ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方は?競技復帰までの期間や予防法
公開日: 2020.02.17更新日: 2024.12.04
スイングショルダー(ゴルフ肩)の症状が治らず、悩んでいる方はいませんか。スイングショルダーとは、ゴルフをプレーする際の動作によって起こる肩関節周囲の炎症です。
ゴルフを正しくない姿勢でプレーしたり、過度に打ちっぱなしを行ったりすると、スイングショルダーになりやすいため注意が必要です。
本記事では、スイングショルダーの原因や治療について紹介します。スイングショルダーの原因や治療法を理解して、ゴルフ肩を治しましょう。
この記事を読むとわかること
|
目次
ゴルフ肩(スイングショルダー)とは?
ゴルフ肩(スイングショルダー)とは、ゴルフのプレーによって生じる肩関節周囲の損傷です。ゴルフのスイング動作は、肩周囲の筋肉の伸張、収縮を繰り返します。
筋肉や関節に大きな負担がかかると肩関節周囲が損傷し、疼痛(とうつう)やしびれなどの症状が現れます。
スイングショルダーの症状が出た場合は、無理してプレーせずに治療を受けるのが大切です。
ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患は?
ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因となる疾患の具体例は、以下のとおりです。
- ・腱板損傷
- ・腱板断裂
- ・肩峰下インピンジメント
- ・上腕二頭筋腱損傷
- ・変形性関節症
- ・肩関節の不安定性
ゴルフのスイング動作により引き起こされた、肩周囲の関節や腱の損傷は、スイングショルダーに分類されます。
ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状
ゴルフ肩(スイングショルダー)の主な症状は、以下のとおりです。
- ・肩甲骨内側の疼痛
- ・肩から腕にかけてのしびれ感
- ・首のだるさ
- ・肩甲骨周りの可動域制限
スイングショルダーの人は、利き腕と反対側の肩が下がっているのが特徴です。症状がひどくならないうちに、治療を受けましょう。
ゴルフ肩(スイングショルダー)になりやすい人
ゴルフ肩(スイングショルダー)は、スイング時の姿勢が崩れていたり、頻繁にゴルフを行ったりする人がなりやすいといわれています。スイング動作を無理に行った場合は、肩周囲に大きな負担がかかります。
トップの位置を高く上げ過ぎたり、グリップに力を入れ過ぎたりすると、ゴルフ肩になる可能性があるため注意が必要です。猫背の人や股関節が硬い人も、スイング動作の際に上手に体を動かせず、全身に大きな負担がかかります。
スイングショルダーの症状が悪化しないよう、ゴルフスイングの姿勢だけではなく、普段から姿勢を意識して過ごしましょう。
ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方
ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方は、主に以下の3つです。
- ・安静にする
- ・鎮痛消炎剤での症状の緩和
- ・専門家による治療を受ける
ゴルフ肩(スイングショルダー)は、間違った知識で対策するとさらに症状を悪化させてしまう可能性があるため、医療機関で治療を受けるのがおすすめです。
安静にする
ゴルフ肩(スイングショルダー)を治すためには、まず安静にしましょう。スイングショルダーの症状がある場合は、無理して動かさないようにし、筋肉を休ませてください。
スイングショルダーは、筋肉や関節の無理な動きが原因で起こります。誤った姿勢でスイングし続けたり、ゴルフを過度にやりすぎたりすると、さらに症状が悪化します。
ゴルフを続けるためにも、スイングショルダーの症状が落ち着くまで十分に休息をとりましょう。
鎮痛消炎剤での症状の緩和
ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方に、鎮痛消炎剤を用いて症状の緩和を行う方法があります。鎮痛消炎剤には、ゲルやローション、湿布などさまざまな形態があります。
疼痛や腫れなどの症状が出現したら、すぐにプレーをやめてアイシングをし、患部の炎症を抑えてください。
鎮痛消炎剤には症状を和らげる作用があります。しかし、スイングショルダーが完治するわけではありません。症状が悪化する前に専門家に相談し、早めに治療を受けましょう。
専門家による治療を受ける
ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、専門家による治療を受けることが大切です。専門家は、患者さんの症状に合わせて、適切な治療法を提案してくれます。
安易にストレッチを行い症状が悪化すると、競技復帰までに時間がかかります。適切な治療を早期から始め、症状の悪化を防ぎ回復を早めましょう。
ゴルフ肩(スイングショルダー)から競技復帰までの期間とプロセス
ゴルフ肩(スイングショルダー)になった場合は、競技復帰までに3〜6カ月の期間が必要です。症状の程度や治療開始スピードによって、治癒にかかる期間は異なります。
復帰までのプロセスは、まず痛みを軽減させるために安静や薬物療法を行います。症状が和らいだ後には、肩周りの筋力を強化し、可動域の改善を目的としたリハビリを開始する流れです。
治療開始が遅れたり、重度の症状が出現したりしたときは、回復に6カ月以上の期間が必要な場合もあります。重度のスイングショルダーは、外科的治療を行う可能性もあるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケア
ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防できるケア方法には、以下の4つがあります。
- ・肩関節周りの筋力強化
- ・スイングフォームを見直す
- ・軽い負荷から再開
- ・ゴルフをする前にストレッチをする
スイングショルダーになった経験がある人も、再発防止のために予防ケアを行うことが大切です。
肩関節周りの筋力強化
ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアの1つに、肩関節周りの筋力強化があります。肩関節周りの筋力を強化すると、スイング動作で使う筋肉や関節を上手に動かせます。
「ゴルフでは、肩関節周りだけでなく全身の筋肉を使うため、全体をバランスよく鍛えると予防に役立ちます。スクワットやプランクなどの筋力トレーニングを行い、筋力の強化を目指しましょう。
スイングフォームを見直す
ゴルフ肩(スイングショルダー)の予防ケアに、スイングフォームの見直しがあります。スイングフォームを見直すと、筋肉や関節を正しく使えているかを確認できます。
以下の2つのポイントを意識し、スイングフォームを正しい姿勢に直しましょう。
|
正しいフォームでスイングを行えば、肩周囲に大きな負担がかかりません。
軽い負荷から再開
ゴルフ肩(スイングショルダー)の再発を予防するために、負荷が軽い動作から再開しましょう。負荷の軽い運動から再開すると、体にかかる負担を軽減できます。
ゴルフは全身を使うスポーツであるため、体への負荷が必然的に大きくなります。負担の少ない動きで体を徐々に慣らし、負荷が大きくなっても対応できる体をつくりましょう。
ゴルフをする前にストレッチをする
ゴルフ肩(スイングショルダー)を予防するには、ゴルフ前にストレッチを行うのが効果的です。ゴルフをプレーする前にストレッチをすると、筋肉がほぐれ体を柔軟に動かせます。
肩甲骨のストレッチ手順 1.胸を張り、大きく背伸びをする 2.挙げた手を横に移動させ、肩の高さまで下げる 3.10秒キープ 4.手のひらを上に向けて両肘をゆっくり近づける 5.1~4を3回繰り返す |
ストレッチは筋肉の伸びを意識して行うことが大切ですが、無理に動かすと体を痛めるリスクもあります。痛みを感じない程度に体を伸ばしましょう。
ゴルフ肩(スイングショルダー)の治し方まとめ
ゴルフ肩(スイングショルダー)は、肩関節やその周囲の筋肉・腱に負担がかかり発症します。繰り返しのスイング動作や無理なフォームが原因となり、痛みや可動域の制限を引き起こします。
治療ではまず、痛みや炎症を和らげるため安静にするのが大切で、必要に応じて専門医の診察を受け、リハビリや治療を進めていきます。
また、近年注目されているPRP療法(多血小板血漿療法)も効果的な選択肢です。副作用のリスクが低く、早期回復が期待できるため、手術を避けたい方や再発を防ぎたい方におすすめです。
PRP療法をご検討の方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。