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- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症の手術後は、すぐに日常生活へ戻れるわけではなく、数ヶ月にわたってリハビリが必要になることもあり、体への負担や生活への影響が大きくなる可能性があります。 しかし、手術の種類によってリハビリにかかる期間や回復スピードは異なるため、事前にその違いを知っておくことが重要です。 本記事では、変形性膝関節症における3つの代表的な手術ごとに、リハビリ期間と入院期間を比較しながらわかりやすく解説していきます。 変形性膝関節症のリハビリ期間に関する不安や疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 変形性膝関節症のリハビリ期間は手術の種類によって異なる 変形性膝関節症のリハビリに要する期間は、以下手術の種類によって異なります。 手術 リハビリ期間 人工関節置換術 約1ヶ月 関節鏡視下手術 ・手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 ・膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 高位脛骨骨切り術 約2ヶ月 それぞれの手術の特徴やリハビリ期間について見ていきましょう。 人工関節置換術 人工関節置換術(TKA)は、変形が進行した膝関節の表面をチタンやセラミック製の人工関節に置き換える手術で、術後のリハビリ期間は1か月程度が目安です。 強い痛みや歩行障害など、日常生活に支障をきたす症状がある中等度〜重度の変形性膝関節症の方に適応されます。 関節を人工物に置き換える大掛かりな手術のため、術後は歩行訓練や筋力回復のためのリハビリが必須となります。 人工関節のデメリットについては、以下の動画で解説していますので、ぜひ参考にしてください。 関節鏡視下手術 関節鏡視下手術は膝に2~3か所の小さな切開を加え、内視鏡を挿入して関節内を映像で確認しながら処置を行う手術で、リハビリ期間は以下の通りです。 手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 入院期間は2〜3日程度と比較的短いだけでなく、切開が小さく身体への負担も少ないため、高齢者を含め幅広い年代の方に対応可能です。 高位脛骨骨切り術 高位脛骨骨切り術(HTO)は、膝の変形や痛みを軽減するために、脛骨(すねの骨)を切り、角度を調整する手術です。 リハビリの進行には個人差もありますが、以下のような流れで回復していきます。 術後3週目頃:松葉杖をつきながら体重の1/2の負荷をかけて歩行を開始 5週目以降:全体重をかけての歩行練習を開始 退院後約2カ月程度:杖なしでスムーズに歩けるようになるまで 退院後は、早歩きや車の運転が可能になる方も多く、徐々に日常生活に戻ることを期待することが可能です。 全体重をかけての歩行練習は5週目頃から行われ、杖を使わず歩けるようになるのは退院後約2か月かかります。 骨を安定させるために金属プレートで固定する処置を行いますが、術後2〜3年を目安にプレートを取り除くための再手術が必要になるので注意が必要です。 変形性膝関節症の入院期間は? 変形性膝関節症の入院期間を手術方法ごとに紹介します。 手術 入院期間 人工関節置換術 約1ヶ月 関節鏡視下手術 2~3日 高位脛骨骨切り術 5週間~6週間 入院期間を比較すると、手術時の切開が小さい関節鏡視下手術が最も短く、2~3日で退院できます。 最も入院期間が長い高位脛骨骨切り術は、骨を切るため治癒に時間がかかり、リハビリも含めた入院期間は5~6週間が目安です。 人工関節置換術は手術後のリハビリを含め、約1ヶ月かかります。 ただし、入院期間の長さだけで手術を選ぶのではなく、退院後も継続的なリハビリが必要であることを理解しておきましょう。 とくに高位脛骨骨切り術では、退院後も杖なしで歩けるようになるまで約2ヶ月かかるため、生活環境を整えておくことが重要です。 変形性膝関節症で入院・手術を避ける治療法なら再生医療も選択肢に 変形性膝関節症の治療を検討されている方で、できるだけ入院や手術を避けたいという方は、再生医療も選択肢としてご検討ください。 再生医療は患者さまの細胞を採取・加工して注射する治療法で、入院や手術を必要としません。 また、患者さま自身の細胞を利用するので、副作用のリスクは比較的低いとされます。 脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療では、患者さまから米粒2~3粒ほどの脂肪組織を採取し、培養した幹細胞を患部に注射します。 再生医療について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。 【まとめ】変形性膝関節症のリハビリ期間は手術によって異なる 変形性膝関節症のリハビリ期間や入院期間は、以下のように手術によって異なります。 手術 リハビリ期間 人工関節置換術 約1ヶ月 関節鏡視下手術 ・手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 ・膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 高位脛骨骨切り術 約2ヶ月 個人差はありますが、変形性膝関節症の手術後、違和感なく日常生活を送れるようになるには2~3ヶ月以上かかるケースが多いです。 いずれの手術も回復に時間がかかるため、症状が軽いうちに早期治療を行うことが重要です。 また、入院や長期リハビリを避けたい方には手術不要の再生医療も選択肢となります。 自身の生活スタイルや症状に合わせて最適な治療法を医師と相談しましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症に対して再生医療を提供しております。 再生医療による治療を検討している方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2019.05.08 -
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- ひざ関節
サポーターは変形性膝関節症の痛みを和らげ、関節への負担を軽減・歩行などの日常動作をサポートするために有効な補助具となります。 自分にとって最適なサポーターが分からないという場合、変形性膝関節症の進行度や症状のタイプに応じて、製品の形状を選ぶことが重要です。 項目 内容 形状選びのポイント ・筒型(スリーブタイプ):軽度〜中度の症状におすすめ ↳装着が簡単で動きやすい ・ベルト調整式:中度以上の症状や運動時向け ↳部位ごとに締め具合を調整できるため、サポート力が高い ・ヒンジ付きタイプ:関節の不安定さが顕著な方や重症の方向け ↳横方向のブレに強く、歩行補助効果が高い 本記事では、変形性膝関節症におすすめのサポーターの種類や特徴・選び方のポイントを詳しく解説していきます。 正しい使い方や注意点も紹介していくので、サポーターの活用方法を知り、快適に生活を送るためにぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症にサポーターが必要な理由 変形性膝関節症においてサポーターは、膝関節の安定性を高めて痛みを軽減し、日常生活の質を維持・向上させるために重要な役割を果たします。 サポーターの役割とは? 変形性膝関節症の痛みが生活に与える影響 以下ではサポーターの役割や変形性膝関節症について詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サポーターの役割とは? サポーターを正しく着けることで膝関節を安定させられるので、何もつけていない状態よりも関節への負担が少なくなります。 【サポーターの機能】 圧迫機能 ↳サポーター本体で膝を圧迫することで、膝関節を安定させる 安定機能 ↳膝の動きを安定させることで、膝関節のぐらつきを抑え動きがスムーズになる 保温機能 ↳膝周辺を温めることによって、血行が促進される サポーターによって膝周辺が温まり、血行が良くなると筋肉の緊張がほぐれ、膝関節周辺のこわばりを改善する効果が期待できます。 上記の役割を理解した上で、自分に合ったサポーターを選ぶことが、変形性膝関節症との上手な付き合い方の一歩となります。 変形性膝関節症の痛みが生活に与える影響 膝関節は軟骨によってスムーズに動かせる仕組みになっていますが、加齢とともに軟骨はすり減っていき、歩行や日常的な動作で違和感や痛みを感じるようになります。 変形性膝関節症による痛みは、単なる身体的な不快感にとどまらず、移動・家事・仕事といった日常生活の質(QOL)を大きく低下させる要因となります。 【痛みによる具体的な生活影響】 階段の昇り降りがつらい 歩行距離が短くなり、外出が億劫になる 椅子からの立ち上がりが困難になる 家事や仕事を中断せざるを得ない 趣味や運動習慣の継続が難しくなる 初期には「動き出しの痛み」が中心ですが、進行するにつれて「安静時にも痛む」「可動域が制限される」などの症状が現れます。 上記の症状により活動量が減少し、筋力低下や体重増加につながると、活動制限によるストレスや気分の落ち込み・不安感の増大に繋がる場合も。 こうした悪循環を断ち切るためには、痛みの管理と膝関節の保護が重要であり、その手段のひとつとして「サポーターの活用」が有効です。 サポーターによって膝の安定性を高め、負担を減らすことで、日常生活をスムーズに送る一助となります。 変形性膝関節症におすすめなサポーターの種類と特徴 変形性膝関節症の進行度や症状のタイプに応じて、選ぶべきサポーターの種類とその機能は異なります。 医療用サポーターの特徴とメリット 市販サポーターとの違い 軽度・中度・重度の症状別おすすめタイプ 自身の状態に合った製品を選ぶことが、痛みの緩和や生活の質向上に直結するので、自身に合ったサポーターを選ぶためにも以下を参考にしてみてください。 医療用サポーターの特徴とメリット 医療用膝サポーターは、医師の診断や指示に基づき、変形性膝関節症を含む特定の医学的な状態や症状の治療・管理を目的として特別に設計されたサポーターです。 整形外科やリハビリ専門機関で処方・推奨される医療用サポーターは、患者の膝の状態に応じて、最適な圧迫力や機能を持ちます。 【医療用サポーターの特徴】 医学的・生体力学的根拠に基づく設計 高い支持性と安定化機能 専門家による選定とフィッティング 医療用サポーターは症状が中等度から重度の場合に対応できるよう、動きを制御、または補助する機構などが組み込まれている場合があります。 また皮膚トラブルを防ぐために、吸湿性や通気性にも優れた構造をしており、長時間の装着でも違和感が少ないメリットも。 医師や理学療法士によるアドバイスを受けられて安心感が得られるメリットもあるため、より高いレベルで日常生活をサポートしたい方におすすめです。 医療用サポーターは保険適用となる場合もあるので、整形外科受診時に相談することで、適切な製品を選ぶことが可能です。 対象となる装具の種類、申請手続きには詳細な規定があるため、医療機関や加入している健康保険組合等に事前に確認をしておきましょう。 市販サポーターとの違い 医療用サポーターと市販サポーターの主な違いは、サポート性能・設計精度・使用目的にあります。 症状の重さや目的に応じて選ぶべきタイプが異なるため、違いを理解しておくことが重要です。 項目 医療用サポーター 市販サポーター 設計精度 解剖学的構造に基づいた立体構造 汎用的なデザインが多い サポート性能 支柱やベルト機構による高い固定力 ソフトなフィット感が中心 対象者 中〜重度の症状、専門医の診断がある人向け 軽度症状や予防・日常サポート向け 価格帯 比較的高価 手頃 保険適用 一部条件下で適用可能 保険適用なし 市販のサポーターは、「手軽に使いたい」「一時的に膝を保護したい」といった軽症者や予防目的の方におすすめです。 ただし、サポート力やフィット感には限界があるため、痛みが長引く・膝が不安定と感じる方には不十分なケースもあります。 特に変形性膝関節症が進行している場合などは、自己判断で市販品を買うよりも医療機関での適切な診断を行い、痛みの予防を意識しましょう。 軽度・中度・重度の症状別おすすめタイプ 変形性膝関節症の症状レベルに応じて、選ぶべきサポーターの種類は異なります。 症状に合ったサポーターを選ぶことで、より高い効果が期待できます。 症状の程度 おすすめタイプ・特徴・目的 軽度(動き出しに違和感や軽い痛み) おすすめタイプ:ソフトタイプサポーター(伸縮性素材) 特徴:膝全体を包み込み、軽い圧迫と保温効果で痛みを緩和 目的:日常の歩行サポートや予防的使用に最適 中度(歩行時の不安定感) おすすめタイプ: 中程度固定タイプ 特徴:膝蓋骨を安定させつつ、関節のズレやねじれを軽減 目的:階段昇降や通勤時など、負荷のかかる動作の補助 重度(膝の変形・歩行困難) おすすめタイプ:医療用サポーター(固定力の高いモデル) 特徴:金属や樹脂製の支柱で膝の横ぶれやぐらつきを制御 目的:膝関節の安定化、転倒防止・活動制限の緩和 自分に合った無理のないサポートを得るためには、自己判断ではなく、段階に応じた適切なサポーター選びが重要です。 症状が中程度以上の場合や、どのサポーターを選べば良いか迷う場合は、自己判断せずに必ず整形外科医や理学療法士に相談しましょう。 適切なサポーターを選ぶことは症状緩和の一助となりますが、運動療法や体重管理・薬物療法など、他の治療法と組み合わせて行うことが重要です。 変形性膝関節症のステージ(初期、中期、末期)毎の症状について詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。 https://africatime.com/topics/1310/ サポーターの正しい選び方と使い方 変形性膝関節症のサポーターは、症状や体格に合ったものを選び、適切に装着・活用することで効果を発揮します。 サイズ選びと形状のポイント 装着タイミングと使用時間の目安 間違った使い方による悪い影響 以下では自分の症状に合ったサポーターの選び方や、正しい使用方法について解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サイズ選びと形状のポイント サポーターの効果を最大限に引き出すためには、「適切なサイズ」と「自分の症状に合った形状」を選ぶことが欠かせません。 サイズや形が合っていないと、膝を正しく支えられず、かえって痛みや違和感を生じることがあります。 項目 内容 サイズ選びのポイント 測定位置の確認:メーカー指定の「計測部位」を確認する メーカーのサイズ表に従う:S/M/Lではなく、実寸値と表を照合して選ぶ 着用時のフィット感:締め付けすぎず、ずれにくい製品を選ぶ 形状選びのポイント 筒型(スリーブタイプ):軽度〜中度におすすめ ↳装着が簡単で動きやすい ベルト調整式:中度以上や運動時向け ↳部位ごとに締め具合を調整できるため、サポート力が高い ヒンジ付きタイプ:関節の不安定さが顕著な方や重度の方向け ↳横方向のブレに強く、歩行補助効果が高い 購入したい製品が指定している計測部位を確認する際は、必ず説明書やパッケージ・ウェブサイト等で方法を確認し、正確に測定しましょう。 上記を参考に、サイズ・形状選びを正しく行うことで、サポーターの性能を最大限に引き出し、膝の痛みや不安を軽減することが可能です。 装着タイミングと使用時間の目安 サポーターはつけっぱなしではなく、必要な場面で適切に使うことが効果を引き出すポイントです。 状況に応じた使用タイミングが、膝への負担軽減と快適な生活の両立につながります。 項目 内容 装着のタイミング ・朝の歩き始めや階段昇降など、膝に負担が集中しやすい時 ・通勤や買い物など長距離歩行を伴う外出時 ・痛みが強い日や、天候によって関節痛が悪化する時 ・リハビリや筋トレ中の膝安定補助として使う時 使用時間の目安 ・1日あたり2~6時間程度が目安(※個人差あり) ・長時間使用する場合はこまめに着脱し、肌や関節の状態を確認する ・就寝中の装着は避けるのが原則(※医師が指示した場合を除く) ・常用しすぎると筋力低下の原因になるため、運動療法との併用が重要 変形性膝関節症の方がサポーターを装着するべきタイミングは、膝に負担がかかる動作や時間帯に集中させるのが基本です。 一方で、長時間の連続使用や就寝時の装着は、逆に筋力低下や血流障害を引き起こす可能性もあるため注意しましょう。 間違った使い方による悪い影響 サポーターは正しく使えば膝の負担を軽減し、変形性膝関節症の進行予防に役立ちますが、使い方を誤るとかえって症状を悪化させてしまう可能性があります。 【間違った使い方による悪い影響】 きついサポーターを長時間装着すると血流が悪化し、しびれや皮膚トラブルの原因になる サポーターを常時使用していると、膝周囲の筋力低下につながる 痛みが続いているのにサポーターで抑え込もうとすると、診断や治療が遅れる場合も 一日中サポーターを外さずにいると、筋肉を使用する機会が減少し、結果的に太ももや膝周囲の筋力低下につながります。 筋肉の衰えは関節の安定性をさらに損ない、症状を進行させる要因になる場合も。 また就寝中の着用は血行障害のリスクがあるため、医師の指示がある場合を除き、避けるのが基本です。 変形が進んでいる場合や歩行に支障が出ている方は、サポーターだけに頼ると本来必要な治療が遅れる場合もあるため、自己判断をせず医療機関を受診しましょう。 サポーターの注意点 サポーターは膝の負担軽減や痛みの緩和に役立ちますが、変形性膝関節症の根本的な治療にはならない点を把握しておくことが重要です。 【サポーターの注意点】 サポーターでは変形性膝関節症の根本的な治療にはならない 症状が悪化していると感じた場合の対処法 サポーターと用すべき運動・リハビリ・生活習慣 サポーターを万能なアイテムだと思ってしまうと、本来必要な医療的処置が遅れてしまう場合もあります。 以下ではサポーターを使う上で注意したい点について詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。 サポーターでは変形性膝関節症の根本的な治療にはならない サポーターは変形性膝関節症の痛みを緩和し、日常生活を支える補助具ですが、膝関節の損傷や軟骨の摩耗そのものを修復・治療するものではありません。 変形性膝関節症は軟骨が徐々に摩耗し、骨同士が接触することで、痛みや炎症を引き起こす病気です。 根本的な治療には手術や再生治療などの医療的処置と、関節への負担を軽減するための筋力トレーニングや、リハビリなどの生活改善が必要です。 サポーターは痛みを軽減し膝を安定させることで、リハビリなどの「運動療法」を、より安全かつ効果的に実践できるようサポートしてくれます。 サポーターだけに過度な期待をせず、その役割を理解した上で、運動療法や生活習慣の改善といった根本的な取り組みと合わせて活用することが改善への鍵となります。 症状が悪化していると感じた場合の対処法 変形性膝関節症の症状が悪化したと感じたら、サポーターの使用を続けるだけでなく、早めに適切な対処をすることが重要です。 【症状が悪化したときの具体的な対処法】 まずは安静にする 専門医への早期相談 サポーターの見直し 治療法の見直しと併用 サポーターを装着しても膝の痛みが以前より強くなった、歩行時に膝が安定しなくなったといった場合、症状が進行している可能性があります。 そのまま放置すると、関節の変形がさらに進み、日常生活に深刻な影響を与える恐れがあります。 痛みを我慢したり自己判断で放置したりすることは避けて、安静にしながら整形外科などの専門医を受診し、現在の状態を正確に診てもらいましょう。 サポーターでのケアに限界を感じる場合は、再生医療などの根本的な治療を検討するのもおすすめです。 リペアセルクリニックでは、患者さん自身の細胞を活用した体に負担の少ない再生医療など、変形性膝関節症に対する新しいアプローチを提供しています。 どのような治療法がご自身の状態に適しているか、より詳しい情報を得たい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。 サポーターと用すべき運動・リハビリ・生活習慣 変形性膝関節症のケアでは、サポーター単独での対策よりも、運動療法やリハビリ・生活習慣の改善を併用することが重要です。 根本的な膝関節の改善や予防のためには、筋力強化や柔軟性向上を目的とした運動やリハビリを行う必要があります。 【おすすめの運動と意識したい生活習慣】 筋力トレーニングやストレッチを行う 適正体重を維持し、肥満予防を心がける 無理な長時間歩行や階段昇降を避ける 正しい姿勢を保つ 筋力トレーニングやストレッチはもも前後やふくらはぎ、股関節周辺をほぐして鍛えるために、スクワットや膝伸ばし運動がおすすめです。 また関節への負担を抑えつつ筋力を養うために、怪我のリスクなども少ない水中歩行もおすすめなので、ぜひ試してみてください。 これらの取り組みはすぐに劇的な効果が現れるものではありませんが、根気強く継続することが、膝の健康を守ることに繋がります。 サポーターはリハビリ運動や生活習慣の改善を、快適で安全に進めるための頼もしいパートナーとなるため、正しく活用しながら行いましょう。 サポーターは痛みの軽減に役立つが、重症化した場合は医師の診察が重要 膝サポーターは、変形性膝関節症に伴う膝の痛みや不安定感を軽減し、日常生活やリハビリ運動を助けてくれる補助具となります。 サポーターの効果を引き出すためには、自身の症状の程度や使用目的に合わせて適切な種類・サイズを選ぶことが大切です。 症状の程度 おすすめタイプ・特徴・目的 軽度(動き出しに違和感や軽い痛み) おすすめタイプ:ソフトタイプサポーター(伸縮性素材) 特徴:膝全体を包み込み、軽い圧迫と保温効果で痛みを緩和 目的:日常の歩行サポートや予防的使用に最適 中度(歩行時の不安定感) おすすめタイプ: 中程度固定タイプ 特徴:膝蓋骨を安定させつつ、関節のズレやねじれを軽減 目的:階段昇降や通勤時など、負荷のかかる動作の補助 重度(膝の変形・歩行困難) おすすめタイプ:医療用サポーター(固定力の高いモデル) 特徴:金属や樹脂製の支柱で膝の横ぶれやぐらつきを制御 目的:膝関節の安定化と、転倒防止・活動制限の緩和 一方でサポーターは症状を和らげる対症療法の一環であり、すり減った軟骨を修復したり、病気に対する根本的な治療法ではない点を把握することも重要です。 サポーターだけに頼るのではなく、リハビリや生活習慣の改善と併用することが、変形性膝関節症と上手く付き合っていくための鍵となります。 対症療法だけでなく、根本的な治療を行い回復に専念したい場合、再生医療という選択肢をご検討ください リペアセルクリニックでは、最先端の再生医療を活用して、変形性膝関節症の治療に専念できる環境が整っています。 【リペアセルクリニックの取り組み】 PRP療法 患者自身の血液から血小板を抽出し、損傷した筋肉や腱に注射することで回復を促進 幹細胞治療 CPC (細胞加工施設) の高い技術により、冷凍しない方法で幹細胞を投与できる リペアセルクリニックの再生医療は、手術などに比べて体への負担が少ないメリットがあるので、後遺症や筋力低下を最小限に抑えることができます。 1日も早く日常生活に戻りたい・痛みや不安を感じないでアクティブに毎日を送りたいという方は、ぜひリペアセルクリニックにご相談してみてください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「膝に水は何cc溜まる?」「膝の水の正体は?」と、疑問に感じている方はいませんか。 膝の水の正体は、過剰に生成された関節液です。 膝に炎症が起こると、通常は数ccである関節液が30cc以上に増える場合があるため、注意が必要です。 本記事では、膝に水が溜まる原因について、詳しく解説します。 膝に痛みや腫れなどの症状がみられる際は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 膝に水は何cc溜まる? 膝には、常に水が1~3cc程度溜まっていますが、炎症によって30cc以上に増える場合があります。 膝の水は、関節液と呼ばれ、以下の役割を担っています。 軟骨へ酸素や栄養を供給する 強い衝撃や圧力から骨を守る 関節の滑らかさを維持し摩擦力を小さくする 免疫グロブリンや白血球により細菌を排除する 健康な人の場合、関節液は、関節内にある滑膜と呼ばれる部分で生成・吸収が行われ、量が一定に保たれています。 関節液が過剰になると、変形性膝関節症や半月板損傷などの疾患により膝に炎症が起こっていることが考えられるため、早めに医療機関を受診しましょう。 膝に水が溜まる原因については、以下の記事でも詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 膝に水が溜まったときの症状 膝に水が溜まったときは、以下の症状がみられます。 膝全体が腫れる 膝関節の可動域が狭くなる 膝の違和感や軽い痛み 膝に違和感を覚えた際は、症状が悪化する前に対処することが大切です。 膝全体が腫れる 膝に水が溜まった際の症状に、膝全体の腫れがあります。 関節液の生成量が吸収量を上回ると、膝が腫れてぶよぶよとした状態になります。 膝全体が熱感を持っている場合は、炎症反応を抑えるために、水を抜く治療や薬物療法で治療を行うことが大切です。 膝関節の可動域が狭くなる 膝に水が溜まると、膝関節の可動域が狭くなる症状が現れる可能性があります。 関節液が過剰に増えることで膝を曲げるスペースが狭くなり、膝を大きく曲げたり完全に伸ばす動作が難しくなります。 また、膝の腫れによって膝関節の動きを妨げるケースも考えられます。 膝をかばって歩いたりすると、膝への負担を軽減できるメリットがありますが、筋力バランスが崩れるリスクもあります。 膝関節の可動域が狭くならないように、医師や理学療法士などの専門家に、適切な動かし方を確認しましょう。 膝の違和感や軽い痛み 膝に水が溜まった直後は、膝の違和感や軽い痛みなどの症状が出る場合があります。 膝蓋骨(膝のお皿)が浮いている感じや歩行時に困難感があるときは、膝に炎症が起こっている可能性があります。 膝に少しでも違和感を覚えたら、早めに医療機関で原因を調べてもらいましょう。 膝に水が溜まる原因となる疾患 膝に水が溜まる原因となる疾患は、主に以下の3つです。 変形性膝関節症 半月板損傷 関節リウマチ 原因である疾患を治療すれば、膝に水が溜まる症状が収まる可能性があります。 膝に痛みや違和感があるときは、症状が悪化する前に医療機関を受診し、原因を調べましょう。 変形性膝関節症 膝に水が溜まる疾患の1つに、変形性膝関節症があります。 変形性膝関節症は、以下の原因によって、膝の軟骨がすり減る疾患です。 加齢 肥満 遺伝的要因 オーバーユース(使いすぎ) 骨折や靭帯損傷などの外傷 炎症が起こっている軟骨に大きな負担をかけると、さらに軟骨がすり減り、症状が悪化する恐れがあります。 変形性膝関節症の末期には、膝の曲げ伸ばしが困難になったり膝が変形したりするため、早期治療が大切です。 以下の記事では、変形性膝関節症のステージ別の症状について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 半月板損傷 膝に水が溜まる原因に、半月板損傷があります。 半月板損傷は、膝への大きな負担や日常生活での無理な動作が原因で起こるスポーツ外傷で、以下の症状がみられます。 膝の痛みや腫れ 膝に水や血液が溜まる 膝を動かした際の引っかかり感(キャッチング) 膝の曲げ伸ばしができない(ロッキング) 症状が進むと、膝の曲げ伸ばしができなくなる「ロッキング」の状態になり、歩行が困難になる可能性があります。 膝が腫れる理由が関節液ではなく、血液の場合もあるため注意が必要です。 半月板損傷か判断する際は、以下の記事のチェックポイントを参考にしてください。 関節リウマチ 関節リウマチは、膝に水が溜まる原因となる疾患です。 免疫異常によって関節に炎症が起こる関節リウマチは、膝以外の部位でも症状がみられる場合があります。 関節リウマチの主な症状は、以下のとおりです。 関節の痛み 関節の腫れ こわばり(曲げにくさ) 関節の変形 微熱 指や手首などの小さな関節で症状がみられたり、同時に複数の部位で症状がみられたりする場合が多い疾患です。 関節リウマチの治療法については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。 膝の水を抜くときの注意点 膝の水を抜くときの注意点は、以下の2つです。 膝に負担がかかる動作を避ける 原因を治療しないと再び水が溜まる可能性がある 医療機関で膝に水が溜まっている原因を確認し、膝に負担のかかる日常生活動作に注意して過ごしましょう。 膝に負担がかかる動作を避ける 膝の水を抜くときは、膝に負担がかかる動作を避けることが大切です。 膝に負担がかかると、再度炎症が起こり、繰り返し水が溜まる可能性があります。 水を抜いた後の日常生活では、以下の動作に注意して、膝の負担を軽減しましょう。 できるだけ階段を使わない 歩きすぎない 激しい運動を行わない 膝の水を抜く処置を受けたあとは、とくに運動制限がありません。 しかし、無理に膝を動かすことで、炎症反応が強くなる場合もあるため注意しましょう。 原因を治療しないと再び水が溜まる可能性がある 膝に水が溜まる症状は、原因を治療しないと、再び起こる可能性があります。 関節液の過剰貯留を繰り返している場合は、変形性膝関節症や関節リウマチなどの疾患が隠れているケースもあります。 膝の痛みや違和感がある際は、早めに医療機関で検査をして、疾患にあった治療を受けましょう。 【まとめ】膝に水が溜まる症状が続いている場合は医療機関を受診しよう 通常時2~3ccである関節液は、膝に炎症が起こることで30cc以上に増える場合があります。 膝に水が溜まると、痛みや腫れがみられたり可動域が狭まったりして日常生活に支障が出る可能性があるため、早めの対処が重要です。 膝に水が溜まる症状が続いている場合は、症状が悪化する前に医療機関を受診し原因を調べましょう。 関節液が多く溜まる原因が、変形性膝関節症や半月板損傷などであるときは、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、損傷した軟骨を修復・再生し、痛み症状の改善が期待できる治療法です。 「膝の水」でお困りの方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療による治療をご検討ください。
2019.05.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
膝の半月板を損傷して腫れや痛みを感じた際に、「手術しないとどうなる?」「一生治らないの?」など、不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。 半月板損傷は手術で治療できますが、一定期間の入院やリハビリが必要で、放置すると関節の変形や慢性的な痛みを引き起こす可能性が高まります。 本記事では、半月板損傷を放置したときの影響や、適切な治療法などをわかりやすく解説します。 手術に抵抗がある方や仕事や育児を休めない方に向けて、手術をしない治療法についても解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。 半月板損傷を手術しない・放置することによるリスク 半月板損傷を放置すると、以下のリスクが発生する可能性があります。 ロッキング現象 関節水腫 変形性膝関節症などの進行 半月板には血管があまり通っておらず、損傷した部分に栄養が行き届かない場合があります。 損傷部位によっては自然治癒が期待できる可能性が低いため、手術を受けないまま痛みを我慢していると、仕事や日常生活に支障をきたす場合も。 では、半月板損傷の放置がどのような悪影響を及ぼすのか、具体的なリスクをみていきましょう。 放置リスク① ロッキング現象 事故などによって半月板が断裂すると、急に膝関節が動かなくなってしまう、ロッキング現象を引き起こす場合があります。 ロッキング現象は半月板損傷が原因になるケースが多く、損傷した組織が膝関節の内部に残った場合、以下のような症状が現れます。 膝の曲げ伸ばしに力が入らない 膝の曲げ伸ばしに引っかかりを感じる 膝の部分が腫れる 膝関節に痛みが生じる 半月板には膝から上の体重がかかるため、加齢とともに繊維がほつれたりする「ささくれ状態」が進行し、激しい痛みを伴うケースもあります。 ロッキング現象を自覚したときは医師の診断を受け、早めに治療を開始することが重要です。 レントゲンには骨しか映らないため、受診する際は、MRI検査ができる病院を事前に調べてから受診をしましょう。 放置リスク② 関節水腫(膝に水がたまる) 関節水腫(かんせつすいしゅ)とは、膝などの関節部分に関節液(体液)が溜まる症状です。 各部分の関節液は一定量にコントロールされていますが、必要以上に溜まった場合、以下の症状を引き起こす場合があります。 膝蓋骨(膝の皿)が浮き上がっている感覚がある 膝関節の可動域に制限がかかり、曲げ伸ばしが難しくなる 膝関節に腫れや痛みが生じる 膝をひねると激しく痛む 関節水腫の主な原因は、軟骨のすり減りや関節リウマチ、半月板損傷などが挙げられます。 症状の初期段階は水抜きやヒアルロン酸注射、ストレッチなどの治療を行います。 一方で変形性膝関節症などが進行し症状が悪化すると、他の治療法で改善が見られない場合には人工関節への置き換え手術が必要になる場合も。 症状によっては歩行が困難になるため、関節水腫が疑われるときは早めに病院の診察を受けることが重要です。 放置リスク③ 変形性膝関節症などの進行 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ってしまい、骨が変形する症状です。 主な原因として加齢や膝関節への強い負荷、半月板損傷などが存在します。 【変形性膝関節症の進行に伴う症状】 歩行時に強い痛みが生じる 骨の変形により膝をまっすぐ伸ばせない 膝関節に関節液が溜まる 初期段階は歩行時に痛みを感じる程度ですが、症状が悪化すると膝の曲げ伸ばしに激痛が伴います。 階段の昇降や、正座・あぐらなどの姿勢も困難になるため、日常生活を苦痛に感じるケースもあります。 変形性膝関節症が末期症状になると、常に膝の痛みを感じてしまい、熟睡できないなどのリスクが生じる場合も。 人工関節に置き換えると痛みを解消できますが、膝の曲げ伸ばしが制限されるため、初期段階の治療が改善への鍵となります。 半月板損傷の手術しない治療法(保存療法)について 半月板損傷は切除や縫合で治療できますが、治療法の種類には、手術しないで治す保存療法も存在します。 保存療法の種類 保存療法のメリット・デメリット ロッキング現象が発生しておらず、膝の痛みだけの初期段階では、保存療法で治癒する可能性があります。 手術は保存療法に効果がなかったときの選択肢になるため、症状が重くならないうちに病院の診察を受けることが重要です。 保存療法の種類 半月板損傷の保存療法には、以下の種類があります。 概要 詳細 リハビリ療法 ・電気治療やアイシング:半月板の炎症を抑える ・マッサージやストレッチ:ひざの関節を柔らかくする ・筋力トレーニング:半月板が損傷している脚の筋力増強 ・バランス運動:両脚のバランスを正常に戻す運動 装具療法 ・ソフトサポーター:日常生活における膝関節の負担を軽減 ・ハードサポーター:主にスポーツ用となる装具 ・ニーブレース:膝関節の動きを固定する装具 ・足底板:膝にかかる負荷を分散させる装具(靴の中敷き) 関節穿刺 ・関節穿刺:膝に溜まった関節液を注射器で抜き取る治療法 ・関節液を抜き取ると痛みが緩和し膝の曲げ伸ばしがスムーズになる ・抜き取った関節液の調査により、加齢や先天的なものかどうかの特定も可能 薬物療法 ・膝関節への湿布 ・膝関節へのヒアルロン酸注射 ・飲み薬の鎮痛剤 半月板損傷が軽症であれば2週間程度で、保存療法で膝の機能を回復できる可能性があります。 薬物療法の場合ヒアルロン酸注射は5~10回程度になる場合が多く、基本的には週に1回程度の治療です。 痛みや炎症の緩和を目的としており、半月板損傷の根本的な治療ではありませんが、効果を早く実感でしやすい傾向があります。 保存療法は入院する必要がなく、治療期間は数週間から3カ月程度が目安となります。 ただし、半月板損傷は基本的に自然治癒が難しく、手術や再生医療によって根本的な治療を行うことが望ましいです。 保存療法のメリット・デメリット 半月板損傷を保存療法で治療する際は、以下のメリット・デメリットを考慮しておきましょう。 保存療法のメリット 保存療法のデメリット 手術や入院が不要 半月板を温存できる 変形性膝関節症への進行リスクを低減 体にかかる負担が軽い 手術に比べて治療費が安い 仕事や日常生活への影響が少ない 重症度の半月板損傷には効果が低い 治療が長期化する可能性がある 装具に頼ると筋力が落ちる 半月板の再生は期待できない 薬物に耐性がつくと効果が薄れる 将来的には半月板断裂のリスクがある 保存療法で半月板を温存すると、変形性膝関節症になるリスクを軽減できます。 ただし、半月板の再生は期待できないため、変形性膝関節症の進行を完全に回避できるわけではありません。 激しい運動の再開や、肥満の影響がある場合、将来的には半月板断裂のリスクも考えられるでしょう。 半月板断裂と損傷の違いはダメージの程度になっており、半月板が完全に切れている場合は「断裂」と診断されます。 半月板の組織が完全に切れると、膝関節の引っかかりや激しい痛み、出血による腫れやロッキング現象を引き起こす恐れがあります。 保存療法は根本的な治療にならない場合があるため、重症度が高いときは手術の検討も必要です。 半月板損傷で手術が必要なケース 半月板損傷が軽度であれば、保存療法で治療できますが、以下のようなケースは手術が必要な場合があります。 ロッキング現象が起きている場合 半月板損傷が重症度の場合 半月板の自然治癒を期待できない場合 ロッキング現象が起きる段階では、保存療法による治癒を見込めない可能性があります。 半月板損傷が重症度になり、膝を動かさなくても激痛が続く場合や、自然治癒を期待できないときも手術の検討が必要です。 手術では一般的に切除術を行いますが、年月の経過とともに軟骨がすり減ってしまい、変形性膝関節症を避けられない場合があります。 縫合術は数年後に再断裂するリスクがあるため、半月板損傷の手術を行う際は、リスクを総合的に判断して保存療法との比較検討を行うことが重要です。 半月板損傷で手術を避けたい人のための新しい選択肢「再生医療」 再生医療とは、患者自身の幹細胞を膝関節などに注射し、損傷した半月板を再生させる治療法です。 自分自身の幹細胞を活用するため、自然治癒力を高めるメリットが存在します。 【再生医療のメリット】 手術が不要 免疫反応やアレルギー反応が起こりにくい 半月板の自然治癒により変形性膝関節症を防止できる 治療期間を短縮できる ヘルニアなどの治療にも高い効果を期待できる 治療の際には脂肪組織を採取し、培養した幹細胞を患部に注射します。 幹細胞の培養にも自分自身の血液を活用することで、免疫反応やアレルギー反応などのリスクも避けられます。 再生医療は日帰りの治療もできるため、仕事を休めない方にもおすすめです。 手術をしないで半月板損傷を治したい方は、再生医療が適しているかどうか、まずは医師に相談してみましょう。 リペアセルクリニックの治療は手術を必要としないため、人工関節に置き換えなくても膝を治せる可能性があります。 症状に改善がみられない場合でも、幹細胞治療の保証制度により、1回分の幹細胞を無償で投与いたします。 半月板損傷の放置はリスクが大きいので、後悔しないための治療選択が重要 半月板損傷を放置した場合、歩行困難や痛み・変形性膝関節症進行のリスクが高まります。 【半月板損傷を放置した場合のリスク】 ロッキング現象 関節水腫(膝に水がたまる) 変形性膝関節症などの進行 保存療法は初期段階に有効ですが、重症度の半月板損傷には効果が低く、将来的には半月板断裂のリスクも伴います。 手術をしても根本的な原因を除去できない場合もあるため、後悔しない治療方法の選択が重要です。 損傷した半月板を修復し、健康な膝を取り戻したい方は、再生医療を検討するのもおすすめです。 リペアセルクリニックの再生医療は、通院のみで治療できるため、長期休暇を取る必要がないメリットが存在します。 治療実績に基づくオーダーメイドの治療プランや、治療後のフォローアップ体制も充実しているため、安心して再生医療に臨むことができます。 専門医が患者様一人ひとりと向き合い、丁寧なカウンセリングで治療に関する不安や疑問にも的確に対応していくので、ぜひリペアセルクリニックの無料相談をご利用ください。
2019.05.08 -
- ひざ関節
膝の人工関節置換手術を検討している方は、手術のリスクや日常生活への影響など、さまざまな懸念をお持ちかもしれません。 この記事では、膝の人工関節置換手術に伴うリスクや合併症について詳しく解説します。 しかし「人工関節置換手術をしたくない」「膝の手術するのは不安...」という方も多いでしょう。 近年の治療で、手術しない新たな選択肢として注目されている再生医療についても紹介しています。 ぜひ記事を最後までご覧いただき、膝の治療法を選ぶ際の参考にしてください。 膝の人工関節置換手術におけるリスク 膝の人工関節置換手術は、膝の痛みを改善し生活の質向上を期待できる一方で、以下のようなリスクが考えられます。 手術後に痛みが残る可能性 感染症などの合併症 人工膝関節の摩耗やゆるみ 手術で命に関わるリスク 膝の人工関節置換手術は、重度の変形性膝関節症やリウマチなどで痛みが強く日常生活に支障をきたす場合に検討される治療法です。 手術を検討される際には、上記のリスクをよく理解し、医師と十分に相談しましょう。 以下では、膝の人工関節置換手術に伴う主なリスクについて説明します。 手術後に痛みが残る可能性 人工膝関節置換手術は痛みや機能改善を目的としていますが、術後に痛みが残る可能性があります。 すべての患者さまの痛みが完全に消失するわけではないため注意が必要です。 手術後3〜4年が経過した患者さまの約40%※の方が痛みを感じており、15%※の方が強い痛みを訴えているという研究もあります。 ※出典:PubMed 痛みが残る原因としては、人工関節と骨との適合性の問題や周囲の軟部組織の状態、リハビリテーションの進み具合などが関係しています。 手術後は筋力や可動域を取り戻すために、適切なリハビリに取り組まなくてはいけません。 また、膝の筋力を回復するだけでなく、体重管理などによって膝の負担を減らしていく必要があります。 感染症などの合併症 人工関節置換手術後には、さまざまな合併症が起こる可能性があります。 とくに以下の合併症は頻度は低いものの、発生した場合は重篤化する可能性があり、注意が必要です。 感染症 深部静脈血栓症・肺塞栓症 神経・血管損傷 手術をするということは関節の骨を切開するため、少なからず感染症のリスクがあります。 以下では、人工関節置換手術に伴う合併症のリスクについてそれぞれ解説します。 感染症 人工関節は細菌感染しやすいため、手術中だけでなく、術後にも感染症のリスクがあります。 手術中に傷口などから細菌が侵入して起こるだけでなく、術後にむし歯などの口腔内細菌などから感染するケースも。 感染率は0.82%という報告※もあるため、発生頻度は高くありませんが感染症リスクがあることは覚えておきましょう。 ※出典:児玉 祥ほか. 「人工膝関節置換術後感染の治療と予後について」 日本臨床整形外科学会雑誌, 2006年, 18(1), pp.87-91. 感染は手術中に細菌が侵入して起こる早期感染と、術後に歯槽膿漏や皮膚の傷などから二次的に発生する遅発感染があります。 感染症が発生した場合、抗生物質による治療だけでなく、人工関節を一時的に抜去して洗浄や抗生物質入りセメントでの処置が必要になることもあります。 手術後に膝に異常な痛みや腫れ、発熱などを感じたら、すぐに医師に相談することが大切です。 深部静脈血栓症・肺塞栓症 手術の際に出血に対する自己防衛反応で血液が固まりやすい状態になるため、深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスクがあります。 深部静脈血栓症は、手術中や術後に下肢をあまり動かせないことにより、足の静脈内に血栓(血の塊)ができる病気です。 人工膝関節置換術後の深部静脈血栓症の発生率は11.7%※という報告があります。 ※出典:松原 光宏ほか. 「人工膝関節置換術周術期の深部静脈血栓症発生率と膝関節可動域」 中部日本整形外科災害外科学会雑誌, 2008年, 51, pp.125-126. また、血栓が剥がれて血流に乗り、肺の血管に詰まると肺塞栓症を引き起こし、命に関わる重大な合併症となることがあります。 手術後は医師の指示に従って、なるべく早期から足先を積極的に動かし、早期リハビリテーションを行うことが重要な予防策となります。 神経・血管損傷 発生頻度は多くないとされていますが、人工膝関節手術時に膝関節周辺の神経や血管に損傷が生じることがあります。 神経損傷では膝の外側にある腓骨神経の麻痺が代表的で、足首や足先の動きが悪くなる症状が出現します。 また、血管損傷では膝窩動脈損傷が重篤なものとなり、適切な処置が遅れると下肢切断という深刻な事態につながる可能性もあります。 神経・血管損傷が疑われる症状(しびれ、麻痺、冷感など)が現れた場合は、早急に医師に相談しましょう。 人工膝関節の摩耗やゆるみ 人工関節を長期間使用していると、金属部品と骨との接着面のゆるみや人工関節の素材が摩耗する可能性があります。 摩耗やゆるみを予防するためには、膝の負担が大きい作業や運動を控え、適正な体重を維持することが大切です。 また、膝周囲の筋力を維持するための適度な運動と、骨粗しょう症がある方は積極的な骨の治療も必要になります。 手術で命に関わるリスク 人工膝関節置換手術では、まれに命に関わる重大な合併症が発生する可能性があります。 手術の影響で血栓を発生させ、深部静脈血栓症や肺塞栓に陥る可能性もあります。どちらも手術中に発生した血栓が、静脈に詰まる病態です。 これは命の危機に繋がる病態で、膝の人工関節置換術においてもその可能性は否定できません。 大きなリスクを伴う手術であるにも関わらず、膝の痛みが必ずしも改善される保証はない、という点も理解した上で手術を受けるか検討してください。 膝の人工関節置換手術後にやってはいけないこと 人工膝関節置換手術後は、人工関節の耐久性低下や不具合のリスクを避けるため、日常生活においていくつかやってはいけない動きがあります。 手術後にやってはいけない動きは、以下の通りです。 場面 やってはいけない動き 姿勢 正座やあぐらは避ける(人工関節脱臼のリスクあり) 自転車 坂道で強く踏み込まない(降りて押す) 体格に合った自転車を使用する 家事 床の雑巾がけは避ける 片足に体重をかける姿勢を避ける 10kg以上の荷物は持たない 着替え ズボン・靴下は座って履く 履く時は手術した足から、脱ぐ時は健側から 入浴 浴槽の縁にしっかり掴まる 健側の足から出入りする 滑り止めマットを使用する 運動 テニス、ジョギング、球技、スキーなどは避ける 散歩や水泳は負担にならない範囲で可能 これらの注意事項を守ることで、人工関節を長持ちさせ、快適な日常生活を長く続けることにつながります。 膝の人工関節置換手術を行うケースとは 膝の人工関節置換手術を行う3つのケースについて紹介します。 保存療法で改善の見込みがない場合 高齢者の場合 生活レベルが下がっている場合 以下では、それぞれのケースについて詳しく解説しています。 保存療法で改善の見込みがない場合 膝の疾患に対する保存療法で改善の見込みがない場合に人工膝関節置換術が検討されます。 人工関節置換手術は、最終的な治療選択肢のため、まずは薬物療法やリハビリテーションなどの保存療法が優先されます。 しかし、以下のような疾患において症状が進行し、保存療法での改善が見込めない場合に人工関節置換手術が検討されます。 変形性膝関節症 関節リウマチ など 手術の決断は患者さまの年齢、活動レベル、全身状態などを総合的に評価した上で行われます。 高齢者の場合 膝の人工関節置換術が行われる多くの患者さまは、60代以降の高齢の方です。 若いうちから膝の人工関節置換術を行ってしまうと、人工関節の摩耗によって再手術を行わなければならない可能性があります。 そのため、40代、50代の年齢層で、膝の人工関節置換術が行われるケースは多くありません。 近年では人工関節の素材の品質などが向上し、耐久年数も少しずつ長くなってはいます。 しかし、膝は体重がかかる関節のため、人工関節が摩耗しやすいこともあり、耐久年数は20年程度が限界とされています。 生活レベルが下がっている場合 膝に患った疾患によって、著しく生活レベルが下がってしまっている場合は、人工関節置換術が選択されることがあります。 通常の歩行が困難になっている場合や、立ちあがる、座るなどの動作も自立して出来ないようなケースでは、人工関節置換術によって機能を早急に回復することが目指されます。 膝の痛みや可動域制限によって生活レベルが下がれば、そこから筋力はどんどん低下し、再び日常生活を自立して行えるように回復するまでかなりの時間を要することになります。 リハビリとの兼ね合いも考慮して、日常生活への支障度合いによっては、早めに膝の人工関節手術をすることもあるのです。 膝の人工関節手術を避けるためにできること 膝の人工関節手術にはリスクもあるため、可能であれば手術は避けるべきです。 手術を検討しなければならない状態まで悪化させないために、今からできることをご紹介していきます。 膝に痛みや違和感があれば早めに相談する 全身のバランスを整える 体重を急激に増やさない 手術によるリスクを避けるために、目の前のできることに取り組みましょう。 膝に痛みや違和感があれば早めに相談する 膝で痛みや異変が起きたと感じたときは、なるべく早く専門医に相談することが大切です。 整形外科に行けば、レントゲンによる精査や腫れに対する検査をして病気を診断することもできます。 接骨院や整骨院でも、膝の痛みに対して専門的な知識によって治療を受けることができます。 基本的に膝の病態は、放置しておくと悪化する一方です。早めに膝の状態が分かれば、病態の悪化を食い止められる可能性が上がります。 全身のバランスを整える 姿勢を整えたり、背骨や骨盤のゆがみを矯正したりしておくことも、膝の負担を減らすとても有効な手段です。 姿勢が悪いせいで膝に余計な負担をかけ、変形などの症状を助長しているケースもあります。 さらに、体のゆがみによって股関節や足関節の可動域が制限され、その結果膝の負担を増やしていることもあるのです。 体のゆがみが原因の場合は、膝だけを集中して治療しても改善しないので、全身のバランスを整えることが必要になります。 体重を急激に増やさない 無茶なダイエットをする必要はありませんが、肥満状態の継続や、急激な体重増加は膝の疾患を助長します。 常に荷重がかかる関節でもあるので、単純に体が重くなれば変形や痛みも強くなるのです。 実際に治療の現場でも、肥満傾向にある方は変形性膝関節症になったときに変形の進行も早いので、日ごろから体重管理をしておくことが大切です。 膝に痛みが出てしまってからだと運動が制限され、体重管理の手段が食事制限しかなくなるため、痩せるのが難しくなります。 人工膝関節置換手術を避けたい方は再生医療をご検討ください 膝の疾患による人工膝関節置換手術を避けたい方は、再生医療の選択肢もあります。 再生医療は手術・入院を必要としない治療法です。患者さま自身から採取した幹細胞や血液を用いるため、拒絶反応などの副作用リスクも低いです。 ただし、再生医療は人工膝関節置換手術と併用して受けることはできません。再生医療をご検討の際は、手術前に医師に相談しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する無料相談を承っております。 再生医療に興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。 【まとめ】膝の人工関節置換手術にはリスクが伴うため再生医療も選択肢の一つ 膝の人工関節置換手術は、変形性膝関節症やリウマチなどで保存療法が効果を示さない場合に検討される治療法です。 多くの患者さまの痛みを軽減し生活の質を向上させますが、手術後の痛みの残存、感染症、人工関節のゆるみなどのリスクがあります。 また、手術後には正座や激しいスポーツの制限など生活上の制約も生じます。 手術を避けるためには、早期の専門医相談、全身バランスの調整、適切な体重管理が重要です。 手術を検討される方は、これらのリスクをよく理解した上で医師と相談し、場合によっては手術・入院を必要としない再生医療を選択肢に入れて検討しましょう。
2019.04.25 -
- ひざ関節
膝が突然腫れて痛む症状は、多くあるものです。ぶつけたり捻ったりしていないのに腫れる場合は、膝の炎症が考えられます。 この記事では、膝が突然腫れて痛む場合の原因や病気、対処法を紹介します。考えられる症状を知って適切に対応や受診を検討しましょう。 膝が突然腫れて痛い原因 膝が突然腫れて痛み出す原因は、ほとんどが使い過ぎです。姿勢や体重、生活習慣などさまざまな要因が重なって不調を起こします。 膝だけでなく全身のバランスを見直し、生活習慣や癖の改善が必要になるかもしれません。 膝の腫れ・痛みは炎症のサイン 膝の腫れは、主に関節内での炎症によって発生します。スポーツや事故などの明確な原因のない突然の膝の腫れは、慢性的な関節炎の可能性があります。 炎症が起こると炎症物質によって関節内に水分が充満し、膝に水が溜まった状態になるためです。外からみると膝が腫れあがった状態に見えます。 膝が突然腫れた場合、ほとんどのケースで痛みを伴います。軟骨が損傷したり、重度であれば骨が変形し始めている可能性も否定できません。 腫れの成分を見れば病態がわかる 膝が突然腫れて痛む原因は、腫れの成分を調べるとわかります。腫れを作っている液体成分を検査すれば、関節内で何が起こっているのか特定できるためです。 主な内容を下記にまとめました。 炎症物質・・・関節炎 血液・・・・・筋肉や腱の損傷 膿・・・・・・感染症 膝の水を抜くと癖になると言いますが、炎症が治まっていないから膝が腫れ続けるのです。ひどい腫れによって日常生活が制限されている場合、早めに水を抜いて原因を確かめるのが大切です。 膝が突然腫れて痛い場合に考えられる病気 膝に突然腫れが出現し、なおかつ痛みも伴っている場合、どんな病態が起きている可能性があるのか紹介します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は一度の激しい外力によって膝関節を壊すわけではなく、日常生活の中でかかる繰り返しの外力によって少しずつ膝関節を変形させていく症状です。 変形性膝関節症のリスクは年齢が上がるとともに高まり、50代以降で突然膝に痛みと腫れを発生させた場合はまず変形性膝関節症を疑います。 長年にわたって膝関節に負担をかけ続け、ある日長く歩いたり、重い物を持って作業したりすると、何かの引き金で炎症に発展します。当事者からすれば、それほど負担がかかる動作でなくとも急に発症するので、明確な原因がわからないこともあります。 しかし、変形性膝関節症の本質は慢性的な膝への負担にあるのです。膝関節にある関節軟骨をすり減らし、骨が変形してしまうほどのダメージなので、当然関節内で炎症を起こして腫れます。 痛みも伴い、通常の歩行時でも痛みを感じるケースもあるくらいです。膝の腫れが酷くなると、階段の上り下りもかなり支障をきたします。 対処法 腫れの原因が変形性膝関節症であった場合、まずは安静にして膝の負担を減らします。膝の腫れが引けば、運動療法を行い膝に負担をかけにくい体の使い方を作るのが大切です。 もし膝の腫れが長期間引かない場合は、膝の関節に針を刺して液体成分を抜き取る処置ですぐに緩解します。しかし、膝の炎症自体が治まっていなければ、すぐに再発するでしょう。 膝の水を抜いたら、後療、罨法、手技療法、運動療法などで膝にかかる負担を減らすようなアプローチが必要になります。 整形外科でリハビリをしても良いですし、水を抜いた後は接骨院や整骨院でも膝の治療が可能です。 関節リウマチ リウマチでは、関節に慢性的な炎症を起こすので、変形と腫れを起こします。関節リウマチの症状は指先から発生し、徐々に範囲を広げて全身の関節で痛みを起こします。 特に、荷重関節である膝関節で起きた場合の炎症は、比較的強い腫れを認めることもあるのです。変形性膝関節症の場合は、簡単な言葉で表現すると、使い過ぎ(オーバーユース)によって発生します。 しかし、関節リウマチの場合は免疫機能の異常で、病原菌やウイルスに対する免疫機能が、自分の体を構成している細胞に対して働いてしまっている状態です。そのため自らを攻撃して炎症を起こしている状態とも言えます。腫れと変形が出てくるので、可動域も狭まり運動機能が低下していく恐れもあります。 対処法 関節リウマチに対処するには、薬物療法や運動療法、手技療法が有効です。薬物療法によって炎症を抑えたり、膝の人工関節置換術など外科的手術を実施したりします。 その後、膝の変形や痛みを緩和するため、運動療法によって負担のかかりにくい体の使い方を獲得していきます。手技療法によって膝を動かす筋肉の緊張を緩和できれば、可動域が回復していく可能性は十分あると言って良いでしょう。 痛風 痛風は突然の激しい痛みを特徴とする病気です。足の親指や足の裏、かかと、膝などに症状が現れます。発症すると1日から2日でピークを迎えますが、適切な治療をしないと再発する間隔が短くなり、関節破壊を引き起こす可能性があります。 対処法 痛風発作に対しては、鎮痛薬を用いて痛みを和らげるのが一般的です。症状が落ち着いたら、尿酸値を下げる治療薬の使用が検討されます。日常生活では、尿酸値を上げる食べ物を控えめにし、適度な運動を心がけることが大切です。 偽痛風 偽痛風とは、痛風と似た関節の痛みを起こす症状です。痛風とは異なり、尿酸ではなくピロリン酸カルシウムの結晶が原因で発症します。 ピロリン酸カルシウムは老化や軽微な傷で蓄積されるため、高齢者に多く発生し、膝や手首などの大きな関節に痛みがみられます。また半数位以上が膝に発生している点も特徴です。 対処法 一般的に、偽痛風は急性であれば3日程度で症状が軽快します。根本的な治療法はなく、非ステロイド系の抗炎症薬を使用したり、患部を冷やしたりします。 オスグッド病 オスグッド病は、膝の痛みを引き起こす疾患の一つです。主に成長期の子どもに多く見られ、膝のお皿の裏側にある骨の成長と太ももの筋肉の発達のバランスが崩れることが原因と考えられています。 対処法 オスグッド病の治療は、主に安静と炎症を抑えることが中心となります。膝への負担を減らすために、スポーツ活動の一時的な制限が必要です。痛みが強い場合は、医師の指示のもと、鎮痛剤や湿布などを使用して症状を和らげます。 また、ストレッチや筋力トレーニングをして、膝周りの柔軟性と筋力を高めることも重要です。 さらに、痛みを引き起こす動作そのものを見直し、バランスの取れた動作の習得も症状の改善に役立ちます。たとえば、膝に負担のかかる動作を避け、正しい姿勢や動作を身につけることで、膝への過度な負担を減らせます。 半月板・靭帯損傷 半月板や靭帯の損傷は、膝関節の腫れや痛みの原因です。スポーツ活動だけでなく、日常的な膝への負荷の繰り返しによっても発症する可能性があります。 対処法 半月板や靭帯の損傷に対する治療は、損傷の程度によって異なります。軽度の場合でも、医師の診察を受けましょう。 医師の指示のもと、安静にするとともに、湿布や鎮痛剤で症状を和らげます。中等度以上の損傷では、専門医による詳細な診察と治療が必要です。理学療法やリハビリテーションをして、膝関節の機能回復を図ります。 場合によっては、手術療法が検討されることもあります。いずれの場合も、早期の診断と適切な治療が重要です。 打撲・強打 膝の打撲や強打は、外部からの強い衝撃によって引き起こされます。スポーツ中の事故やつまずいて転倒した際などに発生しやすい傾向にあります。 対処法 打撲や強打による膝の痛みに対しては、RICE処置が有効です。Restは安静、Iceは冷却、Compressionは圧迫、Elevationは患部の挙上を意味します。痛みが強い場合や腫れが引かない場合は、医療機関を受診し、専門医の診察を受けるのが大切です。 膝裏のリンパが詰まっている 膝裏のリンパ節が腫れると、膝の痛みや違和感を引き起こすことがあります。 リンパ節は、体内の不要なものや細菌、ウイルスなどを処理する役割を持っています。ただし、リンパ節の腫れは、感染症や炎症、腫瘍などが原因で起こることもあるため、注意が必要です。 対処法 膝裏のリンパ節の腫れに対しては、まずは安静が大切です。過度な運動は控え、患部を冷やすことで腫れを和らげます。 また、マッサージやストレッチをしてリンパの流れを良くすると効果的です。症状が長引く場合や腫れが大きい場合は、医療機関を受診し、専門医の診察を受けましょう。 膝の腫れと突然の痛みを起こしやすい人の特徴 明確なきっかけが無いのに、突然膝に腫れや痛みを発生させるのは、どんな特徴の人に多いのでしょうか。 それでは、1つずつみていきましょう。 股関節が硬い 股関節の動きが悪い場合、その分を膝関節で代償するようになるので負担が増えます。歩行の動作を例にとると、股関節が動きにくいせいで足を前に進める力が弱くなります。 その分、膝関節を大きく動かして足を前に進めるようになるので、通常時よりも負担が増えてしまうのです。この場合、膝関節で起きた炎症を抑えるための治療はもちろん、股関節の可動域を増やすような運動療法が必要です。 立ちっぱなしの状況が多い 仕事柄や生活習慣上、1日の大半を立ちっぱなしで歩き回って過ごす方の場合、変形性膝関節症などのリスクを高めるので、突然膝に痛みと腫れを起こすこともあります。 1日であれば大したダメージにはならないかもしれませんが、何日、何週間、何年と続くと大きな症状につながります。意識的に座る、膝の荷重を避ける瞬間などを作れると良いでしょう。 姿勢が悪い 猫背や巻き肩、ストレートネックなど、明らかに姿勢が悪い人は、膝にかかる負担が大きくなります。 とくに、上半身のゆがみが膝に影響を与えることも多く、頭の位置が前に出ているほど膝の不調を起こすリスクは高まります。頭はとても重い部位であり、体の重心から少し外れるだけでも負担が何倍にも増えるためです。 また、骨盤が後ろに傾いている人も、股関節の動きが悪くなって膝の負担を増やします。 股関節の動きが悪いと変形性膝関節症の進行を早めるため、なかなか治りません。ただ単に膝を使いすぎるだけでなく、通常よりも少し大きな負担をかけ続けていることが問題です。 足関節の動きが悪い 足首が硬いと、膝で代償するようになるので負担が増えます。 足首が硬くなる原因は、筋肉を使いすぎて疲労を溜めているためです。さらに、足関節捻挫の後に治療をしっかり行わず、後遺症を残してしまった場合も考えられます。 とくに、足関節捻挫をしっかり治さないと、背屈制限が残る場合があるので、足関節捻挫を軽く見てはいけません。将来的に変形性膝関節症のリスクを高めてしまいます。 体重が重い 肥満の方は変形性膝関節症のリスクが高く、年齢と共に多くの方が膝に不安を抱えるようになります。 体重が重ければ、膝の負担が増え不調が起こりやすくなるためです。 膝の使い方や姿勢をいくら良くしたところで、物理的に荷重が大きすぎれば膝関節の半月板はつぶれていきます。そこから炎症に発展し、常に膝が腫れている状態になってしまうのです。 定期的に膝の水を抜く必要がありますが、膝の腫れ癖になったかのような錯覚に陥る方もいます。しかし、癖になったのではなく膝で炎症を起こす原因が解決されていない点が理由です。 また、元々体重が重かった人はもちろん、急激に太った場合も膝の不調リスクは高まります。 膝が腫れた経験がある 以前膝が腫れた経験がある方は、再発する可能性があります。 突然の外傷以外では、日常生活の軽微な外力によって膝の炎症を起こします。原因が生活習慣にあるので、しっかり意識して変えていかないとすぐに炎症は再発するものです。 一度良くなって完治した後も、良い状態をキープできるように定期的な体のメンテナンスが大切です。 膝が突然腫れて痛い場合の対処法 もし、突然膝に腫れと痛みが出たら、どのように対処すればいいのか紹介していきます。 ふともものマッサージ 軽い力でさする程度で良いので、ふとももの緊張を取り除くことが重要です。 膝で炎症が起きる原因の多くは、膝の使い方にあります。膝の使い方を大きく左右するのがふとももの筋肉なので、ふとももの前面を自分でマッサージしてみましょう。 筋肉の緊張が緩和されれば、膝にかかる圧力も減って、自然に腫れが吸収されていく可能性もあります。あまり強い刺激を加える必要はないので、優しくもみほぐすイメージで行ってみてください。 お風呂でよく温まる 急性外傷でない限りは、温まることで症状が緩和されるケースもあります。 細菌感染など、病気でないことが前提ですが、変形性膝関節症や筋肉疲労が原因であれば有効な対処法です。温まることで筋肉の緊張もほぐれ、血流が良くなります。 その結果、腫れの成分も周りの組織に吸収されやすくなり、腫れも痛みも引くようになるのです。 接骨院を受診する 接骨院では、膝の腫れが出た原因の診断は出来ません。 しかし、有効な手技療法や後療法、運動療法などの処置ができるので、膝の負担のかかり方をコントロールするのに適しています。整形外科と接骨院の併用もできるので、上手く使い分けてください。 整形外科を受診する 突然の腫れと痛みを検査するには、整形外科が最も適しています。 レントゲンの撮影やMRIでの精査が可能で、外科的な処置で腫れの原因を特定出来るでしょう。根本的な治療でなくとも、膝の水を抜くなどの対症療法はかなり楽になります。 再生医療を検討する 人工関節の手術や長期間の入院をしないで痛みを和らげたい方は、再生医療を検討してみましょう。再生医療は、自身の治癒力を高める治療です。たとえば、膝の治療は以下のような流れで行われます。 採血で患者本人の幹細胞(ダメージを受けた細胞を補充する役割の細胞)を採取 増やした幹細胞を膝関節に注射する 軟骨や靭帯が修復される 痛みの根本から治療したいとお考えの方はご検討ください。 膝の腫れと突然の痛みに関するよくある質問 膝の腫れと、突然の痛みに関するよくある質問をまとめました。 膝の炎症を治す方法は? 膝がぷよぷよして腫れているのはなぜ? 不明な点を明らかにして、応急処置や受診の目安にしてください。 膝の炎症を治す方法は? 膝に痛みや腫れがある場合は炎症が起きていますので、氷のうやアイスパックなどで冷却します。 痛みが続く場合は医療機関の受診を検討しましょう。 膝がぷよぷよして腫れているのはなぜ? 膝がぷよぷよして腫れている原因は以下の通りです。 膝に水がたまっている 変形性膝関節症 関節リウマチ 痛風 また、膝にたまってしまった水は関節液と呼ばれる液体です。健康な状態の膝にも備わっていますが、関節液の量を調節する滑膜の不調により関節液が多くなってしまうことがあります。 膝が突然腫れて痛い原因まとめ 膝は骨や関節、靭帯、腱などの構造が不安定な部位であるため、普段の姿勢などちょっとしたことが原因で膝へ負担がかかり、炎症が起きて腫れや痛みが生じやすい部位です。 膝の腫れや痛みなどの治療を受けても改善されず、手術しかないのだろうかと思っている人には再生医療があります。治療法の選択肢として、再生医療も検討してみてはいかがでしょうか。 大阪リペアセルクリニックでは、厚生労働省に受理された再生能力が高い治療が可能です。変形性ひざ関節症、ひざ関節の骨壊死に対して高い治療効果が期待できます。 痛みの根本から病気を解決したい方はお気軽にお問い合わせください。
2019.04.24 -
- ひざ関節
膝の水の正体と水が溜る原因、考えられる病気の種類と治療方法を徹底解説 膝に起こる異変の一つとして、水が溜まるという現象があります。 膝の水が溜まってしまう原因は様々で、膝の水を検査することでどんな病態が隠れているのか知ることもできます。決して年齢が高いから膝に水が溜まるわけではなく、若年層でも膝に水が溜まるケースは考えられます。 そこで今回は、膝に水が溜まる原因と、完治までどのような経過をたどっていくのかご紹介していきます。 膝の水の正体と、水が溜まる原因 膝に水が溜まる原因は、関節内に炎症が起こるからです。炎症の原因は、まず一つに「靭帯損傷」や「半月板損傷」といった外傷で膝に水が溜まる場合、もう一つは、「変形性膝関節症」などの慢性的な症状によって膝に水が溜まる場合です。 膝関節の動きに重要なものに「関節液」があります。この関節液は、関節の動きがスムーズにする潤滑剤の役割をしています。よく耳にする「膝に水が溜まる」という言葉、実のところ、この関節液が正体なのです。 このように「膝の水」は、関節液なので誰の膝関節にも存在していて、問題はその量ということです。膝に水が溜まると言われる状態は、何らかの原因で関節液が増えてしまった状況です。 この膝関節内に溜まっている膝の水(関節液)は、純粋な水分というわけではなく、血液が混じっていたり、化膿して発生した物質が混ざったりすることがあります。 その膝に溜まっている水を注射で抜き、どんな成分が含まれているか検査をすることで、膝関節で起こっている病変を特定することにも役立ちます。 その成分が、「炎症成分であれば、関節炎が起きていることが分かり」、「血液であれば靭帯損傷などの軟部組織損傷」であることがわかるのです。 膝の水 関節液 ▲炎症成分 関節炎 ▲血液 靭帯損傷、軟部組織損傷 膝の水を抜くと癖になる?! 膝に水がたまると、「水を抜くと癖になる」という話。膝に溜まった水を抜くと、何度も繰り返すようになってしまうという噂ですが、これは正しい情報ではありません。 実際に、一度膝に溜まった水を抜き、その後も何度も処置をしなければならないケースはありますが、抜いたことで癖になっているのではありません。単純に、膝関節内での炎症が治まっていないから腫れが引かないだけなのです。 ですから、癖になるからと言って膝関節の水を抜くことをためらっている方もいらっしゃいますが、我慢する必要は全くないのです。むしろ、膝の水を放置しておくことで、悪影響が出ることもあります。 水を抜くと癖になる ✕(嘘) 炎症が収まっていないから溜る 〇(抜いたほうが良い) 抜くのを我慢する ✕(意味がないので抜いたほうが良い) 膝の水を放置する ✕(悪影響も) 膝の水を放置すると、どうなるか? 膝の水を放置すると膝関節にズレが出やすく悪影響となる恐れがあります。通常であれば関節包内で関節軟骨がスムーズな動作や衝撃吸収のシステムを作り出していますが、関節内に水が充満しているとそれらの機構が上手く機能しなくなるからです。 その結果、膝をかばった動作を行うことで膝周辺の筋肉に余計に負担をかけ、その周辺に異常な緊張が生まれ、膝関節の安定性をさらに低下させてしまいます。 膝の動作でズレが出るので、膝の水が引いたあとも再び関節炎を起こしやすくなり、膝に水が溜まる現象を繰り返すことになります。また、可動域制限がかかった膝をかばうことで、股関節や足関節の負担が増加し、新たな障害の可能性が増すだけです。 膝の水を放置することは、膝だけの問題であったものが二次的に他の関節にも痛みを生じさせることになってしまうのです。 膝にたまった水の放置 ▼膝関節のスムーズな動作を阻害 ▼膝をかばった動作となり、その他の関節に負担が出る ▼新たな障害の可能性が増える 膝にたまった水を放置してはいけません 膝の水は、完治するまで無くならない ここまでご紹介してきたように、「膝に溜った水は抜いても癖になりません。」むしろ「放置しておくことは逆効果」で、炎症が治まっていない限りは膝の水は発生し続けます。 膝に水が溜ることを完治させるためには、水が無くなるまで注射で抜き続けるのではなく、膝で炎症を起こしている根本的な原因を改善しなければなりません。その原因が解決されない限りは、膝の水が溜まる現象は完治することは無いのです。 水が溜る ▼水がなくなるまで抜く ✕ 水が溜る根本原因を改善する 〇 ▲水が溜らなくなる 水を抜く必要がなくなる 膝に水が溜まる病気の種類について 膝に水が溜まるという現象が起こり得る病態とは、どのようなものがあるでしょうか。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、打撲や捻挫をしたわけでもないのに、慢性的な症状で膝に水を溜める大きな原因が「変形性膝関節症」です。特に50代以降で、「外傷の可能性が無いのに膝に水が溜まってきている」場合、高い確率で「変形性膝関節症」だと思ってください。 変形性膝関節症は関節の軟骨が摩耗により、大腿骨と脛骨の関節面が直接擦れ合うようになり、関節内で炎症を起こす病態です。膝関節に負担を蓄積することで、少しずつ関節が変形していきます。 一度変形が起きた骨は元に戻ることはなく、炎症を抑えるためには体の使い方を見直す必要があります。股関節の動かし方や膝関節の動かし方、さらには背骨のゆがみや骨盤のゆがみなど、全身のバランスから改善することが必要なる場合もあります。 変形性膝関節症による炎症が落ち着けば、膝の水も無くなっていくので、必ずしも水を抜く処置を受ける必要はありません。 関節リウマチ 関節リウマチとは、全身のどの関節でも起こる可能性がある炎症です。この炎症は、免疫機能が異常を起こし、健康な骨や筋肉を構成している細胞を攻撃してしまう病態で、関節内での炎症と変形が主な症状となります。 痛みもあるので関節の可動域も狭くなり、変形が起きればさらに関節が動かしにくくなります。そこから慢性的な膝関節炎を起こし、膝全体が腫れあがったような水のたまり方をすることもあります。 薬物療法や運動療法などで炎症が軽減されれば、膝の水は自然と吸収されていきます。 靭帯損傷 靭帯損傷は、膝を支える靭帯に大きな外的衝撃を受けた場合に起こる損傷です。中でも膝に腫れを起こしやすいのが、前十字靭帯の損傷です。前十字靭帯は、他の膝関節の靭帯である後十字靭帯や内側と外側の側副靭帯に比べて、血流量が多いという特徴があります。 そのため、損傷すると関節内に出血を起こしやすく、血腫が溜まるので外から見ると膝に水が溜まったように見えるかもしれません。関節内に存在しているという構造上、保存療法だけではしっかり靭帯が治癒しないことも多くあります。 この場合、膝の腫れに対して対処するというよりは、「前十字靭帯の再建術など外科的処置を受けることによって、膝の水も治まっていく」という過程をたどります。 しかし、前十字靭帯損傷後には後遺症として、膝関節の負担が大きくなったことで慢性的な膝関節炎に移行するということが考えられます。この場合、再び膝に水が溜まる可能性もああり、運動療法などで膝に負担をかけない動かし方を獲得していく必要があります。 半月板損傷 膝の半月板を損傷するのは、外傷など強力な一回の外力によって起こるものと、変形性膝関節症などゆっくりと時間をかけて少しずつ損傷していくものとがあります。 どちらにせよ、膝関節にかかる荷重の衝撃を吸収するクッション作用が弱まるので、膝関節内で炎症を起こすことになります。そこから膝に水が溜まるようになるため、膝の水を抜くことが根本的な改善策になるわけではありません。 結局、膝の負担が変わっていなければ、すぐに膝の水は再度溜まっていきます。また、外傷によって半月板損傷を起こしている場合、半月板だけの単独損傷である場合は少なく、周辺の靭帯や軟部組織損傷を伴っていることがほとんどです。 膝に水が溜まったとき、やってはいけないこと 膝に水がたまった場合、早く完治させるために気を付けなければならないポイントをご紹介します。 我慢しすぎない 前述したように、膝に溜まった水を抜くことで癖になることはありません。必ず外科的な処置によって抜かなければならないわけではありませんが、放置すると膝関節の安定性は低下してしまいます。 屈曲角度が著しく制限されている場合や、日常生活に大きく支障が出ている場合は、我慢せずに早めに整形外科などで相談してください。放置しすぎることによって、かばった体の使い方が定着してしまい、腰痛など二次的な不調を引き起こす可能性が高まります。 痛みを無理して動かす 膝に水が溜まっているということは、少なくとも何か膝に負担をかける要因があるわけです。炎症かもしれませんし、軟部組織損傷かもしれません。いずれにせよ、痛みがありながら無理して動かすことで、プラスに働くことは無いと思ってください。 むしろ、痛みを我慢しながら動かすことで、炎症を悪化させて関節の内圧をさらに高めてしまうこともあります。安静にすることもとても大切なケアなので、膝に水が溜まってきたら出来る限り安静にしてみてください。 それでも膝の水が完治しなければ、医療機関を早めに受診してください。 過剰に冷やす よく炎症が起きた時にはアイシングをすると良いという話を聞くことがあると思います。しかし、過剰に冷やすことは、かえって膝の炎症が完治するのを遅らせてしまうこともあります。 確かに冷やすことで感覚が鈍って、痛みを感じにくくなるかもしれません。しかし、常に冷やしていると血流も悪くなり、代謝が下がって膝の水が吸収されにくくなります。 結局のところ、組織を早期に治癒させるためには、豊富な血流が必要なので基本的には温めるべきです。例外としては、前十字靭帯損傷後に、血腫が大量に溜まっている場合くらいです。急性期の大きな外傷の場合は温めることはせず、安静にしてください。 膝に水が溜まった場合の対処について 膝に水が溜まった場合、完治させるためにはどのような対処法を行うべきでしょうか。 ストレッチをする 出来る限りでいいので、ストレッチなどで膝関節周辺にある筋肉の緊張を緩和させることが大切です。筋肉の緊張が緩和すれば、膝関節の動きもスムーズになって腫れも早く引きます。 膝の水は、抜かなくても自然と吸収されるので、その機能を最大限引き出すつもりでゆっくりストレッチをしてみてください。大腿部や下腿部のストレッチが有効です。 安静にして荷重を避ける 膝が炎症を起こしてしまうのは、荷重による異常がほとんどです。荷重の角度が悪かったり、荷重の頻度が高すぎたり、荷重が重すぎたりすることでダメージを蓄積していきます。 膝に水が溜まるくらいまで炎症が進んでいるようなら、安静にして荷重を避けるだけでも完治を早めることに繋がります。 サポーターなどの装具を使う 膝関節を保護するために、ただ巻くだけの簡易的なサポーターでも良いです。荷重を分散させてくれるような高価なサポーターももちろん良いですが、一時的な対処法であることは自覚しておいた方が良いでしょう。 サポーターを付けることで慢性的な症状に対して、冷えを防ぎ安定性を高めてくれます。実際に装着してみて、少しでも楽に過ごせるようなら使い続けてみてください。 その際には、四六時中サポーターを装着して生活するのではなく、寝るときは外すなどメリハリをつけることも大切です。特に慢性的な症状が原因で出ている膝の水であれば、根本的な体の使い方を見直さない限り完治には至りません。 整形外科で水を抜いてもらう 膝関節の水を抜けるのは、整形外科です。関節に針を刺して抜く方法で、対処してもらえます。膝に水が溜まっているから即座に抜くというわけではなく、生活への支障度合いなどを考慮して選択されます。 水を抜いて検査をしてみれば、実際に何が炎症の原因になっているか判断できるので、長期間続いている場合は早めに抜いてもらってみてください。 接骨院や整骨院にいく 接骨院や整骨院では、外科的処置ができないので、水を直接的に抜くことは出来ません。しかし、周りの筋肉の緊張を緩和させたり、運動療法を行うことによって膝のダメージを軽減させたりすることは出来ます。 その結果、自然と膝の水は吸収されていくので、可動域の制限度合いによっては真っ先に受診するのも良いでしょう。 膝の水は吸収されていく 膝に水が溜まるという現象は、あくまで関節内で炎症が起きていることのサインです。炎症が治まれば、周辺の組織に吸収されて無くなっていきます。膝の水を完治させるためには、なぜ炎症を起こしているのか原因を突き止め、根本を改善することが大切です。 お近くに再生医療やスポーツ医療についての専門医がいない方へ リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。当院では来院前でも「メール相談」を受付けています。どうぞ事前にご相談ください。 メール相談・お問い合わせフォームはコチラ 監修:リペアセルクリニック大阪院 膝の痛みに関連する記事はこちら 膝の痛みと腫れが突然出た!考えられる原因は? 正座すると膝が痛いのは危険サインか?変形性膝関節症の可能性も 膝を曲げると痛いのは病気のサイン?音が鳴る原因は 膝をつくと痛い!痛みの原因や症状考えれる病態は? 膝の上が痛い原因は使い過ぎ?痛みに繋がるリスクとは 膝の皿が痛いのはなぜ?考えられる原因や病名は 膝の内側の痛みの原因は?症状や治し方について 再生医療による膝の治療に関連する記事はこちら 膝の症例 現役プロスポーツ選手 ひざの痛みにPRP治療 人工股関節、人工関節に関連する記事はこちら 人工股関節術後に脱臼する可能性と生活の注意点をチェック 膝の人工関節手術は失敗がある?知っておくべきリスクとは 当院の治療についての考え方や 再生医療についての内容もお読みください スポーツ外傷・障害の痛みに対する当院の治療 変形性股関節症に対する当院の治療 再生医療とは PRP(多血小板血漿)療法とは ご相談から治療までの流れ こちらもご参照ください
2019.04.23 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
正座ができないほどの膝の痛みは、日常生活にも影響を及ぼします。正座ができなくなる原因としては、変形性膝関節症や靭帯損傷などの病態を患っている可能性が考えられます。 そこで本記事では、正座ができないときに考えられる病態のほか、簡単に実施できる対処法を紹介します。 日常生活でよく正座をする方や、急に正座ができなくなってしまった方はぜひ最後までご覧ください。 正座が痛くてできないときに考えられる病態 正座をすると痛いときは、どんな問題が起きているのか原因を探る必要があります。 正座のよる痛みはもちろん、正座をするとき以外にも膝や脚に痛みを感じる場合は、上記の病態を患っている可能性があります。 1.変形性膝関節症 膝をぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、正座をすると痛い、または正座がほとんど出来ない場合は変形性膝関節症を疑います。50代以降で正座の際に痛みが出る場合は、変形性膝関節症の可能性が高いです。 変形性膝関節症は、大腿骨の下端と脛骨の上端で構成される膝関節が、少しずつ潰れて変形してしまう病態です。骨の端を覆っている関節軟骨が、繰り返しの外力によって少しずつ摩耗し、損傷していきます。 関節軟骨が摩耗すると、体重がかかったときのクッション作用が上手く機能しません。骨自体が直接干渉して潰れてしまうのです。とくに膝関節の内側で変形が起こるケースが多く、変形性膝関節症が進行するとO脚になっていきます。 この状態で、膝を最大屈曲させるような正座の動作をすれば、関節内に異常な圧迫力がかかって痛みを伴います。さらに、変形性膝関節症の場合、通常の歩行時にも痛みを伴っているケースも多いです。 痛みが長期間続く場合は、膝関節周辺の軟部組織を損傷している可能性があります。いずれにせよ、変形性膝関節症がある状態で正座をするには、根気強いリハビリが必要になります。 2.靭帯損傷 膝の周辺には、関節内にある前十字靭帯と後十字靭帯、関節の内側にある内側側副靭帯、関節の外側にある外側側副靭帯の4つが存在しています。靭帯の損傷は、歩行時や正座をするときに痛みを感じます。 また、膝関節周辺の靭帯は、それぞれが強固な作りになっています。そのため、いずれかの靭帯が損傷した場合は、他の靭帯も一緒に損傷している可能性が高いです。 たとえば、前十字靭帯が損傷するほどの外力がかかっていれば、内側側副靭帯も一緒に損傷している頻度が高いのです。正座をすると膝の屈曲角度が鋭角になり、損傷している靭帯に牽引力がかかって痛みが出ます。 さらに、靭帯損傷によって膝が腫れていれば、正座の屈曲によって関節内の圧力が高まり痛みを感じます。くわえて、膝関節の靭帯損傷が起きている場合は関節軟骨の損傷を伴うケースも多いです。 靭帯を損傷している状態の正座はほぼ不可能と言えます。 3.関節軟骨損傷 膝関節にある関節軟骨は、内側半月と外側半月の2つです。それぞれ、三日月のようにC字状の形をしています。靭帯損傷を伴うほどの外力によって一回の衝撃で関節軟骨を損傷する場合もあれば、軽微な外力の積み重ねで少しずつ関節軟骨を摩耗していく場合もあります。 通常は関節軟骨によって、膝の曲げ・伸ばし動作をスムーズに行えます。さらに、ジャンプの着地時など、地面から伝わる衝撃を吸収するのも関節軟骨の役割です。 対して、関節軟骨が損傷していると、大腿骨の関節面と脛骨の関節面の間で滑りが悪くなります。そのため、膝関節を最大屈曲させる正座では、関節面でズレを起こして痛みを伴いやすくなるのです。 4.大腿四頭筋腱炎 太ももの前面にある大腿四頭筋を繰り返し使うことで疲労が蓄積し、大腿四頭筋腱炎に発展します。大腿四頭筋腱炎はジャンパーズニーとも呼ばれ、膝蓋骨の下から脛骨粗面まで続く膝蓋靭帯の炎症も起こします。 そのため、大腿四頭筋腱が位置している膝蓋骨の上部や、膝蓋靭帯がある膝蓋骨の下部でも痛みが生じます。バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプを繰り返すスポーツにおいて発症しやすい病態です。 大腿四頭筋腱に微細な損傷を起こしているので、牽引力が加わり痛みを発生させます。膝を最大屈曲する正座では、大腿四頭筋の牽引力も強くなるので痛みを伴いやすいのです。 大腿四頭筋腱の炎症が治まれば、再び正座も問題なく行えるようになります。早期の治癒と再発予防を目指すなら、股関節や足関節の柔軟性を高めて膝関節にかかる負担を減らすことが大切です。 5.膝関節炎 膝関節が炎症を起こしていると、正座のときに痛みが出ます。関節軟骨の損傷や靭帯損傷の二次的な症状として現れる点が特徴です。 わかりやすい損傷以外にも、膝関節を動作させる筋肉に異常な緊張があると膝関節内で炎症を起こします。たとえば大腿四頭筋が異常な緊張を起こしていれば膝蓋骨が大腿骨の関節面に強く押し付けられる形になり、そのまま膝関節の曲げ伸ばし動作を繰り返すと摩擦が起きます。 摩擦で負ったダメージによって、膝蓋大腿関節で炎症を起こし、正座をすると痛い状況に陥るのです。他にも、大腿部外側の筋肉が異常な緊張を起こし、内転筋とのバランスが悪くなると膝関節内が炎症を起こします。 打撲などの外傷が無くても、足に合わない靴を履いていたり、足関節の動きが悪かったり、股関節の動きが悪かったりすれば大腿部外側の筋肉が硬くなります。 6.オスグッド オスグッドは10代特有の症状でもありますが、大腿四頭筋の牽引力によって脛骨粗面で炎症が起きる病態です。まだ骨が成長しきっていない年代の発症率が高く、サッカーやバスケットボールといったスポーツにおけるジャンプやダッシュの動作で大腿四頭筋が強く緊張すると起こりやすいです。 大腿四頭筋の筋力を発揮をするたびに停止部である脛骨粗面に強い牽引力が加わり、微細な損傷を起こしながら炎症していきます。その結果、正座をすると痛みが伴うのです。 オスグッドは一回の激しい外力で発症するのではなく、スポーツといった日々の活動における負担の蓄積が原因です。そのため、ストレッチで柔軟性を保ちつつ無理な動きを避け、普段から体に負担をかけない意識が大切です。また、普段から正座をする習慣があるとオスグッドの発生率は低くなります。 7.肉離れ 肉離れも正座ができない原因のひとつです。正座をすると損傷部位に圧力がかかるので、痛みが伴います。 また、直接的な原因だけでなく、肉離れによる痛みをかばって膝に負担をかけるのも痛みの原因です。下肢の後面で肉離れを起こすと、損傷部に牽引力が加わらないように膝を屈曲させた状態になります。 上記の状態が長期間続けば、下肢前面にある大腿四頭筋や前脛骨筋にも負担が蓄積されます。その結果、正座で屈曲する瞬間や、強く伸展する瞬間に痛みが生じてしまうのです。 正座が痛くてできないときの対処法 この項目では、正座が痛くてできないときの対処法を紹介します。症状の悪化を防ぐためにも、できるだけ早く対処することが大切です。 1.同じ姿勢を続けない 筋緊張が正座の痛みを助長しているケースがあります。長時間同じ姿勢をとった際、動き出しの動作で痛みを伴う点が特徴です。 長時間椅子に座っていた後に正座を試みると痛みが出るので、椅子に座っている段階から20分に1回は立つなどの対策が必要です。 どんな体勢だとしても、長時間同じ姿勢を続けるのは筋緊張を招きます。こまめに体勢を変えるようにしてください。 2.膝を温める 発症から時間が経過している場合は温めると膝の動きが良くなり、正座での痛みが軽減できるケースがあります。温めると血流が良くなるので、筋緊張が緩和されます。 筋緊張が緩和されれば、膝関節で起きる異常な摩擦や荷重が無くなり、正座もスムーズにできるようになるのです。お風呂に入った後に比較的楽に正座ができるのは温め効果による一例です。 3.ストレッチをする 大腿四頭筋のストレッチをすると、正座の際にかかる膝への負担を減らせます。正座は荷重をしながら膝を最大屈曲させるので、実は負担が大きい動作です。 まずは非荷重の状態で膝を屈曲しながらストレッチをして、徐々に荷重での屈曲に移行していきます。非荷重の状態で膝を屈曲した段階で痛みが出るなら、正座をすればほぼ間違いなく痛みは憎悪します。 まずは問題なく非荷重での屈曲が出来るようにして、その後正座に挑戦するという流れで改善していきましょう。 4.医療機関に相談する まずは正座による痛みの原因を特定させることが先決です。病態の有無を診断してもらうためにも医療機関を受診し相談しましょう。医療機関を受診することで、原因に対して的確なアプローチが可能となります。 「どうせ大したことはない」「そのうち治るだろう」といった慢心が症状の悪化を招きます。少しでも違和感を感じたら早期受診を心がけましょう。 痛みで正座できない場合はご相談ください! 正座ができない原因には、変形性膝関節症や靭帯損傷、炎症などが考えられます。 膝を温める、ストレッチをするなどの対処法で改善する場合もありますが、痛みが続く場合は早めに医療機関を受診することが大切です。 また、正座をするときに痛みを感じる方は、当院にご相談ください。 当院は、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。自身の細胞を用いる再生医療により、入院不要で膝の痛みや正座ができない症状の緩和を目指します。 来院予約のほか、メール相談も受け付けておりますので、ぜひご気軽にお問い合わせください。
2019.04.22 -
- ひざ関節
「しゃがむときに膝からポキポキ音がする」 「ポキポキ音は異常のサイン?」 膝の痛みはないものの、頻繁に音がなる現象に不安を抱いている方も多いことでしょう。結論、膝からポキポキ音がするときは、関節や筋肉の問題が潜んでいる可能性があります。 この記事では、膝の音が鳴るメカニズム、関連する疾患、そして症状への対処法を詳しく解説します。痛みを伴う場合はとくに注意が必要です。早めに医療機関を受診しましょう。 しゃがむと膝がポキポキとなる鳴る理由 膝を曲げたときにポキポキ音が鳴る理由は、以下の通りです。 膝関節内の気泡が破裂している 変形性膝関節症で関節間の骨同士が接触している 半月板が損傷している 靭帯が損傷している 膝を動かすと関節液の中で気泡が移動して破裂音が鳴る場合があります。気泡の破裂音の場合は、基本的に問題ありません。しかし、痛みを感じる場合は半月板や靭帯の損傷が考えられます。長期間の放置は症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。 痛くないけど膝が鳴るのは異常? 痛みを伴わずしゃがむと膝が鳴る場合は関節液の中で気泡が破裂しており、問題ないとされています。しかし、痛みがなくても変形性膝関節症の兆候として音が鳴っているかもしれません。 とくにミシミシとした音や、ジャリッとした音が鳴った場合は、半月板や軟骨に異常をきたしている可能性があります。 痛みの有無にかかわらず、膝に違和感を覚えたら医療機関を受診するよう心がけましょう。 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患として、以下が考えられます。 膝の筋力が弱っている 変形性膝関節症 タナ障害 半月板損傷 腸脛靭帯炎 しゃがむと膝が鳴る主な原因・疾患についてそれぞれ詳しくみていきましょう。 膝の筋力が弱っている 外傷や病気がなくても、膝周辺の筋力低下が膝の痛みや音が鳴る原因になります。 膝を動かす筋肉には、大腿四頭筋やハムストリングス、縫工筋や半腱様筋などがあり、筋肉が弱ると、膝関節の動きにズレが生じやすくなります。 よって、膝の痛みや音がなるのは運動不足による筋力低下が原因かもしれません。筋力低下を防ぐためには、軽いウォーキングや自転車など、負担の少ない運動を継続的に行うことが大切です。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、長期間にわたり少しずつ膝関節が変形する疾患です。大きな衝撃で急に膝が動かなくなるわけではありませんが、以前は気にならなかった膝の曲げ伸ばし時の痛みや音が徐々に強まります。 初期段階:体重がかかった状態で膝を曲げる動作を行うとで痛みを感じる 進行後:非荷重の状態でも痛みを感じる タナ障害 タナ障害は、膝関節内の滑膜(タナ)が厚くなり、膝を曲げ伸ばしする際に膝蓋骨との摩擦が生じる障害です。とくに膝を深く曲げたときに痛みや引っかかり感が現れます。 タナ障害は、スポーツなどで膝を頻繁に使用する人に多く見られます。治療としては、休息・消炎鎮痛薬・ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリが有効です。 半月板損傷 半月板損傷は、膝を深く曲げたりひねったりした際に、膝関節内で半月板が損傷して発生します。半月板は衝撃吸収の役割を担っている組織です。 半月板の損傷によって膝の不安定感や痛みが生じ、しゃがんだときにポキポキという音が鳴る場合があります。半月板は衝撃吸収の役割を担っていますが、加齢やスポーツによる負荷が原因で劣化するケースもあります。 痛みが続く場合は、早期に医師の診断と適切なリハビリが必要です。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎はランナーズニーとも呼ばれる疾患です。 大殿筋から始まる腸脛靭帯が大腿骨外側を通り下腿まで伸びる中で、外側顆と摩擦が生じて発症します。腸脛靭帯炎になると、屈曲や伸展運動の際に腸脛靭帯と外側顆が擦れるので、当然膝を曲げると痛みが出ます。 腸脛靭帯炎になってしまう原因は、オーバーユース(使いすぎ)です。大殿筋や大腿部の筋肉に負担がかかるような長距離ランナーに多くみられます。 疼痛部を守ろうとするあまり、周りの筋肉は自然と硬くなります。その結果、膝関節が硬くなり、痛みにくわえて音が鳴るのです。 しゃがむと膝が鳴るときの対処法 しゃがむと膝がなるときの対処法は以下の通りです。 大腿四頭筋のストレッチをする 内転筋のトレーニングをする 足首をよく回す 整形外科で精査してもらう 接骨院で治療する すぐに実施できる方法を以下で詳しく紹介するので、できることから取り組んでみましょう。 大腿四頭筋のストレッチをする 膝を動かす筋肉の緊張は不調の原因になります。とくに大腿四頭筋の緊張が強まると、膝の障害リスクが高まります。対策として、大腿四頭筋のストレッチを日常的におこないましょう。 ストレッチでは、膝関節をしっかりと曲げるのがポイントです。また、股関節が曲がってしまうと効果が半減するので、股関節を伸ばしながら膝を曲げるように心がけましょう。 内転筋のトレーニングをする 日常生活の中で最も筋力が落ちやすい部位が内転筋です。膝の内側にある内転筋と、大殿筋などの股関節外転筋のバランスが崩れると、膝の安定性が低下します。筋力低下により、O脚や変形性膝関節症の進行リスクが高まります。 したがって、内転筋を意識したトレーニングを取り入れましょう。内転筋を鍛えると、膝関節の運動がスムーズになり、安定性が増して痛みが軽減していきます。 チューブを使うトレーニング ゴムチューブを足に巻き付けて、股関節の内転方向に力を入れる 椅子を使うトレーニング 座った状態で足を浮かせ、膝を前にまっすぐ伸ばす ※膝の内側にボールやクッションを挟むとより効果的 足首をよく回す お風呂上がりなどに足首を手で回すと、膝を曲げたときの痛みや音が軽減できます。 足首を定期的に回すことで足関節の曲げ伸ばしがスムーズになると同時に、歩行時の推進力が向上します。すると、間接的に膝への負担が軽減されるのです。 変形性膝関節症の進行や腸脛靭帯炎のリスクも抑えられるため、積極的に実施しておきたい対処法のひとつです。 整形外科で精査してもらう 原因不明の膝の痛みや音が非荷重時・歩行時に発生する場合は、整形外科を受診しましょう。 整形外科ではレントゲンやMRIを用いた診断が可能です。転倒や打撲の事実がないのに膝関節の腫れや屈曲時の音や痛みが続く場合は、変形性膝関節症が進行しているかもしれません。 原因を特定し、適切な治療を行うためにも、早めに専門医にみてもらいましょう。 接骨院で治療する 筋緊張の緩和や筋力強化を目的とした保存治療を受ける際は接骨院の通院が適しています。 薬物療法や画像診断はおこなえませんが、膝の痛みに対して専門的な治療が受けられます。また、症状を和らげるとともに、再発予防に関する指導もしてくれます。整形外科で痛みや音の原因を精査した後に、接骨院で治療を受けることも視野にいれてみましょう。 痛みを伴う膝の異常は専門医に相談しよう 膝を曲げたときの痛みは、原因に関係なく膝になんらかの異常が起きているサインです。痛みを放置すると手術が必要な症状に発展する可能性もあるため、早めに専門医へ相談しましょう。 音が鳴るだけであれば直ちに問題になるケースは多くありませんが、疾患の兆候の可能性も考えられます。日頃からストレッチや軽めのトレーニングを実施し、あらかじめ対処しておきましょう。 また、膝に関するお悩みは当院でも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。
2019.04.21 -
- ひざ関節
膝は常に体重を支えている関節のため、不調を起こしやすい部位です。 打撲や捻挫などによる膝の負傷もありますが、明確な原因がわからないまま痛みを発症するケースもあります。 膝をつくと激痛が走る症状にお悩みの方も多いのではないでしょうか。 本記事では、膝をつくと激痛が走る特徴がある疾患や、膝をつくと痛みがある場合の対処法を紹介します。 最後までご覧いただき、原因の追求・適切な処置を目指しましょう。 膝をつくと激痛が走る8つの疾患 膝をついたときに激痛が走る場合、以下の疾患である可能性があります。 1.変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減って変形、炎症、水がたまるなどの症状を引き起こす疾患です。 初期は立ち上がるときや動作の始めに膝の痛みを感じるだけですが、中期から末期になると変形が目立って膝が伸びず歩行が困難になります。 原因は遺伝や筋肉の減少、遺伝です。また、骨折や靭帯損傷の後遺症として変形性膝関節症を発症するケースもあります。 2.タナ障害 「タナ」は大腿骨と膝蓋骨の間(膝関節の内側)にある滑膜ヒダのことです。 タナ障害はこの滑膜ヒダが外的刺激により炎症を起こした状態を指します。主な原因は運動による激しい屈伸運動です。 アイスパックによる物理療法や太もも前面・後面のストレッチをする理学療法などの治療をします。 3.半月板損傷 大腿骨と脛骨の間にある三日月形の組織で、膝関節のクッションの働きがあります。膝を急激に捻ってしまうと半月板が損傷する可能性があります。 半月板を損傷すると、運動時や曲げ伸ばしのときに引っかかる感覚があります。ひどくなると水がたまる・膝関節が動かなくなる症状が出ます。 半月板損傷はスポーツ外傷の中で比較的多く見られる疾患です。 4.靭帯損傷 靭帯は骨と骨をつないでおり、膝の安定性を担う重要な組織です。 スポーツでの激しい動きや転倒・事故などによって靭帯が部分的または完全に切れてしまうことを靭帯損傷と言います。 不安定な関節は膝の骨や関節に大きな負担をかけるので、靭帯を損傷した場合は、適切な治療を受けることが重要です。 5.分裂膝蓋骨 分裂膝蓋骨は、膝のお皿(膝蓋骨)が1つの骨として融合せず複数に分かれている状態を指します。 分裂膝蓋骨は生まれつきでスポーツなどをきっかけに分裂した箇所に負担がかかり、痛みが出現することで気づく場合があります。 傷みが生じた場合、有痛分裂膝蓋骨と呼ばれ治療の対象になります。 6.鵞足炎 鵞足炎は、膝の内側下方にある「鵞足」と呼ばれる部位に腫れや痛みが生じる疾患です。 主な原因は、膝の屈伸を繰り返すことによって鵞足に負担がかかっていることが考えられるため、膝に負担がかかりやすいスポーツや、打撲などの外傷で発症する可能性があります。 運動前にはウォーミングアップやストレッチをして鵞足炎を予防しましょう。 7.腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎は膝のオーバーユースによって発症します。 腸脛靭帯炎を発症した場合、運動量を減らす、休養の時間を増やすなど工夫しましょう。 初期は運動時に痛みが出て休養すると消失しますが、進行すると運動をしていなくても痛みが取れなくなります。 8.ジャンパー膝(膝蓋腱炎・大腿四頭筋腱付着部炎) ジャンプや着地動作、ダッシュなどの動作を繰り返すスポーツでよくみられる疾患です。 大きな要因は大腿四頭筋の柔軟性低下です。とくに骨の成長に筋肉の成長が追い付かない成長期のスポーツ選手が発症します。 痛みだけでなく、腫れる、熱を持つ症状もあります。 膝をつくと激痛が走るときの対処法 膝をついたときに激痛が走る場合、以下の対処法が効果的です。 安静にして痛みのある動きを避ける 膝をついたときに痛みが走る場合、外傷によるものか関節炎なのかの判断が難しい場合があります。 まずは膝に負担をかける動作や痛みがある動作を避けて安静にしましょう。 安静にすると痛みの改善が期待できます。 サポーターを着用して膝の負担を減らす 膝をついて痛みがある場合は、サポーターを着用して膝の負担を減らしましょう。 膝関節は体重を支える重要な役割を持つ一方で、日常生活や運動時に大きな負担がかかりやすい部位でもあります。 サポーターを着用すると膝の負担が減り、痛みが軽減される場合があります。 ただし、サポーターを長期間付けて運動量が落ちると筋肉が衰えてしまう場合があります。サポーターに頼り切りにならず、適度に運動してください。 サポーターはドラッグストアなどで売っているため、気軽に入手できることが利点です。 選ぶときは、自分の膝の大きさに合ったサポーターを選びましょう。 ストレッチをして筋肉の緊張を緩める 臀部や大腿部外側の筋緊張が続くと痛みや関節の負担が増える原因となり、変形性膝関節症などの発症リスクを高める可能性があります。 筋緊張は痛みの回復を遅れさせる要因になるので、ストレッチをして筋肉の緊張を緩めることを意識しましょう。 痛みが生じない程度に無理のない範囲でストレッチしてください。 整形外科を受診する 激痛が突然現れた場合は、変形性膝関節症やタナ障害の可能性があります。 放置すると症状が悪化し、日常生活にも影響を与える恐れがあります。 膝関節の状態や疾患の有無を確認するためにも、早期に整形外科を受診しましょう。 接骨院を受診する 外傷がないのに痛みが出ている場合、日常生活の動作が起因している可能性があります。 整形外科を受診し、外科的処置が不要と判断された場合は、接骨院での運動療法なども効果的です。 接骨院でアドバイスを受け、症状を改善しましょう。 膝の激痛に対する治療法 膝の激痛は、軟骨の摩耗や関節炎、怪我など、さまざまな原因によって引き起こされることがあります。 このような痛みに対処するためには、痛みの原因に応じた適切な治療法を選択することが重要です。 それぞれの治療法について詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。 再生医療 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、半月板や靭帯などの損傷した組織を保護・修復させる治療方法です。 幹細胞を用いた「幹細胞治療」と血液を用いた「PRP治療」について紹介します。 患者さま自身の細胞を使うため、アレルギーや拒絶反応などの副作用のリスクが少なく、安全に行えるため、新たな治療法として注目されています。 幹細胞治療 幹細胞治療は、患者さまの幹細胞を培養して幹部に投与する治療法です。 幹細胞は身体の修復において大きな役割を担っており、重大な疾患の予防や治療・美容などの分野でも研究が進んでいます。 膝関節に入った幹細胞が軟骨に変化し、膝関節を再生する役割があります。 PRP治療 PRP治療は、患者さま自身の血液から血小板を濃縮して抽出したPRP(血漿成分)を患部に注入する治療法です。 ただし、PRP治療はあくまで膝の炎症を抑える効果です。 幹細胞治療とは違い、膝関節を再生する働きはありません。 採血と注射で完了するため、年齢の制限がないことや当日すぐに実施できる利点があります。 注意点として、注射後2~3日は激しい運動を控えること、注射後1週間程度は痛みや腫れが続く場合があります。 リハビリテーション リハビリテーションでは、主に以下のプログラムを行います。 運動療法 関節の筋力や可動域、柔軟性を広げる 物理療法 光や熱、電気刺激によって炎症や痛みを抑える 例:赤外線、ホットパック、レーザーなど 痛みを抑制し、変形などの進行を予防するのがリハビリの目的です。リハビリテーション療法では疾患の根本的治療はできません。 薬物療法 薬物療法では、以下の方法を用いて治療します。 内服薬 比較的短時間で効果が出やすい 痛みが軽くなってきたら外用薬や湿布に切り替える 外用薬 クリームや軟膏、ゲル、湿布 炎症を起こしている局所で効果がある 注射薬 ヒアルロン酸を膝関節に注射する 1週間ごとに5回ほど続けると効果がある とくに痛みが激しい人や胃腸が弱い人には、座薬が選択されるケースもあります。粘膜から吸収させるので、即効性があります。 手術療法 手術療法では、症状ごとに以下のような手術が行われます。 関節鏡視下手術 膝の皮膚の一部を切開して関節鏡を挿入し、治療する方法 皮膚を2か所、6mmほど切開するだけなので身体への負担が少ない 装具を付ければ手術翌日から歩ける 骨切り手術 骨を切り、関節の向きやバランスを矯正する方法 自分の骨と関節が残るため、治った後はスポーツなどもできるようになる 人工膝関節置換術 変形・損傷した膝関節の表面を削り、金属やセラミックなどの人工関節に置き換える 人工関節の耐用が15~20年なので、再手術が必要になるケースもある 骨切り手術は体への負担が大きく回復にも時間がかかるため、高齢者には向いていない手術です。 人工膝関節置換術は膝の疾患が重度になった場合のみ行われます。 膝をつくと電気が走るような鋭い痛みがある場合は早期に受診 膝をつくと電気が走るような痛みがある場合、滑液包炎や膝蓋骨の損傷など、早急な診断と治療が必要な疾患が疑われます。 これらの症状を放置すると、痛みが悪化したり、膝の機能が低下して日常生活に影響を与える可能性があります。 無理はせずに、すぐに医療機関を受診しましょう。 膝をつくと激痛が走る方必見の知識 膝をつくと激痛が走る方に向けて、知っておいてほしい情報をご紹介します。 膝の動きや関節について詳しく解説していきます。 膝は不調が起きやすい部位 膝は過重がかかる部位のため、外傷がなくても痛みを感じる場合があります。 急性でない膝の不調の場合、姿勢の悪さや体の使い方、日常生活の動作などの蓄積ダメージが原因です。 姿勢の悪さなどが原因の場合、徐々に痛みが増し、年齢とともに激痛につながるリスクが高まります。 膝関節を構成している骨について 膝関節は主に3つの骨で構成されています。 大腿骨 膝関節面が内側と外側に分かれている 靭帯などで安定性を保ち、内反や外反などの異常な動きを防ぐ 脛骨 「スネ」の骨で体の中枢に近い側が膝関節面になっている。 脛骨の上部に大腿骨の内側顆と外側顆がはまり込む構造 膝蓋骨 膝の曲げ伸ばしのときに滑るように移動する この3つの骨の異常や、周辺の筋線維の異常が原因で膝の傷みを引き起こしているケースもあります。 膝関節は特徴的な動きをする 膝を曲げる際の主動作筋 ハムストリングス(大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋) 膝を伸ばす際の主動作筋 大腿四頭筋(大腿直筋・外側広筋・内側広筋・中間広筋) 特徴的なのが膝関節を曲げる際の下腿の内旋で、膝窩筋など小さな筋肉が微妙な動きを調整します。 膝関節を曲げていく途中で脛骨が大腿骨に対して体の内側に向かって旋回し、伸ばすと外側に旋回します。この特徴的な動きをスクリューホームムーブメントと呼びます。 スクリューホームムーブメントが上手くできないと、他の軟骨組織に負担がかかり痛みが生じる場合があります。 【まとめ】膝をつくと激痛が走る際は当院にご相談ください 膝をつくと激痛が走る場合、何らかの疾患を発症している可能性があります。 激しいスポーツをしている、転倒したなどの心当たりがなくても変形性膝関節症を発症している可能性があるため、まずは安静にして様子を見ることが大切です。 安静にしても痛みが治まらない場合や、膝をつくと電気が走るような強い痛みがある場合は、無理はせずに医療機関を受診しましょう。 また、変形性膝関節症や半月板損傷などの膝の痛みに対しては、再生医療という選択肢があります。再生医療はこれらの疾患に高い治療効果が期待できる治療法です。 手術を必要とせず、自身の細胞を利用した再生医療に興味がある方は、お気軽に当院へお問い合わせください。
2019.04.20 -
- ひざ関節
膝の上側が痛む場合はさまざまな疾患や原因が潜んでいる可能性があります。 日常生活や運動時に痛みを感じた場合、単なる筋肉の疲労やストレスと見過ごしがちですが、早期に対策を講じないと症状が悪化する恐れもあるのです。 膝は日常的に大きな負担がかかる部位です。とくに膝の上側の痛みは、大腿四頭筋腱炎やランナーズニー、関節リウマチなどが原因で発症する場合があります。 本記事では、膝の上側に痛みを感じる際に考えられる疾患や原因について徹底的に解説し、早期の対策に役立つ情報を提供します。 膝の上が痛む原因 膝の上が痛む場合、ぶつけたり捻ったりなど原因が明確なケースもあります。しかし自分でもよくわからないまま痛みが突然発生する場合も多いです。 膝が痛む原因がわからない場合、どのような理由が考えられるのかを紹介します。 急激に太った 急激に太ると膝関節の変形や軟骨が摩耗し、痛みを伴いやすいです。 荷重による負担と、脂肪量の増加によって、体の使い方に変化が出ることが影響しています。 膝を安静にして痛みが軽減したら、水中歩行など負担の少ない運動から始めて減量を目指すと良いでしょう。 水分摂取量が少なすぎる 体のおよそ60%は水分で構成されているため、水分摂取量が少なすぎると、関節軟骨の柔軟性も低下して潰れやすくなります。 実際の治療では、変形性膝関節症などで膝の痛みを発生させている方に、水分をしっかり摂取するように指導しています。1日を通して、1.5リットル程度の水分摂取が目標です。水分を十分に摂取すると代謝が向上し、細胞の入れ替わりも活発になるので痛みの回復も早いです。 股関節が硬い 股関節の動きが悪いと、膝にも大きな負担がかかります。たとえば股関節の屈曲可動域が狭い場合、前への推進力が損なわれます。推進力が損なわれた分は膝関節を中心とした下腿の関節で代償するため、通常時の何倍も負担がかかってしまうのです。 その結果、膝関節周辺の軟部組織損傷を引き起こし、膝の上の痛みを発症します。痛みが出ている膝だけを集中的に治療するのではなく、股関節の可動域を広げる運動療法を一緒に行わなければ痛みは改善されません。 足関節が硬い 足関節の動きが悪いと膝関節の負担は増えます。歩行や走行時、足関節の可動域が狭いと地面を蹴り出す力が弱くなり、その分を膝関節で補うからです。 ハムストリングスや大腿四頭筋に通常時よりも大きな負担がかかり、長期間続けば膝周辺の軟部組織損傷を起こす場合もあります。ランナーズニーやジャンパーズニーなど、オーバーユースによる膝の障害も起こりやすくなり、スポーツのパフォーマンスも低下してしまいます。 痛みのある膝関節だけを集中的に治療するのではなく、足関節の動きをスムーズにする、下腿三頭筋、前脛骨筋の筋緊張を緩和させるなども大切です。 姿勢が悪い 猫背やストレートネックなどの背骨の歪みは、膝関節に大きな影響を与えます。側弯症などの左右のバランスも荷重の偏りを招くので、膝の痛みを発生させる一つの要因です。 しかし、多くの場合は先天的な変形が痛みにつながるのではなく、日常生活を送る上で少しずつ発生した歪みによって発症します。デスクワークや、子どもの抱っこなど左右非対称の動作が多い方は膝に負担が溜まりやすいです。 姿勢や体のバランスが悪いからといって、直ちに膝の痛みが発生するわけではありません。しかし長期間にわたって少しずつ膝にダメージを与え、変形性膝関節症やタナ障害などに発展していく可能性は十分にあります。 他の部位に痛みを抱えている 人間はどこかに痛みが出ると、無意識のうちに患部をかばうようになります。たとえば歩行時に痛みが出るときは足をかばいながら歩くため、いつの間にか膝に負担がかかるような歩き方になっている場合もあります。 何日、何週間も続くと膝周辺のダメージが蓄積して膝の上の痛みとして感じられるようになるでしょう。 膝の上側が痛い場合に考えられる疾患 この項目では、膝の上側が痛い場合に考えられる疾患について紹介します。 それぞれの特徴を確認し、下記の疾患が疑われる場合は速やかに医療機関を受診しましょう。 大腿四頭筋腱炎 大腿四頭筋腱炎が発生する原因は膝伸展機構の使い過ぎです。 バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ系の競技や、サッカーなど瞬発系の競技でよく見られます。成長期には脛骨粗面部で痛みがでるオスグッドの方が発生頻度は高いですが、成長期を過ぎれば大腿四頭筋腱炎として発生する人もいます。 大腿四頭筋腱炎を発生させやすい人の特徴は、股関節が硬い、足首が硬い、大腿四頭筋が硬いなどです。 大腿四頭筋腱炎はストレッチで少しずつ改善ができるので、リスクを下げるためにも日々取り組んでおくべきです。 大腿四頭筋腱炎になったら、まずは患部に負担をかけないように安静にしましょう。その後大腿四頭筋の緊張や疲労を取り除くために、マッサージやストレッチ、罨法、後療、電療などを受けるのがおすすめです。 ランナーズニー ランナーズニーは腸脛靭帯炎とも呼ばれます。長距離ランナーの他にも、自転車をよく漕ぐ人、水泳をやっている人など、膝を曲げる行為を何度も繰り返し行う競技をしている方に多い症状です。 腸脛靭帯は大腿骨の外側を走行している長い靭帯で、大殿筋から始まっています。腸脛靭帯が大腿骨の外側顆と何度も擦れると炎症を起こし、膝の上外側で痛みを感じます。 ランナーズニーを起こしやすい人の特徴は、大殿筋が硬い、骨盤が歪んでいる、ランニングフォームが良くない、下肢のアライメント不良があるなどです。 一回の強い外力でランナーズニーになるわけではないので、痛みを発生させる動作を避けたり、競技を中止したりすれば痛みは軽減していきます。 安静にして炎症が治まるのを待つか、ストレッチなどで大腿部外側の緊張を緩和させましょう。 有痛性分裂膝蓋骨 有痛性分裂膝蓋骨は多くが先天的で、分裂膝蓋骨とも呼ばれます。骨折とは違い骨組織が損傷しているわけではないので、腫脹や限局性圧痛などは出ません。 しかし、分裂膝蓋骨に牽引力が加わり、痛みを発生させる場合があります。分裂の仕方によっては膝蓋骨の上方で二分されるため、膝の上で痛みを感じます。 日常生活に支障がなければ保存療法で十分改善が可能です。大腿四頭筋の緊張が強いと分裂膝蓋骨の痛みも強くなりやすいので、大腿四頭筋の柔軟性を高めることも大切です。 あまりにも痛みが強く出ている場合や、日常生活に支障が出ている場合は手術を行う可能性もあります。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、内側の関節軟骨が摩耗して薄くなり、関節面同士が直接接して摩擦を起こすのが原因です。 年齢と共に変形性膝関節症の発生リスクは高まりますが、とくに女性に多い症状でもあります。膝の内側が潰れるように変形するため、O脚のような下肢の形になるのが特徴です。変形性膝関節症を発症しやすい人は、股関節が硬い、足関節が硬い、内転筋が弱い、元々O脚であるなどが挙げられます。 症状が出てからは、痛みを完全に和らげるのは難しいです。しかし、変形性膝関節症が発症する前の段階であれば、予防できます。たとえば重いものを持つことが多い人は、なるべく持たないようにすればリスクを減らせます。 関節リウマチ 関節リウマチは関節を破壊していく病態です。通常であれば外から入ってきた病原菌やウイルスに対して攻撃をする免疫細胞が、誤って人体を構成している細胞を攻撃してしまうことで症状が出ます。 ほとんどの場合は手先や足先などで症状が出始めますが、時間が経過すると膝関節でも症状が出てきます。膝関節や膝の上が痛いといった自覚症状から始まり、進行すると関節が破壊されて変形するのが特徴です。関節リウマチになってしまう原因は不明で、薬物療法や運動療法が行われます。 変形の程度や日常生活の支障の度合いによっては手術が必要です。ただほとんどは保存療法で、変形や炎症によって狭くなった関節の可動域の回復や、負担を溜めにくい体の使い方の獲得を目指します 膝の上が痛いときの対処法 膝の痛みがある場合は、まず安静が大切です。ただし安静とは何もしないことではありません。適切なセルフケアを取り入れると痛みを緩和できます。 ここからは詳しく対処法について解説します。なお、痛みや腫れがひどい場合は無理をせず早めに専門医を受診してください。 冷やす・温める 運動後に膝に痛みや炎症が見られた場合は、氷嚢や保冷剤でアイシングを行うと良いでしょう。 約30分間冷やすと炎症を抑え、痛みを和らげる効果があります。しかし痛みが慢性化している場合は冷やすと逆に悪化するケースがあるため、温めて血行を促進する方が効果的です。 冷やすか温めるかは、症状に応じて適切に選びましょう。 湿布を貼る 湿布は消炎鎮痛作用により痛みを和らげますが、怪我直後には湿布ではなく、氷嚢や保冷剤を使ってアイシングするのが適切です。 アイシングは炎症を抑え、膝の急性の痛みを軽減します。一方、湿布は慢性的な炎症や痛みのケアに適しています。 症状に応じて、湿布とアイシングを使い分けることが重要です。 テーピングをする・サポーターを着用する 膝下の痛みを軽減するには、サポーターやテーピングが効果的です。とくに膝の曲げ伸ばしが多い動作には、エラスティックテープやキネシオテープがおすすめです。 キネシオテープは、筋肉を支えるとともに、疲労回復やケガの予防にも役立ちます。 また、保温用サポーターは寒い時期に血行を促進し、慢性的な痛みを和らげます。ただし一時的な対策のためオーバーユース時は安静が必要です。 ストレッチをする 膝の痛みは筋肉の緊張やこわばりが原因の場合が多いため、適切なストレッチを行うと血流を改善できます。 とくにふくらはぎや太ももの筋肉を重点的に伸ばすと、膝にかかる負担を軽減できます。ストレッチは運動前後に行うのが理想的です。 定期的なストレッチを習慣化すれば、痛みの改善が期待できるでしょう。 膝の上の痛みは再生医療も検討ください 膝の上の痛みは、体重や水分不足、姿勢の悪さなど間接的な原因も多く、対処が遅れ気づかず内に症状が悪化しているケースもよく見受けられます。 また、スポーツ・日常生活における繰り返しの動作、加齢などによって病態を患っている可能性もあります。 まずは安静にした上で適切なケアを行い、症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。 当院は第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に提出し受理された厚生労働大臣許可医療機関です。 来院前でも膝の痛みに関する相談を受け付けているので、お気軽にお問い合わせください。
2019.04.19 -
- ひざ関節
膝のお皿に痛みを感じると、普段の生活や運動に支障をきたすことがあります。 膝蓋骨(膝の皿)周辺の痛みは、日常生活では階段の昇降や立ち座り、運動時のランニングなどで特に負担がかかりやすい部位です。 この記事では、急な膝蓋骨の痛みの主な原因や疾患について解説します。 膝の皿が痛い原因や疾患を理解して、痛みの改善を目指しましょう。 急に膝の皿が痛い原因 膝のお皿が痛む場合、膝蓋骨に何らかの負担や異常が生じている可能性があります。 痛みの原因には以下があります。 痛みの原因について、それぞれ解説するので参考にしてください。 大腿四頭筋の筋力が弱い 膝蓋骨は大腿四頭筋腱内に位置し、大腿四頭筋の筋力が弱まると膝蓋骨の動きが不安定になります。 その結果、大腿骨との接触面で摩擦が増加し、膝蓋大腿関節に炎症や痛みを引き起こすことがあります。 膝蓋骨の位置が正常でない 膝蓋骨の位置が高すぎる(膝蓋骨高位)または低すぎる(膝蓋骨低位)と、膝蓋大腿関節に過剰な負担がかかり、痛みや炎症が生じることがあります。 先天的要因や外傷のほか、筋肉のバランス異常も膝蓋骨の位置に影響を及ぼす要因です。 大腿四頭筋や内転筋の強化の筋力トレーニングで改善が期待できます。 股関節が硬い 股関節の硬さや柔軟性の低下は、大腿四頭筋や腸腰筋の機能に影響を与え、膝蓋骨の動きが制限される可能性があります。 これにより膝蓋骨に過剰な負担がかかり、痛みが生じることがあります。 ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)が硬い ハムストリングスが硬くなると膝関節の屈曲・伸展が制限され、膝蓋骨に不要な負荷がかかります。 この筋肉の硬さは、筋力バランスの乱れや長時間の座位姿勢による緊張から生じることが一般的です。 慢性的に硬い状態が続くと、膝蓋骨痛症候群(膝蓋大腿痛症候群)の一因となる可能性があります。 足関節の動きが悪い 足関節の動きが悪いと、歩行や立ち上がりの際に膝関節への負荷が増加します。 これが続くと膝蓋骨と大腿骨の間で摩擦が生じて、炎症を引き起こしやすくなるのです。 足関節の動きが悪くなる原因として、ふくらはぎやすねの筋肉の緊張、または過去の捻挫による後遺症が挙げられます。 姿勢が悪い 猫背やストレートネックなどの姿勢の歪みは、膝蓋骨の痛みを引き起こすことがあります。 頭が前に出る姿勢は、重心が前に偏り膝関節に負荷をかける要因の一つです。 この状態で長時間立ったり歩いたりすると、膝関節へ過剰な負荷がかかり痛みを引き起こします。 猫背やストレートネック以外にも、左右のバランスの違いや背骨の歪みが膝蓋骨の痛みに関係することがあります。 膝の皿が痛い際に考えられる疾患 膝蓋骨(膝の皿)周辺に痛みが生じる場合、以下のような疾患が考えられます。 ここでは、各疾患について原因や症状を解説します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝関節内の軟骨が摩耗し、関節面での摩擦が増加して炎症や痛みを引き起こす疾患です。 主に中高年に多く、加齢や長期にわたる膝への負担が原因とされます。 症状は進行性で、初期には階段の昇降時や動き始めに痛みを感じることが多いですが、重症化すると歩行が困難になることもあります。 治療には、初期段階ではリハビリテーションや体重管理、消炎鎮痛剤などを用いる保存療法が主に行われます。 進行した場合は関節内注射や人工膝関節置換術などの手術が検討されます。 半月板損傷 半月板損傷は、膝関節内でクッションの役割を果たす半月板が損傷する疾患です。 スポーツ中の急な方向転換や膝の過度な捻り、または加齢による半月板の劣化が主な原因として考えられます。 症状には、損傷直後の急激な痛みや腫れ、膝がスムーズに動かせなくなるなどがあります。 具体的には、膝を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかりを感じたり、膝を完全に伸ばせなくなるロッキング現象などがあります。 軽度の損傷では保存療法を中心とした治療を行いますが、損傷が重い場合や症状が続く場合には、手術による修復や部分切除が検討されます。 有痛性分裂膝蓋骨 有痛性分裂膝蓋骨とは、膝蓋骨が分裂した状態で痛みを引き起こす疾患です。 骨折とは異なり、先天的な要因や成長期における骨の発育過程の影響で発生します。この状態自体が必ずしも問題になるわけではありません。 ただし、大腿四頭筋に過度な負担がかかると、分裂部にストレスが加わり、炎症や痛みを引き起こすことがあります。 分裂の形態にはいくつかのパターンがあり、分裂部の位置や形によって痛みの場所が異なることがあります。 痛みが強い場合には安静を保ち、必要に応じて消炎鎮痛剤を使用します。症状が改善しない場合には手術が検討されることもあります。 膝蓋軟骨軟化症(ランナー膝) 膝蓋軟骨軟化症(ランナー膝)は、膝蓋骨の裏側の軟骨が柔らかくなったり、変形したりすることで痛みが生じる疾患です。 ランニングやジャンプなど膝に繰り返し衝撃がかかる運動をしている人に多く見られます。 主な原因として、膝蓋骨へ継続的な負荷がかかっていることや膝周辺の筋肉の柔軟性や筋力の不足が挙げられます。 初期症状は、運動中に膝蓋骨周辺で痛みを感じることが多いですが、進行すると階段の昇降や坂道を歩く際にも痛みが現れるようになります。 安静にしても症状が改善しない場合は、消炎鎮痛剤の処方やリハビリ、関節内へのヒアルロン酸やステロイド注射が行われます。 重症の場合は、軟骨の損傷部位を修復する関節鏡手術が検討される場合もあります。 大腿四頭筋腱炎 大腿四頭筋腱炎は、膝蓋骨の上部に付着する大腿四頭筋腱に過度の負荷がかかり、炎症や痛みを引き起こす疾患です。 ジャンプやダッシュを繰り返すスポーツに多く見られるため、「ジャンパー膝」とも呼ばれます。 特に成長期の若年層に発症しやすいのが特徴ですが、成人のアスリートにも起こることがあります。 過度な運動が繰り返されることで腱に微細な損傷が蓄積し、やがて慢性的な炎症と痛みを伴う状態になります。 軽度の場合は痛みの緩和を目的とした保存療法が有効です。 重症化して腱の断裂を引き起こした場合は、手術が必要になることが一般的です。 タナ障害 タナ障害は、膝関節内の滑液包の内側に存在するヒダ状の組織(タナ)が、膝の動きに伴って挟み込まれ、痛みや不快感を引き起こす疾患です。 タナ自体は多くの場合、先天的に存在しており、通常は日常生活に影響を与えることはありません。 しかし、膝を酷使する動作や繰り返される負担が加わることで、タナが炎症を起こしたり、膝関節内で挟み込まれて症状が現れます。 主な症状は、膝蓋骨付近にぼんやりとした痛みを感じることが多く、痛みの場所が特定しにくい点が特徴です。 また、膝を動かす際に「引っかかる」ような感覚や、「ポキッ」といったクリック音が生じることもよくあります。 軽症の場合、運動制限や姿勢の改善、理学療法などの保存療法によって症状が緩和することがほとんどです。 しかし、保存療法で効果が見られない場合や症状が重度の場合には、関節鏡手術によるタナの切除や調整が行われることがあります。 膝のお皿が痛い時はどうすればいい? ある時突然、膝のお皿で痛みが出たらどのような対処をすればいいのかご紹介していきます。 圧痛があるか確認する 自分で簡単にできる鑑別方法としては、膝蓋骨を押してみて圧痛があるか確認することです。 もし強い圧痛があれば、膝蓋骨骨折の可能性もあります。そうでなければ、膝蓋骨の圧痛が発生するのはランナーズニーや有痛性分裂膝蓋骨が考えられます。 いずれにせよ、膝蓋骨で明らかに圧痛がある場合はそれまでの膝関節の使い方にも問題があるので、早めに医療機関に相談した方が良いでしょう。 膝に腫れがあるか確認する 膝のお皿が痛いと思っても、実は膝のお皿自体に問題があるわけではなく、膝関節の内部で異常が起きていることもあります。 代表的な例では変形性膝関節症や、タナ障害などです。 もし膝関節が腫れていて、水が溜まっているように感じたら、安静にして様子を見るか整形外科を受診することをお勧めします。 ストレッチをする 膝関節を曲げて大腿四頭筋のストレッチを入念に行い、大腿部前面の緊張を和らげてみてください。 膝のお皿で痛みが出る原因の多くは、大腿四頭筋の緊張や疲労の蓄積によるところです。 ストレッチだけでも痛みが少し楽になるようであれば、毎日続けることで徐々に膝のお皿の痛みは軽減されていき、再発の予防にもなります。 お風呂で温まる 体が温まることによって膝のお皿の痛みが軽減するようなら、膝関節や股関節の筋緊張が原因で起きている可能性が高いです。 お風呂で温まることによって血流が良くなり、筋緊張が緩和されることで痛みが軽減しているので、冷やさないような対策が有効になります。 整形外科に行く 膝のお皿が痛いとき、最初に行くべきは整形外科でしょう。 重症例では手術が必要な病態が隠れていることもありますし、膝蓋骨自体に原因があるのか、筋肉に問題があるのか確定的な診断ができるのは整形外科です。 まず自分の体に何が起こっているのか確認するためにも、診断してもらってください。 【まとめ】急な膝の皿の痛みが長引く場合は早急に病院を受診しよう 膝の皿の痛みは、日常生活や運動に支障をきたし、生活の質に大きな影響を与えることがあります。 その原因は、筋力や柔軟性の不足、姿勢の乱れ、さらには特定の疾患に起因する場合もあります。 痛みの原因を明らかにし、症状に応じた具体的な治療や改善方法を選ぶことが重要です。 さらに、痛みが慢性化している場合や従来の治療で改善が見られない場合には、再生医療も検討しましょう。 当院(リペアセルクリニック)では再生医療による治療を提供しており、膝関節の痛みの緩和や機能改善を目指せます。 患者様自身の細胞を利用して組織の修復や再生を促す再生医療は、膝の痛みでお悩みの方が検討できる治療法の一つです。 慢性的な痛みや従来の治療で改善が見られない場合は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2019.04.18