TFCC損傷における湿布貼り方を解説!その他セルフケアについても紹介
公開日: 2019.11.24更新日: 2024.10.16
手首に発症するTFCC損傷は、ドアノブを回すときや手首を振る動作などで疼痛がでます。多くの方が痛みに悩まされており、湿布で対応している方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、TFCC損傷における効果的な湿布の貼り方を紹介します。その他TFCC損傷に関する情報を掲載しているので、ぜひ参考にしてください。
- ・TFCC損傷における湿布貼り方
- ・TFCC損傷のセルフケア
目次
TFCC損傷における湿布の貼り方
TFCC損傷における湿布の貼り方は以下のとおりです。
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TFCC損傷は手首の外側(小指側)にかけて炎症します。
手首は普段からよく動かす部位であることから、上手に湿布を貼らないとすぐに剥がれてしまいます。そのため湿布の切り方を工夫した上で、包帯やテーピングで湿布を覆うように固定するのがコツです。
【注意】湿布は治療期間を長引かせることもある
- ・疼痛症状の緩和=完治と勘違いする
- ・変色や変形の発見が遅れる
- ※湿布は痛みの緩和として補助的に利用されます。根本的な解決にはつながりません!
TFCC損傷の治療において患部に炎症がある場合、炎症を抑え痛みの症状を緩和できます。
しかし、湿布は急場の対応として有効ですが根本的な解決にはなりません。
痛みが和らぐことで安心し、完治しないまま放置してしまう可能性があるため、治療期間が長引く危険性さえあります。
外傷がないため「この程度なら大丈夫」「たいしたことはない」といった油断は禁物です。日常生活やスポーツなどが原因で手首の痛みや違和感が生じた場合は、整形外科をはじめとする専門医の診断を受けることをおすすめします。
TFCC損傷とは
TFCC(三角繊維軟骨複合体)とは、橈骨と尺骨といった2つの骨の間を結ぶ靭帯や腱、軟骨などの組織からなり、手首の関節を安定させるための組織です。手首を動かす際に衝撃を和らげるクッションの役割も果たしています。
対してTFCC損傷とは、手首の小指側にある関節の疾患です。手首の三角線維軟骨複合体と呼ばれる軟部組織が損傷し発症します。
小指側の手首を曲げたり、押したりすると痛みが発症します。
手首の酷使や大きな衝撃を受けた場合に起こりますが、加齢による損傷も発生します。加齢によるTFCC損傷は無症状なこともあります。
TFCC損傷の原因
TFCC損傷の原因は、急性外傷と慢性的負担によって引き起こされ、それぞれで受傷機転が異なります。
主な原因 | |
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急性外傷 |
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慢性的負担 |
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また、以下の行為を日常的におこなっている方はTCFF損傷の発症リスクが高いです。手首に違和感を感じたら早期に医療機関を受診しましょう。
TCFF損傷が起こりやすい場面 | |
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日常生活 |
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スポーツ |
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TFCC損傷の症状
TFCC損傷の症状は以下の通りです。
たとえば、日常生活でドアノブを捻る・料理で鍋を持ち上げる・包丁を使うなどの日常的な行為で症状が出たり、ラケットやバットを使ったスイングなどのスポーツによる損傷は鋭い疼痛が発生したりします。
TFCC損傷のセルフケア
湿布の効果や貼り方を理解いただいたところで、この項目ではTFCC損傷における湿布以外のセルフケア方法を紹介します。
- ・サポーターやテーピングによる固定
- ・肘や肩のマッサージ、ストレッチ
まずは、損傷した部分を安静に保つことが大切です。サポーターやテーピングで手首の固定からはじめてみましょう。サポーターやテーピングは、ドラッグストアや薬局で簡単に購入可能です。
また、肘や肩を酷使して筋肉が硬くなってしまうと、手首に負担がかかりやすくなります。そこでおすすめしたいのが、肘や肩のマッサージ・ストレッチです。
肘や肩付近の皮膚を軽くつまんで皮膚が硬くなっている部分があったら、そのあたりの筋肉をほぐしていきましょう。
TFCC損傷の痛みに悩む方からよくある質問
TFCC損傷で悩む方々からはさまざまな質問がよせられます。
そこでこの項目では、とくに多い2つの質問に対して回答していきます。ぜひTFCC損傷の改善に役立ててみてください。
TFCC損傷は冷やす?温める?
TFCC損傷において湿布を使用する場合、冷却と温熱のどちらを選ぶべきか迷う方が多いです。基本的には、損傷直後の急性期は冷却、慢性期には温熱の使用が推奨されます。
急性期は、炎症を抑えるために冷却湿布を使用し、腫れや痛みを軽減します。
一方、慢性期になると、血行を促進し組織の修復を助けるために温熱湿布が効果的です。
ただし、個人の症状や回復段階によって対応方法が異なるため、医師のアドバイスを受けて使い分けるようにしましょう。
TFCC損傷の重症度チェック方法は?
TFCC損傷の重症度を自己チェックする方法として、以下の4つのポイントがあります。
痛みの強さと持続時間 | 軽度の場合は活動時のみ痛みを感じますが、重度になると安静時にも持続的な痛みがあります。 |
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手首の可動域 | 軽度では若干の制限がある程度ですが、重度になると著しく制限されます。 |
握力の低下 | 軽度では握力にあまり影響がありませんが、重度になると握力が大幅に低下します。 |
日常生活への影響 | 軽度では日常生活にほとんど支障がありませんが、重度になると日常動作に大きな支障をきたします。 |
これらの症状が強く、長期間続く場合は重症の可能性が高いため、速やかに医療機関を受診しましょう。
湿布で改善しないTFCC損傷は再生医療が効果的!
今回は、TFCC損傷における湿布の貼り方からセルフケア方法について紹介しました。
痛みがひどい場合やセルフケアで改善しない場合は、そのままにせず医療機関を受診することが大切です。
湿布は患部の炎症を抑える効果はあるものの、痛んだ患部を根本的に治すことはできません。あくまでも補助的な役割として活用しましょう。
また、最近はTFCC損傷の治療として再生医療が注目されています。手術や入院をせずに治療が可能です。
ただし、再生医療は整形外科などの一般的な医療機関では治療を受けられません。興味のある方は当クリニックにご相談ください。