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肝臓が悪いと言われたら | どのような症状が出るか解説!

公開日: 2020.02.02
更新日: 2024.11.19

肝臓の働きには代謝や解毒、胆汁の生成分解などがあり、体の中の化学工場とも言われていて、とても重要な役割を果たしています。ただ肝臓は、病気の症状が現れにくく、なかなか気づくことができないという特徴があります。

肝臓の病気は進行すると、肝硬変や肝臓がんなど、重篤な病気になってしまう可能性が高いため、早く病気に気づくことが大切です。そこで、肝臓が悪くなると、どんな症状が出るのか知っておきたいものです。

そうすれば万が一そのような症状が出てしまった場合でも、意識して早急に医療機関を受診することができるようになり、早期発見、早期治療といった理想的な状況を得ることが可能になります。

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肝臓が悪いと現れる症状

肝臓が悪いと出る症状

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれるほど、初期段階では症状が出にくい臓器です。しかし、進行すると多様な症状が現れます。肝臓が悪くなると現れる主な症状について解説します。

全身倦怠感と疲労感

肝臓の機能が低下すると、全身に倦怠感を感じやすく、疲れやすくなり、日常的な活動でもすぐに疲労を感じるようになります。これは、肝臓が正常に働かないために代謝が乱れ、疲労物質が蓄積されやすくなるためです。

食欲低下と消化不良

肝臓が悪化すると、食欲が低下することがあります。食欲がわかず、消化不良や嘔気を感じることが多くなります。肝臓の働きが鈍ることで、消化に必要な胆汁の分泌が減少し、食べ物の消化が困難になるためです。

黄疸と皮膚のかゆみ

肝臓の機能低下が進むと、黄疸が現れることがあります。黄疸は皮膚や眼の白い部分が黄色くなる症状で、肝臓がビリルビンと言われる黄色の色素を正常に処理できなくなることが原因です。また、皮膚のかゆみも肝臓の異常を示す症状の一つで、ビリルビンや胆汁酸が体内に蓄積されることで生じます。

からだのむくみと腹水

肝臓の働きが鈍ると、からだのむくみや腹水が溜まることがあります。肝臓が正常に血液を処理できなくなり、血液や体液が滞るためです。特に足や顔がむくみやすくなり、進行すると腹部に大量の腹水が溜まることもあります。

視力の低下と目の疲れ

肝臓の機能低下により、目に健康な血液が十分に供給されなくなると、視力低下や目の疲れ、ぼやける、かすむといった症状が現れます。また、ドライアイの症状も肝臓の異常を示すサインになることがあります。

吐血と意識障害

肝臓病が重篤化すると、吐血や意識障害が現れることがあります。これは、肝硬変や肝臓がんが進行し、肝臓の機能が低下するためです。吐血は肝臓の異常によって消化管の血管が破れやすくなるために起こります。意識障害は、肝臓が正常でなくなり、体内に毒素が蓄積されて脳に影響を及ぼします。

受診の重要性

以上の症状が見られる場合、早めに医療機関を受診することが重要です。肝臓の異常は、ウイルス感染、自己免疫異常、薬の副作用などさまざまな原因で引き起こされます。血液検査やCT、超音波検査などの画像診断を通じて、肝臓の状態を確認し、適切な治療を受けることが必要です。

知っておくべき肝臓の病気

早期発見に向け、肝臓が悪いとどんな症状が出るのか…急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変といった病気について解説します。

急性肝炎

急性肝炎の原因は、アルコール、薬物、ウイルス、自己免疫などがあり、主な症状は以下の通りです。

  • ・倦怠感
  • **・**食欲不振
  • ・尿の色が濃くなる
  • ・皮膚や白目が黄色くなる

症状は個人差があります。これらで違和感や不安があるときは迷わず医師にご相談ください。軽度の急性肝炎は安静にして食事に気をつけることで、ほとんどの場合、治ってしまいますが、重症の場合は、入院して点滴治療を行うことがあります。

慢性肝炎

6ヶ月以上肝炎が治らない場合は、慢性肝炎と診断されます。原因の約70%は、「C型肝炎」といわれるもので、残りがB型肝炎や原因不明で起こる肝炎になります。ただ自覚症状が少なく、気が付かない場合もあるため、以下のような症状があったり、感じたらご注意が必要です。医療機関での早めの受診をおすすめします。

慢性肝炎の主な症状は以下の通りです。

  • ・倦怠感
  • ・皮膚のかゆみ
  • ・発熱や頭痛
  • ・吐き気
  • ・食欲不振
  • ・尿が濃い茶色になる

慢性肝炎を放置すると肝硬変や肝臓がんなどの重い肝臓疾患になることが可能性があるため、注意が必要です。

しかし、適切な治療を行えば病気の進行を止めることが可能です。尚、「慢性化したB型肝炎」と「C型肝炎」は自然治癒が難しい病気です。早めに受診され、専門医にご相談ください。

B型慢性肝炎

B型慢性肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染して発症し、6か月以上持続する肝炎のことを指します。急性肝炎から慢性化するケースがあり、特に幼少期や出生時に感染すると慢性化する確率が高いです。

成人が感染した場合、免疫系がウイルスを排除することが多いため、慢性化する割合は低いですが、一部の人々では慢性肝炎に進行することがあるので注意が必要です。

B型慢性肝炎は、自覚症状が少なく、特に初期段階では症状が現れないことが多いものの進行すると以下のような症状が見られます。

  • ・倦怠感
  • ・疲労感
  • ・食欲不振
  • ・腹部の違和感

さらに、肝機能が低下すると、黄疸(皮膚や目が黄色くなる)、褐色尿、下痢などの症状も出現することがあります。これらの症状が現れた場合には、早期の診断と治療が重要です。

B型慢性肝炎の診断には、血液検査が用いられ、場合によっては肝臓の状態を詳しく確認するために超音波検査やCTスキャン、MRIなどの画像検査が行われることもあります。

治療については、肝機能障害が軽度であれば、抗ウイルス薬(核酸アナログ製剤やインターフェロンなど)の内服が主な方法となります。これにより、ウイルスの増殖を抑え、肝臓の炎症を軽減させることができます。

一方、重度の肝機能障害や肝硬変が進行している場合には、肝移植を検討することもあります。

B型慢性肝炎は、長期間治療が必要となることが多く、定期的な検査や専門医によるフォローアップが不可欠です。ウイルスの排除が困難であるため、治療を中断すると病状が悪化するリスクが高まるため、患者は継続的な医療管理の下で生活することが求められます。


C型慢性肝炎

C型慢性肝炎とは、C型肝炎ウイルス(HCV)に感染し、肝炎の状態が6か月以上続いている状態を指します。この病気は、初期段階ではほとんど自覚症状がないため、知らないうちに慢性化し、進行する可能性があります。

C型肝炎は血液を介して感染するため、感染経路に注意が必要です。注射をする際に滅菌されていない注射針を共有することが、最も多い感染経路とされています。

過去には輸血や臓器移植による感染もありましたが、現在ではほとんど見られなくなっています。他にも、血液や体液を介した感染があり、性交渉や母子感染もありますが、B型肝炎に比べて発症率は低いとされています。

C型慢性肝炎の症状は、初期段階ではほとんどありません。しかし、進行すると肝硬変や肝臓がんに発展するリスクがあります。肝硬変や肝がんが発症すると治療が難しく、患者の生活の質が著しく低下します。

しかし、治療方法については、ここ数年で大きな進展がありました。

以前はインターフェロンと呼ばれる薬を使用していましたが、現在では直接作用型抗ウイルス薬が主流となり、副作用が少なく、治療成功率も非常に高くなりました。

ただし、治療には注意点もあります。例えば、治療薬の選択を誤ると、ウイルスを完全に排除できず、耐性ができる可能性があるからです。さらに、一度治療に失敗すると、以後の治療が難しくなる場合があるため、治療方針を慎重に見極めて適切に治療しなければなりません。

C型慢性肝炎は、初期段階での自覚症状が少ないため、定期的な健康診断や血液検査を受けることが早期発見と治療に繋がります。


脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態を指します。主に中性脂肪が肝細胞内に多く蓄積することで起こります。この状態が続くと、肝炎や肝硬変、肝がんなどの深刻な病気に進展するリスクが高まります。

脂肪肝の主な原因は、過剰な飲酒、肥満、運動不足、不規則な食生活などの生活習慣です。特にアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝の二つに大別され、アルコール性脂肪肝は長期にわたる過剰な飲酒によって引き起こされます。

一方、非アルコール性脂肪肝は飲酒とは無関係で、主に肥満や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病に関連して発症します。

肝臓は脂肪をエネルギー源として利用するため、脂肪を生成し蓄積する能力があります。しかし、摂取するエネルギーが消費するエネルギーを上回ると、余剰なエネルギーが脂肪として蓄積されます。これが脂肪肝の原因となります。

脂肪肝は一般的に自覚症状がほとんどなく、初期段階では症状が現れにくいことが多いです。しかし、進行すると倦怠感や疲労感、肩こり、頭がぼんやりするなどの症状が現れることがあります。これらの症状は日常生活においても影響を及ぼすため、早期に発見し、適切な対処を行うことが重要です。

脂肪肝の診断には、血液検査や腹部超音波検査が有効です。血液検査では、肝機能を示す数値(ALT、AST、γ-GTP)が上昇することが多いです。腹部超音波検査では、脂肪が蓄積した肝臓が白っぽく見えることから、簡単に確認することができます。

脂肪肝の予防と改善には、生活習慣の見直しが不可欠です。バランスの取れた食事、適度な運動、適切な休養を心がけることが大切です。

特にカロリーコントロールを意識し、過剰な飲酒や過食を避けることが重要です。また、定期的な健康診断を受け、肝機能をチェックすることも効果的です。

このように、脂肪肝は生活習慣と密接に関連しており、予防と改善には自身の生活習慣を見直すことが不可欠です。


非アルコール性脂肪性肝炎

非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、主に肥満や糖尿病などの生活習慣病に関連して発症する肝炎です。この病態では、肝臓に脂肪が異常に蓄積し、それが炎症を引き起こします。

見逃せないのは、この疾患がアルコールの摂取に関係なく進行する点です。日本では、人間ドックなどの健康診断で診断される脂肪肝の中で、およそ20~30%が非アルコール性脂肪肝とされ、そのうち10~20%がNASHに進行するとされています。

NASHは、単なる脂肪肝とは異なり、肝硬変や肝臓がんなどの深刻な合併症に進展するリスクがあります。そのため、早期に診断を受け、生活習慣の改善や適切な治療が重要です。

治療法としては、食事療法や運動療法による体重管理、糖尿病や脂質異常症の治療、必要に応じて薬物療法が行われます。ただし、治療効果が不十分な場合や進行した場合には、肝移植などの選択肢も考慮されます。

NASHの症状は初期段階ではほとんど現れず、進行すると疲労感や腹部の不快感などが現れることがあります。定期的な健康診断や肝機能のモニタリングが重要であり、早期発見・早期治療が合併症を予防する鍵となります。


アルコール性肝障害

アルコール性肝障害とは、長期間にわたって大量のアルコールを摂取することによって肝臓が損傷を受ける疾患の総称です。

肝臓はアルコールを分解する主要な器官であり、アルコールの代謝過程で生成される有害物質が肝細胞を傷つけ、炎症を引き起こします。これにより、肝臓の機能が低下し、さまざまな健康問題が発生します。

アルコール性肝障害は、大きく3つの段階に分けられます。

  • アルコール性脂肪肝(初期)

過剰なアルコール摂取によって肝臓に脂肪が蓄積する状態であり、症状は比較的軽度です。

  • アルコール性肝炎(中期)

アルコール性肝炎では、肝臓に炎症が生じ、肝細胞が破壊され、更に肝機能が低下します。

  • アルコール性肝硬変(末期)

アルコール肝硬変では、肝臓の組織が線維化し、硬くなるため、正常な機能が失われます。この状態が続くと、肝不全や肝がんに進展することもあります。

アルコール性肝障害は、見た目にはわからない場合が多く、健康診断などで初めて発見されることがよくあります。

具体的な症状として以下のようなものがあります

  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 黄疸(皮膚や目が黄色くなる)

また、肝硬変が進行すると、腹水(お腹に水がたまる)、浮腫(むくみ)、肝性脳症(肝臓の機能低下による脳の障害)などの深刻な症状が現れます。

アルコール性肝障害を予防するためには、飲酒量を適度に抑えることが最も重要です。一般的には、男性で1日あたりのアルコール摂取量を20g未満、女性で10g未満にすることが推奨されています。具体的には、ビール中瓶1本(500ml)や日本酒1合(180ml)が約20gのアルコールに相当します。飲酒の頻度や量を減らすことで、肝臓への負担を軽減し、肝障害のリスクを下げることができます。

治療法としては、アルコールを完全に断つことが基本です。

アルコールの摂取を中止することで、肝臓の損傷を回復させることができます。さらに、栄養療法や薬物療法、心理療法などを組み合わせて治療を行います。重度の肝硬変や肝不全の場合は、肝移植が必要となることもあります。

アルコール性肝障害は、自分の意思で予防や治療が可能な疾患です。健康的な飲酒習慣を心がけ、定期的に健康診断を受けることで、早期発見・早期治療ができます。また、アルコール依存症の治療が必要な場合は、専門医の指導を受けることが重要です。


肝硬変

慢性肝炎が長期化すると、肝臓の組織が線維化し硬くなり、肝硬変になります。肝硬変になると元の状態に戻すことは難しくなるため、こちらも早めの発見と治療が大切です。肝硬変の主な症状は以下の通りです。

  • ・足がむくむ
  • ・腹水がたまる
  • ・黄疸が出る
  • ・腹部静脈が盛り上がる
  • ・意識障害が起こる

初期の肝硬変は、ほとんど症状がありません。早く病気を発見するためには定期的に検診を受けましょう。検診で異常を指摘されたら、症状がなくても病院を受診してください。

自己免疫性肝疾患とは

自己免疫性肝疾患とは、自己免疫反応が原因で肝臓が障害される病気の総称です。主に自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎の3つがあります。

  • 自己免疫性肝炎(AIH)は、自己免疫反応により肝細胞が攻撃されて慢性肝炎を引き起こす病気です。50歳から60歳代の中年以降の女性に多く見られますが、若い女性や小児でも発症することがあります。治療には、免疫抑制薬が使用され、これによって肝機能は改善しますが中止すると、再燃する可能性が高いため、長期間内服することが必要になります。
  • 原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、肝臓内の細い胆管が慢性的な炎症により破壊され、胆汁が流れにくくなることで肝臓に胆汁が停滞して、肝臓の細胞が障害される病気です。

中年以降の女性に多く見られ、50歳代が発症の中心です。初期症状として皮膚のかゆみや黄疸が現れ、進行した場合には肝移植を検討することもあります。

  • 原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝臓内外の胆管が障害されることで胆汁が停滞し、肝臓に炎症を引き起こす病気です。発症年齢には20歳代と60歳代の2つのピークがあり、若年層では潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も合併しやすいとされています。

症状には黄疸やかゆみがあり、診断には胆管造影検査が必要です。治療は内服薬や内視鏡による治療が行われ、内科的治療でコントロールされない場合には肝移植の検討も必要となります。

自己免疫性肝疾患は、発症メカニズムが完全には解明されておらず、遺伝的要因や環境要因が関与していると考えられています。また家族内で発症するケースもごくまれですが報告されています。

食事や生活習慣に注意を払い、感染予防にも努めることが大切です。


予防 生活習慣を改善することも大切


食事のバランスを整える

肝機能を向上させるためには、食事のバランスを整えることが重要です。具体的には、主食・主菜・副菜を揃えた食事を心がける必要があります。

まず、主食とは、ご飯やパン、麺類などの炭水化物です。炭水化物はエネルギー源となり、日常の活動を支えます。一方で、主菜は肉、魚、大豆製品などのタンパク質を含む食品です。タンパク質は筋肉や臓器の修復と成長に必要不可欠です。最後に、副菜には野菜、きのこ、海藻などが含まれ、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。これらの栄養素は、体の機能を正常に保つために必要です。

特に外食時には、栄養バランスが崩れがちです。例えば、ラーメンやカレーライスなどの単品料理は、主食と主菜は満たすものの、副菜が不足しがちです。このような場合には、サラダや野菜スープなどを追加すると良いでしょう。

また、コンビニで食事を購入する際には、弁当だけでなく、カット野菜やサラダを一緒に購入することをおすすめします。

脂肪肝を予防するためには、高脂肪な食事を避け、適正カロリーを守ることも大切です。脂肪肝は肝臓に脂肪が蓄積される状態で、進行すると肝炎や肝硬変を引き起こす可能性があります。高脂肪な食事を続けると、肝臓に負担がかかり、脂肪が蓄積されやすくなります。そのため、脂肪分の少ない食品を選び、適量を心がけましょう。

さらに、肝機能が低下すると、肝臓がビタミンを蓄える力も弱まります。したがって、緑黄色野菜やきのこ類、海藻類などのビタミンとミネラルを豊富に含む食材を積極的に摂取することが大切です。また、食物繊維は余分な糖や脂質の吸収を妨げ、体外に排出する働きがありますので、これも意識的に摂取しましょう。

以上のように、食事のバランスを整えることで、肝機能を保ち、健康な生活を送ることができます。少しずつ取り入れてみてください。


適度な運動

肝機能の改善や健康維持には、適度な有酸素運動が非常に効果的です。特に、非アルコール性脂肪性肝疾患の改善には、有酸素運動が有効です。

ウォーキングやジョギングなどの運動を毎日30分以上行うことで、肝臓にたまった脂肪を減少させることが期待できます。

有酸素運動とは、酸素の消費量と供給量が見合った運動のことで、ウォーキング、ジョギング、ダンス、縄跳び、テニス、卓球などが含まれます。

さらに、有酸素運動は筋肉の維持にも役立ちます。筋肉は、糖質代謝やアンモニア代謝をつかさどり、肝臓の機能を補完する役割があります。肝臓病患者にとって、筋肉を維持することは肝臓の負担を軽減し、全体的な肝機能の向上につながるため大切です。

また、有酸素運動はストレスの軽減にも効果があります。通勤や日常生活にウォーキングを取り入れるだけでも、ストレスを軽減し、心身の健康に良い影響を与えます。

運動の効果は、身体的な健康だけでなく、生活の質(QOL)の向上にも寄与します。病気になると生活の質が低下しがちですが、適度な運動を取り入れることで、生活にハリが生まれ、生きがいを感じられるようになります。

適度な運動を生活に取り入れることで、肝臓の健康を保ち、全体的な生活の質を向上させることができます。


休肝日をつくる


休肝日(きゅうかんび)は、肝臓を休めるために週に1日以上飲酒しない日を設けることを目的としています。この習慣を取り入れることで、肝臓の負担を軽減し、健康を維持することができます。毎日飲酒すると、肝臓には中性脂肪が蓄積し、胃や腸の粘膜も荒れやすくなります。これらの臓器の修復には休息が必要です。

アルコールは中性脂肪を生成し、肝臓はこれを分解・処理します。しかし、過度な飲酒は肝臓の処理能力を超えてしまい、肝機能障害を引き起こしかねません。適度な飲酒量を守ることが重要であり、具体的には日本酒で1~2合が目安とされています。

やり方については週に5日続けて飲酒し、残りの2日を連続して休肝日にするのではなく、2~3日飲んで1日休むという習慣を作るほうが肝臓や消化管の粘膜の修復が効果的に行われます。

尚、習慣的な飲酒は依存性を高め、飲酒量が増加する危険性があります。休肝日を設けることで、飲酒総量を減少させ、肝障害を予防できる可能性があります。休肝日を取り入れることで、肝臓の健康を保ち、長期的な健康リスクを減らすことができます。少しずつでも習慣にしてもらえればと思います。


まとめ

肝臓は沈黙の臓器と言われ、悪くなっても症状が自覚しにくく発見が遅れがちになります。そのため、どんな症状が出るのか事前に知っておくことは非常に大切です。そこで急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変の主な症状について解説しました。

これらの症状があったり、違和感を感じられたら、間違っていても良いので、まずは早めの受診をお薦めします。肝臓疾患は、症状が無いからといって油断できない病気です。

早期発見、早期治療が大切。また予防としては毎年の健康診断の結果に注意し、症状に心当たりがあれば積極的に医療機関にて検査を受けられることを強くお勧めします。

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