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「膝の痛みに飲み薬のロキソニンは効く?」 「どのような効果があるの?」 膝のつらい痛みを解消するためにロキソニンの服用を検討している方の中には、上記のようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 ロキソニン(ロキソプロフェン)は、炎症・痛み・発熱を抑えるために、膝関節の治療でも頻繁に使われる代表的な薬です。 しかし、あくまで「痛みや炎症を一時的に抑える」ための対症療法であり、痛みの原因となっているすり減った軟骨を治したり、変形した骨を元に戻したりする効果はありません。 本記事では、膝の痛みに対するロキソニンの効果や、副作用や服用時の注意点について詳しく解説します。 薬のメリットとデメリットを正しく理解し、痛みをコントロールするための知識としてお役立てください。 また、「膝の痛みを根本から治したい」「薬の効き目が弱い」という方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術として注目されています。 >>再生医療による膝関節の症例を確認する 当院リペアセルクリニックでは、膝の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 膝の痛みに飲み薬のロキソニンは効くのか|得られる効果 ロキソニンは膝の痛みの原因となっている「炎症」を抑え、つらい痛みの緩和に有効な薬です。 本章では、ロキソニンの服用で得られる効果について解説します。 ロキソニンの服用で得られる効果 ロキソニンは飲み薬以外にもある 以下で、それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。 ロキソニンの服用で得られる効果 ロキソニンは、体内で痛みや熱を引き起こす物質「プロスタグランジン」の生成をブロックし、炎症そのものを鎮める働きがあります。 抗炎症作用|膝の腫れや熱感を抑える 即効性|服用後、10〜30分程度で痛みが和らぐ 膝関節などで炎症が起きている場合、プロスタグランジンが大量に作られ、神経を刺激することで強い痛みを生じさせています。 ロキソニンの服用によってプロスタグランジンの産生・働きを抑制し、炎症が鎮まることで、ズキズキとした激しい痛みが和らぐ効果が期待できます。 ただし、痛みの原因となっているすり減った軟骨を再生したり、骨の変形を治したりする効果はないため注意しましょう。 ロキソニンは飲み薬以外にもある ロキソニンの成分(ロキソプロフェン)を含んだ薬には、飲み薬(内服薬)以外にも「貼るタイプ」や「塗るタイプ」の外用薬が存在します。 薬のタイプ 特徴 内服薬(飲み薬) ・全身の痛みや炎症に作用し、幅広い部位への痛みに対処できる ・胃痛や胃もたれなどの全身性の副作用リスクがある 外用薬(湿布、塗り薬など) ・皮膚から成分が浸透し、患部に直接作用する ・胃腸への負担が少ないが、肌トラブルのリスクがある 飲み薬は、飲んでから体内で有効成分が作られ、全身の痛みや炎症に効果が期待できますが、胃腸への負担がかかりやすいというデメリットがあります。 一方、湿布や塗り薬などの外用薬は、成分が皮膚から浸透して患部に直接届くため、全身への副作用リスクを抑えつつピンポイントで痛みをケアできるのが特徴です。 「胃が弱いけれど痛みを取りたい」「特定の場所だけが痛む」といった場合は、医師と相談の上、外用薬を活用するのも良いでしょう。 膝の痛みでロキソニンを服用するときの4つの注意点 ロキソニンは優れた鎮痛効果を持つ一方で、副作用のリスクや使用上の限界もゼロではありません。 飲み薬として服用する際は、以下の4つの注意点を理解しておきましょう。 用法・用量を守る 胃への負担を考慮する 効果が実感できない可能性がある 根本的な改善にはならないことを理解する 以下では、それぞれの注意点について詳しく解説します。 用法・用量を守る 痛みが強いからといって、決められた回数や量を超えてロキソニンを服用することは絶対に避けてください。 ロキソニンの成分であるロキソプロフェンは腎臓から尿として排泄されるため、過剰摂取は腎機能に深刻なダメージを与える恐れがあります。 「1回1錠、1日3回まで(最大180mg)」とし、服用間隔は最低でも4時間以上空けることが基本ルールです。 自己判断で増量しても効果が高まることはなく、副作用のリスクだけが跳ね上がることを理解しておきましょう。 胃への負担を考慮する ロキソニンの代表的な副作用として、「胃痛」や「胃潰瘍」などの胃腸障害が挙げられます。 これは、ロキソニンが痛みを抑えると同時に、胃の粘膜を守る成分(プロスタグランジン)の働きまで抑制してしまうために起こります。 胃が空っぽの状態で服用すると、胃壁が直接荒らされてしまうため、なるべく食後に服用するようにしてください。 胃が弱い方は、医師に相談して胃薬を併用したり、胃粘膜保護薬を処方してもらったりする対策が必要です。 効果が実感できない可能性がある 膝の痛みの原因は一つではなく、ロキソニンが効く痛みと効かない痛みが存在することを理解しておきましょう。 ロキソニンはあくまで「炎症」を抑える薬であるため、炎症を伴う関節炎には効きますが、神経が圧迫されて起こる神経痛や、血行不良による痛みには効果が期待できません。 もし数日間服用しても痛みが変わらない場合は、ロキソニンが痛みの原因に合っていない可能性があります。 効果のない薬を飲み続けることは体への負担にしかならないため、早めに医師に相談し、別の治療法を検討しましょう。 根本的な改善にはならないことを理解する ロキソニンは痛みを一時的に抑制しているだけであり、「膝の病気そのものを治しているわけではない」ことを理解しておきましょう。 薬で痛みが消失すると「治った」と勘違いしがちですが、痛みの原因となっているすり減った軟骨や骨の変形などはそのまま残っています。 痛くないからといって無理に運動や労働を続ければ、知らず知らずのうちに関節の破壊が進行し、薬が切れた時により激しい痛みに襲われることになります。 ロキソニンはあくまで、リハビリや日常生活をスムーズに行うための「サポート役」として割り切って活用しましょう。 膝の痛みに効くロキソニン以外の飲み薬 膝の痛みを抑える薬はロキソニンだけではありません。 体質や痛みの強さ、胃腸の状態に合わせて、医師はさまざまな種類の薬を使い分けます。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬) COX-2阻害薬 オピオイド鎮痛薬 「ロキソニンが効かない」「胃が痛くなる」という場合でも、別の薬に変えることで痛みをコントロールできる可能性があります。 それぞれの薬の特徴について見ていきましょう。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) ロキソニンもこのグループに含まれますが、成分を変えることで効果が変わる場合があります。 代表的なものには、ロキソニン以外にも「ジクロフェナク(ボルタレン)」や「イブプロフェン(ブルフェン)」が挙げられます。 得られる効果は概ね同じですが、即効性や鎮痛効果の強さ、副作用のリスクなどが異なるため、自分に合った薬を服用することが推奨されます。 また、胃腸へのリスクがあるため、長期連用は避け、痛みが特に強い時期に限定して使用するなど、医師の指導の下で慎重に扱う必要があります。 アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬) アセトアミノフェンは、炎症を抑える力は弱いものの、脳の中枢神経に作用して穏やかに痛みを和らげる薬です。 「カロナール」が代表的で、大きな特徴として非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に比べて胃腸や腎臓への副作用が少ない点が挙げられます。 そのため、高齢者や胃潰瘍の既往がある方、あるいはインフルエンザの治療中など、ロキソニンが身体的負担で使えない場合の第一選択薬として広く処方されます。 COX-2阻害薬 COX-2阻害薬は、従来の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が持つ「胃が荒れやすい」という弱点を克服するために開発された薬です。 代表的な「セレコキシブ(セレコックス)」は、胃粘膜を守る酵素には影響を与えず、炎症に関わる酵素だけをピンポイントでブロックします。 胃への負担が大幅に軽減されているため、変形性膝関節症のように年単位での長期間の服用が必要なケースに適しています。 オピオイド鎮痛薬 オピオイド鎮痛薬は、他の鎮痛薬で効果が不十分な場合や、副作用でそれらが使えない場合に検討される強い鎮痛薬です。 「トラムセット(トラマドール配合剤)」などが一般的で、脳や脊髄の神経に直接作用して痛みの信号を遮断します。 飲み始めに吐き気やめまい、便秘などの副作用が出る可能性や、長期連用で依存症リスクもゼロではないため、医師の管理下で少量から開始します。 膝の痛みには飲み薬のロキソニンが効く!用法用量を守ろう ロキソニンは膝のつらい痛みを素早く鎮めてくれる効果が期待できる薬ですが、あくまで「一時的な助け」として正しく付き合うことが大切です。 本記事で解説してきた以下のポイントを押さえて、膝の痛みをコントロールしましょう。 炎症を抑える即効性があり、急性期の痛みに有効 胃への負担を減らすため、食後の服用や胃薬の併用を心がける 痛みが消えても根本的な治療ではないことを理解する 膝の痛みが長引く場合や、薬の効果が弱いと感じる場合は、服用を続けずに必ず医療機関に相談してください。 ヒアルロン酸注射やリハビリ、あるいは手術や近年注目の「再生医療」といった、他の治療を検討するタイミングかもしれません。 自分の膝の状態を正しく知り、後悔のない選択をして健康な足を守りましょう。 長引く膝の痛みには「再生医療」も選択肢の一つ ロキソニンなどの痛み止めが効かないなど、つらい膝の痛みには「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 適応症例は多岐にわたり、変形性膝関節症による膝軟骨のすり減りや半月板損傷、靭帯断裂などの外傷にも効果が期待できます。 以下の動画では、変形性膝関節症と半月板損傷を合併している患者さまの症状が再生医療によって改善した症例を紹介しているので、併せてご覧ください。 https://youtu.be/NbYAdVr0ez4?si=3gN8ruXtp6yuCvQ- 現在、当院リペアセルクリニックでは、膝の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、お気軽にご相談ください。
2025.12.26 -
- 脳梗塞
- 頭部
橋梗塞を発症し、「手足がしびれて動かしにくい」「呂律(ろれつ)が回らずうまく話せない」 などの症状に見舞われると、今後の生活への不安は計り知れないものでしょう。 橋(きょう)は、脳から全身に指令を送る神経が集まる重要な「中継地点」であるため、橋が詰まると運動機能や感覚に深刻な影響が出るのが特徴です。 しかし、発症直後からできるだけ早期に適切なリハビリテーションを開始し、根気強く続けることで、多くの機能は回復の可能性を秘めています。 本記事では、橋梗塞の症状・後遺症だけでなく、具体的なリハビリプログラムについて詳しく解説します。 また、橋梗塞をはじめとする「脳梗塞」の症状や後遺症には、リハビリと併せて「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=bPnN-YWI_mZf6ZMU 当院リペアセルクリニックでは、橋梗塞の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 橋梗塞で現れる主な症状・後遺症 橋(きょう)は、大脳からの指令を全身に伝え、逆に全身からの情報を脳へ送るための「神経の交差点」です。 そのため、運動・感覚・意識といった生命維持に関わる重要な機能にさまざまな影響が現れます。 症状・後遺症 特徴 運動失調 力はあるのにバランスが取れず、スムーズに動けない 運動麻痺 手足が動かない、重度では「閉じ込め症候群」となる 意識障害 呼びかけへの反応が鈍くなる、昏睡状態になる 呼吸障害 呼吸のリズムが乱れる、自発呼吸が難しくなる 感覚障害 顔や手足にしびれが出たり、温度や痛みを感じにくくなる 嚥下障害 食べ物をうまく飲み込めず、むせやすくなる それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。 運動失調 運動失調は、手足の筋力自体は保たれているにも関わらず、筋肉を動かすタイミングや力の調節がうまくいかなくなる状態です。 「ボタンがうまく留められない」「歩くときに酔っ払ったようにふらつく」といった症状が現れ、日常生活動作がぎこちなくなります。 小脳との連携が遮断されることで起こり、転倒のリスクが高まるため注意が必要です。 運動麻痺(閉じ込め症候群) 運動麻痺は、脳からの指令が手足に伝わらなくなり、片側または両側の手足が動かせなくなる状態です。 特に橋梗塞で恐れられるのが、意識は清明であるにもかかわらず、眼球運動以外のほぼ全ての運動機能が失われる「閉じ込め症候群(ロックドイン症候群)」です。 言葉を発することも身動きも取れませんが、感覚や聴覚は保たれているため、患者さまは大きな精神的苦痛を感じることになります。 意識障害 橋には、人間が目を覚まして活動するための覚醒レベルを維持する「脳幹網様体(のうかんもうようたい)」という神経回路が通っています。 ここがダメージを受けると、呼びかけても目が開かなかったり、一日中ぼんやりとしていたりする意識障害が生じます。 重症の場合は昏睡状態に陥ることもあり、リハビリを開始する前提となる「目覚め」が得られるかどうかが、その後の回復を左右する大きな要因となります。 呼吸障害 橋には、呼吸のリズムや深さを調節する「呼吸中枢」が存在するため、障害されると自発的な呼吸が困難になることがあります。 呼吸が浅くなったり、不規則になったりするチェーンストークス呼吸が見られる場合や、重度で呼吸が停止し、人工呼吸器による管理が必要になるケースもあります。 生命維持に直結する症状であり、急性期には厳重な管理が求められます。 感覚障害 感覚障害は、「温かい・冷たい・痛い」といった感覚や、「触れられている」という触覚が鈍くなったり、逆に過敏になって異常な痛み(しびれ)として感じたりします。 橋梗塞の特徴的な症状として、顔面と体幹で反対側に障害が出る「交代性感覚障害」が現れることがあります。 例えば「右側の顔」と「左側の手足」がしびれるといった現象で、これにより熱いものに触れても気づかず火傷をするなどの危険性が高まります。 嚥下障害 嚥下障害は、舌や喉の筋肉を動かす神経が麻痺し、食べ物や飲み物をスムーズに胃へ送り込めなくなる状態です。 食事中にむせたり、食後に声がガラガラしたりするだけでなく、気管に食べ物が入ることで「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」を引き起こす大きなリスク要因となります。 栄養摂取が難しくなるため、回復期には飲み込みの訓練が優先課題となることも少なくありません。 橋梗塞の症状に対するリハビリプログラム 橋梗塞のリハビリテーションは、失われた機能を回復させ、残された能力を引き出すために主に3つのリハビリを行います。 理学療法(PT):起きる・歩くなどの「基本動作」 作業療法(OT):着替え・食事などの「生活動作」 言語聴覚療法(ST):話す・飲み込むなどの「コミュニケーション・嚥下」 以下でそれぞれどのようなリハビリを行うのか確認していきましょう。 理学療法 理学療法は、主に「身体を大きく動かす機能」の回復を担当し、寝返りから歩行まで、移動に関わる基本的な動作の獲得を目指したリハビリを行います。 橋梗塞では運動失調(バランス障害)が起きやすいため、単に筋力をつけるだけでなく、重心を安定させる訓練が重要視されます。 まずはベッド上での関節運動や寝返りの練習から始め、状態が安定すれば平行棒を使った立ち上がり訓練、そして杖や装具を用いた歩行訓練へと段階的に進めていきます。 ふらつきによる転倒を防ぎ、安全に移動できる手段を確保することが大きな目的です。 作業療法 作業療法は、手先の細かい動きや日常生活を送るうえで必要な「応用的な動作」の練習などのリハビリを行います。 食事をする、服を着替える、トイレに行く、入浴するといった退院後の生活に直結する動作を実際の道具や場面を想定し、繰り返し練習します。 また、橋梗塞により手足の感覚が鈍っている場合は、さまざまな素材に触れて感覚を取り戻す訓練や、麻痺していない側の手(健側)を上手に使って生活を補う「代償手段」の獲得も目的としています。 「自分でできること」を一つずつ増やし、生活への自信を取り戻すプロセスです。 言語聴覚療法 言語聴覚療法は、コミュニケーションに関わる「話す・聞く」機能と、生命維持に不可欠な「食べる(飲み込む)」機能の回復を目的とします。 橋梗塞の特徴である「構音障害(呂律が回らない)」に対しては、舌や唇の運動、発声練習を行い、相手に伝わりやすい話し方を習得します。 また、命に関わる「嚥下障害」に対しては、ゼリーなどの飲み込みやすい食品を使って喉の動きを確認したり、誤嚥しにくい姿勢や食事形態を調整したりする訓練を行います。 口から美味しく安全に食べることは、生きる喜びや体力の回復に直結する重要なリハビリといえるでしょう。 橋梗塞の症状に対するリハビリのポイント 橋梗塞による後遺症を少しでも軽減し、残された機能を伸ばすためには、リハビリテーションに取り組む「タイミング」と「期間」が重要です。 できるだけ早期から開始する 退院後もリハビリを継続する 脳の回復力を無駄にせず、また一度取り戻した機能を維持し続けるために、これら2つのポイントを意識して治療計画に向き合いましょう。 できるだけ早期から開始する リハビリテーションは「症状が落ち着いてから」ではなく、発症直後からできるだけ早く開始するのが現代医療の基本です。 バイタルサイン(血圧や脈拍など)が安定していれば、発症から数日以内には、ベッドの上で関節を動かしたり、座る練習を始めたりします。 これは、過度な安静によって筋力が衰えたり関節が固まったりする「廃用症候群」を防ぐためです。 また、発症から3〜6カ月間は脳の回復機能が最も活発な時期といわれており、この「ゴールデンタイム」に集中的なリハビリを行うことが、予後を大きく左右します。 退院後もリハビリを継続する 病院を退院することは治療のゴールではなく、生活の場で機能を維持・向上させるための新たなスタートです。 回復期リハビリテーション病棟などでの集中リハビリ期間が終わった後も、自宅で何もしなければ、せっかく回復した機能も徐々に低下してしまいます。 これを防ぐため、介護保険を利用した「通所リハビリ(デイケア)」や「訪問リハビリ」を活用し、専門家のサポートを受け続けることが大切です。 また、散歩や家事といった日常の動作そのものをリハビリと捉え、生活の中で意識的に体を動かし続ける習慣をつけることが、再発予防につながります。 橋梗塞の症状改善には適切なリハビリの継続が重要 橋梗塞は、運動や感覚を司る重要な神経が集まる場所で起こるため、症状は多岐にわたりますが、適切なリハビリを根気強く続けることで機能回復の道は開かれます。 本記事で紹介した橋梗塞におけるリハビリのポイントを押さえておきましょう。 理学療法・作業療法・言語聴覚療法を組み合わせ、症状に合ったプログラムを実践する 発症早期から開始し、退院後も生活の中でリハビリを習慣化する 焦らず長期的な視点を持ち、少しずつの変化を前向きに捉える 「もう元には戻らない」と悲観するのではなく、残された機能や回復の可能性を信じて、一日一日の積み重ねを大切にしてください。 また、橋梗塞をはじめとする「脳梗塞」の症状や後遺症の治療には、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。 >>再生医療によって多発性脳梗塞が改善した症例(50代女性) 当院リペアセルクリニックでは、橋梗塞の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- 糖尿病
血糖値を下げるためのインスリンを分泌するβ細胞は、一度破壊されてしまうと完全に元通りにすることは、一般的な治療では非常に困難とされています。 そのため、「糖尿病になったら治らない(完治しない)」と言われています。 しかし、従来の治療でも、症状が落ち着いて健康な人と大きく変わらない状態を指す「寛解(かんかい)」を目指すことは可能です。 本記事では、糖尿病がなぜ治らないと言われるのか、現在の治療目標となる寛解について詳しく解説します。 「治らない」という言葉の真意を正しく理解し、病気とうまく付き合いながら健康な人生を送るためのヒントとしてお役立てください。 また、従来の治療では完治しないとされている糖尿病に対して、損傷した膵臓の機能改善が期待できる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した膵臓や血管の再生・修復を促す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでは、糖尿病の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 糖尿病はなぜ治らないと言われるのか【1型・2型】 糖尿病が「治らない」と言われる理由は、血糖値を調節する膵臓(すいぞう)の機能や、遺伝的な体質を根本から「発症前の状態」に戻すことが医学的に難しいからです。 1型糖尿病|破壊された膵臓を再生できないため 2型糖尿病|体質を変えられないため 糖尿病は、風邪が治るようにウイルスが消えて元通りになるのとは異なり、「症状をコントロールし続ける必要がある病気」と捉えられています。 それぞれのタイプごとに、なぜ完治が難しいのか、そのメカニズムを見ていきましょう。 1型糖尿病|破壊された膵臓を再生できないため 1型糖尿病は、自己免疫の異常などが原因で、インスリンを分泌する膵臓の「β(ベータ)細胞」が破壊されてしまうタイプです。 現在の標準的な医療では、一度死滅してしまったβ細胞を自然に再生させたり、修復したりすることはできません。 体内でインスリンを作ることが物理的に不可能になってしまうため、長期にわたって外部からインスリンを補い続ける必要があります。 しかし、近年の治療では、自己細胞を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す「再生医療」が注目されています。 >>再生医療の治療について確認する 2型糖尿病|体質を変えられないため 2型糖尿病は、遺伝的な「インスリンの働きが弱い体質」に、過食や運動不足などの環境要因が重なって発症するタイプです。 治療によって血糖値が正常に戻ったとしても、それはあくまで良い状態を保っているだけであり、「糖尿病になりやすい体質」そのものが変わったわけではありません。 正常な数値に戻った後に以前のような生活習慣に戻れば、休ませていた膵臓に再び負担がかかり、いつでも高血糖の状態に逆戻りしてしまう可能性があります。 適切な治療を続けていれば症状が落ち着いた状態を維持できるケースもあるため、自己判断で薬を中止しないようにしましょう。 糖尿病の完治は難しいが「寛解」は目指せる 現代の医療において、糖尿病を完全に治す「完治」は難しいものの、症状が落ち着いた状態を指す「寛解(かんかい)」を目指すことは可能です。 糖尿病からの回復を諦める前に、まずは「寛解」について正しく理解しておきましょう。 完治と寛解の違い 糖尿病の寛解を妨げる要因 以下で詳しく解説していきます。 完治と寛解の違い 完治と寛解の大きな違いとして、「再発の可能性」や「経過観察の必要性」が挙げられます。 項目 完治 寛解 状態 病気の原因が完全に治った状態 症状が落ち着いている状態 薬の使用 不要 必要(不要になるケースもある) 再発リスク 基本的になし 治療、生活習慣次第であり得る 経過観察の必要性 不要 定期的なチェックが必要 完治とは、病気の原因が完全に消失し、再発の可能性がなくなった状態を指しているため、治療や経過観察などは不要です。 一方で、寛解は病気の原因は消失していないものの、症状が落ち着いている状態のことを指します。 あくまで「現時点で症状が落ち着いているだけ」なので、薬の服用や経過観察は医師の判断に従う必要があります。 糖尿病の寛解を妨げる要因 全ての人が寛解に至るわけではなく、罹患期間の長さや膵臓(すいぞう)の機能低下が大きな壁となることがあります。 糖尿病の寛解を妨げる要因は、以下のとおりです。 罹患期間が長い|発症してから長期間放置したり、高血糖の状態が長く続いたりしている インスリン分泌機能の低下|膵臓の細胞が破壊され、自力でインスリンを出す力がほとんど残っていない 重度の肥満|内臓脂肪が多く、インスリンの効きが悪い状態(インスリン抵抗性)が改善されていない 複数の要因が重なっている場合は、インスリンを出す機能(β細胞の機能)が既に限界を迎えている可能性が高く、寛解へのハードルが上がるとされています。 しかし、これらに当てはまる場合でも、合併症を防いで現状を維持することは可能です。 糖尿病の寛解を目指すための治療法 糖尿病の寛解を目指すために重要なのは、疲弊した膵臓(すいぞう)を休ませ、本来の機能を取り戻す環境を作ることです。 主に以下の治療を組み合わせて行います。 薬物療法|膵臓の負担を減らし、血糖コントロールを助ける 運動療法|インスリンが効きやすい体を作る 食事療法|血糖値の急上昇を防ぎ、膵臓への刺激を抑える それぞれの治療法について詳しく確認していきましょう。 薬物療法 糖尿病における薬物療法では、インスリンの分泌を促進させたり、血糖値を下げたりする効果が期待できる内服薬や注射を用います。 高血糖の状態が続くと「糖毒性」によってさらにインスリンが分泌されにくくなる悪循環に陥るため、薬を使って強制的に血糖値を下げることで、この糖毒性を解消し、膵臓を休息させることができます。 薬物療法によって機能が改善すれば徐々に薬を減らし、最終的に薬に頼らなくても血糖値が正常範囲でコントロールできるケースもゼロではありません。 自己判断で中断せず、医師の指示通りに服薬することが寛解への第一歩です。 運動療法 糖尿病における運動療法では、血液中のブドウ糖を筋肉に取り込ませて直接血糖値を下げる効果と、インスリンの効きを高める長期的な効果が期待できます。 特にウォーキングなどの「有酸素運動」とスクワットなどの「筋力トレーニング(レジスタンス運動)」の組み合わせが効果的です。 筋肉量が増えると、それだけ糖を消費する容量が大きくなるため、太りにくく血糖値が上がりにくい体作りにつながります。 まずは医師の判断のもと無理のない範囲で、ウォーキングやスクワットなどの運動を習慣化してみましょう。 食事療法 糖尿病における食事療法の目的は、膵臓に過度な負担をかける「食後の急激な血糖上昇(血糖スパイク)」を防ぐことにあります。 食事療法の主なポイントは、以下のとおりです。 規則正しい食生活を送る|1日3食をしっかり食べる 栄養バランスを意識する|炭水化物・たんぱく質・脂質をバランス良く摂る 食物繊維豊富な食品を摂る|野菜・海藻・きのこ類を積極的に摂る 低GI食品を選ぶ|玄米・そば、大麦など血糖値が上がりづらい食品を選ぶ 炭水化物(糖質)の量を適正にコントロールしつつ、食物繊維が豊富な野菜から先に食べる「ベジファースト」を実践するだけでも、血糖値の上昇は緩やかになります。 「何を食べるか」も大切ですが「どう食べるか」を見直すことで、インスリンの無駄使いを防ぐことにつながります。 糖尿病の根本治療に期待されている再生医療 従来の治療では「完治が難しい」とされていた糖尿病ですが、近年では「再生医療」による治療が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した膵臓や血管の再生・修復を促す医療技術です。 低下した膵臓の機能が改善することで、薬に頼らずともインスリンの分泌量を増加させたり、血管内で糖の吸収を促進したりする効果が期待できます。 以下の動画では、再生医療によって糖尿病性網膜症が改善した症例を紹介しているので、ぜひご覧ください。 https://youtu.be/kwfVj9ukcwg?si=ebPSn7p7idj4Ne1m 当院リペアセルクリニックでは、糖尿病の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 糖尿病はなぜ治らないのか|適切な治療で「寛解」を目指すことが大切 糖尿病は、一度発症すると膵臓の機能を完全に戻す「完治」は難しい病気ですが、適切な治療で健康な人と変わらない状態である「寛解」は十分に目指せます。 「治らない」という言葉に悲観せず、まずは主治医と相談しながら、ご自身に合った治療法を根気よく続けていくことが大切です。 また、近年の糖尿病の治療では、損傷した膵臓の機能改善が期待できる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した膵臓や血管の再生・修復を促す医療技術です。 現状の治療に限界を感じている方は、糖尿病の新たな治療選択肢としてぜひご検討ください。
2025.12.26 -
- 脳出血
脳出血と診断を受け、これからの生活や自宅でのケアに大きな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 急性期の予断を許さない状況から、リハビリを経て在宅生活へと移行する過程で、求められる看護や介護のポイントは刻々と変化します。 本記事では、脳出血における入院中の看護ケアの視点から、退院後にご家族ができる在宅サポートの具体的な内容について解説します。 「何を見ておけばよいのか」「どう支えればよいのか」を知ることが、患者さまだけでなく、支えるご家族自身の心の負担を軽くする第一歩となるでしょう。 また、懸命なリハビリを続けても改善しない場合は、損傷した脳細胞の改善が期待されている「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 >>再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例(80代女性) 当院リペアセルクリニックでは、脳出血の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 脳出血の看護における観察項目 本章では、脳出血の入院中の看護における観察項目について解説します。 看護師が頻繁に訪室し、患者さまの様子を細かくチェックするのは、命に関わる「再出血」や「脳のむくみ」の兆候をいち早く見つけるためです。 ご家族から見ると「寝ているのに何度も起こされて可哀想」と感じることもあるかもしれませんが、発症直後は以下の項目を常に確認し、容態の急変を防ぐことが何より重要となります。 意識の状態(呼びかけに対して目を開けるか、話せるか) 血圧や脈拍の数値(高すぎないか、乱れていないか) 手足の動きや麻痺の進行(握る力に変化はないか) 瞳孔の様子(左右の目の大きさに違いはないか) 看護師は機械の数値だけでなく、患者さま本人の「小さな変化」を観察しています。 もし面会中に「さっきより呼びかけへの反応が鈍い気がする」といった変化を感じた場合は、遠慮なく看護師にお伝えください。 ご家族の「いつもと違う」という直感が、早期発見のきっかけになることも少なくありません。 【在宅】脳出血の看護で家族ができること 退院後の在宅生活を支えるためには、ご家族による直接的なサポートと、公的な支援制度を組み合わせることが重要です。 本章では、脳出血の在宅看護でご家族ができることについて解説します。 日常生活のサポート 生活環境の整備 要介護認定の申請 地域の介護サービスの活用 施設介護サービスの検討 すべてをご家族だけで背負う必要はありません。 「できることは本人に任せる」という視点を持ちつつ、プロの手も積極的に借りることで、無理のない介護体制を整えていきましょう。 日常生活のサポート 脳出血の在宅看護でご家族ができることは、患者さまが退院した後の日常生活をサポートすることです。 しかし、食事や移動の介助では「手伝いすぎない」ことが大切で、本人ができる動作までご家族が手伝ってしまうと機能回復の機会を奪うことになりかねません。 「ボタンを留めるのだけ手伝う」「転倒の危険がある場所だけ支える」など、本人ができない部分や危険がある場所だけサポートする工夫が必要です。 また、食事中は誤嚥を防ぐため、上体をしっかり起こし、飲み込みを確認しながらゆっくり進めましょう。 生活環境の整備 転倒による怪我を防ぐため、麻痺の状態に合わせて生活環境を見直すことも大切です。 まずは本人がよく通る動線に手すりを設置し、わずかな段差もスロープにして転倒リスクを下げられるように工夫しましょう。 また、床に置かれたコード類もつまずきの原因になるため整理が必要です。 介護保険を利用すれば住宅改修費用の補助を受けられる場合があるため、ケアマネジャーに相談することをおすすめします。 要介護認定の申請 介護サービスの費用負担を減らすための「要介護認定」の申請を代行するのもご家族だからこそできることです。 申請から結果が出るまで約1カ月かかるため、退院前から医療ソーシャルワーカー等と連携して手続きを進めておくとスムーズです。 認定されれば1〜3割の自己負担でサービスを利用でき、ご家族の介護負担を大きく減らすことができます。 地域の介護サービスの活用 長期的な在宅生活には、訪問看護やデイサービスなどのプロの力を借りることが不可欠です。 これらは本人の機能維持だけでなく、ご家族が介護から離れて休息する(レスパイト)ためにも重要です。 「訪問系」「通所系」「宿泊系」など多様なサービスがあるため、ケアマネジャーと相談しながら、ご家族だけで抱え込まない体制を整えましょう。 施設介護サービスの検討 自宅での介護が限界だと感じたら、無理をせず施設入所を検討することも前向きな選択肢です。 リハビリ中心の「介護老人保健施設」や、長期ケアを行う「特別養護老人ホーム」など、状況に合わせた施設があります。 施設利用は決して「患者さまを見放す行為」ではありません。 お互いが共倒れせず、笑顔で過ごせる適切な距離感を保つために、専門施設のサポートを頼ることも大切です。 脳出血の看護における注意点・ポイント 脳出血の在宅看護において、身体的な安全確保はもちろんですが、患者さま自身の「意欲」や「尊厳」を守るような関わり方が大切です。 本章では、脳出血の看護における注意点やポイントについて解説します。 本人ができることを妨げない 精神的なケア・サポートを大切にする 飲み込みやすい食事を提供する 良かれと思った手助けが、かえって回復の妨げになってしまうこともあります。 以下でそれぞれの注意点やポイントを確認していきましょう。 本人ができることを妨げない 本人ができることでも時間がかかるなどの理由から動作を先回りして手伝ってしまうことは、リハビリの観点からは推奨されません。 着替えや食事など、時間がかかっても自分でできることは本人に任せることが、身体機能の維持と「自分でもできる」という自信の回復につながります。 ご家族にとっては「やってあげた方が早い」と感じる場面も多いですが、見守ることも重要な看護ケアの一つです。 日常生活のサポートは、本人がどうしてもできない部分だけに留め、達成できた時には共に喜びを分かち合う姿勢を持ちましょう。 精神的なケア・サポートを大切にする 脳出血の後遺症による身体の不自由さは、患者さまに想像以上の喪失感やストレスを与え、うつ状態や感情の不安定さを引き起こすことがあります。 急に泣き出したり、怒りっぽくなったりすることもありますが、これは脳のダメージや病気に対する受容の過程によるものです。 励ますよりも、気持ちに寄り添い、話をじっくり聞く姿勢を見せることが患者さまの心の安定につながります。 本人の不安や焦りを否定せず、今のありのままを受け入れる温かいサポートを心がけることが大切です。 飲み込みやすい食事を提供する 麻痺の影響が喉や舌に残っている場合、飲み込む力が弱まり、食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)性肺炎」のリスクが高まります。 パサパサしたものや水分はむせやすいため、片栗粉や市販のとろみ剤を活用して、まとまりやすく飲み込みやすい形態に調整しましょう。 また、食事中は顎を少し引いた姿勢を保つことで、気管への誤入を防ぎやすくなります。 患者さまが食べる楽しみを損なわないよう、見た目の彩りにも配慮しつつ、その日の体調に合わせて固さや大きさを工夫することが大切です。 脳出血の治療計画とは|主な治療法 脳出血発症直後の治療において優先されるのは、「出血をこれ以上広げないこと」と「脳の腫れ(浮腫)を抑えること」です。 本章では、脳出血の治療計画について「内科的治療」と「外科的治療」の治療法を解説します。 内科的治療 外科的治療 出血の量や場所、患者さまの意識レベルによって、薬で様子を見るか、手術で血腫を取り除くかが判断されます。 医師から提示される治療方針を正しく理解するために、それぞれの特徴を知っておきましょう。 内科的治療 出血量が少なく、意識もしっかりしている軽度〜中等度のケースでは、手術を行わず薬物療法(内科的治療)が選択されます。 基本的には入院して絶対安静を保ちながら、血圧を下げる薬(降圧剤)や、脳のむくみを取る点滴を使用して症状の安定を図ります。 「手術をしなくて大丈夫なのか」と心配になるかもしれませんが、小さな出血であれば自然に吸収されるのを待つ方が、体への負担が少なく予後が良い場合も多いです。 この期間は、再出血を防ぐために血圧のコントロールを徹底することが何よりの治療となります。 外科的治療 出血量が多く脳への圧迫が強い場合や、命の危険が迫っている場合には、血腫を取り除くための外科手術が行われます。 手術の方法は、頭の骨を大きく開いて直接血腫を取り除く「開頭血腫除去術」と、小さな穴から器具を入れて吸い出す「内視鏡手術」の主に2種類です。 目的はあくまで「脳への圧迫を解除して命を救うこと」であり、一度壊れてしまった神経細胞を手術で元に戻せるわけではありません。 患者さまの年齢や体力、出血部位などを総合的に考慮し、医師と家族が相談した上で慎重に決定されます。 脳出血の看護は家族の支えが重要!治療には再生医療をご検討ください 脳出血後の生活は長期的なリハビリが重要となりますが、日々の変化を見守ってくれるご家族の存在こそが患者さまにとって心の支えとなります。 以下のポイントを押さえて、患者さまが回復できるようサポートすることが大切です。 毎日の観察と心のケアが回復のカギとなる 介護サービスも活用し、ご家族も無理をしない体制を作る 機能回復の新たな希望として「再生医療」を視野に入れる 専門家や公的なサービスを頼りながら、焦らず一日一日を積み重ねていくことが大切です。 また、懸命なリハビリを続けても改善しない場合は、損傷した脳細胞の改善が期待されている「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 以下の動画では、再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/FnSQ6Bw2Pvc?si=KqCMWbPxWK3vskkC 当院リペアセルクリニックでは、脳出血の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- ひざ関節
「動作時に膝サポーターがくるくると丸まってしまい、何度も直さなければならない」といったストレスを感じていませんか? 太ももに食い込んで痛かったり、ズボンの上からでもわかるほど膨らんでしまったりすると、外出さえ億劫になってしまうものです。 上記のようなお悩みは、サポーターのサイズ選びや装着位置を見直すだけで、改善できる可能性があります。 本記事では、膝サポーターが丸まらない方法や正しい選び方について詳しく解説します。 不快なサポーターのズレから解放され、膝をしっかり守りながら快適に過ごすためのヒントを見つけていきましょう。 また、つらい膝の痛みには「再生医療」による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、膝の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、お気軽にご相談ください。 膝サポーターが丸まらない方法|正しい付け方 膝サポーターが丸まってしまう原因の多くは製品の問題ではなく、装着方法が誤っていたり、適切に固定できていなかったりする可能性があります。 本章では、膝サポーターが丸まらない正しい付け方について解説します。 立った状態で装着する 正しい位置に合わせる ベルトでしっかり固定する 「ただ足を通すだけ」ではなく、筋肉の動きや骨の位置を意識して正しく装着することで、フィット感が向上します。 以下でそれぞれのポイントについて確認していきましょう。 立った状態で装着する 膝サポーターを装着する際は、座ったままつけるのではなく、最終的に立った状態で締め具合を調整することが鉄則です。 「椅子に座って膝を曲げた状態」と「立って足を伸ばした状態」とでは、太ももの筋肉の形が微妙に異なります。 座った状態で固定したつもりでも、立ち上がって歩き出した瞬間に筋肉が収縮し、隙間ができてズレ落ちたり丸まってしまうケースは少なくありません。 足を通すまでは座っていても構いませんが、ベルトやマジックテープを留める最後の仕上げは、必ず立ち上がって体重をかけた状態で行いましょう。 正しい位置に合わせる 膝のお皿(膝蓋骨)の位置と、サポーターの設計上の中心点を正確に重ねることが、膝サポーターが丸まるのを防止するポイントです。 多くの膝サポーターは、お皿の部分に穴が開いていたり、パッドが入っていたりと、位置合わせの目印となる構造をしています。 この位置が上下に数センチずれているだけで、歩くたびに太ももの筋肉に押されてめくれたり、ふくらはぎの方へ下がったりする原因となります。 装着後は鏡で正面と横から確認し、お皿が指定された枠内にきれいに収まっているかをチェックする習慣をつけると良いでしょう。 ベルトでしっかり固定する 仕上げのベルトは、ただきつく締めるのではなく、「上と下で役割が違う」ことを意識してしっかり留めましょう。 特に重要なのは「太もも側(上側)」のベルトで、ここが緩いと上端がペラペラとめくれ、そこからクルクルと丸まってしまいます。 逆に「すね側(下側)」は、強く締めすぎるとサポーター全体が下に引っ張られてズレ落ちる原因になるため、適度な固定力が求められます。 膝サポーターが丸まらない方法として「選び方」が重要 膝サポーターをどんなに正しい手順で装着しても、そもそも自分の足に合っていないものを使っていれば、動くたびに丸まってしまうのは避けられません。 本章では、自分に合ったサポーターを選ぶポイントについて解説します。 膝のサイズに合っているものを選ぶ 素材と形状を見て選ぶ 用途に適したものを選ぶ 付け心地が良いものを選ぶ 丸まりにくい快適な使用感を手に入れるためには、上記4つの視点で「自分に最適な一枚」を選び抜くことが大切です。 以下でそれぞれのポイントについて確認していきましょう。 膝のサイズに合っているものを選ぶ 膝サポーターのサイズ選びは、感覚ではなくメジャーで自分の膝の実寸を測り、メーカー指定の適合サイズを選ぶことが重要です。 洋服のように「普段はMサイズだから」という理由だけで選んでしまうと、太ももの太さが合わずに上端が食い込んでめくれたり、逆に緩すぎて歩行中にズレたりする原因となります。 多くの製品は「膝のお皿の中心から〇cm上の周囲」などを基準サイズとして設定しています。 購入前には必ず指定された位置を計測し、サイズ選びに迷った際はメーカーの推奨に従うことが、失敗を防ぐための第一歩です。 素材と形状を見て選ぶ 構造的に形状が崩れにくい機能や、肌に吸着する素材が使われている膝サポーターを選ぶことで、丸まるストレスを軽減できます。 特に以下の機能や加工は、丸まり防止に役立ち、装着中の安定感を大きく左右するポイントになります。 機能・加工 特徴とメリット シリコンストッパー 上端の内側に付いた滑り止め。肌との摩擦でズレを防ぐ コイルボーン(支柱) 両サイドに入ったバネ状の支柱。縦方向のたわみを防ぐ。 立体編み(3D) 膝の曲げ伸ばしに合わせて伸縮し、フィット感を保つ。 ただの筒状のサポーターではなく、上記のような機能を持ち、ズレ防止のための工夫が施された製品を選ぶと良いでしょう。 用途に適したものを選ぶ 膝サポーターは、「いつ、どのような場面で使うか」を明確にし、目的に特化した設計のものを選ぶことが重要です。 「スポーツをする時」なのか「日常生活で使うのか」によって、膝サポーターに求められる固定力や厚みは異なります。 例えば、激しく動くスポーツ用は固定力が強くズレにくい設計ですが、生地が厚いため、ジーンズなどの下に装着すると摩擦でめくれ上がってしまうことがあります。 逆に、保温用のソフトなサポーターで激しい運動をすれば、サポート力が足りずにすぐに位置がズレてしまいます。 用途に適した膝サポーターを選ぶことが、結果として体に馴染み、長時間の装着でも位置が安定することにつながります。 付け心地が良いものを選ぶ 汗による「滑り」を防ぎ、位置を直す回数を減らすためにも、膝サポーターの通気性や肌触りの良さは重要な要素です。 蒸れやすい素材は、汗をかくと皮膚との摩擦が減って滑り落ちやすくなるだけでなく、不快感から無意識に手で触ってしまい、位置をズラしてしまう原因にもなります。 夏場や長時間着用する場合は、裏側がメッシュ素材になっているものや、吸汗速乾性に優れたタイプを選ぶと良いでしょう。 肌ストレスが少ないものは自然にフィットするため、「着けていることを忘れるほどズレない」という理想的な状態を維持しやすくなります。 膝サポーターを付けるときのポイント【丸まる以外にも注意】 膝サポーターの効果を引き出し、トラブルなく使い続けるためには、ズレ対策以外にもいくつかの注意点を守る必要があります。 以下のポイントに注意して膝サポーターを活用しましょう。 長時間つけっぱなしにしない サイズが合っていないものは使用しない 膝やサポーターを清潔に保つ 定期的に交換する 間違った使い方は、かぶれや血行不良といった新たな悩みを生む原因となりかねません。 以下でそれぞれのポイントについて確認していきましょう。 長時間つけっぱなしにしない 膝サポーターを長時間つけ続けると、血流が悪くなり冷えを招いたり、筋肉が頼りきりになって筋力が低下したりする恐れがあります。 就寝時や休息中は外し、活動時のみ装着するというメリハリが大切です。 「歩く時だけ」「仕事中だけ」など、膝に負担がかかる場面に絞って使用し、リラックス時は膝を解放して休ませてあげましょう。 サイズが合っていないものは使用しない 「きつい方が効く」と誤解してサイズの小さい膝サポーターを使うと、血行障害や痛みの原因になります。 逆に大きすぎると十分な効果が得られず、ズレ落ちやすくなります。 体型は変化するため、購入時の試着はもちろん、違和感があればメジャーで測り直して今の足に合うものを選びましょう。 膝やサポーターを清潔に保つ 膝サポーターに汗や皮脂がついたまま放置すると、雑菌が繁殖し、かぶれや湿疹などの肌トラブルを引き起こす可能性があります。 特に夏場や運動後は蒸れやすいため、洗濯表示に従ってこまめに洗い、清潔な状態を保ちましょう。 肌が弱い方は、サポーターの下に薄手のインナーを挟むなどの工夫をすると、直接的な摩擦や汗による刺激を軽減できます。 定期的に交換する 膝サポーターは消耗品であり、生地の伸びや固定力の低下を感じたら交換のサインです。 劣化したまま使い続けても十分な効果は得られず、かえってズレやすくなる原因になります。 使用頻度にもよりますが、半年から1年を目安に買い替えを検討しましょう。新品のしっかりとしたホールド感こそが、膝への安心感を支えます。 膝サポーターが丸まらない方法は「正しい付け方」を覚えることが重要 膝サポーターが丸まる原因の多くは、装着手順のちょっとした工夫や、サイズ選びの見直しによって解消ができます。 本記事で解説した以下のポイントを押さえて、自分に合った膝サポーターを装着しましょう。 立った状態で締め直し、筋肉の動きに合わせてフィットさせる サイズを実測し、滑り止め加工などの機能性も重視する 消耗品と割り切り、劣化したら新しいものへ交換する まずは現在お使いのサポーターの付け方を、「座って履いて、立って締める」という手順に変えてみることから始めてみてください。 正しいケアで膝をしっかりと守り、ストレスのない快適な毎日を過ごしましょう。 また、膝サポーターを活用しなければならないほど、つらい膝の痛みには「再生医療」による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 以下の動画では、再生医療によって変形性膝関節症の症状が改善した症例を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/ek8aeRHpKiA?si=umae1pFVDCyJkZjc 当院リペアセルクリニックでは、膝の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、お気軽にご相談ください。
2025.12.26 -
- 内科
ストレスは、心だけでなく血管にも直接的な負担をかけ、一時的な血圧上昇を引き起こす大きな要因となります。 「イライラした後に血圧を測ったら、普段より数値が高くて驚いた」という経験はありませんか? このような血圧上昇は、ストレスホルモンの分泌や防衛反応によって交感神経が活性化し、血管が収縮されることで起こります。 本記事では、ストレスが血圧を上げるメカニズムから、日常生活ですぐに実践できる具体的な対処法について詳しく解説します。 ストレスと血圧の関係性を正しく理解し、健やかな毎日を取り戻すためのヒントとしてお役立てください。 ストレスで血圧が上昇する3つの原因 ストレスによって血圧が上がる原因は、以下のとおりです。 ホルモン分泌による血管の収縮 防衛反応による交感神経の活性化 慢性的なストレスによる自律神経の乱れ ストレスによる血圧上昇の原因を知ることで、ご自身の体調変化を冷静に捉えるためのヒントが見つかるでしょう。 以下でそれぞれの原因について解説します。 ホルモン分泌による血管の収縮 脳がストレスを感知すると、体内でコルチゾールやアドレナリンなどの「ストレスホルモン」が分泌されます。 これらの物質には、心臓の拍動を強めて血液を送り出す量を増やすと同時に、血管を収縮させる作用があります。 収縮して狭くなった血管を大量の血液が通ろうとするため、血管壁への圧力が急激に高まり、血圧が上昇します。 防衛反応による交感神経の活性化 急なストレスに対して防衛反応が働き、交感神経が優位になることで血圧の急上昇を引き起こします。 これは人間に備わっている「防衛機制」と呼ばれるもので、心拍数の上昇や血管の収縮などの身体的反応以外にも、イライラや落ち込みなどの心理的反応が現れます。 緊張や激しい怒りを感じた瞬間にドキドキと心拍数が上がるのは、交感神経が一気に活性化しているサインです。 一時的なものであれば問題ありませんが、頻繁にこのスイッチが入ると血管へのダメージが蓄積されるため、リラックスする時間を意識的に設けましょう。 慢性的なストレスによる自律神経の乱れ 長期間ストレスを感じていると、自律神経の切り替えがスムーズにいかなくなり、血圧が高い状態が常態化してしまうリスクがあります。 本来であれば、リラックスしている時には副交感神経が働き、血管を拡張させて血圧を下げる機能が働くはずです。 しかし、仕事のプレッシャーや人間関係の悩みによる持続的なストレスによって、常に交感神経が張り詰めた状態になり、休息時でも血圧が下がりにくくなってしまいます。 診察室以外で血圧が高くなる「仮面高血圧」と呼ばれるケースも多く、気づかないうちに動脈硬化を進行させる要因となります。 ストレスと高血圧の関係性|血圧測定時に上昇する2つのタイプ ストレスによる血圧上昇は、測定する場所や環境によって数値が大きく変動することがあります。 特定の状況下でのみ血圧が上昇する高血圧のタイプは、以下の2通りです。 職場高血圧 白衣高血圧 これらは通常の健康診断だけでは正確な状態を把握しにくい特徴を持っています。 ご自身の生活パターンや性格と照らし合わせ、隠れた血圧変動のリスクがないかを確認してみましょう。 職場高血圧 職場高血圧とは、家庭や病院での測定値は正常であるにも関わらず、仕事中や職場にいる時だけ血圧が高くなるタイプを指します。 これは「仮面高血圧」の一種とされ、仕事のプレッシャー、過重労働、人間関係の悩みなどが交感神経を刺激し続けることが主な原因と考えられています。 健康診断では「異常なし」と判定されてしまうため発見が遅れがちですが、実際には血管への負担が長時間続いている状態です。 「仕事中に頭痛がする」「夕方になると動悸を感じる」といったサインがある場合は、就業中の休憩時間などに簡易測定を行い、実態を把握することをおすすめします。 白衣高血圧 白衣高血圧とは、普段の血圧は正常範囲内であるのに、病院や健診会場では緊張から一時的に血圧が急上昇してしまうタイプです。 精神的な緊張や不安が強く作用して起こる反応であり、診察室を出てリラックスすると数値が速やかに戻るのが特徴です。 一過性のものとして扱われることもありますが、ストレスに対して敏感に血圧が反応する体質であるサインとも捉えられます。 医師が正確な診断を下すためには、リラックスできる自宅で毎日決まった時間に測定する「家庭血圧」の記録を持参することが、誤診を防ぐための有効な手段となります。 ストレスで上昇した血圧を下げる方法・対処法 ストレスによる血圧上昇を防いだり、上がった血圧を下げたりするには、高ぶった交感神経を鎮め、心身をリラックスさせる副交感神経の働きを優位にすることが効果的なアプローチです。 主な対処法について解説していきます。 リラックス法を実践する 適度な運動を取り入れる 生活リズムを整える ストレスそのものをゼロにすることは難しくても、体が受けるダメージを軽減する方法は数多く存在します。 今日から無理なく始められる3つの習慣を見ていきましょう。 リラックス法を実践する 意識的に副交感神経のスイッチを入れるためには、深呼吸や入浴といった「リラックス法」を日常に取り入れることが推奨されます。 特に「腹式呼吸」は、場所を選ばず実践できる効果的なケアです。 鼻からゆっくり息を吸ってお腹を膨らませ、口から細く長く吐き出す動作を繰り返すことで、緊張した神経が落ち着きます。 また、38〜40度程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かることも血管を広げて血流を良くするため、高めの血圧を落ち着かせるのに役立ちます。 適度な運動を取り入れる ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、血管を広げる物質の分泌を促し、長期的に血圧を安定させる効果があるといわれています。 運動により血流が良くなると、体内のストレスホルモンの分解が促進され、心身のリフレッシュにも繋がります。 激しいトレーニングは逆効果になることもあるため、「会話ができる程度のウォーキング」や「お風呂上がりのストレッチ」など、うっすらと汗ばむ程度の運動を行いましょう。 1日20分ほど継続することが、健康的な血管ケアへの近道です。 生活リズムを整える ストレスへの耐性を高めるためには、規則正しい生活リズムを刻み、自律神経のバランスを整えることが大切です。 特に睡眠は、日中に酷使した脳と血管を休ませるための重要な時間です。 睡眠不足は交感神経の緊張を長引かせ、翌日の血圧にも悪影響を及ぼします。 「起床時間を一定にして体内時計をリセットする」「寝る前のスマホ操作を控える」といった工夫で質の高い睡眠を確保し、ストレスに負けない体づくりを目指しましょう。 ストレスによる血圧上昇に関してよくある質問 ストレスと血圧の関係について、多くの患者さまから寄せられる質問にお答えします。 ストレスで血圧はどれくらい上がる? 疲労が溜まると血圧は上がる? 一時的な変動で済むものなのか、正しい知識を持っておくことで、数値に一喜一憂せず冷静に対処できるようになるでしょう。 以下でそれぞれ確認していきましょう。 ストレスで血圧はどれくらい上がる? 強いストレスを感じたり、緊張状態が続いたりすると、血圧は数mmHg〜30mmHg程度上昇する可能性があります。 これは一時的な反応であることが多いですが、例えば病院で数値を計測することに対する緊張で血圧が上昇する「白衣高血圧」などが代表的です。 重要なのは上昇幅そのものよりも、リラックスした後に「速やかに戻るかどうか」です。 時間が経っても高い数値が続く場合は、血管の柔軟性が失われている可能性があるため、一度医師への相談を検討しましょう。 疲労が溜まると血圧は上がる? 蓄積した疲労が交感神経を刺激し続け、血圧を上昇させる直接的な原因となります。 疲れが取れない状態で活動を続けると、体は無理にエネルギーを供給しようとしてアドレナリンを分泌し、血管を収縮させてしまうからです。 特に睡眠不足は、本来下がるはずの夜間の血圧が高いままになる「夜間高血圧」のリスクを高めます。 休息不足は血管へのダメージに直結すると認識し、早めのケアを心がけることが大切です。 高血圧を防ぐためにもストレスを自覚することが重要 ストレスは目に見えないものですが、血管には確実に負担をかけ、高血圧のリスクを高める大きな要因となります。 以下のポイントを押さえて、ストレスによる高血圧を防ぎましょう。 イライラや緊張が血圧を上げる仕組みを理解する 深呼吸や運動でこまめにストレスを解消する 家庭での血圧測定を習慣にして変化に気づく 「たかがストレス」と放置せず、早めに対処することが、将来の深刻な病気を防ぐカギとなります。 まずは、深呼吸だけでも構いませんので、できる範囲でご自身の心と体をいたわる時間を作ってみてください。 もし家庭での測定値が高い状態が続くようであれば、迷わず専門医に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
2025.12.26 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝の痛みを和らげるための医療用膝サポーターは、医師の診断に基づき治療上必要と認められた場合は保険適用で購入可能です。 しかし、保険適用で購入するための購入先や条件、制度の仕組みを正しく理解していないと、保険適用外となる可能性があります。 本記事では、医療用の膝サポーターが保険適用になる具体的な条件や購入手順について詳しく解説します。 ご自身の症状に合った医療用の膝サポーターを賢く手に入れるための判断材料としてお役立てください。 また、つらい膝の痛みには、医療用の膝サポーターと併せて「再生医療」による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでは、膝の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 医療用膝サポーターは保険適用になるのか 医療用の膝サポーターは、国が定める条件を満たすことで健康保険の適用対象となります。 ただし、ドラッグストアなどで個人的に購入したものは原則として対象外であり、医療機関での診察と処方が前提となる点に注意が必要です。 どのような条件で保険適用されるのか、具体的な条件を確認していきましょう。 保険適用になる条件 医療用の膝サポーターを購入する際に保険適用される条件は、以下のとおりです。 【保険適用の条件】 ①完成品であること ②疾病または負傷の治療遂行上必要なものであること ③オーダーメイドで製作した場合のものと同等もしくはそれに準ずる機能が得られるものと認められるもの ※出典:厚生労働省「治療用装具に係る既製品のリスト化及び基準価格の設定等について」 上記の条件を満たしていないサポーターは、医療用として販売されている製品であっても、保険適用の対象にはなりません。 痛みや怪我の予防目的で購入したものや医師の診察を受けずに購入したものは、自費で購入する必要があります。 医療用の膝サポーターが必要と診断される疾患は、「変形性膝関節症」「半月板損傷」「前十字靭帯損傷」「側副靭帯損傷」などが挙げられます。 まずは整形外科を受診し、現在の症状に医療用サポーターが必要かどうかを医師に相談することから始めましょう。 医療用膝サポーターの保険適用後の値段 医療用膝サポーターの購入に保険適用が認められた場合、最終的な自己負担額は、1万円台〜数万円程度で済みます。 購入するサポーターがフルオーダーなのか、セミオーダーなのか、保険適用される既製品なのかで金額が大きく異なります。 保険適用となる既製品の膝サポーターの基準価格の例は、以下のとおりです。 製品名 基準価格(円) 膝サポーターACL(POゲルテックスACL) 14,730円 膝装具軟性(KFLG) 14,140円 (NS)P.O.スポーツPCL 16,480円 ニーグリップ・OA3 8,800円 ※出典:「療養費の支給対象となる既製品の治療用装具」から一部抜粋 また、医療用膝サポーターには、「療養費払い(償還払い)」と呼ばれる仕組みが適用されるため、一旦窓口で全額を支払う必要がある点に注意が必要です。 療養費払いは、一旦全額を支払い、後日ご自身で加入している健康保険組合へ申請を行うことで、自己負担分を除いた金額(7〜9割)が口座に振り込まれるという制度です。 そのため、最終的には一部返ってきますが、購入時はまとまったお金が必要になることを覚えておきましょう。 医療用膝サポーターはどこで売ってる?保険適用で買う方法 医療用の膝サポーターを保険適用で購入できる場所は、「整形外科などの医療機関」に限られます。 保険適用で購入できるのは「医療機関」のみ 保険適用で購入する方法・流れ 「医療用」と名のつく商品であっても、購入場所や手順を間違えると全額自己負担となってしまうため注意が必要です。 以下では、保険を適用させるための正しい購入ルートと手続きの手順について解説します。 保険適用で購入できるのは「医療機関」のみ 医療用の膝サポーターを保険適用で購入する場合は、必ず医療機関で医師の診察を受け、処方箋を発行してもらう必要があります。 「医療用」や「固定用」と記載されている市販品であっても、医師の診察と処方箋なしで購入したものは、全て保険適用の対象外となるため、注意しましょう。 「店頭やネットで購入した領収書を病院に持っていく」といった方法は適用されないため、まずは医師へ相談することから始めましょう。 保険適用で購入する方法・流れ 保険適用で医療用の膝サポーターを購入する方法・流れは、基本的に以下のような4つのステップで進みます。 ①整形外科を受診し、診断書・処方箋を発行してもらう ②医療機関で医療用の膝サポーターを作成してもらう ③膝サポーターの代金を一旦全額支払う ④健康保険組合などで療養費を申請する サポーターの購入代金は一時的に全額を立て替える必要があるため、まとまったお金を用意しておきましょう。 療養費の申請から数カ月後に自己負担分を除いた金額が指定口座に振り込まれます。 内訳のわかる領収書や医師の診断書は、療養費の申請時に必ず必要になるため、大切に保管しておいてください。 医療用膝サポーターに関してよくある質問 医療用の膝サポーターの購入方法や効果について、よくある質問に回答していきます。 医療用サポーターと市販品の違いは? 変形性膝関節症に医療用膝サポーターは有効? 以下でそれぞれの質問について詳しく見ていきましょう。 医療用サポーターと市販品の違いは? 膝サポーターにおける医療用と市販品の主な違いは、使用する目的や保険適用の有無にあります。 医療用の膝サポーターは、特定の疾患・怪我の治療に対して使用されるものです。 対して、市販の膝サポーターは、怪我の予防・痛みの緩和・保温を目的として使用されます。 また、医療用の膝サポーターは医師の診断・処方を経て、申請することで保険適用されますが、市販品は保険適用されないため全額自費となります。 変形性膝関節症に医療用膝サポーターは有効? 医療用の膝サポーターは、変形性膝関節症に対して一定の効果が期待でき、治療の一環として用いられることがあります。 装着することで膝のぐらつきの軽減や転倒防止につながり、支柱入りの装具では歩行時の不安定感を減らす効果も期待できます。 しかし、膝サポーターの活用で変形性膝関節症が治るわけではないため、その他の治療と併用することが前提です。 医療用膝サポーターと併せて再生医療をご検討ください 医療用の膝サポーターは、医療機関で医師に診断・処方してもらい、条件を満たすことで保険適用されます。 保険適用できるのは「医療機関で購入した医療用サポーターのみ」なので、本記事で紹介した条件などを参考に、ご自身の症状が当てはまるか確認してみましょう。 また、つらい膝の痛みには、原因となる疾患や怪我の根本改善を目指せる「再生医療」による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 以下の動画では、再生医療によって変形性膝関節症の症状が改善した症例を紹介していますので、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/ek8aeRHpKiA?si=9ui8xZwcq2jAtd8Z 当院リペアセルクリニックでは、膝の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- 腰
腰の痛みや足のしびれが長引くと、日常生活を送るだけでも大きなストレスを感じてしまうものです。 腰痛の原因としてよく耳にする「脊柱管狭窄症」と「椎間板ヘルニア」ですが、この2つには症状の現れ方や、楽になる姿勢に明確な違いがあります。 本記事では、「脊柱管狭窄症」と「椎間板ヘルニア」の違いやセルフチェック方法についてわかりやすく解説します。 ご自身の症状がどちらに当てはまるのかを知ることは、適切な対処法を見つけるための大きな手助けとなるでしょう。 また、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの治療には、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアの違い【項目別】 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、どちらも腰痛や足のしびれを引き起こしますが、その発症メカニズムや症状の特徴には明確な違いがあります。 痛み・症状の違い 原因の違い 発症しやすい年齢層の違い 楽になる姿勢の違い まずは以下の比較表で、全体的な特徴の違いを確認してみてください。 項目 脊柱管狭窄症 椎間板ヘルニア 特徴的な症状 歩くと痛みを感じるが、休むと落ち着く 安静時や特定の動作での激痛 主な原因 加齢による骨や靭帯の変形 椎間板(髄核)の突出 好発年齢 50代以降(特に高齢者) 20~40代 楽になる姿勢 前かがみ(背中を丸める) 立つ・寝る(前かがみで悪化) それぞれの違いを理解することは、ご自身の痛みの原因を探る第一歩となるでしょう。 痛み・症状の違い 脊柱管狭窄症は「歩行時の痛みと休息による緩和」、椎間板ヘルニアは「安静時や動作時の持続的な痛み」が大きな特徴です。 脊柱管狭窄症では、しばらく歩くと足にしびれや痛みが出て歩けなくなり、しゃがんで少し休むとまた歩けるようになる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という症状が典型的に現れます。 一方、椎間板ヘルニアは、重いものを持ったりくしゃみをしたりなどの動作の瞬間に激痛が走ることが多く、座っているだけでも痛みを感じるケースが少なくありません。 お尻から足にかけての痛み(坐骨神経痛)は共通していますが、痛みが現れるタイミングに注目すると違いが見えてくるでしょう。 原因の違い 神経の通り道自体が狭くなるのか、クッションの役割を持つ椎間板が飛び出して圧迫するのかという物理的な発生要因が異なります。 脊柱管狭窄症は、主に加齢によって骨が変形したり靭帯が厚くなったりすることで、神経が通るトンネル(脊柱管)が狭められてしまう状態を指します。 対して椎間板ヘルニアは、背骨の間にある「椎間板」というクッションに亀裂が入り、中にあるゼリー状の組織(髄核)が外に飛び出して神経に触れることで炎症や痛みを引き起こします。 長時間のデスクワークや中腰での作業など、腰への負担が蓄積することが発症の引き金になりやすいです。 発症しやすい年齢層の違い 脊柱管狭窄症は中高年以降の方に多く、椎間板ヘルニアは比較的若い世代にも広く見られる傾向があります。 脊柱管狭窄症は、長年の生活による骨や関節の変性が主な原因であるため、50代頃から徐々に増え始め、70代以上の高齢者で特に多く発症します。 一方、椎間板ヘルニアは20代から40代の働き盛りの世代に多く見られる疾患です。 もちろん高齢でヘルニアになる場合もありますが、活動量の多い若い世代で腰痛やしびれが出た場合は、まずヘルニアの可能性を疑うことが多いでしょう。 楽になる姿勢の違い 「前かがみ」になった時に症状が楽になるか、それとも痛みが強まるかが、脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを見分ける重要なポイントとなります。 脊柱管狭窄症の方は、背中を丸める姿勢をとると神経の通り道が広がるため、痛みが軽減され楽になることが多いです。 対して、椎間板ヘルニアでは、前かがみになると椎間板への圧力が強まり、痛みが悪化してしまうケースが多く見られます。 背筋を伸ばして立っているときや寝ているときの方が楽に感じる場合は、椎間板ヘルニアの可能性が高いと考えられます。 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアを見分けるためのセルフチェック ご自身の症状が「脊柱管狭窄症」と「椎間板ヘルニア」のどちらに近いのか、日々の生活動作の中にそのヒントが隠されています。 疾患を見分けるためのセルフチェックについて、以下の観点から解説します。 腰痛の現れ方 下肢のしびれや痛みの現れ方 排尿障害の有無 もちろん自己判断は禁物ですが、特徴的なサインを知っておくことは、病院を受診する際に医師へ正確な情報を伝える助けとなるでしょう。 具体的なチェックポイントについて解説します。 腰痛の現れ方 痛みが強くなる動作を確認することで、腰への負担のかかり方から原因を推測できる場合があります。 以下のリストを参考に、日常のどの場面で痛みを感じるか振り返ってみてください。 動作による痛みのチェックリスト 日常生活で痛みを感じる場面の例 脊柱管狭窄症の傾向 ・高いところにある洗濯物を干そうと見上げると痛む ・腰をひねったり、後ろに反らしたりすると痛みが走る ・背筋を伸ばして立っていると痛みでつらい 椎間板ヘルニアの傾向 ・靴下を履こうと前かがみになると痛む ・洗顔や掃除機をかける姿勢がつらい ・長時間座りっぱなしでいると腰が重くなる 一般的に、後ろに反ったときに痛みが出るのは脊柱管狭窄症、前かがみで痛みが出るのは椎間板ヘルニアの可能性が高いと考えられます。 下肢のしびれや痛みの現れ方 足に現れるしびれや痛みが、「片足だけ」なのか「両足」なのかという点も疾患を見分けるための判断材料となります。 脊柱管狭窄症では、脊髄神経全体が圧迫されるケース(馬尾型など)があり、その場合は両足の裏やふくらはぎ全体にしびれを感じることが少なくありません。 一方、椎間板ヘルニアは、飛び出した椎間板が左右どちらかの神経を圧迫することが多いため、片方の足やお尻に激しい痛みやしびれが出やすいのが特徴です。 「両足に広がるじんわりとしたしびれ」なら脊柱管狭窄症、「片側だけの鋭い痛み」なら椎間板ヘルニアを疑いましょう。 排尿障害の有無 腰や足の痛みだけでなく、トイレに関するトラブルが起きていないかどうかも、病状の深刻度を測る上で見逃せないポイントです。 特に脊柱管狭窄症が悪化し、脊柱管の中を通る「馬尾神経」が強く圧迫されると、頻尿や残尿感、尿漏れといった排尿障害が現れることがあります。 また、お尻周りの感覚が麻痺して便意を感じにくくなるといった症状が出るケースもゼロではありません。 これらは神経が深刻なダメージを受けているサインであり、放置すると回復が難しくなる恐れがあるため、早急に専門医へ相談すべき状態と言えます。 一方で、椎間板ヘルニアでは上記のような排尿障害が現れる可能性は少ないとされています。 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアになりやすい人の特徴 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、どちらも遺伝的要素に加えて、日々の生活習慣や職業的な負担が発症リスクを大きく左右します。 本章では、それぞれの疾患を発症しやすい人の特徴について解説します。 脊柱管狭窄症になりやすい人 椎間板ヘルニアになりやすい人 年齢による変化はどうしても避けられない部分がありますが、ご自身が「なりやすい条件」に当てはまっていないかを確認し、生活習慣を見直すきっかけにしましょう。 脊柱管狭窄症になりやすい人 脊柱管狭窄症は、主に50代以降の方に多く見られますが、若い頃からの腰への負担の蓄積や姿勢の悪さが影響しやすい傾向にあります。 具体的には、以下のような特徴を持つ方が発症しやすいといわれています。 【脊柱管狭窄症のリスクが高い人の特徴】 姿勢の癖|猫背や反り腰が定着しており、背骨に無理な力がかかり続けている人 職業歴|建設業や農業、運送業など、若い頃に重いものを持つ重労働に従事していた人 移動手段|長時間の運転を日常的に行っている人(タクシーやトラックの運転手など) 体型|肥満傾向にあり、お腹が出ていることで腰が反りやすくなっている人 加齢に伴う骨や靭帯の変性が主な原因となるため、長期間にわたり腰を酷使してきた方や、背骨の自然なカーブが崩れている方は注意が必要です。 椎間板ヘルニアになりやすい人 椎間板ヘルニアは、20代から40代の比較的若い世代に多く、腰への急激な負荷や、長時間同じ姿勢を続けることが発症の引き金となりやすい疾患です。 また、意外な要因として「喫煙」も椎間板の変性を早める一因とされているため、以下の項目をチェックしてみましょう。 【椎間板ヘルニアのリスクが高い人の特徴】 デスクワーク|パソコン作業などで長時間座りっぱなしの姿勢が多く、猫背になりがちな人 重作業|引っ越し業者や介護職など、頻繁に重いものを持ち上げる動作を行う人 スポーツ|野球やゴルフ、テニスなど、腰を激しくひねる動作が多いスポーツをしている人 生活習慣|喫煙習慣があり、椎間板への血流や栄養供給が滞りやすい人 遺伝|家族に椎間板ヘルニアになった人がいる場合、体質的に発症しやすい可能性がある 椎間板の中にある髄核(ゼリー状の組織)には水分が多く含まれていますが、圧力の変化に弱いため、腰を丸める動作や重いものを持つ動作が繰り返される環境下で発症リスクが高まります。 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの治療に注目されている「再生医療」とは 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアは、いずれも神経が圧迫されることで痛みを感じる疾患です。 そんな神経症状に対して、近年の治療では、自己細胞を用いて損傷した神経の抜本的な改善を目指す「再生医療」が注目されています。 再生医療では、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 従来の神経症状の治療では、手術によって神経の圧迫を取り除くのが一般的でしたが、リスクから「手術は避けたい」という方も少なくありません。 再生医療は細胞の投与を注射で行うため、「手術を避けて治療したい」「つらい症状を早く治したい」という方の新たな選択肢です。 当院の再生医療を受けた方の症例動画 以下の動画では、当院リペアセルクリニックの再生医療を受け、椎間板ヘルニアの症状が改善した症例を紹介しています。 https://youtu.be/5JqLxbYwLJ4?si=T_nwvBI7HnMAdPeH 現在、リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しています。 「脊柱管狭窄症または、椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひご相談ください。 脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの違いを見分けて適切な治療を受けよう 脊柱管狭窄症と椎間板ヘルニアは、似たような腰の痛みを伴いますが、その原因や適切な対処法は大きく異なります。 ご自身の症状がどちらに当てはまるかを知ることは大切ですが、自己判断だけで対処しようとするのはリスクが伴います。 特に足のしびれや排尿障害など、神経に関わる症状が出ている場合は、一刻も早い治療が必要になることもあります。 「いつもの腰痛だから」と放置せず、医療機関を受診し、MRIなどの検査を受けて正確な診断を受けることが痛みのない生活を取り戻すための近道となるでしょう。 また、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアの治療には、再生医療も選択肢の一つです。 現在、リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しています。 「脊柱管狭窄症または、椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- アキレス腱
アキレス腱断裂において、早期の社会復帰やスポーツ活動への復帰を目指す場合は、手術療法が検討されます。 しかし、どのような手術が行われるのか、費用や入院期間はどのくらいなのか気になる方も多いでしょう。 本記事では、アキレス腱断裂で行われる2種類の手術方法について詳しく解説します。 また、「アキレス腱断裂を早く治したいけれど、手術は避けたい」という方は、再生医療による治療もご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、断裂したアキレス腱の修復を促す治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、ぜひご相談ください。 アキレス腱断裂の手術方法 アキレス腱断裂の手術は、再断裂予防と機能回復を目的に行われ、早期社会復帰を目指す方に選択されます。 特に仕事やスポーツへの早期復帰を希望する場合に検討されることが多いです。 手術方法には、主に以下の2つのアプローチがあり、患部の状態や医師の方針により、適切な術式が検討されます。 開放手術 低侵襲手術 それぞれの術式には異なる特徴とメリットがあるため、以下で詳しく解説していきます。 開放手術 開放手術は、アキレス腱断裂部位の皮膚を5~10cm程度切開し、医師が腱の状態を直接視認しながら縫合する術式です。 腱の断裂状態や損傷範囲を正確に把握できるため、縫合の精度が高く、古い断裂や断裂幅が大きい症例にも対応しやすい特徴があります。 開放手術の主な特徴は、以下のとおりです。 断裂部を直接確認できるため、縫合が確実 適切に実施されれば再断裂率は低い 重度例や陳旧例(時間が経過した断裂)にも適応しやすい 一方で、切開範囲が広いため、感染や皮膚トラブルなどの創部合併症のリスクがあります。術後はギプスや装具で固定し、数週間かけて荷重や可動域訓練を段階的に進めます。 開放手術は従来からの術式であり、直視下で確実な縫合が可能なため、現在も広く行われている信頼性の高い方法です。 低侵襲手術 低侵襲手術は、皮膚に小さな切開を数カ所開けて、特殊な器具を用いてアキレス腱を縫合する低侵襲な術式です。 皮膚や周囲組織へのダメージが少ないため、術後の痛みが軽く、傷跡が目立ちにくい特徴があります。 低侵襲手術の主な特徴は、以下のとおりです。 切開が小さく、創部合併症のリスクが低い 術後の痛みが比較的少ない 傷跡が目立ちにくい その反面、断裂部を直接確認できないため、断裂形態によっては適応できない場合があります。術式選択は、断裂の状態と回復目標を踏まえ、専門医と十分に相談することが重要です。 また、低侵襲手術は適切に実施されれば優れた治療成績が得られますが、神経損傷のリスクについて理解しておく必要があります。 アキレス腱断裂の手術費用の目安 アキレス腱断裂の手術は保険診療に該当し、健康保険適用で3割負担の場合「10万〜20万円程度」が目安です。 実際の金額は、入院日数や術式、病院の設備によって前後します。 費用に影響する主な要素は、以下のとおりです。 手術方法|開放手術か低侵襲手術か 入院日数の長短 個室利用や装具代の有無 収入によっては高額療養費制度を利用することで、自己負担額をさらに抑えられる場合があります。 アキレス腱断裂手術後の入院期間 アキレス腱断裂の手術後は、全身状態や術後経過を確認するために入院が必要ですが、基本的には短期入院で対応可能です。 本章では、アキレス腱断裂の手術における入院期間と復帰期間の目安について解説します。 入院期間は数日から1週間程度が目安 歩けるまでの期間は3ヶ月が目安 以下では、入院期間の目安と退院後に自力で歩けるようになるまでの一般的な流れについてご説明します。 入院期間は数日から1週間程度が目安 アキレス腱断裂の入院期間は、術後の痛みや腫れ、合併症の有無によって異なりますが、一般的には数日から1週間程度です。 低侵襲手術の場合は、より短期間での退院が可能なこともあります。 入院中に行われる主な内容は、以下のとおりです。 創部や腫脹の確認 ギプスや装具による固定 松葉杖歩行の指導 術後の全身状態が安定し、松葉杖での移動や身の回りの動作が可能になった段階で退院を検討します。 仕事の内容によっては早期の復職も検討できますが、主治医と相談しながら慎重に判断することが大切です。 歩けるまでの期間は3ヶ月が目安 アキレス腱断裂の手術後、補助なしでスムーズに歩けるようになるまでには、一般的に3ヶ月程度の期間が必要です。 回復までの流れは、以下が目安です。 術後〜数週間:固定と松葉杖歩行 約1〜2ヶ月:装具下での歩行練習 約3ヶ月:日常歩行が安定 術後数週間はギプスや装具で患部を固定し、腱の修復を優先させる時期が続きます。 その後、段階的に足首の可動域を広げ、体重をかける練習を開始することで徐々に歩行能力を回復させていきます。 個人の回復力やリハビリへの取り組み方により、期間は前後する可能性があることを念頭に置いておきましょう。 アキレス腱断裂の手術後のリハビリテーション 手術後のリハビリテーションは、アキレス腱の柔軟性を取り戻し、周囲の筋力を回復させるために不可欠なプロセスです。 初期段階では足首の固まりを防ぐ運動を行い、徐々に体重をかける荷重訓練へと移行するのが一般的です。 無理に動かすと再断裂の恐れがあるため、理学療法士の指導のもとで計画的に進めます。 スポーツ復帰を目指す場合は、ジョギングやジャンプ動作など、より強度の高いメニューを半年から1年かけて実施します。 アキレス腱断裂の手術に関してよくある質問 手術を検討するにあたり、多くの方が抱く疑問や不安について、医学的に妥当とされる見解をまとめました。 アキレス腱断裂を手術しないで治す方法は? アキレス腱断裂の手術で使われる麻酔は? アキレス腱断裂の手術した後はどうなる? 不安を解消し、納得した上で治療に臨むことが回復への第一歩となります。 アキレス腱断裂を手術しないで治す方法は? アキレス腱断裂は、手術せずにギプスや装具で足首を固定し、断裂した腱の自然治癒を目指す「保存療法」も選択できます。 早期の社会復帰やスポーツ復帰を目指す場合は、手術が勧められますが、高齢の方や日常生活での活動量が少ない場合には保存療法が優先されます。 手術による合併症のリスクを回避できる一方で、治療期間が長くなるため注意が必要です。 また、手術と比べて再断裂のリスクが高く、筋力低下が起こりやすい点も理解しておきましょう。 アキレス腱断裂の手術で使われる麻酔は? アキレス腱断裂の手術では、主に「全身麻酔」または「腰椎麻酔」が一般的です。 低侵襲手術の場合は、侵襲が少ないことから局所麻酔が用いられるケースもあります。 患者さまの年齢・健康状態・術式に応じて、医師が適切な麻酔を選択します。 いずれの場合も、麻酔科医が事前に説明を行い、安全性を確認したうえで実施されます。 アキレス腱断裂の手術した後はどうなる? アキレス腱断裂の手術後は、数週間程度の装具による固定・安静期間を経て、リハビリテーションが始まります。 一般的には歩行まで約3ヶ月、スポーツ復帰までは半年以上かかることもあります。 初期は松葉杖を使用し、患部に体重をかけない期間が必要ですが、徐々に足首の可動域訓練や筋力トレーニングで補助なしで行動できるようにリハビリを開始します。 適切なリハビリを継続することが再断裂予防につながります。 アキレス腱断裂を手術しないで治すなら再生医療をご検討ください アキレス腱断裂の手術には、患部を直接切開する「開放手術」と傷口を最小限に抑える「低侵襲手術」の2種類あります。 主な入院期間は数日から1週間程度ですが、歩けるようになるまでは3ヶ月程度かかる場合があります。 「早く治したいけれど手術を避けたい」という方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、人間に本来備わっている自己治癒力を高めることで、組織の再生・修復を促す治療法です。 入院の必要がなく体への負担も比較的少ないため、新しい選択肢として注目されています。 当院リペアセルクリニックでは、アキレス腱断裂の治療について無料カウンセリングを行っているので、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- 股関節
「MRI検査でわかる股関節の病気は?」 「レントゲン検査では問題なかったけど痛みが続く」 他の検査を受けても股関節の痛みの原因がわからず、上記のようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。 MRI検査は、強力な磁石と電波(ラジオ波)を用いて、体の内部を画像化することで、他の画像検査では映らない情報を得ることが可能です。 本記事では、MRI検査でわかる股関節の病気や他の画像検査との違いについて解説します。 検査費用の目安やレントゲン・CT検査との違いも解説しているため、MRI検査について詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。 また、変形性股関節症や関節唇損傷などの股関節の痛みを早く治したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した組織の再生・修復を促し、股関節の痛みの根本改善を目指す治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行なっているため、ぜひご相談ください。 股関節のMRI検査でわかる病気一覧 股関節のMRI検査では、骨の変形だけでなく、軟骨や関節唇、骨内部の異常まで確認できるため、初期段階の疾患や炎症の把握に役立ちます。 本章では、MRI検査でわかる股関節の病気について解説します。 変形性股関節症 大腿骨頭壊死 関節唇損傷 股関節インピンジメント症候群 骨髄浮腫 滑液包炎 以下では、上記がどのような病気なのか、MRI検査でどのような状態が確認できるのか、具体的に解説していきます。 変形性股関節症 変形性股関節症は、股関節の軟骨が徐々にすり減り、痛みや動かしにくさが生じる病気です。 基本的な診断方法はレントゲン検査となりますが、MRI検査では軟骨の状態をより詳細に評価できるため、明らかな変化が見られない早期段階でも、軟骨の変性を確認できる可能性があります。 股関節の状態を画像で評価することは、今後の治療方針を検討する上で有用な情報となります。 ただし、初期変形性股関節症の診断基準は確立されておらず、MRIでも見逃される変化があることに注意が必要です。 大腿骨頭壊死 大腿骨頭壊死は、大腿骨の頭部への血流が滞ることで骨の組織が壊死して脆くなる病気です。 初期段階ではレントゲン検査で異常が出ないことが多いため、MRI検査での診断が中心となり、骨髄内の信号変化として壊死の兆候を捉えられます。 早期に診断できれば、荷重制限や治療介入により、股関節の温存を目指せる可能性が高まります。 関節唇損傷 関節唇損傷は、股関節の安定性を保つための「関節唇」という軟骨組織が裂けたり剥がれたりする病気です。 関節唇の断裂や変性はレントゲン検査で診断できないため、MRI検査によって関節唇の状態や周囲の炎症を確認します。 単純MRI(造影剤を使わない検査)では見逃される可能性もあり、MR関節造影(MRA)によって微細な損傷を確認するケースもあります。 関節唇の損傷箇所を早期に特定することで、リハビリテーションの方向性を検討する材料になります。 股関節インピンジメント症候群 股関節インピンジメント症候群は、股関節の骨の形状異常により、動かすたびに骨同士が衝突して組織を傷つける病気です。 レントゲン検査による骨形態の診断が基本ですが、MRI検査によって骨同士の衝突による二次的な関節唇損傷や軟骨損傷の有無を評価できます。 特定の動作で痛みが出る原因を画像で評価することは、避けるべき動きや治療方針を検討する上で参考となります。 骨髄浮腫 骨髄浮腫は、骨の内部にある骨髄に水分が過剰に溜まり、炎症や微小な損傷が起きている状態のことを指します。 レントゲン検査では全く映らない「骨内部の炎症」を確認できるのは、MRI検査ならではの大きな特徴といえるでしょう。 骨折までは至っていないものの、骨に過度な負担がかかっているサインを早期に発見できることで、重症化を未然に防げます。 骨への負担を画像で確認することで、活動量の調整や治療方針を検討する際の参考となります。 滑液包炎 滑液包炎は、関節の動きを滑らかにする「滑液包」という袋に炎症が起き、痛みや腫れが生じる病気です。 MRI検査は滑液包に炎症が起きている様子を評価でき、大転子滑液包炎や腸恥滑液包炎などの診断に用いられます。 しかし、軽度の炎症では検出できないこともあり、臨床診断(触診や問診)が重要です。 筋肉や腱の摩擦による炎症を特定することは、治療法を検討する際の大切な情報となります。 股関節の検査に用いられる「MRI検査」の特徴 MRI検査は磁気と電波を利用した画像検査で、放射線被曝がないという特徴があります。 骨の形状だけでなく、軟骨や筋肉、靭帯といった軟部組織の状態を評価できるため、股関節疾患の診断において重要な役割を果たしています。 本章では以下の内容について解説します。 MRI検査でわかること MRI検査の費用 レントゲンやCT検査との違い 患者様の状態に合わせた適切な治療計画を立てるために、MRIがどのような役割を果たし、他の検査とどのように使い分けられているのかを詳しく解説していきます。 MRI検査でわかること MRI検査の特徴は、骨の表面だけでなく骨内部の信号変化や軟骨の状態、軟部組織の異常を評価できる点にあります。 【MRI検査でわかること】 関節唇の損傷・断裂などの状態 関節軟骨のすり減り具合などの状態 筋肉・靭帯・腱の炎症や断裂などの状態 骨内部の炎症や壊死などの状態 関節液の貯留や滑液包の炎症などの状態 レントゲン検査で「明らかな異常なし」と診断された場合でも、MRI検査では筋肉、腱、靭帯、神経周囲の異常が確認されることがあります。 しかし、微細な変化は見逃してしまうケースもゼロではない点や、ペースメーカーなど体内金属がある場合は検査できない場合もある点に注意が必要です。 MRI検査の費用 MRI検査の費用は、医療保険が適用される3割負担で6,000〜15,000円程度が目安となります。 初診料や他の検査費用、処方箋料などを含めた総額では、10,000〜20,000円程度の予算を想定しておくと良いでしょう。 一方で、自由診療(全額自己負担)の場合、20,000〜50,000円程度が目安です。 具体的な費用は、検査を受ける施設や機械の性能、造影剤使用の有無によって変動するため、事前に医師に確認しましょう。 レントゲンやCT検査との違い 各画像検査には特徴があり、症状や診断目的に応じて適切に使い分けることで、より正確な診断が可能になります。 それぞれの特徴の違いは、以下のとおりです。 検査方法 特徴 MRI ・強力な磁石と電波(ラジオ波)を用いて、体の内部を画像化 ・レントゲンやCTではわからない軟骨や筋肉、骨の内部の状態を確認できる レントゲン ・X線(放射線)を用いて、透過度で静止画像を撮影 ・主に骨の状態を診断する際に有用 CT ・X線(放射線)を複数方向から照射し、体の断面画像を撮影 ・レントゲンよりも詳しく骨の状態を確認できる レントゲン検査は、股関節疾患の診断において基本となる検査ですが、骨の形状や関節の隙間などを確認する際に用いられます。 MRI検査は、レントゲンやCT検査で確認が難しい軟部組織の状態を確認するのに有効です。 それぞれの検査に長所と短所があるため、これらの検査を組み合わせることで、より詳細な診断・評価が可能になります。 股関節に対するMRI検査の流れ・撮り方 股関節に対するMRI検査の流れ・撮り方は、以下のとおりです。 金属類のアクセサリーや装飾品を外す 検査着に着替える 股関節周辺に専用のコイルを装着する 体を固定された状態で足から装置に入る 検査を受ける(30〜60分程度) 検査終了 機器の故障や火傷のリスクがあるため、金属類のアクセサリーなどはすべて外します。 ペースメーカーなど体内に金属が入っている場合、施設によっては検査を受けられない可能性もあるため、事前に医師に伝えましょう。 より正確に撮影するために、アンテナのような専用のコイルを装着したり、体が動かせないように固定したりする場合があります。 股関節のMRI検査についてよくある質問 最後に、股関節のMRI検査についてよくある質問に回答していきます。 どんなときにMRI検査を受ければいい? MRI検査を受けるときの服装は? 初めてMRI検査を受ける際の不安を解消するためにも、それぞれの内容を事前に把握しておきましょう。 どんなときにMRI検査を受ければいい? 股関節の痛みで以下のような症状が見られる場合は、医師の判断によってMRI検査が検討されます。 歩き始め・立ち始めに股関節が痛くなる 股関節の痛みで階段の上り下りがつらい 股関節からコキッとした音が鳴る 安静にしていても股関節が痛い 股関節や脚の付け根に違和感がある 上記の症状以外にも、レントゲン検査で「異常なし」と言われたにも関わらず、痛みが続く場合も医師に相談しましょう。 レントゲンでは初期段階の股関節疾患を見逃してしまう可能性もあるため、痛みが継続している場合は、MRI検査を受けた方が良いケースがあります。 早期に疾患を発見できれば、治療選択肢も狭まらずに保存療法や生活習慣の改善だけで改善を目指せる可能性が高まります。 MRI検査を受けるときの服装は? MRI検査を受けるときは、安全性を考慮して検査着を着用することが推奨※されています。 ※出典:首都大学東京放射線学科「ルーチン関節MRIの進め方」 ほとんどの病院では、用意されている検査着に着替えるため、検査当日は着替えやすい服装で来院することをおすすめします。 また、カラーコンタクトレンズや一部のメイク用品(アイシャドウ等)にも金属成分が含まれている場合があるため、当日はナチュラルな状態で来院しましょう。 股関節の痛みはMRI検査を受けて原因を特定しよう 股関節のMRI検査は、レントゲン・CT検査でもわからない軟骨、筋肉、腱、靭帯、骨内部などの状態を確認できます。 レントゲン検査で「明らかな異常なし」と診断された場合でも、何らかの異常が発見されることもあるため、股関節の痛みが長引く場合は医療機関に相談しましょう。 また、変形性股関節症や関節唇損傷などの股関節の痛みを早く治したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した組織の再生・修復を促し、股関節の痛みの根本改善を目指す治療法です。 従来の治療では難しかった軟骨組織にもアプローチでき、手術や人工関節を避ける選択肢として注目されています。 以下の動画では、当院リペアセルクリニックの再生医療によって変形性股関節症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/mUqiNHYW-vk?si=4GmbH9VdhLk5r9gu 当院では、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- その他
「ジョーンズ骨折にテーピングは有効?」 「テーピングの効果は?」 ジョーンズ骨折と診断され、足の外側の痛みにお悩みの方も多いのではないでしょうか。 日常生活やスポーツへの復帰を目指す中で、テーピングによる対処法を検討する方も多いです。 この記事では、ジョーンズ骨折に効果的なテーピングの巻き方や、活用する際の注意点について詳しく解説します。 正しいテーピング方法と活用タイミングについて理解し、ジョーンズ骨折の再発予防に努めましょう。 また、近年の治療では、ジョーンズ骨折の早期改善を目指せる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した骨の早期改善が期待できる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 ジョーンズ骨折に効果的なテーピング方法 ジョーンズ骨折の回復期において、テーピングは足の安定性を高めるために役立ちます。 以下で、準備するテーピングと実際の手順について解説します。 準備するテーピング テーピングの巻き方 正しい知識を身につけ、足への負担を減らしましょう。 以下の記事では、足の側面・外側が歩くと痛い原因について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 準備するテーピング ジョーンズ骨折のテーピングには、伸縮性のあるキネシオロジーテープを準備しましょう。 また、下地用のアンダーラップというテープがあれば、足を保護しながら必要な動きを助ける効果が見込めます。 以下のテープを揃えておくと、スムーズに処置を進められます。 テープの種類 特徴と役割 備考 キネシオロジーテープ(伸縮性) 足首の自然な動きを保ちつつ患部を保護する 5cm幅で長さ約30cm×2本を用意する アンダーラップ 皮膚を保護し、かぶれを防止する下地用のテープ 皮膚が弱い方やしっかり固定したい方は、任意で用意する 準備の際は、テープの角をあらかじめ丸く切っておくと、運動中に剥がれにくくなります。 医師や理学療法士のアドバイスを受けながら、自分自身の状態に合う種類を選びましょう。 テーピングの巻き方 ジョーンズ骨折に対するテーピングは、足の外側にかかる負担を軽減し、つま先が外側を向きすぎないようにすることを目的とします。 テーピングの手順は、以下のとおりです。 1本目のテープ 1本目のテープは、内側のくるぶしから指2本分下のかかとにテープを貼り付けましょう。 かかとの下を覆うように外側のくるぶしの下側を通って、すねの前側に向けてテープを貼ります。 (内側のかかとからすねの内側に向けてぐるっと一周した状態) 皮膚が弱い方は、まず皮膚を保護するアンダーラップを貼り、その上から伸縮性テープを重ねるように貼りましょう。 2本目のテープ 2本目のテープは、内側のくるぶしから指2本分上の位置、前に向かうようにテープを貼り付けましょう。 すねの前側から外側のくるぶしの上側を通って、1本目のテープに半分重なるように貼っていきます。 くるぶしの外側を通ったら、かかとの後ろ側を覆うように通って、テーピングの端が親指の付け根までくるように貼ります。 ジョーンズ骨折のテーピングで注意すべき点 ジョーンズ骨折に対するテーピングは、適切な方法で活用すれば足首を支える力になります。 しかし、誤った認識や巻き方は足の状態を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。 完治までは効果を期待できない きつく巻きすぎないように注意する 以上のポイントを正しく理解し、効果的にテーピングを取り入れていきましょう。 完治までは効果を期待できない ジョーンズ骨折が完治(骨癒合する)までは、テーピングの効果はあまり期待できません。 テーピングはジョーンズ骨折の治療そのものではなく、治った後に足首の動きをサポートしたり再発を予防したりする補助的な役割を担います。 折れた骨がつながっていない段階でテーピングをして運動を再開すると、痛みの悪化や回復が遅れる恐れがあります。 医師によるレントゲン検査などで骨癒合が確認されるまでは、治療に専念しましょう。 きつく巻きすぎないように注意する テーピングを巻く際は、患部を固定しようとして、テープをきつく巻きすぎないように注意が必要です。 過度な締め付けは血流の滞りを招き、回復を遅らせる恐れがあるためです。 特に足がむくんでいる状態で強く巻くと、血管や神経を圧迫してしびれが生じる場合もあります。 テープを巻いた後は、以下のサインが出ていないか確認してください。 確認する項目 異常な状態の目安 皮膚の色 指先が白くなったり紫色に変色したりする 感覚の変化 ジンジンとしたしびれや感覚の鈍さを感じる 足の温度 足の指が不自然に冷えている 指先の色が変わったり冷たく感じたりしたときは、すぐにテープを外して血流を確保してください。 血流が悪くなると組織の修復に悪影響を及ぼし、さらなるトラブルに繋がる恐れがあります。 適切な圧迫加減を維持しながら、こまめに足の状態を確認しましょう。 ジョーンズ骨折のテーピング以外の治療法 ジョーンズ骨折は血流が乏しい部位での骨折のため、治りにくい特徴があり、症状や活動レベルに応じた治療を進める必要があります。 本章では、ジョーンズ骨折で行われる主な治療について解説します。 保存療法 手術療法 それぞれの治療法について詳しく解説していきます。 保存療法 保存療法は、安静・患部の固定などで外科的手術をせずに骨の癒合を目指す治療法のことです。 主な治療内容は、以下のとおりです。 保存療法の特徴 ギプスや装具による患部の固定 松葉杖の使用 足首周辺の筋力強化・ストレッチなどのリハビリ 6〜8週間程度の治療期間 まずは、ギプスなどで患部を固定し、足首に負担がかからないように安静にします。 治るまでに時間がかかり、治癒後も再骨折する恐れがある点はあらかじめ理解しておきましょう。 骨が完全に付かない「偽関節」になる恐れもあるため、経過を慎重に見守ります。 手術療法 手術療法は、完全骨折の症例や早期のスポーツ復帰・再発予防を望む場合に検討される治療法です。 スクリューやワイヤーで骨折部を固定することで骨癒合しやすくなるため、アスリートにとって有力な選択肢です。 手術療法の特徴 スクリューを用いる髄内固定術 保存療法よりも再発率が抑えられる 2〜3ヵ月での競技復帰が目指せる 骨の中にネジを挿入して内側から固定することで骨折部が安定しやすくなるため、早期の骨癒合を促せます。 保存療法に比べて再発を抑える効果が期待でき、治療成績も良好です。 スクリューによる固定には専門的な技術が必要となるため、実績のある医療機関で相談しましょう。 ジョーンズ骨折のテーピングに関してよくある質問 ジョーンズ骨折の治療中や再発予防の段階で、多くの方が抱く疑問についてお答えします。 骨折したらテーピングしてもいい? ジョーンズ骨折におすすめのサポーターは? ジョーンズ骨折を手術しないとどうなる? 正しい知識を身につけることで、日常生活やスポーツへの早期復帰と再発防止に役立ててください。 骨折したらテーピングしてもいい? 骨折した直後や完治前のテーピングは推奨されません。 以下の理由から、自己判断での処置は避けてください。 骨折後のテーピングが推奨されない理由 テーピングに骨折部を治す直接的な効果はない 無理な動作を誘発する可能性がある 骨の癒合を妨げる恐れがある テーピングは再発予防を目的とするものであり、折れた骨をつなぐ効果はありません。 また、テーピングを巻いたことによる安心感から無理な動作をしてしまい、結果として治癒を遅らせる恐れがあります。 医師がレントゲンで骨の癒合を確認し、運動の許可が出た回復期から実施するのが適切です。 専門家の指導のもとで、正しいタイミングから始めましょう。 ジョーンズ骨折におすすめのサポーターは? ジョーンズ骨折には、足の横方向の安定性を高めるサポーターと足裏を支えるインソールの併用が有効です。 サポーターを選ぶ際のポイントは、以下のとおりです。 ジョーンズ骨折におすすめのサポーター 横方向へのぐらつきを抑える機能 足裏のアーチを支える構造 患部を強く圧迫しない形状 足首の過度な動きを制限して、第5中足骨にかかる負担を減らすタイプを選ぶのがおすすめです。 インソールを併用すると地面からの衝撃を分散できるため、予防効果が期待できます。 製品によっては患部に当たって痛みが出る場合もあるため、購入前に試着すると良いでしょう。 ジョーンズ骨折を手術しないとどうなる? 手術を選択しない保存療法では、偽関節(骨がくっつかない状態)になったり再骨折したりするリスクが伴います。 骨が癒合せずに偽関節の状態になると、痛みが慢性化して日常生活に支障をきたす恐れもあります。 特に早期の競技復帰を望むアスリートには、早期改善を目指せる手術療法が検討されるケースが多いです。 医師と相談して、自身のライフスタイルに合う治療法を検討しましょう。 ジョーンズ骨折のテーピングは回復期には効果が見込める ジョーンズ骨折の回復期において、テーピングは足の安定性を高める役割を果たします。 足の横アーチを支えるテーピングを実施すれば、患部にかかるストレスを分散させる効果が見込めるためです。 例えば、適切なテープを用いてアーチを引き上げる方法は、歩行時の不安を軽減させます。 しかし、骨が完全に癒合するまではテーピングの効果も限定的なので、まずは無理をせず、医師の指示に従いながら段階的にリハビリを行いましょう。 再発を予防する意識を持ち、自身の足を保護する習慣を身につけてください。
2025.12.26 -
- 腰
腰痛や足のしびれを感じて、ヘルニアではないかと不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 放置すると歩行が困難になったり、日常生活に支障をきたしたりする恐れもあります。 症状が悪化する前に適切な対応を始めるには、今の状態を正しく把握することが大切です。 本記事では、腰椎椎間板ヘルニアの初期症状や進行時のサイン、病院を受診すべき症状の目安について詳しく解説します。 早めの対応を心がければ、重症化を防げる可能性が高まります。 また、近年では腰椎椎間板ヘルニアの治療に、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。 再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促すことで腰椎椎間板ヘルニアの抜本的な改善を目指せる治療法です。 以下の動画では、再生医療によって腰椎椎間板ヘルニアが改善した症例を紹介しているので、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/5JqLxbYwLJ4?si=RuWsQFGDuK0lIbeE 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状は腰痛から始まるケースが多く、体の深部に重苦しい痛みを感じます。 初期段階の腰椎椎間板ヘルニアに見られる以下の症状について解説します。 前かがみで強くなる腰痛 下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛) 各症状の特徴について詳しく解説していきます。 前かがみで強くなる腰痛 腰を前に曲げたときに痛みが強まる状況は、腰椎椎間板ヘルニアを疑うサインの一つです。 日常生活の動作で鋭い痛みを感じる場合は注意を払いましょう。 注意すべき動作 お辞儀や洗顔をする動作 靴下を履く動作 床の物を拾う動作 咳やくしゃみをした瞬間 長時間のデスクワークや運転など、身体を前かがみの姿勢や同じ姿勢を続けると、椎間板への圧力を増大させる原因となります。 ズキッとする鋭い痛みや電気が走ったような感覚があるときは、早めに医療機関を受診することが推奨されます。 以下の記事では、腰椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法について詳しく解説しているので、参考にしてください。 下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛) 初期段階の腰椎椎間板ヘルニアに腰痛と並んで頻繁に見られる症状に、お尻から足先にかけて広がる痛みやしびれ(坐骨神経痛)があります。 これは腰椎椎間板ヘルニアによって飛び出した椎間板が坐骨神経を圧迫していることが考えられます。 主な痛みの範囲や特徴は、以下のとおりです。 症状の現れ方 具体的な特徴 発生する範囲 臀部から太もも、ふくらはぎ、足先にかけて広がる 症状の性質 ビリビリ、ピリピリとしたしびれや焼けるような痛み 左右の現れ方 多くの場合で左右どちらか片側の足に症状が出る 腰の痛みがそれほど強くなくても、お尻や足のしびれが現れた場合は、腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。 電気が走るような鋭い痛みを感じる場合は、神経の状態が悪化している恐れがあるため、早期に医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、坐骨神経痛が死ぬほど痛いときの対処法について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 腰椎椎間板ヘルニアが進行すると現れる症状 腰椎椎間板ヘルニアが進行すると、初期の腰痛に加え、足の筋力低下や排泄障害などの症状が現れる恐れがあります。 足の筋力低下による歩行困難 排泄障害 慢性的な疲労感や倦怠感 症状が悪化すると、痛みやしびれの範囲が広がり、日常生活の質を著しく損なう状況に陥る可能性があります。 それぞれの症状について詳しく見ていきましょう。 足の筋力低下による歩行困難 足の筋力低下による歩行困難が現れたときは、腰椎椎間板ヘルニアによる神経への圧迫が強まっているサインです。 特に足首を上に持ち上げる動作が難しくなる「下垂足」の症状が見られます。 歩行時に見られる変化 足首の持ち上がりにくさ わずかな段差でのつまずき かかと歩きの困難 これらの症状は神経根への強い圧迫を示唆するサインで、歩行障害は転倒の危険を高め、活動範囲を制限する大きな要因となります。 早めに専門医の診察を受け、適切な処置を開始しましょう。 排泄障害 排泄障害は、腰椎椎間板ヘルニアの症状の中でも、特に警戒すべき重篤なサインです。 馬尾と呼ばれる神経の束が強く圧迫されることで、排泄時に以下のような異常が発生します。 症状の項目 具体的な状態の目安 排尿の異常 尿意を自覚できない、または尿が出にくい尿閉の状態 排便の異常 便意を全く感じない、または極度の便秘が見られる状況 感覚の異常 肛門周辺や陰部の感覚が失われる、または強く痺れる 上記のような症状は馬尾症候群の可能性が疑われ、放置すると後遺症が長く続くリスクがあるため、緊急の対応が求められます。 神経機能が失われると回復が難しくなるため、一刻を争う事態です。 排泄に違和感があるときは直ちに医療機関へ足を運び、緊急手術も視野に入れて検討しましょう。 慢性的な疲労感や倦怠感 慢性的な疲労感や倦怠感は、腰椎椎間板ヘルニアの痛みやしびれが長年に渡って全身に影響を及ぼした結果として現れます。 単なる肉体疲労ではなく、神経系のストレスが蓄積した状態です。 倦怠感を引き起こす要因 持続的な痛みによる精神的負荷 睡眠不足による休息の不足 自律神経のバランスの乱れ 神経そのものの疲弊 つらい痛みやしびれや質の低い睡眠が続くなどの状態が複合的に作用し、何をしても解消されない「倦怠感」につながる可能性があります。 症状が続くと生活の質を大きく下げるため、局所的な痛みだけでなく全身のケアを意識して治療を進めましょう。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状で病院を受診すべき目安 適切なタイミングで専門医の診断を受ける点が、重症化を防ぐために不可欠です。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状が現れたときに、病院を受診すべき目安について解説します。 病院を受診すべき目安 1週間以上続く痛みやしびれ 日常生活への具体的な支障 痛みが腰から足へ広がる変化 足の筋力低下や感覚の鈍さ 排尿や排便のトラブル 「長時間座っていられない」「靴下が履きにくい」など、日常生活に支障が出始めたら早期に医療機関を受診してください。 また、足首を反らせない状態や、尿が出にくい症状(排泄障害)は、緊急性の高い症状です。 放置すると後遺症として重い症状が継続する恐れもあるため、直ちに医療機関に相談することが重要です。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状が現れたときの対処法 腰椎椎間板ヘルニアが疑われる痛みやしびれを感じたときは、まず炎症を抑えて腰への負担を減らす工夫が大切です。 本章では、以下の2つの対処法について解説します。 安静にして患部をアイシングする コルセットを活用する これらの対処法は一時的な症状の緩和が目的であり、根本的な解決には医療機関による適切な治療が必要なことを理解しておきましょう。 安静にして患部をアイシングする 腰椎椎間板ヘルニアが疑われる症状が見られる場合、安静にして患部をアイシングするのが有効な対処法です。 発症直後(急性期)は、突出した椎間板によって神経の周囲に強い炎症が起きている状態のため、無理に動かさず、安静を保ちましょう。 具体的な対処法は、以下のとおりです。 項目 具体的な方法・注意点 安静時の姿勢 膝を軽く曲げたり、膝の間にクッションを挟んだりする アイシングの手順 氷嚢をタオルで包み、15〜20分程度患部に当てる 避けるべき行為 長時間の入浴や患部を直接温める行為 急性期に患部を温めると血流が促進され、かえって炎症を強める恐れがあるため、注意しましょう。 痛みが激しい場合は、速やかに医療機関を受診してください。 コルセットを活用する 腰椎椎間板ヘルニアが疑われる症状が見られる場合、腰を物理的に固定・安定させるコルセットの活用も有効な対処法です。 コルセットによって腰にかかる負荷を減らし、痛みを和らげる効果が期待できます。 しかし、長時間装着し続けると筋力が低下し、腰椎が不安定になる恐れがあるため、痛みが強いときや腰に負荷がかかる場面に限定して使いましょう。 医師や理学療法士の指導を受けながら、症状が落ち着くのに合わせて装着時間を減らす工夫も大切です。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状に関してよくある質問 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状や診断方法について、よくある質問に回答していきます。 椎間板ヘルニアの前触れは? 椎間板ヘルニアかどうか確かめる方法は? 初期の椎間板ヘルニアは放置して治る? 自身の状態と照らし合わせて、適切な判断をするための材料として活用してください。 椎間板ヘルニアの前触れは? 椎間板ヘルニアの前触れとして、以下のような腰への負荷の蓄積を示すサインが現れる場合があります。 椎間板ヘルニアの前触れ 同じ姿勢による腰の違和感 お尻や足の痛みやしびれ 動作の瞬間に走る鋭い痛み デスクワークや車の運転の後に足腰が重く感じるような症状も、椎間板ヘルニア発症の警告と考えられます。 単なる疲労と見過ごさず、医療機関の受診や生活習慣を整える判断が求められます。 椎間板ヘルニアかどうか確かめる方法は? 椎間板ヘルニアかどうか確かめる方法は、整形外科で専門的な診断を受けるのが確実です。 診断のステップ 具体的な内容・検査手法 医師による問診 痛みの性質や日常生活への影響を詳しく伝える 身体診察 筋力低下や反射の有無を調べる神経学的検査 MRI検査 椎間板による神経の圧迫状態を正確に写し出す 確定診断には、医師の問診だけでなく、神経の位置まで詳細に把握できるMRI検査による結果を総合的に判断します。 自己判断で悩まず、精密な検査が可能な医療機関へ足を運んで診断を受けましょう。 初期の椎間板ヘルニアは放置して治る? 初期の椎間板ヘルニアは、自然退縮と呼ばれる現象によって自然に縮小・消失することで症状が改善するケースもあります。 飛び出した髄核(椎間板の中心部にあるゼリー状の組織)を異物と見なした免疫細胞が、時間をかけて取り除く働きがあります。 ただし、自己判断で放置して腰の負担が蓄積したり、症状が悪化した際に適切な対応が取れなかったりすると、後遺症が残る可能性もゼロではありません。 放置するのではなく、医療機関で手術を伴わない「保存療法」による治療を受けることが大切です。 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状には再生医療をご検討ください 腰椎椎間板ヘルニアの初期症状を感じたときは、まずは安静にして適切な対処を心がけてください。 症状が続いたり、悪化したりする場合は、早めに医療機関を受診して正確な診断を受けましょう。 また、近年の治療では、保存療法や手術療法のほかに、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。 再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、身体の自然治癒力を高めることで損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 自己細胞を使うため副作用のリスクが少なく、手術をせずに腰椎椎間板ヘルニアの改善を目指せる点が大きな特徴となります。 入院の必要もなく、日常生活を維持しながら治療を進められる点もメリットです。 手術による体への負担を避けたい方や、従来の治療で思うような変化が得られない方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.12.26 -
- その他
ブロック注射の仕組みや持続時間、自分の症状に適応するかを把握すれば、治療への不安を解消できます。 飲み薬やリハビリで変化がない痛みや症状に対して、ブロック注射は有効な手段となる可能性がある治療法です。 この記事では、ブロック注射で得られる効果や持続時間、効果が期待できる症状について詳しく解説します。 痛みを我慢し続ける生活は、精神的な負担も大きいものです。仕事や家事に支障が出ている状態なら早めにブロック注射を検討してみましょう。 また、つらい関節痛や神経痛には、損傷した組織の再生・修復を促す再生医療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 ブロック注射で得られる効果|痛みの悪循環を断ち切れる理由 ブロック注射は、痛みの連鎖を止めるための多面的な働きがあります。 局所的な麻酔作用 神経の鎮静化 炎症の抑制 血行の改善 複数の作用が重なり合うことで、辛い状態からの回復を促します。 以下でそれぞれの仕組みを詳しく解説します。 局所的な麻酔作用 ブロック注射で得られる効果は、麻酔薬による痛み信号を脳に伝える神経の遮断です。 麻酔作用の特徴 痛み信号を脳に伝える神経の遮断 即効性のある鎮痛 筋肉の硬直緩和 神経の通り道に薬を注入し、痛み信号が脳に届くのを遮断することで、一時的に痛みを感じにくくなります。 麻酔の効果で痛みのない時間を作れば、リハビリへ進むための準備が整います。 注射後15〜30分程度で変化を実感できる即効性があり、ブロック注射は激しい症状を速やかに和らげるための有効な手段です。 効果の強さや持続時間は個人差があることは理解したうえで、治療を受けましょう。 神経の鎮静化 ブロック注射によって神経の鎮静化を図ることで、過敏になった神経を正常な状態へ戻します。 長引く痛みによって神経が過剰に興奮している場合、ブロック注射によって一時的に休ませる作用が期待できます。 神経の状態 ブロック注射後の変化 過剰な興奮状態 神経の活動が穏やかになる 低い痛み閾値 正常な感覚に近づく 持続する不快感 信号の遮断によるリセット 神経の興奮状態をリセットする作用が働くことで、麻酔の効果が切れた後もブロック注射を打つ前より楽な状態が続きます。 つらい症状が一時的に緩和されるため、精神的なストレスも軽減されるでしょう。 炎症の抑制 ブロック注射には炎症の抑制も期待でき、炎症による痛みや腫れを和らげるために有効な働きです。 ステロイド薬などを併用すれば、神経の周囲に発生した強い炎症反応を鎮められます。 炎症が抑えられることで神経の圧迫が和らぎ、血流改善・回復の促進につながります。 一時的な炎症の抑制だけでなく、腰や肩の慢性化した痛みにも効果が期待できる点も強みの一つです。 飲み薬に比べて少ない量で効果を発揮するため、体への負担も軽減して治療を受けられます。 血行の改善 ブロック注射によって炎症が抑えられることで血行改善につながり、組織の修復力を高める効果が期待できます。 良好な血流は、傷ついた組織を治すために必要不可欠な要素です。 交感神経の緊張が解けて血管が広がることで、患部へ酸素や栄養が供給されるようになります。 また、筋肉の強張りが緩和されることで、本来の柔軟性を取り戻す助けとなるでしょう。 ブロック注射の効果はいつまで持続する? ブロック注射の効果が持続する時間は、症状や体質によって異なります。 本章では、ブロック注射による効果の持続時間について解説していきます。 数時間から数週間が目安 複数回の治療で効果が持続する 1回のブロック注射でも効果を実感できる場合もありますが、複数回治療を受けるなど計画的に進めるケースも少なくありません。 以下で詳しく見ていきましょう。 数時間から数週間が目安 ブロック注射の1回あたりの持続期間は、数時間から数週間と幅広いです。 使用する麻酔薬自体の作用は数時間で切れますが、神経の鎮静化や血行改善によって痛みの悪循環を断ち切る狙いもあるため、効果を実感できる状態が続きます。 症状の程度 持続期間の目安 軽度の症状 1週間から数週間程度 重度の症状 数時間から数日程度 症状が軽いほど、1回のブロック注射で得られる効果の持続時間は長くなる傾向にあります。 逆に、慢性化・重症化しているケースでは、効果の持続時間が短く感じられるケースも少なくありません。 痛みのない時間を使って、リハビリテーションなどの次のステップへ進みましょう。 安静に過ごしながら、体の変化を慎重に観察してください。 複数回の治療で効果が持続する ブロック注射は、複数回繰り返すことで効果の持続が期待できます。 1回のブロック注射では戻ってしまう痛みのサイクルを、複数回の処置によって安定させるためです。 最初は週1回のペースで始め、状態が良くなれば2週間程度に間隔を空け、2〜7回を目安に症状改善を目指します。 最終的には注射が不要な状態を目指すのが一般的な治療の流れです。 ステロイドを併用する際は回数に上限が設けられる場合もあるため、主治医と相談しながら進めてください。 ブロック注射の効果が期待できる症状 ブロック注射の効果が期待できる症状は多岐にわたります。 痛みの原因箇所へ薬剤を直接届けるため、薬物療法や理学療法で変化を感じられなかった症状にもアプローチ可能です。 足・腰の痛み 首・肩の痛み 頭痛・顔面の症状 ご自身の今の状態と照らし合わせて確認してください。 足・腰の痛み ブロック注射は、足や腰の痛みに対して高い改善効果が見込めます。 特に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった、神経が圧迫される疾患に適しています。 神経のすぐそばに局所麻酔薬やステロイド薬を注入して、炎症を強力に抑えるためです。 レントゲンや超音波で位置を確認しながら薬剤を届ける手順により、痛みの元へ直接作用させます。 主な適応疾患 症状の詳細 腰椎椎間板ヘルニア 腰から足先への鋭い痛みやしびれ 腰部脊柱管狭窄症 歩行時に足が重だるくなる症状 坐骨神経痛 お尻から太もも裏にかけての痛み 神経根の炎症や腫れを鎮める働きにより、脳へ送る信号伝達を抑制します。 麻酔が切れた後も鎮痛効果が持続するケースもあり、日常生活の動作が楽になるはずです。 強いしびれや慢性化した腰痛を抱える方は、症状が悪化する前に相談しましょう。 また、次の記事では坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの違いについて詳しく解説しているので、参考にしてください。 首・肩の痛み 首・肩の痛みには、症状の原因に合わせて適切なブロック注射を選びます。 骨の変形で神経が圧迫されるケースや、筋肉の過度な緊張が原因の肩こりまで幅広く対応可能です。 薬剤を注入して神経の過敏な興奮を鎮め、筋肉をほぐす効果を狙います。 効果が期待できる症状 頚椎椎間板ヘルニアによる腕のしびれ 頚椎症による首や背中の痛み 筋肉の硬直からくる慢性的な肩こり 腕へのしびれがある場合には神経根ブロック、筋肉の硬結部にはトリガーポイント注射を選択します。 血行を改善させる作用により、酸素や栄養が組織に届きやすくなるメリットもあります。 湿布や内服薬だけでは解消しきれないつらい症状を、直接的なアプローチで緩和しましょう。 また、次の記事では頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて詳しく解説しているので、参考にしてください。 頭痛・顔面の症状 頭痛・顔面の症状を和らげる際にも、ブロック注射は有効な治療法です。 特に首の付け根にある神経に働きかける星状神経節ブロックは、血流を改善し自律神経を整える働きがあります。 血管の異常な拡張や神経のダメージからくる痛みを軽減します。 頭部全体の血行が促されるため、慢性的な不調を抱える方に適した処置です。 対象となる症状 期待できる変化 片頭痛・群発頭痛 激しい発作の回数や強さを抑制 顔面神経麻痺 神経への血流を補助 緊張型頭痛 頭周りや首筋の筋肉の強張りを緩和 自律神経のバランスを正常な状態に導き、痛みを引き起こす原因へ直接アプローチします。 顔面の違和感や繰り返す頭痛にお悩みの方は、専門的な治療を検討してください。 ブロック注射の費用 ブロック注射の費用は、基本的に健康保険が適用されるため、自己負担を抑えて治療を受けられます。 支払う金額は、受診する医療機関や受ける注射の種類、使用する薬剤の内容によって変わります。 初めて受診する際は、診察料や検査費用が加わる点も把握しておきましょう。 注射の種類 費用の目安(3割負担) トリガーポイント注射 200〜300円前後 星状神経節ブロック 1,000円前後 硬膜外ブロック 2,000〜3,300円前後 神経根ブロック 4,500円前後 正確な金額は、処置の内容やクリニックによって異なるため、事前の確認を推奨します。 保険適用外の自由診療を併用しない限り、1回の支払額が数万円に達するケースはほとんどありません。 ブロック注射の効果についてよくある質問 ここでは、ブロック注射の効果についてよくある質問に回答していきます。 ブロック注射はどれくらいで効果が出る? ブロック注射が効かない理由は? ブロック注射を検討している方は、参考にしてください。 ブロック注射はどれくらいで効果が出る? ブロック注射の効果が出るタイミングは、2つの段階に分かれます。 1つ目の段階は、注射した直後に現れる即効性です。 配合された局所麻酔薬が、神経の伝達を遮断するため、数分から数十分で痛みが和らぎます。 処置の後に院内で安静にしている間に、体が軽くなる実感を得る患者さまも多いです。 2つ目の段階は、数日経ってから現れる持続的な効果です。 ステロイド薬を併用する場合、炎症を鎮める作用が本格的に発揮されるまでには時間がかかります。 麻酔が切れて一度痛みが戻ったように感じても、後から楽になる経過を辿るケースがあります。 焦らずに数日間は様子を見守りましょう。 自分の症状における変化を医師へ伝えると、次回の処置をより適切に調整できます。 ブロック注射が効かない理由は? ブロック注射が効かない理由は、痛みの発生源や症状の進行具合が関係しています。 処置をしても変化がない場合、注射した場所とは別の部位に本当の原因が隠れている場合があります。 期待した反応が得られないからといって、無意味な治療だったと決めつける必要はありません。 効果が出にくい主な理由 具体的な状況の解説 原因部位が異なる 痛みを起こす神経が別の場所にある 薬剤が届かない 神経の通り道が狭く針先が届きにくい 症状が極めて重度 炎症や圧迫が強く1回では不十分 脳の痛みの記憶 慢性化により神経以外に原因がある 1回の処置で諦めず、回数を重ねたり治療法を見直したりする柔軟な姿勢が大切です。 ブロック注射の効果を実感できない場合は再生医療をご検討ください ブロック注射の効果は、麻酔作用や炎症の抑制によって痛みの連鎖を止める点にあります。 数時間から数週間といった持続時間の目安を知り、計画的に治療を進める意識を持ちましょう。 ブロック注射を繰り返しても効果を実感できない場合は、再生医療という新しい選択肢をご検討ください。 神経痛や関節痛に対する再生医療は、傷ついた組織の再生・修復を促したり、炎症を抑制したりする効果が期待できる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- その他
手首や足の甲にできるガングリオンで手術をすべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。 ガングリオンは良性の腫瘍なので無症状であれば経過観察のみで問題ありませんが、痛みやしびれを伴う場合には手術を検討する必要があります。 この記事では、ガングリオンで行われる手術方法や手術が検討されるケースについて詳しく解説します。 ガングリオンの手術におけるリスクを理解し、納得のいく治療を選択するための参考にしてください。 ガングリオンで行われる手術方法 ガングリオンの手術療法には、主に2つの術式があり、症状の部位や状態に合わせて検討されます。 切開摘出術 関節鏡手術 それぞれの特徴を詳しく解説します。 また、以下の記事ではガングリオンと悪性腫瘍の見分け方について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 切開摘出術 切開摘出術は、皮膚を切開してガングリオン(腫瘤)を直接取り除く術式です。 医師が患部を直接目で見て確認しながら進めるため、再発源となる茎ごと完全に除去できる利点があります。 切開摘出術の主な特徴 ガングリオンを茎ごと除去できる 多くは日帰りで手術できる 切開した場所には傷跡が残りますが、ガングリオンの確実な摘出を優先したい方に適しています。 局所麻酔を用いるため体への負担も少なく、多くのケースで当日に帰宅できます。 注射などの保存療法に比べて再発率を低く抑えられますが、再発リスクはゼロではない点は覚えておきましょう。 関節鏡手術 関節鏡手術は、1cm程度の小さな切開を複数作り、カメラ(関節鏡)と器具を挿入してガングリオンの茎を切除する術式です。 傷口が小さく済むため、体への負担が軽く、比較的回復が早いのが特徴です。 関節鏡手術の主な特徴 傷口が小さく済み、傷跡が目立ちづらい 体への負担が少なく、術後の痛みが少ない 機能回復が早い 傷跡が目立ちにくいため、見た目を気にする方や早期の社会復帰を望む方に検討されています。 ガングリオンは手術すべき?検討されるケース ガングリオンは良性の腫瘍のため、無症状であれば手術しなくても問題ないですが、以下のような症状がある際は手術を検討しましょう。 手術が検討される主な状況 ガングリオンが急激に増大した 手指の感覚が鈍い、力が入らない 強い痛みやしびれがある 何度も再発を繰り返す 関節の動きが制限される 見た目が気になりストレスを感じる 上記に当てはまる症状がある場合、専門医による手術を検討した方がいい可能性があります。 「ガングリオンが急激に増大した」「手指の麻痺」などの症状が見られた場合は、緊急性が高いため、早めに医療機関に相談しましょう。 以下の記事ではガングリオンが痛い時の対処法について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 ガングリオンの手術におけるリスク ガングリオンの手術を受ける前に、合併症などのリスクを知る必要があります。 切除しても再発する可能性がある 血管や神経の損傷リスクがある 傷口からの感染症リスクがある 事前にリスクを把握することで、納得した状態で治療に臨めます。 医師と十分に話し合い、不安を解消しておきましょう。 切除しても再発する可能性がある 手術でガングリオンを摘出しても、再発する可能性はゼロではありません。 切開摘出術で茎を完全に除去できた場合でも約5〜10%、関節鏡手術の場合は約10〜20%は再発する可能性があります。 ガングリオンの手術を受ける場合は、再発する可能性を十分に理解したうえで治療方針を決定しましょう。 再手術が必要になる場合もあるため、経過観察を怠らないようにすることも重要です。 血管や神経の損傷リスクがある ガングリオンの手術過程で血管や神経を傷つけてしまうリスクも考慮しなければなりません。 神経の通り道にガングリオンができているケースでは、周囲の組織と癒着していると摘出時に影響を及ぼす恐れがあるためです。 損傷のリスク 具体的な症状 神経損傷 しびれ、感覚の麻痺、持続的な痛み 血管損傷 出血、血流障害、患部の腫れ 医師は超音波などで位置を確認して慎重に手術を行いますが、リスクを完全になくすのは困難です。 術後に指先の感覚が鈍くなるなどの異常を感じたら、すぐに担当医に伝えましょう。 傷口からの感染症リスクがある ガングリオンの手術では、いずれの術式も皮膚を切開するため、細菌の侵入による感染症リスクが伴います。 発生率は約1〜3%といわれており、確率は高くありませんが、術後に傷口が赤く腫れたり膿が出たりする場合がある点を理解しておきましょう。 ガングリオンは関節とつながっているケースが多く、ごく稀に細菌が関節まで及び「関節炎」を引き起こす恐れもあります。 異常な熱感や痛みがあるときは、早急に医療機関に相談しましょう。 ガングリオンの手術費用|保険適用される? ガングリオンの手術費用に保険が適用されるかどうかは、症状(痛みやしびれ)の有無によって決まります。 見た目をキレイにしたいなどの美容目的では、保険適用外で自費となるケースもあるため、注意が必要です。 手術費用の目安 費用が変わる要因 治療を受ける前に、必要な費用の内訳を確認しましょう。 手術費用の目安 ガングリオンの手術費用の目安は、自己負担3割の場合で15,000〜30,000円程度です。 痛みやしびれがあり医学的に処置が必要な際は、健康保険が適用されます。 項目 費用の目安(3割負担) 手術料単体 9,000〜13,000円 検査・薬剤・初診料込み 15,000〜30,000円 数日の入院を伴う場合 5〜10万円 手術代の他に、MRIや超音波などの検査費用や病理検査で組織の状態を調べる費用がかかります。 腫瘍が大きいケースや神経の近くにあるケースでは、入院が必要となる場合もあり、入院基本料や食費も含まれるため総額が上がります。 医療機関によって設定に幅がある点に注意しましょう。 費用が変わる要因 手術費用の総額が変動する理由は、病院・施設による違い以外にもガングリオンの状態や治療の目的にあります。 発生した部位が複雑な場合や、美容目的の処置では負担額が大きく異なるためです。 費用の変動要因 保険適用の有無(症状がある場合のみ適用される) ガングリオンの大きさ 術式や麻酔の方法 入院の有無 痛みなどの症状がなく、外見上の改善のみ(美容目的)を希望する際は、保険適用されず10割負担となる可能性があります。 また、術式によって全身麻酔が必要な場合、局所麻酔よりも費用は高くなります。 ガングリオンの手術に関するよくある質問 最後に、ガングリオンの手術についてよくある質問に回答していきます。 ガングリオンの手術で入院する日数は? ガングリオンの手術の安静期間は? 事前に、手術後の生活をイメージしておきましょう。 ガングリオンの手術で入院する日数は? ガングリオンの手術で入院する場合、1〜2日程度で済むのが一般的です。 しかし、多くの場合で日帰り実施が可能で、局所麻酔を用いるため体への負担が少なく、処置自体も30分から1時間程度で完了します。 入院が必要となるケース 関節の奥深くにある場合 サイズが大きく複雑な場合 全身麻酔を使用する場合 足首など神経が密集する部位の手術では、術後の安全を考慮して入院を検討されます。 ご自身の状況で入院が必要かどうかは、医師に確認しましょう。 ガングリオンの手術の安静期間は? ガングリオンの手術後は、患部をスプリントなどで固定し、炎症の発生を抑えながら組織の修復を促すため、1〜2週間程度の安静期間を設けるのが一般的です。 職業や生活スタイルに応じた復帰時期の目安は、以下のとおりです。 職業・動作の種別 復帰や再開の目安 デスクワークなどの軽作業 術後数日から1週間程度 手を頻繁に使う力仕事 術後2〜3週間以上 強い負荷がかかるスポーツ 術後1〜2カ月程度 仕事への復帰時期は、術後の経過を見ながら医師と相談しましょう。 デスクワークなどは早期復帰が望めますが、キーボード操作などの継続的な負荷には注意が必要です。 組織が強固につながるまでは1〜2カ月ほどかかるため、重いものをもつ動作は控えてください。 ガングリオンの手術は再発や合併症リスクを理解しておこう ガングリオンの手術は、痛みや再発を繰り返す場合に有効な手段です。 切開摘出術や関節鏡手術といった選択肢があり、多くは日帰りで治療を受けられますが、術後1〜2週間の安静期間が必要となります。 また、手術でガングリオンを除去できた場合でも、再発の恐れや神経損傷のリスクはゼロではありません。 ガングリオンの状態や発生部位によって、適した治療方針は異なるため、医師と十分に相談して治療法を選びましょう。
2025.12.26 -
- 脳出血
脳出血を発症すると、突然の入院が必要となり、「どのくらい入院するのだろう」「回復までにどれくらいかかるのか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 脳出血の入院期間は、一般的に数週間から3ヵ月が目安とされていますが、実際には年齢や重症度、出血量や部位によって大きく異なります。 症状が軽い場合は比較的早期に退院できることもあれば、リハビリを含めて長期入院が必要となるケースもあります。 本記事では、脳出血の入院期間の目安や、長引く要因、入院費用についてわかりやすく解説します。 また、近年の治療では従来の治療やリハビリに加え、脳出血の抜本的な改善を目指す「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す治療法です。 以下の動画では、再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/FnSQ6Bw2Pvc?si=IoThSsEgX2NsJp1w 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。 脳出血の入院期間【年齢別・重症度別】 脳出血の年齢別、および重症度別の入院期間の目安について解説します。 年齢別の平均入院期間 重症度別の入院期間の目安 脳出血の入院期間は、年齢が高いほど長期化する傾向があり、若年者と高齢者では大きな差がみられます。 以下で詳しく確認していきましょう。 年齢別の平均入院期間 脳卒中(脳出血を含む)患者さまの年齢別平均入院(在院)日数は、以下のとおりです。 年齢層 平均入院期間(平均在院日数) 0〜14歳 約31.3日 15〜34歳 約61.7日 35〜64歳 約51.8日 65歳以上 約83.6日 70歳以上 約86.9日 75歳以上 約93.2日 ※出典:厚生労働省「退院患者の平均在院日数等」 高齢になるほど入院期間が長くなる傾向が見られ、75歳以上では90日程度に及ぶケースもあります。 重症度別の入院期間の目安 脳出血の症状の重さ(重症度)によっても、入院期間が異なります。 重症度別の入院期間の目安は、以下のとおりです。 軽度:1〜2週間程度 中等度〜重度:数ヵ月〜6ヵ月以上 脳出血が軽度で、早期にリハビリテーションを開始できた場合は、比較的短期間で退院できることがあります。 出血量が多かったり、脳幹などの生命維持に重要な部位で出血したりした場合は、数ヵ月〜6ヵ月以上の長期入院となる可能性もゼロではありません。 早期回復を目指すためにも、症状の重さに関わらず、できるだけ早くから適切なリハビリテーションを開始することが重要です。 脳出血の入院期間が長期化する要因 脳出血の入院期間は一律ではなく、いくつかの要素が複合的に影響します。 特に「年齢」「重症度」「出血量や出血部位」は、入院期間を大きく左右する要因です。 年齢 重症度 出血量・部位 それぞれが入院期間に与える影響を見ていきましょう。 年齢 年齢は、脳出血の入院期間や回復速度に大きく関係します。 一般的に、高齢になるほど回復に時間がかかり、入院期間が長期化しやすい傾向があります。 加齢によって回復速度に影響を与える要因は、以下のとおりです。 身体機能の回復力が低下する 合併症(肺炎・感染症など)のリスクが高まる リハビリに時間を要する 一方で、若年層の方は比較的回復が早く、短期間で退院できるケースも少なくありません。 重症度 脳出血の重症度も入院期間に大きく影響します。 症状が軽い場合は比較的早期に退院可能ですが、重症になるほど治療やリハビリに時間を要し、長期入院となる傾向があります。 特に、意識障害や麻痺などの後遺症が強い場合は、急性期治療後もリハビリ病院への転院を含め、入院が長引きます。 出血量・部位 脳出血では、出血量の多さや出血した部位によっても、入院期間が左右されます。 出血量が多く、脳へのダメージが大きい場合は回復に時間がかかり、脳幹などの生命維持に重要な部位で出血を起こすと重篤な後遺症が現れやすく、治療やリハビリに時間がかかります。 このようなケースでは、急性期治療後も継続的な治療やリハビリが必要となり、結果として入院期間が長期化することがあります。 近年では、従来の治療に加え、損傷した脳細胞を治療できる可能性がある「再生医療」も選択肢の一つです。 脳出血の入院費用はいくら? 脳出血の入院費用は、入院期間・治療内容・個室利用の有無などによって大きく異なります。 入院費用の目安 入院費用を抑える方法 以下では、脳出血による入院でどのくらい費用がかかるのか、費用を抑えるための制度について確認していきましょう。 入院費用の目安 令和2年度の医療給付実態調査では、脳卒中(脳出血を含む)の医療費は、一人当たり約86万円※です。 ※出典:医療給付実態調査 しかし、入院には医療費以外にも食事代などもかかるため、脳出血の入院費用は、数十万から100万円程度かかる場合があります。 そこから公的健康保険が適用された場合は、自己負担額は費用全体の1〜3割となり、10〜20万円前後が入院費用の目安となります。 医療費をはじめとする入院にかかる費用は、以下のとおりです。 検査費用(CT・MRIなど) 治療費(薬物治療、手術など) 入院基本料 リハビリテーション費用 食事療養費 差額ベッド代(個室を利用した場合) 軽度の場合は入院期間が短く、比較的負担が少ない一方で、手術が必要なケースや長期入院となる場合は費用が高額になります。 入院費用を抑える方法 脳出血による入院では、治療内容や入院期間によって医療費の負担が大きくなることがあります。 しかし、日本には医療費の自己負担を軽減するための制度が整えられており、これらを活用することで負担を抑えられる可能性があります。 高額療養費制度 加入している医療保険・生命保険 公的制度として代表的なのが高額療養費制度です。 これは、1ヵ月あたりの医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される仕組み※で、年齢や所得に応じて上限額が定められています。 ※出典:厚生労働省「高額療養費制度」 事前に「限度額適用認定証」を取得しておくことで、入院時の窓口負担を最初から上限額までに抑えることも可能です。 また、加入している医療保険や生命保険によっては、入院日数や治療内容に応じた給付金を受け取れる場合があります。 給付の有無や条件は契約内容によって異なるため、保険会社へ確認しておくと、実際の自己負担額を把握しやすくなります。 このように、公的制度や保険を上手に活用することで、脳出血による入院費用の負担を軽減できる可能性があります。 脳出血の入院期間についてよくある質問 最後に脳出血の入院期間についてよくある質問に回答していきます。 脳出血が軽症だったときの入院期間は? 脳出血の安静期間はどのくらい? 本記事で紹介したとおり、脳出血の入院期間には個人差があるため、「自分の場合はどれくらい入院が必要なのか」と多くの方が気になりやすいポイントでしょう。 以下でよくある質問について、具体的に見ていきましょう。 脳出血が軽症だったときの入院期間は? 脳出血が軽度だった場合、入院期間は数日〜2週間程度が目安になります。 出血量が少なく、麻痺などの神経症状が見られないケースでは、状態が安定すれば早期退院が可能な場合もあります。 ただし、軽度であっても年齢や出血部位、基礎疾患の有無によっては経過観察のために入院が長引く可能性もゼロではありません。 そのため、軽症=短期間で退院できるとは限らないため注意が必要です。 脳出血の安静期間はどのくらい? 脳出血の安静期間は、症状の重症度や回復状況によって異なります。 一般的には、発症直後の急性期において数日〜1週間程度の安静が必要とされますが、早期のリハビリ開始が推奨されています。 そのため、医師の判断のもとで、全身状態に注意しながら「ベッド上でのリハビリ」「座位・立位の練習」などを段階的に開始していきます。 安静期間中は、急に動き出したり、頭を下げるような姿勢を取ったりしないように注意しましょう。 脳出血の早期改善には再生医療をご検討ください 脳出血の入院期間は、年齢・重症度・出血量や出血部位などによって大きく異なります。 軽症の場合は比較的早期に退院できることもありますが、回復の経過によっては、長期入院や継続的なリハビリが必要となるケースもあります。 また、近年の脳出血に対する治療では、従来の治療やリハビリに加え、脳出血の抜本的な改善を目指す「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す治療法です。 「リハビリを続けているが、後遺症が改善しない」「後遺症が治るか不安を抱えている」といった方は、再生医療の選択肢について専門医に相談することも一つの方法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。
2025.12.26 -
- ひざ関節
なかなか引かない膝の痛みに対して「何が原因なのか」「このまま悪化しないか」と不安を抱える方は多いのではないでしょうか。 膝の痛みが治らない原因は、膝周辺の炎症や水が溜まっている状態、膝周辺の筋力・柔軟性の不足などが挙げられます。 この記事では、膝の痛みが治らない原因や考えられる疾患・症状について詳しく解説します。 近年では、膝の痛みが治らない原因として考えられる変形性膝関節症などの膝疾患の根本治療を目指す「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて炎症抑制や傷ついた組織の再生・修復を促す治療法です。 以下の動画では、変形性膝関節症が再生医療によって改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 https://www.youtube.com/watch?v=NbYAdVr0ez4&t=3s 「膝の痛みを早く何とかしたい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 膝の痛みが治らない原因【5選】 膝の痛みが治らない原因は、以下の通りです。 膝周辺の強い炎症 膝に水が溜まっている 膝周辺の筋力・柔軟性の不足 関節に負荷のかかる生活習慣 疾患やケガの可能性 膝の痛みが長引く背景には、年齢による変化が影響している場合もあります。 加齢とともに筋力が低下し、軟骨がすり減って痛みが出やすくなるためです。 以下の記事では、40代以降で膝が痛くなる理由や対処法をまとめているので参考にしてください。 膝周辺の強い炎症 膝の痛みが続く原因のひとつに、膝周辺の強い炎症が挙げられます。 歩いたり曲げ伸ばしを繰り返したりするうちに、軟骨の細かな破片が関節の内側を覆う「滑膜(かつまく)」に触れて刺激となり、腫れや熱を伴うことがあります。 滑膜が炎症を起こすきっかけは、以下の通りです。 半月板や軟骨に傷がある スポーツや長時間の歩行など、膝に負担が集中する生活 加齢に伴う血流の低下 靭帯のゆるみ 炎症が疑われるときは、患部を冷やして熱を和らげたり、鎮痛薬や抗炎症薬で症状を抑えたりする方法が用いられます。 無理に動かし続けると悪化しやすいため、痛みが強い日は休息をとることが大切です。 膝に水が溜まっている 膝に水が溜まっている状態(関節水腫)は、膝関節の内部で炎症が起きているサインです。 炎症によって関節液が通常より多くつくられ関節内に溜まることで、膝が張ったように感じたり曲げ伸ばしがしにくくなったりします。 痛みだけでなく、動作の制限が出て日常生活にも影響が及ぶことがあります。 水が溜まった際の治療として、注射器で関節液を抜く処置(関節穿刺)が一般的です。 しかし、あくまで溜まった水を取り除くための処置です。 根本にある炎症や疾患が改善しなければ再び水が溜まってしまうため、原因に応じた治療が欠かせません。 膝周辺の筋力・柔軟性の不足 膝周辺の筋力・柔軟性不足は、痛みがなかなか治らない原因のひとつです。 膝は体重を支える重要な関節で、歩行や立ち座り、階段の上り下りなど日常の動作のたびに負荷が加わります。 太ももやお尻の筋肉が弱くなると膝が安定しにくくなり、関節軟骨や半月板にかかる負担が増えて炎症が長引くことがあります。 筋力低下・柔軟性不足のサインは、以下の通りです。 階段の上り下りがつらい 長距離を歩くと膝にだるさや痛みが出る 膝が不安定で、ぐらつきを感じる 膝がまっすぐ伸びない トレーニングを行う際は、勢いをつけずにゆっくり行い、正しいフォームを意識しましょう。 呼吸を止めず、自然なリズムで続けることもポイントです。 痛みが強いときは無理をしないで、必要に応じて理学療法士や医師に相談しながら取り組みましょう。 関節に負荷のかかる生活習慣 日常の過ごし方によって膝へ強い負担がかかると、炎症が長引いて痛みが改善しにくくなる場合があります。 関節に負荷のかかる生活習慣の例は、以下の通りです。 あぐらで座る、布団で寝るなど床中心の生活 長時間の歩行や立ちっぱなしの作業が多い 重い荷物を持って移動する 体重増加により、膝関節にかかる負担が大きくなっている 痛みが続く場合は無理な動作を避け、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 疾患やケガの可能性 膝の痛みは、単に負荷がかかった結果の炎症だけでなく、背景に別の疾患が潜んでいることがあります。 代表的な疾患として、以下のようなものが挙げられます。 変形性膝関節症 半月板損傷 鵞足炎(がそくえん) それぞれ原因や痛み方、必要となる治療が異なります。 早期に適切な治療を始めれば、症状の進行を防いで将来的な機能低下を抑えられます。 膝の痛みが続く・腫れが引かない・動かしにくいなどの症状がある場合は、無理を続けず早めに整形外科に相談しましょう。 膝の痛みが治らない原因として考えられる疾患・症状 膝の痛みが治らない原因として考えられる疾患・症状は、以下の通りです。 変形性膝関節症 半月板損傷 鵞足炎 以下で、それぞれの症状について確認していきましょう。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝関節の軟骨がすり減ることで骨同士の負担が増し、痛みや腫れを生じる膝の疾患です。 50代以降の方※や女性、体重が重い方、膝を痛めた既往がある方、膝に負担のかかる動作が多い方※に変形性膝関節症が起こりやすいとされています。 ※出典:WHO「変形性関節症」 ※出典:日大医学会誌「変形性膝関節症診療ガイドライン2023の概説」 以下のような症状がある場合は、変形性膝関節症が進行している可能性があります。 歩き始めに膝がこわばる、動き出しにくい 階段の上り下りがつらい 正座やしゃがむ動作で痛みが強くなる 変形性膝関節症は自然に元どおりに回復することが難しく、放置すると痛みが慢性化し、生活動作に支障が出ることもあります。 症状が軽いうちに治療や生活の工夫を始めることで、進行を抑えることが期待できます。 以下の記事では、変形性膝関節症のステージ分類と進行度について解説しているので参考にしてください。 半月板損傷 半月板は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間で衝撃を吸収し、膝を安定させるクッションのような役割を持つ軟骨です。 半月板に傷や断裂が生じると、膝に痛みが出て不安定感や引っかかる感じを覚えることがあります。 スポーツによる急なひねりや衝撃、加齢や体重増加などが主な原因です。 以下の症状がある方は、半月板が損傷しているかもしれません。 曲げ伸ばしの際に引っかかるような感覚がある 関節が張るような腫れ・むくみ 膝をまっすぐ伸ばしにくい、伸ばすと痛む 損傷した半月板を放置すると関節内で炎症が続き、軟骨への負担が増えて将来的に変形性膝関節症に進行する恐れがあります。 早めに整形外科で検査を受け、必要な治療やリハビリを行うことが痛みの改善と再発予防につながります。 以下の記事では、半月板損傷でやってはいけないことや日常生活での注意点について解説しているので参考にしてください。 鵞足炎 鵞足炎(がそくえん)は、膝の内側の少し下にある腱の部分に炎症が起きることで、歩行や運動の際に痛みが生じる疾患です。 ランニングや跳躍動作など、膝を繰り返し使うスポーツをしている方に多くみられます。 鵞足炎の主な症状は、以下の通りです。 膝のお皿の内側から数センチ下あたりが痛む 押したときに鋭い痛みが走る 階段の上り下りで症状が強くなる 以下の記事では、鵞足炎の症状や原因、治療法などについて解説しているので参考にしてください。 膝の痛みが病院に行っても治らないときの対処法 膝の痛みが病院に行っても治らないときの対処法は、以下の通りです。 生活習慣を見直す 再生医療による治療を受ける 自己流でケアを続けると、かえって症状を悪化させてしまうことがあります。 適切な対処法を次の項目で押さえておきましょう。 また、膝の痛みに根本から向き合う選択肢として再生医療についても解説しますので、今後のケアや治療方針を決める際のヒントとしてご活用ください。 生活習慣を見直す 膝の痛みがなかなか治らない背景には、日々の過ごし方が影響していることがあります。 膝関節は体重を支えながら動くため、繰り返し負荷がかかる生活を続けていると炎症が続きやすくなり、症状が長引く原因になります。 膝への負担を減らすために、次のような習慣改善が効果的です。 椅子やベッド中心の生活に切り替える 長距離の歩行や立ちっぱなしの作業は控え、こまめに休憩を入れる 体重が増えている場合は、食事や生活リズムを整えて減量を目指す 杖や手すりを活用する 生活習慣の小さな工夫でも、膝関節への負担を減らせます。 痛みが続く場合は、無理のない範囲で生活を整えながら症状の改善を目指しましょう。 再生医療による治療を受ける 変形性膝関節症や半月板損傷など、膝の痛みが長引く原因として考えられる疾患に対しても、組織の損傷そのものにアプローチできる治療として再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さま自身の血液や細胞を利用し、炎症を抑えたり傷んだ軟骨や半月板の修復を促したりする治療法です。 従来の治療では効果が続きにくかった慢性的な痛みが改善した例も報告されており、膝の不調が長引いている方にとって新しい選択といえます。 入院や手術が不要な点や、アレルギー・拒絶反応のリスクが比較的少ない点が特徴です。 膝の痛みがなかなか良くならない方や、将来的な悪化が心配な方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 以下のページでは、再生医療によって変形性膝関節症の痛みが改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。 >再生医療によって変形性膝関節症の症状が改善した症例(50代女性)はこちら 再生医療について詳しく知りたいとお考えの方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 膝の痛みが治らないときは再生医療をご検討ください 膝の痛みが長引く背景には、軟骨のすり減りや炎症の慢性化、筋力低下など、単一の原因だけでは説明できない複合的な要因が関わっている場合があります。 膝の痛みが病院に行っても治らないときは、生活習慣を見直したり再生医療を検討したりしてみましょう。 自身の細胞や血液を利用して、炎症の鎮静化や組織の修復を目指す再生医療は、注射による治療のため身体への負担が比較的少なく、日常生活を続けながら取り組めます。 長引く膝の痛みにお悩みの方や再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2025.12.26 -
- 首
頚椎椎間板ヘルニアと診断され、「どれくらい仕事を休むべきなのか」と不安になっている方も多いのではないでしょうか。 休職期間の目安は症状の強さや治療内容によって大きく異なり、軽い場合は数日〜1週間ほど、しびれや力の入りにくさが強い場合は1〜2週間以上になることもあります。 この記事では、頚椎椎間板ヘルニアの休職期間の平均日数や仕事を休めない場合の対処法について解説します。 また、近年の頚椎椎間板ヘルニアの治療では、損傷した組織の改善が期待できる再生医療が注目されています。 以下のページでは、頚椎椎間板ヘルニアによって歩行や手の動きが失われた患者さまが、再生医療の治療後に手指の動きや食事動作を取り戻した症例をご紹介しているため、併せて参考にしてください。 >再生医療によって頚椎椎間板ヘルニアが改善した症例(80代女性)はこちら 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 頚椎椎間板ヘルニアにおける休職期間の平均日数 頚椎椎間板ヘルニアにおける休職期間の平均日数は、以下の通りです。 軽度の場合|数日〜1週間程度 重度の場合|1〜2週間程度 手術を受けた場合|数週間〜1カ月程度 頚椎椎間板ヘルニアの休職期間は、症状の強さ・回復の速さ・仕事内容によって大きく異なります。 復職時期は必ず医師と相談し、無理をして再発・悪化を招かないようにしましょう。 また、頚椎椎間板ヘルニアで一定期間の休職が必要になった場合、傷病手当金(健康保険の補助制度)を利用できる可能性があります。 症状が強いときは無理に働かず、必要に応じて制度も活用しながら体を休めましょう。 軽度の場合|数日〜1週間程度 軽度の頚椎椎間板ヘルニアでは、数日〜1週間ほどの休息で仕事に戻れるケースが多いです。 痛みやしびれが比較的弱く、首や腕の動きに大きな支障がない状態であれば、短期間の安静で日常生活に復帰できます。 ただし、細かな手作業を伴う仕事では、軽度のしびれでも業務に影響が出る場合があるため、指先の感覚が戻るまで少し長めに休む判断が必要になることもあります。 症状の現れ方には個人差があり、無理に作業を続けると痛みが悪化する可能性もあります。 復帰のタイミングは、医師の診断や自身の体調と照らし合わせながら慎重に判断しましょう。 重度の場合|1〜2週間程度 痛みやしびれが強く、腕の力が入りにくい、指先が思うように動かない、といった症状が現れている場合は、1〜2週間ほど休職して治療を優先するケースがあります。 営業職や販売、工場勤務など体を動かす仕事が中心の方は症状が落ち着くまで働き続けるのが難しい状況になりやすいため、医師の判断に沿って職場と調整しましょう。 また、家事や身の周りのことに支障が出ている際は無理を続けると悪化する可能性があるため、短期間でも休息を確保して治療に専念することが重要です。 復職後もしびれや痛みが強まる場合は、早めに医師へ相談し勤務形態を見直しましょう。 脱力や細かい手作業が難しい状態が続く際は、追加の治療や手術を検討される場合もあります。 手術を受けた場合|数週間〜1カ月程度 頚椎椎間板ヘルニアの手術を受けた場合、仕事復帰までの期間は数週間〜1カ月程度が目安となります。 保存療法で症状が改善しない場合や、手先の細かな動きが難しくなる・歩きづらさが出るといった神経症状が進んでいる場合には、前方除圧固定術と呼ばれる手術が選択されることがあります。 頚椎前方除圧固定術は、首の前から飛び出した椎間板を取り除いて神経の圧迫をやわらげ、プレートやネジで首の骨を固定する手術です。 手術から退院までには経過観察やリハビリが必要となり、入院期間は概ね10〜14日ほどが目安です。 その後も、首に負担をかけないよう慎重に回復を進める必要があります。 デスクワークであれば比較的早期に復職できる場合が多い一方、長時間の前傾姿勢が続く作業や重量物を扱う仕事では、復帰までにより慎重な判断が必要です。 なお、手術を行ってもすべての神経症状が消えるわけではなく、神経が長期間圧迫されていた際はしびれや力の入りにくさが残ることもあります。 症状が残る場合には復職時期の調整や働き方の見直しが必要となることもあるため、医師と相談しながら無理のないペースで進めましょう。 頚椎椎間板ヘルニアで休職が必要になるケースとは 頚椎椎間板ヘルニアで休職が必要になるケースは、以下の通りです。 仕事に支障が出ている場合 ドクターストップがかかる場合 休職が必要かどうかは症状の強さや神経へのダメージの程度、仕事内容によって変わります。 症状が軽くても無理をすると悪化する可能性があるため、医師と相談して判断しましょう。 また、症状や職種に応じて在宅勤務や時短勤務など、柔軟な働き方の検討も重要です。 仕事に支障が出ている場合 頚椎椎間板ヘルニアによる症状で仕事に支障が出ている場合、休職が必要と考えられます。 具体例は、以下の通りです。 痛みで集中できない 指が思うように動かない 歩行が不安定になる 職種による影響も大きいため、医師と相談しながら自身の症状と仕事内容に合った判断をしましょう。 症状が強いと、働き方だけでなく普段の姿勢や動作にも影響が出ることがあります。 日常生活の過ごし方によって症状が悪化する場合もあるため、避けたほうが良い行動については以下の記事を参考にしてください。 ドクターストップがかかる場合 頚椎椎間板ヘルニアの症状が重い場合、仕事や運動について医師からドクターストップがかかることがあります。 症状の具体例は、以下の通りです。 手や腕のしびれや感覚異常が悪化する可能性がある 脊髄への圧迫や影響が疑われる 首や肩に負担のかかる業務内容 安静や休業、手術が必要な状況 症状が軽度であれば、無理をすれば仕事を続けられることもありますが、頚椎椎間板ヘルニアは放置すると悪化するリスクがあります。 ドクターストップが出た場合は指示に従い休業し、症状の回復や悪化防止につなげましょう。 頚椎椎間板ヘルニアで仕事を休めないときの対処法 頚椎椎間板ヘルニアで仕事を休めないときの対処法は、以下の通りです。 首を後ろに反らす動作や上を見上げる姿勢は避ける 首を大きく回す運動は避ける うつ伏せでの読書・テレビ視聴は控える 必要に応じて頚椎カラー(首を支える装具)で首を固定する 適切な高さで首のカーブをサポートする形状の枕を使用する 頚椎椎間板ヘルニアの症状があってもさまざまな事情で仕事を休めない場合は、症状を悪化させない工夫をしながら整形外科での治療を継続することも大切です。 整形外科では痛み止めや神経ブロック注射、リハビリなどを受けながら仕事を続けることも可能です。 症状が悪化すると日常生活にも支障が出るため、休日や業務の合間に通院して早めに治療を受けましょう。 以下の記事では、頚椎椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法を紹介しているので参考にしてください。 頚椎椎間板ヘルニアの休職期間についてよくある質問 頚椎椎間板ヘルニアの休職期間についてよくある質問は、以下の通りです。 頚椎椎間板ヘルニアの安静期間はどれくらい? 頚椎椎間板ヘルニアで仕事を続けるには? 頚椎椎間板ヘルニアの適切な治療につなげましょう。 頚椎椎間板ヘルニアの安静期間はどれくらい? 頚椎椎間板ヘルニアの安静期間は、症状の重さや神経の圧迫の程度、仕事や日常生活の条件によって大きく異なります。 普遍的な期間はないため、医師と相談しながら経過をみて判断しましょう。 日常生活での姿勢や首への負担のかけ方によって、症状が悪化する場合もあります。 自宅でできるストレッチや予防法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。 頚椎椎間板ヘルニアで仕事を続けるには? 頚椎椎間板ヘルニアの症状があっても、仕事を続けなければならない場合は、首や神経への負担を最小限に抑えて症状の悪化を防ぎましょう。 具体的なポイントは、以下の通りです。 デスクワークの際は長時間同じ姿勢を避け、1時間ごとに10分程度休憩する※ 椅子の高さやモニターの位置を調整し、首が前に傾かない姿勢を保つ 首を後ろに反らす、大きく回すなどの動作は避ける 頚椎カラーや首を支える枕を使用する 在宅勤務や半日勤務、休憩の増加など勤務時間や作業内容の調整する ※出典:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」 症状の強さや仕事内容により、無理に働き続けると悪化のリスクがあります。 状況に応じて休職や治療の優先を検討しましょう。 頚椎椎間板ヘルニアの休職期間を短くしたい方は再生医療をご検討ください 頚椎椎間板ヘルニアの休職期間は、軽度で数日〜1週間程度、中等度から重度で1〜2週間以上、手術が必要で数週間〜1カ月程度が目安となります。 休職の判断は、症状の程度や仕事の内容によって個人差があるため、必ず医師と相談しましょう。 近年では、頚椎椎間板ヘルニアの治療において、損傷した組織の改善が期待できる再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さまの血液や脂肪から採取した細胞を用いて、損傷した神経や組織の再生・修復を促す治療法です。 以下のような方は、再生医療をご検討ください。 できるだけ休職せずに治したい 早く治したいけれど、手術は避けたい 薬物療法や注射、手術を行ったが回復には至らなかった 当院「リペアセルクリニック」が行った症例については、以下をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=HD84MUeROxE 頚椎椎間板ヘルニアの早期改善を目指したい方は、ぜひ当院リペアセルクリニックへご相談ください。
2025.12.26 -
- 股関節
恥骨結合炎とは、骨盤の前方にある左右の恥骨をつなぐ軟骨部分に炎症が起きる疾患です。 サッカーやランニングなどのスポーツ選手に多くみられ、放置すると痛みが慢性化して日常生活にも支障をきたすことがあります。 「恥骨のあたりが痛くてつらい」「ストレッチで少しでも痛みを和らげたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、恥骨結合炎に効果的なストレッチ方法や、症状改善に役立つトレーニングについて解説します。 恥骨結合炎の痛みでお悩みの方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 恥骨結合炎に効果的なストレッチ方法 恥骨結合炎の痛みを和らげるには、恥骨につながっている筋肉をほぐすストレッチが有効です。 以下の4つの部位のストレッチが効果的です。 内転筋のストレッチ 股関節のストレッチ ハムストリングスのストレッチ 腹直筋のストレッチ 恥骨結合には腹直筋や内転筋などの複数の筋肉が付着しており、これらの筋肉が硬くなると恥骨に負担がかかりやすくなります。 それぞれの正しいやり方を理解して、日常生活に取り入れていきましょう。 内転筋のストレッチ 内転筋は太ももの内側にある筋肉で、脚を閉じる動作や骨盤を安定させる役割を担っています。 サッカーやランニングなどで強く働く筋肉であり、使いすぎて硬くなると恥骨結合に負担がかかりやすくなります。 あぐらを組んで行う方法が取り組みやすくおすすめです。 あぐらの姿勢から両方の足裏をぴったり合わせて座る おへそを引き上げるようにして骨盤を立てる 背筋を伸ばしたまま、ゆっくり前に倒れる 太ももの内側が伸びている感覚を保ちながら30秒キープする 骨盤が後ろに倒れると内転筋が縮みやすいため、背筋をしっかり伸ばした状態で行いましょう。 前に倒れるときも背中が丸くならないよう意識してください。 股関節のストレッチ 股関節周辺の柔軟性を高めることで、恥骨結合にかかる負担を軽減できます。 股関節が硬いと骨盤の動きが制限され、恥骨周辺に過度なストレスがかかりやすくなるためです。 立って行う股関節ストレッチの手順は以下のとおりです。 立った状態で脚を大きく開く 膝を曲げて四股の姿勢になり、膝の上に両手を乗せる 肘を伸ばしたまま、伸ばしたい側の肩を内側に入れていく 片側を30秒ほど伸ばしたら、反対側も同様に行う 肩を内側に入れるときに、膝が内側に向かないようしっかり手で押さえることが大切です。 膝が内側に動くと股関節のストレッチ効果が弱まります。 ハムストリングスのストレッチ ハムストリングス(太もも裏の筋肉)は骨盤につながっており、硬くなると骨盤の動きが制限されて恥骨に負担がかかりやすくなります。 座った姿勢で行うストレッチの手順を紹介します。 片脚を伸ばした状態で床に座る 骨盤を立てて背筋をまっすぐにする 伸ばした脚のつま先の方向に向かって体を倒していく 太もも裏が伸びている感覚を保ちながら20〜30秒キープする 痛みを感じない範囲で、気持ちよく伸びている感覚を目安に行いましょう。 腹直筋のストレッチ 腹直筋は恥骨に直接付着している筋肉で、スポーツや日常動作で常に使われています。 この筋肉が硬くなると、わずかな動作でも恥骨に負担がかかるため、しっかりほぐすことが大切です。 うつ伏せで行うストレッチの手順は、以下のとおりです。 手のひらを床についた状態でうつ伏せになる 手で床を押しながらゆっくり上体を起こす 上体を起こしきったところで30秒ほど深呼吸する 恥骨をできるだけ床につけながら上体を起こすのがポイントです。 勢いよく上体を起こすと腰を反りすぎてしまい、腰痛の原因になることがあります。 恥骨結合炎のストレッチ以外に実施したいトレーニング 恥骨結合炎の症状を改善するには、ストレッチに加えて筋力トレーニングも効果的です。 骨盤周辺の筋肉を鍛えることで、恥骨結合への負担を軽減し、再発予防にもつながります。 以下の3つのトレーニングがおすすめです。 骨盤底筋のトレーニング 腹横筋のトレーニング 中殿筋(横のお尻)のトレーニング 無理のない範囲で継続的に取り組み、骨盤を支える筋力を高めていきましょう。 骨盤底筋のトレーニング 骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉の集まりで、内臓を支え、排尿・排便をコントロールする役割があります。 この筋肉を鍛えることで骨盤全体の安定性が高まり、恥骨結合への負担軽減が期待できます。 仰向けで行う基本のトレーニング方法は以下のとおりです。 仰向けに寝て足を肩幅に開き、両膝を軽く曲げて立てる 体の力を抜いてリラックスする 息を吐きながら、肛門と尿道を引き上げるように5秒間締める ゆっくり力を抜いて30秒ほど休憩する これを10回繰り返す お腹やお尻に余計な力を入れず、骨盤底筋だけを意識して収縮させることがポイントです。 腹横筋のトレーニング 腹横筋はお腹の最も深い位置にあるインナーマッスルで、コルセットのように内臓を支え、体幹を安定させる役割を持っています。 この筋肉を鍛えることで、骨盤の安定性が高まり、恥骨結合への負担を軽減できます。 「ドローイン」と呼ばれる呼吸を使ったトレーニングが効果的です。 仰向けに寝て両膝を立てる 息を大きく吸い、お腹を膨らませる 息をゆっくり吐きながら、お腹をへこませるように力を入れる お腹をへこませた状態を10秒間キープする 10回を2〜3セット行う 関節を動かさないトレーニングなので、腰痛がある方でも取り組みやすいのが特徴です。 中殿筋(横のお尻)のトレーニング 中殿筋はお尻の横にある筋肉で、内転筋とともに骨盤と脚を外側と内側から支える重要な役割を果たしています。 この筋肉を鍛えることで内転筋の働きを助け、恥骨結合にかかる負担を軽減できます。 横向きで行うトレーニングの手順は以下のとおりです。 肩から脚がまっすぐになるよう横向きに寝る 4秒かけて上の脚を斜め後ろに引きながら持ち上げる 8秒かけてゆっくり戻す 10回繰り返し、反対側の脚も同様に行う 脚を持ち上げるときにつま先が上を向かないよう注意しましょう。 つま先が上を向くと太ももの前側に力が入ってしまい、中殿筋を効果的に鍛えられなくなります。 恥骨結合炎でストレッチ・トレーニングするときの注意点 恥骨結合炎の症状改善にストレッチやトレーニングは有効ですが、間違った方法で行うと症状を悪化させる可能性があります。 安全に効果を得るために、以下の2つの注意点を守りましょう。 痛みを感じたらすぐに中止する 症状が長引く場合は医療機関を受診する これらの注意点をしっかり理解して、無理のない範囲で取り組んでください。 痛みを感じたらすぐに中止する ストレッチやトレーニング中に恥骨や股関節周辺に痛みを感じた場合は、すぐに運動を中止してください。 「痛くても我慢して続ける」ことは症状を悪化させる原因になります。 ストレッチは「気持ちよく伸びている」と感じる程度の強さが適切です。 反動をつけて無理に伸ばしたり、限界まで負荷をかけたりする方法は避けましょう。 症状が長引く場合は医療機関を受診する ストレッチやトレーニングを2週間以上続けても痛みが改善しない場合は、整形外科を受診しましょう。 恥骨結合炎の炎症が強い場合は、医師の指示のもとで抗炎症薬などを使用して炎症を抑える必要があります。 また、恥骨周辺の痛みは恥骨結合炎以外の病気が原因で起きている場合もあります。 婦人科や泌尿器科系の疾患が隠れているケースもあるため、自己判断で運動を続けず、早めに医療機関で正確な診断を受けることが大切です。 恥骨結合炎のストレッチに関してよくある質問 恥骨結合炎のストレッチについてよくある質問にお答えします。 恥骨結合炎はストレッチで治る? 恥骨結合炎は何科に行く? 痛みでお悩みの方は、ぜひご覧ください。 恥骨結合炎はストレッチで治る? ストレッチだけで恥骨結合炎を完治させることは難しいですが、症状の緩和や再発予防に効果的です。 恥骨結合炎の治療は、まず安静にして炎症を抑えることが基本です。 炎症が落ち着いてきたら、医師の指導のもとでストレッチやトレーニングを開始しましょう。 恥骨結合炎は何科に行く? 恥骨結合炎が疑われる場合は、整形外科を受診しましょう。 整形外科医は骨や軟骨、靭帯、神経など、体を動かすのに必要な器官を診る専門家です。 レントゲンやMRIなどの検査で恥骨結合の状態を確認し、適切な治療方針を立ててもらえます。 恥骨結合炎のストレッチと併せて再生医療をご検討ください 恥骨結合炎の症状を和らげるには、内転筋や股関節、ハムストリングス、腹直筋のストレッチが効果的です。 また、骨盤底筋や腹横筋、中殿筋のトレーニングを併せて行うことで、骨盤の安定性を高め、症状の改善と再発予防につなげられます。 ストレッチやトレーニングを行う際は、痛みを感じたらすぐに中止し、症状が長引く場合は整形外科を受診しましょう。 恥骨結合炎の改善には、ストレッチやトレーニングと併せて、再生医療という選択肢もあります。 当院「リペアセルクリニック」では、幹細胞治療やPRP療法といった再生医療を提供しています。 恥骨結合炎の痛みでお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。
2025.12.26 -
- スポーツ医療
ふくらはぎの筋断裂とは、筋肉の繊維が部分的または完全に断裂した状態のことで、「肉離れ」とも呼ばれています。 スポーツ中のダッシュやジャンプなどで起こりやすく、放置すると歩行が困難になったり、再発しやすくなったりするリスクがあります。 この記事では、ふくらはぎの筋断裂の症状や原因、対処法から全治期間、治療法まで詳しく解説します。 ふくらはぎの痛みで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは手術なしで根本的な改善を目指せる再生医療に関する情報をLINEで発信しております。 再生医療に興味がある方は、ぜひご登録ください。 ふくらはぎの筋断裂(肉離れ)とは ふくらはぎの筋断裂は、筋肉に急激な力がかかることで筋繊維が損傷・断裂する状態です。 まずは症状と原因について、以下の2つを解説します。 主な症状 主な原因 ご自身の状態と照らし合わせながら確認してみてください。 主な症状 ふくらはぎの筋断裂は、受傷した瞬間に「ブチッ」「バチッ」という断裂音を感じ、激しい痛みが生じるのが特徴です。 主な症状は以下のとおりです。 受傷直後に「ブチッ」という音とともに激しい痛みを感じる 損傷した部位が腫れて、皮下出血(青あざ)ができる場合がある 痛みで足を動かしづらくなり、歩行が困難になる 力が入らず、思うように足を動かせない 重症の場合は筋肉のへこみが目で見てわかる 軽度であれば患部を押したときに痛む程度で歩行も可能ですが、重度になると自力で歩くことがほぼできなくなります。 痛みが数分で治まる「こむら返り(足がつる)」とは異なり、筋断裂の場合は痛みが長時間続きます。 主な原因 ふくらはぎの筋断裂は、筋肉が急激に収縮したり伸ばされたりしたときに発生します。 主な原因は以下のとおりです。 ダッシュ、ジャンプ、急停止など瞬発的な動作 ウォーミングアップ不足による筋肉の硬さ 筋力や柔軟性の不足 疲労の蓄積による筋肉の状態悪化 水分不足による筋肉の柔軟性低下 スポーツをしていない方でも、久しぶりの運動や急な動作で筋断裂を起こす可能性があります。 また、体が冷えると筋肉が硬くなるため、冬場はとくに注意が必要です。 ふくらはぎで筋断裂を起こしたときの対処法 ふくらはぎで筋断裂を起こしたときは、適切な応急処置を行い、速やかに医療機関を受診しましょう。 対処法として、以下の2つを解説します。 RICE処置による応急処置 医療機関を受診 早期の対処が症状の悪化を防ぎます。 RICE処置による応急処置 筋断裂を起こしたときの応急処置として「RICE処置」が効果的です。 RICE処置は、Rest(安静)・Icing(冷却)・Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の頭文字をとった応急処置の基本です。 処置 方法 Rest(安静) 患部を動かさずに安静を保つ。損傷の拡大を防ぐ Icing(冷却) 氷や保冷剤をタオルで包み、1回15〜20分を目安に患部を冷やす Compression(圧迫) 包帯やサポーターで適度に圧迫し、腫れを抑える Elevation(挙上) 患部を心臓より高い位置に上げて、血液やリンパ液の流れを調整する RICE処置はあくまで応急処置です。 処置を行った後は、なるべく早く医療機関を受診しましょう。 医療機関を受診 筋断裂が疑われる場合は、できるだけ早く整形外科を受診することが大切です。 とくに以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 受傷時に「ブチッ」という断裂音を感じた 痛みが強く、歩行が困難である 患部が大きく腫れている、または内出血がある 筋肉にへこみが見られる 時間が経っても痛みが引かない 軽い痛みで歩行に支障がない場合でも、数日で痛みが改善しない場合は受診をおすすめします。 医療機関では、問診・触診のほか、エコー(超音波検査)で筋肉の損傷具合を確認します。 ふくらはぎの筋断裂における全治期間は?主な治療法 ふくらはぎの筋断裂の治療期間は、損傷の程度によって1週間から6カ月が目安です。 全治期間と治療法について、以下の2つを解説します。 主な治療は「保存療法」 早期回復のためにリハビリが重要 回復に向けた流れを理解し、焦らず治療に取り組みましょう。 主な治療は「保存療法」 ふくらはぎの筋断裂における治療は、手術をせずに自然治癒を促す「保存療法」が基本となります。 全治期間は重症度によって異なり、目安は以下のとおりです。 重症度 状態 全治期間の目安 軽度 ・筋繊維の微細な損傷 ・押すと痛みがあるが歩行は可能 1〜2週間程度 中等度 ・筋繊維の部分断裂 ・腫れや内出血があり歩行が困難 1〜2カ月程度 重度 ・筋肉の完全断裂 ・強い痛みで自力歩行がほぼ不可能 3〜6カ月程度 保存療法では、テーピングや装具で患部をサポートしながら安静にし、徐々にリハビリを行います。 完全断裂や大きな損傷がある場合には、手術が必要になることもあります。 早期回復のためにリハビリが重要 筋断裂の治療では、柔軟性と筋力を回復させるためにリハビリが欠かせません。 リハビリの内容は医療機関によって異なりますが、基本的には以下のように進められます。 ストレッチで患部を軽く伸ばし、20〜30秒かけてゆっくり行う(3〜5セット) 筋力トレーニングで低下した筋力を回復させる 最終段階でダッシュやジャンプなど実践的な動きを取り入れる リハビリを始めるタイミングは、炎症が治まり、痛みや腫れが軽減してからです。 自己判断で過度な負荷をかけると再発につながる恐れがあるため、焦らず医師や理学療法士の指示に従い、段階的に進めましょう。 ふくらはぎの筋断裂についてよくある質問 ふくらはぎの筋断裂についてよくある質問を紹介します。 ふくらはぎの筋断裂はどのくらいで治る? ふくらはぎの筋断裂は手術する? 治療期間や方法について正しく理解し、回復に向けた適切な対応を取りましょう。 ふくらはぎの筋断裂はどのくらいで治る? 症状の程度によって異なりますが、軽度で1〜2週間、中等度で1〜2カ月、重度で3〜6カ月が目安です。 ただし、これは適切な治療を受けた場合の目安です。 痛みがある場合は放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 ふくらはぎの筋断裂は手術する? 多くの場合、手術をせずに保存療法で治療を行います。 ただし、筋肉や腱の完全断裂がある場合や、損傷が広範囲に及ぶ場合には手術が検討されることもあります。 ふくらはぎの筋断裂を早く治すなら再生医療をご検討ください ふくらはぎの筋断裂は、適切な応急処置と治療によって回復が期待できる症状です。 しかし、「できるだけ早く治したい」「スポーツに早く復帰したい」と考える方も多いのではないでしょうか。 そのような方には、「再生医療」という治療法が選択肢になります。 再生医療は、ご自身の血液や細胞を利用して損傷した組織の修復を促す医療技術です。 入院を伴う大きな手術を必要としないため、早期回復を目指している方にもご検討いただけます。 再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。
2025.12.26 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症と診断され、病院で治療を続けているものの、「膝の痛みが引かない」「整骨院でマッサージを受けたほうが楽になる?」と、お悩みではないでしょうか。 実際、整骨院での施術によって一時的に痛みが和らいだり、動きやすさを感じたりする可能性はあります。 しかし、整骨院の施術だけでは変形性膝関節症の根本的な改善は期待できません。 本記事では、変形性膝関節症に対して整骨院で期待できる効果について解説します。 ぜひ参考にして自分の膝の状態に合った最適な治療法を見つけ、痛みのない生活を取り戻しましょう。 また「従来の治療法では改善しない」「手術を勧められたが、どうしても避けたい」という方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療とは自身の細胞の力を利用し、すり減った軟骨や傷ついた組織の修復・再生を促す治療法です。 実際に当院の治療を受けた方の症例は、以下の動画でも解説しています。 https://youtu.be/EXx7d9cCaoE?si=w-SbfUbC9iX6Eh48 >>その他の症例はこちら 進行した変形性膝関節症でお悩みの方や今後の治療方針に不安を感じている方は、ぜひ当院へご相談ください。 整骨院だけでは変形性膝関節症の根本的な改善は期待できない 整骨院での施術だけでは、変形性膝関節症の根本的な改善は期待できません。 変形性膝関節症は軟骨がすり減って進行する病気であり、整骨院の手技では組織の再生や変形の修復ができないからです。 変形性膝関節症の特徴や整骨院で対応できない理由は、以下のとおりです。 項目 詳細 特徴 加齢や負担で軟骨が減り、骨が変形する進行性の病気 整骨院で対応不可 レントゲン検査や組織の再生 必要な対応 炎症や強い腫れがある場合は、整形外科での検査や治療が必要 ※参照:「変形性膝関節症」|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる 整骨院はあくまで、筋肉の緊張をほぐして痛みを和らげたり動きやすくしたりするための補助的な役割を果たす場所です。 整骨院に行けば変形が良くなると誤解せず、整形外科での診断をベースに整骨院を上手に併用すると、症状管理に役立つ場合があります。 変形性膝関節症の症状に対して整骨院で期待できる効果 変形性膝関節症の症状に対して整骨院で期待できる効果は、以下のとおりです。 膝関節の痛み緩和・負担を軽減 膝関節の可動域の向上 固まった筋肉がほぐれたり関節の動きが良くなったりすることで、日常生活での負担が軽くなる可能性があります。 施術の効果を正しく理解して、ご自身の症状に合うか確認してみましょう。 膝関節の痛み緩和・負担を軽減 整骨院では、手技や電気施術で筋肉の緊張を和らげ、膝への負担を減らして痛みをコントロールできる可能性があります。 膝に痛みがあると、無意識に周囲の筋肉が緊張して血流が悪くなり、さらに痛みが強くなるという悪循環に陥ります。 整骨院で行われる主な施術と役割は、以下のとおりです。 施術内容 期待できる役割 手技療法(マッサージ) 硬くなった筋肉をほぐし、血流を促進 電気施術・温熱療法 患部への温熱や電気刺激による痛みの緩和 筋肉の凝りをほぐして血流を良くすると、一時的に痛みが軽くなることが期待できます。 ただし膝が熱を持って赤く腫れている急性炎症期の場合は、強い刺激を与えると症状が悪化する場合があります。 腫れがひどい時は整骨院ではなく、速やかに医療機関を受診して適切な処置を受けましょう。 膝関節の可動域の向上 整骨院で筋力バランスの調整やストレッチ、関節可動域訓練を受けると膝が曲げ伸ばししやすくなる場合があります。 膝の痛みをかばって動かさないでいると関節が固まり、正座や階段の昇り降りが困難になる拘縮(こうしゅく)が進んでしまいます。 可動域を広げるメリットには、以下のようなものがあります。 歩行や立ち上がりの動作がスムーズになる 膝関節にかかる負担が分散されやすくなる 日常生活での動きづらさが軽減する 軟骨そのものがすり減っていても周囲の筋肉や腱が柔らかく保たれていれば、生活の質を維持できます。 自分一人では難しいストレッチも、専門家の手を借りて行うと効率的に関節の柔軟性を保てるでしょう。 整骨院で改善が乏しい場合に検討される変形性膝関節症の治療法 整骨院で改善が乏しい場合に検討される変形性膝関節症の治療法は、以下のとおりです。 関節鏡視下手術 人工膝関節置換術 高位脛骨骨切り術(HTO手術) 手術の内容は、変形の進行度や患者様のライフスタイルによって異なります。 それぞれの治療法には特徴やメリット・デメリットがあるので、医師と相談する際の参考にしてください。 関節鏡視下手術 関節鏡視下手術は膝に小さな穴を開けて内視鏡を入れ、関節内の損傷部位を処置する身体への負担が少ない手術です。 関節鏡視下手術の特徴は、以下のとおりです。 項目 詳細 メリット 傷口が小さく、身体への負担が比較的少ない 注意点 軟骨の摩耗を治すわけではないため、根本治療ではない 主に半月板の損傷がある場合や、剥がれた軟骨片が関節に挟まって動かなくなるロッキングなどの症状がある場合に検討されます。 原因がはっきりしている引っかかり感や急な激痛を取り除く目的で行われますが、すり減った軟骨を再生させる効果はありません。 人工膝関節置換術 重度の変形があり強い痛みが続いて歩行が困難な場合には、人工膝関節置換術が選択されます。 損傷した骨や軟骨を取り除き、金属やポリエチレンでできた人工関節に置き換える手術です。 人工膝関節置換術の特徴は、以下のとおりです。 項目 詳細 メリット 痛みの原因を取り除くため、高い除痛効果が期待できる デメリット 身体への負担が大きく、入院やリハビリ期間が必要 変形した脚を真っ直ぐにできる一方で、人工関節には20〜30年程度の耐用年数があるため、年齢などを考慮して慎重に決定する必要があります。 また手術後は、正座などの深い曲げ動作が難しくなるケースがあるため注意しましょう。 高位脛骨骨切り術(HTO手術) 高位脛骨骨切り術(HTO手術)は、すねの骨(脛骨)を切って角度を調整し、膝への負担バランスを整える手術です。 O脚変形によって内側の軟骨だけに過剰な負担がかかっている場合、重心を外側の健康な軟骨へ移動させて痛みを軽減します。 選ばれるポイントには、以下のようなものがあります。 自分の関節を温存できるため、術後のスポーツ活動や正座が可能になる場合がある 比較的活動性が高い60代〜70代前半の方に適応されることが多い 骨がくっつくまでの期間が必要で、リハビリが長期化しやすい 生活状況や変形の程度によって、人工関節にするか骨切り術にするかが判断されます。 自分の膝を残せる利点がありますが、骨の癒合※を待つ時間が必要です。 ※ゆごう:骨がくっつくこと 改善が難しい変形性膝関節症には再生医療も選択肢の一つ 「整骨院では痛みが取れないけれど、手術は怖い」「人工関節を入れるのには抵抗がある」といった悩みがある方は、再生医療も選択肢の一つになります。 再生医療とは、自身の血液や脂肪から採取した細胞を利用して、膝の炎症を抑えたり組織の修復を促したりする治療法です。 当院(リペアセルクリニック)では変形性膝関節症に対して、主に以下の2つの治療を提供しています。 治療法 特徴 脂肪由来幹細胞治療 自身の脂肪から採取した幹細胞を培養し投与することで、炎症の抑制や組織修復をサポート PRP療法 自身の血液から抽出した血小板を注入し、自然治癒力を活かして組織修復を促す 軟骨の摩耗が進んだ変形性膝関節症であっても、手術以外の方法として検討できるケースがあります。 >>実際に当院の治療を受けた方の症例はこちら 再生医療の治療内容や症例情報については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでも紹介しています。 「今の治療を続けていて、本当に歩けるようになるのか不安」「手術は避けつつ、痛みの少ない生活を取り戻したい」という方は、一人で抱え込まず、当院にご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.12.26 -
- 首
- 再生治療
加齢・姿勢の悪さや交通事故など、さまざまな要因によって頚椎椎間板ヘルニアを発症した場合、症状に応じてリハビリを行うことが一般的です。 適切なリハビリを行うことで、痛みの緩和や症状の進行を抑えられる可能性があります。 一方で、「頚椎ヘルニアでは、どのようなリハビリをするのだろう」「自宅でできることはあるのだろうか」と、不安や疑問を感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、頚椎椎間板ヘルニアのリハビリ方法や自宅でできるメニュー、注意点について解説します。 ぜひ参考にして正しい対処法を知り、痛みや不安のない生活を取り戻しましょう。 また「できるだけ手術は避けたい」「リハビリを続けているが、後遺症がつらい」という方は、再生医療も検討しましょう。 再生医療とは自身の細胞の力を使って、損傷した椎間板や神経組織の修復・再生を促す治療法です。 実際に当院(リペアセルクリニック)の治療を受けた患者様の症例は、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/HD84MUeROxE?si=K4UVmQka1JYpOQZE >>実際に当院の治療を受けた患者様の症例はこちら 首の痛みの原因を根本から治したいという方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 頚椎椎間板ヘルニアとは? 頚椎椎間板ヘルニアは、首の骨(頚椎)の間にある「椎間板」というクッションの一部が飛び出し、神経を圧迫して痛みやしびれを引き起こす病気です。 椎間板は、以下のように外側の硬い部分と内側の柔らかい部分で構成されています。 部位 名称 特徴 外側 線維輪(せんいりん) 硬い組織 加齢や負担によって亀裂が入ることがある 内側 髄核(ずいかく) 柔らかい組織 亀裂から外へ飛び出して神経に炎症を起こす 主な原因には、以下のようなものがあります。 加齢による椎間板の劣化 猫背やストレートネック(スマホ首)などの不良姿勢 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用 事故やスポーツでの強い衝撃 喫煙 現代ではスマートフォンやパソコンの使用により、うつむく姿勢が続くことが発症の要因となります。 神経の圧迫が進行すると手足のしびれだけでなく、ボタンがかけにくい・歩きにくいといった症状が現れる場合があるため、早期の対策が必要です。 ただし症状が出ているからといって自己判断でリハビリを始めるのではなく、まずは医師の診断を受けることが大切です。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリ方法|低負荷・全身運動が基本 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリテーションは、主に以下2つの方法を組み合わせて行います。 運動療法|筋トレ・ストレッチ 物理療法|牽引・電気・温熱 リハビリテーションは医師や理学療法士の指導のもと、患者さまの状態に合わせて進めます。 焦って負荷をかけすぎたり自己流で進めたりすると、かえって症状が悪化する可能性があるため、専門家の指導を受けながら正しい方法で行うことが大切です。 運動療法|筋トレ・ストレッチ 運動療法では首への負担を減らすために、姿勢の改善や体幹の強化を目指します。 自宅で取り組める主なメニューと方法は、以下のとおりです。 種類 メニュー名 具体的な方法 ストレッチ 胸筋ストレッチ 壁に肘をつけて体を前に出し、胸を開く 肩甲骨寄せ 左右の肩甲骨でペンを挟むイメージで背中の中央に寄せる 筋トレ チンイン(顎引き) 顎に指を置き、水平に後ろへスライドさせる ドローイン 仰向けで膝を立て、息を吐きながらお腹を凹ませる プランク 肘とつま先で体を支え、頭からかかとまで一直線に保つ ストレッチには、猫背やストレートネックなどの不良姿勢を改善し、症状の緩和につなげる狙いがあります。 プランクやドローインといった体幹を中心とした筋トレによって姿勢が矯正され、頚椎にかかる負担の軽減が期待できます。 ただし痛みが強い時期(急性期)には無理な筋トレは避け、痛みが出ない範囲で慎重に取り組む必要があります。 物理療法|牽引・電気・温熱 物理療法は、運動療法を行いやすくするための環境づくりとして行います。 主な種類と特徴は、以下のとおりです。 治療法 特徴 牽引(けんいん)療法 専用の機器で頭部を引き上げ、骨の間を広げる 温熱療法 患部を温めて血流を良くし、筋肉の緊張をほぐす 電気療法 電流で神経を刺激し、痛みの伝達を抑えたり血流を促したりする ※出典:日本ペインクリニック学会 上記の療法は痛みをコントロールし、リハビリを進めやすくするために役立ちます。 痛みが和らぐことで、運動療法にも無理なく取り組めるでしょう。 症状や体調に合わせて、医師と相談しながら患者さまに合う方法を選択します。 頚椎椎間板ヘルニアでリハビリをする目的|根本的な原因にアプローチする 頚椎椎間板ヘルニアでリハビリを行う目的は、以下のとおりです。 目的 詳細 患部の安静保持 首を不用意に動かさず、安定させる力をつける 機能的な負荷分散 体幹や肩甲骨を使いやすくし、首一点にかかる負担を全身に散らす 姿勢の改善 ストレートネックや猫背を直し、頚椎本来のカーブ(生理的弯曲)を取り戻す 首のトラブルは、姿勢の崩れや体幹の弱さが原因であるケースが少なくありません。 全身のバランスを整えることで、首へのストレスを減らし生活の質を高めることが、リハビリの目標といえます。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリ頻度は?改善までの期間と費用の相場を紹介 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリの頻度、期間、費用の目安は以下のとおりです。 項目 目安 リハビリ頻度 週に1~3回 リハビリ期間 ・初期・中期:1週間~8週間程度 ・後期:数カ月から1年程度 リハビリ費用(1回当たり) ・約600円~1,000円(1割負担) ・約2,000円~3,000円(3割負担) リハビリの効果が出るまでには個人差がありますが、数カ月程度は継続して様子を見ることが一般的です。 この期間に症状が軽くなれば、手術を避けられる可能性が高まります。焦らずにじっくりと治療に取り組むことが大切です。 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリに対する注意点・禁忌 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリは以下のように正しい方法で行わないと、かえって神経を傷つけたり、症状を悪化させたりする恐れがあります。 項目 注意点 上を向く動作 神経の通り道が狭くなり、圧迫が強まるため避ける 重いものを持つ 5kg以上の荷物は首や肩に負担がかかるため避ける 自己流のマッサージ 強く揉んだり首をボキボキ鳴らしたりするのは厳禁 リハビリ中に腕や指先へ痛みが広がる場合(末梢化)は、すぐに運動を中止してください。 自己判断で無理な運動をせず、少しでも違和感があれば専門家に相談しましょう。 頚椎椎間板ヘルニアはリハビリが重要!手術を避けるなら再生医療という選択肢も 頚椎椎間板ヘルニアのリハビリは保存療法に数カ月程度取り組み、症状の改善を目指します。 しかし保存療法やリハビリで症状が改善しない場合や、運動麻痺・歩行障害・排尿障害などの重い症状が進行した場合は、手術が検討されます。 手術では神経の圧迫を取り除くことはできますが、変性した椎間板そのものを元に戻すことはできません。 術後にしびれや痛み、筋力低下などの後遺症が残るリスクがあることを把握しておきましょう。 以下のような悩みをお持ちであれば、再生医療(幹細胞治療)という新たな選択肢があります。 手術はできる限り避けたい これまでの治療で効果が得られなかった 仕事が忙しくて長期の休みが取れない 再生医療は自身の脂肪などから採取した幹細胞を利用し、炎症を抑えたり傷ついた組織の修復を促したりする治療法です。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=2K7J4X3Lk9w7lbP7 当院(リペアセルクリニック)では、頚椎椎間板ヘルニアに対する再生医療を提供しています。 治療法や症例については当院の公式LINEでも紹介していますので、手術以外の方法をお探しの方や、痛みの根本的な改善を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.12.26







