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- 再生治療
関節リウマチと診断された場合、悪化させないための対策が必要です。 どのようなことをすると症状が悪化するのか、してはいけないことを知っておくと、日常の中で気をつけて生活を送れます。 本記事では、症状を悪化させないように「関節リウマチのしてはいけない10項目」について詳しく解説していきます。 関節リウマチの治療は、薬物療法や手術療法が一般的ですが、現在は再生医療という新しい治療法が注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報を公開しているため、ぜひ参考にしてください。 関節リウマチのしてはいけない10項目 関節リウマチと診断された方は、次の10項のことをしてはいけません。 関節に負担がかかる運動 砂糖や加工食品の過剰摂取 急激な体重増加や肥満 関節を冷やす 重いものを持ち上げる 高い枕を使う 和式トイレの使用 正座をする 喫煙をする ストレスを溜める それぞれわかりやすく解説していきます。 ①関節に負担がかかる運動 炎症を悪化させる可能性があるため、関節リウマチの方は関節に負担がかかる運動をしてはいけません。 例えば、マラソンなどの長時間走るような運動は関節に負担がかかるために控え、ウォーキングなど負担の少ない運動を適度にするのが良いです。 治療を行うなかで、痛みを感じないときには、関節を動かせる範囲を維持するためにも適度な運動は良いとされています。 医師に相談しながら、関節へ負荷がかからないように気をつけましょう。 ②砂糖や加工食品の過剰摂取 砂糖や加工食品を過剰に摂取した場合、関節リウマチの症状を悪化させる可能性があります。 関節リウマチと食品との関係について、多くの研究が行われた結果、摂取量の多さが問題だとされています。 症状を悪化させないためにも偏った食生活にならないように、バランスよく食事しましょう。 ③急激な体重増加や肥満 急激な体重の増加や肥満は、体を支える関節に負担をかけるため、避けなければなりません。 適切な体重管理を行い、関節リウマチの悪化を防ぎましょう。 関節リウマチ以外の健康面でも、急激な体重増加や肥満は良くないため、バランスの良い食事や適度な運動で体重管理を行いましょう。 ④関節を冷やす 関節の痛みやこわばりが出る可能性があるため、関節を冷やさないように注意しましょう。 気温が低い冬だけでなく、夏の冷房による冷えの対策も必要です。 長袖で羽織れるものや、ストールやブランケットなどで、環境に左右されずに関節や体の冷えを避けられるようにしましょう。 また、温めると血の巡りが良くなり、関節リウマチの痛み症状が緩和される効果も期待できます。 ⑤重いものを持ち上げる 重いものを持ち上げると、関節に大きな負担がかかるため、関節リウマチによる炎症が悪化する可能性があります。 日常生活の中で重いものを持たないように注意し、どうしても重量物を持つ必要がある場合にはカードなどの道具を使用して、関節への負担を軽減しましょう。 痛み症状が強く出ていると重いものを持ち上げられなくなることもあるため、周囲にサポートを依頼するなど工夫が必要です。 ⑥高い枕を使う 関節リウマチは頸椎や首の靭帯にも影響するため、高い枕を使ってはいけません。 首に負担がかかると、軽い力でも頸椎(首の骨)が脱臼する可能性があり、しびれや麻痺、呼吸障害などの原因となることがあります。 枕は首に負担がかからない低めのものを選び、高さの調整が必要な場合はタオルなどを使うと良いでしょう。 ⑦和式トイレの使用 和式トイレは膝を大きく曲げるため、関節への大きな負担がかかります。 可能な限り洋式トイレを使用し、膝を深く曲げる必要がある和式トイレの使用は控えてください。 自宅のトイレが和式の場合、洋式へリフォームをするなども検討してみましょう。 ⑧正座をする 正座をすると膝関節に大きな負担がかかり、関節リウマチが悪化する可能性があるため、注意が必要です。 とくに長時間の正座は避けてください。 長時間にわたって正座をすると、まず血行不良が起こり、そこから関節の腫れや痛みにつながりやすいです。 座るときは座面が高い椅子に座ったり、床に座る場合は膝を伸ばして座りましょう。 ⑨喫煙をする 喫煙をすると関節リウマチの発症リスクが高まるだけでなく、症状を進行させる可能性も高いため、禁煙をおすすめします。 タバコには、関節の炎症を進めたり、治療効果を弱めたりする、有害な物質が含まれています。 すぐに禁煙するのが難しい方は、少しずつ本数を減らしていき、できるだけ早く喫煙をやめましょう。 ⑩ストレスを溜める ストレスを溜めると、自律神経の乱れによって免疫システムのバランスが崩れ、関節リウマチの症状に影響する場合があります。 関節リウマチで手や足がこわばったりスムーズに動かせなかったりすると、そのような症状自体がストレスの原因になりかねません。 リラクゼーションや軽い運動、趣味などストレスを解消できる方法を見つけ、ストレスを溜めないようにしましょう。 関節リウマチで食べてはいけないもの一覧 https://www.youtube.com/watch?v=4LeBKWd3w2s 関節リウマチだからといって、完全に食べてはいけないものはありません。 糖尿病や高血圧など、関節リウマチ以外で食事を制限される持病がなければ、食事制限の必要はないので、基本的に何でも食べられます。 しかし、症状を悪化させる可能性がある食品があるので、悪化させないためには、できるだけ控えるのが望ましいです。 関節リウマチで、食べない方がよいものは次のとおりです。 炭水化物 ・白米 ・パン ・砂糖 ・菓子類 ・ジュース 脂質 ・牛乳 ・肉類(脂質が多い部位) 調理方法にも注意が必要で、揚げ物は脂質が多いため、煮たり焼いたりする調理法がおすすめです。 また、アルコールも完全に飲んではいけないものではありませんが、控えるようにしましょう。 関節リウマチのしてはいけないことに関するよくある質問 関節リウマチのしてはいけないことに関して、以下の質問が多くあります。 関節リウマチを悪化させる要因は? 関節リウマチでやってはいけない仕事は? 関節リウマチになりやすい性格は? 関節リウマチを悪化させないためにもよくある疑問や不安点を解消しておきましょう。 関節リウマチを悪化させる要因は? 関節リウマチを悪化させる要因は、本記事でも紹介している、関節リウマチのしてはいけない10項目です。 膝や関節に負担をかけることや、症状悪化の原因につながるものの摂取は、関節リウマチの症状を悪化させてしまいます。 上記の10項目を守り、関節リウマチの悪化を防ぎましょう。 関節リウマチでやってはいけない仕事は? 関節リウマチで、やってはいけない仕事はありませんが、避けた方が良い仕事はあります。 次のような仕事は、関節リウマチを悪化させる原因となるため、避けるようにしましょう。 重いものを運ぶ仕事 立ちっぱなしの仕事 長時間の歩行が必要な仕事 寒い場所での仕事 関節リウマチでは、関節に負担をかけないことが大切です。 天職だと感じている仕事や、条件が良く続けていきたいと考える仕事で辞めるという選択肢がないこともあるでしょう。 症状の程度にもよるため医師に相談してみてください。 関節リウマチになりやすい性格は? 関節リウマチは自己免疫疾患のため、特に原因となる性格はありません。 しかし、慢性的なストレスによって免疫機能が低下することで間接的に関節リウマチの発症リスクが高まる場合があります。 そのため、ストレスを溜め込みやすい方は、適度にストレス発散する方法を身につけましょう。 また、関節リウマチを早期に発見できれば、早く治療を始められるため、関節の痛みや違和感がある方は早めに医師の診察を受けましょう。 関節リウマチと診断されたらしてはいけない10項目を守ることが重要 関節リウマチと診断された方は、以下のしてはいけない10項目を守り、症状を悪化させる要因をなくすようにしましょう。 早めに医師の診察を受けることが大切ですが、薬剤や手術などで治療をするだけでなく、並行して上記の10項目を守ることが重要です。 関節リウマチの治療は、薬物療法や手術療法が一般的ですが、現在は再生医療という新しい治療法が注目されています。 再生医療とは、人間が持つ再生する力を活かした治療方法で、自分自身の細胞を使うため副作用リスクや身体への負担が少ないことが大きなメリットです。 再生医療を希望される場合や、関節リウマチでお困りの方は、当院リペアセルクリニックへお気軽にご相談ください。
2020.04.10 -
- 股関節
- 再生治療
- 変形性股関節症
変形性股関節症には前期から末期までのステージ分類があり、股関節の激しい痛みや、可動域制限などが末期症状です。 しかし、変形性股関節症の症状には個人差があるため、末期でもあまり痛みを感じていない方がいらっしゃいます。 軽い痛みなのに、医師から手術が必要と告げられた場合、多くの患者は「今が変形性股関節症の手術のタイミングなのか?」「立ち仕事に復帰できるのか?」などの疑問を抱きます。 人工関節に置き換える際は、麻酔や切開が必要になるため、患者には決断するまでの時期も必要です。 本記事では、変形性股関節症の手術について、目安となるタイミングや術後の生活リスクなどを現役医師が解説します。 切らずに治す方法も紹介しますので、手術に不安がある方はぜひ参考にしてみてください。 また当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性股関節症の手術に不安を持つ方に向けて、再生医療の症例や治療内容を紹介しています。 手術を回避し、より早く日常生活へ復帰したい方はご確認ください。 変形性股関節症の手術を受ける明確なタイミングは存在しない 変形性股関節症のステージは前期・初期・進行期・末期の4段階ですが、手術を受ける明確なタイミングは存在しません。 股関節の状態が末期であっても、激しい痛みや生活への支障がなければ、保存療法(薬物療法など)で経過をみる場合があります。 一方で、変形性股関節症の前期や初期でも、患者が激しい痛みを訴えている場合は、手術の検討が必要です。 変形性股関節症の各ステージと、患者一人ひとりの症状は必ずしも一致しないため、手術は「必要性があるかどうか」で判断されます。 変形性股関節症における手術のタイミングを決めるポイント 変形性股関節症の手術を受ける場合、後悔しないための判断が必要です。 手術のタイミングを決める際には、以下のポイントを理解しておきましょう。 「もっと早く手術しておけばよかった」などの事態にならないよう、以下を参考に手術のタイミングを決めてみましょう。 痛みの強さ・日常生活への支障を考慮する 変形性股関節症を手術で治療する際は、痛みの強さや日常生活への支障(影響)を考慮しましょう。 前期のステージでは痛みを感じないケースが多く、初期段階に進行しても、痛みが歩き始めなどに限られる場合があります。 仕事や日常生活に支障がなければ、保存療法で経過をみてもよいでしょう。 ただし、変形性股関節症は徐々に進行している可能性があるため、医療機関への通院は必要です。 「痛みが引いたから治ってきている」などの自己判断をすると、気付かないうちに末期症状へ進行している恐れがあります。 安静時にも痛みが続くなど、症状の悪化が考えられる場合は、医療機関の診察を受けておきましょう。 関節の変形・画像診断の進行度を考慮する 変形性股関節症の治療において、手術のタイミングを決める際は、関節の変形が判断材料になります。 股関節の変形は進行期にあらわれるケースが多く、以下の画像検査で判定可能です。 画像検査の種類 検査できる症状など レントゲン検査 ・股関節の変形 ・骨棘の形成 ・関節裂隙(関節の隙間) CT検査 ・股関節の変形 ・骨棘の形成および詳細な形状 ・関節裂隙(レントゲンではわかりにくい部分) MRI検査 ・軟骨のすり減り ・靭帯などの損傷 ・炎症の有無 骨の出っ張りを骨棘(こつきょく)といい、股関節の痛みや、可動域制限を引き起こす原因となります。 歩行時のバランスも不安定にさせるため、骨棘が形成されている場合は、手術を選択肢に入れるタイミングです。 なお、軟骨や靭帯はレントゲン画像に写らないため、画像診断を受ける際には、CTやMRI検査ができるかどうか、事前に確認しておきましょう。 生活の質(QOL)と今後の人生設計についても考える 変形性股関節症の手術を受ける際は、生活の質や今後の人生設計も考える必要があります。 「仕事を休めない」「手術が不安」などの理由で痛みを我慢すると、日常生活や趣味・スポーツなどの動作が制限されます。 変形性股関節症の痛みは歩行にも影響するため、毎日の通勤を苦痛に感じてしまう恐れも。 また、日本人は平均寿命が伸びているので、働き盛り(40〜60代など)で変形性股関節症になった場合は、痛みを伴う人生が何十年も続きます。 少しでも早いタイミングで手術を受け、今後の不安を取り除くなど、人生設計も考えておくとよいでしょう。 変形性股関節症の手術で行う「人工股関節置換術」とは 人工股関節置換術とは、股関節の損傷部分を取り除き、「人工の関節」に置き換える手術です。 変形性股関節症が末期のステージとなった場合、人工股関節置換術しか選択できないケースがあります。 人工股関節置換術には以下のメリット・デメリットがあるので、手術を受け入れるかどうか迷ったときは、医師と十分に話し合いましょう。 人工股関節置換術のメリット ・股関節の痛みを緩和できる ・股関節の可動域を改善できる ・歩行時のバランスを改善できる ・周辺部位の負担を軽減できる 人工股関節置換術のデメリット ・脱臼や血栓症などのリスクがある ・再手術の可能性がある ・症状によっては可動域の改善に限界あり ・金属アレルギー 術後は痛みがなくなり、可動域も改善されるため、生活の質が向上します。 ただし、人工股関節の耐用年数は15~20年程度といわれており、年齢が若いうちに手術を受けると、再手術の可能性があります。 骨棘が原因となり、筋肉や腱が固くなっていた場合は、十分な可動域を確保できない恐れも。 人工股関節にはチタン合金などが使われているため、金属アレルギーがある方は、必ず医師に伝えておきましょう。 変形性股関節症における手術後の生活リスク 人工股関節に置き換えた場合、変形性股関節症は改善されますが、手術後には以下の生活リスクが発生します。 手術から3~6カ月程度経過すると、水中ウォーキングなどの軽い運動はできますが、人工関節に負荷がかかるスポーツは控えた方がよいでしょう。 人工股関節はひねりや引っ張り、衝撃にはあまり強くないため、野球やサッカーなどのスポーツはおすすめできません。 また、人工股関節にゆるみや摩耗などが生じた場合、耐用年数を経過していなくても再手術する可能性があります。 手術後の入院期間は2週間程度ですが、患部の状態によっては3週間程度かかるため、仕事や家事への影響も考慮しておきましょう。 人工関節手術の年代別リスクについて知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。 変形性股関節症|人工関節手術の年代別リスクについて 変形性股関節症の手術を避けたい方は再生医療も選択肢の一つ 人工股関節置換術は末期の変形性股関節症に効果的ですが、合併症などのリスクを伴います。 手術を避けて股関節の痛みを解消したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療とは、患部に注射した幹細胞の働きにより、すり減った軟骨などを修復・再生する治療方法です。 手術による治療方法ではないため、再生医療は皮膚の切開や入院を必要としません。 また、再生医療には以下の特徴があります。 体にかかる負担が軽い 日帰り治療が可能 プロスポーツへの復帰が可能 自己脂肪由来の幹細胞を活用すると、アレルギー反応を低減できる 変形性膝関節症や半月板損傷などの治療にも活用できる 実際の治療では、患者の体から幹細胞を採取し、体外培養を経て股関節などの患部に戻します。 自分の幹細胞で患部を修復するため、拒絶反応やアレルギー反応のリスクが低く、体に大きな負担がかかりません。 再生医療は日帰り治療が可能になるので、仕事を休めない会社員や個人事業主など、多忙な方にもおすすめできる治療方法です。 治療期間や費用など、再生医療についてより詳しく知りたい方は、ぜひリペアセルクリニックの専門医にご相談ください。 リペアセルクリニックでは、独自の幹細胞治療技術や分化誘導により、再生医療の効果を高めています。 初回のカウンセリングは1時間程度を確保しているので、希望する治療方法などをじっくり話し合っておきましょう。 変形性股関節症の手術を受けるタイミングは医師と相談して決めよう 変形性股関節症を治療する場合、手術を受けるタイミングは必ず医師と相談して決めましょう。 手術のタイミングや必要性は総合的に判断されるため、医師による問診・触診や、画像検査などが必要です。 定期的に通院し、医師に患部の状態をチェックしてもらうと、いつ手術を受けるとよいのかわかります。 ただし、手術には感染症などのリスクがあり、人工股関節置換術は入院やリハビリを伴うため、歩けるようになるまで時間がかかります。 手術のリスクを回避したい方や、仕事復帰への時間をかけたくない方は、再生医療を選択肢に入れてみましょう。 再生医療は手術や入院の必要がなく、体にかかる負担も軽いため、高齢者にもおすすめできる治療方法です。 リペアセルクリニックも再生医療を導入しており、以下の特徴があるため、スポーツ愛好家やプロアスリートにも活用されています。 【リペアセルクリニックの特徴】 自己脂肪由来の幹細胞を活用 幹細胞の生存率が高い(冷凍保存ではなく、投与の都度培養) 国内トップクラスの細胞培養加工施設と提携 完全予約制で待ち時間なし 電話やメールによる無料相談に対応 自由に動ける健康な体や、痛みのない生活を取り戻したい方は、リペアセルクリニックの再生医療で根本治療を目指してみましょう。
2020.03.10 -
- ひざ関節
- 再生治療
- 幹細胞治療
現在、半月板損傷と診断されて手術をすすめられている方や、すでに保存療法(投薬・リハビリ)を受けているものの、なかなか改善を感じられない方の中には、「このまま今の治療を続けて本当にいいのか?」「もっと自分に合った方法があるのでは?」と疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 実際、半月板損傷の治療では手術療法が選択されることが多い一方で、手術には一定のデメリットやリスクも伴います。 手術に対して不安を感じたり、慎重に判断したいという方も少なくないでしょう。 本記事では、半月板損傷の手術のデメリット・メリットについて詳しく解説します。 また、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは手術以外の治療法も紹介していますので、ぜひ参考にしてご自身の症状やライフスタイルに合った治療法を選びましょう。 半月板損傷における手術のデメリット 半月板損傷における手術のデメリットは、主に以下4つあります。 感染症にかかるリスクが上がる 知覚神経を傷つける可能性がある 仕事復帰までの期間が長くなる 変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がある それぞれのリスクについて、詳しく解説します。 また半月板損傷を手術せずに放置するリスクについては、以下の記事でも解説していますので参考にしてください。 感染症にかかるリスクが上がる 半月板損傷の手術を受けると、感染症にかかるリスクがあります。 内視鏡(関節鏡)手術の場合で細菌感染する可能性は1%以下※となっています。 ※参考:さいたま市「半月板損傷について」 しかし、ごくまれに感染症にかかると、傷口の化膿や関節に膿がたまるなどの症状が発生します。 感染を予防するために、手術後に抗生物質が投与されるケースがあるのです。 感染症に対しては適切な対策が講じられているため、過度に心配する必要はありませんが、術後の体調や傷口の状態には注意を払うことが大切です。 知覚神経を傷つける可能性がある 手術中に、皮膚の表面にある知覚神経を傷つける可能性があります。 ごくまれなケースですが、万が一神経が傷ついた場合、皮膚の感覚が鈍くなり、熱いものや鋭利なものに触れても気づきにくくなるため、二次的なケガのリスクが高まるおそれがあります。 このような知覚神経の損傷は、頻度は高くないものの、半月板手術における注意すべきリスクの一つです。 術後の違和感に気づいた場合は、早めに医師に相談しましょう。 仕事復帰までの期間が長くなる 半月板損傷の手術後は、再断裂を防ぐために慎重かつ継続的なリハビリが必要で長期にわたります。 手術後にリハビリを十分にせず無理に動かすと、再断裂のリスクが高まるので、仕事に復帰するうえでリハビリが重要です。 復帰までの期間は、以下のように異なります。 デスクワークなど:術後すぐに復帰できるケースがある 立ち仕事の場合:1.5~2ヶ月程度 激しい動きが伴う場合:約4ヶ月以上 ※参考:国立大学法人信州大学「半月板損傷の治療について」 手術後にリハビリを十分にせず無理に動かすと、再断裂のリスクが高まるので、仕事復帰のタイミングにも注意が必要です。 仕事への復帰時期は、焦らずに回復を目指し、主治医と相談しながらリハビリの進捗を見て判断しましょう。 変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がある 半月板の一部またはすべてを切除すると痛みや腫れは改善されますが、膝のクッション性が低下し将来的な変形性膝関節症のリスクが上がります。 そのため、近年では可能な限り半月板を温存する方向が主流であり、切除術(部分・全切除)ではなく、半月板縫合術が優先されるケースが増えています。 手術を受ける際は、将来的なリスクも考慮しながら医師と相談することが大切です。 また、半月板損傷の手術には他に以下のような後遺症の可能性があります。 静脈血栓塞栓症(肺血栓塞栓症) しびれ 術後の経過は個人差が大きいため、不安な症状が現れた場合は、自己判断せずに早めに医療機関に相談することが大切です。 半月板損傷に対して手術を行うメリット 半月板損傷に対して手術を行うメリットは、主に以下の3つがあります。 痛みの緩和 可動域の改善 変形性膝関節症のリスクを減らす 手術にはリスクも伴いますが、症状の進行を防ぎ、日常生活やスポーツ活動への早期復帰を目指せます。 また手術を行うことで、半月板損傷による痛みを緩和できる可能性があります。 損傷部位によっては膝の可動域が制限されることがありますが、手術によって関節内の動きがスムーズになり、可動域の回復が見込まれます。 半月板が傷ついたまま放置されると膝関節の軟骨がすり減り、やがて変形性膝関節症へ進行するリスクが高まります。 適切なタイミングで手術を行うことで、膝関節全体の機能を保ち、長期的な関節の健康を守ることが可能です。 半月板損傷の手術方法 半月板損傷に効果的な手術は、主に3つあります。 縫合術 切除術 再生医療も選択肢の一つ それぞれの手術について、詳しく解説していきます。 半月板損傷の治療法に関しては以下の動画(3:12~)でも解説していますので、併せて参考にしてください。 縫合術 メリット 半月板を温存できる デメリット 半月板を再度損傷する可能性がある 再度手術する可能性がある 関節症や関節水腫のリスクがある 縫合術は、損傷した軟骨を縫い合わせる方法です。 膝のふた近くに穴を開け、関節鏡や器材を挿入して患部を縫合します。 切除術 切除術は、半月板の損傷した箇所を切り取る手術方法です。損傷部位の縫合が困難な場合は切除術が検討されます。 メリット 感染症のリスクが低い デメリット ロッキングを繰り返す 変形性膝関節症のリスクがある 縫合術と同じように、膝のふた付近に穴を開け、関節鏡を挿入して手術を行います。 専用のハサミを用いて患部の一部またはすべてを切除します。 再生医療も選択肢のひとつ 変形性膝関節症の手術として、再生医療も効果的です。 再生医療は患者さま自身の幹細胞を利用するため、拒否反応のリスクが低い手術です。また、リハビリ期間の短縮が期待できるため、早期に仕事へ復帰できる可能性があります。 長期の入院ができない方や人工関節の手術に抵抗がある方は、再生医療をご検討ください。 半月板損傷の手術に関するよくある質問 半月板損傷の手術に関する質問を紹介します。 半月板損傷で手術した場合の入院期間はどのくらいですか? 半月板損傷の手術費用はどのくらいかかりますか? 手術をせずに半月板損傷を治す方法はありますか? 半月板損傷の手術を行った10年後はどうなっていますか? 3つの質問について、詳しく回答します。 半月板損傷で手術した場合の入院期間はどのくらいですか? 縫合術は10~14日、切除術は2~4日程度※の入院が一般的です。 ※国立大学法人信州大学「半月板損傷の治療について」 切除術よりも縫合術の方が入院期間が長いケースが多いです。退院した後、しばらくは杖を使って歩行します。 退院後も、しばらく痛みが続く可能性があります。 術後は膝に負担がかかる動作は控えましょう。 半月板損傷の手術費用はどのくらいかかりますか? 半月板損傷の手術費用は、手術の種類・入院日数・自己負担割合などによって変動します。 一般的に3割負担の方の場合、平均的な費用の目安は以下のとおりです。 半月板縫合術:約10~20万円 半月板切除術:約7~15万円 たとえば、70歳以上で3割負担の方が9日間入院した場合、トータルで約9万円程度かかるケースもあります。 また、縫合術よりも切除術のほうが入院期間が短く、結果的に費用が抑えられる傾向がありますが、これは症状や病院の方針によっても異なります。 詳しい費用を確認したい方は、手術を受ける予定の医療機関に直接問い合わせてみましょう。 手術をせずに半月板損傷を治す方法はありますか? 再生医療は、手術をせずに損傷した半月板を治療することが可能です。 再生医療では、自身の細胞から採取して培養した幹細胞を膝に注射します。自分自身の細胞を使用するため、アレルギーなどの反応が少ない点、手術を避けられる点で身体への負担を抑えた治療法と言えます。 また、手術よりも治療期間が短くなるメリットがあります。 半月板損傷の手術を行った10年後はどうなっていますか? 臨床報告によると、一般の方の約30%、スポーツ選手のうち約70%が変形性膝関節症を発症しています。 半月板はひざのクッションの役割をしているため、切除することによって軟骨がすり減ってしまい、変形性膝関節症の原因になります。 とくに、半月板切除術は変形性膝関節症の発症率が高いと言えます。 半月板損傷手術のデメリットを回避できる再生医療を検討しよう 半月板損傷手術は、痛みや腫れを取り除く効果が期待できる反面、以下のようなデメリットがあります。 感染症にかかるリスクが上がる 知覚神経を傷つける可能性がある 仕事復帰までの期間が長くなる 変形性膝関節症のリスクが高まる可能性がある 半月板損傷の手術を受けた患者さまの10年後の臨床報告では、一般の方の約30%が変形性膝関節症を発症するなど、手術には大きなリスクが伴います。 しかし、将来的な変形性膝関節症のリスクや感染症にかかる危険性があるので、放置せずに治療を行いましょう。 ただし半月板損傷の手術を受けた患者さまの10年後の臨床報告では、一般の方の約30%が変形性膝関節症を発症するなど、手術には大きなリスクが伴います。 手術に不安がある方、すぐに会社やスポーツに復帰したい方は、再生医療をご検討ください。再生医療は手術しないため入院の必要がなく、リハビリ期間の短縮も期待できる治療法です。 詳しい治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.29 -
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- 肝疾患
- 幹細胞治療
肝臓といえば「お酒」というイメージがありますが、お酒以外でも肝臓にダメージを与えている可能性があります。 「身体の疲労がなかなか取れない」という人は、肝機能が低下しているかもしれません。 本記事では、低下した肝機能を回復させる方法について詳しく解説していきます。 肝機能の低下を放置すると「脂肪肝」や「肝硬変」という病気に繋がる可能性があります。 肝臓の働きや肝機能を回復させる方法を理解して、肝臓疾患を予防しましょう。 肝臓はどのような働きをしているの? 肝臓は、人間の体の中で最も大きな臓器といわれており、以下のような働きをしています。 代謝 食事などから摂取した栄養素を体内で利用できるエネルギーとして蓄える機能 解毒 薬やアルコールなどの体にとって有害な物質を分解して無害化する 胆汁の生成 脂質の消化や吸収に必要な胆汁を生成・分泌する 「肝臓が疲れている」場合、エネルギーとして代謝できなかった栄養素が中性脂肪となって蓄積されます。 また、アルコールなどの解毒されるべき物質がそのまま体内に残ってしまいます。 生命活動にとって重要な働きをしている肝臓の疲労や疾患は、早めの対策・治療が必要です。 しかし、肝臓には神経が通っていないため、何らかのダメージを受けても自覚症状が現れにくく「沈黙の臓器」とも呼ばれています。 そのため、人間ドックや健康診断を受けて肝臓の異常を早期発見することが重要です。 肝臓を回復させるには食事の見直しや運動が大切 肝臓を回復させるには、食事による栄養素の摂取や有酸素運動、禁酒で肝臓を休める必要があります。 たんぱく質やビタミン類を摂取する 脂質と糖質の摂取を控える 肥満状態を改善する 1日30分程度の有酸素運動 アルコールの摂取量を抑える それぞれの項目について詳しく解説していきます。 たんぱく質やビタミン類を摂取する 肝臓の働きをサポートする効果に期待できる栄養素と主な食べ物を紹介します。 必要な栄養素 主な食べ物 詳細 たんぱく質 鶏ささみ、青魚、豆腐、卵など 幹細胞の修復や機能回復に必要な栄養素 ミネラル 野菜、海藻類、きのこ類など 代謝、解毒、胆汁の生成など肝臓の働きをする過程に欠かせない栄養素 抗酸化ビタミン (ビタミンA・C・E) ・ビタミンA 緑黄色野菜、ウナギなど ・ビタミンC レモン、パセリ、ブロッコリーなど ・ビタミンE 大豆類、青魚、ブロッコリーなど 肝臓内の活性酸素を抑え、肝機能の低下を防ぐために必要な栄養素 タウリン 貝類、タコ、エビなど 肝臓の解毒作用を高めて肝機能をサポートする効果が期待できる栄養素 食生活の見直しは、「肝機能の低下予防」と「肝機能を高めるサポート」のどちらの効果も期待できます。 暴飲暴食や偏った食事を避けて、バランスの良い食事を心がけましょう。 脂質と糖質の摂取を控える 肝臓を回復するためには、脂質と糖質の過剰摂取を控えることが重要です。 高脂肪・高糖質の食事は肝臓に負担をかけ、脂肪肝の原因となります。 特に、揚げ物やファストフードなどの飽和脂肪酸を多く含む食品、清涼飲料水や菓子類などの単純糖質の食べ過ぎは控えるべきです。 代わりに、不飽和脂肪酸を含む青魚などを適量摂取し、精製された糖質ではなく玄米や全粒粉パンなどの複合糖質を選ぶようにしましょう。 糖質制限と適切な脂質バランスを保つことで、肝臓への負担を軽減し、回復を助けることができます。 肥満状態を改善する 過剰な体脂肪、特に内臓脂肪は肝臓に脂肪が蓄積する「脂肪肝」の主な原因となります。 肥満状態を改善して適正体重を目指すことで、肝臓への負担を大幅に軽減できます。 具体的には、一日の摂取カロリーを適切に管理し、ゆっくり確実に減量することが重要です。 急激なダイエットは逆に肝臓に負担をかけるため避けましょう。目標は1ヶ月に1〜2kg程度の減量が理想的です。 1日30分程度の有酸素運動を習慣化する 肝機能を改善するためには1日30分程度の有酸素運動を取り入れましょう。 肥満や運動不足によって、肝臓に中性脂肪が過剰に蓄積される「非アルコール性脂肪肝」が起こる可能性があります。 ウォーキングや水泳などの有酸素運動を習慣にし、肝臓に蓄積した中性脂肪を減らしましょう。 有酸素運動によって脂肪肝化が改善される※1ことも報告されています。 ※参考:一般社団法人 日本肝臓学会「追補内容のお知らせ『NAFLD/NASH 診療ガイドライン』」 アルコールの摂取量を抑える 肝機能を改善させるためには、禁酒もしくはアルコールの摂取量をできるだけ抑えましょう。 お酒の飲酒量が多いと、アルコールを分解する働きを持つ肝臓に負担がかかり続けるため「アルコール性脂肪肝」になる可能性があります。 厚生労働省では、適度な飲酒量として1日あたりの純アルコール量は約20gとしています。 主な酒類の目安量は、以下の通りです。 お酒の種類 純アルコール量 ビール(中瓶1本500ml) 20g 清酒((1合180ml)) 22g ウイスキー・ブランデー(ダブル60ml) 20g 焼酎(35度)(1合180ml) 50g ワイン(1杯120ml) 12g しかし、アルコールは肝臓にとってストレスになるため、肝臓が疲労している時は禁酒することをおすすめします。 肝臓が回復するまでの期間と肝臓の状態 肝臓の機能が回復するまでに必要な期間は、肝臓の状態によって大きく違いがあります。 例えば、飲酒により一時的に肝臓が疲れている状態であれば、2日間の禁酒期間を設けることで肝臓は回復するといわれています。 一方で、慢性肝炎を放置して「肝硬変」になっている場合だと、いくら期間を設けても肝機能が回復することはありません。 極端な 2 例を挙げましたが、このように肝臓の回復に必要な期間および回復するかどうかについては、肝臓がどの程度のダメージを受けていて、どういった状態になっているかによって左右されるのです。 肝機能低下が招く疾患とは? 肝臓が疲れていると表現される「肝機能が低下している状態」を放置すると、様々な病気に繋がるリスクがあります。 病名 主な症状 脂肪肝 自覚症状がほぼないため、健康診断などの血液検査で発覚することが多い アルコール性肝炎 食欲不振・だるさ・発熱などの症状があり、肝臓の腫れや上腹部に痛みを感じる ウイルス性肝炎 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)・食欲不振・嘔吐・全身の倦怠感・発熱など 肝硬変 ・黄疸(皮膚や白目が黄色くなる) ・腹水(下腹部が張る) ・くも状血管拡張(首、前胸部、頬に赤い斑点ができる) ・手掌紅斑(掌の親指と小指の付け根が赤くなる) など 肝機能の低下は、肝機能を回復させるために生活習慣を見直せば改善することが多いです。 しかし、肝機能の低下を放置して病気になってしまうと適切な治療が必要になります。 肝機能が低下している前兆 肝機能が低下しても初期段階では症状が現れにくいため、血液検査を受けて初めて異常に気づくことも多いです。 しかし、肝機能の低下が進行すると肌が黄色くなる黄疸やむくみ、尿の色が濃くなるなどの症状が現れます。 気づいた時には症状が進行している可能性があるため、早めに医療機関を受診して検査を受けましょう。肝臓の回復には早期発見が重要です。 肝疾患の改善につながる可能性がある「再生医療」 従来の肝硬変の治療法では、症状の進行と合併症を防ぐことを目的としており、元の状態に戻すのは難しいとされています。 そんな、治らないとされている肝疾患には再生医療という選択肢があります。 患者さま自身から幹細胞を採取・培養して点滴投与します。ご自身の細胞を使用することから、副作用などのリスクが少ないのが特徴です。 肝疾患を根本的に治したい方は、当院「リペアセルクリニック」の無料メール相談・オンラインカウンセリングをご利用ください。 【まとめ】肝臓を回復させるには再生医療による治療をご検討ください 疲れた肝臓の機能を回復させるには、脂肪や糖質の過剰摂取を避ける食生活や、適度な運動など生活習慣の改善が大切です。 普段から肝臓を労わっていれば、少し疲れた程度なら数日の期間で回復しますが、慢性的に肝臓が疲れていると肝疾患になってしまいます。 そうなると、回復に時間がかかる、あるいは自然回復しない状態に陥ってしまう可能性があります。 肝疾患には薬物治療や運動療法の他にも、再生医療という選択肢があります。肝機能の低下に悩んでいる方は、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。
2020.02.28 -
- 再生治療
- 肝疾患
- 幹細胞治療
肝硬変と聞くと「治らない」「怖い病気」というイメージがあるかもしれませんが、医療の進歩により治療の選択肢が広がっています。 本記事では、従来の治療法から最新の再生医療まで、肝硬変に対する様々なアプローチを解説します。 また、病状の段階別の治療法や、日常生活で実践できる予防法についても詳しく紹介します。 肝硬変の治療について不安がある方は、この記事を参考にしてください。 肝硬変を治すにはどんな治療がある? 肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、症状が出にくいため発見が遅れやすく、従来の治療では「肝硬変は治らない病気」といわれています。 肝硬変に対する従来の治療方針と近年注目されている再生医療について解説します。 近年注目されている「再生医療」は、硬くなった肝臓を修復する可能性のある治療法です。 ここでは、従来の治療方針と合わせて解説します。 従来の治療方針 肝硬変の従来の治療方針は、根本的な治癒よりも「進行抑制」と「症状緩和」を主な目標としています。 硬化した肝臓組織を元に戻すことは困難であるため、患者さんの状態に合わせた対処法が重要となります。 肝硬変の従来の治療における主なポイントは以下の通りです。 原因疾患への対処(ウイルス性肝炎には抗ウイルス薬、アルコール性には完全禁酒) 栄養バランスの良い食事と適度な運動の維持 病状に応じたタンパク質摂取量の調整 腹水や肝性脳症などの合併症に対する薬物療法 定期的な血液検査や超音波検査による経過観察 重症例における肝移植の検討(ただしドナー不足の課題あり) 特に初期段階では生活習慣の改善を中心とした治療で病状を安定させることが可能なケースもあるため、早期発見・早期治療が重要となります。 肝硬変治療に注目されている再生医療 「肝硬変は治らない」という常識を覆す可能性を秘めているのが、再生医療です。 従来の治療法では難しかった肝臓組織の修復が、先端技術によって実現できる可能性があります。 再生医療による肝硬変治療のポイントは以下の通りです。 幹細胞を活用して傷ついた肝臓組織を修復・再生 「自己骨髄細胞投与療法」で一部患者の肝硬変が改善した実例あり 入院や手術不要で治療できる 患者さま自身の細胞を用いるため副作用リスクが少ない 再生医療は病気の進行を抑えるだけでなく、硬化した肝臓を元の状態に近づける可能性がある点が画期的です。 山口大学の研究では、患者さま自身の骨髄から採取した細胞を静脈注射する方法で、一部の患者さまが慢性肝炎の段階にまで回復したことが報告※されています。 ※出典:Medical Note「肝硬変になった肝臓は再生可能? 他家間葉系幹細胞を用いた肝硬変の研究」 治らないといわれていた肝硬変の改善に期待できるため、多くの患者さまに新たな希望をもたらす可能性がある治療法です。 肝硬変の2つの病状に対する治療法 肝硬変は進行度によって大きく「代償性」と「非代償性」の2つの段階に分けられます。 代償性肝硬変では、肝臓はまだある程度の機能を保っており、症状があまり現れないことが特徴です。 一方、非代償性肝硬変になると、腹水や黄疸などの明らかな症状が出現し、より積極的な治療が必要になります。 どの段階にあるかによって治療方針は大きく変わりますので、医師の説明をしっかり理解しましょう。 代償性肝硬変 代償性肝硬変とは、肝臓が硬くなっていても、まだ十分な機能を保っている状態です。 この段階ではほとんど自覚症状がないため、健康診断や他の病気の検査で偶然見つかることもあります。 代償性肝硬変の治療目標は「これ以上悪化させない」ことです。 残念ながら、硬くなった肝臓を元に戻す薬はまだありませんが、原因に対する治療で進行を抑えることができます。 まず大切なのは原因疾患への対応です。 B型やC型肝炎ウイルスが原因なら、抗ウイルス薬でウイルスの活動を抑え込みます。 非代償性肝硬変 非代償性肝硬変は、肝臓の機能が著しく低下し、様々な症状が現れる肝硬変が進行した状態です。 この段階では、患者さまの生活の質を維持するために、合併症への適切な対処が重要となります。 非代償性肝硬変の症状と治療のポイントは以下の通りです。 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)の出現 腹水に対する塩分制限(1日5〜7g)と利尿剤療法 重度の腹水には「腹水穿刺(ふくすいせんし)」による直接排液 非代償性肝硬変では、上記のの症状が患者さんの日常生活に大きな影響を与えるため、家族の理解とサポートも大切です。 合併症の初期症状(意識の変化や腹部膨満感の増加など)に気づいたら、すぐに医療機関を受診しましょう。 肝硬変になる原因は肝機能障害からの進行が多い 肝硬変は突然発症するものではなく、肝臓の慢性的な障害が徐々に進行して引き起こされます。 主な原因となるのは、B型・C型肝炎ウイルス感染や、脂肪性肝疾患です。 上記のような病気により肝臓に持続的な炎症が起こると、その修復過程で線維(瘢痕組織)が形成され、肝臓全体が硬く小さくなっていきます。 かつてはC型肝炎ウイルスが原因の割合が高く、肝硬変全体の約半数を占めていました。 肝硬変に進行する前に、原因となる肝疾患を治療することが重要です。 肝硬変の進行を防ぐ方法や予防法について 肝硬変は一度進行してしまうと完全に元に戻すことは難しい病気ですが、早い段階から適切な対策を取ることで進行を遅らせたり、発症そのものを予防したりすることが可能です。 特に近年の日本では、ウイルス性肝炎の治療薬が進歩したことで、ウイルスが原因の肝硬変は減少傾向にある一方、アルコールや脂肪肝など生活習慣に起因する肝硬変の割合が増加しています。 そのため、日々の生活習慣の見直しがますます重要になっています。 食生活を改善する 肝臓は「体の化学工場」とも呼ばれ、食事内容が直接肝機能に影響します。 肝硬変の予防や進行抑制には、日々の食習慣の見直しが欠かせません。 肝臓に優しい食生活を送るために、何を食べるべきか、何を控えるべきかを理解しましょう。 積極的に摂りたい食品 控えるべき食品 野菜・海藻・きのこ類(ビタミン・食物繊維が豊富) 揚げ物・スナック菓子(高脂肪・高カロリー) 魚(DHA・EPAが豊富) インスタント食品・ファストフード 脂肪の少ない肉(鶏むね肉など) 清涼飲料水・甘い菓子類(高糖分) 大豆製品(豆腐・納豆など) 塩分の多い食品(漬物・加工肉など) オリーブオイル・ナッツ類(良質な脂質) 生の魚介類・加熱不十分な肉(感染リスク) コーヒー(適量) アルコール飲料 食事の取り方も重要で、一度に大量に食べるより少量ずつ規則正しく摂ることで、肝臓への負担を減らせます。 特に肝硬変の方は腹水悪化を防ぐため、塩分制限(1日7g以下)を心がけましょう。 肝機能が低下している方は食中毒リスクが高まるため、生ものは避けましょう。 禁酒・減酒する アルコールは肝臓で分解される過程で、肝細胞にダメージを与えるため、禁酒・減酒が肝硬変の進行を防ぐポイントです。 お酒の飲む量が多く、期間が長いほど肝臓の線維化(硬くなること)が進行します。 肝硬変や肝がんを予防するためには、「肝硬変になる前にお酒をやめること」が効果的です。 すでに肝硬変と診断された方は、それ以上の悪化を防ぐために禁酒が強くすすめられます。 肝機能低下や肝疾患はすぐに治療する 肝硬変の多くは、肝機能障害や肝疾患が長期間進行した結果として発症します。 そのため、前段階である肝炎や脂肪肝などの早期発見と適切な治療が非常に重要です。 例えば、B型・C型肝炎ウイルスに感染している方は、自覚症状がなくても放置すると肝硬変や肝がんへ進行する恐れがあります。 早期に適切な治療を行えば、肝硬変への進行を防げる可能性が高まります。 肝炎ウイルスは自覚症状がないまま肝臓を傷めることが多いため、過去に輸血を受けた経験がある方や感染リスクがある方は一度検査を受けることをおすすめします。 【まとめ】肝硬変を治すには再生医療による幹細胞治療を検討しよう 肝硬変は一度発症すると完全な治癒は難しいものの、早期発見と適切な治療により進行を抑えることが可能です。 従来の治療法は進行抑制と症状緩和が中心でしたが、再生医療という新たな選択肢が登場し、肝機能の回復に期待が寄せられています。 肝臓の健康は日々の生活習慣に大きく左右されますので、この記事の情報を参考に、ご自身やご家族の肝臓を守る取り組みを始めてみてください。
2020.02.24 -
- 肩
- 再生治療
肩が痛い上がらない!原因と治療、病院は何科を受診すべきか? 急に肩が上がらなくなった!腕を上げると肩に強い痛みがある!ズキズキとした痛みで寝れない、こんな状態になると不安になられて当然です。 なぜ痛むのか?なぜ腕が上がらないのか?で、どうすれば良いのか?その原因と治療のため、病院に行くべきなのか、整体やマッサージで良いのか?迷われることでしょう。 できるなら最初、病院でしっかりと検査され、診断を受けられることをお勧めします。では「肩が痛い」「肩が上がらない」場合、病院で何科に行けばいいのか?ということもあると思います。 今回は、肩が痛む、肩が上がらないときには様子を見るか、病院に行くべきなのか?その際、何科を受診すればよいのかについて解説してまいりましょう。 肩が痛くて上がらない!この症状は四十肩か五十肩?はたまた肩腱板断裂? 肩を上げると痛みが走る、もしくは腕を上げると肩に強い痛みが起こるという場合は、体に何らかの異常が生じているサインです。 四十肩・五十肩だろうと思っていたら、肩腱板が損傷していたり、もしかすると断裂している可能性もあって、そうなると手術の可能性も考えられるのです。 そのため「肩(腕)が上がらない」「肩が痛む」という症状があるなら自己判断で「そのうち治るだろうと」放置せず、早めに病院を受診することをおすすめします。 前途のように、見た目だけでは原因が分からず、検査が必要なことがあるからです。 病院では何科を受診すればよい? 病院の何科を受診すればいいの?今回のように、肩が上がらない、肩が痛む場合は、まずは整形外科を受診することをおすすめします。 検査をしてみて他に原因がある場合は、他の科を紹介してもらえます。あなたがスポーツをしている場合は、スポーツ障害を扱っている病院を受診するという方法もあります。 肩が痛む、上がらない ・病院の整形外科を受診 ・他に原因がある場合は他科の紹介も可能 ・アスリート、スポーツ選手は、スポーツ障害を扱う病院もある 肩が上がらない!手術を避ける新たな治療法の選択 肩が上がらない状態が続くと手術を検討することがあります。スポーツをしているなら肩が上がらないと、思うようなパフォーマンスを発揮することが難しくなるなど復帰が難しくなるかもしれません。 ただ、治療とはいえ、手術をするとなれば、その成否はもとより、患部にメスを入れることになり、復帰までの期間が延びてしまい、その間はトレーニングもできなくなる可能性もあります。 手術を受けるべきか?!悩ましいところです。 しかし近年、身体への負担が少なく、治療期間も短くて済む【再生医療】という選択肢があります。アスリートにとって朗報ですが、自由診療となり、健康保険が使えない点で検討が必要です。 再生医療は、「肩が上がらない」という場合の治療法としても、もちろん有効ですがスポーツ医療の分野でも大きな注目を集めています。 実際、有名なスポーツ選手が再生医療による治療によって短期間で復帰を果たしています。再生医療では、自分の細胞からとった幹細胞を患部に注射し、損傷した腱板を修復するという治療法が用いられます。 注意点としては、再生医療は新しい治療方法、先端治療法なので、一般的な病院で受けることができません。厚生労働省から認可を受けて再生医療を提供しているクリニックなどでの受診が必要です。 当院も厚生労働省から認可を受けて日本でもトップクラスの症例数がございますので、もしもお悩みなら、お気軽にご相談ください。親切丁寧にご説明させて頂きます。 再生医療 ・これまでできるようになった先端医療 ・手術を避けることができ、入院も不要 ・一般的な医療機関で受けることができない ・厚生労働省から許可を得た再生医療専門のクリニックを受診する必要性 まとめ・肩が痛い上がらない!原因と治療、病院は何科を受診すべきか? 肩が上がらないときに病院を受診するか、何科に行くべきか悩む人は多いと思います。基本的には、症状があるときには、原因究明、治療のためにはレントゲンやMRI、エコーなど検査が必要です。 すでに肩に何らかのトラブルが起きている可能性がありますから、なるべく早く医療機関、整形外科を受診しましょう。 早めの受診が早期治療につながり、その分、治癒も早まります。また、手術にかわる新たな治療法として再生医療という治療法も期待されています。 肩が上がらない、スポーツに復帰したい、早く治したいという方は、整形外科はもちろんですが、再生医療についても検討してみてはいかがでしょうか。 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.02.23 -
- 肩
- 再生治療
20代でも腕を上げたときの肩の痛みに悩む方は少なくありません。実は、20代でも四十肩や腱板損傷といった症状が起こる可能性があります。 この記事では、20代で肩に痛みが生じる主な原因や、症状に合わせた具体的な治療法について詳しく解説します。肩の痛みに悩む方が症状を改善し、快適な生活を取り戻せるよう役立つ情報をお届けするので、ぜひ最後までご覧ください。 【20代】腕を上げると肩が痛い原因とは? 20代でも腕を上げたときに肩が痛むのは珍しくありません。 具体的に腕を上げると肩が痛い原因として考えられる2つの理由について解説します。 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎) 腱板損傷 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎) 四十肩や五十肩の正式な病名は「肩関節周囲炎」です。 肩関節には骨・軟骨・靭帯・腱板・関節包など多くの組織が存在します。肩の酷使や加齢などが原因で組織が衰え、炎症が起こると肩関節周囲炎になります。 腕を上げる際の痛みや可動域の制限により、日常生活での動作に支障が出るのが特徴です。 加齢が原因の場合が多いですが、はっきりとした誘因がわかっていない部分もあり、20代や30代でも発症します。 腱板損傷 ケガやスポーツなどによって肩を使い過ぎると起こるのが、腱板損傷です。腱板は肩関節にある腱を指します。 肩をぶつけたり転んで手をついたりしたときに肩に負荷がかかると腱板が断裂してしまいます。痛みを伴うパターンや痛みはないものの肩が上がらないなど、症状は人それぞれで、20代でも発症するため注意が必要です。 腱板損傷は、特に肩や腕をよく動かすスポーツで起こるリスクが高く、スポーツ外傷のひとつです。 四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)と腱板損傷の違い 腕が上がらないと言えば四十肩・五十肩をイメージする人もいるでしょう。 四十肩・五十肩で腕が上がらなくなるケースは多いです。しかし四十肩・五十肩の原因は本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまう点にあります。また、痛みが強すぎて動かせないケースもあります。 腕が上がらない理由は異なりますが、肩関節周囲炎か肩腱板損傷かを自分で判断するのは難しいです。 腕を上げると肩が痛いときの治療法 腕を上げると肩が痛い場合、症状に応じた治療法が必要です。ここでは、薬の服用、リハビリテーション、外科手術の方法や効果について解説します。 薬の服用・リハビリテーション 薬の服用は、痛みや炎症を抑えるための基本的な治療法です。 消炎鎮痛剤や筋肉の緊張を和らげる薬の使用により、症状の緩和を図ります。一方、リハビリテーションは肩の可動域を回復し、筋力を強化することを目的としたものです。ストレッチや肩周辺の筋肉を鍛えるエクササイズを通じて、再発防止や長期的な改善を目指します。 外科手術 外科手術は、重度の肩の痛みや機能障害が続く場合に検討される治療法です。 四十肩や腱板損傷が原因で、薬やリハビリでは改善が見られない場合に行う治療です。具体的な手術内容には、内視鏡による肩の掃除(関節鏡手術)や、腱板の修復手術などが含まれます。 手術後はリハビリが必要で、肩の可動域と筋力を回復させるためのトレーニングを行うのが一般的です。 20代の肩痛みは医療機関の受診がおすすめ 肩の痛みや可動域制限は、四十肩・五十肩や腱板損傷など、さまざまな原因が考えられます。放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性もあるため、まずは医療機関の受診が必要です。 治療法としては薬の服用、リハビリテーション、外科手術が挙げられますが、手術のリスクを避けるための再生医療も選択肢のひとつです。 腱板損傷の治療では、幹細胞を使った再生医療により症状を改善できます。効果に個人差はありますが、高い確率で痛みが軽減します。再生医療による治療をご検討の際は、ぜひリペアセルクリニック大阪院へご相談ください。
2020.02.21 -
- 肩
- 再生治療
- 腱板損傷
「肩を動かすと痛い」「夜になるとズキズキして眠れない」といった、肩の不調が続いている場合、腱板損傷が原因かもしれません。 腱板損傷は40代以降に発症しやすいとされており、日常の些細な動作や加齢による変化でも引き起こされることがあります。 しかし「肩の痛みの原因って何があるの?」「腱板損傷ってどんな症状?」「どうすれば予防できるの?」と、疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷の主な原因だけでなく、症状が進行する前に早期発見・予防につなげる方法も解説しています。 腱板損傷は放置すると腱板断裂に進行するリスクもあり、日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。 「もしかして自分も腱板損傷かも」と感じている方は、ぜひ本記事を参考に、早期発見と適切な対処を行いましょう。 腱板損傷の原因とは|使いすぎ(オーバーユース)に注意が必要 腱板損傷は、以下のような原因によって引き起こされます。 変性(加齢など) 外傷性(転倒・打撲・事故など) オーバーユース(繰り返しの動作・スポーツ) 腱板損傷の詳細については、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 加齢性変化(年齢) 腱板損傷の原因のひとつが、加齢による腱の変性(老化)です。 腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)から構成されており、肩の安定性とスムーズな動作を支える重要な組織です。 しかし年齢を重ねると、以下のような組織の変化が起こります。 コラーゲン繊維の弾力性が低下 血流が悪化し、栄養や酸素の供給が不十分に 腱自体がもろくなり、損傷しやすくなる その状態で肩を使い続けると、日常の動作や軽い作業でも腱に小さな損傷が蓄積し、やがて断裂につながることがあります。 また腱板は40代から少しずつ傷みやすくなり、加齢とともに誰にでも腱板損傷を起こる可能性(※)があるので注意しましょう。 ※参照:MSDマニュアル「肩腱板損傷」 初期の段階では「肩に違和感がある」「少し痛む」といった症状にとどまることもありますが、進行すると夜間痛や腕の可動制限など、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。 加齢に伴う腱板の劣化の場合は、日頃からストレッチや適度な運動を心がけることで、ある程度予防が期待できます。 外傷性(転倒・打撲・事故など) 腱板損傷は加齢や使いすぎだけでなく、転倒・打撲・交通事故などの外傷が原因で突然発症するケースもあります。 このような外傷性の腱板損傷は、発症直後から痛みが強く、腕が上がらない・力が入らないといった症状が急激に現れるのが特徴です。 また以下のような状態が見られる場合は、早めに整形外科を受診し、身体診察・MRIなどで状態を確認することが大切です。 安静にしていても痛みが引かない 内出血や腫れがある 肩の動きに明らかな制限がある 外傷をきっかけにした腱板損傷は早期発見と早期治療が重要になるので、自己判断せずに速やかに医療機関へ受診しましょう。 オーバーユース(繰り返しの動作・スポーツ) 腱板損傷は、肩の使いすぎ(オーバーユース)によっても生じることがあります。 オーバーユースによる腱板損傷のリスクが高い動作・場面としては、以下のようなものが挙げられます。 野球やソフトボールの投球動作 テニス・バドミントンなどのサーブやスマッシュ動作 重量物を頭上に持ち上げる動作 水泳のクロールなど、腕を頭より上に繰り返し動かす運動 ※参照:MSDマニュアル「肩腱板損傷」 特にテニス、野球、水泳などの肩を頭より高く挙げた状態に保ったまま負荷をかけるため、腱板に強いストレスがかかります。 症状は、初めは軽い違和感や筋肉の張り程度であることが多いですが、そのまま使い続けると腱板断裂に進行するリスクもあるため、注意が必要です。 腱板損傷を防ぐための方法 腱板損傷を予防するために、日常生活の中で以下のような対策を意識してみましょう。 肩のストレッチ 適度な筋力トレーニング 同じ動作の繰り返しを避ける 腱板周囲の筋肉や関節が硬くなると、肩の動きに無理がかかり損傷のリスクが高まるのでストレッチで肩甲骨や肩関節の可動域を広げるようにしましょう。 また長時間の作業や肩に負担のかかるフォームに注意し、痛みが出たら無理に動かさず、休むことも大切です。 少し痛むだけだからと放置すると、炎症が進行して断裂に至るリスクもあります。 軽い痛みや動かしにくさを感じたら、整形外科を早めに受診し、画像検査(MRIやエコー)などで状態を確認しましょう。 腱板損傷に有効なトレーニング方法については、以下の記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷の原因を知って早期発見・予防につなげよう 腱板損傷は、加齢による腱の変性(老化)・転倒や打撲などの外傷・肩の使いすぎなど、複数の要因が重なって発症します。 特に40代以降は腱板の組織が弱くなりやすく、日常の些細な動作でも損傷を起こすリスクがあります。 発症を防ぐためには、以下の点を意識しましょう。 肩の柔軟性を保つストレッチを取り入れる 適度な筋力トレーニングを行う 肩に違和感があれば早めに状態を確認する 肩の不調をそのままにしておくと、腱板断裂や痛みが強くなる・腕が上がらなくなるなど、日常生活に影響が出ることもあります。 気になる症状があれば、無理せず整形外科を受診し、早めに対処しましょう。 また当院(リペアセル)では症例などの情報に関する詳細についてLINEでも解説していますので、肩に違和感を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.19 -
- 免疫細胞療法
- 再生治療
- 肝疾患
日常的にアルコールを摂取している方にとって、アルコール性肝硬変のリスクは他人事ではありません。 肝硬変は肝機能が低下するほか、さらに悪化すると肝性脳症などの合併症を引き起こす可能性も高まります。 しかし「アルコール性肝硬変は改善できるのか?」「完治は難しいと聞くけど、どうすれば進行を止められるのか?」 と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、アルコール性肝硬変の完治の可能性や、合併症の対処法について解説します。 末期症状や合併症についての詳しい解説もしていますのでご覧ください。 【結論】アルコール性肝硬変の完治こそ難しいが、進行の抑制は可能 アルコール性肝硬変まで進行してしまうと、元の健康な肝臓に戻る(完治)ケースは極めて難しいです。 ※参照:全国健康保険協会 ただし、病状の悪化を抑えつつ、ある程度の肝機能を維持しながら日常生活を送ることは可能です。 アルコール性肝硬変の進行を抑制するためには、禁酒が重要です。アルコール依存症になっている場合は、専門医に相談し、早期に治療を開始しましょう。 また、併せて生活習慣の改善も大切です。脂質や塩分を抑え、タンパク質豊富な食事を心がけてください。 肝硬変になる前の脂肪肝の場合は、禁酒や生活習慣の改善が期待できます。 肝臓における生活習慣の見直し方法などについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 アルコール性肝硬変に至る進行ステップ アルコール性肝硬変は、突然発症する病気ではありません。 長期間の飲酒を続けることで肝臓は徐々にダメージを受け、以下のように段階を経て進行していきますので、各ステージで適切な対応を取ることが重症化を防ぐ鍵となります。 アルコール性脂肪肝 初期 肝臓に脂肪が多い状態 節酒・減量で改善 長く放置した場合や重度の場合は肝炎や肝硬変に進行 アルコール性肝炎 肝機能が低下 発熱・腹痛・下痢・嘔吐などの症状 アルコール性肝硬変 末期 肝細胞が変形して縮み、正常な機能が大きく損なわれる 栄養が不足して痩せていくが、おなかは腹水が溜まり膨らむ 吐血、昏睡の危険性が高まる 初期のアルコール性肝炎は、目立った症状がないのが特徴です。 禁酒・節酒を行わずアルコールの摂取を続けると、アルコール性肝炎や肝硬変を発症する可能性が高まります。 アルコール性肝炎の中でも、重症になると多臓器不全や意識障害を伴う場合があり、劇症肝炎と呼ばれます。 また、多量の飲酒によってアルコール性肝障害が進行すると、肝がんを発症するリスクも高まります。 ※参照:国立がん研究センター「肝がんの原因・症状について」 アルコール性肝硬変の末期症状と合併症の対処法 アルコール性肝硬変が重症化すると、以下のようなさまざまな症状や合併症を引き起こします。 腹水 吐き気・嘔吐 息切れ 食欲不振 腹部の膨張など 肝性脳症 手が震える 注意力の低下 性格の変化 昏睡など 食道動脈瘤 食道の静脈瘤に血液が溜まりこぶのようなものができる 破裂すると吐血・消化管出血などのリスクがある それぞれの合併症の対処法について詳しく紹介します。 腹水 腹水の対処法は、主に3つあります。 食事療法 利尿剤 腹水穿刺 腹水の発生・悪化を防ぐためには、食塩摂取量の制限が基本です。 塩分は体内に水分を保持する性質があることで過剰摂取すると腹水の悪化につながるため、塩分は1日に5~7g※にしましょう。 ※参照:日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)」2020年発行 また、腹水を体外へ排出するために、利尿剤(尿量を増やす薬)が処方されることがあり、体内に余分な水分が蓄積するのを防ぎます。 腹水が大量にたまり、腹部膨満や呼吸困難、食欲不振などの症状が強く現れる場合には、腹水穿刺(ふくすいせんし)という処置が行われます。 このように腹水は単なる症状ではなく、肝硬変の機能が低下した段階に入っているサインです。 進行を防ぐには断酒・栄養管理や、内科的・外科的治療などを組み合わせて全体的に病態のコントロールをすること必要です。 肝性脳症 肝性脳症とは、肝機能の低下により体内の有害物質(特にアンモニア)が解毒されずに脳へ到達し、意識障害や神経精神症状を引き起こす合併症です。 治療の基本は、主に以下の通りです。 誘因の除去 栄養療法 薬物療法 肝性脳症は、以下のような特定の誘因をきっかけに急激に悪化することが多いため、まずはそれらを的確に見つけ出し、排除することが最優先です。 便秘 タンパク質の過剰摂取 消化管出血 感染症 脱水・電解質異常 利尿薬の過剰投与 ※参照:J-Stage「日本内科学会雑誌第111巻第1号」 かつてはタンパク質制限が推奨されていましたが、現在は過度な制限は予後を悪化させるとされ、適正なタンパク質摂取の維持が重要とされています。 また薬物療法では腸内アンモニアの生成・吸収を抑えることを目的とした治療が中心になります。 肝性脳症は肝硬変が進行しているサインであり、放置すると昏睡や死亡に至ることもある重大な状態です。 しかし、誘因の早期除去・適切な栄養と薬物管理により、再発予防が期待できます。 ただし自己判断での食事制限はリスクも大きいため、医療機関と連携しながら治療を継続しましょう。 食道静脈瘤 食道静脈瘤は、肝硬変によって肝臓内の血流が悪くなり、門脈圧(門脈内の血圧)が上昇することで、食道の静脈が異常に膨らんだ状態です。 破裂すると大量吐血や消化管出血を引き起こし、命の危険が伴う深刻な状態になります。 破裂を未然に防ぐ、あるいは破裂後の止血を行うために、主に以下の2つの内視鏡的治療が用いられます。 食道静脈瘤硬化療法(EIS) 内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL) 食道静脈瘤硬化療法(EIS)は、内視鏡を使って食道静脈瘤に硬化剤(血管を固める薬)を注入し、静脈瘤を閉塞させる方法です。 瘤そのものに直接作用するため、再発リスクが比較的低いとされていますが、処置の際の合併症や身体への負担がやや大きいという側面もあります。 一方で、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)は内視鏡で静脈瘤を確認し、ゴムバンドで結紮(縛る)することで血流を遮断し、壊死・脱落させることで瘤を除去する治療法です。 患者の病態や静脈瘤の状態に応じて治療方法が異なるため、専門医と相談しながら治療方針を決定します。 アルコール性肝硬変の初期症状と早期発見のポイント アルコール性肝硬変の初期症状と早期発見のポイントは、以下の通りです。 初期症状|倦怠感や食欲不振など 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど)での早期発見 早期発見のための自己チェック 検査を欠かさない、自覚症状を見逃さない2点が重要です。 初期症状|倦怠感や食欲不振など 肝硬変の初期症状として、以下のようなものがあります。 慢性的な倦怠感 食欲不振 突然の食欲低下や慢性的な倦怠感といった症状が続く場合、肝炎や肝硬変の可能性が考えられます。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、自覚症状が現れにくく、気づいたときには病気が進行しているケースも少なくありません。 しかし、肝硬変へと進行する前の肝炎の段階で異変に気づき、早期に受診・治療を開始すれば、回復の可能性が期待できます。 気になる症状がある場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。 肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど)での早期発見 肝臓の異常は自覚症状が出にくいため、血液検査による早期発見が重要です。 AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPといった酵素の数値は、肝機能の状態を把握する基本的な指標です。 AST ・肝細胞に含まれる酵素で、肝臓にダメージがあると血液中に漏れ出し、数値が上昇します。 ・ALTは肝臓に特化しているため、肝炎などの診断に役立ちます。 ALT γ-GTP ・胆道や解毒機能に関わる酵素で、数値が高いと肝臓や胆道に何らかの異常がある可能性がある ASTやALTという酵素の数値を測る検査です。幹細胞が破壊されると血液中に控訴が漏れ出し、ASTやALTの数値が高くなります。 γ-GTPは胆道から分泌される酵素で、肝臓の解毒作用に深く関連しています。過度な飲酒や肝硬変、肝臓がんや胆石、胆管がんなどが原因で数値が高くなる可能性があります。 また、服用している薬の副作用によっても数値が上がるケースがあるので、医師に相談して薬の量を減らすなどの対策が必要です。 早期発見のための自己チェック 早期発見のため、普段からご自身の体調に気を配るようにしましょう。 肝硬変や肝炎のチェックポイントをご紹介します。以下の特徴に当てはまっている場合、肝炎などの可能性があります。 疲労感 倦怠感 食欲不振 吐き気 むくみやすい 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ、症状がない場合も多いです。人によっては疲労感や食欲不振などの症状が現れます。 もし原因不明の疲労感や吐き気がある場合は、医師に相談し適切な治療を受けましょう。 アルコール性肝硬変の治療 アルコール性肝硬変の治療法は、主に5つあります。 断酒 薬物療法 食事療法 肝移植 再生医療 アルコール性肝硬変の治療では、断酒が重要です。肝硬変の進行抑制はもちろん、肝機能の回復も期待できます。 薬物療法では、ビタミン剤やアミノ酸製剤が処方されます。肝臓保護や症状の緩和が目的です。薬物療法は完全な回復を目的とした治療法ではありません。 食事療法では脂肪分の少ない食事が推奨されます。ビタミンやミネラルを積極的にとりましょう。 肝臓の機能が著しく低下している場合、肝移植が検討されます。 再生医療は、低下した肝機能を改善できる可能性があります。肝硬変以外にも、脂肪肝においては血流促進による疲れやすさの改善などに寄与する可能性があるとされています。 【まとめ】アルコール性肝硬変になっても諦めず症状の緩和を目指して治療に臨もう アルコール性肝炎は、完治は困難ですが進行の抑制は可能です。 断酒や食生活の見直し、運動習慣をつけると肝機能の改善が期待できます。 アルコール性肝硬変は、合併症を引き起こすリスクも高まるため、普段の節酒やバランスの良い食事が大切です。 肝硬変を予防するため、普段から体調に気を配り、検査を受けるようにしましょう。 アルコール性肝硬変の治療法として、再生医療の選択肢もあります。患者さまの細胞を利用した治療法のため、拒否反応のリスクが低い安全な治療方法です。 再生医療については、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2020.02.18 -
- 肩
- 再生治療
スイングショルダー(ゴルフ肩)の症状が治らず、悩んでいる方はいませんか。スイングショルダーとは、ゴルフをプレーする際の動作によって起こる肩関節周囲の炎症です。 ゴルフを正しくない姿勢でプレーしたり、過度に打ちっぱなしを行ったりすると、スイングショルダーになりやすいため注意が必要です。 本記事では、スイングショルダーの原因や治療について紹介します。スイングショルダーの原因や治療法を理解して、ゴルフ肩を治しましょう。 この記事を読むとわかること スイングショルダーになる原因 スイングショルダーの治療法 ゴルフ肩(スイングショルダー)とは? ゴルフ肩(スイングショルダー)とは、ゴルフのプレーによって生じる肩関節周囲の損傷です。ゴルフのスイング動作は、肩周囲の筋肉の伸張、収縮を繰り返します。 筋肉や関節に大きな負担がかかると肩関節周囲が損傷し、疼痛(とうつう)やしびれなどの症状が現れます。 スイングショルダーの症状が出た場合は、無理してプレーせずに治療を受けるのが大切です。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患は? ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患の具体例は、以下のとおりです。 腱板損傷 腱板断裂 肩峰下インピンジメント 上腕二頭筋腱損傷 変形性関節症 肩関節の不安定性 ゴルフのスイング動作により引き起こされた、肩周囲の関節や腱の損傷は、スイングショルダーに分類されます。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状 ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状は、以下のとおりです。 肩甲骨内側の疼痛 肩から腕にかけてのしびれ感 首のだるさ 肩甲骨周りの可動域制限 スイングショルダーの人は、利き腕と反対側の肩が下がっているのが特徴です。症状がひどくならないうちに、治療を受けましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)になりやすい人 ゴルフ肩(スイングショルダー)は、スイング時の姿勢が崩れていたり、頻繁にゴルフを行ったりする人がなりやすいといわれています。スイング動作を無理に行った場合は、肩周囲に大きな負担がかかります。 トップの位置を高く上げ過ぎたり、グリップに力を入れ過ぎたりすると、ゴルフ肩になる可能性があるため注意が必要です。猫背の人や股関節が硬い人も、スイング動作の際に上手に体を動かせず、全身に大きな負担がかかります。 スイングショルダーの症状が悪化しないよう、ゴルフスイングの姿勢だけではなく、普段から姿勢を意識して過ごしましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方は、主に以下の3つです。 安静にする 鎮痛消炎剤での症状の緩和 専門家による治療を受ける ゴルフ肩(スイングショルダー)は、間違った知識で対策するとさらに症状を悪化させてしまう可能性があるため、医療機関で治療を受けるのがおすすめです。 安静にする ゴルフ肩(スイングショルダー)を治すためには、まず安静にしましょう。スイングショルダーの症状がある場合は、無理して動かさないようにし、筋肉を休ませてください。 スイングショルダーは、筋肉や関節の無理な動きが原因で起こります。誤った姿勢でスイングし続けたり、ゴルフを過度にやりすぎたりすると、さらに症状が悪化します。 ゴルフを続けるためにも、スイングショルダーの症状が落ち着くまで十分に休息をとりましょう。 鎮痛消炎剤での症状の緩和 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方に、鎮痛消炎剤を用いて症状の緩和を行う方法があります。鎮痛消炎剤には、ゲルやローション、湿布などさまざまな形態があります。 疼痛や腫れなどの症状が出現したら、すぐにプレーをやめてアイシングをし、患部の炎症を抑えてください。 鎮痛消炎剤には症状を和らげる作用があります。しかし、スイングショルダーが完治するわけではありません。症状が悪化する前に専門家に相談し、早めに治療を受けましょう。 専門家による治療を受ける ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、専門家による治療を受けることが大切です。専門家は、患者さんの症状に合わせて、適切な治療法を提案してくれます。 安易にストレッチを行い症状が悪化すると、競技復帰までに時間がかかります。適切な治療を早期から始め、症状の悪化を防ぎ回復を早めましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)から競技復帰までの期間とプロセス ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、競技復帰までに3〜6カ月の期間が必要です。症状の程度や治療開始スピードによって、治癒にかかる期間は異なります。 復帰までのプロセスは、まず痛みを軽減させるために安静や薬物療法を行います。症状が和らいだ後には、肩周りの筋力を強化し、可動域の改善を目的としたリハビリを開始する流れです。 治療開始が遅れたり、重度の症状が出現したりしたときは、回復に6カ月以上の期間が必要な場合もあります。重度のスイングショルダーは、外科的治療を行う可能性もあるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケア ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防できるケア方法には、以下の4つがあります。 肩関節周りの筋力強化 スイングフォームを見直す 軽い負荷から再開 ゴルフをする前にストレッチをする スイングショルダーになった経験がある人も、再発防止のために予防ケアを行うことが大切です。 肩関節周りの筋力強化 ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアの1つに、肩関節周りの筋力強化があります。肩関節周りの筋力を強化すると、スイング動作で使う筋肉や関節を上手に動かせます。 「ゴルフでは、肩関節周りだけでなく全身の筋肉を使うため、全体をバランスよく鍛えると予防に役立ちます。スクワットやプランクなどの筋力トレーニングを行い、筋力の強化を目指しましょう。 スイングフォームを見直す ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアに、スイングフォームの見直しがあります。スイングフォームを見直すと、筋肉や関節を正しく使えているかを確認できます。 以下の2つのポイントを意識し、スイングフォームを正しい姿勢に直しましょう。 手首に力を入れない 右打ちの場合はトップの位置を左手で押し込まない 正しいフォームでスイングを行えば、肩周囲に大きな負担がかかりません。 軽い負荷から再開 ゴルフ肩(スイングショルダー)の再発を予防するために、負荷が軽い動作から再開しましょう。負荷の軽い運動から再開すると、体にかかる負担を軽減できます。 ゴルフは全身を使うスポーツであるため、体への負荷が必然的に大きくなります。負担の少ない動きで体を徐々に慣らし、負荷が大きくなっても対応できる体をつくりましょう。 ゴルフをする前にストレッチをする ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防するには、ゴルフ前にストレッチを行うのが効果的です。ゴルフをプレーする前にストレッチをすると、筋肉がほぐれ体を柔軟に動かせます。 肩甲骨のストレッチ手順 1.胸を張り、大きく背伸びをする 2.挙げた手を横に移動させ、肩の高さまで下げる 3.10秒キープ 4.手のひらを上に向けて両肘をゆっくり近づける 5.1~4を3回繰り返す ストレッチは筋肉の伸びを意識して行うことが大切ですが、無理に動かすと体を痛めるリスクもあります。痛みを感じない程度に体を伸ばしましょう。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方まとめ ゴルフ肩(スイングショルダー)は、肩関節やその周囲の筋肉・腱に負担がかかり発症します。繰り返しのスイング動作や無理なフォームが原因となり、痛みや可動域の制限を引き起こします。 治療ではまず、痛みや炎症を和らげるため安静にするのが大切で、必要に応じて専門医の診察を受け、リハビリや治療を進めていきます。 また、近年注目されているPRP療法(多血小板血漿療法)も効果的な選択肢です。副作用のリスクが低く、早期回復が期待できるため、手術を避けたい方や再発を防ぎたい方におすすめです。 PRP療法をご検討の方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。
2020.02.17 -
- 幹細胞治療
- 再生治療
- 肝疾患
肝硬変は肝臓の組織が硬く変化(線維化)し、元に戻らなくなる進行性の病気で完全に治すことは難しいとされています ただし早期に発見し、原因に対処することで進行を抑え、肝機能を保つことは可能です。 しかし、「どのような治療を行えばいいの?」「生活習慣を改善するには何から始めればいいの?」と、不安や疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、肝硬変が治らないと言われている理由や従来の治療法について解説します。 肝硬変の進行に気づかず手遅れになる前に、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。 【結論】肝硬変は全てが治るわけではない|早期発見で進行を遅らせることが期待できる 肝硬変は、一度進行すると完全に元の健康な肝臓に戻すことが難しい病気です。 これは、肝臓の細胞が長期間にわたり炎症や損傷を受けることで、修復の過程で線維組織が過剰に増え、肝臓が硬くなる「線維化」が起こるためです。 しかし肝硬変は完治するのが難しい病気ですが、早期発見と適切な対応により、進行を食い止めることは可能です。 そのためには、以下のような取り組みが重要です。 定期的な肝機能検査(AST・ALT・γ-GTPなど) 生活習慣の見直し 医師による適切な診断と治療を継続する 自覚症状が出にくい病気だからこそ、定期的な健康診断と肝機能のチェックを心がけましょう。 肝硬変については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 従来の肝硬変の治療法 従来の肝硬変の治療法は病気を完全に治す治療ではなく、症状の進行を防ぐための治療が中心となるため、以下のような治療を行うのが一般的です。 肝炎の治療 肝庇護療法 免疫抑制剤の使用 食事療法 運動療法 これらの治療法は、肝臓の状態や肝硬変の原因、その他の要因を加味して決められます。 ただし、肝臓の状態を改善する治療法ではなく、現状の肝機能を維持することが目的です。 肝硬変の進行を抑えられる人の特徴とは? 肝硬変は、肝疾患の中でも最終段階に近い病態であり、完全に元の健康な肝臓に戻ることは基本的に難しいとされています。 しかし以下のような取り組みができている方は、肝機能の改善や進行抑制が期待できます。 禁酒や食生活の見直しなど、生活習慣の改善を実践している 病気の早期段階で適切な治療を開始している 定期的に肝機能検査や医師の診察を受けている また、幹細胞を用いた再生医療の選択肢もあります。 再生医療では、肝臓の炎症を抑え、線維化した組織の修復・再生を行うため、肝機能の改善が期待されています。 治療法などについては、以下で解説していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。 【まとめ】肝硬変は完治が難しい病気!早期対応と生活改善で進行を防ごう 肝硬変は、一度進行すると完全に元の健康な肝臓へ戻すことは難しいとされています。 しかし早期に発見して原因に対処し、適切な治療を行えば、進行を遅らせる・肝機能を維持することは可能です。 「少し調子が悪いかも」と感じた段階で医療機関に相談しましょう。 また近年では、自身の幹細胞を用いた再生医療の研究も進んでおり、新たな選択肢として注目されています。 再生医療による肝硬変治療にご興味のある方は、治療法について以下でご案内していますので、ぜひご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.12 -
- 肩
- 再生治療
肩が痛くて腕が上がらない・夜も痛みで眠れないといった、つらい症状が続いているのに、薬や湿布などでは思うような改善が見られない場合、五十肩の可能性があります。 今の治療に対して「本当にこのままでいいのか」「もっと根本的に治す方法があるのでは?」と疑問を感じている方も多いのではないでしょうか? しかし新しい治療法をいきなり試すのは不安という方も、いらっしゃると思います。 この記事では五十肩を治すための治療方法の全体像を整理したうえで、症状の段階に応じた適切な対策を詳しく解説します。 五十肩は適切な治療を行えば改善できる疾患です。 治療法や早く治すための対策を理解して、回復を目指しましょう。 また五十肩のようにリハビリが思うようにいかない関節拘縮に対して、効果的な治療法として再生医療も選択肢の一つになります。 手術を伴わないため、入院や長期の安静を必要とせず、日常生活に影響が少ないです。 具体的な症例や治療プロセスについては、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEにて詳しくご紹介していますのでぜひ参考にしてください。 五十肩を治す治療方法一覧 五十肩を治す治療方法は、主に以下の4つです。 リハビリテーション 物理療法 手術療法 再生医療による幹細胞治療・PRP療法 これらの治療法について、それぞれ詳しく解説します。 リハビリテーション 五十肩を治すには、運動療法を中心としたリハビリテーションが欠かせません。 五十肩には急性期、慢性期、回復期の3つの時期があり、症状によって必要なケアは異なります。 急性期は痛みが強い時期なので無理に肩を動かす必要はありませんが、慢性期以降は無理のない範囲で肩をストレッチします。 肩周辺の柔軟性や筋力の向上は、症状や痛みの緩和に効果的です。 物理療法 五十肩を治すには、温熱・寒冷による物理療法も効果的です。 痛みが強い場合は、氷のうやビニール袋に氷を入れてアイシングを行い炎症を抑えましょう。 炎症が落ち着いたら、患部を温めて血行を促進することで症状の緩和が期待できます。 医療機関では、ホットパックやマイクロ波などの機器を使用して温めます。 自宅では、お風呂にゆっくり浸かったり、蒸しタオルを使用したりしましょう。 手術療法 保存療法(リハビリや物理療法)で症状が改善しない場合は、手術療法を検討する場合があります。 関節鏡を使った手術により、癒着した組織を切り離したり、損傷した組織を再建・修復したりします。 手術は比較的負担が少なく、多くの方で症状の改善が期待できます。 ただし、手術が必要になるケースは限られており、ほとんどの五十肩は保存療法で改善できます。 再生医療による幹細胞治療・PRP療法 五十肩の早期回復を目指すのであれば、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療には主に幹細胞治療とPRP療法の2種類があります。 幹細胞治療 患者さまご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、損傷した肩関節周囲の組織に投与を行う治療 PRP療法 患者さまの血液から血小板を高濃度に抽出・濃縮し、患部に投与を行う治療 入院や手術は不要で、短期間での治療を目指すことが可能です。 また患者さま自身の幹細胞・血液を使用するため、拒絶反応など副作用リスクが少ないです。 五十肩の強い痛みにお悩みの方や、五十肩を放置してしまって治療が長引いている方は、当院(リペアセルクリニック)へお気軽にお問い合わせください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 五十肩(肩関節周囲炎)の原因 五十肩は、老化によって肩の筋肉や腱が硬くなり「腱板」や「関節包」に炎症が起こるのが原因です。 炎症が起こる主な部位について以下にまとめました。 部位 役割 肩腱板 肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉で、肩を安定させる役割を持つ 関節包 関節の保護する袋状の組織で、関節の動きをなめらかにする役割を持つ 五十肩の詳しい原因は解明されていませんが、加齢だけでなく血行不良やホルモンバランスの乱れも影響していると考えられています。 五十肩(肩関節周囲炎)の症状 五十肩は、肩や肩甲骨周辺の筋肉や関節に炎症が起きる疾患で、痛みで腕や肩を満足に動かせない場合があります。 五十肩の主な症状は以下のとおりです。 肩より上の荷物を取るときに痛みを感じる 髪を束ねる動作が困難になる 洋服の着替えで痛みが出る 頭を洗うときに肩が上がらない 洗濯物を干す動作ができない 五十肩を治療せずに放置していると、肩周辺の筋肉や組織などが委縮したり、夜も眠れないほどの痛みが出る可能性があります。 肩腱板断裂の可能性もあるので注意が必要 症状が長期に渡ったり、肩の痛みがあるものの腕が上がる方は、五十肩ではなく肩腱板断裂の可能性があります。 肩腱板断裂とは、肩と肩甲骨をつなぐ組織が断裂している疾患です。 五十肩との違いは、以下のように関節の動きが制限される症状が少ないことで、腕が上がらない状態にはなりづらいです。 肩の痛みはあるが腕を上げられる 腕の上げ下げをするとゴリゴリと音がする 肩を使う仕事やスポーツをしている人は注意しましょう。また、転んで手を付いた際にも発症する場合があります。 初期段階では、損傷した肩を三角巾などで固定し、患部の冷却や痛み止めの内服薬などの保存療法による治療を実施します。 保存療法で症状が改善しない場合は、損傷した組織を縫い付ける手術を行う場合があります。 日常的にできる五十肩を早く治すための対策 五十肩を早く治すには、症状の時期に応じた適切な対策を行うことが重要です。 五十肩の症状は「急性期」「慢性期」「回復期」の3つに分けられ、それぞれに適した対処法があります。 病期 時期の目安 症状 有効な対策 急性期 痛みを感じ始めて1ヶ月程度 肩の激しい痛み、関節の可動域が急速に狭くなる 安静にする、患部を冷やす 慢性期 急性期明けから6ヶ月程度 痛みは和らいでくる、関節が固まり可動域が狭くなる 無理のない範囲で肩のストレッチを行う、患部を温める 回復期 発症後6ヶ月〜1年程度 痛みはほとんどない状態、肩の引っかかり感が残る場合がある 肩の可動域を広げるリハビリを行う ここでは、日常的にできる五十肩を早く治すための対策として急性期・慢性期にできることを紹介します。 急性期 急性期は激しい痛みがある時期で、無理に動かさず安静にすることが重要です。 肩を動かさず安静を保つ 氷のうや保冷剤で患部を15〜20分間冷やす 三角巾やアームスリングで肩を固定する 痛み止めの薬を適切に使用する この時期に無理にマッサージをしたり、ストレッチをしたりすると炎症が悪化する可能性があります。 医師の指導に従って安静を保ち、必要に応じて薬を使用しましょう。 慢性期 慢性期になると痛みが和らぐため、温熱療法と軽い運動で肩の可動域を改善していきます。 お風呂にゆっくり浸かって患部を温める 蒸しタオルやホットパックで温熱療法を行う 痛みのない範囲でのストレッチや軽い運動 正しい姿勢を保ち、肩に負担をかけない 痛くない方の肩を下にして横向きで寝る 慢性期以降は温めることで血行が改善し、固くなった組織が柔らかくなります。 ただし、痛みを感じる動作は避け、無理をしないことが大切です。 五十肩を早く治したい方からよくある質問 五十肩の治療について、患者さまからよく寄せられる質問にお答えします。 五十肩を一瞬で治すマッサージ方法はありますか? 五十肩の痛みを悪化させてしまう行動は? 五十肩に湿布やロキソニンテープなどは有効? 五十肩を治すには肩の状態に応じた治療が重要! 適切な知識を持って治療に取り組みましょう。 五十肩を一瞬で治すマッサージ方法はありますか? 残念ながら、五十肩を一瞬で治すマッサージ方法は存在しません。 五十肩は肩関節周囲の炎症や組織の癒着が原因で起こるため、根本的な改善には時間が必要です。 急性期に強いマッサージを行うと、かえって炎症が悪化し症状が長引く可能性があります。 効果的な治療のためには、症状の段階に応じた適切なケアを継続することが重要です。 医師や理学療法士の指導のもと、段階的に治療を進めていきましょう。 五十肩の痛みを悪化させてしまう行動は? 五十肩の症状を悪化させる可能性がある行動は以下のとおりです。 急性期に強く揉んだりマッサージしたりする 痛みを我慢して無理に肩を動かす 重い荷物を持ち上げる動作を繰り返す 長時間同じ姿勢を続ける 患部を冷やし続ける(慢性期以降) とくに急性期は炎症が強いため、強い刺激は避けてください。 五十肩に湿布やロキソニンテープなどは有効? 湿布やロキソニンテープなどの外用薬は、一時的な痛みの緩和に効果がある場合があります。 これらの薬剤には消炎鎮痛成分が含まれており、炎症を抑えて痛みを和らげる働きがあります。 ただし、根本的な治療ではないため、湿布だけで完治することは期待できません。 湿布の使用と並行して、適切なリハビリや生活習慣の改善を行うことが大切です。 五十肩を治すには肩の状態に応じた治療が重要! 五十肩(肩関節周囲炎)の改善には、その人の症状の進行度や肩の状態に合わせた治療やリハビリが必要です。 「そのうち治るだろう」と放置してしまう方もいますが、症状が重くなると、回復までの期間も長期化し、肩関節の癒着(関節拘縮)により可動域が著しく制限されるリスクもあります。 軽度であれば自然に回復するケースもありますが、以下のような兆候がある場合は早めに医療機関へ受診しましょう。 夜間痛が続いて眠れない 洗髪や着替えなどの日常動作が困難 リハビリをしているが改善が感じられない 五十肩の治療では、一般的に消炎鎮痛薬、注射、理学療法(リハビリ)などが用いられますが、慢性化して改善が見込めないケースや、関節拘縮が進んでしまったケースでは、再生医療が新たな選択肢となります。 「自分に合うかどうかをまず知りたい」「詳しい情報を確認してから検討したい」という方は、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで、症例や治療の流れ、費用などをご案内しています。 気になる方は、ぜひ以下から詳細をご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2020.02.11