発防止のために予防ケアを行うことが大切です。 肩関節周りの筋力強化 ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアの1つに、肩関節周りの筋力強化があります。肩関節周りの筋力を強化すると、スイング動作で使う筋肉や関節を上手に動かせます。 「ゴルフでは、肩関節周りだけでなく全身の筋肉を使うため、全体をバランスよく鍛えると予防に役立ちます。スクワットやプランクなどの筋力トレーニングを行い、筋力の強化を目指しましょう。 スイングフォームを見直す ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアに、スイングフォームの見直しがあります。スイングフォームを見直すと、筋肉や関節を正しく使えているかを確認できます。 以下の2つのポイントを意識し、スイングフォームを正しい姿勢に直しましょう。 手首に力を入れない 右打ちの場合はトップの位置を左手で押し込まない 正しいフォームでスイングを行えば、肩周囲に大きな負担がかかりません。 軽い負荷から再開 ゴルフ肩(スイングショルダー)の再発を予防するために、負荷が軽い動作から再開しましょう。負荷の軽い運動から再開すると、体にかかる負担を軽減できます。 ゴルフは全身を使うスポーツであるため、体への負荷が必然的に大きくなります。負担の少ない動きで体を徐々に慣らし、負荷が大きくなっても対応できる体をつくりましょう。 ゴルフをする前にストレッチをする ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防するには、ゴルフ前にストレッチを行うのが効果的です。ゴルフをプレーする前にストレッチをすると、筋肉がほぐれ体を柔軟に動かせます。 肩甲骨のストレッチ手順 1.胸を張り、大きく背伸びをする 2.挙げた手を横に移動させ、肩の高さまで下げる 3.10秒キープ 4.手のひらを上に向けて両肘をゆっくり近づける 5.1~4を3回繰り返す ストレッチは筋肉の伸びを意識して行うことが大切ですが、無理に動かすと体を痛めるリスクもあります。痛みを感じない程度に体を伸ばしましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方まとめ ゴルフ肩(スイングショルダー)は、肩関節やその周囲の筋肉・腱に負担がかかり発症します。繰り返しのスイング動作や無理なフォームが原因となり、痛みや可動域の制限を引き起こします。 治療ではまず、痛みや炎症を和らげるため安静にするのが大切で、必要に応じて専門医の診察を受け、リハビリや治療を進めていきます。 また、近年注目されているPRP療法(多血小板血漿療法)も効果的な選択肢です。副作用のリスクが低く、早期回復が期待できるため、手術を避けたい方や再発を防ぎたい方におすすめです。 PRP療法をご検討の方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
2020.02.17 -
- 幹細胞治療
- 再生治療
- 肝疾患
肝硬変は肝臓の組織が硬く変化(線維化)し、元に戻らなくなる進行性の病気で完全に治すことは難しいとされています ただし早期に発見し、原因に対処することで進行を抑え、肝機能を保つことは可能です。 しかし、「どのような治療を行えばいいの?」「生活習慣を改善するには何から始めればいいの?」と、不安や疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、肝硬変が治らないと言われている理由や従来の治療法について解説します。 肝硬変の進行に気づかず手遅れになる前に、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。 【結論】肝硬変は全てが治るわけではない|早期発見で進行を遅らせることが期待できる 肝硬変は、一度進行すると完全に元の健康な肝臓に戻すことが難しい病気です。 これは、肝臓の細胞が長期間にわたり炎症や損傷を受けることで、修復の過程で線維組織が過剰に増え、肝臓が硬くなる「線維化」が起こるためです。 しかし肝硬変は完治するのが難しい病気ですが、早期発見と適切な対応により、進行を食い止めることは可能です。 そのためには、以下のような取り組みが重要です。 定期的な肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど) 生活習慣の見直し 医師による適切な診断と治療を継続する 自覚症状が出にくい病気だからこそ、定期的な健康診断と肝機能のチェックを心がけましょう。 肝硬変については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 従来の肝硬変の治療法 従来の肝硬変の治療法は病気を完全に治す治療ではなく、症状の進行を防ぐための治療が中心となるため、以下のような治療を行うのが一般的です。 肝炎の治療 肝庇護療法 免疫抑制剤の使用 食事療法 運動療法 これらの治療法は、肝臓の状態や肝硬変の原因、その他の要因を加味して決められます。 ただし、肝臓の状態を改善する治療法ではなく、現状の肝機能を維持することが目的です。 肝硬変の進行を抑えられる人の特徴とは? 肝硬変は、肝疾患の中でも最終段階に近い病態であり、完全に元の健康な肝臓に戻ることは基本的に難しいとされています。 しかし以下のような取り組みができている方は、肝機能の改善や進行抑制が期待できます。 禁酒や食生活の見直しなど、生活習慣の改善を実践している 病気の早期段階で適切な治療を開始している 定期的に肝機能検査や医師の診察を受けている また、幹細胞を用いた再生医療の選択肢もあります。 再生医療では、肝臓の炎症を抑え、線維化した組織の修復・再生を行うため、肝機能の改善が期待されています。 治療法などについては、以下で解説していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。 【まとめ】肝硬変は完治が難しい病気!早期対応と生活改善で進行を防ごう 肝硬変は、一度進行すると完全に元の健康な肝臓へ戻すことは難しいとされています。 しかし早期に発見して原因に対処し、適切な治療を行えば、進行を遅らせる・肝機能を維持することは可能です。 「少し調子が悪いかも」と感じた段階で医療機関に相談しましょう。 また近年では、自身の幹細胞を用いた再生医療の研究も進んでおり、新たな選択肢として注目されています。 再生医療による肝硬変治療にご興味のある方は、治療法について以下でご案内していますので、ぜひご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.12 -
- 肩
- 再生治療
肩の痛みで腕が上がらない、満足に眠れないとお悩みの方は、五十肩の可能性があります。 五十肩を治すには、症状に合わせた治療やリハビリが重要です。 今回の記事では五十肩の原因や症状、治療法について解説します。 また、通常の治療よりも2倍の速さで回復できる効果が期待できる再生医療も紹介しているので参考にしてみてください。 そもそも五十肩とは? 五十肩とは、年齢を重ねることで肩の関節周辺に炎症が起こっている状態です。 正式な名称は肩関節周囲炎で、主に40~60代に発症します。 発症した年代によって四十肩や五十肩と呼ばれますが、症状に違いはありません。 主な症状は、肩や腕を動かした際に痛みを感じたり肩が上げにくくなったりします。 肩こりと症状が似ていますが、主な違いは以下の通りです。 五十肩:老化によって肩の関節周辺に炎症が起こり、腕を動かすと痛みが強まる。 肩こり:筋肉が緊張し血行が悪くなっている状態で、首を動かすと痛みが強まる。 五十肩は、時間の経過と共に治癒する場合もありますが、放置すると仕事や家事などの日常生活に差し障る恐れがあります。 五十肩(肩関節周囲炎)の原因 五十肩は、老化によって肩の筋肉や腱が硬くなり、「腱板」や「関節包」に炎症が起こっているのが原因です。 炎症が起こる主な部位について以下にまとめました。 肩腱板:肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉で、肩を安定する役割を持つ 関節包:関節の保護する袋状の組織で、関節の動きをなめらかにする役割を持つ 五十肩の詳しい原因は解明されていませんが、加齢だけでなく血行不良やホルモンバランスの乱れも影響していると考えられています。 五十肩(肩関節周囲炎)の症状 五十肩は、肩や肩甲骨周辺の筋肉や関節に炎症が起きる病気で、痛みで腕や肩を満足に動かせない場合があります。 五十肩の主な症状 五十肩の症状経過 この項目では、五十肩の症状について順番にみていきましょう。 五十肩の主な症状 五十肩は肩関節周囲に炎症が起こっているため、痛みによって腕を外側に回したり、肩を上げて水平に保つのが難しくなったりします。 そのため、円滑な日常生活を送りにくい場合があります。 以下では、五十肩の方が痛みを感じやすいシーンをまとめました。 肩より上の荷物を取る 髪を束ねる 洋服の着替え 頭を洗う 洗濯物を干す また、五十肩を治療せずに放置していると、肩周辺の筋肉や組織などが委縮したり、夜も眠れないほどの痛みが出る可能性があります。 五十肩の症状経過 五十肩の症状は「急性期」「慢性期」「回復期」の3つに分けられます。 病期別の症状や有効な対策は、以下の通りです。 急性期 慢性期 回復期 時期の目安 痛みを感じ始めて1ヶ月程度 急性期明けから6ヶ月程度 発症後6ヶ月〜1年程度 症状 ・肩の激しい痛み ・関節の可動域が急速に狭くなる ・痛みは和らいでくる ・関節が固まり可動域が狭くなる ・痛みはほとんどない状態 ・肩の引っかかり感が残る場合がある 有効な対策 ・安静にする ・患部を冷やす ・無理のない範囲で肩のストレッチを行う ・患部を温める ・肩の可動域を広げるリハビリを行う 五十肩を治すには、病期や肩の状態に合わせて治療を受けるのが重要です。 五十肩は自然に治ることもありますが、長期間の放置はおすすめしません。 日常生活が不便になることに加えて、関節や組織が癒着してさらに動かしにくくなる恐れがあります。 自己判断せずに医療機関の受診を検討しましょう。 五十肩ではなく肩腱板断裂の可能性 症状が長期に渡ったり、肩の痛みがあるものの腕が上がる方は、五十肩ではなく肩腱板断裂の可能性を疑ってみましょう。 肩腱板断裂とは、肩と肩甲骨をつなぐ組織が断裂している疾患です。 五十肩との違いは、関節の動きが制限される症状が少ないことで、腕が上がらない状態にはなりづらいです。 肩を使う仕事やスポーツをしている人は注意しましょう。また、転んで手を付いた際にも発症する場合があります。 主な症状を下記にまとめました。 肩の痛みはあるが腕を上げられる 腕の上げ下げをするとゴリゴリと音がする 初期段階では、損傷した肩を三角巾などで固定し、患部の冷却や痛み止めの内服薬などの保存療法による治療を実施します。 保存療法で症状が改善しない場合は、損傷した組織を縫い付ける手術を行う場合があります。 肩腱板断裂については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。 五十肩を治すには?主な治療方法について 五十肩を治すには放置せずに医療機関を受診して、適切な治療を受けましょう。 この項目では、主な治療についてまとめました。 運動療法を中心としたリハビリテーション 温熱・寒冷による物理療法 再生医療による幹細胞治療・PRP療法 一般的な病院では取り扱っていない再生医療についてもまとめているので方の痛みにお悩みの方は参考にしてみてください。 運動療法を中心としたリハビリテーション 五十肩を治すには、運動療法を中心としたリハビリテーションが欠かせません。 五十肩には急性期、慢性期、回復期の3つの時期があり、症状によって必要なケアは異なります。 急性期は痛みが強い時期なので無理に肩を動かす必要はありませんが、慢性期以降は無理のない範囲で肩をストレッチします。 肩周辺の柔軟性や筋力を向上することで、症状や痛みの緩和が期待できます。 また、日常生活の注意点や寝る時の姿勢などの指導があります。 温熱・寒冷による物理療法 五十肩を治すには、温熱・寒冷による物理療法も効果的です。 痛みが強い場合は、氷のうやビニール袋に氷を入れてアイシングを行い炎症を抑えましょう。 炎症が落ち着いたら、患部を温めて血行を促進することで症状の緩和が期待できます。 医療機関では、ホットパックやマイクロ波などの機器を使用して温めます。 自宅では、お風呂にゆっくり浸かったり、蒸しタオルを使用したりしましょう。 再生医療による幹細胞治療・PRP療法 五十肩の早期回復を目指すのであれば再生医療による治療も検討してみましょう。 再生医療のPRP(多血小板血漿)は、血小板が持つ組織の修復を促進する働きを利用した治療法です。 自然治癒能力を高めるのに役立つため、五十肩の回復が期待できます。 PRP療法の特徴は、以下の通りです。 採血や注射での投与などの治療なので身体への負担が少ない 自分の血液から採取した血小板を使用するのでアレルギーなどの副作用リスクが少ない 自然治癒能力を高めるため、通常の治療より早く回復する見込みがある 五十肩の強い痛みにお悩みの方や、五十肩を放置してしまって治療が長引いている方はPRP療法による治療を検討しましょう。 また、五十肩ではなく肩鍵盤断裂の場合は、幹細胞治療が効果的です。 【まとめ】五十肩を治すには肩の状態に応じた治療が重要! 五十肩を治すには、状態に合わせた治療やリハビリが必要です。 五十肩には3つの段階があり、回復するにはある程度の期間がかかります。 症状が重度になるほど回復するための期間も長くなってしまうので、症状が軽いうちに医療機関に相談しましょう。 五十肩の強い痛みで日常生活に支障が出ている方は、再生医療のPRP療法による治療も一つの選択肢です。 当院(リペアセルクリニック)では、PRP療法による治療をご提供しているので、お気軽にお問い合わせください。
2020.02.11 -
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五十肩が改善されない場合の手術は日帰りでも可能なのか 五十肩がなかなか改善されない場合や、重症化して日常生活に大きな支障が出るという場合、手術が検討されることになります。しかし、仕事や家庭などのことを考えると入院する暇がないので、日帰りで手術できないかと思う人もたくさんいるでしょう。 そこで、今回は五十肩の手術は日帰りで受けることができるのかについて解説します。 一般的な五十肩の手術は日帰り不可 五十肩の手術を日帰りで受けることができるかどうかについてですが、結論から言えば、一般的な五十肩の手術は入院が必要です。五十肩の手術自体は30分程度とすごく簡単なものですが、手術後もリハビリをしっかりとおこなう必要があります。 また、リハビリ期間にしっかりとリハビリをおこなうことで痛みがなくなり、肩も動かせるようになってきます。そのため、五十肩の手術を受ける患者さんは、入院してリハビリまでしっかりおこなうというのが一般的です。 関節鏡視下手術により入院期間が短縮された! 現在の一般的な五十肩の手術は、関節鏡視下手術という手術法が採用されています。関節鏡視下手術は、患部に5ミリ程度の穴を開け、そこから関節鏡と呼ばれる内視鏡を挿入。関節鏡から映し出される患部の状態をモニターで見ながら、関節にくっついて硬くなっている関節の袋を切開していきます。 関節鏡視下手術がおこなわれるようになる前の肩の手術では、5センチくらい切開する必要があって、痛みなど身体への負担も大きく、入院期間も3週間から4週間くらい必要でした。 しかし、関節鏡視下手術による手術は切開部分も少ないため、術後の痛みも少なく、入院期間も数日と短くなりました。ただし、切開する手術では日帰り治療は難しいというのが現状です。 五十肩を手術しないで治す!?再生医療なら日帰り治療が可能 重症化した五十肩に手術は有効な方法です。そして、関節鏡視下手術は従来の手術と比べて入院期間も短く、数日で退院することができます。しかし、例え数日間だとしても仕事や家庭のことなどで、休みを確保することができない、入院は難しいという方もいると思います。 また、なるべく体に負担の少ない治療を受けたいと考える方も多いでしょう。そのような方は再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。再生医療によるPRP治療は自分の身体から採血した血液内の成長因子を患部に注射するという治療法なので、身体への負担も非常に少なく入院の必要もありません。 日帰りの治療が可能です。 まとめ・五十肩が改善されない場合の手術は日帰りでも可能なのか 五十肩の手術は日帰りで可能かどうかについて解説しました。一般的な手術の場合は入院が必要ですが、近年では入院期間が短くて済む術式が採用されています。 また、日帰りも可能な再生医療による治療もあるので、入院する時間がとれないという方は、検討してみるとよいでしょう。また、手術が必要になるほど重症化しないためにも、早い段階で治療を受けることが大切です。 五十肩で悩んでいる人は我慢せずにできるだけ早めに医療機関で相談するようにしましょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご覧ください
2020.02.09