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ズキズキと刺すような痛みと、透明な液体が詰まった赤い発疹を伴う症状が出る。 実はこれ、誰でも発症する可能性のある帯状疱疹かもしれません。 本稿では、帯状疱疹がなぜ起こり、どんな症状が出るのか、治療法、そして予防に有効なワクチン情報まで、詳しく解説します。 もしかして、今の体の不調は帯状疱疹の初期症状かも? 少しでも気になる方は、ぜひ読み進めてみてください。 帯状疱疹の症状と原因を詳しく解説 帯状疱疹は、ズキズキと刺すような痛みと、透明な液体が詰まった赤い発疹を伴う症状が現れる病気です。 特徴的なのは、体の左右どちらか一方にのみ現れる発疹です。 実は、幼少期に感染した水ぼうそうの原因ウイルスは体内に残り、誰にでも起こりうる身近な病気とも言えます。 今回は、帯状疱疹の症状や原因、そして病気の経過について、わかりやすく解説していきます。 帯状疱疹とは? 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされます。 このウイルスは、実は小児期の水疱瘡の原因となるウイルスと同じものなのです。 初感染時には水ぼうそうとして発症しますが、治癒した後もウイルスは神経節と呼ばれる神経細胞の集まりに潜伏し続けます。 このウイルスは通常、人体の免疫システムによって抑制された状態で体内に留まっていますが、加齢や過労、ストレスなどによって免疫力が低下すると、休眠状態だったウイルスが再び活動を始め、帯状疱疹の症状として現れてきます。 VZVはアルファヘルペスウイルスというグループに属し、単純ヘルペスウイルスと同様に、一度感染すると体内に潜伏し続けるという特徴を持っています。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 帯状疱疹の初期症状 帯状疱疹の初期症状は、実にさまざまです。 そのため、他の病気と見分けにくく、診断が遅れてしまうケースも少なくありません。 初期には、風邪に似ただるさや頭痛、微熱といった全身症状が現れることがあります。 また、皮膚症状が現れる数日前から、ピリピリとした痛みやしびれ、かゆみといった皮膚の違和感を感じることもあります。 こうした症状は、ウイルスによって神経に炎症が生じることで起こります。 しかし、これらの初期症状は個人差が大きく、必ずしも全員が同じような症状が出るわけではありません。 例えば、皮膚症状が出る前に強い痛みを感じる人もいれば、全く痛みを感じない人もいます。 重要なのは、これらの初期症状に注意を払い、少しでも異変を感じたら早めに医療機関を受診することです。 帯状疱疹の特徴的な症状:ピリピリとした痛みと赤い発疹 帯状疱疹の最も特徴的な症状は、なんといってもピリピリとした痛みと赤い発疹です。 痛みは、発疹が現れる数日前から始まることもあり、ヒリヒリ、シクシクなど、痛みの感じ方は人それぞれです。 痛みの程度も個人差が大きく、軽い痛みで済む人もいれば、激痛に苦しむ人もいます。 赤い発疹は、小さな水ぶくれが集まったもので、神経に沿うような帯のような形で出現してきます。 この水ぶくれは、次第にかさぶたになり、おおよそ2~3週間程度で完治に向かいます。 しかし、皮膚の症状が治まった後も、痛みが続く場合があります。 これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれる合併症で、この症状は、とりわけお年を召した方に発生する傾向が確認されています。 帯状疱疹の症状の経過と回復までの期間 帯状疱疹の症状は、一般的に2~4週間で治まります。 最初は赤い水疱が現れ始め、かさぶたになって治っていきます。 しかし、前述のように、痛みは発疹が治った後も残ることがあります。 この帯状疱疹後神経痛は、数か月、数年と長引くことも報告されており、生活の質を著しく低下させる可能性があります。 年齢が高い方や免疫が弱っている方については、この病気にかかりやすいだけではなく、その後の神経痛に悩まされる可能性も増加します。 できるだけ早い段階で治療を始めることによって、そのような症状が残るリスクを抑制できることもあり、早期発見・早期治療が重要です。 帯状疱疹の原因:水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化 帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化が原因で起こります。 幼少期に水疱瘡を経験したことのある方は、このVZVが体内の神経節に潜伏しています。 加齢、疲労、ストレス、病気などによって免疫力が低下すると、VZVが再び活性化し、帯状疱疹を発症します。 免疫力の低下は、VZVの再活性化の主要な引き金となります。 高齢者や免疫抑制剤を使用している人、あるいは持病がある人は、特に注意が必要です。 VZVの再活性化は、神経に沿って炎症を引き起こし、独特の痛みと共に、皮膚に吹き出物が現れるのが特徴です。 帯状疱疹の発生率は、年齢とともに増加することが知られており、特に50歳以上で急増します。 帯状疱疹の治療法と後遺症 帯状疱疹は、体の片側にピリピリとした痛みと赤い発疹が現れる病気です。 早期に適切な治療を行うことで、症状を迅速に和らげ、合併症の危険性も軽減できます。 少しでも気になる症状があれば、ためらわずに医療機関を受診しましょう。 帯状疱疹の治療薬:抗ウイルス薬 帯状疱疹の治療の要となるのは、抗ウイルス薬です。 この薬は、帯状疱疹の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑えることで、皮膚の症状を早く治し、神経の痛みなどの合併症を防ぐ働きがあります。 抗ウイルス薬には、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなどがあり、一般的には内服薬として処方されます。 それぞれのお薬の働きをシンプルにご説明いたします。 アシクロビル:アシクロビルは帯状疱疹治療の基本となる薬ですが、1日5回服用する必要があります。 バラシクロビル:バラシクロビルはアシクロビルに比べて1日の服用回数が少なく、飲み忘れを防ぎやすいという利点があります。 ファムシクロビル:ファムシクロビルは1日2~3回服用し、食事の影響を受けにくいという特徴があります。 どの薬が患者さんに最適かは、現在の状態や他の疾患の有無、年齢などを考慮して医師が判断します。 自己判断で薬の服用を中止したり、服用量を変えたりすることは大変危険ですので、絶対にしないでください。 医師の指示に従って正しく服用することが重要です。 発疹出現後72時間以内に抗ウイルス療法を開始することで、症状の悪化や併発症の危険性を抑えられることが示されています。 帯状疱疹の痛みを抑える薬 帯状疱疹では、発疹に伴い、強い痛みを感じる方が多くいらっしゃいます。 このような痛みは、ウイルスが神経を刺激して炎症が発生することにより生じます。 痛みを和らげるために、鎮痛薬が使用されます。 鎮痛薬には、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などがあります。 これらの薬は、痛みや炎症を抑える効果があります。 痛みが強い場合には、神経障害性疼痛治療薬と呼ばれる種類の薬が処方されることもあります。 神経障害性疼痛治療薬は、神経の損傷によって生じる痛みを特異的に抑える薬です。 適切な鎮痛薬を選ぶことで、日常生活における痛みを軽減し、より快適に過ごせるようになります。 痛みの強さと性質を考慮して、医師が適切な薬剤を選択し、処方しますので、ご安心ください。 ▼痛み止めどれがいい?併せてお読みください。 帯状疱疹の治療期間 帯状疱疹の治療期間は、症状の重さや個人差によって異なりますが、通常は2~4週間程度です。 抗ウイルス薬は、発疹が出てから72時間以内に服用を開始すると最も効果的です。 できるだけ早い段階で治療を始めることにより、症状の悪化や後遺症のリスクを減らすことができます。 治療期間中は、医師の指示に従って薬をきちんと服用し、患部を清潔に保つことが大切です。 また、十分な休息と栄養を摂ることも、早期回復に繋がります。 帯状疱疹の合併症:帯状疱疹後神経痛 帯状疱疹の合併症として最も注意すべきなのは、帯状疱疹後神経痛(PHN)です。 この症状は、帯状疱疹そのものが完治した後でも痛みが残る症状のことで、お年寄りや抵抗力が弱っている患者さんに発症することが多いとされています。 帯状疱疹後神経痛は、日常生活の質が大きく損なわれる可能性があり、適切な治療と管理が必要です。 帯状疱疹後神経痛の症状と治療法 帯状疱疹後神経痛の症状は、ピリピリ、シクシクする痛み、焼けつくような痛みなど、人によって様々です。服が軽く当たっただけでも痛みが生じたり、夜も眠れないほどの強い痛みが出ることもあります。 治療には、鎮痛薬、神経障害性疼痛治療薬、抗うつ薬、抗けいれん薬などが用いられます。 また、塗り薬や神経ブロック注射、リハビリテーションなども有効な場合があります。 痛みが長引く場合は、ペインクリニックなどの専門医療機関への受診も検討しましょう。 帯状疱疹後神経痛は、QOL(生活の質)に大きな影響を与える可能性があります。 日常生活に支障が出るほどの痛みがある場合は、我慢せずに医師に相談し、適切な治療を受けることが重要です。 帯状疱疹ワクチンの種類と効果 帯状疱疹は、ビリビリ、シクシクする痛みと赤みを帯びた発疹が主な特徴となる病気です。 50歳を過ぎると発症リスクが急激に上がり、80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。 帯状疱疹後神経痛といった後遺症に悩まされる方も少なくありません。 帯状疱疹はワクチンで予防できることをご存知ですか? ワクチン接種によって発症リスクや重症化リスクを大幅に下げることができますので、ぜひワクチンについて知っていただきたいと思います。 帯状疱疹ワクチンの種類:生ワクチンと不活化ワクチン 帯状疱疹ワクチンには、大きく分けて「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。 それぞれの特徴を理解し、あなたの状態に適したワクチンを選ぶことが大切です。 ワクチン種類 特徴 効果 副反応 対象年齢 生ワクチン 毒性を弱めた生きたウイルスを使用 帯状疱疹の発症予防効果は約50% 注射部位の痛み、発赤、腫れ 50歳以上 不活化ワクチン ウイルスの一部または不活化したウイルスを使用 帯状疱疹の発症予防効果は約90%、帯状疱疹後神経痛の発症予防効果も高い 注射部位の痛み、発赤、腫れ、頭痛、疲労 50歳以上 生ワクチンは、毒性を弱めた水痘・帯状疱疹ウイルスを接種することで、体内に免疫を作り出す仕組みです。 水疱瘡の感染予防としても活用されています。不活化ワクチンは、ウイルスの抗原となる一部を接種することで免疫を獲得させます。 ウイルスは不活化されているため、生ワクチンに比べて安全性が高い一方、免疫反応を高めるために、複数回の接種が必要となる場合があります。 帯状疱疹ワクチンの効果と持続期間 帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹を発症する確率を下げることができます。 生ワクチンの場合、その効果は約50%で、効果の持続期間は5年程度です。 つまり、接種後5年経過すると、この病気を防ぐ効果が次第に低下し、再び発症リスクが高まる可能性があります。 一方、不活化ワクチンの場合、90歳以上の方でも約90%の高い発症予防効果があり、後遺症として生じる神経痛の危険性も軽減できます。 その効果は少なくとも10年間持続すると考えられており、より長期的な予防効果が期待できます。 2018年から利用可能な不活化サブユニットワクチンは、有効性が高く、比較的忍容性も良好です。 帯状疱疹ワクチンの副反応 帯状疱疹ワクチン接種後に起こりうる副反応として、注射部位の痛み、発赤、腫れなどの局所反応が挙げられます。 これらの症状は、ワクチン接種による免疫反応の一環として現れるものであり、通常は数日以内に軽快します。 その他、頭痛や疲労感、発熱などの全身症状が現れる場合もありますが、多くは一時的なものです。 重篤な副反応はまれですが、アナフィラキシーショックなどのアレルギー反応が起こる可能性もゼロではありません。 気になる症状が出た場合は、速やかに医師に相談しましょう。 帯状疱疹ワクチンの接種費用と接種場所 帯状疱疹ワクチンの接種費用は、医療機関によって異なりますが、おおよそ1回あたり20,000円程度です(不活化ワクチン2回接種の場合の合計は40,000円程度)。 多くの自治体で助成制度が設けられており、自己負担額が軽減される場合がありますので、お住まいの自治体にお問い合わせください。 接種は、医療機関やワクチン接種会場で受けられます。 かかりつけ医に相談するか、自治体のホームページなどで接種可能な医療機関を検索できます。 帯状疱疹ワクチンの接種対象者 帯状疱疹ワクチンは、50歳以上の方を対象に接種が推奨されています。 とりわけ、お年を召した方や抵抗力が弱っている人は、帯状疱疹を発症すると重症化しやすい傾向があるため、ワクチン接種が重要です。 ただし、妊娠中の方、免疫不全の方、水痘ワクチン接種後8週間以内の方などは接種できない場合があります。 特定の疾患をお持ちの方は、接種前に医師に相談する必要があります。 生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Ehrenstein B. "[Diagnosis, treatment and prophylaxis of herpes zoster]." Zeitschrift fur Rheumatologie 79, no. 10 (2020): 1009-1017. Arvin AM. "Varicella-zoster virus." Clinical microbiology reviews 9, no. 3 (1996): 361-81. 監修医師 リペアセルクリニック 内科専門医 渡久地 政尚
2025.02.12 -
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つらい痛み、我慢していませんか? 日常生活を脅かす頭痛、生理痛、神経痛など、痛みは種類も程度も人それぞれ。 市販の痛み止めを飲んでみたけれど効かない、、そんな経験はありませんか? 実は痛み止めには様々な種類があり、その効果や副作用、適切な使い分けを知ることが、痛みを効果的に管理する鍵となります。 この記事では、NSAIDsなどの代表的な痛み止めの種類や効果から、副作用、多剤併用鎮痛法といった一歩進んだ知識まで、医師がわかりやすく解説します。 自分にぴったりの痛み止め選び、そして痛みと賢く付き合う方法を、一緒に探ってみましょう。 痛み止めの種類と効果を知る5つのポイント 痛みは、私たちにとって非常に不快な感覚であり、日常生活に大きな影響を与えます。 痛みを我慢することは、身体的にも精神的にも負担が大きく、生活の質を低下させる可能性があります。 そこで今回は、様々な痛みを和らげる「痛み止め」の種類と効果について、内科専門医がわかりやすく解説します。 年齢や痛みの種類によって適切な薬は異なりますので、この情報を参考に、ご自身に合った痛み止め選びのヒントとして役立ててください。 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の特徴と効果 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)は、炎症を抑え、痛みや熱を和らげる効果があります。 「非ステロイド性」とは、ステロイド系の薬ではないことを意味しています。 ステロイド系の薬は強力な抗炎症作用がありますが、副作用も多いため、NSAIDsは比較的安全に使用できる痛み止めとして広く使われています。 よく耳にする「ロキソニン」や「ボルタレン」も、このNSAIDsの一種です。こ れらの薬は、炎症を起こしている部分に直接作用することで、痛みや腫れ、熱といった症状を改善します。 例えば、ねんざをして足首が腫れて熱を持っている時、NSAIDsを服用すると、炎症が抑えられ、痛みや腫れ、熱が引いていくのです。 薬の名前 効果 注意点 ロキソニン 筋肉痛、関節痛などに効果を発揮します。 腎障害や脳浮腫のリスクがあります。特に、若年者で運動前に服用すると、これらのリスクが高まる可能性があるので注意が必要です。 ボルタレン 激しい痛みや怪我、捻挫、骨折など急性期の痛みに効果を発揮します。 長期間の使用は胃腸への負担となることがあります。 セレコックス 胃腸への負担が少ない 他のNSAIDsと比べて高価な場合があります。 アセトアミノフェンの特徴と効果 アセトアミノフェンは、比較的副作用が少なく、安全性が高い痛み止めとして知られています。 解熱効果もあるので、風邪などで熱がある時にもよく使われます。「カロナール」という名前で市販されている薬が代表的です。 アセトアミノフェンは、NSAIDsのように炎症を抑える効果は弱いため、強い炎症を伴う痛みにはあまり効果がありません。 しかし、安全性が高いため、子供や高齢者、妊娠中・授乳中の方にも使用できる場合があります。 オピオイド鎮痛薬の特徴と効果 オピオイド鎮痛薬は、他の痛み止めでは効かないような強い痛みに対して使われる、非常に強力な鎮痛薬です。 手術後の痛みや、がんによる痛みなど、激しい痛みに対して効果を発揮します。 しかし、依存性や副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。 「トラムセット」のように、アセトアミノフェンとオピオイドを組み合わせた薬もあります。 オピオイド鎮痛薬は、多剤併用鎮痛法の一環として使用されることもあり、パラセタモール(アセトアミノフェンの別名)との併用で相加的または相乗的な効果を発揮し、鎮痛効果を高め、副作用を軽減する可能性が示唆されています。 その他の鎮痛薬(抗うつ薬、抗てんかん薬など) 実は、抗うつ薬や抗てんかん薬といった薬も、特定の痛みに効果を発揮することがあります。 神経痛など、他の痛み止めでは効果が得られないような慢性的な痛みを抱えている方は、医師に相談してみましょう。 これらの薬は、本来の目的とは異なる用途で使用されるため、「適応外使用」と呼ばれます。 痛み止めが効かない時:多剤併用鎮痛法とは 痛みがなかなか取れない、そんな時もあるかもしれません。 痛みの種類や程度、原因は人それぞれ異なるため、一つの痛み止めだけでは効果が不十分な場合があります。 そこで、複数の種類の薬を組み合わせて使う「多剤併用鎮痛法」という方法があります。 それぞれの薬が異なるメカニズムで痛みを抑えるため、単剤よりも高い鎮痛効果が期待できる一方で、薬物相互作用や副作用のリスクも考慮する必要があります。 例えば、NSAIDsとアセトアミノフェンを併用することで、より強い鎮痛効果が得られる場合があります。 また、オピオイド鎮痛薬を使用する場合、パラセタモールとの併用は、オピオイド鎮痛薬の量を減らすことができ、副作用軽減につながる可能性があります。多 剤併用鎮痛法は、特に高齢者で合併症や併用薬が多い場合に、そのメリットが大きくなります。 痛み止めの副作用と注意点6選 痛み止めは、つらい痛みを和らげてくれる頼もしい存在ですが、一方で副作用も存在します。 安全に服用するためには、どのような副作用が起こりうるのか、どのような点に注意すべきなのかを事前に理解しておくことが重要です。 この章では、痛み止めの副作用や注意点、そして副作用が出たときの対処法について、より詳しく解説します。 自分に合った痛み止めを選び、正しく服用することで、痛みを効果的にコントロールし、快適な生活を送れるようにしましょう。 鎮痛薬の種類別の副作用 痛み止めには様々な種類があり、それぞれに特徴的な副作用があります。それぞれの副作用と、その副作用がなぜ起こるのかを理解しておくことが大切です。 アセトアミノフェン: 比較的安全性が高い薬として知られていますが、過剰に摂取すると肝臓に負担がかかり、肝機能障害を引き起こす可能性があります。 肝臓は、体内の有害物質を解毒する重要な臓器です。アセトアミノフェンも肝臓で代謝されますが、過剰に摂取すると肝臓の処理能力を超えてしまい、肝細胞がダメージを受けてしまうのです。 決められた服用量を厳守し、用法用量を守ることが非常に大切です。 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬): 胃腸障害(吐き気、下痢、胃痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍など)や腎臓への影響(腎機能障害)、まれにですが心血管系への影響(心筋梗塞、脳卒中)などが起こる可能性があります。 NSAIDsは炎症を引き起こす物質の生成を抑えることで効果を発揮しますが、同時に胃腸を守る働きを持つ物質の生成も抑制してしまうため、胃腸障害が起こりやすくなります。 特に、高齢の方や持病のある方は注意が必要です。空腹時の服用を避け、胃腸薬と併用する、あるいはセレコックスのような胃腸への負担が少ないNSAIDsを選択するなどの対策が有効です。 また、腎機能が低下している方は、NSAIDsの服用によって腎機能がさらに悪化する可能性があるため、医師への相談が必要です。 さらに、ロキソニンを運動前に服用すると、腎障害や脳浮腫のリスクを高める可能性があるという報告もあります。これは、運動によって腎血流量が低下している状態でロキソニンを服用すると、腎臓への負担がさらに増大してしまうためと考えられています。 オピオイド鎮痛薬: 便秘、眠気、吐き気などが起こりやすいです。 また、長期間使用すると依存性が生じる可能性があり、さらに、呼吸抑制といった重篤な副作用も起こりえます。 医師の指示に従って服用することが非常に重要です。分娩時の疼痛緩和にもオピオイド鎮痛薬が用いられることがありますが、母体と胎児への影響を考慮して慎重に使用する必要があります。 併用禁忌の薬とその理由 一部の痛み止めは、特定の薬と一緒に服用すると、効果が弱まったり、副作用が強まったり、あるいは予期せぬ重篤な副作用が生じる可能性があります。 例えば、ワーファリンなどの抗凝固薬とNSAIDsを併用すると、出血しやすくなる作用が重なってしまい、出血のリスクが高まる可能性があります。 また、一部の抗うつ薬と特定の痛み止めを併用すると、セロトニン症候群という、精神状態の変化、自律神経系の異常、神経筋の異常を特徴とする重篤な副作用が起こる可能性があります。 服用中の薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 妊娠中・授乳中の服用について 妊娠中や授乳中は、服用できる薬が限られます。胎盤や母乳を通じて薬の成分が胎児や乳児に移行し、影響を与える可能性があるためです。 アセトアミノフェンは、他の鎮痛薬と比較して比較的安全とされていますが、それでも医師や薬剤師に相談してから服用することが推奨されます。 NSAIDsは、妊娠後期に服用すると、胎児の動脈管収縮などを引き起こし、胎児に悪影響を与える可能性があるため、一般的には避けられます。 オピオイド鎮痛薬も、胎児や新生児に影響を与える可能性があります。自己判断で服用せず、必ず医師の指示に従ってください。 分娩時の疼痛緩和には、硬膜外鎮痛法が最も効果的ですが、患者さんの希望や状況によっては、笑気やオピオイド、非オピオイドなどの全身薬物療法が用いられます。 薬剤によって母体や胎児への副作用が異なるため、医師と相談して適切な方法を選択することが重要です。 子供・高齢者の服用時の注意点 子供や高齢者の方は、薬の代謝能力が低下している場合があり、副作用が出やすい傾向があります。 子供には、年齢や体重に合わせた適切な用量を服用させることが重要です。 高齢者も、少量から開始し、様子を見ながら徐々に増量していくなどの配慮が必要です。 また、高齢者は複数の薬を併用している場合が多いため、飲み合わせにも注意が必要です。 アセトアミノフェンは、小児や高齢者にも比較的安全に使用できることが多いですが、それでも用量には注意が必要です。 痛み止めの依存性と対策 オピオイド鎮痛薬は、長期間使用すると依存性が生じる可能性があります。 身体的依存と精神的依存があり、身体的依存は、薬を急にやめると離脱症状(吐き気、嘔吐、下痢、発汗、震えなど)が現れる状態です。 精神的依存は、薬がないと不安になったり、薬を求める気持ちが強くなったりする状態です。 依存性を防ぐためには、医師の指示に従って服用し、自己判断で増量したり、長期間服用したりしないことが重要です。 また、痛みが治まったら、医師の指導の下、徐々に減量していくことが必要です。 副作用が出た場合の対処法 痛み止めを服用して、何か異変を感じたら、すぐに服用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。 自己判断で他の薬を服用したり、症状を我慢したりすることは危険です。適切な対処を受けることで、重篤な事態を防ぐことができます。 自分に合った痛み止めの選び方4つのステップ 痛みは、日常生活を送る上で大きな妨げとなります。 痛みを我慢せず、適切な痛み止めを使用して痛みをコントロールすることは、生活の質を向上させる上で非常に重要です。 しかし、痛み止めにも様々な種類があり、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。 そこで今回は、自分に合った痛み止めを選ぶための4つのステップをご紹介いたします。 痛みの種類(頭痛、生理痛、神経痛など)に合った薬 痛みには、ズキズキとした頭痛、鈍い生理痛、ピリピリとした神経痛など、様々な種類があります。 痛みの種類によって、効果的な痛み止めも異なります。 例えば、頭痛にはアセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販薬が有効ですが、神経痛にはこれらの薬はあまり効かず、プレガバリンやデュロキセチンといった処方薬が必要となることがあります。 医師は、痛みの種類を正確に診断し、最適な薬剤を選択するお手伝いをいたしますので、自己判断で薬を選ぶのではなく、医療機関を受診して適切なアドバイスを受けるようにしてください。 痛みの程度(軽い、中程度、激しい)に合った薬 痛みの程度も、痛み止めの選択において重要な要素です。 軽い痛みであれば、アセトアミノフェンなどの市販薬で十分な場合もありますが、中程度以上の痛みには、より強力な鎮痛効果を持つNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)が必要となることもあります。 激しい痛みには、オピオイド系鎮痛薬が用いられることもありますが、これらは依存性や副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って慎重に使用する必要があります。 痛みの程度を正確に伝えることは、適切な薬剤を選択する上で非常に重要です。 例えば、「我慢できる程度の痛み」や「耐えられないほどの痛み」といった表現ではなく、「10段階でいうとどの程度の痛みか」といった具体的な表現で医師に伝えることで、より的確な診断と治療を受けることができます。 持病や体質に合った薬 持病がある場合や特定の薬にアレルギーがある場合は、痛み止めの選択にさらに注意が必要です。 例えば、胃腸が弱い方は、NSAIDsによって胃腸障害を起こしやすいため、アセトアミノフェンやセレコキシブなど、胃腸への負担が少ない痛み止めを選択する必要があります。 高齢者や腎機能が低下している方は、薬の代謝が遅くなるため、薬の量を調整する必要があります。また、妊娠中や授乳中の場合は、胎児や乳児への影響を考慮して、医師に相談しながら服用する薬を決めることが重要です。 特に、妊娠後期にNSAIDsを服用すると、胎児の動脈管収縮などを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。 分娩時の疼痛緩和には硬膜外鎮痛法が最も効果的ですが、患者さんの希望や状況によっては笑気やオピオイド、非オピオイドなどの全身薬物療法が用いられます。 薬剤によって母体や胎児への副作用が異なるため、医師と相談して適切な方法を選択することが重要です。 市販薬と病院で処方される薬の違い 市販薬と病院で処方される薬は、主成分が同じでも、用量や剤形が異なる場合があります。 市販薬は比較的軽い痛みに対して使用されることが多い一方、病院で処方される薬は、より強い痛みや慢性的な痛みに対して使用されます。 市販薬は手軽に入手できるというメリットがありますが、持病がある場合や複数の薬を服用している場合は、医師の診察を受けて自分に合った薬を処方してもらう方が安全です。 パラセタモールは、単独で使用されることもありますが、他の鎮痛薬、例えばオピオイドと組み合わせて使用されることもあり、その相乗効果で鎮痛効果を高め、副作用を軽減する可能性が示唆されています。 参考文献 Freo U. "Paracetamol for multimodal analgesia." Pain management 12, no. 6 (2022): 737-750. Zuarez-Easton S, Erez O, Zafran N, Carmeli J, Garmi G, Salim R. "Pharmacologic and nonpharmacologic options for pain relief during labor: an expert review." American journal of obstetrics and gynecology 228, no. 5S (2023): S1246-S1259. 監修医師 リペアセルクリニック 内科専門医 渡久地 政尚
2025.02.11 -
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あなたは、気づかないうちに忍び寄る"サイレントキラー"の存在を知っていますか? 実は、日本人の約4人に1人がかかっているにもかかわらず、自覚症状がほとんどないため、放置されがちな高血圧。 2017年のアメリカのガイドライン改訂で、基準値が厳しくなった今、あなたも高血圧予備軍かもしれません。 高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気を引き起こす危険因子。 この記事では、高血圧の定義から合併症、最新の治療法まで、内科専門医がわかりやすく解説します。 ご自身の健康状態を正しく理解し、健康寿命を延ばすための第一歩を踏み出しましょう。 高血圧を理解する:定義と分類、合併症のリスク 高血圧は、知らず知らずのうちに進行し、ある日突然、重大な病気を引き起こす可能性があるため、「サイレントキラー」と呼ばれています。 ご自身の健康状態を理解し、健康管理に役立てていただくために、高血圧の定義や分類、合併症、初期症状、家庭血圧測定の重要性について、内科専門医の立場からわかりやすく解説します。 高血圧とは?基準値と高血圧の分類 高血圧とは、心臓が血液を送り出す圧力(血圧)が高い状態が続いていることを指します。血圧は2つの数値で表されます。 心臓がギュッと収縮して全身に血液を送り出す時の圧力が収縮期血圧、心臓が休息して血液を再び心臓に取り込む時の圧力が拡張期血圧です。 高血圧は、大きく分けて本態性高血圧と二次性高血圧の2種類に分類されます。 90%以上の方は原因が特定できない本態性高血圧で、遺伝的要因と環境要因(食塩の過剰摂取、肥満、運動不足、過度の飲酒など)の相互作用が関係していると考えられています。 一方、二次性高血圧は、腎臓病、ホルモン異常、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因で起こる高血圧で、全体の10%程度です。 若年者で高血圧が見つかった場合には、二次性高血圧の可能性が高いため、原因となる疾患の精査が必要です。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 高血圧が引き起こす合併症:脳卒中、心筋梗塞、腎臓病など 高血圧は自覚症状が少ないため、放置すると血管に負担がかかり続け、動脈硬化が進行します。 動脈硬化は血管の壁が厚く硬くなり、血管が狭くなる状態です。高血圧は動脈硬化を進行させ、血管が詰まったり、破れたりするリスクを高めます。 高血圧が原因となる主な合併症には、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病、心不全などがあります。 脳卒中:脳卒中は、脳の血管が詰まったり破れたりする病気です。 麻痺やしびれ、言語障害などの後遺症が残ることもあり、要介護状態となるリスクも高い病気です。 心筋梗塞:心筋梗塞は、心臓の血管が詰まって、心臓の筋肉が壊死する病気で、強い胸痛や呼吸困難などの症状が現れ、突然死のリスクも高い病気です。 腎臓病:腎臓病は、腎臓の血管が傷つき、腎臓の機能が低下する病気です。むくみやだるさなどの症状が現れ、最終的には人工透析が必要になることもあります。 心不全:心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身に十分な血液を送り出せなくなる病気です。息切れや動悸、むくみなどの症状が現れます。 高血圧は、血管に常に高い圧力をかけることで血管を傷つけ、動脈硬化を促進し、これらの合併症のリスクを大きく高めます。 高血圧の初期症状:自覚症状が少ないため注意が必要 高血圧は初期にはほとんど自覚症状がありません。 そのため、健康診断などで指摘されるまで、高血圧に気づかない人が非常に多いです。「サイレントキラー」と呼ばれる所以です。 高血圧の症状として、頭痛、めまい、肩こり、動悸、耳鳴りなどが挙げられることがありますが、これらの症状は高血圧以外でも起こるため、高血圧特有の症状とは言えません。 また、これらの症状が現れる頃には、すでに高血圧がかなり進行している可能性もあります。 高血圧は自覚症状が乏しいため、定期的な血圧測定を行うことが重要です。 高血圧のサインを見つける: 家庭血圧測定の重要性 家庭血圧測定は高血圧の早期発見・早期治療のために非常に有効です。 家庭血圧測定は、リラックスした状態で血圧を測ることができるため、病院で測定する白衣高血圧による影響を受けず、より正確な値が得られる場合もあります。 また、毎日血圧を測ることで、血圧の変化を早期に把握しやすくなります。 家庭血圧計は、薬局や家電量販店などで手軽に購入できます。 家庭血圧測定を行う際には、朝、排尿後、朝食前に測定し、安静にしてから正しい姿勢で測定する、毎日同じ時間に測定する、などの点に注意しましょう。 家庭で血圧を測ることで、高血圧の早期発見・早期治療につながり、治療中の場合は、血圧コントロールの状態を把握するのにも役立ちます。 高血圧の原因と危険因子を知る 高血圧の危険因子は多岐に渡り、大きく分けて「加齢」「遺伝」「生活習慣」の3つに分類できます。 高血圧はこれらの因子が複雑に絡み合い発症すると考えられており、ご自身の危険因子を知ることで、予防や治療への意識を高め、健康管理に繋げることが重要です。 加齢、遺伝、生活習慣…高血圧の危険因子 まず、「加齢」による影響について考えてみましょう。 生まれたばかりの赤ちゃんの血管は柔らかく、しなやかで、風船のように柔軟です。しかし、年齢を重ねるにつれて、血管も徐々に老化し、弾力性を失い硬くなっていきます。 これは、血管の壁が厚く硬くなる動脈硬化の進行によるもので、加齢とともに血管が硬くなるのは自然な老化現象の一つと言えます。 血管が硬くなると、血液がスムーズに流れにくくなり、心臓はより強い力で血液を送り出さなければならなくなり、その結果、血圧が上昇しやすくなります。 次に、「遺伝」についてです。高血圧は、親から子へと遺伝する可能性のある疾患です。 両親が高血圧の場合、子供も高血圧になりやすい傾向があり、これは体質や遺伝子などが影響していると考えられています。 遺伝的要因は私たち自身でコントロールすることはできません。 しかし、遺伝だけで高血圧のすべてが決まるわけではなく、後述する生活習慣の改善によって予防できる可能性も十分に秘めているのです。 最後に、「生活習慣」について解説します。これは、私たちが毎日の生活の中で意識的に変えられる部分であり、高血圧の予防と治療において非常に重要な要素です。 食生活の乱れや運動不足、喫煙、過度の飲酒、ストレスなどは、高血圧のリスクを大きく高める要因となります。 塩分過多、肥満、運動不足…生活習慣と高血圧の関係 高血圧と密接に関係する生活習慣の中でも、特に注意が必要なのは、「塩分の摂りすぎ」「肥満」「運動不足」の3点です。 塩分の過剰摂取は、体内の水分量を増加させ、血液量を増加させることで、心臓がより多くの血液を送り出す必要が生じ、血圧の上昇に繋がります。 現代の食生活では、加工食品や外食などで、知らず知らずのうちに過剰な塩分を摂取していることが多いです。 厚生労働省が推奨する1日の塩分摂取量は、男性7.5g未満、女性6.5g未満ですが、現状では平均で男性10.9g、女性9.3gと、大幅に超過しているのが現状です。 高血圧を予防するためには、毎日の食事で減塩を意識することが重要です。 肥満、特に内臓脂肪の蓄積は、血圧を上げる物質の分泌を促進し、高血圧のリスクを高めます。 内臓脂肪は、皮下脂肪とは異なり、臓器の周囲に蓄積される脂肪で、様々な生理活性物質を分泌し、血圧や血糖値、コレステロール値などに悪影響を及ぼすことが知られています。 適正な体重を維持することは、高血圧だけでなく、様々な病気の予防にも繋がります。 運動不足は、高血圧だけでなく、様々な生活習慣病のリスクを高めます。 体を動かす習慣がないと、血液の循環が悪くなり、心臓はより多くの血液を送るために、強い力で拍動しなければならなくなります。 結果として、血圧が上昇しやすくなります。適度な運動は、血圧を下げるだけでなく、ストレス解消や精神的な健康維持にも効果的です。 喫煙、過度の飲酒…高血圧のリスクを高める要因 喫煙は、ニコチンが血管を収縮させ、血圧を上昇させる原因となります。 血管が収縮すると、血液が流れにくくなり、心臓はより強い圧力で血液を送り出さなければならず、血圧が上昇します。 さらに、喫煙は血管を傷つけ、動脈硬化を促進する作用もあるため、高血圧のリスクをさらに高めます。 禁煙は、高血圧だけでなく、様々な病気のリスクを軽減し、健康寿命を延ばすために非常に有効です。 過度の飲酒も、血圧を上昇させる要因の一つです。 アルコールは、血管を拡張させる作用と収縮させる作用の両方がありますが、過剰に摂取すると血管が収縮し、血圧が上昇します。アルコールの摂取量が多いほど、高血圧のリスクは高くなるため、節度ある飲酒を心がけましょう。 基礎疾患や薬の影響で高血圧になることも 高血圧は、加齢や生活習慣だけでなく、他の病気や薬の影響で引き起こされることもあります。 これを二次性高血圧と言い、腎臓病、副腎疾患、甲状腺疾患などが原因となることがあります。 例えば、腎臓は体内の水分や塩分のバランスを調整する役割を担っていますが、腎臓病になるとこの機能が低下し、体内に水分や塩分が過剰に蓄積され、高血圧を引き起こす可能性があります。 また、一部の薬も高血圧の副作用を引き起こす可能性があります。 例えば、ステロイド剤や一部の鎮痛剤、風邪薬などに含まれる成分が、血圧を上昇させることがあります。 服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談することが大切です。 特に、高齢者の高血圧患者は約6人に1人が、3種類以上の降圧薬を最大量使用しても血圧が下がらない難治性高血圧に該当する可能性があり、早期の診断と適切な治療が重要です。 高血圧の治療と予防:生活習慣の改善と薬物療法 高血圧の治療は、大きく「生活習慣の改善」と「薬物療法」の2つの柱から成り立っています。 まるで、建物を支える二本の頑丈な柱のようなものです。 どちらか一方だけでは、真に健康な状態を維持することは難しく、両方をバランスよく行うことが重要です。 まず、生活習慣の改善について考えてみましょう。 高血圧の危険因子には、塩分の摂りすぎや肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒など、様々なものがあります。 まるで、私たちの体に少しずつ負荷をかけていく重りのようなものです。 これらの重りを一つずつ取り除く、あるいは軽くしていくことで、高血圧を予防し、治療していくことができるのです。 2017年のアメリカ心臓病学会(ACC)とアメリカ心臓協会(AHA)のガイドラインでも、高血圧管理には包括的な戦略が必要であると強調されています。 薬物療法だけでなく、食事療法や運動療法といった生活習慣の改善も重要視されているのです。 生活習慣の改善法 具体的には、1日に6g未満の塩分摂取を目標に減塩を心がけましょう。 外食や加工食品には、想像以上に多くの塩分が含まれていることが多いです。 例えば、カップラーメン1杯には約5g、スナック菓子1袋には約1gの塩分が含まれています。 普段何気なく口にしているものが、実は高血圧の大きな原因となっている可能性もあるのです。 カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることも、血圧を下げる効果が期待できます。 次に、適度な運動についてです。 ウォーキングやジョギング、水泳など、無理なく続けられる運動を見つけ、1日30分以上を目標に取り組んでみましょう。 体を動かす習慣がないと、血管の柔軟性が失われ、血液循環が悪化し、心臓に負担がかかります。 その結果、血圧が上昇しやすくなるのです。 運動は、血圧を下げるだけでなく、ストレス軽減や精神的な健康維持にも効果的です。 心身ともに健康な状態を保つために、日常生活に運動を取り入れてみましょう。 さらに、禁煙も高血圧の予防と治療に大きく貢献します。 喫煙は血管を収縮させ、血圧を上昇させるだけでなく、動脈硬化も促進します。 動脈硬化は、血管の壁が厚く硬くなり、血管が狭くなる状態です。 まるで、水道管に徐々に錆が溜まっていくようなものです。 錆が溜まると、水の流れが悪くなるのと同様に、動脈硬化が進むと、血液の流れが悪くなり、様々な合併症を引き起こすリスクが高まります。 そして、過度の飲酒も控えましょう。 アルコールは、少量であれば血管を拡張させる作用がありますが、過剰に摂取すると血管が収縮し、血圧が上昇します。 薬物療法での改善 次に、薬物療法についてです。 生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、すでに合併症の危険性が高い場合には、薬物療法が必要になります。 降圧薬には、利尿薬やACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬など、様々な種類があり、2023年のコクラン共同計画のシステマティックレビューでは、一次治療薬としてチアジド系利尿薬が他の降圧薬と比較され、総死亡率や心血管イベント発生率に大きな差がないことが示唆されています。 さらに、有害事象による治療中止は利尿薬の方が少ない傾向があることも示されています。 薬の種類や服用量は、患者さんの状態や他の病気の有無などを考慮して、医師が決定します。 薬を飲み始めたら、必ず医師の指示に従って服用し、自己判断で中断したり、量を変えたりしないようにしましょう. 高血圧の治療は、長期にわたる場合がほとんどです。生活習慣の改善や薬物療法を継続していくためには、医師との信頼関係が不可欠です。疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談し、一緒に治療を進めていきましょう。 まとめ 高血圧は自覚症状がないまま進行し、脳卒中や心筋梗塞などの深刻な合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と適切な管理が重要です。 高血圧の基準値は収縮期血圧130mmHg以上、または拡張期血圧80mmHg以上で、家庭血圧測定による日常的な血圧管理が推奨されています。 高血圧の大部分は原因不明の本態性高血圧で、加齢や遺伝、生活習慣の積み重ねが影響しています。 特に、塩分の過剰摂取、肥満、運動不足、喫煙、過度の飲酒は高血圧のリスクを高めるため、生活習慣の改善が重要です。 生活習慣の改善に加えて、必要に応じて薬物療法も併用されます。 自分に合った治療法を見つけるためには、医師と相談し、信頼関係を築きながら治療を進めていくことが大切です。 高血圧は早期発見・早期治療で合併症のリスクを減らすことができるので、少しでも不安を感じたら、まずは医療機関に相談してみましょう。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「再生医療」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 2017年版 成人高血圧の予防、検出、評価、管理に関するACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNAガイドライン(要約) Li EC, Heran BS, Wright JM. "Angiotensin converting enzyme (ACE) inhibitors versus angiotensin receptor blockers for primary hypertension." The Cochrane database of systematic reviews 2014, no. 8 (2014): CD009096. 高血圧と血管疾患 Reinhart M, Puil L, Salzwedel DM, Wright JM. "First-line diuretics versus other classes of antihypertensive drugs for hypertension." The Cochrane database of systematic reviews 7, no. 7 (2023): CD008161. Shalaeva EV, Messerli FH. "What is resistant arterial hypertension?" Blood pressure 32, no. 1 (2023): 2185457. Messerli FH, Bangalore S, Mandrola JM. "β blockers switched to first-line therapy in hypertension." Lancet (London, England) 402, no. 10414 (2023): 1802-1804. Carey RM, Moran AE, Whelton PK. "Treatment of Hypertension: A Review." JAMA 328, no. 18 (2022): 1849-1861. 医師監修 リペアセルクリニック 内科専門医 渡久地 政尚
2025.02.11 -
- 肩
肩の痛み、我慢していませんか? 朝、髪を梳かす、洋服を着替えるといった何気ない動作でさえ、激痛が走る。夜も痛みのあまり眠れない…。 日本では、四十肩・五十肩を含む肩関節周囲炎だけで推定700万人が悩まされているというデータも。 さらに、腱板損傷や神経の圧迫など、肩の痛みの原因は多岐に渡ります。 この記事では、肩の痛みの代表的な4つの原因と、それぞれの症状、さらに保存療法・手術療法・在宅ケアといった様々な治療法のメリット・デメリットを詳しく解説します。 肩の痛みを根本から理解し、適切な対処法を見つけるための、決定版と言えるでしょう。 肩の痛みの原因4選とそれぞれの症状 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。 朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 肩の痛みは、その原因によって症状や痛みの種類も様々です。 今回は、肩の痛みの代表的な原因を4つご紹介し、それぞれの症状について、より詳しく、そして具体的に解説していきます。 五十肩/四十肩(肩関節周囲炎) 五十肩/四十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節を包む組織に炎症が起こることで、痛みや動かしにくさが現れる病気です。 40~60歳代に多く発症し、特に女性に多い傾向があります。 まるで肩関節が錆びついたように、スムーズに動かなくなるのが特徴です。 原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢による肩関節の老化現象や、糖尿病などの基礎疾患が影響していると考えられています。 五十肩/四十肩は、炎症期、拘縮期、回復期の3つの時期に分けられます。 最初の炎症期には、肩に鋭い痛みが走り、夜も眠れないほどの激痛に襲われることがあります。 まるで肩の中に棘が刺さっているような感覚で、少し動かしただけでもズキズキと痛みます。安静時にも痛みがあり、特に夜間は痛みが強くなる傾向があります。 次の拘縮期には、痛みはやや落ち着いてきますが、肩関節が硬くなり、腕を上げにくくなります。 例えば、洗濯物を干す、背中に手を回すといった動作が困難になります。 最後の回復期には、徐々に痛みと動かしにくさが改善していきます。日 常生活動作も少しずつ楽になり、再び活動的に過ごせるようになります。 多くの場合、1年から4年程度で自然に治癒していきますが、中には回復に時間がかかるケースもあります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 腱板損傷 腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉の腱の集合体です。 この腱板が切れたり、傷ついたりした状態が腱板損傷です。スポーツや転倒など、急激な外力で起こります。 加齢変化の場合は、日常生活動作で徐々に損傷が進行していくこともあります。 腱板損傷の症状は、肩の痛み、腕を上げにくい、力が入らないなど、五十肩/四十肩と似ています。 そのため、鑑別が難しいケースもあります。大きな違いは、腱板が損傷しているため、損傷した腱に対応する筋肉の筋力低下が起こることです。 例えば棘上筋が損傷すると、腕を外側に持ち上げる力が弱くなります。 また、寝ていて痛みが出ることもあります。痛みは、断裂した腱の種類や損傷の程度によって異なり、全く症状がない場合もあります。 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで、肩や腕に痛みやしびれが生じる病気です。 単に肩の痛みだけでなく、首の痛み、腕のしびれ、手の動かしにくさなど、様々な症状が現れることがあります。 首の神経は、肩や腕、手につながっているため、神経が圧迫されると、その支配領域に沿って症状が現れます。 これは、まるで電気が流れるように、首から肩、腕、手へと痛みが広がっていくような感覚です。 加齢や姿勢の悪さ、外傷などが原因で発症し、肩の痛みのみを訴える場合もあり、見過ごされることもあります。他の肩関節疾患との鑑別が重要となります。 医学論文においても、頚椎根症は頸椎から出ている神経根の炎症や圧迫によって引き起こされ、患部の神経根が支配する領域に運動障害や感覚障害を伴う痛みを生じることが報告されています(Corey DL and Comeau D. Cervical radiculopathy. 2014)。 胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は、首から腕、手へと伸びる神経や血管が、胸郭出口と呼ばれる狭い部分で圧迫されることで、肩や腕、手に痛みやしびれ、冷感などが現れる病気です。 なで肩の女性に多くみられます。 鎖骨や肋骨の異常、筋肉の緊張、姿勢の悪さなど、様々な原因が考えられます。 症状は多様で、他の病気と間違えやすいのが特徴です。 肩や腕の痛み、しびれ、だるさ、冷感など、様々な症状が現れ、重症になると手の握力が弱まったり、細かい作業がしにくくなったりすることもあります。 神経や血管の圧迫される部位や程度によって症状が変化するため、診断が難しい場合もあります。 肩の痛みの治療法3選とそれぞれのメリット・デメリット 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。 朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 痛みの原因、症状の重さ、そして患者さん自身のライフスタイルや価値観に合わせた最適な治療法を選択することが重要です。 ここでは、肩の痛みに対す る主な治療法を3つご紹介します。これらの情報を参考に、ご自身の状況に合った治療法を見つけるための一助としてください。 保存療法(薬物療法、リハビリテーションなど) 身体への負担が少ないため、多くの場合、最初の治療として選択されます。 保存療法には、薬物療法とリハビリテーションがあります。 薬物療法 例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症や痛みを引き起こす物質の生成を抑えることで効果を発揮します。 SAIDsは、内服薬だけでなく、湿布薬や塗り薬などの外用薬もあります。 痛みが強い場合には、ステロイド注射を行うこともあります。 ステロイドは強力な抗炎症作用を持つ薬であり、炎症を起こしている関節に直接注射することで、速やかに痛みを軽減できます。 リハビリテーション 具体的には、ストレッチ、筋力トレーニング、温熱療法などがあります。 保存療法のメリットは、侵襲的な治療ではないため、日常生活への影響も最小限に抑えられます。 しかし、効果が現れるまでに時間がかかる場合や、重度の症状に対しては効果が不十分な場合もあります。 特に、腱板断裂などの構造的な異常がある場合には、保存療法だけでは十分な効果が得られない可能性があります。 ただ、経験上、肩腱板損傷の手術の成績はあまりよくありません。 日常生活ができるなら、整形外科医として、手術はあまりお勧めしていません、 しかし、昨今、再生医療という新しい治療法が出てきました。幹細胞による肩腱板損傷の再生です。 ただ注意点として、元気な幹細胞でないと、うまく治療はできません。医療機関によって幹細胞の培養方法は全く違うのです。 リペアセルクリニックに幹細胞は、国内唯一の分化誘導と、冷凍しないで培養する方法で多くの患者様を元気にしてきました。詳しくはこちらへ 手術療法(関節鏡手術など) 近年では、関節鏡手術という低侵襲な手術が広く行われています。 関節鏡手術は、小さな切開部からカメラと特殊な器具を挿入し、関節内部の状態を直接確認しながら行う手術です。 従来の手術に比べて傷口が小さくても可能です。 手術療法のメリットは、保存療法では改善が見られない症状に対しても効果が期待できることです。 特に、腱板断裂のように構造的な異常が原因となっている場合には、手術によって根本的な原因を取り除くことができます。 しかし、手術にはどうしても身体への負担や費用、感染症などの合併症のリスクが伴います。 よく見られる合併症は、拘縮です。あとは痛みが改善しないこともあります。 手術療法を選択する際には、医師とよく相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断することが重要です。 文献においても、肩の痛みの治療は多くの場合、疼痛コントロールと運動療法に基づいており、手術は限定的に行われるとされています。 在宅ケア(ストレッチ、温罨法など) 在宅ケアとは、痛みが軽度の場合や、手術後のリハビリテーションとして行われます。 代表的な方法として、ストレッチや温罨法などがあります。 ストレッチは、肩関節の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげる効果があります。 温罨法は、患部を温めることで血行を促進し、痛みを和らげる効果があります 。温罨法には、蒸しタオルや温湿布、入浴などが有効です。 在宅ケアのメリットは、手軽に行えることと、費用がかからないことです。 自宅でできるため、通院の負担もありません。しかし、効果は限定的であり、症状によっては悪化させる可能性もあります。 肩の痛みを予防するための生活習慣改善3選 適度な運動 運動不足は、肩周りの筋肉を弱らせ、関節の柔軟性を低下させ、症状を強くします。 例えば、デスクワーク中心の生活を送っていると、肩甲骨周囲の筋肉が硬くなり、血行不良に陥りやすくなります。 このような状態が続くと、肩関節の動きが悪くなり、痛みが発生しやすくなるのです。 適度な運動は、肩周りの筋肉を強化し、柔軟性を高めることで、肩への負担を軽減し、痛みを予防する効果が期待できます。 具体的には、ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガ、ピラティスなどの運動が効果的です。 正しい姿勢 猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の位置を変化させ、肩関節への負担を増大させます。 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、無意識のうちに猫背になりやすく負担がかかります。 正しい姿勢を保つことは、肩への負担を軽減し、痛みを予防する上で非常に重要です。 具体的には、立っているときは背筋を伸ばし、あごを引いて、お腹に力を入れるように意識しましょう。 座っているときは、深く椅子に座り、背もたれに寄りかかるようにしましょう。 また、パソコン作業時には、画面を目の高さに合わせ、キーボードとマウスは体に近い位置に置くように心がけてください。 バランスの取れた食事 栄養バランスの取れた食事は、健康な体を維持するために不可欠です。 肩の痛みにおいても、栄養状態は重要な役割を果たします。 例えば、タンパク質は筋肉の構成成分であり、肩周りの筋肉を強化するために必要不可欠な栄養素です。 カルシウムは骨を強くし、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。 これらの栄養素が不足すると、骨や筋肉が弱くなり、肩の痛みを引き起こしやすくなります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Corey DL, Comeau D. "Cervical radiculopathy." The Medical clinics of North America 98, no. 4 (2014): 791-9, xii. Greenberg DL. "Evaluation and treatment of shoulder pain." The Medical clinics of North America 98, no. 3 (2014): 487-504. Crookes T, Wall C, Byrnes J, Johnson T, Gill D. "Chronic shoulder pain." Australian journal of general practice 52, no. 11 (2023): 753-758.
2025.02.11 -
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寝起きで膝が痛いと感じることはありませんか。 寝起きの膝の痛みの原因には、筋力の低下や変形性膝関節症などがあります。 朝起きた際に膝が痛いと感じる理由は、年代によってさまざまなので、原因に合わせて予防策をとることが大切です。 本記事では、寝起きで膝が痛い原因や対処法を詳しく解説します。 寝起きの膝の痛みの原因を知り、適切に対処しましょう。 寝起きで(朝起きて)膝が痛い原因を年代別に解説 寝起きで(朝起きて)膝が痛い原因は、以下の3つです。 寝起きで膝が痛む原因は、生活習慣や体質によっても異なります。自身の年代に多い原因を確認し、十分な対策をとりましょう。 【10代・20代】成長痛やオスグッドなど 10代や20代に多い、寝起きの膝の痛み原因は、以下の4つです。 疾患名 特徴 成長痛 成長期の子どもにみられる一過性の痛み オスグッド 骨や筋肉の成長スピードと運動量が見合わないことで出現する膝の痛み 膝蓋骨脱臼 膝関節周囲の筋力低下や靭帯損傷などによって、膝蓋骨が正しい位置から外れた状態 膝関節捻挫 膝関節をひねったり、無理に動かしたりすると出現する痛みや腫れ 寝起きに膝が痛くなる原因は、自身ではわからない場合もあります。 成長期に好発する成長痛やオスグッドだけでなく、外傷による脱臼や捻挫も、膝の痛みの原因となることを覚えておきましょう。 【30代】筋力や柔軟性の低下 30代に多い、寝起きに膝が痛くなる原因は、筋力や柔軟性の低下があります。 日常生活で膝を使う機会が少ない人や、運動習慣がない方は、下半身の筋肉が硬くなりやすいため注意が必要です。 膝周囲の筋肉が硬くなると柔軟性も低下し、足をスムーズに動かせなくなる可能性があります。 【40代・50代】変形性膝関節症 変形性膝関節症は、寝起きに膝が痛くなる原因の1つで、40代から50代の発症が多いといわれています。変形性膝関節症は、膝の関節軟骨が擦り減り、以下の症状が出現する疾患です。 変形性膝関節症による膝の痛みを放置していると、膝関節の変形が進行し、日常生活に支障をきたす可能性があります。膝に少しでも違和感を覚えた際は、早めに医療機関を受診しましょう。 変形性膝関節症の症状は、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 寝起きで膝が痛いときの予防・対処法【症状別】 寝起きで膝が痛いときの予防・対処法は、以下のとおりです。 寝起きで膝が痛いときの予防法は、原因や症状によって異なります。膝が痛む原因を知った上で、自身の症状に合った対処をとることが大切です。 オスグッドの予防・対処法 寝起きで膝が痛い原因がオスグッドの場合は、以下の予防策や対処法をとりましょう。 予防策 対処法 運動量を調節する 運動メニューを見直す 栄養バランスの良い食事を摂取する 運動前後にストレッチを行う 休息をとる アイシングをする 大腿四頭筋(太もも前の筋肉)を中心にストレッチを行う サポーターやテーピングを使用する オスグッドは成長期に発症しやすい疾患であり、無理に動かすと剥離骨折を発症する恐れがあります。 どうしても練習を休めない場合は、練習メニューや運動量を工夫し、膝に負担がかからないようにしましょう。 筋力や柔軟性の低下の予防・対処法 寝起きに膝が痛む原因が筋力や柔軟性の低下の場合は、予防・対処法に以下の運動を行うのが効果的です。 膝の痛みが強いときには、筋トレやストレッチを行うのではなく、安静にしましょう。 しっかりと休息をとり膝の痛みが落ち着いてきたら、予防のために膝周囲の筋力や柔軟性を高める運動を行うのがポイントです。 変形性膝関節症の予防・対処法 変形性膝関節症で膝が痛くなるときは、以下の予防策や対処法を実践しましょう。 予防策 対処法 下半身を中心とした筋力トレーニングを行う 膝の曲げ伸ばしストレッチを行う 下腹部に力を入れ、まっすぐ前を見て歩くことを意識する 栄養バランスの良い食事を心がける 薬物治療を受ける ステロイド注射やヒアルロン酸注射などの関節腔内注射を受ける 筋トレやストレッチなどを行う 膝のサポーターやインソールを使用する 手術療法を受ける 再生医療を受ける 筋力トレーニングやストレッチにより、膝周囲の筋力をつけると、膝の安定性が増し歩きやすくなります。変形性膝関節症は肥満体型の方もなりやすい疾患のため、栄養バランスを考えた食事を摂ることが大切です。 変形性膝関節症は進行性の病気ですが、早めに治療を開始し適切な対処を行えば、痛みを緩和できる可能性があります。 変形性膝関節症の原因や治療方法については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 寝起きの膝の痛みでお悩みの方は再生医療もご検討ください 寝起きの膝の痛みでお悩みの方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療では痛みの緩和だけでなく、変形性膝関節症によってすり減った膝の関節軟骨の再生が期待できます。 関節軟骨が再生されると、寝起きや歩行時の膝の痛みが軽減する可能性があります。 変形性膝関節症が原因で寝起きに膝の痛みを感じている人は、お気軽に当院へご相談ください。 寝起き・朝起きて膝が痛い際のよくある質問 寝起きや朝起きて膝が痛いときについて、よくある質問は以下の2つです。 寝起きで膝が痛い原因は、年代や既往歴によってさまざまです。膝の痛みが続くときは、早めに医療機関を受診し原因を特定しましょう。 寝起きに歩けないほど膝が痛いときの原因は? 寝起きに歩けないほど膝が痛いときは、以下の原因が挙げられます。 変形性膝関節症や関節リウマチは、関節が変形し痛みが出現する進行性の疾患です。症状が進行すると、寝起きだけでなく安静時や運動時も膝が痛くなる可能性があります。 関節リウマチの症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。 筋肉の緊張やこわばりも、寝起きで膝が痛くなる原因の1つです。運動習慣がない方は膝周囲の筋肉が硬くなり、筋緊張やこわばりが起こりやすくなります。 半月板は膝関節を支える役割を担っている部位です。膝をひねったり、スポーツで強い外力を受けたりすると、半月板が損傷し膝に痛みが出現します。 半月板損傷の症状は、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 寝起きで膝の内側が痛いときの原因は? 寝起きで膝の内側が痛いときの原因は、以下が考えられます。 スポーツや仕事などで膝を使いすぎると、膝の内側の「鵞足(がそく)」と呼ばれる部分に炎症が起こります。 膝に大きな負担がかかって発症する鵞足炎や内側半月板損傷は、膝の内側が痛くなる原因であるため注意しましょう。 【まとめ】寝起きで膝が痛い原因と対処法 寝起きで膝が痛い原因には、膝周囲の筋力低下や変形性膝関節症などがあります。歩行時に膝に違和感があったり、寝起きで膝が痛くなったりした場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 膝が痛くなる原因がわかったら、自身にあった予防策や対処法を行うことが大切です。 筋トレやストレッチなどのセルフケアを行っても、痛みが引かず長期にわたって慢性化している場合は、当クリニック(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 当クリニックが提供する再生医療には、関節や膝の症状に適した治療方法も提供しておりますので、ぜひ無料相談をご利用ください。
2025.02.07 -
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アキレス腱炎の放置による症状悪化のリスクや治療法を解説。痛みや腫れの原因、予防方法から、早期回復を目指せる再生医療まで、アキレス腱炎でお悩みの方に役立つ情報をお届けします。 アキレス腱炎で痛みが治らず困っているものの、すぐに病院へ行けず不安を感じている方は多いのではないでしょうか。 この記事では、アキレス腱炎の原因や症状、治療法から予防策までを詳しく解説します。 また、放置した場合のリスクや早期治療の重要性についても触れ、さらに早期回復を目指せる再生医療という選択肢についてもご紹介します。 症状を悪化させないためのヒントをぜひ参考にしてください。 アキレス腱炎を放置しておくとどうなる? かかとからふくらはぎにかけての腱に痛みがある場合、アキレス腱炎の可能性があります。 初期症状は軽度な痛みや違和感にとどまることが多いため、見過ごされがちです。 しかし、適切な治療をせずに放置すると症状が進行し、日常生活やスポーツ活動に支障をきたす可能性があります。 アキレス腱炎を放置しておくとどうなるのか、リスクについて理解しておきましょう。 アキレス腱炎の症状の悪化リスクがある アキレス腱炎の初期症状としては、運動後や朝起きた際にアキレス腱部分に違和感や軽い痛みを感じることが一般的です。腫れや皮膚の熱感が伴う場合もあります。 これらの症状は一時的に軽減することもありますが、放置すると炎症が悪化および慢性化するリスクがあります。 特に、症状が軽い段階で適切な治療を行わない場合、痛みが強くなったり腱の動きが制限されたりすることがあります。 日常生活に支障が出る前に早めの対応が重要です。 症状の進行とアキレス腱断裂の危険性もある アキレス腱炎が長期間放置されると、腱の組織が劣化していき弾力性が失われる可能性があります。 この状態が進行すると、炎症が進行して「アキレス腱症」や「アキレス腱周囲炎」として慢性化するリスクがあるため注意が必要です。 また、腱の弾力性が失われることで断裂のリスクが高まります。アキレス腱が断裂すると、歩行や基本的な動作が著しく困難になります。 アキレス腱の断裂は、手術が必要となるケースも少なくありません。特にスポーツや立ち仕事が多い方は症状が進行しやすいため、早期の治療が望ましいです。 アキレス腱炎と断裂の違い アキレス腱炎やアキレス腱症は、炎症や負担の蓄積による痛みや腫れが主な症状で、保存療法で改善が期待できる場合が多いです。 一方、アキレス腱断裂は腱が完全または部分的に切れる状態で、突然の激痛や腱が切れる音が特徴です。 断裂の場合、保存療法だけでは十分な回復が見込めないため、手術やリハビリが必要になります。 アキレス腱炎の原因 アキレス腱炎は、日常生活や運動習慣、身体の状態など、さまざまな要因が関与して発症します。 原因 具体例 過度な運動や負荷 長時間のランニングやバレーボールやバスケットボールなどにおける繰り返しのジャンプなど、アキレス腱に繰り返し負担をかける運動 急激な運動量の増加 運動経験が少ない状態から急に激しい運動を始めた場合 筋力や柔軟性の不足 ふくらはぎの筋肉が硬い、または柔軟性が不足していることでアキレス腱にストレスがかかる 不適切な靴の使用 クッション性の少ない靴、かかとの高さが極端に高い靴、サイズの合わない靴など 足の構造的な問題 扁平足※1やハイアーチ※2など、歩行時や運動時にアキレス腱に過剰な負担を与える足の形状 ※1:土踏まずが低い状態 ※2:土踏まずが高い状態 加齢による腱の劣化 年齢を重ねることでアキレス腱の弾力性や強度が低下し、炎症が起きやすくなる 急な方向転換や動作の繰り返し テニスやバスケットボールなど、方向転換や急停止を伴うスポーツ アキレス腱炎の原因は複数の要因が複雑に絡み合っている場合が多いため、早めの対策が重要です。 アキレス腱炎の症状 アキレス腱炎に関連する主な症状は以下の通りです。 症状 具体例 アキレス腱部分の痛みや違和感 運動後や朝起きた際に、かかとの上部やふくらはぎの下部に近いアキレス腱周辺に痛みや違和感を感じる 腫れや熱感 アキレス腱の周囲が腫れたり、触ると熱を感じる場合がある 動作時の痛み 歩行や走行、階段の上り下りなど、足を動かす際に痛みが増す ふくらはぎの硬さや張り感 アキレス腱に繋がるふくらはぎの筋肉が硬く感じられる 痛みが持続する 痛みが断続的ではなく、慢性的に続く場合、症状が悪化している可能性がある 腱の厚みや硬さの変化 アキレス腱部分が厚く感じたり、硬くなる 朝の動き始めの痛み 朝起きた直後に、アキレス腱部分に特に強い痛みや硬さを感じる これらの症状は、放置すると悪化し、慢性的な痛みや断裂のリスクが高まる可能性があります。早期に医療機関を受診し、適切な対応を取ることが重要です。 アキレス腱炎の治療 アキレス腱炎の治療は、症状の程度や患者の生活環境に応じて異なります。 軽症の場合は保存療法が中心となり、スポーツへの早期復帰を目指す場合や重症の場合は、再生医療が選択肢の1つとなることがあります。 2つの治療法について解説するので、ぜひ参考にしてください。 保存療法 保存療法は、アキレス腱炎の初期段階や軽度の症状に対して有効な治療法です。 以下のような方法が一般的に行われます。 アイシングは1回につき15~20分程度、1日3~4回行うのが効果的です。 また、ストレッチやリハビリでは、ふくらはぎやアキレス腱の柔軟性を改善し、腱への負担を軽減を目指します。 スポーツへの早期の復帰を目指す再生医療という選択肢 アキレス腱炎が慢性化している場合や、スポーツ選手が早期復帰を目指す場合には、再生医療が有効な選択肢となります。 再生医療とは、身体の自然治癒力を高めることにより、失われた組織や機能などの修復・再生を行う治療方法です。 アキレス腱炎の治療においては、人体が本来持つ治癒力を活かして、傷ついたアキレス腱の修復を促進します。 再生医療は、身体への負担が少なく早期の回復に期待できる点が特徴です。 当院(リペアセルクリニック)では厚生労働省から受理された再生医療を行っています。再生医療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。 アキレス腱炎を予防する方法 アキレス腱炎を防ぐためには、日常生活や運動時にアキレス腱への負担を軽減する工夫が必要です。 以下に挙げるポイントを意識することで、アキレス腱への負担を減らし、炎症を予防する効果が期待できます。 それぞれのポイントを取り入れて、アキレス腱炎の予防に役立てましょう。 日常生活でできる予防策 日常生活の中で股関節への負担を減らし、痛みを予防するためには、普段からの意識が大切です。 以下に挙げるポイントを実践することで、股関節の健康を保ち、症状の進行を防ぐことが期待できます。 日常的にストレッチや適切な休息を取り入れることで、アキレス腱にかかる負担を軽減することが可能です。 また、体重管理や歩き方の改善も重要なポイントとなります。 過度な運動は避ける 過度な運動はアキレス腱に過剰な負担を与え、炎症を引き起こす原因となります。 以下に、適切な運動習慣を維持するためのポイントを整理しました。 ポイント 詳細 運動量を徐々に増やす 急激に運動量を増やさず、少しずつ体を慣らしていくことが大切 無理なトレーニングを避ける 長時間のランニングや急な方向転換を繰り返すスポーツを控える 十分なウォーミングアップ 運動前のウォーミングアップと運動後のクールダウンをしっかり行い、アキレス腱の負担を軽減する 運動量やトレーニングの計画を適切に管理することで、アキレス腱への過剰な負担を防ぐことが可能です。 足に合った靴を選ぶ 足に合った靴を選ぶことは、アキレス腱炎の予防において非常に重要です。 以下に、靴選びで注意すべきポイントをまとめました。 ポイント 詳細 適切なサイズの靴を選ぶ 足にぴったり合う靴を選ぶことで、足全体への負担を軽減できる クッション性のある靴を選ぶ 足への衝撃を吸収する靴を選び、アキレス腱にかかる負担を軽減する 靴の寿命に注意する 古くなった靴はサポート力が失われるため、適切なタイミングで靴を買い替える 足に合った靴を選び、状態に応じて適切にメンテナンスを行うことで、アキレス腱炎のリスクを減らすことができます。 アキレス腱炎についてよくある質問 アキレス腱炎に関する悩みや疑問について最後に紹介します。 アキレス腱炎についてお悩みの方は、参考までにご覧ください。 アキレス腱炎のセルフチェック方法は? アキレス腱炎は、初期症状を見逃さずに早めに対処することが重要です。 以下のようなセルフチェック方法を知っておくことで、異常を早期に発見し、症状の悪化を防げます。 チェック項目 詳細 痛みの有無を確認する 朝の寝起きや運動後に、アキレス腱に痛みや違和感を感じる場合は要注意 腫れや厚みを触診する アキレス腱の腫れや痛みを感じる場合、炎症の兆候の可能性あり 動作時の違和感を確認する 歩行や階段の昇降でアキレス腱に違和感がある場合、炎症の可能性あり 片側と比較しながらチェックすると、異常がわかりやすくなります。 これらのセルフチェックで異常が認められた場合は、早めに医療機関を受診してください。 アキレス腱炎を放置すると手術が必要になる? アキレス腱炎を放置すると、症状が進行して手術が必要になる可能性があります。 炎症が慢性化すると腱の組織が劣化し、さらに悪化するとアキレス腱が断裂するリスクが高まります。 断裂した場合は保存療法での回復が難しく、手術が選択されるケースが多くなるため、痛みを感じたら早めに医療機関を受診するのが大切です。 自宅ケアだけでアキレス腱炎は治る? 軽度のアキレス腱炎であれば、自宅ケアで症状が改善する場合があります。 ケア方法 詳細 安静にする 運動を控え、アキレス腱への負担を軽減する アイシングを行う 痛みや腫れを抑えるために、患部を冷却する 軽いストレッチを行う ふくらはぎの筋肉をほぐし、アキレス腱の負担を軽減する ただし、症状が改善しない場合や痛みが悪化する場合には、放置せずに医療機関を受診することが重要です。 【まとめ】アキレス腱炎はほっとかずに医療機関を受診しよう アキレス腱炎は、初期症状を見過ごすと慢性化し、最悪の場合は腱の断裂に至る危険性があります。 その原因は過度な運動や足に合わない靴、日常生活での負荷などさまざまです。 症状が現れた場合は、安静やアイシングなどの保存療法で改善することもありますが、放置せず医療機関で適切な診断と治療を受けることが重要です。 さらに、早期の症状改善やスポーツ復帰を目指す場合には、再生医療が次世代医療の選択肢として注目されています。 PRP療法や幹細胞治療は、アキレス腱の修復をサポートし、回復を促進します。再生医療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.02.07 -
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運動不足や加齢に伴う筋力低下が原因で肉離れを起こしてしまい、なかなか治らないとお悩みではありませんか? 肉離れを放置していると、血腫の発生に伴う違和感や筋力の低下に繋がり、結果的に生活の質を落としてしまいます。 肉離れを治すためにも、肉離れに関する正しい知識や原因について知っておくことが大切です。 本記事では肉離れの原因や早く治すコツ、肉離れに関する質問について解説しています。 肉離れが治らず悩んでいる方、肉離れの詳細について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 肉離れが治らない・痛みが長引いてしまう原因 肉離れが治らない・痛みが長引いてしまう原因は、以下の通りです。 ここからは肉離れ後の処置の大切さも含めて、解説していきます。 肉離れ直後の応急処置が不十分だった 肉離れした直後の応急処置が不十分な場合、完治が遅れる原因の1つとなります。 応急処置が不十分だったり、患部への冷却と圧迫が足りない点が肉離れが完治しない原因です。 肉離れを起こした際は、以下の「RICE(ライス)処置」を適切に行いましょう。 RICE処置を行うことで、痛みや腫れを抑えることができ、早い段階での回復が期待できます。 完治しきる前に肉離れ部位への運動負荷がかかってしまっていた 完治する前に患部への運動負荷がかかると、回復までの道のりが長くなってしまいます。 自己判断で運動を再開すると、肉離れが悪化する可能性があるため、必ず医師の診断を仰ぎましょう。 また不十分なリハビリも回復を長引かせてしまう要因となるので、大丈夫だと自己判断せず、日々のリハビリを継続してください。 筋力と柔軟性の低下も再発のリスクを招くため、完治直前でもリハビリを習慣化するよう心掛けましょう。 反復性肉離れになってしまっている 何度も肉離れを繰り返している場合、反復性肉離れになっている可能性があります。 反復性肉離れとは、過去に肉離れを起こした箇所が再度肉離れする状態のことです。 反復性肉離れの原因として、不十分なリハビリによる筋肉の柔軟性の低下が挙げられます。 再度肉離れを起こさないためにも、完治後もリハビリやストレッチを意識して行うようにしましょう。 そもそも肉離れとは? ここからは、以下の肉離れに関する基本情報について解説していきます。 肉離れに関する理解を深め、自分の症状がどこに当てはまるのか確認してみましょう。 肉離れの定義とメカニズムについて 肉離れは、筋肉の一部または全体が断裂してしまった状態のことです。 肉離れを起こすと内出血や腫れを起こし、患部が激しく痛み、運動ができない状態になってしまいます。 原因として、ジャンプやダッシュによる筋肉への急激な負荷が挙げられます。 肉離れというと普段運動を行っている方に起きるイメージですが、そのようなことはありません。 運動不足や加齢によって筋力が低下している方も、肉離れを起こすリスクを持っているので注意しましょう。 肉離れの重症度の分類と症状【軽度・中度・重度別の目安】 肉離れの重症度別の症状は、以下の通りです。 重症度 症状 患部による判別方法 軽度 ・患部を押すと痛みを感じる ・何もしなければ痛みは感じない 【ふくらはぎ】 ・ストレッチしてもやや痛みがある程度 【ハムストリングス】 ・脚を70度以上動かせる 【大腿四頭筋】 ・脚を90度以上動かせる 中度 ・患部を押すと強い痛みを感じる ・内出血や腫れが見られる 【ふくらはぎ】 ・膝を曲げるとストレッチによる痛みが軽くなる 【ハムストリングス】 ・脚を30度~70度動かせる 【大腿四頭筋】 ・脚を45~90度動かせる 重度 ・何もしなくても痛みを感じる ・内出血や患部の凹みが見られる 【ふくらはぎ】 ・膝を曲げてもストレッチによる痛みが強い 【ハムストリングス】 ・脚を30度まで動かせる 【大腿四頭筋】 ・脚を45度まで動かせる 肉離れが軽度の場合は大丈夫だと判断する方もいますが、適切な処置をしないと悪化する可能性があります。 また中度・重度で処置やリハビリが不十分な場合も、歩行機能や身体の歪みに繋がるので注意しましょう。 肉離れと思われる症状が表れた際は、自己判断せず、医師に相談したうえで適切な処置を受けることが大切です。 肉離れが全治するまでの期間 肉離れが全治するまでの期間は、以下の通りです。 重症度 期間 軽度 1~2週間 中度 3~5週間 重度 8~13週間 引用:日本臨床スポーツ医学会「肉離れの診断と治療」 個人差もありますが、軽度の場合はストレッチ痛が軽減してからリハビリを行います。 中度の場合は松葉杖による歩行や温熱療法、重度の場合は患部を圧迫する保存療法を行うケースもあります。 またスポーツ競技に復帰したい方の治療として、断裂した筋肉を繋げる外科的手術も存在します。 基本的には重度でない限り、リハビリやストレッチによる治療方法が一般的です。 肉離れを早く治すコツ 肉離れを早く治すコツとして、以下が挙げられます。 肉離れが長引いて困っている方は、上記のコツを参考にしてください。 リハビリを行う 肉離れは適切なリハビリを行えば、早い段階での回復が期待できます。 肉離れする可能性の高い部位別のリハビリメニューは、以下の通りです。 部位 リハビリ方法 ふくらはぎ ①仰向けの状態で片足を上げる ②そのまま片足を90度曲げる ③太ももを抱える ④痛みが出る直前まで膝を曲げる ⑤同じ動作を10回繰り返す ハムストリングス ①立った状態で脚の付け根に手を添える ②そのまま胸を張ってお尻を引く ③つま先の向きを変えて伸ばす ④伸びた状態を15~30秒キープする ⑤同じ動作を2~4回繰り返す 大腿四頭筋 ①椅子に浅く腰掛ける ②お腹を少し前に出した姿勢にする ③つま先を上げるように膝を屈伸させる ④同じ動作を10回繰り返す 上記のリハビリを医師の判断の元、無理のない範囲で行いましょう。 習慣化することで筋力や柔軟性が上がり、再発する可能性が低くなります。 運動復帰のタイミングは自己判断しない 運動に復帰するタイミングは必ず医師に相談し、自己判断はしないでください。 何故なら、完治していない状態で患部に負荷をかける可能性があるからです。 患部に運動負荷がかかって悪化し、肉離れが再発したり、後遺症が残ったりするケースも珍しくありません。 自分で「完治したかもしれない」と思っても、必ず医師の相談を仰いでから運動を行いましょう。 セルフストレッチを行う 肉離れはリハビリのほか、セルフストレッチによる改善も期待できます。 肉離れにおすすめのセルフストレッチは、以下の通りです。 部位 セルフストレッチ方法 ふくらはぎ ①厚い本の上につま先を乗せる ②体重をかけてふくらはぎを伸ばす ③同じ動作を10~20回繰り返す ハムストリングス ①うつ伏せになる ②ゆっくり膝を曲げる ③ゆっくり膝を元の位置に戻す ④同じ動作を3~7回繰り返す 大腿四頭筋 ①うつ伏せの状態で身体を横にする ②膝を曲げて足を後ろに引っ張る ③十分に伸びたらゆっくり戻す ④同じ動作を3回繰り返す ただし、重症度によってはセルフストレッチによって肉離れが悪化する可能性もあります。 セルフストレッチを習慣化したい方は、必ず医師の許可を得てから行いましょう。 後遺症が長引く場合は再生医療もご検討ください。 肉離れの後遺症が長引いている場合は、リペアセルクリニックで提供している再生医療も選択肢としてご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)では自己治癒力を高めるPRP治療により、肉離れによる後遺症の改善を目指しています。 PRP治療とは患者様の血液から血小板の濃縮液を抽出し、組織の修復や細胞増殖を促す治療法です。 患者様ご自身の血液から精製された濃縮液を利用するため、アレルギー反応などの副作用が起こる可能性が低いメリットがあります。 長く続く肉離れの痛みに悩む方にとって、身体に負担が少ない状態で回復できる治療法と言えるでしょう。 治療内容の詳細を知りたい方は、無料相談も行っておりますので、ぜひ当院へご相談ください。 肉離れに関してよくある質問と回答 肉離れに関するよくある質問は、以下の通りです。 肉離れに関する疑問について回答しているので、ぜひ参考にしてください。 肉離れ・筋肉痛・こむら返りは何が違う? 肉離れ・筋肉痛・こむら返りの違いは、以下の通りです。 症状 内容 原因 肉離れ 突然の衝撃で筋肉の一部または全体が断裂した状態 急なダッシュとジャンプによる衝撃 筋肉痛 運動によって筋繊維が損傷している状態 運動などによる筋肉の酷使 こむら返り 突然の衝撃で筋肉が収縮した状態 筋肉の緊張/水分不足/筋力低下 一見似た症状ではありますが、状態や原因は全く異なります。 もし肉離れに似た症状が出た場合は、自己判断せず医師にご相談ください。 歩けるけど痛い肉離れはどうすればいい? 歩ける状態であっても、部分断裂を引き起こしている可能性があります。 部分断裂を放置し、患部の腫れ・内出血が酷くなるケースも珍しくありません。 肉離れによる後遺症を起こさないためにも、適切な処置を行いましょう。 ご自身で「軽度かもしれない」と思っていても、必ず医師にご相談ください。 軽度の肉離れはどれくらいで治る? 軽度の肉離れは1~2週間程度で治りますが、自己判断はしないでください。 軽度の肉離れは患部を押すと痛みますが、何もしなければ痛みを感じないことが多いです。 そのため完治したと思い、肉離れが悪化してしまうケースもあります。 「完治したかもしれない」と感じたら、医師の判断を仰いでください。 肉離れを放っておくとどうなる? 肉離れを放置すると、重度の後遺症が残る可能性があるので注意してください。 肉離れ直後は痛みを感じなくても、腫れや内出血が酷くなり、関節の動きが鈍くなるケースがあります。 痛みが無くても放置せず、RICE処置を心掛けてください。 肉離れを起こした際は「痛くないから大丈夫」と判断せず、医師の診断を受けましょう。 まとめ:肉離れの回復期間を把握して完治させよう 肉離れは適切な処置やリハビリを行えば、早い段階での回復が期待できます。 肉離れが痛くなくても「治った」と自己判断せず、必ず医師の判断を仰いでください。 また重症度に合わせて、通院によるリハビリや自宅でのセルフストレッチを継続していきましょう。 もしリハビリやストレッチの継続で治らない場合は、リペアセルクリニック(当院)の再生医療という選択肢をご検討ください。 当院では自己治癒力を高めるPRP治療を行い、肉離れによって損傷した組織の修復や細胞増殖を目指しています。 肉離れによる後遺症に悩んでいる方は、お気軽にご来院・お問い合わせください。
2025.02.07 -
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膝軟骨がすり減ると、関節の痛みや変形性膝関節症などの原因となります。このような症状を改善する方法として、再生医療が注目されています。 この記事では、膝軟骨を増やす方法としての再生医療や、膝軟骨がすり減る原因を解説します。 ぜひ最後まで記事をご覧になって、膝軟骨を増やす方法として再生医療をご検討ください。 膝軟骨を増やす方法「分化誘導による関節の再生医療」 膝軟骨を増やす新しい方法、幹細胞の「分化誘導」を活用した再生医療について紹介します。 再生医療では、患者自身の幹細胞を用い、損傷した膝軟骨を修復することを目指します。 この方法により、軟骨の回復だけでなく、膝関節全体の機能改善が期待されています。 基本的に膝軟骨は自然に増えることはありませんが、幹細胞の「分化誘導による関節の再生医療」であれば膝軟骨の再生が期待できます。 分化誘導により、投与した幹細胞をフル活用して目的とする組織への再生能力を高めます。 分化誘導により軟骨下骨の再生を促す 膝軟骨の再生には、その下にある「軟骨下骨(なんこつかこつ)」の状態が重要です。 軟骨下骨は膝軟骨を支える土台の役割を果たしており、この部分が損傷していると、十分な軟骨の再生に期待できません。 まずは分化誘導により、軟骨の土台となる軟骨下骨の面積が大きくなるよう幹細胞を分化誘導して、再生を促します。 軟骨下骨が多く再生されると、より多くの軟骨の再生が実現可能となります。 分化誘導による再生医療の具体的なプロセスは以下の通りです。 リペアセルクリニック大坂院では、幹細胞を使用した再生医療を用いて膝関節の機能を回復する治療を行っています。 慢性的な膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 膝軟骨がすり減る原因 膝軟骨がすり減る原因はさまざまで、日常生活や体の状態が大きく関係しています。 軟骨は、膝関節を守るクッションのような役割を果たしていますが、その役割が損なわれると、痛みや関節の不安定さが生じることがあります。 膝の軟骨がすり減る原因を理解して、対処できる内容は改善することで進行を遅らせましょう。 加齢や筋力低下 加齢に伴い、膝軟骨は水分量やしなやかさを失い、弾力性が低下します。これにより、軟骨が摩耗しやすくなります。 また、筋力が低下することで膝関節の安定性が損なわれ、余計な負担が軟骨にかかりやすくなるのも要因の一つです。 特に太ももやふくらはぎの筋力低下は、膝を支える力が弱まるため注意が必要です。 筋力の低下を防ぐために、筋力トレーニングやストレッチ、運動を習慣づけましょう。 ただし激しい運動は膝への負担が大きくなるため、無理のない範囲で行うのが大切です。 膝への負担 膝に過剰な負担をかける生活習慣や環境も、軟骨がすり減る原因となります。 これらの要因が重なると、軟骨の摩耗が進行しやすくなります。 立ち仕事など仕事内容を変えるのが難しい場合は、適度な休憩や膝への負担を軽減する工夫を取り入れ、激しいスポーツは控えたり、食生活や運動習慣を見直すのが重要です。 他の疾患による影響 膝軟骨のすり減りは、以下の疾患によっても進行する可能性があります。 これらの疾患を放置すると症状が進行し、関節の損傷や慢性的な痛みを引き起こすリスクがあります。 膝に痛みや違和感があるときは、我慢や放置せずに医療機関を受診しましょう。 軟骨がすり減りやすい人の特徴 膝軟骨のすり減りは、以下のような特徴を持つ方に多く見られます。 これらの要因が重なると、膝軟骨がすり減り、変形性膝関節症のリスクが高まります。 特徴 説明 膝のケガの経験がある方 靭帯や半月板など、膝の安定性を保つ組織に損傷歴がある場合、軟骨のすり減りが進行しやすくなります。 肥満傾向の方 歩行時、膝には体重の約3倍の負荷がかかります。体重が増えると、膝への負担も増大し、軟骨の摩耗が早まる傾向があります。 女性 統計的に、女性は男性よりも変形性膝関節症を発症しやすいとされています。特に閉経後は、骨や軟骨の健康を維持するエストロゲンの減少が影響すると考えられています。 加齢 年齢を重ねると、軟骨の水分量や弾力性が低下し、すり減りやすくなります。これは自然な老化現象の一部です。 遺伝的要因 家族に変形性膝関節症の患者がいる場合、同様の症状を発症するリスクが高まります。 過度な膝の使用 長時間の立ち仕事や膝を酷使するスポーツは、軟骨の摩耗を促進する可能性があります。 膝軟骨がすり減る要因を理解し、適切な予防策を講じましょう。 定期的な運動や体重管理、膝への過度な負担を避ける生活習慣の見直しが重要です。 膝軟骨がすり減ると「変形性膝関節症」になり痛みを感じる 膝軟骨の減少は「変形性膝関節症」の主な原因の1つです。 膝軟骨の役割は膝関節を衝撃から守り、スムーズな動きをサポートすることです。 しかし、加齢や過剰な負荷、遺伝的要因などによって軟骨がすり減ると、「変形性膝関節症」と呼ばれる疾患が進行します。 変形性膝関節症では、軟骨が摩耗するだけでなく、関節内で炎症が起こり骨同士が直接接触するようになります。 その結果、膝の痛みや可動域の制限が生じ、日常生活に支障をきたす可能性があります。 変形性膝関節症は初期段階では軽度の痛みから始まり、進行するにつれて関節の変形や可動域の制限が目立つようになります。 この疾患は特に中高年に多く見られますが、肥満や膝への過剰な負荷を伴う生活習慣を持つ若年者にも発症することがあります。 変形性膝関節症の症状を認識し、早期に対策を講じることが、進行を遅らせるために重要です。 変形性膝関節症の症状 変形性膝関節症の症状は、進行段階に応じて異なります。 主な症状は以下の通りです。 これらの症状に1つでも当てはまる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 変形性関節症の治療法 変形性膝関節症の治療は、進行段階や症状の程度によって異なります。 以下に変形性関節症の主な治療法をまとめました。 治療法 内容 薬物療法 ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の内服や外用で痛みと炎症を抑える ・ヒアルロン酸注射で関節の潤滑を改善し、動きをスムーズにする リハビリ療法 ・筋力トレーニングで膝を支える筋肉を強化 ・ストレッチやバランス訓練で膝の可動域を改善 手術療法 ・人工関節置換術ですり減った関節を人工関節に置き換える ・骨切り術で脚の軸を調整し、膝関節の負担を分散 再生医療 ・多血小板血漿を関節内に注入し、組織の修復を促進するPRP療法 ・幹細胞を用いて、損傷した軟骨や骨壊死部分などの再生を目指す幹細胞治療 生活習慣の改善 ・適切な体重管理で膝への負担を軽減 ・サポーターや衝撃吸収素材の靴を活用して膝を保護 特に再生医療は、膝軟骨の修復を目指す新しい治療法として注目されています。 リペアセルクリニック大坂院では、自己幹細胞やPRP療法を用いた治療を提供しています。 再生医療は、長期の入院や手術を必要としない治療法を求めている方におすすめの治療法です。 膝の痛みや違和感でお悩みの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。 【まとめ】軟骨を増やしたい方は当院の再生医療をご検討ください 関節を守る重要な役割を果たしている膝軟骨は、加齢や過剰な負担、疾患などによってすり減ると、変形性膝関節症などの深刻な問題に発展します。 症状が進行すると膝の痛みや可動域の制限が生じ、日常生活に大きな支障をきたします。そのため、早期の対策と適切な治療が不可欠です。 治療方法には、痛みや炎症を抑える薬物療法や、人工関節置換術や骨切り術などの手術、幹細胞の分化誘導を活用した再生医療などがあります。 幹細胞の分化誘導による再生医療では、膝軟骨の再生を促し、手術に頼らず自然な形で回復を目指せます。 膝の痛みでお悩みの方は、悪化する前に早めの対策を検討しましょう。 再生医療について興味がある方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へお気軽にご相談ください。
2025.02.07 -
- 再生治療
- スポーツ医療
疲労骨折してしまった場合、病院で治療を受けなければいけないのか、自然治癒できるのか気になる方も多いでしょう。 ひどい痛みではない場合、病院に行かずに放っておこうと考える人もいると思います。 結論、疲労骨折は安静にしておくことで自然治癒できます。 しかし早く治すためには、適切なケアが大切であり、自己判断で放置するのは危険です。 この記事では、疲労骨折が起こりやすい部位や考えられる原因、自然治癒の方法、治療にかかる期間予防方法などを解説しています。 「もしかして疲労骨折かも?」と感じたときの参考にしてみてください。 【結論】疲労骨折は自然治癒できる 疲労骨折は、多くの場合自然治癒できるケガのひとつです。自然治癒可能なケガではありますが、放置してしまうと、治りが遅くなる可能性が高まります。 疲労骨折の典型的な症状や原因、起こりやすい部位を理解して、適切な対応を取ることが大切です。 疲労骨折かどうかを見分ける手段のひとつとして、参考にしてみてください。 疲労骨折とは 同じ行動を何度も繰り返して行うことにより、骨にストレスが生じたことによる骨折です。 疲労骨折の場合は通常の骨折とは異なり、明らかな出血や強い痛み、腫れなどの外傷は少ない傾向にあります。 強い痛みや外傷がないため、捻挫と勘違いしてしまう可能性も高いです。 しかし疲労骨折のあとも患部に負荷のかかる運動を行ったり、圧迫したりした際に疼痛が生じ、腫れる場合もあります。 適切な治療を行わず放置してしまうと、さらなる症状の重症化につながる恐れがあるため注意が必要です。 一般的に疲労骨折は、安静にしていると痛みが軽くなる傾向にあるため、無理をせずに過ごしましょう。 疲労骨折が起こりやすい部位 疲労骨折は、体重を支える下肢に発生しやすい傾向にあります。 骨に負担がかかりすぎることによって発生する疲労骨折は、身体を支える際に負荷がかかる下肢に起こりやすいものです。 一般的に疲労骨折が起こりやすい部位は、以下の通りです。 疲労骨折が起こりやすい部位を把握して、負担をかけすぎないように心がけましょう。 疲労骨折の原因 繰り返し衝撃が加わったり、筋肉が引っ張られたりすることで生じます。 発生が多い状況として、スポーツに取り組む人が、過度に練習を繰り返し疲労骨折に至るケースが挙げられます。 また軍隊の訓練において最大100kmも歩き続ける「行軍訓練」を実施した際に、疲労骨折がよく発生します。 どちらも通常の生活よりも過酷な運動や、繰り返しの負荷を行うことによって、ストレスが加わり疲労骨折が発生します。 ほかにも、以下のような状況の際に疲労骨折が生じるケースが多いです。 徐々に運動を行った場合、骨は「リモデリング」という骨組織の破壊と再構築を行うことで、徐々に負荷へ適応していきます。 一方、急激に負荷が加わってしまうと、リモデリングに求められる時間が短くなり、骨の再構築が間に合わなくなることで疲労骨折が起きる仕組みです。 歩ける場合でも疲労骨折している可能性がある 通常の骨折とは異なり、疲労骨折は骨のズレが生じないため、部位によっては無理せず歩くことが可能です。 歩けるからといって無理して歩いてしまうと、さらに状態が悪化する恐れがあるため、できる限り安静に過ごす必要があります。 痛みや違和感があるなど、疲労骨折が疑われる場合は、早めに病院で診察してもらいましょう。 病院では基本的に「問診」「身体診断」「画像検査」を行い、疲労骨折の有無を診断します。 問診では、症状や発症時期、トレーニング状況など、痛みや違和感に至ったまでの過程をヒアリングされます。 身体診断は、圧痛や可動域制限、腫れなどがないか、目視で確認を行うのが一般的です。 またX線検査やMRI検査、骨シンチグラフィなどを用いて体内を画像で検査します。 それぞれの結果をもとに疲労骨折かどうかが診断されます。 疲労骨折の自然治癒方法と治療期間 疲労骨折の自然治癒方法と治療期間について解説します。 自然治癒での治し方 治療期間の目安 自然治癒を補助する治療方法 疲労骨折を自然治癒で治す方法と一般的な治療期間の目安を解説するので、参考にしてみてください。 自然治癒での治し方 自然治癒で疲労骨折を治す場合、適切な休息とケアが欠かせません。多くの疲労骨折は、休息とケアで改善が期待できます。 疲労骨折の回復速度を早めるには、整形外科での運動療法・物理療法によるリハビリを受けてもよいでしょう。 休息とケアを患部の状態に合わせて適切に行うことに加え、疲労骨折の原因となったスポーツは禁止されます。 疲労骨折時に行うリハビリでは、段階的に負荷を上げていく運動や全身の筋力トレーニング、関節可動域訓練などを行うのが一般的です。 また通常の骨折のように、ギプスや装具などでの固定は基本的には必要ありません。 痛みや違和感がない場合でも安静に過ごし、患部への負荷をかけないように意識しましょう。 早期回復を目指す場合は、バランスのよい食事による栄養摂取も不可欠です。 治療期間の目安 疲労骨折の自然治癒に取り組む場合、一般的には2~3か月が休息期間として設定されています。 部位や重症度によって休息期間は異なりますが、設定された期間中は疲労骨折の原因となった運動は禁止されます。 疲労骨折した部位と、自然治癒までにかかる一般的な期間は以下のとおりです。 脛骨…4~8週間 中足骨…6~8週間 大腿骨頸部…8~12週間 腰椎…6~12週間 あくまで目安であるため、治癒までの期間は個人差が生じることに留意しておきましょう。 自然治癒を補助する治療方法 医師や理学療法士と相談して、自然治癒に加えて補助的治療の導入を検討してみるのもおすすめです。 自然治癒を補助する治療方法の種類と、期待できる効果は以下のとおりです。 治療方法 期待できる効果 アイシング 痛みと腫れの緩和 電気刺激療法 痛みの軽減/筋肉の緊張緩和 超音波療法 骨治癒の促進 マッサージ療法 血行促進/筋肉の緊張緩和 ストレッチング 関節可動域の維持/筋力低下の予防 運動療法 筋力強化/関節機能の回復 アイシングや電気刺激療法をはじめとする物理療法は、痛みの緩和や、炎症を抑えることが期待されている治療方法です。 効果には個人差がありますが、早期回復を目指す場合は医師と相談の上で採用してもよい方法でしょう。 疲労骨折を自然治癒したあとの予防策 疲労骨折は自然治癒したあとも、再発させないことが大切です。 再発を予防するために必要なこと 自然治癒に有効な食べ物 ここからは疲労骨折を再発させないための予防方法や、予防に有効な食べ物を紹介します。 再発を予防するために必要なこと 一度治った疲労骨折を再発させないためにも、運動する際はウォームアップとクールダウンを丁寧に行うことが大切です。急激に負荷をかけないよう注意しましょう。 またトレーニングで負荷を増やす場合は一週間のうち10%以下に抑え、そこから徐々に負荷を増加させます。 10kgの負荷を使用している場合は、11kgより重くせず、身体に対して過度にストレスを与えないという心がけが欠かせません。 定期的に休息日を設けながらトレーニングするのも有効でしょう。週2~3日、1日15~30分の日光浴も不可欠です。 運動の種類もランニング以外を選ぶことも有効で、水泳や自転車などのクロストレーニングに取り組んでみると、脚への負担低減につながります。 トレーニングを行う際は、足にぴったりのクッション性や機能が整った靴を使用し、硬かったり柔らかかったりする路面は避けるなど、運動に向けたコンディションを整えることも重要です。 トレーニング以外でも食生活を整え、バランスのよい食事を取ることで疲労骨折の予防を目指せます。 自分に合ったトレーニング方法や負荷、休息、食事で無理なくトレーニングを行ってください。 自然治癒に有効な食べ物 身体にとって適切な栄養を摂取することは、疲労骨折の再発予防につながります。 適切な栄養摂取は再発の予防だけでなく、疲労骨折の早期回復も促進するため、トレーニングを行う上で心がけたいポイントです。 どの栄養もバランスよく摂取することが、骨の健康を目指す上では大切ですが、なかでも疲労骨折の回復・予防に有効といわれている栄養素や食べ物は以下のとおりです。 栄養素 食べ物 タンパク質 肉類、魚介類、大豆製品、卵、乳製品 ビタミンD 魚、きのこ類、卵黄 カルシウム 乳製品、小魚、大豆製品、緑黄色野菜 マグネシウム 大豆製品、未精製の穀類 骨形成(骨の生成)と骨吸収(古い骨の破壊)をするには、血中のカルシウム濃度を適切に保つ必要があるため、カルシウムの摂取は欠かせません。 特定の食材ばかりを取るのではなく、バランスのよい食事を心がけましょう。 疲労骨折と自然治癒に関してよくある質問と回答 最後に疲労骨折と自然治癒に関してよくある質問を紹介します。 疲労骨折になりかけの前兆はある? 疲労骨折になりやすい人の特徴はある? 疑問がある方はここで解消してください。 疲労骨折になりかけの前兆はある? 疲労骨折になりかけている場合、以下のような前兆が出ると考えられます。 特定の動作をすると痛い 安静にすると痛みが和らぐ 明らかなケガはしていないのに痛む 通常の骨折は、明らかに衝撃が加わるようなケガをしており、患部が腫れたり安静にしていても痛むなどの症状が出るという点で異なります。 疲労骨折になりやすい人の特徴はある? 疲労骨折になりやすい人の傾向として、以下のような特徴が挙げられます。 急にトレーニング量を増やした ランニングのフォームが揃っていない 地面が硬い/柔らかい 靴が足に合っていない 筋力・柔軟性不足 技術不足 加齢 体重増加 偏平足 栄養不足 骨密度の低下 O脚またはX脚 骨に対する過度な負荷をかけ続けることで疲労骨折につながるため、無理のない運動負荷に収めることが大切です。 【まとめ】自然治癒では完治できない疲労骨折には「再生医療」をご検討ください 疲労骨折した場合、自然治癒だけでは完全回復には至らない可能性があります。 自然治癒に取り組み、経過観察をしても回復の兆しが見えなかったり悪化したりした場合は、手術が必要となるおそれがあるため注意が必要です。 もし疲労骨折が慢性化していたり、再発が多い、既存の手術治療で完治しなかったなどの場合は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 再生医療を活用することで、治療期間を大幅に短縮し、日常生活や競技への早期回復が見込めるようになります。 自然治癒では完治しきらず手術が必要となる場合でも、手術をせずに済ませられるのも再生医療の特徴です。 手術後の悪影響や後遺症の心配をする必要がなくなるため、興味がある方は再生医療の活用を検討してみてください。 再生医療の詳しい治療法やプラン、料金などを知りたい方は、無料相談も行っていますのでお気軽にご相談ください。
2025.02.07 -
- 再生治療
- ひざ関節
歩きすぎた翌日や運動後に、膝の裏に痛みを感じてお悩みではないでしょうか。 膝の裏の痛みは日常生活に支障をきたし、放置することで悪化する可能性もあります。 この記事では、膝の裏の痛みを軽減するための対処法や原因となる疾患について解説します。 歩きすぎて膝の裏が痛いときの対処法は? 膝の裏が痛い場合、適切な対処法をとることで症状を和らげることができます。以下のポイントを参考にしながら、自分に合った方法を見つけてください。 それぞれの対処法について詳しく解説していきます。 「RICE処置」で早めの回復を目指す 膝の裏が痛む場合、まずは「RICE処置」を実践することが効果的です。 RICE処置は、患部への負担を最小限に抑え、炎症や腫れを軽減するために効果的な方法です。 特に、痛みが発生してからすぐに行うことで、早期回復につながる可能性があります。 ただし、症状が重い場合や改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 湿布で痛みの緩和を図る 膝裏の痛みを和らげるために湿布を使用するのも効果的です。 冷湿布と温湿布を症状に応じて使い分けましょう。 症状に合った湿布を選び、適切に使用することが重要です。 ストレッチで筋肉の柔軟性を高める 膝裏の痛みが筋肉の硬さや柔軟性の低下によるものであれば、ストレッチを取り入れることで改善が期待できます。 ストレッチ中に痛みを感じる場合は無理をせず、体に負担をかけない範囲で行うことが重要です。 痛みが強いときや治らないときは医療機関を受診する 膝裏の痛みが強い場合や、セルフケアを行っても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。 適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、早期回復を目指せます。 歩きすぎて膝の裏が痛いときに考えられる3つの疾患 膝の裏に痛みを感じる原因には、日常的な負担だけでなく、特定の疾患が関係していることがあります。 歩きすぎによる膝裏の痛みに関連する代表的な3つの疾患を紹介します。 それぞれの疾患について詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。 膝窩筋腱炎(しっかきんけんえん) 膝窩筋腱炎とは、膝の裏にある膝窩筋という筋肉とその腱に炎症が生じる状態です。 主にランニングやジャンプといった運動を繰り返すことで発症する可能性が高いです。 症状 ・膝裏の鈍い痛み ・膝の曲げ伸ばしや階段の上り下りで痛みを感じる ・膝関節の可動域が制限される 原因 ・長時間同じ姿勢を保つ(デスクワークなど) ・急激な運動量の増加 ・筋肉の柔軟性不足 治療法 ・保存療法(安静、冷却、ストレッチなど) 膝窩筋腱炎は初期段階で適切な対応を取ることで、症状の悪化を防げる可能性があります。 膝の裏に痛みを感じたら、無理をせず早めに医療機関を受診しましょう。 ベーカー嚢腫(のうしゅ) ベーカー嚢腫は、膝の裏にある滑液包が炎症を起こし、関節液が過剰に溜まることで膨らんだ状態です。 膝の関節内に問題がある場合に併発することが多く、特に関節リウマチや変形性膝関節症の患者に見られることがあります。 症状 ・膝裏の腫れや圧迫感 ・膝の可動域が制限される ・膝を曲げた時に感じる痛み 原因 ・膝関節への過剰な負担 ・変形性膝関節症などの疾患 治療法 ・保存療法(安静、湿布など) ・溜まった関節液の吸引 ・手術療法 ベーカー嚢腫は放置すると症状が悪化し、膝関節のさらなる負担や他の疾患を併発する可能性があります。 また、原因となる疾患の治療も重要であり、リウマチや変形性膝関節症が疑われる場合は、医療機関での治療が必要です。 変形性膝関節症(へんけんせいひざかんせつしょう) 変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、関節が変形してしまう疾患です。 以下のような症状が現れ、日常生活に影響を及ぼします。 症状 ・膝の痛み ・膝の腫れや変形 ・歩行など動きの制限 原因 ・半月板や靭帯など膝関節の損傷 ・加齢による膝軟骨の老化 ・膝関節への過度な負担 治療法 ・保存療法(運動療法、痛み止めの使用) ・手術療法(人工関節置換術、骨切り術など) ・再生医療(幹細胞治療、PRP療法) 初期段階では保存療法が有効ですが、進行すると手術が必要になることがあります。 また、再生医療は新しい治療法として注目されています。膝に痛みや違和感を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。 歩きすぎによる膝の裏の痛みを防ぐ方法 膝の裏の痛みを防ぐには、日頃から膝に負担をかけにくい体づくりを心がけることが大切です。 膝周りの筋力や柔軟性を強化することで、歩行時の衝撃を吸収しやすくなり、痛みを予防できます。 特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)や膝裏を支える筋肉を鍛えることが有効です。 また、適切な体重を維持することも重要です。体重が増えると膝への負担が大きくなるため、食事や運動で体重を管理しましょう。 歩きすぎて膝の裏が痛いときは再生医療もご検討ください 膝の裏の痛みが続く場合、再生医療という新しい治療法も選択肢のひとつとして検討しましょう。 再生医療は、体の自然な回復力を活かして損傷した組織の再生を促す治療法です。 これらの治療法は、膝の痛みの緩和や症状の進行を抑える可能性があるとされています。 ただし、効果や適応は症状や個人の状態によって異なるため、医師との十分な相談が必要です。 膝の裏の痛みでお悩みの方は、保存療法や手術療法と併せて再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。 再生医療について詳しく知りたい場合は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。 【まとめ】歩きすぎて膝の裏が痛いときに無理は禁物 歩きすぎて膝の裏が痛いときに無理は禁物です。まずは安静にしてRICE処置で対処しましょう。 他にも対処法としてはストレッチ、湿布の活用などがありますが、痛みが強い場合や改善が見られない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 また、歩きすぎて膝の裏が痛いときの治療法としては保存療法や手術療法が一般的ですが、近年では再生医療という新しい治療法も注目されています。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院へお気軽にご相談ください。
2025.02.07 -
- 再生治療
- 変形性股関節症
- 股関節
股関節の痛みで日常生活に支障をきたしている方の中には「放っておけばそのうち治るだろう」と考える方もいるでしょう。 しかし、股関節の痛みを放置すると、症状が悪化して深刻な疾患に繋がる可能性があります。 本記事では、股関節の痛みを放置することで起こりうるリスクや考えられる疾患、治療法について詳しく解説します。 また、手術しない治療法として注目されている再生医療の具体的な治療方法や生活上の注意点を紹介します。股関節の痛みにお悩みの方が、安心して治療を検討できるよう役立つ情報をお届けします。 股関節の痛みをほっくとどうなるのか? 股関節の痛みを放置すると、日常生活に支障をきたす可能性が高まります。 初期段階では軽い違和感や不快感に過ぎないことが多いですが、これを無視することで痛みが悪化し、深刻な疾患へと進行するリスクがあります。 股関節は体重を支える重要な関節であり、その機能が損なわれると歩行や姿勢の維持に支障をきたします。 さらに、適切な治療を受けないままでは、将来的に手術が必要になるケースもあるため、早めの対応が重要です。 変形性股関節症などの疾患に繋がるリスクがある 股関節の痛みを放置すると、変形性股関節症やリウマチ性股関節症など、深刻な疾患に繋がるリスクが高まります。 変形性股関節症は、加齢や過度の負担により関節軟骨がすり減って変形し、痛みや可動域が低下する疾患です。 初期には軽度の違和感や疲労感がある程度ですが、放置することで軟骨の損傷が進行し、強い痛みや関節の可動域制限を引き起こします。 また、股関節の痛みが骨折や腫瘍などの疾患が原因である場合、それらを放置するとさらに深刻な健康問題を招く恐れがあります。 特に高齢者では、大腿骨頸部骨折が痛みの原因であるケースも多く、早期発見と治療が命に関わる場合もあります。痛みを放置せず、医療機関で適切な診断を受けることが重要です。 歩行困難や立ち上がり動作が難しくなる 股関節の痛みを放置すると、歩行や立ち上がりといった日常生活の中での基本的な動作が困難になる場合があります。 歩行時に激しい痛みを感じるだけでなく、立ち上がる際に関節に大きな負担がかかり、スムーズな動作ができなくなります。 また、痛みを避けようとすることで不自然な姿勢や動作が習慣化し、他の関節や筋肉にも負担をかける悪循環に陥ります。 これにより、腰痛や膝の痛みが二次的に発生することも珍しくありません。股関節の症状の悪化を防ぐためにも、痛みが軽いうちに適切な治療を受けることが重要です。 股関節が痛いときに考えられる疾患 股関節が痛む場合、その原因としていくつかの疾患が考えられます。 それぞれの疾患には特徴的な症状があります。以下に挙げる疾患について理解を深め、当てはまる場合は医療機関を受診しましょう。 変形性股関節症 変形性股関節症は、関節軟骨が加齢や負担によりすり減り、股関節の機能が低下する疾患です。 変形性股関節症は特に中高年の方に多く見られ、痛みや可動域の制限により、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。 症状が進行し、痛みが大きくなると立ち座りや階段の上り下りなどが困難になるため、早期に治療を開始することが重要です。 リウマチ性股関節症 リウマチ性股関節症は、自己免疫疾患の一つで、股関節を含む関節に炎症が生じる病気です。 リウマチ性股関節症は他の関節にも炎症が広がることが多く、放置すると日常生活に大きな支障をきたします。 大腿骨頸部骨折 高齢者に多い大腿骨頸部骨折は、転倒などの外傷が原因で発生することが多いです。 大腿骨頸部骨折は適切に治療しないと長期間の寝たきり状態を招き、筋力低下や二次的な健康問題を引き起こす可能性があります。 転倒を防ぐための環境整備や、骨の健康を保つための栄養管理が予防のポイントです。 股関節の痛みに対する病期別の治療法 股関節の痛みに対する治療法は、症状の進行度によっても異なります。 それぞれの治療法について解説します。 初期・進行期は「保存療法」が中心 初期や進行期の股関節痛には、主に保存療法が用いられます。保存療法は手術を行わず、痛みの軽減や関節の機能維持を目的とする治療法です。 保存療法は痛みが軽度の段階で有効ですが、症状が進行する場合には他の治療法を検討する必要があります。 末期の場合「手術療法」になることも 保存療法では改善が見込めない末期の状態では、手術療法が検討されます。 特に関節の変形や痛みが重度で日常生活が困難な場合、以下のような手術が選択されることがあります。 手術療法はリハビリが必要となる場合が多いですが、適切に行うことで痛みの軽減や生活の質の向上が期待できます。 手術を検討する際は、専門医と十分に相談することが重要です。 股関節の痛みはほっとかずに医療機関へ 股関節の痛みを感じたときは「そのうち治るだろう」と放っておかずに、早めに医療機関を受診しましょう。 特に、強い痛みにより日常生活に支障が出ている場合は、早急に治療を行う必要があります。 痛みを放置すると、症状の慢性化や股関節の変形が進行するなど、悪化して治療が難しくなる可能性も否定できません。 症状が悪化する前に医療機関を受診すれば、保存療法など負担の少ない治療法が選択できる場合もあります。 手術しない治療法として再生医療が注目されている 股関節の痛みや変形が進行している場合、従来は人工関節置換術が一般的な治療法でした。 しかし、手術に伴う負担やリハビリ期間の長さ、再手術のリスクなどから、手術を避けたいと考える患者さまも少なくありません。 近年では、手術を必要としない治療法として再生医療が注目を集めています。 再生医療は、患者さま自身の細胞を活用して損傷した組織を修復・再生する治療法です。 主に以下の特徴があります。 医療技術の進歩により、手術以外の選択肢が広がっている現在、再生医療は今後さらに注目を集める治療法のひとつです。 股関節の痛みに関してよくある質問 日常生活に大きく影響を与える股関節の痛みに関して、よくある質問を紹介します。 股関節の痛みにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 股関節が痛いときは歩かないほうがいい? 股関節が痛いときは、無理して歩かない方が良いです。 特に強い痛みがある場合は、関節や筋肉に負担をかける可能性があるため、安静にすることを優先してください。 ただし、長期間にわたって股関節を動かさないと関節が硬くなったり、筋力が低下したりするリスクもあります。 痛みが落ち着いてきたら、医師や理学療法士の指導のもとで軽い運動を取り入れると、症状の改善が期待できます。 突然歩けないほど股関節が痛くなる原因は? 突然歩けないほどの股関節の痛みが生じる原因には、以下のような疾患が考えられます。 これらの症状が現れた場合は、早急に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。 股関節が痛くて歩けないときの対処法は? 股関節の痛みが強く、歩けない場合には以下の対処法が有効です。 まずは安静にするのが大切ですが、痛みが強いときは医療機関を受診して医師の診察を受けましょう。 変形性股関節症は手術せずに治せる? 変形性股関節症は初期や中期の段階であれば、手術を行わずに治療することも可能です。 手術以外の治療として、以下の方法があります。 ただし、進行が進んで末期に至ると、人工関節置換術などの外科的治療が必要になる場合があります。 手術を回避したい方は、再生医療による治療もご検討ください。 【まとめ】股関節の痛みはほっとかずに医療機関を受診しよう 股関節の痛みは、放っておくと症状が悪化し、変形性股関節症やリウマチ性股関節症、大腿骨頸部骨折などの深刻な疾患に繋がるリスクがあります。 また、痛みが進行すると歩行や立ち上がり動作が困難になり、日常生活に大きな支障をきたす可能性もあります。 初期や進行期には保存療法が中心となりますが、症状が進んで末期に至ると手術療法が必要になる場合もあります。 近年では、手術しない治療法として再生医療も注目されています。患者さま自身の細胞を活用した治療法は、体への負担が少なく、損傷した軟骨の修復が期待できます。 股関節の痛みを軽視せず、早期の受診と適切な治療を受け、日常生活の快適さを取り戻しましょう。
2025.02.07 -
- 再生治療
- 股関節
股関節唇損傷は、股関節の組織である関節唇が損傷し、痛みを感じる疾患です。 症状によっては約3カ月程度の長期的な治療や、入院を伴う手術が必要な場合があります。 どのくらいで股関節唇損傷が治るのか不安な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、股関節唇損傷が治る期間や治療方法について詳しく解説します。 損傷した股関節唇を手術不要で修復できる可能性がある再生医療についても紹介しているので、参考にしてみてください。 股関節唇損傷とは 股関節唇損傷とは、股関節の関節唇(かんせつしん)と呼ばれる組織が損傷する疾患です。 股関節の関節唇とは、股関節の骨盤側の軟骨で、太ももの骨を包み込むような形をしています。 主に股関節を安定させ、衝撃を吸収・分散させる役割があります。 関節唇は、自然に治癒することはほぼない組織なので、症状によっては長い治療期間が必要です。 以下では、股関節唇損傷の症状や原因、診断方法について詳しく解説します。 主な症状 股関節唇は股関節を安定させる役割があるので、損傷してしまうと歩行や寝返りなどの日常的な動作に支障をきたす可能性があります。 股関節唇損傷の主な症状は以下の通りです。 初期は歩行時や股関節を曲げるときに痛みや違和感を感じることが多いです。 主に股関節の前面に痛みを感じやすいですが、股関節の側面やおしり、太ももなどが痛むこともあります。 症状が悪化すると安静にしていても痛むようになり、放置すると変形性股関節症を引き起こす恐れも考えられます。 スポーツによる股関節の負荷だけでなく、長時間の立ち仕事や座り仕事など日常生活の中の動作でも悪化する可能性があるので、股関節に負担をかけないように注意しましょう。 主な原因 https://youtu.be/S8bPmK0f9hU?si=Im-I_2EcNkPtUlnS 股関節唇損傷の主な原因を下記にまとめました。 ゴルフ・サッカー・バレエ・ランニングなどの腰や足の付け根をひねるような動きが多いスポーツが原因となる場合があります。 股関節をねじったり、脚を大きく広げたりする動きに注意しましょう。 また、生まれつき股関節の一部の形成が不十分な疾患である「臼蓋形成不全症」も原因のひとつとされています。 診断方法について 股関節唇損傷の診断方法は以下の通りです。 股関節唇は小さい組織なのでX線やCT、通常のMRI検査では異常が見つけられません。 そのため、特殊なMRI検査が必要です。 レントゲンで異常がないのに股関節の痛みが続く方は、股関節唇損傷の可能性を疑ってみましょう。 股関節唇損傷はどのくらいで治る? 股関節唇損傷の治療期間を「日常復帰」と「競技復帰」の2つに分けて紹介します。 股関節唇は自然に回復することはほぼない組織なので、自力での治癒はできません。 治療やリハビリを受けながら、長い目で疾患とつきあう必要があります。 日常生活に復帰できるまでの期間 股関節唇損傷から日常生活に復帰できるまでの期間は、保存療法で約3カ月、手術した場合は約2〜3週間程度です。 保存療法とは手術をしない治療法で、内服薬や注射で炎症を抑え、リハビリで筋力や柔軟性の向上を目指します。 また、手術では傷ついた股関節唇を縫い合わせたり、正しい位置で固定したりします。 一般的に、手術の際は3日ほど入院し、その後2~3週間のリハビリが必要です。 保存療法、手術療法ともに股関節に負担がかからない生活習慣を身につけるのが重要です。 競技(スポーツ)復帰できるまでの期間 股関節唇損傷からスポーツに復帰できるまでの期間は、約3〜6カ月程度です。 股関節の機能において、スポーツでは日常生活よりも高い安定性や柔軟性が求められます。 そのため、より専門的なリハビリが必要な場合があります。 股関節唇損傷の再発や痛みを予防するには、股関節をねじる動きや大きく開脚する際は慎重に行いましょう。 股関節唇損傷の治療方法 股関節唇損傷の治療方法について紹介します。 再生医療は、手術なしで組織の修復や痛みの軽減が期待できる治療法で、新たな選択肢として注目されています。 保存療法 股関節唇損傷の治療では、3カ月を目安に保存療法を行います。 具体的な内容を以下にまとめました。 保存療法は、身体への負担が少なく、通院で治療が可能です。 あぐらを組む動作や深いソファに腰掛けるのを避け、股関節を深く曲げないようにすると、股関節の痛みの軽減や予防に有効です。 しかし、 保存療法では関節唇の根本的な治療にはならないため、痛みが再発する可能性が考えられます。 手術療法 保存療法で症状の改善がみられない方や、日常生活に支障をきたすほど症状が進んでいる方、スポーツ選手の方は手術を勧められる場合があります。 股関節唇損傷の手術には主に以下の2種類があります。 手術は、関節唇の修復・再建によって痛みの軽減が期待できる上に、保存療法よりも短期間での復帰が見込まれます。 しかし、股関節鏡手術は高度な技術が必要とされ、国内での普及率はあまり高くありません。 また、合併症として感染症や出血、再発のリスクがあります。 再生医療 再生医療の幹細胞治療は、股関節唇損傷の治療期間の短縮や痛みの軽減に期待ができる治療法です。 患者さま自身の幹細胞を採取して培養し、股関節に注射するので手術や入院の必要がありません。 幹細胞は、損傷している組織を修復する働きがあるため、元に戻らないとされている股関節唇の治療に有効です。 長引く股関節唇損傷の痛みにお悩みの方や、根本的な治療を探している方は、ぜひ当院へご相談ください。 股関節唇損傷の治療後に行うリハビリテーション 安静時の痛みや、夜間の痛みがなくなった患者さまが行うリハビリテーションでは、股関節の可動域を広げたり、股関節周辺の筋力をアップしたりするトレーニングを行います。 トレーニングの内容は症状によって異なるので、理学療法士や作業療法士の指導に従いましょう。 股関節の正しい動かし方を習得して、股関節の機能の改善や再発の予防を目指しましょう。 股関節の可動域トレーニング 股関節唇損傷の治療後に行うリハビリテーションでは、股関節の可動域トレーニングが重要です。 保存療法や手術後で安静にしている状態が長いと、筋肉が固まり股関節の可動域が狭くなってしまいます。 そのため、股関節や周囲の筋肉の柔軟性を上げ、可動域を広げるための運動やストレッチが一般的です。 可動域のトレーニングで股関節の柔軟性が高まれば、衝撃の吸収に役立つだけでなく痛みの軽減にもつながります。 股関節周辺の筋力トレーニング 股関節周辺の筋力トレーニングも股関節唇損傷の治療後に行うリハビリテーションとして有効です。 筋力が不足していると股関節の安定性や機能が損なわれ、痛みが増す可能性があります。 リハビリでは主に、股関節につながる太もも(大腿四頭筋)やお尻の筋肉を鍛え、体幹のトレーニングを行います。 股関節周辺の筋肉量をアップして、股関節の安定化を目指しましょう。 股関節唇損傷の治療・再発予防に再生医療の治療を検討しよう 股関節唇損傷の治療および再発予防には、再生医療も一つの選択肢です。 手術や入院が不要で、損傷した股関節唇の再生が期待できるためです。 具体的な治療方法を以下にまとめました。 患者さま自身の細胞を使うため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低く、細胞の採取も米粒数粒程度なので体の負担が少ないのが利点です。 当院(リペアセルクリニック)では、独自の培養技術により、幹細胞を冷凍せずに培養しているため生存率が高い点が特徴です。 高い治療効果を期待したいとお考えの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。。 【まとめ】股関節唇損傷が治る期間|早期に医療機関を受診しよう 股関節唇損傷が治る期間は症状によって異なりますが、保存療法での日常生活の復帰に約3カ月、手術の場合は約2〜3週間程度かかります。 股関節唇は自然修復しない組織のため、長引く股関節の痛みにお悩みの方は、早期復帰のためにも早めに医療機関の受診を検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)では、股関節の痛みに再生医療による幹細胞治療をご案内しています。 再生医療を検討している方は、ぜひお問い合わせください。
2025.02.07 -
- 再生治療
- 肩
肩関節唇損傷は、肩関節が脱臼しないように安定させる役割を持つ関節唇が損傷する疾患です。 損傷した関節唇が自然治癒することはなく、適切な治療を受けなければいけません。 肩の過剰使用や脱臼が原因となることが多く、野球やテニスなどのスポーツ選手が発症しやすい疾患としても知られています。 本記事では、肩関節唇損傷の治療方法について解説します。 肩関節唇を損傷してしまった場合は、適切な治療を受けましょう。 肩関節唇損傷とは 肩関節唇損傷とは、肩の安定に不可欠である関節唇が剥がれてしまう疾患です。 関節唇は、関節のくぼみである関節窩の周りに付いている軟骨で、関節を安定させる重要な役割を果たしています。 特に肩関節の関節唇の上部は、デリケートで損傷しやすい部位です。 以下では、肩関節唇損傷の主な症状や原因について解説します。 肩関節唇損傷の主な症状 肩関節唇損傷の主な原因 損傷した関節唇は、自然治癒することがないため、医師の治療・リハビリの指示を受けましょう。 主な症状 肩関節唇損傷の主な症状は、以下の通りです。 肩の痛み 肩が抜けるような不安定感 可動域の制限 コリッと音(クリック音)がする 上記以外にも、関節の安定感が低下している状態ですので、脱臼を繰り返す「反復性肩関節脱臼」と呼ばれる状態に陥ってしまう可能性があります。 主な原因 肩関節唇損傷の主な原因として、以下の3つが挙げられます。 肩関節の脱臼 肩の使いすぎ 転倒や事故による外的要因 肩関節唇損傷は野球やテニスなど、肩を酷使するスポーツ選手や、肩に大きな負荷がかかる仕事をしている人によく見られる疾患です。 また、肩を強く打つなどの強い衝撃によっても関節唇が損傷するケースがあります。 特に、肩の脱臼が原因で肩関節唇を損傷した場合は、周囲の骨組織も傷つけてしまう場合があるため、反復性肩関節脱臼になりやすくなります。 肩関節唇損傷の治し方は?主な治療法 肩関節唇損傷の主な治療法をご紹介します。 保存療法 手術療法 再生医療 3つの治療法について、詳しく解説します。 保存療法 軽度の肩関節唇損傷の場合、保存療法によって症状や痛みの緩和を図ることが多いです。 保存療法は、細かく分けると以下のような方法があります。 薬物療法 リハビリ それぞれの治療法について詳しく解説します。 薬物療法 薬物療法は、消炎鎮痛剤の内服やヒアルロン酸の関節内注射が基本です。痛みが治まらない場合、ステロイド注射で痛みの緩和を図ります。 基本的には薬物療法によって痛みや炎症が落ち着いてから徐々にリハビリでの治療が行われます。 リハビリ 肩関節唇を損傷した場合、以下のようなリハビリが行われます。 肩関節のストレッチ 肩の可動域を改善する運動 肩の筋力強化 肩関節唇損傷は、肩後面の組織が硬いケースがあるため、柔軟性を上げるためにストレッチを行います。 また、肩関節唇を損傷すると痛みによって筋肉が緊張していて可動域が狭くなりやすいので改善する運動が重要です。 手術療法 保存療法で痛みが緩和されなかった場合、手術療法を検討するケースがあります。 肩関節唇損傷の症状に応じて「損傷した関節唇を物理的に除去」と「剥離した関節唇を縫合」などの処置を行います。 関節鏡を用いた手術が主流で、従来の切開手術より体への負担が少なく術後の回復が早い特徴があります。 個人差はありますが、約1ヶ月後には日常生活に戻れる程度には回復することが多いです。 スポーツの復帰には、術後3ヶ月から6ヶ月程度のリハビリが必要になります 。 再生医療 再生医療は、幹細胞のさまざまな組織に変化する能力を利用して損傷した箇所を修復・再生させる治療法です。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さま自身の細胞を用いるため、アレルギーや拒否反応のリスクが小さい点が特徴です。 また、手術不要で長期間の入院の必要がないので日常生活へ早く復帰できるメリットがあります。 保存療法で肩関節唇損傷が治らない方や手術を避けたい方は、再生医療による治療をご検討ください。 治療後のリハビリテーションの流れ 肩関節唇損傷は、治療後のリハビリが大切です。主なリハビリの方法を1ヶ月目から順番に解説します。 治療後1ヶ月目のリハビリ 治療後2ヶ月目のリハビリ 治療後3ヶ月目以降のリハビリ 治療が終わった後のリハビリがその後の生活にも大きく影響します。怪我の状態や時間経過に合わせて無理なくリハビリをしましょう。 治療後1ヶ月目のリハビリ 治療後初期は痛みがあるため、安静にし、鎮痛剤などで改善を図ります。また、夜間に肩を動かさないように装具を着用します。 しかし、肩背面の組織が硬くなりやすいため、リハビリは手術翌日から無理のない範囲で開始することが一般的です。 重い負荷をかけてトレーニングをしてしまうと悪化する可能性があるので、運動量や負荷には注意しなければなりません。 治療後2ヶ月目のリハビリ この時期は、肩関節の可動域向上、筋力強化のためのリハビリを行います。可動域を広げて肩関節の負担を軽減する狙いがあります。 肩の筋力を上げるトレーニングでは、軽い負荷から徐々に難易度を上げていくことが大切です。 スポーツ復帰を目指す場合は、全身の心肺機能を戻すために有酸素運動も行います。 治療後3ヶ月目以降のリハビリ 3ヶ月目以降は、トレーニングの負荷を上げながらスポーツに特化したリハビリが行われます。 スポーツの中では瞬発的な動作が多いため、素早い動作に対応できるようトレーニングします。 受傷のきっかけとなった動作をチェックし、再発を防止することが重要です。 肩関節唇損傷を放置するリスク 肩関節唇損傷を放置すると、「肩腱板断裂」を合併する可能性があります。 肩腱板断裂とは、腱板と呼ばれる肩の関節を安定させる働きがある筋肉が断裂してしまう疾患です。 肩の可動域や筋力の低下、肩を動かしたときや、夜間の肩の痛みなどの症状があります。 加齢によって発症することもありますが、肩の酷使や外傷によって断裂してしまうケースもあります。 肩関節唇損傷の治療・再発予防に再生医療という選択肢 肩関節唇損傷の治療・再発予防には、再生医療をご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまの幹細胞を利用した再生医療を行っています。 患者さま自身の細胞を用いた治療でアレルギーや拒絶反応などのリスクが少ない治療法です。 また、手術や入院が不要で日帰りで済ませることができます。 再生医療を検討している方は、ぜひ当院(リペセルクリニック)にご相談ください。 【まとめ】肩関節唇損傷を治すなら再生医療による治療を検討しよう 肩関節唇損傷は、自然治癒することはないため、病院で適切な治療を受ける必要があります。 損傷の状態に応じて、保存療法や手術などの治療法があります。 肩関節唇損傷の症状でお悩みの方は、手術や入院が不要な治療法として注目されている再生医療での治療をご検討ください 当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、患者さま自身の細胞を用いて治療を行うため、アレルギーや拒絶反応のリスクが少ない点が特徴です。 身体への負担も少なく済むため、肩関節唇損傷の根本的な治療には再生医療による治療を推奨しています。 手術を避けたい、保存療法で改善があまり見られなかった方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2025.02.07 -
- 変形性股関節症
- 再生治療
- 股関節
股関節が右だけ(左だけ)痛いと感じたことはありませんか。 股関節が片足側だけ痛くなる原因は、日常生活における姿勢やケガなどが関係している可能性があります。 また、変形性股関節症や関節リウマチなどの疾患が原因となる場合もあるため注意が必要です。 本記事では、股関節が右だけ(左だけ)痛くなる原因や対処法について詳しく解説します。 股関節の痛みに対処するには、原因に合わせて治療を行うことが大切です。股関節の右だけ(左だけ)が痛いと感じる人は、原因を知るためにも早めに医療機関を受診しましょう。 股関節が右だけ(左だけ)痛い原因 股関節が右だけ(左だけ)痛い原因は、以下の2つが考えられます。 股関節は身体を支える役割を担っているだけでなく、スムーズに下肢を動かすために必要な部位です。 片側だけ股関節が痛くなったときは、患部の痛みをかばって反対側も痛みが出る可能性があります。 片側だけ股関節が痛くなる原因を知り、股関節にかかる負担をできるだけ小さくしましょう。 日常生活における姿勢 股関節が右だけ(左だけ)痛い原因の1つに、日常生活における姿勢があります。日常生活で以下の姿勢をとることが多い人は、片側だけ股関節が痛くなりやすいため注意が必要です。 デスクワークの人は、長時間同じ姿勢で座っていることが多く、股関節周辺の筋肉が硬くなる可能性があります。 股関節周辺の筋肉が硬くなると、血流が悪くなり股関節に負担がかかりやすく痛みや違和感につながります。 猫背や反り腰の人は、骨盤が歪むことで左右の股関節の負担に差が生じ、片足だけに大きな負担がかかってしまう場合があります。 片足だけ負担が大きくなると、股関節も右だけ(左だけ)痛みが出る場合があるため、バランスのとれた正しい姿勢を心がけることが大切です。 怪我やスポーツ外傷 股関節が右だけ(左だけ)痛いときに考えられる原因に、怪我やスポーツ外傷があります。 怪我やスポーツ外傷により股関節周りを損傷すると、怪我を負った側の股関節が痛くなる可能性があります。片側の股関節痛が出やすい主なスポーツ外傷は、以下のとおりです。 下肢の動きに深く関係する股関節は、スポーツによる負荷を受けやすい部位です。股関節に違和感を覚えたら、休息をとって安静にしましょう。 股関節が右だけ(左だけ)痛いときに考えられる疾患 股関節が右だけ(左だけ)痛いときに考えられる疾患は、以下の4つです。 原因となる疾患を知るために、股関節に痛みが出たら早めに医療機関を受診しましょう。 変形性股関節症 股関節が右だけ(左だけ)痛いときは、変形性股関節症の可能性が考えられます。 変形性股関節症は、加齢や肥満、関節の使いすぎなどの原因によって股関節の軟骨が擦り減り、骨と骨がぶつかることで痛みが生じる疾患です。 関節の擦り減りが進行し、 痛みがある股関節をかばうと反対側の股関節も痛くなる可能性があるため注意が必要です。 以下の動画では、変形性股関節症について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。 関節リウマチ 股関節が右だけ(左だけ)痛い場合に考えられる疾患に、関節リウマチがあります。関節リウマチは、免疫系の異常により関節内に炎症が起こり、関節の痛みや腫れを引き起こす疾患です。 関節リウマチは自己免疫疾患の1種で、症状が慢性化するのが特徴です。症状は全身のあらゆる関節に見られますが、特に手足の指の関節に症状が現れやすいです。 関節リウマチは完治しない疾患であり、症状と長く付き合う必要があります。自身に合った対処法で痛みをコントロールして、症状の悪化を防ぎましょう。 関節リウマチの早期受診の重要性については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。 骨頭壊死 股関節が片側だけ痛む場合に考えられる疾患に、骨頭壊死があります。骨頭壊死は太ももの骨の上側で起こりやすく、以下の因子によって発症リスクが高まります。 股関節の怪我や生活習慣病などにより、骨に血液が十分に供給されなくなると骨細胞が壊死します。 初期症状は股関節や太ももに痛みが出ますが、壊死の範囲が狭い場合は痛みを感じないこともあります。 骨頭壊死が進むにつれて、痛みが強くなったり、歩行困難に陥ったりするため早期の治療が重要です。 大腿骨近位部骨折 股関節が右だけ(左だけ)痛いときは、大腿骨近位部骨折の可能性があります。 大腿骨近位部骨折は、股関節に近い大腿骨(太ももの骨)が骨折した状態のことです。骨折した部位によって「大腿骨頸部骨折」と「大腿骨転子部骨折」に分類されます。 高齢者や骨粗しょう症の方は骨の強度が低下してしまったことで骨折しやすくなっている可能性もあるので注意が必要です。 大腿骨を骨折すると痛みだけではなく腫れや内出血などの症状が現れます。 片方だけ痛む股関節は「股関節以外」に原因がある可能性 片方だけ痛む股関節は、「股関節以外」に原因がある可能性もあります。 腰の神経や骨に異常があり、足の付け根周辺まで痛みが広がる「放散痛」で股関節に痛みを感じることも考えられます。 上記の疾患になると、下肢の動きが制限され日常生活に支障が出るため注意が必要です。 坐骨神経痛 片方だけ痛む股関節は、坐骨神経痛が原因の可能性があります。 坐骨神経痛は、腰から足にかけて伸びている坐骨神経が圧迫や刺激を受けることでお尻や太ももに痛みやしびれを感じる症状が現れます。 主な症状は、以下のとおりです。 股関節に関する疾患ではありませんが、お尻や太ももの痛みが広がり股関節に痛みを感じる場合があります。 腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などで変形した腰の骨は、坐骨神経を圧迫する恐れがあるため注意が必要です。 坐骨神経痛が出現したら、無理に動かさず、安静に過ごしましょう。 腰部脊柱管狭窄症 股関節が片側だけ痛む場合は、腰部脊柱管狭窄症の可能性が考えられます。 腰部脊柱管狭窄症とは、背骨にある神経が詰まった脊柱管が狭まり、内部の神経や脊髄が圧迫される疾患です。 主な症状は、以下のとおりです。 坐骨神経痛と同様に、お尻や太ももの痛みが広がり股関節に痛みを感じる場合があります。 腰部脊柱管狭窄症で歩行時に痛みが出現する方でも、前かがみの姿勢をとれば症状が軽減する場合があります。 前かがみの姿勢で痛みが落ち着く理由は、狭まった脊柱管が一時的に広がるためです。 股関節が右だけ(左だけ)痛いときの対処法 股関節が右だけ(左だけ)痛いときは、無理のない範囲でストレッチを行うことが大切です。 股関節のストレッチは、内股にならないように注意して行ってください。内股の姿勢は、股関節へ負担がかかりやすく、症状が悪化する可能性があります。 股関節痛が悪化する原因や正しいストレッチ方法については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 股関節が右だけ(左だけ)痛いときの治療法 股関節が右だけ(左だけ)痛いときの治療法は、以下の2つです。 股関節の痛みが出現したばかりであれば、保存療法によって痛みの緩和が期待できます。 股関節の痛みが長引いていたり、保存療法を受けても改善がみられなかったりする場合は、再生医療を検討しましょう。 保存療法 股関節が右だけ(左だけ)痛いときは、以下の保存療法により痛みを軽減できる可能性があります。 保存療法の種類 具体的な方法 温熱療法 ホットパックの使用、入浴 薬物療法 消炎鎮痛剤(内服薬・外用薬・坐薬)の使用 運動療法 股関節のストレッチ、下肢の筋力トレーニング、プール内歩行 股関節痛がひどいときは、運動療法ではなく温熱療法や薬物療法などで痛みのコントロールをはかりましょう。 痛みが和らいできたら悪化防止のために、無理のない範囲で運動療法を実施し、股関節周りの筋力を向上させることが大切です。 再生医療 股関節痛が長引いている場合は、再生医療による治療も選択肢の1つです。再生医療は、痛みの緩和だけでなく、損傷した関節や軟骨の修復が期待できます。 再生医療とは、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して股関節に注射し、損傷した組織の再生を図ります。 入院や手術を必要としない再生医療は、仕事や家庭の事情で長期休みを取れない方でも受けやすい治療法です。 当院(リペアセルクリニック)は狭い股関節内でもダイレクトに幹細胞を注射できるように、「関節内ピンポイント注射」を実施しています。 また、独自の細胞培養技術により、新鮮な幹細胞を投与できるのも特徴です。 股関節痛にお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 【まとめ】股関節が右だけ(左だけ)痛いときは放置せずに医療機関を受診しよう 股関節が片側だけ痛むときは、早めに医療機関を受診し、痛みの原因を知ることが大切です。 痛みの原因に合った対処法や治療法を選択すれば、股関節痛の緩和が期待できます。 股関節痛が悪化し、保存療法での対処が難しい場合は、再生医療による治療を検討しましょう。 股関節が右だけ(左だけ)痛いときの治療にお困りの方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2025.02.07 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞は一度発症すると再発の可能性も高い危険な病気です。 どのような原因で発症してしまうのか、予防する方法があるのか不安な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の原因や予防方法について紹介します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞の治療法 脳梗塞の初期症状や治療法についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞とはどのような病気? 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳の神経細胞が損傷してしまう病気です。 脳の細胞は血流が途絶えると数時間で死んでしまうため、治療が遅れると重篤な後遺症や命を落としてしまうケースもあります。 重症化する前に発見されることが多いため、死亡率は10%と低めですが脳梗塞は死につながることも。 また、脳梗塞が原因で心臓や肺に負担がかかることで「心不全」や「肺炎」など、二次的な合併症リスクもあるため注意が必要です。 脳梗塞の主な原因 脳梗塞の主な原因は、以下の3つです。 高血圧 動脈硬化 心房細動 高血圧が続くと動脈が硬くもろくなり、動脈硬化が進行します。動脈硬化の進行によって血管内に血栓ができ、血管の中が狭くなって脳梗塞を引き起こす可能性があります。 また、不整脈の一種である心房細動によって、血流の動きが妨げられ血栓ができやすくなります。その血栓が脳に運ばれてしまうと脳梗塞を発症します。 心房細動による脳梗塞は脳の広い範囲に影響が出やすく、半身麻痺や寝たきり状態になる可能性が高いです。 脳梗塞の前兆・初期症状について https://youtu.be/uYzcc3F8SjY?si=HmT_3yoHakLNyC6v 脳梗塞は、主に以下のような前兆や初期症状がみられます。 脳梗塞の初期症状 顔面の麻痺 右半身/左半身の麻痺 ろれつが回らない めまい・吐き気 視野の欠損 上記のような症状が出た場合、必ず病院を受診して治療を受けてください。 脳梗塞の初期症状は突然現れることが多いため、小さな違和感を見逃さないように普段から体調を気遣いましょう。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞を予防するためのポイントを5つ紹介します。 適度な運動の習慣をつける 食生活を改善する 水分をこまめに摂る ストレスを溜めないようにする 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞の原因を作らないためにも、それぞれの予防ポイントを把握して実践してみましょう。 適度な運動の習慣をつける 運動をすると血管機能が上昇し、高血圧や脂質異常の改善が期待できます。 脳梗塞の予防には、筋トレやウォーキングなどの有酸素運動が有効です。 1日5,000歩の歩行かつ、ジョギングや自転車に乗るなどの中強度身体活動を7.5分行うことが推奨されています。 ※出典:脳卒中患者における身体活動研究の動向 運動をする時間や頻度は、自分の体調や運動能力に合わせて無理のない範囲で行いましょう。 食生活を改善する 脳梗塞を予防するために、以下のポイントを意識して食生活を改善しましょう。 減塩する 高血圧や動脈硬化のリスクを抑える タンパク質を摂る 血圧を下げる、血行促進、血管を柔らかくする働きがある 抗酸化作用のある食材を摂取する 血管細胞の機能を維持、動脈硬化を抑制する 食塩の1日の適正摂取量は男性:7.5g未満、女性:6.5g未満です。高血圧を予防・治療する場合の摂取量は1日6.0g※未満となっています。 ※出典:厚生労働省「日本における食塩摂取量の現状と減塩推進への課題」 他にも、タンパク質や抗酸化作用のある緑黄色野菜などの摂取が脳梗塞予防に効果的です。 水分をこまめに摂る 脳梗塞を予防するために、こまめに水分を摂りましょう。 体内の水分が少なくなると、血液がドロドロになって血栓ができやすくなります。 喉が渇いたとき、食事中、入浴後などに水分を摂取しましょう。空気が乾燥する秋・冬もこまめな水分補給を意識しましょう。 ただし、水の飲みすぎには注意が必要です。水を飲み過ぎると腎臓に負担をかけてしまうため、適度な水分補給を心がけてください。 ストレスを溜めないようにする 脳梗塞を予防するために、ストレスを溜めないようにすることも重要です。 ストレスが脳梗塞を引き起こす理由 血圧や血糖値が上昇し、動脈硬化や糖尿病の原因になる 血管が収縮して血栓ができやすくなる 前頭前野の働きが弱まり、暴飲暴食や過度の飲酒などの不摂生な生活につながる ストレスを溜めないように生活リズムを整えましょう。睡眠や適度な運動はストレス発散に有効です。 また、日光を浴びることもストレス発散につながるので、屋外での有酸素運動をしてみましょう。 脳梗塞につながる病気の早期発見・治療 脳梗塞を予防するために、脳梗塞につながる病気の早期発見・治療を意識しましょう。 脳梗塞につながる病気 高血圧 動脈硬化 心房細動 上記のような脳梗塞を引き起こす可能性がある症状を早期に見つけ、治療を開始することが重要です。 脳梗塞の症状が出ない場合もあるため、予防のためにも定期的に検査を受けましょう。 また、生活習慣病や心疾患のリスクが高い方は早期改善、治療を意識してください。 脳梗塞の予防検査では、頭部MRIや頸動脈エコー検査が行われます。 脳梗塞の治療方法は? 脳梗塞の治療方法は主に以下の4つがあります。 t-PA(血栓溶解療法) 血管内治療 内服療法 外科手術 詳しい治療内容について解説します。 t-PA(血栓溶解療法) t-PA(血栓溶解療法)は、発症から4~5時間以内の急性期に用いられる治療法で、脳に詰まった血栓を溶かす働きがあります。 t-PA(血栓溶解療法)は内服薬ではなく静脈注射ですので、家での治療はできません。 また、t-PAの効果が期待できるのは3割ほどといわれています。 さらに、t-PA(決戦溶解療法)は、血栓を溶かす作用が協力なため、脳内出血が生じる可能性もあり、医師との相談が必須です。 血管内治療 血管内治療は、カテーテルを血管に挿入し血栓を除去・吸引する治療方法です。 足や手の血管を通じてカテーテルを挿入するため、頭を切開する必要がなく傷が目立たないことが利点です。 身体への負担も少ないため、早期の社会復帰も期待できます。 しかし、時間的な制限があり、一般的に脳梗塞を発症してから8時間以内に治療をする必要があります。 内服療法 内服療法では、以下のような薬を内服して治療・再発防止を行います。 抗血小板薬 血小板が血管の壁に付着し狭くなる/壁に付着した血小板がはがれて血管を詰めることを防ぐ 抗凝固薬 血液が固まらないようにする どちらも注射・経口薬があります。 抗凝固剤は量が多すぎると出血しやすくなる危険があるため、適正量を厳しくチェックする必要があります。 医師と相談し、服薬量などを守ることが重要です。 外科手術 外科手術では、以下のような治療を行います。 再開通療法(カテーテル治療) 脳梗塞発症から8時間以内 血栓を回収する機材を血管に入れて血栓を除去 血管吻合術(バイパス術) 頭皮をは知る血管をはがし、詰まった血管の先につなぐ 血流が新に確保できるため、再発予防につながる 頸部内頸動脈内膜剥離術 頸部に狭窄がある場合に行う手術 動脈硬化で厚くなった壁をくりぬく 外科手術は、t-PA(血栓溶解療法)ができない、内服療法では再発予防が難しい患者さんに対して行われます。 脳梗塞の治療に「再生医療」という新たな選択肢 脳梗塞の治療方法として、再生医療による幹細胞治療が注目されています。 再生医療とは、患者さん自身の細胞を利用して損傷した部位を保護・修復することが期待できます。 自身の細胞を利用するため拒否反応が起こる確率が低く、従来の手術よりも身体への負担が少ない治療法です。 破れたり詰まりやすくなっている血管も修復する働きがあるため、再発予防としても効果的です。 再生医療による脳梗塞の後遺症治療の実例を紹介 https://youtu.be/VoFvJa_yBGI 当院で幹細胞治療を受けた患者さんには、以下のような効果が見られました。 筋肉の緊張がほぐれた 筋肉がついてきた 滑舌がよくなった 腕の痛みが緩和された 幹細胞治療は回数を重ねるごとに脳梗塞の症状が緩和されていきます。 【まとめ】脳梗塞の原因について|予防のためにやるべきこと 脳梗塞の原因や予防するために注意することを紹介しました。 さまざまな原因が脳梗塞を引き起こす可能性があるので、規則正しい生活と適度な運動を心掛けましょう。 また、脳梗塞を予防するために食生活を見直すこともおすすめします。 再生医療は脳梗塞の根本的な改善につながる新たな治療法として期待されています。 脳梗塞の治療で再生医療を検討している方は、当院にご相談ください。
2025.01.09 -
- 脳梗塞
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「ストレスから脳梗塞になる?」 上記のように「日頃のストレスが大きな病気につながらないか」不安な方も多いのではないでしょうか。脳梗塞の主な原因は、高血圧などの生活習慣病ですが、ストレスを溜めると間接的に脳梗塞のリスクを高める可能性があります。 本記事では、脳梗塞の原因となり得るストレスが体に与える悪影響について、詳しく解説します。 この記事を読むとわかること 脳梗塞とストレスの関係性 ストレスが体に与える影響 脳梗塞の発症リスクを低減するために、脳梗塞になりやすい人の特徴や、ストレスの解消方法を確認しましょう。 ストレスは脳梗塞の原因となる可能性がある ストレスは、脳梗塞の原因となる可能性があります。脳梗塞を予防するために、以下2つのポイントを知ることが大切です。 脳梗塞を予防するためのポイント 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞になりやすい人の特徴 日常的に強いストレスを感じている人は、脳梗塞をはじめとした脳卒中になりやすいため注意が必要です。 脳梗塞になりやすい人には特徴があるため、当てはまっていないか確認しましょう。 脳梗塞とストレスの関係性 脳梗塞とストレスには、大きな関係があります。ストレスは脳梗塞の直接的な原因ではありませんが、脳梗塞のリスクを高める高血圧や動脈硬化の原因となる可能性があるためです。 強いストレスを感じているときは、交感神経が優位になります。交感神経は、体内で生成・分泌されるホルモンを調節する自律神経の1種です。 交感神経が優位になると、脈拍数の増加や血圧の上昇が起きて高血圧につながり、血管に大きな負担がかかります。高血圧によって血管がダメージを受けると、動脈硬化のリスクが高まり、脳梗塞を発症しやすくなります。 脳梗塞になりやすい人の特徴は? 脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。 脳梗塞になりやすい人の特徴 高血圧 糖尿病 脂質異常症 心房細動 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 脳梗塞は、生活習慣病やストレスなどが関係する環境因子と、遺伝的因子が合わさって発症リスクが高まります。 家族に高血圧や脳卒中の人がいる場合は、遺伝的に脳梗塞になりやすいため注意が必要です。 環境因子は、生活習慣の改善で排除できる場合もあるため、日常生活を見直しましょう。 以下の記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴について詳しくご紹介していますので、合わせてご覧ください。 ストレスが体に与える悪影響とは? ストレスが体に与える悪影響は、以下のとおりです。 ストレスが体に与える悪影響 高血圧 睡眠障害 喫煙 ストレスが体に与える悪影響は多いため、自分に合ったストレス発散法を見つけ、早急に対処しましょう。 高血圧 ストレスが体に与える悪影響の1つに、高血圧があります。高血圧とは、一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くことをいいます。 強いストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が優位になり、血圧が上がります。高血圧の状態が続くと血管に大きな負担がかかり、動脈硬化になりやすいため注意が必要です。 高血圧を原因とした動脈硬化は、脳梗塞の主なリスク因子です。脳梗塞をはじめとした脳卒中は、高血圧と深く関係します。 家族に高血圧の人がいたり、普段から血圧が高かったりする人は、病院を受診し早期から血圧管理を行うことが重要です。 以下の動画では、高血圧と血糖値について、詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 高血圧を予防するために、塩分を控えた食事を心がけたり、運動を習慣化したりしましょう。 睡眠障害 ストレスが体に与える悪影響には、以下の睡眠障害があります。 不眠症 眠りにつくまでに時間がかかること(入眠困難) 眠りについても途中で起きてしまう状態(中途覚醒) 早朝に起きてしまい、もう一度眠れない状態(早朝覚醒) 熟睡できず疲労感が残っている状態(熟眠障害) 過眠症 夜間に睡眠がとれているにもかかわらず、日中起きていられないこと 睡眠時無呼吸症候群 睡眠中にひどいいびきや無呼吸が生じる疾患 概日リズム睡眠・覚醒障害群 体内時計にずれが生じ、起床時間や就寝時間が不規則になる状態 睡眠障害が起こると、日中の活動力低下や集中力低下、倦怠感などが生じやすいため注意が必要です。 睡眠障害が原因で生活習慣が乱れると、生活習慣病になる可能性が高まり、脳梗塞を発症する恐れがあります。 喫煙 ストレスが体に与える悪影響に、喫煙があります。ストレスを感じ喫煙する人がいますが、イライラをたばこで一時的に緩和しているだけなので注意が必要です。 喫煙習慣はたばこに含まれるニコチンの依存度へ強い影響を与え、喫煙者はストレス解消方法として喫煙行動をとっている可能性が高いことが示唆されています。 出典:喫煙の習慣がストレス状況下での喫煙欲求におよぼす影響|Journal of Health Psychology Research 2017, Vol. 30, No. 1, 9–17 喫煙は動脈硬化や高血圧などを発症するリスク因子であり、脳梗塞の危険性が高まるため、禁煙が大切です。 ストレスを感じる原因や解消方法 ストレスを感じる原因や解消方法は、人によって異なるため以下の項目を確認し、ストレス発散法を知ることが重要です。 ストレスの原因と解消方法 ストレスの原因 おすすめのストレス解消方法 同じ状況下でも人によってストレスを感じる程度が異なる場合があります。 ストレスを感じやすい原因を知り、自身で対処できるようにストレス解消方法も合わせて確認しましょう。 ストレスの原因 ストレスを感じる原因は、主に以下の4つがあります。 ストレスを感じる原因 仕事(人間関係・収入など) 住環境の変化 親の介護問題 自身の健康問題 厚生労働省の調査※によると、仕事や職業生活でストレスを感じている労働者の割合は82.7%です。 ※出典:令和5年労働安全衛生調査(実態調査)|厚生労働省 予想していなかった出来事が急に起こったり、外部から強い刺激を受けたりすると、強いストレスを感じやすいため注意が必要です。 とくに真面目な性格の人や自己肯定感の低い人はストレスを感じやすく、身体の不調も出やすい特徴があります。 おすすめのストレス解消方法 おすすめのストレス解消方法は、以下のとおりです。 おすすめのストレス解消方法 運動する 自分の気持ちを書き出す 家族や友人に相談する 趣味を楽しむ(読書や映画鑑賞など) ゆっくり入浴する 部屋の模様替えをする 運動や部屋の模様替えなどは、リフレッシュできストレス発散につながります。ゆっくり入浴することで、ストレスで活性化した交感神経の働きを抑えられる効果が期待できます。 ストレスと上手に付き合えるように、自身に合った方法でリフレッシュをし、脳梗塞のリスクを低減しましょう。 脳梗塞の初期症状が出たら早期受診・治療を受けることが重要 脳梗塞の初期症状が出たら、早期受診し、治療を受けることが重要です。脳梗塞の主な初期症状は、以下のとおりです。 脳梗塞の初期症状 顔のしびれやゆがみ 呂律が回らない 感覚が鈍くなる 手足の力が入りにくくなる めまいや吐き気 目のかすみやぼやけ 脳梗塞の前兆や初期症状かもしれないと感じたら、すぐに病院を受診しましょう。 以下の動画では、脳梗塞の前兆について詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞を早期から治療できれば、症状の悪化を防げる可能性があります。 脳梗塞を放置すると重い後遺症が出る場合もあるため、早急な対処が重要です。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問を紹介します。 脳梗塞とストレスの関係についてよくある質問 ストレスで脳梗塞になりますか? 脳梗塞の1番の原因は何ですか? ストレスは脳梗塞の原因になる可能性があるため、ストレスを溜めないように過ごすことが大切です。 各質問の回答を参考にし、脳梗塞を予防しましょう。 ストレスで脳梗塞になりますか? ストレスによって、脳梗塞になる可能性はあります。 ストレスが脳梗塞の原因とされる理由は、脳梗塞につながる「高血圧」や「動脈硬化」の原因になるためです。 ストレスを感じると自律神経の1種である交感神経が優位になり、体が興奮状態になります。 交感神経が優位になると、血圧の上昇や脈拍数の増加などが起こり、血管の負担が大きくなります。 もろくなった血管を修復するために作られた血栓が脳内へ移動したり、脳血管内で血栓ができたりすると、脳梗塞のリスクが高まるため注意が必要です。 脳梗塞の1番の原因は何ですか? 脳梗塞の1番の原因は、高血圧です。高血圧の状態が長く続くと、脳梗塞のリスク因子である動脈硬化のリスクが上がります。 高血圧や動脈硬化により、血管壁がもろくなったり、厚くなったりすると血栓ができやすくなるため注意が必要です。 脳梗塞を予防するためには、自身の血圧変動を知り、日頃から血圧管理を十分に行うことが重要です。 ストレスも高血圧の原因になるため、運動や趣味などでストレスを解消するよう心がけましょう。 【まとめ】ストレスは脳梗塞の原因になる!初期症状を見逃さないことが重要 ストレスは脳梗塞の原因になるため、日頃からストレスを溜めないように注意しましょう。 脳梗塞になってしまった場合は、初期症状を見逃さないことが重要です。 初期症状を見逃してしまうと、脳梗塞の症状が悪化し、重い後遺症が出る可能性があります。脳梗塞の初期症状には、顔のゆがみやめまい、吐き気などがあります。 症状が一時的に出現する場合は、脳卒中の前兆の可能性もあるため、症状を放置せずにすぐに病院を受診するのが大切です。 脳梗塞の治療には、再生医療の検討もおすすめです。再生医療を検討する際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.09 -
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脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。生活習慣病を持つ人やストレスを溜めてしまう性格の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。 本記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴や予防方法について解説します。発症リスクを確認し、脳梗塞を予防しましょう。 この記事を読むとわかること 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞の予防方法 脳梗塞になりやすい人の特徴に当てはまる場合でも、生活習慣を改善すると発症リスクを低減できる可能性があります。 発症リスクを理解して脳梗塞を予防するためにも、ぜひ最後までご覧ください。 脳梗塞とは 脳梗塞は、脳血管に血栓が詰まり血流が途絶えることで、脳の神経細胞が死んでしまう病気です。脳血管が詰まると、全身に指令を送る神経細胞まで十分な血液が供給されないため、さまざまな症状が現れます。 脳梗塞の主な症状は、以下のとおりです。 麻痺 言語障害 感覚障害 歩行障害 排尿・排便障害 脳梗塞を発症しないよう、脳梗塞になりやすい人の特徴を確認しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴 脳梗塞になりやすい人には、以下の8つの特徴があります。 高血圧 脂質異常症 心房細動 糖尿病 動脈硬化 運動不足 ストレスを溜めやすい 遺伝 乱れた食生活や運動不足によって発症した生活習慣病は、脳梗塞の原因にもなりうるため注意が必要です。以下の動画では脳梗塞の初期症状についてわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞になりやすい人の特徴について、それぞれ詳しく解説します。 高血圧 脳梗塞になりやすい人の特徴の1つに、高血圧があります。一般的に最高血圧が140mmHg以上、あるいは最低血圧が90mmHg以上の状態が慢性的に続くと高血圧と診断されます。 高血圧にならないために、以下の特徴を持つ人は注意しましょう。 肥満である 過剰にアルコールを摂取している 喫煙している ストレスを溜めやすい 親族に高血圧の人がいる 高血圧の状態が続くと、血管壁がもろくなり血栓ができやすいため、日常的な血圧管理が大切です。 脂質異常症 脂質異常症の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。脂質異常症とは、血液中の脂質の量が過剰になる疾患で、診断基準※は以下のとおりです。 疾患名 診断基準 高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール140mg/dl以上 境界域高LDLコレステロール血症 LDLコレステロール120~139mg/dl 低HDLコレステロール血症 HDLコレステロール 40mg/dL未満 高トリグリセライド血症 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 150mg/dL以上(空腹時採血) 中性脂肪(トリグリセライド:TG) 175mg/dL以上(随時採血) ※参照:脂質異常症|eヘルスネット(厚生労働省) 過食・肥満傾向があったり、運動習慣がなかったりする人は、脂質異常症になりやすいため注意が必要です。 血液中に過剰に存在するコレステロールや中性脂肪は、プラーク(粥種)となり血管壁に沈着します。プラークが血管壁に沈着すると、血管壁が肥厚して固くなり、動脈硬化のリスクが高まります。 心房細動 脳梗塞になりやすい人に、心房細動の方が挙げられます。心房細動は、加齢や高血圧などが原因で起こる不整脈です。 心房細動になると血液循環機能が上手に働かず、心房内に古い血液が溜まります。古い血液は新しい血液より粘度があるため、血栓ができやすくなります。 糖尿病 糖尿病の人は、脳梗塞になりやすい傾向があります。糖尿病は、血糖値を下げるホルモンのインスリンが上手に機能しない病気で、診断基準※は以下のとおりです。 血糖値 空腹時血糖≧126mg/dl 75g経口ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値≧200mg/dl 任意の時間の血糖値≧200mg/dl HbA1c HbA1c(JDS値)≧6.1% HbA1c(NGSP)≧6.5% ※参照:糖尿病の新しい診断基準|国立国際医療研究センター糖尿病情報センター インスリンの機能低下により高血糖状態になった場合は、動脈硬化が進行します。血管の状態が悪化し血液循環が滞ると血栓が作られ、脳梗塞になるリスクが高まります。 動脈硬化 動脈硬化がある人は、脳梗塞の発症リスクがあるため注意が必要です。動脈硬化は加齢や高血圧、糖尿病などが要因となり、血管壁がもろくなる疾患です。 もろくなった血管壁を修復するために、血小板が凝集し、血栓ができやすくなります。動脈硬化が進行し身体のどこかで作られた血栓が脳血管まで到達したり、脳内で血栓ができた場合は、脳梗塞を発症する可能性があります。 運動不足 脳梗塞になりやすい人の特徴に、運動不足があります。運動不足の人が脳梗塞になりやすい理由は、生活習慣病の発症リスクが高いためです。 脳梗塞は血管障害で、生活習慣病と密接にかかわっています。血液循環が正しく行われるよう、運動を習慣化し血液を綺麗な状態に保つことが大切です。 ストレスを溜めやすい ストレスを溜めやすい性格の人は、脳梗塞になりやすいため注意が必要です。ストレスを溜めてしまうと血圧が上がり、脳梗塞の発症リスクを高めます。 高血圧や脂質異常症などの生活習慣病は、動脈硬化のリスクも高めるため、脳梗塞になりやすくなります。生活習慣病にならないよう、自身に合った方法でストレスを発散しましょう。 遺伝 脳梗塞の発症リスクは、遺伝が関係している場合があります。脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患は、ストレスや飲酒などの環境的素因と遺伝的素因が組み合わさって、発症リスクが高まるといわれています。 家族に脳梗塞の人がいる場合や、もともと血圧が高い人は、脳梗塞の発症リスクが高いため注意しましょう。 脳梗塞になりやすい食べ物はある? 脳梗塞になりやすい食べ物の例は、以下のとおりです。 理由 食品例 乳製品 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい バター、マーガリン、チーズ 加工肉 飽和脂肪酸が多く、LDLコレステロール値が上がりやすい ハム、ベーコン、ソーセージ お菓子・スイーツ トランス脂肪酸が多く含まれるため スナック菓子、ケーキ、クッキー 漬物・干物 塩分が多く含まれており、生活習慣病のリスクが高まるため 梅干し、漬物、干物 アルコール類 過剰なアルコール摂取は、生活習慣病のリスクを高めるため ビール、ワイン、日本酒 動物性脂肪やトランス脂肪酸を含む食品や、加工食品の多量摂取は、動脈硬化のリスクを高めます。アルコールの過剰摂取も脳梗塞の発症リスクを高めるため、お酒の飲みすぎに注意しましょう。 脳梗塞を予防する食べ物を日常の食事に取り入れ、健康的な食事習慣をつくりましょう。 脳梗塞にならないためにすべきこと 脳梗塞にならないためには、以下の3つの行動を心がけることが大切です。 生活習慣の改善 食生活の改善 運動不足の解消 乱れた食生活や運動不足が続くと、生活習慣病の発症リスクが高まり脳梗塞になりやすくなります。生活習慣を見直し、脳梗塞のリスク因子を減らしましょう。 生活習慣の改善 脳梗塞にならないために、生活習慣の改善が大切です。生活習慣を改善すると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症リスクを低減できます。 生活習慣を見直す際は、以下のポイントを確認しましょう。 栄養バランスが良い食事にする 過剰なアルコール摂取を控える 禁煙する・喫煙本数を減らす 適度に運動する ストレスを溜めない ストレスや疲労を溜めずに、規則正しい生活を送れば、脳梗塞のリスク因子の生活習慣病を防げます。改善できる生活習慣から見直していくことが大切です。 食生活の改善 脳梗塞を予防するために、食生活を改善しましょう。食生活を改善すると、高血圧や動脈硬化の予防に繋がり、脳梗塞になりにくくなります。 脳梗塞の予防に効果的な食品は、以下のとおりです。 脳梗塞の予防に効果的な食品 理由 トマト・トマトジュース トマトに含まれるリコピンは、悪玉コレステロールの値を下げる働きがある 魚類 魚類に含まれるEPAは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがある オリーブオイル オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸は、コレステロールや中性脂肪を下げる働きがある 緑黄色野菜・果物類 ミネラルやビタミンは、体の酸化を予防できる 食物繊維はコレステロールの排出を促す働きを持つ ナッツ類 ナッツに豊富に含まれるビタミンEは、抗酸化作用があり、悪玉コレステロールを減らす働きを持つ 悪玉コレステロールや中性脂肪の値が下がると血圧も下がるため、脳梗塞の予防に効果的です。以下の動画では、脳梗塞の予防に効果的な食品について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。 過剰摂取を避け、栄養バランスを考えて日々の食事に上記の食品を取り入れましょう。 運動不足の解消 脳梗塞を発症しないためには、運動不足を解消することが重要です。運動不足を解消すると血行が促進され、生活習慣病のリスクを低減できたり、ストレスを発散できたりします。 脳梗塞の予防には、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行うのが効果的です。以下の具体例を参考に、日々の生活に運動を取り入れましょう。 有酸素運動 ウォーキング ランニング サイクリング 水中運動 筋力トレーニング スクワット 腹筋・腕立て伏せ プランク 厚生労働省は「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」※で、息が弾み汗をかく程度以上の運動を週60分以上、筋力トレーニングは週2~3日行うことを推奨しています。 参照:健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023|厚生労働省 運動する時間がない人は、家事や仕事などで積極的に身体を動かしましょう。 脳梗塞の再発リスクと予防方法について 脳梗塞の再発を予防するために、以下の2つのポイントを確認しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞は再発率が高い疾患ですが、日常生活の改善や適切な治療を行うと、再発リスクを下げられます。脳梗塞が再発しやすい理由を確認し、予防策を実践しましょう。 脳梗塞は10年以内に約50%が再発している 脳梗塞を発症した人は、10年以内に約50%が再発している現状※があります。 参照:日本人コミュニティにおける初めての脳卒中から10年間の再発|久山研究 脳梗塞の再発率が高い理由は、症状が出現していない場合でも以下の危険因子が潜んでいるためです。 生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病など) 遺伝 脳梗塞の症状が落ち着くと、今まで気をつけていた生活習慣やリハビリなどへの意識が低くなり、再発リスクが上がるため注意しましょう。 再発予防のためにすべきこと 脳梗塞の再発予防のために、以下3つの方法を実施することが大切です。 生活習慣の改善 薬物療法 リハビリ 退院後は自分で生活環境を整え、食事管理や運動などを行う必要があるため、入院中できていたことができなくなってしまう場合があります。入院中から退院を見据え、生活習慣を改善していきましょう。 脳梗塞の再発を抑えるために「再生医療」が注目されている 脳梗塞の再発を抑えるために、再生医療が注目されています。再生医療とは、損傷した部位を修復するために、肝細胞の点滴を投与する治療法です。 脳梗塞の再生医療で期待できる効果は、以下の3つです。 後遺症の緩和 リハビリ効果の増大 脳梗塞の再発予防 リハビリと合わせて再生医療を行うと、脳梗塞の後遺症である麻痺や言語障害などの症状を緩和できる可能性があります。専門家の意見を聞き、再生医療の実施を検討するのがおすすめです。 再生医療は原因となった部位だけでなく、脳梗塞になりそうな血管の修復も可能です。脳梗塞になりやすい特徴を持つ人は、再発を防ぐために再生医療も検討しましょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴まとめ|予防のためにすべきこと 脳梗塞になりやすい人は、生活習慣病の人やストレスを溜めやすい性格の人です。脳血管疾患の発症リスクには、遺伝的素因も関係するため、家族に脳梗塞や脳出血などの人がいる場合は注意が必要です。 脳梗塞の再発予防のためにできることに、生活習慣の改善や薬物治療、再生医療があります。自身に合った方法で脳梗塞になるリスクを下げ、再発を防ぎましょう。
2025.01.09 -
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「脳梗塞を発症後、寝てばかりになってしまった」 「脳梗塞の後遺症で眠くなる原因は?」 「脳梗塞後に寝てばかりになる症状は改善できる?」 上記のように脳梗塞の後遺症でお悩みの方もいるでしょう。 本記事では、脳梗塞の後遺症で眠くなる理由や睡眠の重要性について解説します。 【この記事を読むとわかること】 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞の後遺症回復におすすめな治療法 脳梗塞の後遺症の治療として注目されている再生医療についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の後遺症で眠くなるのはなぜ? 脳梗塞の後遺症で眠くなる理由を下記にまとめました。 【脳梗塞の後遺症で眠くなる原因】 脳内の酸素が不足している 夜間の睡眠が不十分 脳梗塞の治療に使用される薬の副作用 脳梗塞は脳の血管が詰まったり細くなったりして血流が途絶えた結果、酸素やエネルギーの不足した細胞が壊死する病気です。 脳梗塞を発症した脳は酸欠状態に陥りがちです。脳の酸素量と眠気は密接な関係があり、酸素が不足すると眠気を感じる場合があります。 また、処方されている薬が原因で眠気を感じている可能性があります。副作用に眠気がある薬を服用している場合は医師に相談してみましょう。 脳梗塞と睡眠の関係性 脳梗塞と睡眠の関係は、主に以下の2つが挙げられます。 【脳梗塞と睡眠の関係】 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 脳梗塞の回復には睡眠が重要 一つずつみていきましょう。 睡眠障害・不眠症が脳梗塞の発症リスクになる 睡眠障害や不眠症は、脳梗塞を発症する原因の一つです。 充分に睡眠がとれていないと、体の中の炎症反応が起きやすくなったり、自律神経のバランスが乱れたりすると考えられているためです。 たとえば、睡眠時無呼吸症候群の方は健康な方に比べて脳梗塞になる確率が4倍です。 ※引用:循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン また、夜間の睡眠が5時間以下の方は7~8時間睡眠の方よりも脳梗塞のリスクが上昇します。 脳梗塞になりやすい睡眠障害を下記にまとめました。 【脳梗塞になりやすい睡眠障害】 5時間以下の睡眠 9時間以上の睡眠 睡眠時無呼吸症候群 入眠困難 いびき 睡眠の質の改善は、脳梗塞の予防につながります。 脳梗塞の回復には睡眠が重要 脳梗塞の回復には、良質な睡眠が不可欠です。 脳梗塞後の機能回復が見込める回復期に「良質な睡眠」をとることで神経の可塑性(新しい神経回路が作られる)に良い影響を与える可能性があるためです。 回復期とは、脳梗塞発症後の3カ月~6カ月ごろを指し、リハビリでは主に食事や車いすへの移動などの日常生活の動作を練習します。 睡眠時は浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠を繰り返していています。睡眠不足や途中で目が覚めてしまったりすると新たな神経回路をつくる妨げとなる場合があります。 睡眠に不安を抱えている方は医師に相談してみましょう。 不眠・睡眠不足が脳に与える影響とは 不眠や睡眠不足は脳にダメージを与え、以下のような影響を及ぼす可能性があります。 【不眠・睡眠不足が脳に与える影響】 前頭葉の活動が低下する 脳の修復・再生機能が低下する 一つずつ紹介します。 前頭葉の活動が低下する 不眠や睡眠不足は「思考力」「判断力」「集中力」を司る前頭葉の活動の低下を引き起こす場合があります。 前頭葉の活動が低下した場合に考えられることを下記にまとめました。 【前頭葉の活動が低下した場合に考えられること】 頭がぼんやりして考えられない 集中力が持続しない 新しいことを覚えられない 同じ事ばかり話す 抑うつやイライラ 不眠や睡眠不足は、人格や社会性に深く影響します。 脳の修復・再生機能が低下する 不眠や睡眠不足が脳の修復・再生機能を妨げる点も注目したいポイントです。 脳の修復・再生機能が低下することで、脳の重要な部位である前頭葉や海馬などが委縮する可能性があります。 起きているときの脳はエネルギーを消費する一方で、神経細胞から老廃物が排出されます。睡眠中の脳は浅い眠りの間に老廃物を取り除き、深い眠りの際に大脳を休めています。 ※引用:レム睡眠中におこる大脳毛細血管の血流の上昇と、A2a受容体の関与 脳の機能が低下すると集中力や免疫力が低下したり、アルツハイマー病などの認知症のリスクを高めたりします。 睡眠の質を向上させる方法 脳梗塞後の眠気の解消や効率よくリハビリを受けるためには、良質な睡眠が重要です。睡眠の質を向上する方法を3つご紹介します。 【睡眠の質を向上する方法】 生活サイクルを整える 就寝3時間前までに夕食をとる 自分に合った寝具を選ぶ 順番にみていきましょう。 生活サイクルを整える 良質な睡眠のために、生活サイクルを整えましょう。生活サイクルを整えるには運動や入浴などの習慣や、体内時計の調節が有効です。 具体的な生活サイクルの整え方を以下にまとめました。 【生活サイクルの整え方】 朝に太陽の光を浴びる 寝る前にパソコンやスマートフォンを長時間見ない ウォーキングやジョギングなどの適度な運動を行う 寝る2~3時間前に入浴する 人間の体内時計は24時間よりも長いので、調節しないと睡眠のタイミングがずれ込んでしまいます。光は体内時計を整える効果があるので朝は太陽の光を浴び、夜間は照明やスマートフォンの使用を控えるのがおすすめです。 就寝3時間前までに夕食をとる 睡眠の質を向上するには、就寝3時間前までに夕食をとりましょう。食事から就寝までの時間が短いと胃が消化活動のため働き続け、脳が興奮してしまいます。 そのため、就寝の際に以下のような影響を及ぼします。 【食事から就寝までの時間が短い場合に起こりうること】 寝つきが悪くなる 睡眠が浅くなる 食べたものが消化しきれず胃もたれをおこす 良い睡眠のためには、寝る2~3時間前に済ませましょう。また、ラーメンや揚げ物などの消化に時間がかかる脂っこい食事は避け、魚や豆腐、たまごなどの良質なたんぱく質を選ぶのもおすすめです。 自分に合った寝具を選ぶ 睡眠の質を向上するには、寝具を見直すのも一つの手です。 起床時に枕から落ちていたり、肩や首がこってたりする方は、枕が合っていない可能性があります。自分の肩幅ほどの幅で、適切な高さの枕を探してみましょう。横向きに寝る方は、高めの枕を選ぶと良いでしょう。 また、マットレスを選ぶ際は実際に横になって力を入れずに寝返りができるか、仰向けで呼吸がしやすいかチェックしてみましょう。 好みの寝具が自分に合っていると限らない点は注意が必要です。体格やマヒの具合にもよるので医師やリハビリ担当スタッフに相談してみましょう。 脳梗塞の後遺症の回復には再生医療による治療がおすすめ 脳梗塞後の後遺症による眠気にお悩みの方は、再生医療による治療も視野に入れてみましょう。 再生医療の治療では一例として、自身の下腹部から採取した細胞から幹細胞を培養して数を増やしてから患部へ点滴を行います。幹細胞は、血管や脳の神経細胞を再生させる効果が期待できます。 当院では再生医療を取り扱っていて脳梗塞の後遺症を改善、予防する治療が可能です。 効果には個人差がありますが脳梗塞の後遺症を根本的に治療したい方は、ぜひ当院にご相談ください。 脳梗塞の後遺症に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症にお悩みの方へ、眠気やあくびの原因や疲れやすさについて解説します。 【脳梗塞の後遺症に関するよくある質問】 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因は? 脳梗塞後の眠気やあくびの原因として、脳内の酸素不足や血流の低下が考えられます。 脳梗塞後は、健康時よりも脳内の血流が少なくなり脳に届く酸素が不足しやすくなるので、酸素を多く取り込もうとあくびが増えることがあります。 また、脳梗塞の後遺症として、夜間に眠れなくなってしまう「不眠症」や睡眠のリズムが乱れて眠りが浅くなる「覚醒障害」の可能性も。 脳梗塞後の眠気やあくびに悩んでいる方は、医療機関に相談しましょう。 脳梗塞後に疲れやすいのはなぜ? 脳梗塞後に疲れやすい原因は、以下の通りです。 【脳梗塞後に疲れやすい原因】 入院生活による体力低下 眠りが浅い 脳梗塞によって損傷した部位から発せられる炎症ホルモン 後遺症による不安やストレス 疲れやすさを改善するには睡眠や生活習慣を整え、リハビリを受けるのが有効です。 【まとめ】脳梗塞の後遺症を回復するために睡眠の質が重要 脳梗塞の後遺症と睡眠は密接な関係にあり、回復には睡眠の質の向上が重要です。 不眠や睡眠不足だと脳の機能が低下し、修復や再生が難しくなってしまいます。生活サイクルや食事、寝具を見直し睡眠の質を高めましょう。 また、脳梗塞後の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療も有効です。後遺症の治療や予防をしたい方はお気軽にご相談ください。
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「脳梗塞退院後の生活が不安」 「退院後に注意すべきことは?」 「退院後の支援制度やお金のことを知りたい」 脳梗塞を発症するとさまざまな後遺症がみられる場合があるので、退院後の生活について上記のような不安を抱えている患者さまやご家族は多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞退院後の注意点やリハビリの内容、支援制度について解説します。 注意すべきことや必要な手続きを把握して、安心して退院後の生活をはじめられるようにしましょう。 脳梗塞退院後の生活で注意すべきこと 脳梗塞退院後の生活で注意すべきことを、以下4つで解説します。 脳梗塞は再発しやすい病気で、発症10年後の再発率は49.7%※とされており、つまり脳梗塞発症後10年の間に半数の方が脳梗塞を再発しています。 ※引用:日本人における脳卒中の10年間の累積再発率 特に食事やお酒・たばこについて心当たりがある方は、生活習慣の見直しが重要です。 一つずつみていきましょう。 食事内容の見直し 脳梗塞退院後の生活では、食事内容の見直しが重要です。 脳梗塞の主な原因は動脈硬化です。動脈硬化は血管の内部にコレステロールなどがたまって血流が悪くなる症状を指し、高血圧や糖尿病などにより引き起こされます。 そのため、高血圧や糖尿病を避ける食事を摂ることは、脳梗塞の再発リスクの低減と同様の効果があります。 脳梗塞の再発を防ぐ具体的な食事内容の例を下記にまとめました。 基礎疾患や症状によって異なるので、適切な摂取量は医師に相談してみましょう。 お酒とたばこは控える 脳梗塞退院後は、お酒とたばこを控えましょう。 お酒とたばこによる脳梗塞のリスクを下記にまとめました。 お酒は利尿作用があり、脱水状態を引き起こすと血液も濃縮されるので、脳梗塞再発のリスクが高まります。 しかし、脳の血液が安定する2~3カ月以降は少量なら可能と考えられている※ため、お酒を飲みたいと思う方は、適切な飲酒量を医師に相談してみてください。 ※出典:シミズ病院・大宮KENKOU情報局「脳梗塞後のお酒の飲み方は」 たばこに含まれるニコチンは血圧を上げたり血液を収縮させたりする働きがあるため、血栓ができやすくなります。 血栓が脳の血管で詰まってしまうと、脳梗塞が再発する可能性が高まるのでたばこを吸うのは避けましょう。 適度な運動を取り入れる 脳梗塞後の生活では、適度な運動を取り入れてみましょう。 運動は、血管を健康な状態にしたり、筋力を維持したりする効果が期待できます。 適度な運動は脳梗塞の発症予防や再発防止にも効果的で、例えば毎日30分以上の有酸素運動※は動脈硬化の予防に有用です。 ※引用:日本動脈硬化学会 過度な運動は心肺機能に負担をかけるため、軽めのウォーキングや水泳などを1日30分程度、できる範囲から始めてみましょう。 定期検診の重要性 脳梗塞の退院後は定期健診に通い、数値の悪化や再発の早期発見がないかチェックしましょう。 定期健診の主な内容を下記にまとめました。 血圧計を使用して自宅で血圧をチェックするのも健康を意識できるきっかけになるので、試してみてください。 脳梗塞退院後で後遺症がある場合におけるリハビリテーション 脳梗塞の退院後、後遺症がみられる場合は自宅や施設でリハビリを受ける必要があります。 リハビリの種類や目的を紹介します。 順番にみていきましょう。 リハビリの種類と目的 脳梗塞退院後のリハビリは、主に理学療法、作業療法、言語聴覚療法に分けられています。 主なリハビリの種類と内容を下記にまとめました。 リハビリの種類 内容 目的 理学療法 杖や歩行器を使用して歩く 起き上がる、立つ、座るなどの日常動作 運動機能の維持や改善 日常生活の自立や社会復帰を目指す 作業療法 ブロックの移動、ペグさし 応用として手芸やちぎり絵、木工細工など トイレや入浴の動作 食事や更衣の動作 麻痺した手を使う練習 関節の可動域を改善 日常生活動作の改善 高次脳機能の改善 言語聴覚療法 舌や唇の筋力強化 発語器官や呼吸筋の訓練 ことばを思い出す訓練 食べ物や飲み物の飲み込み改善 コミュニケーション障害の改善 その他に、脳の働きを活性化させる目的で、微弱な電流や電磁石を使用して脳を刺激するリハビリもあります。 自宅でできるリハビリ 病院や施設での専門スタッフとのリハビリ時間が限られているため、自宅や日常生活の中で自主的にリハビリに取り組むことが重要です。 自宅でできるリハビリを下記にまとめましたので、参考にしてみてください。 脳梗塞後は疲れやすかったり集中力が切れやすかったりするので、無理のない範囲で行いましょう。 ただし自己流のリハビリは、場合によっては症状を悪化させることもあるため、言語聴覚士・理学療法士・作業療法士などの専門家に相談しつつトレーニングメニューを決めてください。 専門施設でのリハビリ 脳梗塞後の退院後は、施設に入所したり外来を利用してリハビリを継続しましょう。 退院後に何もしないでいると、入院中のリハビリで回復した機能が低下してしまう可能性があります。 主な施設を下記にまとめました。 一般的な病院や介護施設は現状を維持するリハビリが目的になりがちですが、リハビリ専門の施設だと機能の改善に積極的なプランを作成してくれます。 個々の能力に寄り添ったリハビリを受けたいとお考えの方は検討してみてください。 脳梗塞患者の家族や介護者ができるサポート 脳梗塞の退院後の生活でご家族や介護者ができるサポートを紹介します。 詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。 日常生活のサポート 脳梗塞の退院後の生活では、家族や介護者による日常生活のサポートが重要です。 患者の機能状態によりますが、自宅の環境の整備や食事の補助、介護保険の申請が必要な場合があるためです。 具体的には手すりやスロープの改修をしたり、握りやすいスプーンを用意したりして患者本人ができるかぎり自分の力で日常生活が送れるようにしましょう。 精神的サポートも大切 多くの脳梗塞の患者は、機能の回復具合や脳梗塞の再発について悩みや不安を抱えているため、精神的なサポートも大切になります。 また、退院してしまうと周りに相談できる相手や一緒にリハビリに励む仲間がいなくなるので、リハビリに対する意欲を維持し続けるのが難しくなりがちです。 患者の家族や介護者は、リハビリを継続するためにも声かけや傾聴による精神的なサポートが求められます。 介護者の負担を軽減する方法も重要 患者の家族や介護者も患者の回復の状態を心配したり、動作が心許ないために目を離せなかったりとさまざまな不安をお持ちでしょう。 患者の家族や介護者の不安を解決する方法の一例をご紹介します。 当院でも扱っている再生医療とは、わかりやすく言うと自然治癒能力(再生する力)を活かした最先端の医療です。 当院では脳梗塞を含む脳卒中の患者さまに対しては、自己脂肪由来の幹細胞治療を提供しており、脳梗塞による後遺症の根本的な治療や再発の予防が期待できます。 再生医療(幹細胞)治療については早ければ早いだけ良い結果が出る傾向にあるため、脳梗塞後の早期回復に興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービス 脳梗塞患者が退院後に利用できる支援制度やサービスを紹介します。 実際の症状や支援制度・サービスの条件を照らしあわせて、利用できるかどうかをチェックしてみましょう。 高額療養費制度 高額療養費制度とは、月の初めから終わりまでの間に自己限度額を超えて保険適用の治療を受けた際、超過した金額が払い戻される制度です。 脳梗塞による保険適用の範囲は診察料、検査料、投薬料、入院料などです。先進医療費や差額のベッド代、食事代は対象外なので注意しましょう。 自己限度額は年齢や所得によって異なり、70歳以上で住民税非課税世帯の方が入院や外来を利用した際は1カ月あたり15,000円~24,600円です。 申請書の提出先は加入している医療保険によって異なりますが、国民健康保険の場合は各市町村の窓口です。 介護保険 食事や排せつ、入浴に介護が必要な場合は介護保険制度を利用しましょう。 介護保険制度とは介護が必要な度合いに応じて介護サービスを受けられる仕組み※を指し、利用には介護度の認定を受ける必要があります。 ※引用:厚生労働省老健局「介護保険制度の概要」 介護サービスは施設に入所する居住系サービスと自宅にいながら支援を受ける在宅系サービスに分けられます。 主なサービスを下記にまとめました。 施設への入所から在宅での家事のサポートや福祉用具の貸与まで、幅広いサービスがあります。 介護保険の対象者 介護保険制度を利用できる対象者をみていきましょう。 結論から述べると、脳梗塞によって介護や支援が必要な方は40歳以上から介護保険制度を受けられます。 介護保険の被保険者は2種類あり、第1号被保険者と第2号被保険者に分けられます。 具体的な内容を下記にまとめました。 脳梗塞は特定疾病に含まれるので、40歳以上の方であれば介護保険制度を利用できると言えます。 要介護・要支援認定の申請 要介護、要支援認定の申請方法を紹介します。 介護保険制度の対象者であっても申請して介護認定を受けないと、全額が自費負担となってしまいます。 申請方法を下記にまとめました。 認定には時間がかかる場合があるので、退院後の生活をスムーズにするためにも早めの申請を心がけましょう。 傷病手当金 傷病手当金は、病気やケガで会社を休んだときに受けられる制度で、月給の2/3程度の金額が支給されます。 支給には条件が4つあり、すべて満たしている必要があります。 具体的な内容を下記にまとめました。 ※引用:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」 入院が必要なほどの脳梗塞がおこると、長期の治療やリハビリが必要です。給料の全額支給は難しいですが、利用できる制度は活用しましょう。 障害年金 障害年金とは脳梗塞を含む病気やケガなどで障害の状態になった際に生活を支える目的で支払われます。 公的年金に加入し保険料を支払っていて、障害の状態が一定の状態にある方が対象です。 支給の申請をする際は、年金事務所や年金相談センターに問い合わせてみましょう。 脳梗塞の後遺症でお困りの方は再生医療の選択肢もあります 28 ALL Youtube TrueviewSkippable Instream 15s BaseCreative 脳梗塞の後遺症でお困りの方や、早期回復を目指す方には再生医療も一つの手です。 再生医療とは、脳卒中(脳梗塞・脳出血)後に失われた脳の神経細胞を修復したり、血管を再生させる効果が期待できる治療法です。 当院では、患者さま自身の細胞から幹細胞を採取し、培養させたうえで体内に投与します。 幹細胞とは、神経や血管などに変化する能力があり、損傷箇所に到達して修復を促進します。 脳梗塞の再生医療による治療は結果に個人差がありますが、早ければ早いほど良い結果が出ているので、治療を迷われている方はお気軽にご相談ください。 脳梗塞退院後の生活でよくある質問 脳梗塞退院後の生活でよくある質問をまとめました。 不明な点を少しでも解消して退院後の生活をイメージしてみましょう。 脳梗塞で後遺症が無い確率は? 厚生労働省※1の調査によると、18-65歳の脳梗塞患者の約21.7%※2が、発症から3ヶ月後に完全回復することが調査で判明しています。 ※1出典:厚生労働省「脳卒中患者(18-65歳)の予後」 ※2計算式:スコア0(まったく症状がない)患者数344人÷総患者数1,584人 厚生労働省の調査に基づく、18-65歳の脳梗塞患者の発症3ヶ月後の状態と割合については以下の通りです。 症状の程度(mRSスコア) 割合 まったく症状がない(mRS 0) 21.7% 症状はあるが日常生活に支障なし(mRS 1) 29.7% 軽度の障害があるが自立(mRS 2) 17.8% 中等度の障害、歩行に介助必要(mRS 3) 6.2% 日常生活に介助が必要(mRS 4) 11.5% 重度の障害、常時介護が必要(mRS 5) 5.7% 死亡(mRS 6) 7.4% 後遺症の程度は早期の治療開始とリハビリテーションの取り組みによって大きく変わるため、発症後の迅速な対応が極めて重要と言えます。 また、退院時には大きな後遺症がなくとも、身体に違和感を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 左右どちらかのしびれや脱力感などがみられたら、軽度の脳梗塞を起こしている可能性があります。 脳梗塞が再発しやすいのはどんな人? 脳梗塞が再発しやすい方を下記にまとめました。 生活習慣を見直し、定期的に検査を受けて再発を防ぎましょう。 脳梗塞の再発防止のために避けるべき食品は? 脳梗塞の再発リスクが高まる食品は以下の通りです。 食物繊維や不飽和脂肪酸が摂れる野菜、魚類、海藻を積極的に食事に摂り入れてみましょう。 脳梗塞退院後の生活についてのまとめ 脳梗塞の退院後の生活では、生活習慣を見直したり定期的な検査を受けることで再発を防止しましょう。 また、後遺症によってはリハビリを継続し、必要なサービスを活用して機能が低下しないようにするのも重要です。 脳梗塞の後遺症にお悩みの方は、再生医療による治療もおすすめです。 当院では、再生医療による脳梗塞の治療も取り扱っているので、後遺症についてご不安やお悩みがある場合はお気軽にお問い合わせください。
2025.01.08 -
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脳梗塞を経験した方やそのご家族にとって、記憶障害は日常生活に大きな影響を及ぼす深刻な問題です。 突然、大切な過去を思い出せなくなったり、日々の出来事を忘れてしまったりする状況に直面すると、困惑や不安を抱える方が多いでしょう。 「記憶障害はどうして起こるのか」「改善する方法はあるのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞により引き起こされる記憶障害の種類や症状、原因について詳しく解説します。 また、効果的なリハビリテーションの方法や社会的支援の活用方法についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞による記憶障害の種類と症状 脳梗塞によって脳への血流が遮断されると、記憶障害を引き起こします。その症状は、影響を受けた脳の部位や損傷の程度によってさまざまです。 ここでは5種類の記憶障害と症状について紹介します。 記憶障害の症状は、患者の日常生活や対人関係に影響を及ぼすため、それぞれの特徴を理解しておくのが大切です。 短期記憶障害 短期記憶障害とは、新しい情報を短期間だけ保持する能力が低下して、数秒から数分間の記憶を保持するのが難しい状態です。 短期記憶障害は、日常生活で必要な動作や作業に大きな影響を及ぼし、さまざまな支障を引き起こす原因となります。 長期記憶障害 長期記憶障害は、数日~数週間、数十年で覚えた情報や出来事を思い出すことが難しくなる状態です。 長期記憶障害は、過去の経験や知識を思い出すことが難しくなるため、日常生活や人間関係に影響を及ぼすことがあります。 エピソード記憶障害 エピソード記憶障害は、過去に体験したエピソードを思い出すのが難しくなる状態です。 自身が体験した内容に関しての記憶が一部、あるいはエピソードが全体的に思い出せなくなってしまいます。出来事がいつ、どこで、何が起こったのか、文脈的な情報を含む記憶が失われるのが特徴です。 手続き記憶障害 手続き記憶障害は、体で覚えた動作や技能を忘れてしまう状態です。 主に頭でハッキリ考えずともできていた、習慣的な行動に支障をきたします。今まで意識せずに行っていた動作ができなくなり、日常生活で大きなストレスや不便さを感じる原因になります。 見当識障害 見当識障害は、時間や場所、自分自身に関する基本的な認識が混乱する状態です。 見当識障害は、記憶だけでなく、日常生活全般に深刻な影響を及ぼします。 とくに、自分がどこにいるかを認識できないため、道に迷ったり、家に帰れなくなるといった危険な状況が生じることもあります。 見当識障害は脳梗塞だけでなく、認知症の初期症状としても見られる症状です。 脳梗塞により記憶障害になる原因 脳梗塞は、脳への血流がなんらかの理由で遮断されることによって発生し、脳細胞が酸素や栄養を十分に受け取れなくなることでダメージを受けます。 記憶に関連する脳の部位にダメージが及ぶと引き起こされるのが記憶障害です。 とくに、重要な影響を受ける脳の部位と、それによって生じる記憶障害については以下の表にまとめました。 影響を受ける部位 主な機能 障害が起きた際の症状 海馬 短期記憶から長期記憶への変換、空間記憶の形成 新しい記憶の形成が困難、最近の出来事を覚えられない 側頭葉 長期記憶の保存、視覚や聴覚の記憶処理 過去の記憶の想起が困難、物や人の認識に支障 前頭葉 作業記憶、記憶の整理と実行機能 複数の作業の同時進行が困難、計画立案の障害 とくに、海馬や側頭葉、前頭葉といった記憶の形成や保持に深く関わる領域が影響を受けると、短期記憶や長期記憶、さらにはエピソード記憶といった多様な記憶機能に障害が現れることがあります。 また、脳梗塞の影響で脳のネットワークが遮断されると、情報を効率的に処理したり記憶を引き出したりする能力も低下します。 これにより、日常生活における出来事や新しく学んだ知識を覚えることが難しくなるのです。さ らに、記憶だけでなく、認識力や判断力などの認知機能全般に影響を及ぼす場合もあります。 脳梗塞による記憶障害は、発生した部位や範囲、血流が遮断されていた時間の長さによって症状の程度が異なるため、早期の診断と治療が不可欠です。 また、リハビリテーションによって残存する脳の機能を活用し、記憶障害の改善を目指すことができます。 他にも、もともと我々の身体にある幹細胞を活用した再生医療による治療という選択肢もあります。 脳卒中(脳梗塞、脳出血)再生医療の治療結果は、病状や体の具合によって個人差はあるものの、一度機能しなくなった脳細胞が復活し、脳卒中の後遺症を改善させる効果が期待できます。 再生医療による脳の再生を目指したい方やご興味がある方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害のリハビリテーションの種類 リハビリテーションでは、患者の記憶機能を補助したり代替したりするさまざまな方法が用いられます。 ここでは、脳梗塞による記憶障害に対して行われるリハビリテーションの種類を紹介します。 また、ご家族のサポートとリハビリ効果を高める再生医療についても解説しているので、ぜひご覧ください。 内的記憶戦略法 内的記憶戦略法※は、脳梗塞による記憶障害のリハビリにおいて、患者自身が意識的に記憶力を高めるための方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 この方法では、記憶を活性化し情報を効果的に覚えるための具体的な工夫を取り入れます。 代表的な方法として、語呂合わせや情報をカテゴリーごとに整理する手法、視覚イメージ法などがあります。 内的記憶戦略法の主な手法とその実践例を以下の表にまとめました。 手法 概要 具体的な実践例 特徴・効果 カテゴリー分類法 情報を共通の特徴で分類して記憶する 野菜(にんじん、キャベツ)、果物(りんご、みかん)のように分類 情報の整理が容易 関連性のある情報をまとめて記憶しやすい 視覚イメージ法 記憶したい情報を具体的な映像として思い描く 買い物リストに「牛乳とパン」がある場合、「巨大なパンで牛乳パックをサンドイッチ」とイメージ 印象的な記憶として定着しやすい 視覚的記憶の活用 これらの内的記憶戦略法の利点は、患者自身が能動的に取り組むことで、記憶の回復を目指せる点です。 この方法は、日常生活に取り入れやすく、繰り返しの練習により効果が高まるとされています。 外的補助手段 外的補助手段※は、外部ツールを利用して記憶力の低下を補助する方法です。 ※参照: 国立障害者リハビリテーションセンター「医学的リハビリテーションプログラム」 患者が記憶を頼りにせずとも日常生活を円滑に送るための方法で、実用性が高いのが特徴です。 外的補助手段の具体的な方法と実践のポイントを以下の表にまとめました。 記憶障害があるとスマートフォンなど外部ツールの使用を忘れてしまいますが、繰り返しにより習慣になる場合もあります。 外的戦略は習慣化するまでは患者本人だけで継続するのは難しく、ご家族や支援者が協力して環境を整えることで、より効果を発揮します。 課題指向型アプローチ 課題指向型アプローチは、患者が日常の生活で直面する具体的な問題に焦点を当て、その解決を目指す実践的なリハビリテーション方法です。 たとえば、以下のような具体的な課題設定と実践方法が挙げられます。 生活場面 具体的な課題例 実践方法 期待される効果 買い物 商品リストの記憶と購入 リストの作成と確認 必要に応じてメモの活用 購入手順の計画 記憶力の向上 買い物の自立性確保 家事 段取りを考えた家事の実行 作業手順の確認 チェックリストの活用 時間配分の管理 実行機能の改善 家事の効率化 これらのリハビリにより、実際の生活で記憶を活用する能力を高められますが、課題の設定は患者ごとに異なり、その人の能力や生活環境に合わせて設定する必要があります。 必要に応じて外的補助手段も活用し、記憶力の向上を図りながらも、実際の生活場面での失敗を最小限に抑えるアプローチも可能です。 また、成功体験を重ねることで自信を回復させる効果も期待できます。 家族による環境のサポートも重要 脳梗塞による記憶障害に対しては、家族のサポートが患者の回復を支える重要な要素です。 家族は患者の生活環境を整えるだけでなく、心理的な支えにも大きな役割を果たします。 効果的な家族サポートの具体例として、以下のような環境づくりが挙げられます。 サポートの種類 具体的な方法 期待される効果 実践する上での注意点 物理的環境整備 必要なものを見える位置に配置 日常生活の自立支援 配置場所の一貫性を保つ 習慣形成支援 スマートフォンのアラーム設定を一緒に練習 自己管理能力の向上 段階的に習慣づける 心理的サポート 適切な距離感を保ちながらの見守り 自尊心の維持 過度な干渉を避ける しかし、リハビリテーションによる回復には個人差があり、時には望むような改善が見られないこともあります。 家族とはいえ、すべてのサポートをするのは容易ではなく、負担が大きくなることで、ご家族の方が心身に疲れを感じることもあるでしょう。 また、記憶障害のある患者本人にとっても家族への依存を余儀なくされる状況は大きな精神的負担となるため、早期の機能回復により患者と家族双方の負担軽減が望まれます。 そこで、患者さまの回復をより早めつつご家族の負担を軽減する手段として、ぜひ再生医療もご検討ください。 脳梗塞による記憶障害でお困りの方、あるいは家族のサポートに課題を感じている方は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞による記憶障害への社会的支援 脳梗塞による記憶障害を抱える方が利用できる社会的支援について紹介します。 障害者手帳や各種支援制度、家族の相談窓口など、さまざまなサポートを受けることで、患者本人だけでなくご家族の負担も軽減できます。 障害者手帳 障害者手帳は、身体や精神に障害がある方が受けられる社会的支援の基盤となる制度です。 要件を満たせば手帳の交付を受けられる可能性があり、障害者手帳を取得すると、以下のような支援を受けられます。 障害者手帳には、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の3つの種類があります。 記憶障害を含む高次脳機能障害が原因で日常生活や社会活動に支障が生じている場合、器質性精神障害として精神障害者保健福祉手帳の申請対象※となる可能性があります。 ※参照:国立障害者リハビリテーションセンター「高次脳機能障害支援に関する制度」 自立支援給付や地域生活支援事業 自立支援給付や地域生活支援事業は、障害を抱える方が地域社会で自立して生活するための支援を提供する制度です。 これらの支援は、記憶障害による日常生活の困難を補うために利用できます。 お住まいの市町村の福祉担当窓口で詳細の確認および申請が可能です。 ご家族が相談できるサービス 脳梗塞による記憶障害は、患者だけでなくそのご家族にも大きな負担がかかります。こうした状況に対応するため、各自治体では以下のような支援が受けられます。 窓口 受けられるサービス 地域包括支援センター 必要な制度やサービスの紹介 後見人制度活用のサポート など 居宅介護支援事業所 介護保険サービスの利用計画(ケアプラン)の作成 必要な訪問介護やデイサービスなどの調整 記憶障害を含む患者の状況に応じた適切な介護サービスの提案 市区町村の福祉課や障害者支援担当窓口 障害者手帳の申請手続き 自立支援給付や地域生活支援事業の利用方法の案内 公的な支援に関する相談対応 相談窓口は無料で利用できる場合が多く、まずは最寄りの自治体の福祉課や障害者支援担当窓口に問い合わせてみることをおすすめします。 脳梗塞による記憶障害についてのまとめ 脳梗塞による記憶障害は、短期記憶や長期記憶、エピソード記憶などさまざまな記憶機能に影響を及ぼします。 記憶障害への対応には、原因を理解し、適切なリハビリテーションを行うことが重要です。 記憶障害について正しく理解し、適切な対策を講じることで、患者とご家族が安心して生活を送る環境を整えられます。 金銭的な負担やご家族の負担を軽減できる社会支援サービスもありますので、これらを活用しながら、無理のない形で後遺症と向き合っていくことが大切です。 脳梗塞による後遺症のリハビリ効果を高める、あるいはご家族の負担を減らすための選択肢の1つとして、ぜひ再生医療もご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療は厚生労働省に受理された治療方法で、脳梗塞においては再生医療で脳卒中の再発予防にも役立ちます。 再生医療について気になる点は、お気軽に当院へお問い合わせください。
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高齢者が脳梗塞を発症した場合、回復見込みはあるのか不安を抱える方も多いでしょう。 また、家族としてどのように支えれば良いかわからず、戸惑うこともあるかもしれません。 脳梗塞は発症後の対応が重要であり、適切な治療やリハビリ次第で生活の質を大きく改善できる可能性があります。 この記事では、高齢者が脳梗塞を発症した際の回復の見込みや後遺症への対応方法について詳しく解説します。 リハビリや再生医療といった治療法、さらに家族ができる具体的なサポート方法も紹介します。 脳梗塞についての疑問や悩みを解消し、回復への道を支えるための情報をお届けしますので、ぜひ参考にしてください。 高齢者に多い脳梗塞とは?基礎知識と回復の可能性 高齢者に多く見られる脳梗塞は、脳への血流が途絶えることで発症する疾患です。 主な原因として動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病が挙げられ、加齢によってそのリスクはさらに高まります。 脳梗塞にはいくつかの種類があり、発症した際の症状や回復の見込みはケースによって異なります。 とくに高齢者の場合、発症後の回復には年齢やリハビリの質が大きく影響し、後遺症が出ることも少なくありません。 ここからは、脳梗塞の種類や症状、回復の見込みについてさらに詳しく解説していきます。 気になることについては、ここで確認してください。 脳梗塞の種類と症状 脳梗塞は主に以下の3種類に分類されます。 高齢者が脳梗塞を発症しやすい理由は、加齢による動脈硬化の進行や、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の影響が大きい点です。 詳細について知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介していますのでご参照ください。 高齢者が脳梗塞になった場合の回復見込み 一般的に年齢が高くなるほど、若年層と比較して高齢者の脳梗塞の回復には時間がかかる傾向があります。 しかし、高齢者であっても適切な治療を受け、計画的にリハビリを進めることで、日常生活動作(ADL)の向上が十分に期待できます。 高齢者が脳梗塞を発症した場合の回復の見込みはさまざまな要因に左右されますが、回復見込みに影響を与える主な要因には以下があります。 とくに重要なのが「発症から治療までの時間」で、発症後4.5時間以内は「ゴールデンタイム」と呼ばれ、迅速な対応が回復に影響します。 この早期治療とリハビリテーションの組み合わせにより、機能改善が期待できます。 脳には「神経可塑性」という特性があり、適切なリハビリを継続することで、損傷した機能の一部を他の部位が補うことが可能です。 ただし、回復の程度や速度には個人差が大きく、同じような症状であっても、改善の度合いは患者によって異なることに留意が必要です。 回復のステージと必要な対応について、以下の表にまとめました。 回復段階 重要なポイント 期待される効果 具体的なリハビリ例 発症直後 t-PA治療の実施(4.5時間以内) 脳細胞の損傷を最小限に抑制 早期離床訓練 急性期 早期リハビリの開始 二次障害の予防、基本機能の維持 関節可動域訓練、嚥下訓練 回復期 計画的なリハビリの継続 日常生活動作(ADL)の改善 麻痺した手足の運動訓練、言語訓練、生活動作訓練 維持期 生活習慣の改善と基礎疾患の管理 機能維持と再発予防 自主トレーニング リハビリの成果は継続性や頻度に依存するため、専門家の指導のもとで計画的かつ段階的なアプローチを行うことが重要です。 たとえば、麻痺が残った手足の運動訓練では関節の動きを維持することから始めたり、失語症に対する言語訓練などによってコミュニケーション能力の回復を目指します。 日常生活動作(ADL)の改善については個人差があるものの、高齢者の場合でも比較的軽い脳梗塞であれば、早期治療とリハビリの組み合わせにより機能改善が期待できます。 ただし重度の場合は介助を必要とする場面が残る可能性もあり、さらに脳梗塞は再発リスクが高い疾患であり、とくに高齢者ではその傾向が顕著です。 そのため回復期以降も、以下の点で注意が必要となります。 早期かつ適切な治療とリハビリを行うことで、高齢者であっても脳梗塞後の生活の質を向上させることが可能です。 焦らず、専門家のサポートを受けながら、段階的に回復を目指すことが大切と言えるでしょう。 高齢者で脳梗塞の後遺症が残った場合の回復見込み 高齢者が脳梗塞を発症した後、後遺症が出る可能性は若年層より高く、回復にも時間がかかる傾向があります。 とくに80歳以上や90歳以上では、その傾向が顕著です。高齢者が脳梗塞を発症した際に現れやすい後遺症は、以下の通りです。 運動麻痺:手足が動きにくくなる、片側が麻痺する 言語障害:言葉が出にくい、会話が難しくなる(失語症) 嚥下障害:食べ物や飲み物が飲み込みにくくなり、誤嚥性肺炎のリスクが高まる 認知機能の低下:記憶力や判断力が低下し、日常生活に支障をきたす 後遺症が残った場合でも、回復見込みはありますので、以下のポイントを意識して症状の緩和や生活の質の向上を目指しましょう。 身体機能や言語機能の回復には、毎日の継続が大切です。理学療法や作業療法を通じて、日常生活動作をサポートします。 また、脳梗塞後の高齢者が後遺症と向き合うためには、家族や介護者のサポートが欠かせません。 自宅に手すりの設置などの環境整備、食事のサポートなどの助けがあると、身体的・精神的な負担が軽減されます。 脳梗塞は一度発症すると再発しやすい病気であり、とくに高齢者の場合は再発による後遺症の悪化リスクが高まります。 生活習慣の改善を図ることで、脳梗塞の再発リスクを抑えることが重要です。 脳梗塞の後の高齢者の回復を助けるリハビリについて 脳梗塞後の後遺症からの回復を助けるリハビリとして、段階に応じたリハビリテーションを行います。 リハビリは大きく急性期、回復期、維持期の3つの期間に分けられ、それぞれ異なる目的とリハビリ内容を設定します。 リハビリの期間 発症からの期間 目的 主なリハビリ内容 急性期 発症から1~2カ月以内 合併症の予防と身体機能の維持 関節が固まるのを防ぐ関節可動域訓練 座る、立ち上がるなどの離床訓練 回復期 発症から6カ月以内 身体機能・日常生活動作(ADL)の回復 歩行や体幹の筋力強化 食事や着替えなど生活動作の練習 言語訓練 維持期(生活期) 発症から6カ月以降 機能の維持と生活の質向上 ストレッチやウォーキング 日常の動作や趣味 急性期には合併症の予防、回復期には機能の回復、維持期にはその維持と生活の質の向上を目指します。 脳梗塞後の高齢者の回復には、継続的なリハビリが欠かせません。医療スタッフや家族と協力しながら、その人の状態に合ったリハビリを進めていきましょう。 再生医療で実際に高齢者が苦しむ脳梗塞の後遺症が改善した事例 再生医療の一環として行われる幹細胞治療は、脳梗塞後の高齢者の後遺症改善に効果が期待できます。 今回は当院(リペアセルクリニック)における実際の症例と治療後の経過について簡単に紹介します。 年齢 症例 治療方法 治療後の経過 60代男性 急性期脳梗塞の後遺症 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を1回実施(3回予定) 左手のしびれが完全に消失し、不整脈も改善。呂律も回復してスムーズに発語できるようになった。 60代男性 脳梗塞後の右上肢の機能低下 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を3回実施 右肩の可動域と筋力が改善し、ボールを投げる動作が可能になった。脳の血管造影検査で再生した血管の確認も得られる。 70代男性 急性期脳梗塞の後遺症 自己脂肪由来幹細胞を用いた 点滴治療を3回実施 初回投与後1週間で左口周りと左手のしびれが軽減し、夜間頻尿が消失。4か月後にはふらつき、めまいがなくなり、小走りも可能になった。 それぞれの詳しい紹介は以下にて紹介していますので、詳細が気になる方はぜひご確認ください。 ・急性期脳梗塞 幹細胞治療 70代男性 ・急性期脳梗塞の後遺症がほぼ改善! 60代男性 ・脳梗塞後の造影検査で血管が再生されたのを確認!60代男性 ご家族ができるサポート 脳梗塞後の高齢者を支えるには、家族の協力が欠かせません。心理的な支援や日常生活のサポートによって、本人の回復を助けられます。 以下でポイントをまとめました。 心理的サポート ・不安を軽減するために、本人の気持ちに寄り添った声かけを行う ・小さな進歩を褒めるなど、意欲を高める環境を作る 日常生活の支援 ・安全な住環境の整備:手すりの設置や段差の解消、滑りにくい床材の導入を行い、転倒リスクを軽減する ・食事の工夫:栄養バランスを意識しつつ、飲み込みやすい形態(刻み食やゼリー状の食品)の食事を取り入れる ・外部サービスの活用:訪問リハビリやデイサービスの利用を検討し、必要に応じて保険外サービスも活用する サポートは重要ですが、家族だけですべてを抱え込むのは困難な場合も多いため、外部の介護サービスなどの活用も検討しましょう。 また、幹細胞治療のような再生医療であれば、本人の回復を促し、家族の負担を軽減できる可能性もあります。 再生医療についてご興味がある方やご検討している際は、お気軽に当院へご相談ください。 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問 高齢者の脳梗塞と回復についてよくある質問は以下の通りです。 脳梗塞になると長生きできない? 高齢者で脳梗塞になる・繰り返すと治療できない場合もある? 以下では上記の質問に回答しながら、高齢者でも可能な回復の道筋や治療の選択肢について解説します。 脳梗塞になると長生きできない? 脳梗塞を発症すると命に関わる場合があるのは事実ですが、それが必ずしも長寿を妨げる要因ではありません。 適切な治療やリハビリ、再発予防の取り組みによって、発症後も生活の質を維持しながら長生きできる可能性があります。 まずは高血圧や糖尿病などの基礎疾患の管理が重要です。塩分を控えた食事や適度な運動を日常生活に取り入れることで、再発リスクを低減できます。 定期的な健康診断を受け、高血圧などの脳梗塞の要因を早期に発見することも大切です。 また、リハビリを通じて身体機能や日常生活動作の改善が可能です。歩行訓練や失語症の改善に向けた言語訓練などが効果を発揮します。 家族や介護者による心理的な支えが本人の意欲を高める鍵となるので、長い目で見ると結果的に負担が軽くなることも期待できるでしょう。 リハビリには家族のサポートは大切ですが、負担が大きくならないように支援サービスの活用も検討してみてください。 訪問リハビリやデイサービスといった外部の支援を取り入れることで、家庭での介護負担を軽減しながら、適切なケアを継続できます。 高齢者で脳梗塞になる・繰り返すと治療できない場合もある? 高齢者が脳梗塞を発症した場合、治療が難しいケースは確かに存在します。これにはいくつかの要因が関係しています。 高齢になるほど身体の回復力が低下し、外科的処置や薬物治療が適さない場合があります。 また、発症からの時間が遅れたためにt-PA治療(血栓を溶かす治療)などの早期治療が適用できないケースも少なくありません。 さらに、麻痺や言語障害が深刻でリハビリを行うことが難しい状況や、基礎疾患(心臓病や糖尿病など)が治療の妨げとなることもあります。 このような場合、従来の治療法が行えないため、代替策として以下の対応が考えられます。 治療が行えない場合でも、症状の進行を防いで生活の質を保つための工夫や支援を行うことが重要です。 家族や介護者が連携し、患者ができる限り快適な生活を送るためのサポートが大切です。 まとめ:脳梗塞後の高齢者でも回復見込みはある 脳梗塞は高齢者にとって深刻な疾患ですが、適切な治療とリハビリを行うことで、回復への道が開ける場合があります。 ただし、若い世代と比較すると、加齢による回復力の低下や後遺症が出る可能性が高く、完全な回復は難しいケースもあります。 これらの要因を踏まえつつ、再発を防ぎながら生活の質を向上させることが重要です。 近年、幹細胞治療をはじめとする再生医療は、高齢者の脳梗塞後の後遺症改善において注目されています。 再生医療は、損傷した脳細胞を再生させ、従来の治療で難しかった回復を目指せる方法です。 もし、脳梗塞後の後遺症や回復についてお悩みの場合は、ぜひ当院へお問い合わせください。
2025.01.08