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脳卒中の種類と予防!再発を防ぐために? 脳卒中とは、脳の血管障害が原因で発症する疾患群の総称で、脳の血管が破れたり、詰まったりして起こる病気です。 脳卒中の症状は突然起こることが多く、「ついさっきまで元気だったのに、突然手足が動かなくなった」というような急性発症のエピソードを訴え、具体的な時間も言える場合が多くあります。 今回は、脳卒中の種類について、さらに「一次予防」と「二次予防」と呼ばれる予防法についても解説していきます。 脳卒中の種類 脳卒中は、大きく、血管が詰まることで発症する「虚血性脳卒中」と、血管が破れて発症する「出血性脳卒中」に分けられます。 虚血性脳卒中の代表疾患としては脳梗塞が、出血性脳卒中の代表疾患としては、脳出血やくも膜下出血があります。 脳卒中は、2019年2月現在、わが国の死因の第3位を占めます(第1位:がん、第2位:虚血性心疾患)。寝たきりの原因としては第1位であり、寝たきりとなった患者さんの約40%は脳卒中が原因です。 脳卒中には高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙など、いわゆる生活習慣病が大きく関与しています。また、食生活の欧米化などにより、日本人の脳卒中(特に脳梗塞)の割合が増加しています。 ■脳出血 脳出血とは、脳の血管が破れて脳内で出血した状態をいいます。脳出血の多く(約60%)は、高血圧症を基盤とします。高血圧と動脈硬化により脳の細い動脈が壊死を起こし、小さな血管のこぶ(微小動脈瘤)ができます。 強い力(高血圧)がかかることにより、その微小動脈瘤が破れて脳出血を引き起こします。アルコール常飲者、肝機能障害者、血小板減少症の患者さんでは止血機構の作用が悪く、大量出血になる傾向があります。 高血圧のほかには脆弱な血管ができる疾患(脳動静脈奇形、もやもや病、血管腫、脳腫瘍など)の合併症として脳出血が起こることもあります。 ■くも膜下出血 くも膜下出血とは「くも膜下腔(脳の表面とくも膜の間のスペース)」に出血が起きた状態です。原因の多くは脳動脈瘤の破裂で、くも膜下出血の70~80%にあたります。 脳動脈瘤が破裂した場合、急激な頭蓋内圧の上昇により激しい頭痛や悪心・嘔吐、項部硬直などが、さらに脳灌流の低下により意識障害が出現します。 また、頭蓋内圧がさらに上昇すると、周囲の脳組織を圧迫して死に至ることもあります。くも膜下出血発症後の病態としては、再出血(最も多いのは最初の出血後24時間以内)や水頭症、脳血管攣縮(くも膜下出血後4~14日頃に発生)などがあり、時期に応じたケアが必要になります。 ■脳梗塞 脳梗塞とは脳へと伸びる血管が閉塞したり、重度の狭窄を起こしたりして血液の供給が十分でなくなった場合、血管の支配領域の細胞が栄養不足から死に至ります。 まれに、脳の静脈が詰まることで血液の流れが悪くなり、脳梗塞が起こることもあります。脳細胞は、皮膚などとは違って再生能力がないため、一度死滅した細胞はもとには戻りません。 このように、脳細胞が不可逆的に障害された状態を「脳梗塞」といいます。脳梗塞は、主に3つの病型(ラクナ梗塞、アテローム血栓性梗塞、心原性脳塞栓症)に分類されます。 また、脳梗塞が起こる前触れの状態を「一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)」といいます。脳梗塞と同様に突然症状がみられますが、多くは24時間以内に消失し、画像検査でも脳梗塞の所見を認めない場合を指します。 TIAはその後、脳梗塞に進展する危険性が高いといわれており、早急な原因検索や脳梗塞に準じた治療を行う必要があります。 脳卒中の予防と再発予防 脳卒中を一度起こした人は、原因となる生活習慣や基礎疾患をもっていることが多く、脳卒中を再発するリスクが高いといわれています。脳卒中が再発すると、初発のときよりも重症であったり、重度の後遺症が残ることもあるため、再発予防が重要となります。 再発予防には、生活習慣の改善が必要となり、看護師は患者の生活背景を把握し、それぞれの患者にあった生活指導をしていくことが重要です。 脳卒中の予防 脳卒中の予防には「一次予防」と「二次予防」があります。 脳卒中を起こしたことのない人の発症予防を「一次予防」といい、生活習慣の見直しや環境の改善などにより脳卒中を予防します。また、健診などを受けることで危険因子を早く発見し、治療することが重要となります。 対して、一度でも脳卒中を起こしたことのある患者の再発予防を「二次予防」といい、こちらも生活環境を改善し危険因子を管理すること、また服薬を継続することが重要となります。 脳卒中の危険因子には主に、高血圧症、糖尿病、脂質異常症、心房細動、喫煙、飲酒、睡眠時症候群(SAS)、メタボリックシンドローム、慢性腎臓病(CKD)があげられ、日本脳卒中協会は、脳卒中の予防啓発のための「脳卒中予防十か条」、脳卒中の再発予防のための以下のような「脳卒中克服十か条」を掲げて注意を促しています。 脳卒中の一次予防 脳卒中の2次予防(再発予防) 退院後の健康の維持・回復のためには、問題のある保健行動を改善していく必要があり、これを「行動変容」といいます。この行動変容が患者教育・退院指導の主な目的となり、行動変容のためには3つの条件があります。 行動変容のための3つの条件 ■知識 患者さんが何を行うべきか、その理由は何かを知る必要があり、看護師は脳卒中という疾患について、生活環境の改善方法、内服薬継続の必要性を説明し、指導する必要があります。 この際、上記にあげた「脳卒中予防十か条」に沿って説明していくと、患者さんにもわかりやすく説明ができます。コメディカルと連携し、例えば食生活については管理栄養士による栄養指導、運動についてはセラピスト(PT、OT、ST)による自宅で続けられる運動の指導、服薬管理については薬剤師による服薬指導を実施することも効果的な方法です。 ■意欲 患者さんに知識を共有しても、指導内容を継続できなければ意味がありません。指導後、患者さんが実際に行動を導入したり、行動継続の過程において重要となるのが「自己効力感」です。 自己効力感とは「目的とする結果を得るために必要な行動をうまく実行できる確信」と定義されており、この“できるかもしれない”という確信が、行動に移す意欲を促すとされています。 ■技術 技術には無理なく行動を変えるための技、知恵、コツなどが含まれます。そのなかの1つが「小さな目標設定」です。 例えば、生活習慣の改善として適度な運動が挙げられますが、健康増進のためには有酸素運動(30分のウォーキングを週3回行うなど)がよいとされています。 しかし運動習慣のない人にとっては、実現できるのだろうかと不安に思い、行動に移せないことも考えられます。そのような患者さんに対する退院指導では、「バス停1つ分を歩く」「3階までなら階段を使う」など実現できそうな目標を設定し、達成できれば少しずつ目標を上げていくといった提案をしていくことも重要です。 この“小さな目標を達成できた”という気持ちが、自己効力感を高めることにもつながります。 次に、再発予防指導の内容を具体的に紹介していきます。 再発予防指導による生活習慣の改善 ■血圧 脳卒中最大の危険因子といわれており、血圧値と脳梗塞の発症率との関係をみると、血圧値が高くなるほど、発症率が急激に高くなっていきます。 「健康日本21」では、国民の平均血圧が2 mmHg低下すると、脳卒中死亡患者は1万人減少し、ADL(日常生活動作)が新たに低下する患者の発生も3,500人減少するといわれています。 その為には普段から栄養バランスのよい食事を摂るように意識し、塩分の摂りすぎに注意したり、適度な運動をすることが大切です。 また血圧を測る習慣をつけ、血圧を管理することも必要です。 同じ時間、同じ条件で測定し記録するように指導しましょう。高血圧と診断された患者さんは、薬物療法で血圧を正常に保っておくことも重要です。 ■食事 偏った食事は高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、動脈硬化を促進してしまうため、標準体重に対する適切な1日の摂取エネルギー量を目安にした、バランスのよい食事を摂ることが必要です。 塩分控えめ(1日10g未満)、高脂肪の乳製品は控え、魚や植物性(オリーブ油など)の油を積極的に摂るように心がけます。また、食物繊維の多い食事もよいでしょう。 ■運動 ウォーキングなどの有酸素運動を30分以上、週 3 回程度行うのが望ましいといわれています。運動を習慣化するためには、毎日10分程度のストレッチ体操を取り入れるのも効果的です。 ■喫煙 喫煙は百害あって一利なしであり、患者には禁煙を指導する必要があります。禁煙に自信がない患者さんには、「禁煙外来」の受診を勧めるのも 1 つの方法です。 ■飲酒 飲酒は適正量を守ることが重要です。ビールなら 1 日あたり中瓶 1 本(500mL)、日本酒なら 1 合(180 mL)くらいまでといわれています。週1日程度の休肝日をつくることも大切です。 ■服薬 脳卒中の中でも、脳梗塞の再発予防のための抗血栓薬は、効果がみえるものではありません。そのため、勝手に中断したり、手術や検査のために中止になり、そのまま再開されずに未内服となったりすることがあります。 抗血栓薬が何のための薬剤かを説明し、継続の必要性を伝えることが重要です。 まとめ・脳卒中の種類と予防!再発を防ぐために?! 脳卒中を起こすと失語などの高次脳機能障害が残ります。理解力が十分でない患者に対しては、家族も一緒に指導するなどの工夫が必要です。 食事は配偶者など同居している家族が作ることも多く、特に栄養指導は家族も一緒に行うことが重要です。患者の症状、生活歴をふまえ、指導の対象を考えることが必要となります。 また、脳卒中早期発見の啓発も行っていかなければなりません。血栓溶解療法は、脳梗塞発症後4.5時間までしか使用できません。 「顔・腕の麻痺」「言葉の障害」など、脳卒中の疑いがあれば 1 秒でも早く救急要請し、治療を開始しなければならないことを、家族をふくめて説明する必要があります。 最後に、脳卒中予防の秘訣に「3つの“R”」がありますのでそちらを紹介します。 1.Recognize(危険因子を発見する) 2.Reduce(危険因子を減らす、治療する) 3.Respond(発作に反応する、早期に受診する) 以上のことを実行すれば、脳卒中の危険性はかなり下がり、発症後の後遺症も比較的軽く抑えることができるでしょう。 この記事がご参考になれば幸いです。
投稿日:2024.11.19 -
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脳卒中の発症後は時間との闘い!その時に取るべき行動と知っておきたいこと 脳は障害を受けた場所により症状が異なります。脳は大脳・中脳・小脳・間脳・橋・延髄などに分けることができ、その部位ごとに役割が違います。 また大脳は前頭葉・側頭葉・頭頂葉・後頭葉に区分けでき、それぞれで司る機能が違うため、脳卒中により障害を受けると、その部位により様々な症状が現れます。 脳卒中というと「突然、意識を失い倒れる病気」と思っている方も多くいると思いますが、このようにひどい症状で発症するのはほんの一部に過ぎません。 「脳卒中」の代表的な「初期症状」には以下のようなものがあります。 ・ろれつが回らない 食事中にはしを落とす 片目が見えない ・視野が半分になる 顔の半分と片方の手足の感覚がおかしい 言葉が理解できない ・言いたいことが言えない ・半身に力が入らず歩きにくい バランスがとれない 突然の強い頭痛や吐き気 ・意識がもうろうとする ・急に興奮して暴れ出す ひどいめまい けいれん発作 症状は急に現れることが多く、だいたいの場合、発症時刻がはっきりしています。例えば夜中にトイレで起きた際や、朝起きた際、あるいは日中に急に発症するというパターンがほとんどです。 最初にみられた症状が徐々に軽くなり、そのまま消えることもあり、これを「一過性脳虚血発作※」といいます。 ※一過性脳虚血発作(Transient Ischemic Attack:TIA) 脳梗塞の前触れとして、脳梗塞と同じ症状が短時間(数分~数十分、長くても24時間以内)だけ出現するものを、「一過性脳虚血発作」といいます。 症状が一時的で比較的軽いため、たいしたことはないと安易に考えがちですが、本質は重症の脳卒中発作と同じメカニズムで起きているので、そのうち再起不能の発作に襲われる危険性が高いとみるべきです。前触れをそのまま放置するか、すぐに病院を受診して適切な治療を受けるかによって、予後が大きく変わるのはいうまでもありません。 発症後は時間との戦いです 発症後「3~6時間以内に初期治療を受ける」ことが特に重要、一番大切です。 脳卒中を疑ったら可能な限り早く専門医を受診しましょう。脳の障害は脳卒中の発症後、時間が経つほど大きくなります。障害が大きくなると後遺症も重度となり、命の危険も高まります。 それとは逆に、早期診断や早期治療開始を行うことで、後遺症が軽くなることがあります。また脳梗塞では、発症してから4.5時間以内、8時間以内の患者さんのみに行える特殊な治療があります(t-PA点滴治療、血管内治療)。 発症した際にまずやるべきこと 自分や周りの人で脳の異常が疑われる症状がみられた場合は、速やかに適切な対応を取りましょう。 ①意識がある時 とにかく周囲に助けを求め、できるだけ動かずその場で横になることが原則です。周囲の人は、マットや毛布の上に患者さんを乗せて、広いところに移動して寝かせましょう。 これは脳への血流を保つこと、血圧上昇による出血の悪化や、再出血を予防するためです。横になれる場所が近くになくても、自分で立って歩くべきではありません。 なぜなら脳の血管が詰まって症状が出ている時には、歩くことで脳への血流が悪くなり、脳の障害がひどくなる恐れがあるからです。 ②意識がない時 こちらからの呼びかけや、体をゆすっても反応がまったくない、一時的に目を開けてもまたすぐに閉じて眠り込んでしまう、さらに目は開いていても応答が曖昧な場合は、周囲の人が慎重に機敏に対応しなくてはなりません。 ③救急車を呼ぶ 脳卒中が疑われる時は、一刻も早く専門医の受診が必要になります。通院治療中のかかりつけ医がいる場合は、専門の医療機関を紹介してもらうのが良いましょう。 すぐに連絡がつかない場合は、直ちに119番に電話し、救急車を呼びましょう。受診予定の病院には、あらかじめかかりつけ医や救急隊から連絡し、搬送予定の患者の病状を説明した上で受け入れ可能か確かめておけば無駄な時間を省いて搬送できます。 重症の場合ではもちろんですが、軽症と思われる時も救急車を利用しましょう。これは一刻も早く救急搬送するためであり、また搬送の途中で急に容体が悪化することも十分あり得るからです。 もしも救急車が他の現場へ出動中などで到着に時間がかかる時は、患者さんに横向きに寝てもらって、家族や周囲の人が車を運転し、病院へ運んでください。 ただし、患者さん本人が運転したために大事故を起こした例や、手遅れになるほど病状が悪化した例もあるため、患者さんが自分で運転して病院へ向かうのは絶対にやめましょう。 意識がない時の対応のポイント 1.適切な場所への移動 ・敷物などに寝かせ、処置や運び出しがしやすい場所に移動 ・戸外であれば、風通しのよい日陰に移動させる ・頭をできるだけ動かさない(特に前に曲げない) 2.気道の確保と誤飲の防止 ・頭を前屈させない(=枕をしない) ・いびきや呼吸が苦しそうな時は、バスタオルや座布団などを巻いて肩の下に敷く(首を反らせ気味にすると、呼吸が楽になることが多い) ・嘔吐しそうな時は、誤飲や窒息を防ぐため体ごと横向きに寝かせる(麻痺がある時は、麻痺側を上に向ける) 3.環境調節 ・上着のボタンを外し、ズボンのベルトを緩める ・眼鏡、腕時計などのアクセサリー、入れ歯を外す ・照明をやや暗く、室温を20℃程度にして換気をする ※脳卒中発症後すぐに生命の危険があるのは、重症のくも膜下出血を除けば、ほとんどありません。落ち着いて上記の3点をすぐに実行してください。 急性脳卒中のガイドライン/FAST 急性脳卒中を診断する際には、「FAST」と呼ばれるガイドラインが使用されます。FASTは、脳梗塞を早期発見するためにチェックするポイントの頭文字を合わせたものです。 ■FACE:顔 うまく笑顔が作れますか? 片側の顔だけが歪んでいたり、ひきつっていないか、顔の麻痺状態をチェックしましょう。 ■ARMS:腕 腕を上げたままキープできますか? 両腕をゆっくりと上げ下ろししてみて、腕の麻痺が起きていないかどうかをチェックします。もしも両腕を前に上げた際に、片腕だけが脱力して腕が上げられなければ要注意です。 ■SPEECH:話 短い文がいつも通り話せますか? 簡単な問いかけ(例えば本人の名前や今日の日付など)をしてみて、正しい返答があるかどうかをチェックしましょう。 ■TIME:時間 発症時刻を確認。 脳梗塞の場合、発症してからの時間によって治療内容が変わります。発症後2〜3時間以内であれば、薬物により血栓を溶かす治療が可能となることがあります。 ▲ 周りにいる人が突然倒れたり、自分でおかしいなと思ったら、上記の4点を確認して、速やかに救急車を呼びましょう「F・A・S」のチェックのうち、ひとつでも項目が確認できたら、発症した時刻を確認して、速やかに救急車を呼びましょう。 脳卒中へと繋がる生活習慣病 脳卒中は、高血圧や糖尿病、高脂血症など「生活習慣病」を持っている人に起こりやすいとされています。 これらの病気は、動脈硬化の原因となったり、心臓に血液のかたまりをつくり、それが血管にのって飛んでいき、脳の血管をふさいだりします。 また、こうした病気においては、 ・脂質、塩分、糖分の取り過ぎ ・喫煙や酒の飲み過ぎ ・運動不足 ・過剰なストレス といった生活環境が深く関係しているため「生活習慣病」と名付けられています。 さらに、性別や遺伝的素因、年齢なども脳卒中発症に深くからんでおり、これらをまとめて 「危険因子」と呼びます。危険因子をもつ人は、予備軍であると心得て、生活環境を見直して危険因子を減らし、生活習慣を改善すべきです。 脳ドックについて また脳卒中の危険因子が多い人は、日頃から脳ドックを受けるなどで脳卒中発症前の予防に努めるのも良いでしょう。以下に当てはまる方は一度「脳ドック」を受けてみるべきといえます。 ■40歳以上でまだ一度も脳ドックを受診したことがない ■高血圧、脂質異常(高脂血症)、動脈硬化などの診断を受けている ■家族や血縁者に脳卒中になった人がいる。もしくは糖尿病、高血圧の傾向がある ■飲酒、喫煙の習慣がある 脳ドックの検査項目には以下のようなものがあります。 ・MRI(磁気共鳴断層撮影) ・MRA(脳血管撮影) ・マルチスライスCT ・超音波検査 ・脳波測定 ・血圧測定 ・血液検査 ・尿検査 ・心電図 ・眼底検査 まとめ・脳卒中の発症後は時間との闘いです!その時に取るべき行動、知っておきたいこと 脳の障害では、早期発見や早期治療がその後の予後に大きく関わります。何か異常がみられた際は様子を見るのではなく、少しでも早い対応をとりましょう。 また自分が脳卒中の危険因子に当てはまる場合は、生活習慣を見直し、検診を受けるように心がけましょう。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
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脳卒中発症後の神経症状等、具体的な後遺症を解説! 脳卒中の後遺症では、脳の中枢神経がダメージを受けることでさまざまな神経症状が現れることがあります。脳が受けたダメージが重いほど後遺症の種類も増え、症状も重くなります。 今回は、脳卒中の発症後によく現れる神経症状の種類と後遺症について詳しく解説していきます。 脳卒中の後遺症による神経症状の種類・障害 ①運動障害 脳卒中が起こると、脳の運動に関わる部位にダメージを受け、「体を思い通りに動かせない」、「麻痺する」、「力が入らない」といった症状が現れることがあり、これを「運動障害」と呼びます。 障害された脳の損傷具合に影響されます。また、運動障害の1つである麻痺は、その現れた部位によって名称が決まっています。 麻痺や運動障害の重さ 痙縮 ・筋肉が重く、突っ張った感じがする程度 不全麻痺 ・部分的な麻痺、わずかな麻痺 完全麻痺 ・まったく動かない麻痺 不随意運動 ・「動かそう」という意思がないのに、手足が勝手に動いてしまう異常運動 例)健側に力を入れると麻痺側の手足が勝手に動く 運動失調 ・筋力低下や麻痺が無いにも関わらず、協調運動ができず随意運動のできない状態 例えば小脳が障害されると、ふらふらする、バランスが悪くなり上手く歩けない、めまいといった運動失調が現れることもあります 麻痺の現れる部位別の名称 単麻痺 ・片半身の上肢あるいは下肢だけの麻痺。前大脳動脈閉塞では下肢の単麻痺を起こしやすい 片麻痺 ・右半身あるいは左半身の上下肢の麻痺のこと 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、脳の外傷等で起こる 対麻痺 ・両側の下肢が麻痺するもので、上肢は自由に使える状態 主な原因はスポーツや交通事故、転落・落下による脊髄損傷により起こる 四肢麻痺 ・両側の上肢と下肢の両方が麻痺した状態 脊髄損傷や脳性麻痺などによって起こる 通常、運動障害は脳の障害が起きた部位の反対側に運動障害が現れるのが特徴で、このことを「半身麻痺」と呼びます。脳からの指令は神経を通じて全身に伝達され、その神経は、脳から脊髄へ通じる途中の首のあたりで交差しています。 その為、右脳の指令は左半身へ、左脳の指令は右半身へと伝達されます。したがって、左右の脳の障害と運動障害の関係は次のようになります。 ・右脳に障害がある場合は、左半身の運動機能が障害され左半身麻痺 ・左脳に障害がある場合は、右半身の運動機能が障害され右半身麻痺 ②言語障害 構音障害(運動障害性構音障害) 構音障害とは、正しい言葉を選択し話せるものの、声が出にくかったり、呂律が回らず正しい発音が出来なくなる言語障害です。つまり、構音障害の人は、口や舌といった発声発語器官を上手く動かすことが出来なくなってしまいます。 失語症 失語症とは、発語発音器官に運動障害が無いものの、脳の言語をコントロール言語中枢の障害により、思ったことと異なる言葉が出たり、聞いた言葉を理解できなくなる障害です。例えば、”言葉が分からない国に、突然放り出されたような状態”と捉えていただくと分かりやすいかもしれません。 誰でも、相手の言葉を理解できず、自分の思いも上手に伝えることが出来ないもどかしさは想像に難くありません。ましてや、失語症の場合は、今まで住み慣れた環境が突然外国のように感じるので、そのもどかしさやショックは図り知れないものです。 ③感覚障害 脳梗塞や脳出血、事故などにより、半身の運動障害が発生するのと同じように、半身の感覚が麻痺したり、手足がしびれたり、触覚、痛覚、温度感覚などが鈍くなる感覚障害が現れることがあります。 ④嚥下障害 私たちは普段は何気なくしている食事ですが、老化、脳出血の麻痺、認知症などによって、食べ物の飲み込みが上手にできなくなることがあります。 俗に嚥下(飲み込み)障害といわれる障害で、窒息や誤嚥性肺炎を引き起こし、最悪死に至ることもあります ⑤排尿障害 脳卒中により排尿に関わる神経が障害されると、うまく排尿をコントロールできなくなる排尿障害が現れます。 排尿障害の症状には失禁、頻尿、尿が出ない、尿意を感じられなくなる等があります。 ➅感情障害 脳卒中(脳梗塞や脳出血)の後遺症には、感情面の障害もあります。イライラしやすくなったり、怒りっぽくなるなど、感情が不安定になります。 ・意欲の低下 ・感情失禁(少しのことで、喜怒哀楽が激しく現れる) ・幻覚や妄想 また、気分障害の一種である「鬱病(うつびょう)」になる場合もあります。鬱病とは、気持ちの落ち込みが長く続き、心の持ちようや精神力がコントロールできなくなる病気です。 抑うつ気分や不安感、焦燥感(しょうそうかん:焦りやイライラ感のようなもの)、精神活動の低下、不眠、食欲の低下、などを特徴とする精神疾患です。 脳卒中による鬱病は、後遺症により今までできていたことがうまくいかないためのショックから起こったり、脳の機能が損傷したために起こったりします。 脳卒中の後遺症による精神的症状・心理的変化 脳卒中を起こすと後遺症が残ってしまうことにより、精神的に追い詰められてしまうことも多くあります。 ・手足の自由がきかない ・仕事をやめざるを得なくなった ・介護を必要とする身体になってしまった 脳卒中を発症した方は、それまでとは違う環境に、戸惑うことは当然のことです。また、リハビリを経て身体機能がある程度回復してからも、精神的に不安定になることはよくあることです。 特に、退院後は脳卒中の発症前とギャップを実感するため、落ち込んでしまうことがよくあります。入院中は障害を受け入れることができていたのに、退院後の周りの環境が健常者ばかりになるので、心理的な変化が現れやすくなります。 したがって、ご家族や周囲は、本人の心理的な変化に気を使い見守ってあげるべきといえるでしょう。抑うつなどの精神的症状が強くみられる場合は早めに医療機関を受診しましょう。 また、以下のような取り組みをおこない、精神面・心理面のケアをしていくことが大切です。 ①社会参加を積極的にする ・障害が重いと外出が困難になる ・精神的に外に出るのがおっくうになる 上記のことは、本人だけでなく介護者に共通して言えることだと思います。しかし、家に引きこもるようになると、ますます精神的につらくなり、鬱状態になってしまいます。よって、できる限り外界との関わりをもつことが望まれます。家族ばかりでなく、色々な人と接することで精神を安定させることが非必要不可欠です。 ②ボランティアやレクレーションなどの社会活動 ボランティアやレクレーションといった社会活動を行うことも効果的です。社会の一員として活動し、自身の存在価値を認識することで、生きる意欲の向上に繋がります。 ③デイサービスやデイケアで他人の交流 また、デイサービスに通うことも効果的です。同じ境遇の人たちと交流を持つことで、今の自分を見つめ直し、病状を受け入れる良い機会になります。自身の病状を受け止めることは、とても勇気がいることですが、現状を受け止めることが見えてくることがあるのも確かです。 脳卒中による後遺症とその具体的な症状 脳卒中発症後は、日常生活にも影響を及ぼすような後遺症が現れます。具体的な症状を紹介します。 《骨折・打撲》 リハビリや日常生活動作(ADL)の中、脳卒中後遺症の麻痺の為に思い通りに身体が動かないことがあります。思い通りに身体が動かせないと、階段や少しの段差でつまずく、転倒することが多くなります。 特に、高齢者で骨粗鬆症(こつそしょうしょう)が進んでいると尚更です。したがって、室内の環境をバリアフリーにするなどして安全に過ごせるように整備しましょう。 《疼痛:とうつう》 疼痛が現れる原因もさまざまです。麻痺の部位を動かした時に感じる疼痛、リハビリで過度な運動を行った時の疼痛(視床痛)などがあります。このような疼痛を抑制するのに、各種の物理療法、消炎鎮痛薬や麻酔薬による神経ブロック治療、抗不安薬等が用いられることがあります。 《失禁・便秘》 失禁が酷い場合は、介護用おむつの使用も検討します。しかし、出来るだけ排泄の自立を目指しましょう。また、夜間の失禁が多い場合は、排尿時間をコントロールするための薬物治療が行われることもあります。 便秘がある場合は、緩下剤や浣腸が使用されることもあります。 《異所性骨化》 異所性骨化とは、関節周囲の軟部組織の中に骨ができる病気で、麻痺の患者や、関節の手術後によく見られます。 過度のリハビリで肩や肘、膝関節や股関節などが硬くなり、骨化することがあり、更に運動を続けると周囲の組織が傷つき、骨化を進行させてしまうこともあります。 症状が治まるまでは、患部に過度の刺激を与えないように注意し、腫れや痛みがある場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。 《廃用症候群》 寝たまま動かずにいると、筋肉や骨が衰えたり関節が固まって動かしにくくなったりする「廃用症候群」が起こり、その後のリハビリが困難になります。 急性期のリハビリをできるだけ早く始めるのは、廃用症候群を予防し、機能が失われるのを最小限にとどめるためです。脳卒中で壊死した脳細胞の周囲には、死んではいないが機能が停止している“仮死状態”の脳細胞があります。 急性期においてのリハビリは、こうした脳細胞に刺激を与えることで機能を回復させる効果があると考えられています。また、急性期に早期からリハビリを始めたほうが、しばらくしてから始めた場合よりも早く退院でき、死亡率も減ることがわかっています。 【上図】発症後まもなくリハビリを開始した群と、しばらくしてから開始した群の 6週間後の状態を比較しました。すぐに開始した群では、自宅に戻れる割合が 50%を超えているだけでなく、死亡率も半減していることがわかります。 まとめ・脳卒中発症後の神経症状等、具体的な後遺症を解説! いかがでしたでしょうか。 脳卒中の発症直後で意識障害が強く現れている時は、どのような後遺症が残るのか予測しにくいですが、意識が回復するにつれてさまざまな後遺症が表面化してきます。また、脳卒中の後遺症は 1 つだけでなく、複数の障害が現れることもあります。 一般的に、脳卒中の影響により脳が受けたダメージが重ければ重いほど、後遺症の種類も増え、症状も重くなる傾向があります。 後遺症を受け入れ、早期からリハビリを開始することはもちろん、身体的、精神的ともに本人だけでなく介護者など周囲の理解やサポートが大切です。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として注目が必要です
投稿日:2024.11.19 -
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脳卒中の前兆はこんな症状!検査で早期発見と早期治療が必須 脳卒中とは、脳の血管が急に破れたり詰まったりして脳の血液の循環に障害をきたし、様々な症状を起こす病気です。 重い後遺症を残さないためにも、早期発見、早期治療をすることが必須です。 今回は、脳卒中の前兆で現れる症状や、脳卒中のセルフチェック方法、検査についてご紹介します。 脳卒中とは 以下のように脳卒中は、脳の血管が破れる「脳出血」と、脳の血管が詰まる「脳梗塞」とに大別されます。 脳卒中 脳出血 ・実質内出血(脳の組織自体に出血が起こる) ・くも膜下出血(脳動脈瘤が破裂することが原因となって、脳の表面である"くも膜下腔"に出血が起こる) 脳梗塞 心原性脳塞栓症 ・アテローム血栓性脳梗塞 ・ラクナ梗塞 ・その他 脳卒中患者数 日本では脳卒中の患者のうち4分の3を“脳梗塞”が占めています。 ・脳梗塞・・・112.9万人 ・脳内出血・・・17万人 ・くも膜下出血・・・5.1万人 ・【その他】・・・13万人 脳に関する【その他】の疾患 脳卒中の原因となる、脳に関する【その他】の疾患は以下です。 ■一過性脳虚血発作 一時的に血栓が血管をふさぐもの。(すぐ開通する) ■脳腫瘍 脳の中にできた腫瘍が圧迫して、鋭い頭痛や吐き気などが起こる。 ■脳動脈瘤 脳の動脈の一部が膨らんで弱くなる。くも膜下出血につながることもある。 ■脳動静脈奇形 脳の一部において異常な血管を介し、動脈と静脈がつながっている状態で、けいれんを起こしたりする。 ■もやもや病 脳の太い動脈がつまり補うため周りから細い血管が発達して、鋭い頭痛などを起こす。 脳の病気に対する危険因子 脳卒中を引き起こす危険リスクとして、生活習慣病が関係しています。以下に当てはまる要素が多い人は脳卒中にかかるリスクが高く、注意が必要です。 ■高血圧 脳の血管の大きな負担となり動脈がもろくなります。その結果、血管が詰まったり、破裂することがあります。血圧は塩分の摂取によっても高くなるので、食事の時はなるべく塩分の摂取を控えましょう。 ■糖尿病 近年の食生活の欧米化により罹患数が増えていますので、糖尿病患者は摂取カロリーを低く抑える必要があります。バランスの良い食事をし、間食や油料理を減らし、体重のコントロールを行いましょう。 ■脂質異常症 特に悪玉のLDLコレステロールが高い人は、脂肪の摂取量を抑えることが大事です。油分の多い料理を避け、芋類、豆類、根菜類、海草、キノコなどコレステロール低下に作用する食べ物を選びましょう。 ■不整脈(心房細動) 心臓の中にできた血栓が脳まで移動して、脳の動脈を詰まらせます。ワルファリンなどの抗凝固薬を使い、血栓が作られにくくすることで、脳梗塞の予防が可能となります。 ■喫煙 ニコチンは血圧を上昇させたり、動脈硬化を促進する原因となります。百害あって一利なしです。そのほか、肥満、高齢者、男性、運動不足、過度の飲酒などが脳卒中の危険因子となります。 日本における脳卒中の現状と患者動向 現在、脳卒中の患者数は約150万人いるといわれ、毎年約25万人以上が新たに発症しているとされています。脳卒中はがん、心臓病に次いで日本における死因の第3位となっており、「寝たきりになる原因」の約3割近くが、脳卒中などの脳血管疾患です。 寝たきりになる原因 ・脳血管疾患(脳卒中など):27.7% ・高齢による衰弱・・・16.1% ・骨折・転倒・・・11.8% ・認知症・・・10.7% ・関節疾患(リウマチなど)・・・10.4% ・パーキンソン病・・・6.6% ・心臓病・・・3.1% ・その他・・・13.6% 全医療費の1割近くが脳卒中の治療に費やされ、高齢者の激増や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病の増加により、脳卒中の患者は今後も増加していくと予想されています。 脳卒中の前兆とセルフチェック 以下に示した症状に加えて、意識状態が悪化することもあります。軽い場合は、なんとなくぼんやりしているという印象ですが、重症の場合は強い呼びかけや、つねったりしても目を閉じたままで反応がありません。 脳卒中の前兆 ・ろれつがまわらない、言葉が出てこない ・相手が話していることを理解できない ・片半身がしびれる、感覚が鈍くなる ・顔半分がしびれる、引きつる ・めまいがする ・体が動きにくい、力が入らない ・片目が見えにくい ・両目で見たときに物が二重に見える ・激しい肩こりが起こる ・激しい頭痛が起こる (普段から片頭痛などがある方は、いつもとは違うような頭痛) 尚、くも膜下出血では頭痛の強さは発症時にピークに達し、その後も痛みは持続します。同時に、嘔吐することもあります。「最近なんとなく頭が痛い」といったように開始時刻を特定できない場合は、くも膜下出血ではないでしょう。 FASTテスト 気になる症状がある場合に簡単にできるチェック方法に、“FASTテスト”というものがあります。 これらの症状に気付いたら、発症時刻を確認してすぐに119番通報をしましょう!とにかく早期発見、早期治療が重要です。 ・Face(顔)=顔の麻痺のチェック 鏡に向かって微笑んだときの、口角の左右のバランスをチェックします 片側が引きつって歪んだように見えたら黄信号です ・Arm(腕)=腕の麻痺やしびれのチェック 真っ直ぐ立って手のひらを上に、両腕を肩の高さまで突き出します 高さを維持できずに片腕が下がってきたら、片麻痺の疑いがあります ・Speech(言葉)=言葉の異常をチェック 「花子が太郎にリンゴをあげた」これを声に出して言ってみてください 顔や口元に麻痺があると滑舌が悪くなり、特に「ラ行」が発声しづらくなります ・Time(時間)=症状に気付いた時刻 脳卒中の検査とリハビリ 脳卒中が疑われたらまず出血の有無を確認し、脳梗塞の起こっている部位を特定するため、画像診断を行います。脳卒中は場合によっては生死にかかわるため、早急に検査が必要です。 脳卒中の検査 脳卒中の診断には以下のような検査が行われます。これらの検査で脳卒中の種類を診断します。 ・コンピュータ断層撮影(CT) ・核磁気共鳴画像(MRI) ・核磁気共鳴血管撮影(MRA) ・超音波検査・心エコー ・X線撮影(血管造影検査) 以下でそれぞれ詳しく説明していきます。 ■CT検査 X線撮影をコンピュータで解析して脳の輪切りを映し出し、脳卒中の有無や種類を判定します。脳梗塞の場合は発症から24時間以上経たないとはっきり描画できませんが、脳出血は発症後すぐに描画されます。 ■MRI検査 磁力を使って脳の断層像を映し出します。CTと比較して鮮明な画像が得られ、出血部分や 梗塞部分が発症後すぐに描画されます。 ■MRA検査 造影剤は使用せず、磁力を使って脳の血管を映し出します。詰まっている血管を見つけだ すことができます。 ■超音波検査 超音波の発信受信装置を首にあてて、動脈硬化の有無や程度を調べる検査です。また心エコーといわれる心臓の超音波検査も行われます。 ■血管造影検査 カテーテルという細い管を通して造影剤を入れ、X線撮影をすることで血管の状態が詳細にわかります。 脳卒中のリハビリテーション 以下のリハビリテーションは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といった専門のスタッフによって行われます。リハビリテーションの効果は個人差がありますが、劇的な効果がみられなくても、諦めることなく根気よく続けることが大切です。 ■急性期 ・時期:発症から1~3週間 ・治療施設:急性期病院 ・リハビリテーションのポイント ⇨廃用症候群の予防、リスク管理(座位、運動負荷)、合併症管理 ■回復期 ・時期:1~3週間から3~6週間 ・治療施設:リハビリテーション専門病院 ・リハビリテーションのポイント ⇨機能回復訓練、心理的支持、維持期への橋渡し ■維持期 ・時期:3~6ヵ月以降 ・治療施設:リハビリテーション専門病院、介護保険対応の病院、施設、在宅 ・リハビリテーションのポイント ⇨機能維持、介護負担の軽減、環境調整、社会資源の活用 脳卒中の後遺症を、新しい先端医療「再生医療」で治療した例 再生医療は、脳卒中の後遺症に対する新たな治療法として注目を集めている治療法です。 治療例はこちらをご覧ください。 再生医療は、通常の病院やクリニックでは受けることができません。当院は厚生労働省の認可を受けた再生医療専門クリニックです。後遺症の治療など再生医療に関してはお気軽にお問い合わせください。 まとめ・脳卒中はセルフチェック、検査で早期発見と早期治療が必須! ■脳卒中予防の4大ポイント ・30代から自分の血圧を知り、コントロールする心がけを ・塩分控えめの食生活と、コレステロールを減らす ・仕事を離れてリラックスできる趣味を持ち、適度な運動も心がける ・40歳になったら脳ドックを受診し、脳の健康状態を把握する 脳卒中は三大生活習慣病の一つで、発病すると生死にかかわり、麻痺や言語障害、意識障害などの後遺症を残すことが多い病気です。 現在、日本における死亡原因のトップ3はがん、心臓病そして脳卒中となりますが、数十年前までは脳卒中がトップでした。 これは脳卒中が減少したわけではなく、医療の進歩により死亡する人数が減少したに過ぎません。死亡率の高い脳出血は減少傾向にありますが、高齢化に伴い脳卒中の約6割を占める脳梗塞の患者数は増加傾向にあります。 また脳卒中は発病する前に予測し、予防するができる病気です。脳卒中を引き起こす主な原因には動脈硬化があげられます。その動脈硬化を招く要因としては、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などがあります。 つまり、脳卒中は生活習慣病が要因となっているのです。脳ドックで早期発見し、なおかつ普段の生活を見直せば脳卒中は予防することができるでしょう。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の再生医療/幹細胞治療は以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の新たな治療法として注目を浴びています
投稿日:2024.11.19 -
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脳卒中のリハビリは急性期が肝心!リスク管理、日常生活動作(ADL)がポイント 脳卒中について、症状が現れた当初の2週間程度の急性期こそ、前向きなリハビリテーションが必要です。その大きな目的は、合併症予防、廃用症候群予防のために運動量を可能な限り確保すること、機能の回復を促すために適切な運動課題を実施することなどが挙げられます。 脳卒中のリハビリテーションは、急性期、発症してから何時間後に、もしくは何日後に始めるべきか明確な基準がないのが現状ですが、リスク管理を徹底して行いながら可能な限り積極的に介入していくことが望ましいと考えられます。 この時期のリハビリにおいては注意すべきことが多々あります。詳しく解説していきます。 脳卒中のリハビリは「日常生活動作(ADL)」がポイント まずは機能障害の面だけをみて患者さんを評価せず、病棟での実際の日常生活動作(activities of daily living:ADL)にも着目する必要があるという点です。 なぜなら過度の安静により長期間の臥床(がしょう)が続くと、廃用症候群といわれる「身体の不活動状態により生ずる二次的障害」によって様々な二次的合併症の出現に注意すべきであり、そのため早期から車椅子に移乗し、ベッドから離れて、食事や洗面、トイレ、歩行などのADLを進めていく必要があるからです。 このような早期離床の大きな効果として、ADL(日常生活動作)能力の向上、二次的合併症の予防が挙げられます。脳卒中の急性期では、脳の血流を一定に保つはたらきをする脳循環自動調節能が障害されます。 そのため、脳の血流は血圧の影響を大きく受けやすくなっています。座位や立位によって血圧が変動すれば、脳循環に影響を与え、症状の悪化につながる危険があるため、血圧変動に注意しながら意識レベル、バイタルサイン、呼吸状態、神経症状の有無などを注意しながらよく観察し、進める必要があります。 離床前に注意すべき点 ・意識障害の進行がない ・神経症状の進行がない ・心原性ショックや急性循環不全(収縮期血圧<90mmHg)がない 以上の基準を満たしているか確認するようにします。 また、離床を実施するにあたり、途中で運動を中止する場合の基準となる目安をあらかじめ決めおくべきです。 途中で運動(リハビリ)を「中止する場合」 ・中等度以上の呼吸困難、めまい、嘔気、狭心痛、頭痛、強い疲労感などが出現 ・脈拍が140/分を超えた ・運動時の収縮期血圧が 40 mmHg以上または拡張期血圧が 20 mmHg以上上昇 ・30回/分以上の頻呼吸、息切れが出現 ・運動により不整脈が増加 ・徐脈が出現 ・意識状態の悪化 いったん運動(リハビリ)を中止し、回復を待って「再開する場合」 ・脈拍数が運動前の30%を超えた (ただし、2分間の安静で10%以下に戻らないときは以後のリハビリは中止、またはきわめて軽労作のものに切り替える) ・脈拍が120/分を超えた ・10回/分以上の期外収縮が出現 ・軽い動悸、息切れが出現 その他、血尿が出現した場合、喀痰(かくたん)量や体重、下肢の浮腫が増加した場合、倦怠感がある場合、食欲不振や空腹時も注意が必要です。 症状別の離床開始基準 脳卒中には様々な病型があり、それぞれ離床開始の基準は異なります。離床を行う際は、病型による違いをふまえて検討します。その際、脳出血においての急激な血圧上昇や、脳梗塞においての急激な血圧低下等、離床に伴う血圧変動にも注意が必要です。 離床とは、ベッド等で生活していた人が、徐々に床(ベッド)から離れて生活機能・範囲を拡大していくことをいいます。 臥床が続くほど、心肺機能や消化機能・運動機能・精神状態等、心身ともに機能低下が進んでしまうため、全身状態が落ち着いたら可及的早期に座位や立位・歩行を行う「早期離床」を進める必要があります。 脳梗塞(ラクナ梗塞) ・診断日より離床開始可能 ・進行性麻痺を認める症例は個別で検討 (心原性脳塞栓症) ・心エコーの評価後、残留心内血栓と心不全徴候がなければ離床開始 (アテローム血栓性脳梗塞) ・原則、診断日翌日より離床開始を検討 ・検査画像上、梗塞の拡大を認める場合、神経症状の進行を認める場合は個別に検討 脳出血 以下の項目を満たしていれば離床を開始 ・収縮期血圧 140 mmHg以下にコントロール ・フォローアップ画像検査で血腫の増大、急性水頭症は否定されている くも膜下出血 以下の項目を満たしていれば離床を開始 ・破裂脳動脈瘤の根治術が行われている ・症候性脳血管攣縮がない ・急性水頭症が無い 脳卒中において、早期離床は世界的にも推奨されていますが、発症から何日目に行うか、離床中の具体的な血圧管理・変動に対する判断などは、各病院・施設に委ねられているのが現状です。 また一方では、発症 24 時間以内の早期離床は危険であるとの報告もあります。つまり、離床を画一的に行うのではなく、患者の病態、既往歴、合併症など含めて、慎重に判断し、注意深く実施していくことが重要となります。 具体的に早期離床を個別で判断する例 脳出血では入院後の血腫増大、急性水頭症、降圧薬でコントロール困難な血圧上昇例、脳動静脈奇形(AVM)があげられます。また脳梗塞では、内頸動脈狭窄ないし閉塞、脳底動脈血栓症、解離性動脈瘤、出血性梗塞、塞栓源が特定困難な脳塞栓症、トルーソー(Trousseau)症候群など。 さらに脳出血、脳梗塞共通のものでは、意識レベルやバイタルサインの増悪、頻脈性心房細動、急性期心不全、低酸素血症、重症感染症、深部静脈血栓症(DVT)があります。 重症例で、長期臥床や低活動の場合は、特に以下の2点に注意します。 深部静脈血栓症(DVT) 脳卒中患者は、安静臥床や片麻痺による血流の停滞、血液凝固能の亢進など、深部静脈血栓症を発症しやすい状態にあります。肺塞栓症(PE)をきたす確率が高く、呼吸状態の急性増悪、心肺停止のリスクがあります。担当医に治療方針を確認後、酸素飽和度、APTT、D-dimer、PT-INRの値を確認し、離床再開のタイミングを検討します。 起立性低血圧 座位や起立の抗重力位をとることで、下肢静脈に血液が貯留し、静脈還流が減少することで血圧低下を引き起こします。離床はヘッドアップ座位→端坐位→立位の順に段階的に進めていき、下肢運動を実施しながら行うなど工夫が必要です。 ADL(日常生活動作)評価の注意点 離床が進み、ADL(日常生活動作)が拡大していくにあたって注意点があります。臥位、座位でバイタルサインが安定している場合であっても起立、歩行などを実施する際に体調が変動することがあるため、循環動態に影響を及ぼす原因がないか、脱水、不整脈、心不全などの合併症の有無をチェックします。 転倒にも注意が必要ですがその原因として、麻痺や関節拘縮、筋力低下などが挙げられます。また、立ち直り反射(姿勢反射)が低下しているため、バランスを崩しやすく、軽度の麻痺でも転倒のリスクがあります。 転倒の特徴は、トイレ動作や排泄に関連する転倒の頻度が高いといわれており、患者に応じて転倒を生じやすい場面を具体的に予測し、転倒予防に努めます。 急性期のリハビリテーション 「脳卒中ガイドライン2015」のなかで、リハビリテーションは発症早期からADL向上と社会復帰を図るために、十分なリスク管理のもと、積極的に行うことが強く勧められています。 特に発症早期の患者では、機能低下の回復を促すために、訓練量や頻度を増やし、日常生活の場面で課題を繰り返し行うことが勧められています。 リハビリテーションは、患者のADLや機能障害、患者属性など、さまざまな背景をもとにリハビリテーションプログラムが計画されています。このプログラムを計画、評価、実施、修正するにあたり、リハビリテーションの効果を評価するには、機能障害を評価するだけでは不十分であり、ADLを評価する必要があります。 「脳卒中治療ガイドライン2015」のなかでも、一般的に広く用いられ、信頼性・妥当性が検証されているADL評価法が勧められています。看護師は、24時間患者のそばにいる環境のなかで、日常生活援助を通してリハビリテーションを行い、その成果を評価していくことが大切です。 ADL評価は、実際のADLを観察して評価 特に脳卒中急性期には、投与される薬剤や、日々変化する神経症状など、患者の状態そのものが変動的な時期にあります。そのため、評価するスタッフ(評価)や時間帯、環境や条件などによりADL評価は変化します。 理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)など、リハビリテーション機能訓練の専門スタッフが、「リハビリで〇〇さんは、何とか歩行器を使用してトイレまで歩けましたよ」と言っても、病棟で看護師は「夜は歩かず、オムツや尿器を使用しているなぁ」と感じることがあります。 これは、訓練などで最大限の能力を発揮する場合での「できるADL」と、普段日常生活で実際に行っている「しているADL」による評価の違いがあるからです。 患者のリハビリテーションを行っていくうえで、発症早期から十分なリスク管理のもとに、このがんばって「できるADL」を、普段の生活のなかでも「しているADL」に近づけていくことが、急性期脳卒中リハビリテーションの目標といえます。 FIM(functional independence measure:機能的自立度評価法)・・・「しているADL」の評価 セルフケア、排泄コントロール、移乗、移動、コミュニケーション、社会認知の6つをカバーした全18項目で、それぞれを実生活のなかで実際に行っている介助の量や質に従い、7段階で評価する評価法 バーセルインデックス(Barthel Index:BI、機能的評価)・・・「できるADL」の評価 各ADLについて、患者の能力が「自立」「要介助」「全介助」のいずれであるかを簡潔に評価する評価法 まとめ・脳卒中のリハビリはリスク管理の上、急性期から前向きに!日常生活動作(ADL)がポイント 看護師は、患者の日常生活を24時間みているという専門性から、普段から日常的に行っている活動の「しているADL」を評価することができます。(※ADL:日常生活動作) その際は、これまでのように「食事は一部介助で全量摂取」ではなく、患者はどのような姿勢で、どちらの手(麻痺側、健側)で摂取したか、看護師はどの部分をどのように介助したか、その介助量はどれくらい必要であったかなど、患者のADLを細かく評価しなければなりません。 看護師は、患者の「できるADL」に常に関心を持ち、把握し、看護師が普段みている「しているADL」との間の差を、客観的に評価できるスキルを身につけなければなりません。 そこで、「できるADL」と「しているADL」の乖離している要因について、PTやOT、STと話し合い、より効果的な支援ができるよう介入計画を作成する必要があります。そのためにはADL評価法を用いて、「しているADL」を客観的に評価することが重要となります。 以上、脳卒中のリハビリについてリスクを管理した上で急性期から積極的に行うことが必要であること、それは日常生活動作(ADL)がポイントという点で記載してまいりました。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療について 再生医療は、脳卒中のリハビリを最大に有効化できる治療法としてご注目ください
投稿日:2024.11.19 -
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【脳梗塞の後遺症】リハビリ内容は「3つの期間」で異なります 脳梗塞を発症した場合、治療を受けたとしても後遺症が残ってしまうケースは少なくありません。 その後遺症を軽くするために欠かせないのがリハビリですが、リハビリの内容は脳梗塞を発症してからの期間によって異なります。 そして、脳梗塞による後遺症の期間を大きく分けると急性期、回復期、維持期の3つになります。 今回は、脳梗塞による後遺症のリハビリの内容を時期ごとに紹介します。 脳梗塞による後遺症(急性期)のリハビリ 昔は脳梗塞を発症したらすぐに身体を動かすのはよくないと言われていました。しかし、現在では、脳梗塞の後遺症に対しては、できるだけ早めにリハビリを開始することが推奨されています。 そして、脳梗塞による後遺症のリハビリは、発症してから2週間くらいまでの期間である急性期が、特に重要だと言われています。 急性期のリハビリでは、寝たきりの状態が続き、筋肉や骨が委縮したり、関節が硬くなったりすることで運動機能が低下する「廃用症候群」の予防が主な目的になります。 具体的には手足の関節を動かす、寝返り動作をするなどのリハビリをします。 また、症状が軽く頭を起こしても問題がないと判断される場合は、座る訓練をおこなうこともあります。 重要:脳梗塞の後遺症のリハビリは、急性期(発症後2週間までの期間)が特に重要 脳梗塞による後遺症(回復期)のリハビリ 急性期を過ぎて病状が安定してくる回復期では、脳梗塞の後遺症の症状に合わせて、日常で必要となる動作ができるようになるためのリハビリをします。 回復期のリハビリでは、自力で立ったり座ったりする訓練や車いすに移動する訓練、着替えや入浴、食事、トイレなどで必要となる動きをする訓練などを繰り返しおこないます。 また、呂律が回らなくなる構音障害の後遺症がある場合は、口、舌、喉の筋肉を動かす訓練や言語聴覚士による発声練習などもおこなわれます。 脳梗塞による後遺症(維持期)のリハビリ 急性期、回復期を過ぎて退院した後(維持期)も、身体を動かさないでいると、身体の機能が低下してしまうので、引き続きリハビリをする必要があります。 維持期における脳梗塞の後遺症のリハビリは、回復期にしていたリハビリを継続したり、散歩や軽い運動をするなどします。 維持期のリハビリは基本的に自宅でおこなうことになりますが、クリニックの物理療法を受けるのも効果的です。 まとめ・【脳梗塞の後遺症】リハビリ内容は「3つの期間」で異なります 脳梗塞による後遺症のリハビリの内容について紹介しました。 リハビリによってすぐに回復したいという気持ちが強すぎると、なかなか改善がみられずリハビリを諦めてしまう人も少なくありません。 脳梗塞の後遺症によるリハビリは、長期的におこなう必要があるという気持ちを持ち、コツコツと取り組んでいくことが大切です。 近年では、再生医療によってリハビリの効果を高めるという方法もあります。脳梗塞による後遺症で悩まされている人は、再生医療を検討してみてはいかがでしょうか。 再生医療は手術や入院も不要という今、注目の先端医療です。当院は国内でも有数の症例数を有し、厚生労働省から認可を受けた専門クリニックです。ご質問やご相談などはお気軽にお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
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脳出血の再発を予防する!そのために欠かせない2つのこと 脳出血を発症して治療を受けた場合、気を付けなければならないのが再発です。脳出血を再発してしまうと後遺症が悪化する、あるいは新たな後遺症を発症するなどといったことが起こる可能性があります。 そのため、正しい知識を持って、しっかりと脳出血の再発を予防することが大切です。今回は、脳出血の再発を予防するために欠かせないことを2つ紹介します。 その一:脳出血の再発を予防するために重要なのは血圧管理 脳出血の主な原因は高血圧です。血圧が高い状態が続くと血管に大きな負担がかかり続けるため、血管の壁が破れて脳出血を起こす可能性があります。そのため、脳出血の再発を予防するために血圧管理は欠かせません。 高血圧の原因はいろいろありますが、塩分のとり過ぎを始めとする食生活の乱れ、運動不足、飲酒、喫煙、肥満、ストレスといった生活習慣の乱れも大きな原因となります。 ですから、生活習慣を改善して高血圧対策をすることが、脳出血の再発予防につながります。 その二:脳出血の再発を予防するためにも定期的に検査を受けましょう 脳出血の再発を予防するためには、生活習慣の改善も重要ですが、同時に、定期的に検査を受けることも大切です。定期的に検査を受けることで脳の状態をチェックするのはもちろんのこと、生活習慣病になっていないかなどを確認できます。 また、定期的に検査を受けて異常が見つかれば、早期治療をおこなうことができるので、脳出血の再発を予防できる可能性が高まります。 脳出血の再発を予防しなければならない理由 脳出血は、以前は脳卒中のなかでも死亡率が圧倒的に高い病気でしたが、治療薬や治療技術が向上したこともあり、現在では死亡率が大幅に低下しています。しかし、だからといって、脳出血が恐ろしい病気ではないというわけではありません。 脳出血を発症すると言語障害や麻痺といった後遺症が残ることもあります。また、脳出血を一度発症した人は、脳のほかの血管も損傷している可能性が高いので、脳出血を発症したことがない人よりも脳出血を再び発症する可能性が高くなります。 まとめ・脳出血の再発を予防する!そのために欠かせない2つのこと 脳出血の再発を予防するためには、血圧の管理と定期的な検査を受けることが重要です。脳出血が再発するかどうかは生活習慣も大きく関わってくるので、生活習慣の見直しや改善を意識的におこないましょう。 生活習慣を改善し、定期的に検査を受けることで、脳出血の再発を予防できる可能性が高まります。また、現在は、傷ついた血管を修復して再発を予防する再生医療という治療法にも注目が集まっています。 脳出血の再発を、最先端医療によって予防したい!という人は、再生医療についても検討してみてはいかがでしょうか。 ▼脳出血の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の新たな治療法として注目を浴びています 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
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脳出血による身体の麻痺は「リハビリ」で回復を目指せる! 体には運動神経という神経があり、この運動神経が正しく働いていると手足を思うように動かすことができます。しかし、脳出血によって運動神経に障害が起きると、体に麻痺が生じます。 脳出血が頭の左側で起きると右片麻痺の症状が生じ、右側で起きると左片麻痺が生じます。この麻痺を改善していくためには、リハビリが必要です。 今回は、脳出血による右片麻痺のリハビリについて紹介します。 脳出血による右片麻痺のリハビリはどのようなことをするの? 脳出血で右片麻痺の場合、リハビリとしてはベッドに寝たままストレッチやマッサージを受けたり、少し身体を動かしたりするイメージの人もいるでしょう。 しかし、それだけでは、手足の麻痺が回復し、日常生活の動作ができるようになるまで改善するということは難しいです。 そこで、脳出血で右片麻痺の場合、リハビリでは歩行練習や日常生活でよくおこなう動作を反復します。また麻痺がないほうの手をあえて使わずに、麻痺があるほうの手を使うようにするリハビリもおこないます。 リハビリで脳出血による右片麻痺は回復する? 脳出血によって右片麻痺の後遺症が残ってしまった場合、リハビリによってどれくらい回復が見込めるかについても気になるでしょう。 脳出血による右片麻痺は、意識障害が出ていない場合、きちんとリハビリをおこなうことで 7 割くらいの人が自力歩行、または杖歩行ができるようになります。 また、外に出るときは車いすを必要としても、家の中では歩行ができるくらいまで回復するケースも少なくありません。希望を持って意欲的にリハビリに取り組むことが大切です。 脳出血による右片麻痺は退院後も自分でリハビリをすることが大切 脳出血による右片麻痺のリハビリは退院した後も、自分で継続していく必要があります。退院後に体を動かさないでいると体の機能がどんどん低下してしまうので右片麻痺の人はできるだけ右側の手足を使うように意識して生活を送ることが大切です。 また、一人でリハビリを頑張るのはとてもつらいので家族のサポートも重要です。家族の人はしっかりサポートできるよう医療機関でおこなわれるリハビリの内容を見たり、指導を受けておけば良いでしょう。 脳出血による後遺症に対する最新医療での治療 再生医療という先端医療をご存知でしょうか? 実は、この再生医療を行うことでリハビリの効果を高めることが可能です。脳出血による右片麻痺のリハビリ効果を強化し、高めるために再生医療による幹細胞治療を検討されてはいかがでしょうか。 詳しくは以下のリンクにて詳しくご説明いたしております。 ▼脳出血の後遺症|脳出血の右片麻痺のリハビリ、後遺症に対する先端医療、幹細胞治療について 再生医療は、脳出血の新たな先進的な治療法です。先端医療で早期の回復を目指せる可能性があります まとめ/脳出血による身体の麻痺はリハビリで回復を目指せる 脳出血による右片麻痺のリハビリについて紹介しました。 リハビリに励んでいる人のなかには、一生懸命リハビリをしているのに効果を実感できずに諦めかけている人もいるかもしれません。しかし、7 割ほどの人がリハビリによって歩行ができるまでに回復していることを忘れないでください。 ですから、決して諦めることなく前向きな気持ちでリハビリに取り組んでみてください。 以上、脳出血による身体の麻痺はリハビリで回復を目指せることについて記してまいりました。この記事が参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
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脳梗塞の後遺症“しびれ”の原因は?生活への影響とその治療方法 脳梗塞の後遺症に悩まされている人のなかには、顔面や麻痺側の手足のしびれという症状があるという人もいます。そして、脳梗塞の後遺症によるしびれは日常生活にさまざまな悪影響を及ぼしてしまうので、何とかしたいと思っている人が多いのではないでしょうか。 今回は、脳梗塞の後遺症でしびれが発生する原因や、しびれが日常生活に及ぼす悪影響について、また、脳梗塞によるしびれの治療方法についても紹介します。 脳梗塞“しびれ”の原因 脳梗塞の後遺症でしびれが生じてしまう原因は、運動障害によるものと感覚障害によるものがあります。 運動障害 脳梗塞による麻痺で身体を動かすことができなくなると、動かさなくなった部分の筋肉が硬くなって血管も収縮してしまいます。血管が収縮すると血液の流れが悪くなってしまい、その状態が続くとしびれが生じるようになります。 感覚障害 脳梗塞によって感覚を司っている脳神経がダメージを受けると、体の感覚に対する情報がうまく処理することができなくなります。すると、触っている感覚がよく分からない、手足がしびれる、不快な刺激を感じるといった症状が生じるようになります。 脳梗塞の後遺症「しびれ」による生活への影響とは 脳梗塞の後遺症によってしびれが生じると、日常生活にさまざまな悪影響を及ぼすようになります。しびれによって身体を思うように動かすことができない、不快感が続くなどすると、体を動かすことを避けるようになり、活動量の低下につながります。 活動量が低下すると気分もふさぎ込みがちになり、鬱にもなりやすくなってしまいます。また、しびれによる不快感によって慢性的な睡眠不足になってしまうケースもありますし、顔面がしびれている場合だと食欲不振になってしまうケースも少なくありません。 脳梗塞の後遺症によるしびれの治療方法 脳梗塞の後遺症によるしびれの原因が運動障害である場合は、リハビリによって運動障害自体を改善する、また、血液の流れをよくするための治療をおこないます。 しびれの原因が感覚障害である場合は、薬物療法がおこなわれるケースが多いです。薬物療法のほかにも、脳に電極をつけ、電気で刺激することでしびれを抑えるという脳神経外科的による治療方法もあります。 まとめ・脳梗塞の後遺症“しびれ”の原因は?生活への影響とその治療方法 脳梗塞の後遺症でしびれという症状が発生する原因や、しびれが日常に及ぼす影響について紹介しました。また、脳梗塞の後遺症によるしびれを治療する方法についても紹介しました。 近年は、脳梗塞の後遺症に対して、再生医療による治療を選択することもできます。再生医療の治療によって、即効的に元の状態に回復できるということではありませんし、個人差はありますが、麻痺やしびれによる悩みが軽減されることはじゅうぶんに期待できます。 脳梗塞の後遺症である「しびれ」を何とかしたいという人は、再生医療による治療を実施している当院までお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼脳梗塞の後遺症|「しびれ」の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳梗塞の”しびれ”に対する新たな治療法として注目を浴びています
投稿日:2024.11.19 -
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- 再生治療
脳出血は発症率が高く、かつては国民病とも呼ばれていました。また、後遺症として手足や顔面などのしびれを発症することでも知られています。 しびれは日常生活に支障をきたすため、どの程度まで回復するのか、また回復率やリハビリの効果が気になるところです。 そこで本記事では、しびれや麻痺の原因、回復の見込み、そしてリハビリテーションの具体的な方法について詳しく解説します。 脳出血のしびれ(麻痺)における回復期間には個人差がある 脳出血後のしびれ(麻痺)の回復期間は、後遺症の種類や重症度、リハビリの質や量、全身の状態などによって個人差があります。そのため、短期間で回復するケースもあれば、回復に時間がかかるケースもあります。 早期のリハビリは回復に期待できるため、発症後はできるだけ早くリハビリを始めるのが重要です。 しびれの回復には脳の可塑性(かそせい)が関係している 脳出血の後遺症の回復に大きく関わるのが、脳の可塑性です。脳出血によって損傷し死んでしまった細胞は、自然には戻りません。 しかし、脳には損傷した細胞の代わりを担ったり、失われた神経経路に代わる新たな経路を形成したりする働きがあります。このような脳の適応能力を「脳の可塑性」と呼びます。 脳の可塑性を活用し、神経細胞を適切に刺激すると、後遺症からの回復が期待できます。 脳出血後の「しびれ」について 脳出血後のしびれは神経の損傷によって起こり、日常生活に支障をきたします。症状の程度や発症からの経過時間によっては、適切なリハビリを通じて回復が期待できる場合もあります。 しびれ(麻痺)の原因 脳出血後のしびれは、脳の損傷による神経伝達の異常が主な原因です。とくに視床や大脳皮質が損傷されると、感覚の伝達に障害が生じ、しびれや麻痺が発生します。また、浮腫や炎症は神経に悪い影響を与えます。 適切な治療とリハビリによって、しびれの改善に期待できますが、回復に時間がかかる場合も多いです。 しびれの種類 脳出血後のしびれには、中枢性と末梢性の2種類があります。 中枢性のしびれは、脳や脊髄の損傷によって発生し、感覚の鈍さや持続的な痛みを伴います。末梢性のしびれは、手足の末梢神経に起因し、ピリピリ・ビリビリとした感覚が特徴です。 これらのしびれは、症状に応じたリハビリや治療が必要となります。 脳出血後のしびれ(麻痺)に対するリハビリテーション 脳出血後のしびれに対するリハビリは、なるべく早期に実施するのが効果的です。対して、リハビリが遅れてしまうと回復までに時間がかかります。 脳の機能回復を目的としたリハビリが行われ、生活期では日常動作を支援するアプローチに移行します。 継続的なリハビリが、しびれの改善につながります。 脳出血後のリハビリの目的はADLの向上 脳出血後のリハビリは、単に元の状態へ回復させるだけが目的ではありません。 リハビリには、機能回復を目指すだけでなく、残された能力を最大限に活用し、生活の質を向上させる役割もあります。具体的には、歩行が難しい場合には車いすの使用方法を学ぶなど、日常生活動作(ADL)の改善を支援します。 日常生活動作(ADL)の改善により、回復するまでの生活負担を軽減し、万が一の長期的な後遺症にも備えられます。 脳出血のしびれ(麻痺)と回復に関するQ&A 脳出血によるしびれや麻痺についての疑問にお答えします。 ・脳出血によるしびれ(麻痺)からはいつまでに回復するの? ・脳出血によるしびれ(麻痺)からの回復率は? しびれが回復するまでの期間や回復率に関しての理解を深めましょう。 脳出血によるしびれ(麻痺)からはいつまでに回復するの? しびれや麻痺の回復期間は一般的に3〜6カ月が目安です。 神経可塑性を活かしたリハビリを続けると、より良い回復が期待できます。ただし症状の重さやリハビリの内容によって回復の程度は異なります。 脳出血によるしびれ(麻痺)からの回復率は? 脳出血後の回復率は、症状の重さやリハビリの開始時期によって異なります。2022年のデータによると、自宅に戻れた人は約26%、リハビリ目的の施設へ移行した人は約68%です。 重度のしびれは長期的なケアが必要なケースもありますが、リハビリの開始が早いほど回復率が上がります。 脳出血後のしびれ(麻痺)や言語障害の緩和には早期のリハビリが鍵 脳出血における後遺症の「回復」について紹介しました。 ・回復までの期間は個人で異なる ・脳出血の発症後、早期のリハビリが効果的 脳出血の後遺症は、発症してから半年くらいまでが改善の度合いが大きく、その後は改善の度合いが停滞する傾向にあります。 また、脳出血の後遺症の回復期間や、回復の程度には個人差があります。一般的に脳出血の後遺症は、発症後のリハビリ開始が早いほど効果的と言われています。 最後に、脳出血後のしびれに効果的な再生医療について紹介します。 再生医療とは、機能を失った細胞を復活させ、後遺症の改善を目指す治療法です。脳出血の後遺症で悩んでいる方は、治療法のひとつとして検討してみましょう。 ただ、再生医療は一般的な病院やクリニックなどでは受けられません。対して、当院は再生医療専門クリニックなのでご相談いただけます。
投稿日:2024.11.19 -
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脳出血の後遺症に対する最新治療にはどんなものがあるのか 脳出血を発症して麻痺やしびれといった後遺症が残ってしまうと「改善は難しいのではないだろうか?」と思ったり、不安になってしまう人もいると思います。 しかし、脳出血の後遺症は、早期にリハビリを開始することで改善を目指せます。また、近年の最新治療では、以前よりも高い改善効果も期待できるようになっています。 今回は、脳出血の後遺症に関する最新治療についてご紹介します。 ―脳出血の後遺症に対する最新治療 IVES療法・HANDS療法 脳出血の後遺症に対する最新治療として、IVES療法やHANDS療法があります。この治療では、後遺症によって思うようにできない動きを補助し、その動きを自力でできるようにするものです。 IVES療法 特殊な低周波の電気刺激装置による治療で、麻痺した箇所を動かそうとしたとき、活動しようとしている筋肉に電気刺激を与えることで、筋肉の動きを補助し動かしやすくします。 HANDS療法 IVES療法をする際に、手関節装具を併用しておこなう治療方法です。手関節装具を装着することで、物をつまんだり離したりする動作がしやすくなります。 ロボットによるリハビリ 脳出血の後遺症の最新治療として、ロボットを活用したリハビリがあります。例えば、人が体を動かそうとするときに、その意思が脳から筋肉へと伝達されます。そのときに生じる生体電気信号を検知して動作支援をする歩行支援ロボットなどです。 ロボットによるリハビリは、高いリハビリ効果を期待できるだけでなく、リハビリをする患者と療法士の負担を軽減できるというメリットもあります。 ボツリヌス療法 脳出血の後遺症のひとつに、手足が「つっぱり」によって動かしにくい、勝手に動いてしまうなど「痙縮(けいしゅく)」という症状があります。この痙縮の最新治療として、ボツリヌス療法があります。 ボツリヌス療法とは、筋肉の緊張を緩める作用があるボツリヌストキシンという成分を筋肉に注射する治療方法です。ボツリヌストキシンはボツリヌス菌からつくり出されるたんぱく質ですが、ポツリヌス菌自体を注射するわけではないので菌に感染する心配はありません。 ボツリヌス療法は2~3日くらいで効果が現れてきて、その効果は4カ月くらい持続します。その間にリハビリをおこなうことで、リハビリによる改善効果を高めることもできます。 再生医療 さらに、現在では機能しなくなった細胞を復活させる「再生医療」も新たな治療法として注目を浴びています。 この再生医療について脳出血後遺症に悩まされている人は、以下のリンクより詳しい内容をお調べ頂けます。ぜひチェックしてみてください。 ▼脳出血の後遺症|最新治療である再生医療の幹細胞治療 再生医療は、脳出血の新たな治療法です。先端医療で早期の回復を目指うことが可能です まとめ/脳出血の後遺症に対する最新治療にはどんなものがあるのか 脳出血後遺症の最新治療について紹介しました。 医学はどんどん進歩しており、脳出血後遺症も最新治療によって以前よりも高い改善効果が期待できるようになりました。さまざまな最新治療法がありますが、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
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脳梗塞は脳への血流が妨げられることで発生し、結果として言語障害という後遺症が多く見られます。この障害は、コミュニケーション能力に影響を及ぼし、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。 言語障害には主に失語症や構音障害があり、それぞれに対して専門的な支援が必要です。 本記事では、脳梗塞後に起こる言語障害の種類や、言語聴覚士の重要な役割について詳しく説明します。 脳梗塞による言語障害の治りには個人差がある 現在、脳血管疾患の通院患者は約118万人で、14%が働き盛りの世代です。医療技術の進歩により死亡率は減少しており、若い患者の約70%が発症直後からリハビリを受けることで回復し職場復帰が可能です。(文献1) 復職率は発症から3〜6か月後、または1年〜1年半後に上昇し、最終的には50〜60%に達します。 経過は急性期、回復期、生活期に分かれ、患者は治療状況や職場への配慮を医療機関と相談する必要があります。 脳梗塞の後遺症による言語障害の種類 脳梗塞後の言語障害の回復見込みは、障害の種類によって異なります。 脳梗塞による言語障害の種類は「失語症」と「構音障害」です。 失語症 失語症は、脳梗塞などにより脳の言語機能が損なわれ、読む・書く・話す・聞く能力に影響を及ぼす症状です。回復には年齢や損傷部位、健康状態などが関わりますが、40歳代までに発症した場合、言語訓練を3年以上続けることで大幅な改善が期待できます。 リハビリの内容としては、口や舌の運動、ジェスチャーを交えた会話、書字の訓練などがあります。リハビリ内容は症状や進行具合に応じて調整され、患者にあったプランを作成します。 構音障害 構音障害は、口腔や舌、声帯の運動機能が低下し、発音が困難となる状態です。治療法としては、外科的介入・発音補助装置の利用・構音訓練の3つがあり、患者の症状に応じて選択されます。 構音障害は回復の可能性があり、決して治らない障害ではありません。 外科手術では発音機能を改善し、補助装置を使用して発声を補助します。また、言語聴覚士がリハビリテーションを通じて舌や口の運動機能を高め、呼吸・発声・音読の向上を図ります。早期のリハビリテーションが回復において重要な役割を果たすため、少しでも違和感を感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。 脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法 脳梗塞によって生じる言語障害の回復には、適切な治療とリハビリテーションが必要不可欠です。回復率を高めるためにもは、早期にリハビリを開始し、専門的なサポートを受けましょう。 言語機能に影響する脳の部位や損傷の程度によって、回復にかかる時間や結果は異なりますが、効果的なリハビリ方法や先進的な治療法を組み合わせることで、言語障害の改善が期待できます。 ここからは、脳梗塞による言語障害の回復率を高める方法について紹介します。 言語聴覚士のリハビリサポートを受ける 言語聴覚士は、リハビリを通じて言語機能の改善を目指す言語障害に特化した専門家です。障害の程度を診断し、患者一人ひとりに合わせたリハビリ計画を作成します。 リハビリでは言葉だけでなく、ジェスチャーや絵といった手段を活用しコミュニケーションを計ります。 言語聴覚士のサポートを受けることで、言語面の改善はもちろん、心理面にもポジティブな変化をもたらします。 言語回復に大きな効果をもたらすため、積極的に受けておきたいサポートです。 再生医療で治療する 脳梗塞による言語障害(失語症)の再生医療は、骨髄由来の間葉系幹細胞を脳に移植し、損傷した神経細胞の再生を促す治療法です。 この幹細胞治療により、麻痺や言語機能の回復・痛みの軽減・リハビリ効果の向上・さらには脳卒中(脳梗塞)の再発予防が期待されています。 再生医療による幹細胞治療は開始時期が早いほど良い結果をもたらします。本治療に興味のある方は当院へお気軽にご相談ください。 脳梗塞による言語障害を治すなら再生医療も選択肢の1つ 脳梗塞の後遺症による言語障害は治るのかについて紹介しました。 リハビリによって言語障害が改善する人もいれば、長いリハビリに励んでも思うように改善されないなど、個人差があります。 現在では、再生医療によってリハビリの効果を高める手段もあります。リハビリの効果を高めたい・うまく話せるようになりたい方は、再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。 本記事が言語障害に悩む方々の一助となれば幸いです。 参考文献 文献1^ https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11303000-Roudoukijunkyokuanzeneiseibu-Roudoueiseika/0000153518.pdf
投稿日:2024.11.19 -
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くも膜下出血は後遺症が出ることが多く、本人はもとより、家族もつらい思いをすることが少なくありません。 家族(患者)の幸せを願い懸命に看病することはとても素晴らしいことです。そのため、「家族である自分たちができることは何か」と考えをめぐらせる方もいらっしゃるでしょう。 そこで本記事では、くも膜下出血になってしまった家族に対して、残された家族ができることについて紹介します。 くも膜下出血になった家族に対してできること くも膜下出血を発症した家族のためにできることはいくつかあります。 この項目では、再発防止や日常生活のサポートなど、具体的な行動について説明します。 再発した場合の早期発見 くも膜下出血は、治療後も再発する可能性がある病です。そのため家族だからできる、重要なことは、再発した場合の早期発見です。 くも膜下出血は早期発見が非常に大切です。そのためには本人だけでなく、周りの家族も変調にいち早く気づけるかがその後のカギを握ります。 日頃から再発を意識して、注意深く観察する習慣を身につけましょう。また、医療機関を受診した際に、調子の良し悪しを詳細に医師へ伝えることでその後の治療に役立ちます。 顔や手足に麻痺がみられる・呂律が回っていない・こちらが言っていることを理解できていないなどの症状が見られた場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 転倒防止のための工夫 くも膜下出血に関して家族ができることに転倒防止の工夫が挙げられます。くも膜下出血は麻痺などの後遺症が残り、転びやすくなるケースが多いため、なんらかの工夫を講じる必要があります。 玄関や部屋、廊下の境目に段差がある場合は、段差をなくす・手すりを設置するなど、歩くための障害を極力なくしましょう。 また、床や浴槽、マットが置いてある場所など、滑りやすくなっていないか確認することも大切です。また、床や廊下での物の置きっぱなしに気をつけましょう。 くわえて、足元が見にくい場所にライトを設置する工夫も有効です。 食事や喫煙・飲酒などの管理 くも膜下出血の危険因子(原因)を取り除くことも家族にできることのひとつです。くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂が主な原因ですが、その危険因子となるのが高血圧や喫煙、飲酒などです。 喫煙や飲酒は自制するのが難しいため、家族のサポートを必要とします。また、高血圧の対策として脂肪や塩分を控えた食事を提供することも大切です。 定期的な会話 くも膜下出血後の家族間の定期的な会話は身体的な回復だけでなく、精神的な健康を維持する上で重要です。 患者は不安や孤独感を抱きやすい状態にあるため、家族との対話が心の支えになります。日々の出来事や患者の気持ちについて、ゆっくりと話し合う時間を設けましょう。 認知機能の維持や改善にも会話は効果的です。また、会話を通じて患者の状態の変化にいち早く気づくことができます。 【ご家族向け】寝たきりのくも膜下出血患者に関する知識 寝たきりになったくも膜下出血患者の家族として、適切なケアを提供するためには、病状や回復過程に関する正しい知識が不可欠です。 そこでこの項目では、くも膜下出血の回復過程や入院期間、予後について解説します。 くも膜下出血の回復過程 段階 発症からの期間 過程 急性期 発症後約2週間 生命の危機管理が最優先され集中的に治療 回復期 2週間〜3ヶ月 集中的なリハビリテーション 生活期 3ヶ月以降 定期的な通院によるリハビリテーション くも膜下出血からの回復期間は個人差が大きく、一様ではありませんが全治までに6カ月以上かかるとされています。 一般的には、急性期・回復期・生活期と3つの段階を経ていきます。 上記の過程で、患者はさまざまな症状(頭痛・めまい・認知機能の低下など)を経験する可能性があります。家族は、医療チームと密に連携し、患者の状態に応じたケアを提供することが重要です。 くも膜下出血の平均入院期間 症状レベル 入院期間(目安) 軽症 1〜2ヶ月 中等症〜重症 3〜6ヶ月 くも膜下出血の平均入院期間は、患者の状態や治療方法によって大きく異なります。 一般的には、軽症例で1〜2ヶ月、中等症から重症例では3〜6ヶ月程度の入院が必要となることが多いです。 ただし、これはあくまで平均的な目安であり、個々の患者の回復状況によって大きく変動します。 また、入院中は定期的な面会や病室の環境整備(写真や好みの物の配置など)を通じた家族間の寄り添いが大切です。患者の回復意欲を高めることにもつながります。 くも膜下出血で寝たきりになった方の平均余命 くも膜下出血で寝たきりになった方の平均余命は、5年間で55%前後とされており、年々の生存率は改善傾向にあります。一方で未治療の場合、1年間の生存率は65%と向上します。 上記のことからもわかる通り、くも膜下出血は発症してからの治療・適切なケアが非常に重要です。 また、くも膜下出血の平均寿命は年齢・くも膜下出血の重症度・合併症の有無・ケアの質などが影響するため、個人差があります。 くも膜下出血患者に対して大切なのは家族の思いやり くも膜下出血になってしまった患者に対して家族にできることは、まずは思いやり、そして行動観察・生活環境の改善・飲食の管理などたくさんあります。 ・思いやり ・行動観察 ・生活環境の改善 ・飲食の管理 ・精神面での支えになる 大切な家族をしっかりとサポートし、精神面でも支えになれるようにしましょう。 また、脳をはじめとするさまざまな治療で注目を集めている再生医療は、くも膜下出血の再発予防に効果的です。 家族の後遺症に悩んでいたり、再発を恐れている場合は、再生医療による治療も検討してみましょう。
投稿日:2024.11.03 -
- 再生治療
「人工股関節置換術の手術後、介護の仕事を続けていきたいけど不安」 「人工関節を入れた後、仕事復帰までにどのくらいかかるの?」 介護の仕事は移動の介助といった肉体労働が多いため、人工股関節の手術後も仕事を続けられるのか心配に思う方も多いでしょう。 そこで本記事では、人工股関節の手術や術後の介護職への復帰、注意点について解説します。最後までご覧いただき、無理のない職場復帰を目指しましょう。 人工股関節でも介護の仕事はできる!【注意点あり】 人工股関節の手術をした後でも、介護の仕事は可能です。 しかし、股関節に負担がかかる動作には注意が必要で、可能な仕事とやってはいけない仕事が存在します。 また、日常生活と介護の仕事で注意点が異なるため、それぞれポイントに分けて紹介します。 日常生活における注意点 人工関節における日常生活の注意点は以下の通りです。 1.重労働と激しい運動は避けましょう。 2.座るときは椅子を使用し、臥床寝るときはベッドの利用がおすすめです。 3.正座は可能です。ただし女性座り・とんび座り等は脱臼の原因になるので避けましょう。 4.歯科治療の際は、医師に人工関節であることを伝えておきましょう。(感染予防のために抗生物質の投与をおこなう場合があります) 5.定期的な通院をおこない、レントゲン検査で人工股関節の状態を確認しましょう。 介護の仕事における注意点 人工関節における介護(仕事)の注意点は以下の通りです。 1.立ち仕事は、とくに制限はありません。 2.しゃがみ・かがみ動作に気をつけましょう。 3.重度の介助者の入浴介助は一人で行わないよう注意しましょう。 4.重いものを持つ動作は避けましょう。 5.全介助を必要とする方のトイレ介助や移動介助なども、股関節に負担がかかるため要注意です。 6.人工関節の耐用年数は約20年と考えられていますが、体重の増加や肉体労働によって耐用年数が短くなる場合があります。 人工股関節の手術について 「足の付け根が痛い」「靴下がはきづらい」「足の長さが左右で違う」などの症状が現れた方は股関節の疾患を疑いましょう。 股関節疾患は「変形性股関節症」「大腿骨頭壊死症」「関節リウマチ」などが挙げられ、症状によっては人工股関節置換術による手術が検討されます。 人工股関節置換術には、ある程度のをリスク伴いますが、介護を含む職場復帰を可能にする有効な治療法です。 手術後の仕事復帰までの期間 人工股関節手術後の職場復帰までの期間は、職種によって異なります。 職種 手術後の職場復帰までの期間(目安) 事務職 2~4週 立ち仕事(半日) 4~6週 立ち仕事(1日) 6~8週 ドライバー 2~3カ月 激しい肉体労働 3カ月~半年 上記の通り、しゃがむ・かがむ動作を伴う職種では、復帰までに期間を要します。人工関節のゆるみや摩擦を防ぐ観点から、体に馴染ませる必要があるためです。 また、回復状態には個人差があるので、必ず主治医に相談してから仕事に復帰しましょう。 早期復帰を目指すなら再生医療がおすすめ 人工股関節の手術は、入院・リハビリが必要になるため、長期間の休みを取らなければなりません。介護を含む仕事への早期復帰を目指す方にとっては大きなリスクと言えます。> そこで、おすすめしたいのが再生医療による治療です。 再生医療は、患者さんの脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨を修復する方法です。手術や入院を伴わず治療が完結するため、早期の仕事復帰が可能となります。また、自身の細胞を使用するため、人工関節手術に比べて体への負担が大幅に軽減できる点がメリットです。 人工股関節でも介護の仕事を続けたい方へ 人工股関節における介護の仕事の注意点を紹介しました。 人工股関節でも一部の介護業務は行えますが、かなりの行動に制限が生じます。まだ人工関節手術を実施していない方は制限をふまえた上で、自分に合った治療法を選択しましょう。 再生医療による治療の選択も可能です。患者さんの負担を抑えられるだけでなく、副作用も少なく済む治療法として注目を集めています。興味のある方は当院へお気軽にご相談ください。
投稿日:2024.11.06 -
- 肩
- 腱板損傷
肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷になると、腕が上がらなくなって悩まされるようになります。思うように腕が上がらないと洗濯物を干す、高いところのものを取るといったことが困難になるなど日常生活でもいろいろと支障が出てきます。また、ずっとこのような状態が続くのだろうかと不安になる人もいると思います。 そこで、今回は肩腱板損傷で腕が上がらないというのはなぜなのか?ということについて紹介します。 肩腱板損傷で腕が上がらないのはなぜ? 肩腱板は肩関節を覆う筋肉です。肩関節は複数の関節がありますが、それらの関節だけでは非常に不安定でスムーズに動かすことができません。その関節を安定させてスムーズに腕をあげたり、捻ったりすることをできるようにしているのが肩腱板です。 肩腱板が損傷してしまうと、肩関節を安定させる役割を十分に果たせなくなり、肩関節が不安定になるため腕が上がらないという症状が出ることがあります。 五十肩の腕が上がらない症状と、肩腱板損傷で腕が上がらない症状の違い 腕が上がらないというのは肩腱板損傷でよくある症状の1つですが、腕が上がらないと言えば五十肩をイメージする人もたくさんいると思います。 たしかに、五十肩でも腕が上がらなくなることはありますが、五十肩の場合は肩関節が不安定になるのが理由ではありません。 五十肩の場合は、本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまうのが主な理由になります。また、痛みが強すぎて動かすことができないというケースもあります。 このように、腕が上がらない理由は異なりますが、それが肩腱板損傷か五十肩かを自分で判断するのは難しいのです。 肩腱板損傷で腕が上がらないときの対策 肩腱板損傷はそのままにしておいても、損傷した部分が自然に修復し治るということはありません。悪化して損傷した部分が拡大したり断裂してしまうことがあります。 しかし、肩甲骨や脊柱など肩関節周辺の筋肉や関節を柔らかくすることで、腕を上がりやすくすることは可能です。ただし、状態の程度によっては手術をしないと腕を上がるようになるのは難しいケースもありますから、まずは専門医に相談をしてみましょう。 まとめ・肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷で腕が上がらないという症状について紹介しました。 無理やり腕をあげようとしたり、何とかしようと自己流で対策をすると悪化してしまう可能性があります。肩腱板損傷で腕が上がらないのを何とかしたいという人は、まずは医療機関で診てもらうことをおすすめします。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=AuS-8sLS0tUiHFfL ▶治療方法の選択肢のひとつとして、こちらの動画も是非ご覧ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
投稿日:2024.11.19 -
- 糖尿病
- 変形性膝関節症
- 変形性股関節症
- ひざ関節
- 股関節
- 幹細胞治療
あきらめていた病気に対処できる幹細胞治療!その内容や治療方法とは? 幹細胞治療という言葉を聞いたことがあるでしょうか。実は現代の医療で最先端の、副作用などがほとんどなくそれでいて大きな効果が期待できる治療方法なのです。この幹細胞治療はあらゆる分野で活用され始めていますが、美容の世界などでも積極的に取り入れられています。 そこで今回は、幹細胞治療とはいったいどういうものなのか、そしてどのような効果が期待できるのかという点について解説していきます。 幹細胞治療とは何か? そもそも幹細胞治療とはどのようなものなのでしょうか。 幹細胞治療とは再生医療の一種 再生医療という言葉は聞いたことがあるでしょうか。幹細胞治療とは再生医療の1つの方法です。 人間は約60兆個の細胞で構成されていますが、その細胞の中に幹細胞というものがあります。幹細胞とは、細胞分裂の元になるもので、いわば細胞の母体です。再生医療とはこの幹細胞を身体に注入することで、身体の欠落している部分を再生させたり、減少して来ている部分を補ったりする、最先端の治療法です。既存の医薬品では治療が困難な病気やケガ、あるいは治療法が確立されていない病気に対して、効果をもたらすものとして注目されています。 近年、日本人を始め人間の平均寿命は大きく伸長しましたが、同時に細胞の老化が元となっている慢性的な病気も増えており、このような病気を完全に治す治療法はまだ見つかっていません。しかし再生医療であれば、そのような今まで医師が治療をあきらめていた病気の場合でも、治療を施すことができるのです。 ただし再生医療や幹細胞治療はどのような病院、どのような医師でも行うことができるものではありません。再生医療は使い方を間違えるととんでもない悲劇を巻き起こす可能性があります。したがって、再生医療や幹細胞治療を行う場合には、その実施機関や実施方法について、法律に基づく厳しいチェックがなされます。ですから再生医療や幹細胞治療を受ける場合には、治療のための治療計画を厚生労働省に提出し、認可されている医療機関を選ぶことが非常に重要です。また再生医療や幹細胞治療を行う医師にも高い専門知識と十分な経験が必要です。この点においても、治療を受ける場合には事前の確認が必要でしょう。 幹細胞治療とは注射で幹細胞を注入する方法 約60兆個の細胞からできあがっている人間の身体ですが、しかしその最初はたった1個の受精卵です。この受精卵が細胞分裂を繰り返し、身体のあらゆる部分の形も機能も異なった多様な細胞に成長します。皮膚、脳、心臓、手足は全く違う臓器であり身体の一部ですが、元は1個の受精卵だと思うと非常に不思議でしょう。このような細胞が多様な組織や臓器に変わっていくことを「分化」と言います。 しかし細胞には寿命があります。細胞の寿命が来ると、その細胞は分化することも、増殖することもできなくなり、やがて死んでしまいます。たとえば、皮膚から垢が出ますが、これは皮膚の細胞が死んで、身体からはがれ落ちていくことです。しかしそれでも皮膚が一定の状態を保てているのは、古い皮膚が死んでも、また新しい皮膚の細胞が補充できているからです。このような分化して完全に身体の臓器や、皮膚、や血液などに分化し終わった細胞を「体細胞」、これから多様な分化を行う細胞を「幹細胞」と言います。 幹細胞には「体性幹細胞」と、受精卵から培養して作られる「ES細胞」、人工的に作成「iPS細胞」があります。 この3つの中で現在最も再生医療に使われているものが「体性幹細胞」です。体性幹細胞は人間の身体の中にある細胞が元になっているので、使用しても身体に副作用を起こりにくく、最も治療に応用しやすいものです。さらに体性幹細胞にもいくつか種類があります。その代表的なものは「間葉系幹細胞」です。そして間葉系幹細胞の中でも、最も治療に多く用いられているのものが脂肪から抽出されたものです。これを脂肪性幹細胞とも言います。 脂肪性幹細胞は、ES細胞やiPS細胞などの幹細胞に比べ発がんのリスクが非常に低く、また身体の中から取り出すことも簡単で、患者に負担をかけないため、現在どんどん医療の最前線で使われています。 具体的に脂肪幹細胞を使った幹細胞治療はどのようなものかと言うと、聞いてしまえば意外に簡単です。それは身体の脂肪を採取し、その中の幹細胞を増やして、また身体の中に戻してやり、欠落した組織や減ってしまった細胞をそこから増やして、再生させる方法です。 このように治療行為としては非常にシンプルなので、幹細胞治療は入院の必要さえありません。基本的には日帰り治療で可能な方法です。 幹細胞治療の効果は?どのような種類がある? では幹細胞治療はどのような悩みに効果があるのでしょうか。 美容治療として 1つは美容のための治療に活用されているということです。たとえば顔のシワは顔の皮膚の奥深くにある真皮層が加齢などのために減少し、その減ってしまった真皮層の部分が、皮膚表面で凹んでしまうことによって発生します。しかし幹細胞治療は、その真皮層になるべき幹細胞を注入するので、真皮細胞が再生し、その結果シワが消えてしまうというものです。 シワを改善させる美容医療には、ボトックスやヒアルロン酸などと言った、薬剤や身体の成分そのものを皮膚に注入して行う方法が今までは一般的でしたが、しかしそれらは薬剤が代謝されてしまうことで、効果が生まれている期間に上限がありました。しかし幹細胞治療であれば、そもそもの細胞の増える母体を注入してあげることなので、期間的な上限はありません。原則として、幹細胞治療を行えば、不足している、あるいは欠落している細胞が増殖していきますから、いつまで若々しい肌でいられるのです。 このように幹細胞治療は美容の世界において画期的なシワ、たるみなどの防止、改善効果をもたらすものなのです。 またボトックスにしてもコラーゲン注入にしても、何度も繰り返さなければならないため、トータルとして治療費は非常に高くなってしまいます。しかし幹細胞治療は原則として1回で済むので、トータルでの治療費も非常に安く済むのです。その意味で幹細胞治療による細胞治療による美容医療は極めてコストパフォーマンスが高いと言えるでしょう。 関節炎などの改善 主に加齢によって生じる膝などの関節炎は非常につらいものですが、これらの関節炎は関節の軟骨がすり減ったり、関節の接続をスムーズにするコラーゲンなどの成分が減少することによって起こるものなので、抜本的な治療法がない悩みでした。 しかし幹細胞治療によって、軟骨やコラーゲンの元となる幹細胞を注入できるので、関節は若いころのように再生し、嘘のようにその悩みを解消してくれるのです。 関節炎の幹細胞治療には2つの方法があります。1つは関節鏡を用いる方法で、これは関節にカメラを差し込み、患部を見ながら幹細胞を注入するものです。もう1つは注射を用いる方法で、患部に幹細胞の含まれる薬剤を注入するものです。関節鏡を用いる方法は患部に確実に幹細胞を送り届けられるので確実ですが、身体に小さな穴を開けるので、患者には多少の負担がかかり、場合によっては数日の入院が必要になります。しかし注射であれば、治療後、患者はすぐに身体を動かすことができるので、日帰りで治療を受けることが可能です。 肝炎の治療 肝炎は肝臓の一部の細胞が壊死、あるいは機能不全になっている状態です。この肝炎にも幹細胞治療を行うと、壊死している肝臓に代替する肝臓を再生させることができるので、飛躍的な改善が期待できます。ただし、肝臓の場合はカメラを挿入することも、注射で幹細胞を注入することも難しいため、方法としては点滴で幹細胞を送り込む方法になります。点滴で輸入された幹細胞は血液に乗って肝臓に到達し、壊死した肝臓や機能していない肝臓の細胞を修復し再生させます。 糖尿病の治療 糖尿病は、血液中の血糖(ブドウ糖)が多くなる病気です。これは、すい臓が何かしらの原因で本来持っている血糖値を一定範囲におさめる働きができなくなる病気です。また、糖尿病は一度発症したら完治しない病気と言われています。しかし、幹細胞治療をすることにより、すい臓が本来持つ機能を取り戻すように幹細胞が働きかけ、正常に血糖値をコントロールするようになる可能性があります。 脳の疾患の治療 今まで脳梗塞などによって機能不全になってしまった脳には効果的な治療の方法がありませんでした。しかし幹細胞治療によって、幹細胞を脳に送り込んでやれば、機能不全になっている脳細胞を再生させることができるため、脳の損傷によって起こっていたさまざまな障害を改善させることができるようになってきました。 自己免疫疾患の治療 自己免疫疾患とは、自分の細胞が暴走し身体に害を働くようになった病気で、これもまた抜本的な治療法がないものでした。たとえば膠原病や、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、アトピー性皮膚炎、慢性甲状腺炎などがそれに当たります。できることはせいぜいステロイドなど身体に大きな副作用のある薬剤を注入して、病気の発症を抑えたり、症状を緩和させることでした。 しかし幹細胞治療によって注入される幹細胞には、身体の免疫を調節したり、過度な反応を抑制する作用があるので、このような治療方法が見つからない自己免疫疾患に対しても極めて高い治療効果が得られるようになりました。 幹細胞治療の流れは 幹細胞治療の流れは以下のようなものです。 最初に専用の器具によって、腹部など脂肪が豊富にある部位から脂肪を少量、具体的には1/1000g(米粒2つから3つ分程)という単位で採取します。採取時間は数分で、局所麻酔を使うため、痛みはほぼありません。 そして採取した脂肪から幹細胞を分離させ、培養します。 その培養した幹細胞を患部に注入します。また培養した幹細胞は冷凍保存できるので、治療を再度行いたい場合でも、その凍結している幹細胞を利用することができます。 幹細胞治療にはリスクはあるのか? このように画期的で、今まで治療が難しいと思われていた病気に大きな効果をもたらす幹細胞治療ですが、リスクはあるのでしょうか。 幹細胞治療は、自分自身の幹細胞を使用して損傷または弱ってきた組織を修復することで、痛みを無くしたり、失われた人体機能を回復させる治療です。 そのため、拒絶反応が起こりにくくリスクはほとんどありません。 まとめ いかがですか。 幹細胞治療は今まで治療が不可能だと思われていたさまざまな病気を治してくれる画期的な治療方法です。もしも上で挙げたような悩みを持っているようであれば、幹細胞治療を検討してはいかがでしょうか。 当院の紹介はこちら
投稿日:2024.03.29 -
- 脳梗塞
脳梗塞(ラクナ梗塞・アテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓症)とは 脳梗塞は、一過性脳虚血発作と呼ばれる「ラクナ梗塞・アテローム血栓性脳梗塞・心原性脳塞栓症」という3つの分類に分けられます。 同じ脳梗塞でもそれぞれ発症頻度や障害の重さも違い、発症の原因も異なります。 今回は、脳梗塞のそれぞれの分類について、さらに検査や治療法、リハビリについて解説していきます。 脳梗塞とはどんな病気なのか 脳梗塞とは、脳を栄養する動脈の血行不良によって、栄養や酸素を受けている神経細胞が死ぬことによりさまざまな症状を起こす病気です。 脳梗塞は、脳卒中のうちのひとつで、一時的に血管が詰まる一過性脳虚血発作(TIA)は、24時間以内に元の状態に戻るため原則として後遺症を残すことなく、脳梗塞とは区別されています。しかし、原因が取り除かれない場合には再発することがあり、やがて脳梗塞となる危険性もあります。 初期症状は、脳梗塞は突然起こるもの、というイメージがあるかもしれませんが、予兆というのがあります。脳梗塞の予兆は、一過性脳虚血発作(TIA)といって短くて数分、長くても30分ほどで症状が治まります。 そのため「ちょっと調子が悪いのかな」という感じで放っておいてしまいがちなのですが、一過性脳虚血発作を起こると約5%から20%の人に脳梗塞が発症すると言われています。 脳梗塞になる半数の人は、一過性脳虚血発作(TIA)を起こしてから48時間以内に発症しており、約3割の人は3ヶ月以内に発症するというデータもあるので、予兆には十分注意をしなくてはいけません。 一過性脳虚血発作の症状はいろいろあり、急に言語が出なくなる失語症や、ろれつが回らなくなってしまう構音障害が代表的な初期の症状になります。また、何も原因がないのに顔が歪む片側顔面麻痺、急激に片方の視力が低下する一過性黒内障や視界の半分が見えなくなってしまう症状もあります。 他にも両手を持ち上げようとしても片腕だけ上がらない、といった症状も挙げられます。このような異変が起きた場合は、一過性脳虚血発作の可能性があります。 脳梗塞の分類 ラクナ梗塞 ラクナ梗塞(Lacunar Infarction: LI)とは、脳梗塞の中で最も多いタイプの脳梗塞で、脳の中の穿通枝(せんつうし)という200μm程度の細い血管が詰まって起こる脳梗塞です。ラクナ(Lacunar)とは、小さな空洞という意味で、15mm未満の小さな梗塞巣を意味しています。 最大の原因は高血圧症で、高い圧力が細い血管に負担が掛かると、血管が脆くなり、詰まったり、破れたりしやすくなります。穿通枝が破れると脳出血、詰まるとラクナ梗塞になります。どちらも高血圧症が最大のリスク因子なので、高血圧症の治療、血圧を正常に保つことが最も重要です。 ラクナ梗塞の診断 脳の中の穿通枝と呼ばれる細い血管があり、レンズ核線条体動脈、内側線条体動脈、前脈絡動脈、視床膝状体動脈、視床穿通動脈、傍正中動脈などがあります。梗塞に陥った血管から先の血流が途絶えしまい、脳の神経細胞に栄養分と酸素が行き渡らなくなった場所の神経機能が失われる症状、神経脱落症状が突然に発症します。 症状は起こる場所によって様々で、軽度のろれつ障害、上肢や下肢の痺れ、麻痺、などの軽微な神経脱落症状が特徴的で、ラクナ症候群(Lacunar syndrome)と呼びます。ラクナ梗塞のみで意識障害に陥ることは稀です。 脳卒中というと突然の頭痛というイメージがあるかも知れませんが、ラクナ梗塞だけでは基本的に痛みはありません。例外で視床梗塞では視床痛(Thalamic pain)という痛みが出ることがあります。 穿通枝の場所によっては明らかな自覚症状を来さない無症候性脳梗塞、いわゆる隠れ脳梗塞の場合も少なくありません。 無症候性脳梗塞が多発すると、多発性ラクナ梗塞と言って、一個一個の梗塞の症状は明らかでなくても積み重なると脳の中の細かい神経に障害を来して、もの忘れ、脳血管性認知症(Vascular dementia: VaD)の原因になります。症状の有無に関わらず、予防することが大事です。 アテローム血栓性脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞とは、脳の比較的太い血管に動脈硬化やアテローム硬化が起き、脳の血管が詰まって起きる脳梗塞です。心臓の血管に動脈硬化が起こると、狭心症、心筋梗塞になりますが、同じことが脳の血管にも起きると、アテローム血栓性脳梗塞になります。 血管が詰まる前に、一過性脳虚血発作(Transient ischemic attack: TIA)という脳梗塞の予兆を起こることがあり、脳梗塞と一過性脳虚血発作をまとめて、心血管における急性冠症候群(Acute coronary syndromes :ACS)に相当する概念として急性脳血管症候群(Acute cerebrovascular syndrome :ACVS)と呼ばれ、より早期に診断、治療することが大切となります。 アテローム血栓性脳梗塞の診断 アテローム硬化は粥状硬化と呼ばれ、主にコレステロールがプラークと言って粥状に血管壁にかたまりを作っている状態です。プラークが破綻すると、急速に血小板や凝固因子などが活性化され血栓が出来て、その場で血管が詰まってしまったり、血栓が末梢の血管を閉塞させたりします。 梗塞や閉塞に陥った血管から先の血流が途絶え、脳の神経細胞に栄養分と酸素が行き渡らなくなった場所の神経機能が失われる症状、神経脱落症状が突然発症します。 アテローム血栓性脳梗塞の場合は、比較的太い血管が閉塞することが多く、半身麻痺、視力低下、眩暈、嘔吐、意識障害、ろれつ障害、言語障害、顔面麻痺、などの神経脱落症状が出現することが多いです。ラクナ梗塞が、主に高血圧症が原因で細い血管に起こり、症状が軽微であることが多いのとは対照的です。 心原性脳塞栓症 心原性脳塞栓症(しんげんせいのうそくせんしょう)とは、心臓の中の血栓が原因となり、脳の血管を詰まらせて起こる脳梗塞です。原因は心房細動(しんぼうさいどう)という不整脈が主な原因です。心原性脳塞栓症は重症な脳梗塞になることが多く予防が大変重要です。 心原性脳塞栓症の診断 心房細動という不整脈があると、心臓の中の左心房という場所に血液の滞りが続き、血液の塊、血栓が出来やすくなります。なぜなら血液は、出血に備えて流れていないと固まるといった、凝固する性質をもともと持っているからです。 心臓に出来た血栓は、左心房、左心室、大動脈、総頚動脈、内頚動脈と、血管の中を流れていき、脳の血管まで辿り着き、最終的に脳の血管に詰まると脳梗塞に至ります。 小指の爪くらいの大きさの血栓であっても脳の半分の血管が一本詰まってしまうくらい、重症な脳梗塞になってしまいます。重症な脳梗塞とは、2割は命が助からず救急車で運ばれてすぐに最善の治療をしても、2割は寝たきりか要介護の状態に、5割の患者さんは何らかの後遺症が残ってしまいます。 通常の社会生活に復帰出来る場合はほんとわずかです。ですので、なんとしても脳梗塞が起こすのを防ぐことが重要です。これが心房細動を放置してはいけない理由です。心原性脳塞栓症を疑うような神経脱落症状が突然発症している場合には、脳卒中を疑い速やかに頭部画像検査を行います。 脳梗塞の検査 脳梗塞が疑われた場合、早急に治療を開始するために迅速な検査・診断が必要となります。 CTやMRIを用いて梗塞や出血の有無を確認し、どのタイプの脳梗塞かを調べるなど、頭部の血管の様子を立体画像化するMRA(磁気共鳴血管造影)で、動脈の硬化が進行して細くなってしまった血管や動脈瘤の様子を調べます。 また、脳の血流の分布を画像で示し、障害が起きている部分を観察する脳血流検査や、カテーテルから造影剤を入れて検査する脳血管造影検査も行います。その他に、心臓の検査(心房細動の有無を調べる心電図検査、血栓がないかを調べる心臓超音波検査)や、脳梗塞のリスク要因を確かめる為に血液検査も必要に応じて行われます。 まずは、出血なのか梗塞なのか、どちらでもないのかが重要ですので、頭部CTにて脳出血、くも膜下出血を検出します。心原性脳塞栓症は広大な範囲の梗塞巣を来すことが多く、大脳半球に大きな早期虚血所見(Early CT signs)を認めることもあります。 心原性脳塞栓症発症後の自然再開通を起こした例では、一定時間梗塞や虚血に陥った脆弱な血管が破綻し、出血性梗塞(Hemorrhagic infarction)を起こしていることも珍しくなく、心原性脳塞栓症を疑うCT所見が必要です。 頭部CTの次に頭部MRIを撮影します。頭部MRI、特に拡散強調画像(Diffusion weighted image: DWI)は発症早期の脳梗塞も検出可能とされています。T2*強調画像(T2 Star weighted image: T2 Star)では微小出血も含めた出血病変の検出も可能なので、 施設によってはCTをスキップしてMRIで最初に検査をするところもあります。脳卒中の原因、病型診断の精査のために、通常、MR血管画像(Magnetic resonance angiography: MRA)、凝固や線溶マーカーも含めた採血検査も行われます。 心原性脳塞栓症を疑った場合には、塞栓子となった血栓がどこから飛んできたのか塞栓源の検索をすることが重要で、頸動脈エコー、心エコー、心電図、必要があればホルター心電図や経食道心エコー(Trans esophageal echocardiography: TEE)、明らかな塞栓源が見当たらない場合は、アテローム血栓性脳梗塞として治療を開始することも少なくありません。 また逆に、アテローム血栓性脳梗塞として治療していた所、発作性心房細動や左心房内に血栓が見付かり、心原性脳塞栓症の治療に切り替えることも少なくありません。 原因によって、治療法や予防法が異なりますので、確定診断のために何度も検査を繰り返し行うこともあります。検診等で心房細動と指摘されたことがあるという病歴は非常に重要で、不整脈と言われたことがあるだけではなく、心房細動以外の不整脈なのか、あるいは他の場合の不整脈なのかが極めて重要ですので、不整脈と指摘された場合は合わせてその診断名まで把握しておくことがとても大切です。 脳梗塞の治療法 ラクナ梗塞やアテローム血栓症に対しての治療法は、動脈のように血流がとても速い血管のなかで血栓がつくられるのを防ぐため、抗血小板薬が有用となります。 また、抗血小板薬による薬物治療で十分に改善しない場合、外科治療も行なわれます。頚動脈内皮剥離術(CEA)という手術法によってプラークを除去する方法と、梗塞している血管内にステントを置いて狭窄部分を広げるステント留置術(CAS)があります。 さらに、動脈硬化が発症の大きな原因になるので、メタボリック症候群や喫煙、高血圧などの生活習慣の改善が、再発や症状悪化に対する予防につながると考えられます。 メタボリック症候群の基準 ・腹囲 男性>85㎝、女性>90㎝ ・中性脂肪 150㎎/dl以上 ・HDLコレステロール 男性<40㎎/dl、女性<50㎎/dl ・血圧 収縮期130㎜Hg以上、拡張期85㎜Hg以上 ・血糖 110㎎/dl以上 ▲上記5項目のうち3項目を満たすものをメタボリック症候群と言います。 心原性脳塞栓症(左房内血栓)の原因となる血栓は、静脈にできる血栓と同様に、血流の滞ったところでゆっくりとつくられるので、フィブリンという成分が主体となった血栓を形成します。このような血栓に対する治療は抗凝固薬が有用です。 抗凝固薬の種類として、これまではワルファリンという内服薬が主流でしたが、現在ではNOACsと呼ばれる新しい抗凝固薬が登場してきています。NOACsはワルファリンとは異なり、直接的にトロンビンあるいは第Ⅹa因子を阻害する薬で、副作用として問題になる頭蓋内出血のリスクが低いと考えられています。 また現在では血栓もしくは塞栓を直接溶かすための薬で、2005年から日本でも、脳梗塞発症4.5時間以内に治療可能な患者に対して、アルテプラーゼ(rt-PA)の静脈注射の使用が認められました。 このアルテプラーゼ(rt-PA)を使用することで、詰まった血管をいち早く再開通させ、脳に血液を再び送ることが可能となり、脳梗塞の後遺症の程度が著明に少なくなることが証明されています。 しかし、その効果の反面、脳内出血を生じる危険性も高いために治療を受ける場合は担当医の説明をきちんと聞いて、合併症についても理解した上で、同意をする必要があります。 脳梗塞のリハビリ 神経機能の回復のメカニズムはまだ良く分かっていないこともありますが、少なくとも早期にリハビリテーションを開始すると、機能予後は格段に良くなることがわかっています。 リハビリテーションは体の運動機能の回復だけでなく、社会的・心理的な回復も意味しています。一人ひとりの障害の程度に応じたリハビリテーションを行うことで、その人が行っていた脳梗塞発症前の日常生活にスムーズに戻れるようにしていくことが重要です。 また、リハビリは本人だけでなく、家族や友人などの周りのサポートや理解も重要なポイントとなってきます。 脳梗塞発症・治療開始直後は全身状態が変化しやすく、再度危険な状態になりやすいため、生命維持が優先されます。治療後~14日はベッド上でのリハビリテーションが中心に行われます。ただし、廃用症候群※などを防ぐために、無理のない範囲でベッド周辺でのリハビリテーションを開始します。 ※廃用症候群とは? 寝たきり状態や不活動状態が続くことで、筋肉が萎縮、関節が硬くなり、運動機能が衰えた状態のことを指します。体のさまざまな器官が機能しにくくなり、寝たきりによる床ずれや、起立性低血圧、深部の静脈での血液のかたまりの形成(深部静脈血栓症)、感染症などさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。 急性期を脱して病態や血圧が安定してきた頃には、症状に応じて様々なリハビリテーションが開始されます。基本的には、日常生活を行う上で必要な動作が行えるように運動機能・嚥下機能・高次脳機能などを改善せるリハビリテーションが中心となります。 基本動作の自立 寝返りをうつ、ベッド上で座る、ベッドサイドで立つ、自力で座る、立つ 歩行訓練 バランス獲得、車いすへの移動、杖や歩行器などを用いた歩行練習 応用動作の訓練 作や手芸、その他の作業 日常動作 食事やトイレ、着替え、入浴動作 嚥下・言語機能に関するリハビリ(言語聴覚士が行う)は、まず言語聴覚士による機能の評価、X線透視装置や内視鏡を用いた飲み込みの評価を行っていきます。 次に舌の運動や発声、首回りや肩の筋肉を動かしたり、舌や喉の奥を刺激したりする間接的訓練、その人の機能に応じた食事形態で飲み込みの練習をする直接嚥下訓練などをしていきます。 急性期で鼻や口から管を入れて流動食を流して栄養管理(経管栄養)をしていた人も、これらの訓練を行うことで多くの方は口から食べることができるようになります。 口周りの訓練 発声や舌・口・喉の筋肉を動かす運動 顔周りの訓練 首まわりや肩まわりの筋肉を動かす運動 間接的嚥下訓練 凍らせた綿棒などで喉の奥を刺激するなど 直接的嚥下訓練 ゼリーや水などの食物を用いる飲み込みの練習 機能に応じ発声練習・理解の向上、ゆっくりと話す練習や舌の運動、口まわりのストレッチや状況に応じて文字盤や日常よく使う言葉を書いたカードを用いたコミュニケーションの練習などを行います。 高次脳機能障害を防ぐリハビリでは、注意障害や遂行機能障害、半側空間無視、失認、失行などさまざまな機能評価を行って、まず障害を認識して頂くところから始めていきます。 次に、その人の障害に応じて、日常生活動作を確実にリスクなく行えるにはどのような点に注意すべきか理解を深め、繰り返し同じ行動を反復練習する、メモなどを用いて記憶の曖昧さを補うなどの工夫をしていきます。 ・プリント教材や風船、積木などの物品を用いた訓練 ・繰り返し同じ行動の練習 ・行動の順序を確認する 脳梗塞後の維持期に入ると一度回復した機能も、退院後何もしないでじっとしていると再び機能低下が進みますので、退院後も外来や介護保険を利用したリハビリテーションを続けることは極めて重要であると言われています。 脳梗塞のリハビリの専門家である鍼灸・理学療法士・作業療法士・運動トレーナーなどによる徒手的リハビリも機能維持するうえで大切です。 この記事がご参考になれば幸いです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼脳梗塞の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳梗塞の新たな治療法として大きな可能性を持っています。
投稿日:2024.11.19 -
- 免疫細胞療法
免疫力を高めるサプリが知りたい!どんな栄養素をとればいい? 健康をサポートするアイテムとして「サプリメント」が人気を集めています。もし、飲むだけで免疫力を高められるサプリがあれば、手軽に利用できるので積極的に導入したいと思いませんか? そこで今回は、免疫力を高めるサプリについて解説します。 免疫力を高める栄養素がとれるサプリとは? サプリにもさまざまな種類がありますが、結局のところサプリとは「何らかの栄養に特化した錠剤類」のことです。つまり、免疫力を高めるサプリを探したいのであれば、「免疫力を高める栄養素に特化したサプリ」を見つけることが必要です。 では、どのような栄養素を含むサプリが免疫力を高めるのでしょうか? 免疫力を高目る栄養素 ・タンパク質 ・食物繊維 ・乳酸菌 ・ビタミンA、βカロテン ・ビタミンC ・ビタミンE 上記の栄養素は、免疫細胞や腸内環境に強く影響する栄養素であり、不足すると免疫力を低下させる原因になる可能性があります。 自身の食生活を見直し、日ごろの食生活ではどうしても不足しがちになってしまう栄養素があれば、免疫力を高めるためにも、その栄養素をサプリで補うことをおすすめします。 ・サプリ:何らかの栄養に特化した錠剤類 ・免疫力を高めるサプリ:免疫力を高める栄養素に特化したサプリ 免疫を高めるサプリを利用するときの注意点 免疫力に関係することに限らず、生活にサプリを導入する際に注意するべきなのは「欠乏症」と「過剰症」です。欠乏症は栄養不足による症状で、過剰症はその栄養を過剰摂取した際に起こる症状であり、特にサプリの過剰摂取による過剰症には注意が必要となります。 例えば「亜鉛」が不足すると味覚障害が起きますが、亜鉛を過剰摂取すると「銅」の吸収を阻害する過剰症が発生します。銅の吸収が阻害されて銅の欠乏症を起こしてしまうと、免疫力に関わる「白血球」の数が減少するという状態に陥るのです。 亜鉛が不足して味覚障害になると食事の満足度を下げてしまい、食事の偏りを招く可能性がありますが、サプリ等で過剰摂取すると過剰症で銅の吸収阻害を起こして白血球が不足するというジレンマがあります。 何らかのサプリで特定の栄養を多く摂取する場合には、過剰症となる摂取量を越えないように利用するのが一番です。 安全に免疫力を高めるサプリ以外の方法 サプリには過剰症のリスクがあり、場合によっては免疫力に関わる症状に悩まされる可能性があります。安全に免疫力を高めたいと考えるのであれば「免疫細胞療法」をおすすめします。 免疫細胞療法は副作用の少ない治療法として有名で、自身の血液から採取した免疫細胞を培養して増やしてから体内に戻すので、拒否反応などのリスクが少なく、安全に免疫力を高めることができる方法として注目を集めています。 まとめ・免疫力を高めるサプリが知りたい!どんな栄養素をとればいい 免疫を高めるためにサプリで不足しがちな栄養素を補うことは決して悪くないのですが、可能であれば普通の食事からバランスよく栄養を摂取することをおすすめします。 免疫力を高める方法としては、過剰症などの健康上のリスクが少ない免疫細胞療法もおすすめです。興味がある人は、免疫細胞療法を取り扱う医療機関に問い合わせてみてください。 免疫細胞療法については当院にお問い合わせください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 ▼こちらもご参照ください
投稿日:2024.01.05 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症|膝OA(Osteoarthritis) その原因 変形性膝関節症は症状の改善や悪化を繰り返して、進行していきます。初期の段階では、痛みを取ることが期待できますが、進行すると治療効果を感じなくなるパターンが多いといえます。 変形性膝関節症の原因は1つではなく、原因には様々な理由があります。年齢を重ねることによって、関節の軟骨がすり減ることで起こる「一次性」と靭帯や骨の損傷、半月板損傷などの外傷によって起こる「二次性」があります。膝周囲の筋力低下や、膝にかかる大きな負荷も因子の一つであり、原因の多くは「一次性」の変形性膝関節症です。 その症状 変形性膝関節症の代表的な症状は、膝の痛みです。痛みには個人差がありますが、徐々に時間をかけて症状が進行していきます。 まず初期の症状では、動き始めたとき感じる膝のこわばりや、関節の曲げづらさ、伸ばしづらさなどの自覚症状が現れます。 中期では、しゃがみこむ動作や階段などが痛みで困難になります。関節の内側に炎症が起きると、膝の腫脹、熱感を感じることや、炎症が起きることによって膝に水がたまる(関節水腫)場合もあります。 末期になると、関節軟骨がすり減りほとんどなくなった状態になります。関節の隙間が狭くなり骨と骨が直接ぶつかるようになり、痛みが悪化し日常生活(ADL)にも支障が出てきます。 診断について 膝の痛みの原因を診断するために行う検査は、問診、視診、触診、徒手検査に続き、レントゲン検査があります。必要であれば、MRIや血液検査、関節液の検査なども行います。 変形性膝関節症は、レントゲンの画像から膝の進行程度も診断ができます。一般的に骨の変形や骨棘、関節の隙間の残存などから進行の程度を診断します。レントゲンの撮影は立った状態もしくは寝た状態で行います。 寝た状態で撮影すると関節の隙間が保たれているように見える場合がありますが、立ち上がって膝に体重をかけると関節の隙間が狭くなり、変形性膝関節症の進行の程度が分かりやすくなります。 症状の進行を表す指標 変形性膝関節症の治療を選択するうえで重要になるのが、進行の程度を示唆するgrade(グレード)という指標です。grade1が予備軍、grade2が初期、grade3が進行期、grade4が末期と評価されます。患者さんの膝状態、症状よって異なりますが、一般的にgrade3以上が手術適応の目安です。 変形性膝関節症の重症度を評価するための基準に、いくつか種類がありますが、いずれもレントゲン撮影を用いて評価します。その中で最も一般的な分類はKellgren-Laurence分類というものがあります。Kellgren-Laurence分類は主に関節軟骨の減少度合いと骨棘の程度で重症度を4段階に分類したものです。 grade1 予備軍 grade2 初期 grade3 進行期 手術適応 grade4 末期 分かりやすく解説すると、レントゲン写真から膝関節の状態を把握するとともに、膝関節の裂隙の狭小化の程度を判定し、それを元に重症度合いを分類するものです。関節には関節軟骨があり、関節軟骨のすり減りは症状の悪化を意味します。 変形性膝関節症は軟骨がすり減って起こる疾患ですが半月板や靭帯に異常があるかどうかも調べる必要があります。他にも膝に水がたまる関節水腫の有無は、膝の状態を判断するために必要な情報です。 またレントゲン検査の結果、関節の変形がみられなかったとしても、患者さんの症状が強い場合は、変形性膝関節症とは別の疾患の可能性を考慮し、磁気を用いたMRI検査をします。MRI検査では、レントゲンには写らない情報を得ることができます。 変形性膝関節症との鑑別に必要な疾患は、腫瘍、感染症、関節リウマチ、特発性膝関節骨壊死症などがあります。いずれも、膝に痛み、腫れなどの症状が現れることがある疾患です。 血液検査では必要に応じて注射器を使い、血液を採取して検査を行います。変形性膝関節症との別の疾患が疑われる場合に有用です。 また、JKOMやVASスケールといった評価を行って検査をすることもあります。これは、膝の痛みをかかえている患者さんが、日常のなかでどんな時に症状に困っているかを数値化し評価する方法です。膝の進行程度を把握するために役立ちます。 触診では、患部に直接触れて、痛みを感じるかの有無、膝に水がたまっているか、膝の曲げ伸ばしに制限はないかなどの確認を行います。 変形性膝関節症の治療法 変形性膝関節症の治療は、手術をしない保存療法と手術療法に分けられます。 保存療法 保存療法として、炎症や痛みを抑えるための運動療法、装具療法、薬物療法などがあります。擦り減った関節軟骨、関節裂隙の狭小化や骨棘形成は元に戻らないため、いかに痛みや進行を抑えるかが大切です。 運動療法 運動療法では、太ももの筋肉である大腿四頭筋の強化訓練と、膝関節ROM訓練を行うことも大切です。筋力強化は予防にも適しています。関節に痛みがあると活動に制限がかかり、その結果筋力低下や関節可動域に影響します。そして膝は不安定となり、軟骨の摩耗が進行し、さらに痛みが増強するといった症状が現れます。 装具療法 装具療法では、杖、サポーター、ニーブレース、足底板があります。O脚の患者さんには足の外側を高くする足底板を装着する方法があります。装具療法は補助的な治療法で下肢の変形が強い患者さんには、変形した下肢の状態に応じて装具を使ってアライメントの調整を行います。 薬物療法 薬物療法では、消炎鎮痛剤(内服薬や貼布剤)とヒアルロン酸注射が、最も多く用いられています。しかし、患者さん全員の痛みや症状が必ず改善するわけではありません。炎症や痛みに関して、消炎鎮痛剤では改善できない症状も存在することが明らかになっています。 痛みの多くの原因は、すり減った関節軟骨が刺激を受けて起きた炎症なので、まず消炎鎮痛薬の処方や注射などを行って、炎症に直接アプローチしていきます。NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)などが最も一般的に使用されます。代表的なものとしてはロキソニン、ボルタレンなどがあります。 効果の目的としては、原因となる炎症を抑制することです。NSAIDsは抗炎症に優れ、効果に期待できますが、長期の服用は副作用の可能性も否定できません。一定の期間服用を続けても効果が期待できない場合、トラムセットなど、やや強めの鎮痛薬を処方することもあります。 ヒアルロン酸注射の治療の目的としては、膝関節の潤滑があります。ヒアルロン酸はもともと、膝関節にある滑膜から分泌される関節内を満たす関節液に含まれている成分で、膝の滑らかな活動を助ける役割をしています。 変形性膝関節症になるとヒアルロン酸は減少し、次第に膝の活動を悪くさせ動かしにくくなります。膝関節を構成する大腿骨、脛骨、膝蓋骨といった骨同士がぶつかることで痛みが現れたり、関節内で音が鳴ることがあります。これを改善する目的としては、膝関節内にヒアルロン酸を直接注入することが一般的です。 膝関節の痛みが強かったり、関節に水が溜まる関節水腫がみられる場合、ヒアルロン酸では効果が得られないこともあります。このような症状では、強い抗炎や鎮痛作用があるステロイド注射を施すことがあります。 ステロイドは、副腎から生成された副腎皮質ホルモンという物質で、この成分と似た薬剤が、注射に使用されるのです。ステロイドは適切な管理のもとで施されているので、過度な心配は必要ありません。ですが、ヒアルロン酸より強い効果の薬剤ではあるので、医師の指示のもと適切な説明と使用量が必要です。 手術療法 手術療法では、適応となる手術に、関節鏡視下手術、骨切り術、人工膝関節置換術の3種類があります。 変形性膝関節症手術の種類 ・関節鏡視下手術 ・骨切り術 ・人工膝関節置換術 変形性膝関節症になると、関節軟骨の損傷やすり減りによって生じた欠片により、関節内の状態が悪化していきます。関節内を整えるために関節鏡視下手術が行われることがあります。 この術式は、膝に小さな穴を開け内視鏡という器具を挿入し、損傷した関節軟骨片を取り除く手術方法です。膝の状態が早期であれば効果が見込めますが、膝の進行度合いに伴って、効果に期待ができない場合があります。 O脚、X脚が進行した状態に適応となる骨切り術では、高位脛骨骨切り術や大腿骨遠位骨切り術があります。脛骨の上部、大腿骨の低い位置を切って膝関節で骨と骨が合わさる角度に調節を施し、アライメントを整える手術方法です。 自分自身の関節を残存させることができるため、スポーツや重労働などを希望される患者さんにはよく施行されます。術後にリハビリが必要となりますが、固定に使った金属を除去してしまえば活動に制限はありません。そのため、年齢の若い方、積極的に膝を使う活動性の高い方に特に勧められる手術方法です。 末期の状態であれば上記の手術は適応できず、一般的には膝関節を人工物に取り換える人工膝関節置換術が選択されます。人工膝関節置換術を受けた件数は年間約11万件以上、その中で80%以上が変形性膝関節症の治療として行われています。 単顆置換術(Unicompartmental Knee Arthroplasty:UKA)と全置換術 (Total Knee Arthroplasty:TKA)の2種類があります。それぞれ損傷した骨の範囲によって選択が変わります。損傷部位が片側の場合、かつ靭帯損傷がない場合は単顆置換術(UKA)が、全体の損傷と靭帯損傷もしている場合は全置換術(TKA)が適応です。痛みが改善した状態で日常生活を行えるようになることから満足度の高い手術です。 手術方法として、単顆置換術(UKA)で約10cm、全置換術(TKA)であれば15〜20cmほど膝を切開して行います。いずれの術式も、切開後の流れとしてはほぼ同じであり、損傷した骨を削って形を整えながら、インプラント(人工器具)の関節を設置します。 セメント固定する方法とセメントを使わない方法があります。人工関節は人工物であるため、耐用年数があり、再置換(再手術)が必要になる場合もあります。また、感染症も再置換となる原因の一つです。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
投稿日:2024.11.19 -
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運送業で膝痛になるのは長時間の運転が原因か?その改善方法について ネット化が進む昨今、ネット配達数も増え、それに伴い運送業も多忙化しています。 そして、運送業で働く人の中には、膝痛に悩まされている人もいるのではないでしょうか? 今回は、運送業で膝痛になる原因や改善方法について紹介します。 運送業と膝痛の関係は? 運送業で働く人は、重い荷物の上げ下ろしはもちろんのこと、場合によっては長時間、同じ姿勢で運転を強いられることがあります。 長時間の運転は、重い荷物の運搬によりも膝の関節に負担がかかり、関節の損傷や軟骨のすり減りを招くと言われています。また運送業の人の場合、長時間の同じ姿勢が筋肉の固まりを引き起こし、筋肉のコリとなるので、膝痛を発症することもあるのです。 さらに、運送業というお仕事では、事故を起こさないように…という心理的なストレスが自律神経を緊張させ、より筋肉や血管を硬くしてしまい、血流が悪くなることもあります。 結果、膝痛などの関節の痛みにつながってしまいます。 運送業で膝痛にならないようにするには? 運送業という職業は、膝痛になりやすい職業の1つであると言えますが、予防法はあります。 まず、荷物の上げ下ろしをするときは、しっかりとしゃがんで全身の力を使い、荷物を運ぶようにしましょう。 また、こまめにストレッチやマッサージをするのが膝痛の改善に有効な場合もあります。 さらには、サポーターやテーピングを用いて膝関節を補強、固定するのも良いでしょう。 運送業で膝痛になったら医療機関を受診しよう! 運送業で、膝痛になってしまったという場合、マッサージやサポーターなどのセルフケアで症状が治まればよいですが、もし膝痛が続く場合は、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。 医療機関を受診して関節の変形や軟骨のすり減りが一定以上進んでしまっていた場合は、骨切り術や人工関節置換術のような外科的手段を取る必要がある場合もあります。 また、再生医療も治療の選択肢とすることもできます。 再生医療は、自身の細胞を用いて関節破壊や損傷を修復し、症状の進行を抑える新しい治療法で、近年大きな注目を集めています。 自身の細胞を使用するため、拒絶反応などのリスクも少なく、手術よりも体への負担が軽いというメリットがあります。 まとめ・運送業で膝痛になるのは長時間の運転が原因か?その改善方法について 運送業における膝痛は、荷物の運搬や長時間同じ姿勢を強要される運転などが原因と考えられます。 マッサージやストレッチ、サポーターやテーピングでの補強が有効な場合もありますが、正しいやり方を知るため、また、症状を悪化させないためにも早めの受診をおススメします。 監修:リペアセルクリニック大阪院
投稿日:2024.11.19 -
- 免疫細胞療法
「免疫細胞療法」で簡単に免疫力を上げる方法の魅力を徹底解説 簡単に免疫力を上げる方法があれば、誰もが利用してみたいと思うのではないでしょうか? 今回は、簡単に免疫力を上げる方法の1つとして注目されている「免疫細胞療法」の魅力について解説します。 こちらもご参照ください 簡単に免疫力を上げるとは? 免疫力低下の原因を取り除くことには限界があります。 そして、免疫力を低下させる要因は、生活の中のさまざまな所に隠れています。 ・ストレスを溜めこんでいる ・睡眠不足 ・運動不足 ・過度な運動 ・喫煙や飲酒 ・栄養不足や偏った食生活 これらの原因を特定し、改善することで免疫力の向上(低下の改善)を見込めますが、これにはどうしても限界があると思う人も多いのではないでしょうか。 また、病気や治療薬の影響で免疫力が低下している場合、原因を取り除くことが困難なケースも珍しくありません。 免疫細胞療法で免疫を上げる 積極的に免疫力を高める方法としておすすめしたいのが「免疫細胞療法」です。 免疫細胞療法は「NK細胞(自然免疫に関わる免疫細胞)」などを本人の血液から取り出し、培養して数を増やす+活性化させてから点滴で本人の体内に戻す治療法です。免疫細胞を短期間で大幅に増やすことができる治療法であり、数が増えて活性化した免疫細胞はそれまで以上に病原体などの異物への攻撃力を高めることができます。 そして、この免疫細胞療法は、簡単に免疫力を上げる方法であるということができます。 免疫細胞療法は「がん」に対する効果も期待できる! 免疫細胞療法は「がん」に対しても効果が期待できると注目されています。 免疫細胞は、日常的に発生し増殖しようとする「がん細胞」を攻撃し、その増殖によるがんの発症を抑えているという側面もあります。簡単に免疫力を上げる方法である免疫細胞療法により免疫機能を強化することで、がん細胞の増殖を抑える機能を強化できるのです。 今まで、がん治療は「手術」「放射線」「抗がん剤」といった治療法がありましたが、副作用や体への負担が大きいことがどうしてもネックでした。免疫細胞療法は副作用や体への負担が少ない治療方法となっており、低負担の「新しいがん治療」としても注目されているのです。 まとめ 免疫細胞療法は血液から免疫細胞を取り出して数を増やし、体内に戻すことで簡単に免疫力を上げる方法であると言えます。 その特性上、副作用のリスクが少なく、手術のような体への負担が大きくかかることもない、利用のハードルが低い治療法として注目されています。免疫力を高めることは風邪などの病気のリスクを抑えるだけでなく、がんの予防や再発予防にも関わることが知られており、免疫細胞療法はがん治療の新しい選択肢としても注目されています。 免疫力の低下が気になっているという人は、生活習慣を見直すだけでなく、免疫細胞療法による積極的な免疫力向上を図るという選択肢も考慮してみてはいかがでしょうか。
投稿日:2024.11.19