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もやもや病は必ず遺伝する?家族内発症の確率や早期発見するための対策について解説

もやもや病は必ず遺伝する?家族内発症の確率や早期発見するための対策について解説
公開日: 2026.05.29

ご自身やご家族がもやもや病と診断されたとき、「遺伝するのではないか」「家族に同じ病気で苦しませてしまうのではないか」と不安を抱える方もいるのではないでしょうか。

もやもや病は、単一の遺伝子だけで決まる典型的な「遺伝病」ではありませんが、発症に遺伝的要因が関与している可能性が指摘されています。

本記事では、もやもや病と遺伝の関係性や家族内発症の確率、早期発見のための具体的な対策についてわかりやすく解説します。

もやもや病が遺伝しないかお悩みの方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

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もやもや病は遺伝する?家族内発症の確率

前述のとおり、もやもや病は単純な遺伝病ではないものの、遺伝的要因が発症に関与する可能性があります。

本章では、もやもや病と遺伝の関係や家族内発症の確率について解説します。

以下で、それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

遺伝性疾患ではないが遺伝的要因が関与する可能性がある

もやもや病は、一つの遺伝子の変異だけで発症が決まるものではなく、遺伝的素因に環境や個人の体質などのさまざまな要因が複雑に重なって発症するというのが、現在の一般的な見解です。

また、日本人や韓国人など東アジア系の人種に患者が多く見られることから、体質的な背景や生活環境の影響が指摘されています。

特定の地域や民族に患者が集中している点が、遺伝的要因の関与を示唆する一つの根拠となっています。

約10〜20%で家族内の発症が見られる

日本人のもやもや病患者のうち、約10〜20%に家族内での発症が確認されており、家族歴がない方よりも高い水準となっています。
※出典:難病情報センター「もやもや病(指定難病22)」

また、家族性発症のケースでは、世代を経るごとに発症年齢が若くなったり、重症化したりする「表現促進現象」と呼ばれる傾向も一部で示唆されています。
※出典:小児慢性特定疾病情報センター「もやもや病」

家族内に患者がいる方は、後述する定期的な検査などによる早期発見が重要です。

もやもや病の原因になり得るリスク遺伝子とは

もやもや病の発症には、特定の遺伝子の変異が深く関わっていることが近年の研究で明らかになっています。

本章では、原因として考えられているリスク遺伝子の特徴と発症との関係性について解説します。

以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。

RNF213遺伝子の変異

もやもや病の強力な疾患感受性遺伝子(病気のかかりやすさに関わる遺伝子)として特定されているのが、「RNF213」という遺伝子の変異です。

日本の研究チームによって発見されたこの遺伝子変異は、国内のもやもや病患者の約80〜90%という高い割合で保因しているといわれています。
※出典:難病情報センター「もやもや病(指定難病22)」

また、RNF213遺伝子に変異がある場合、変異を持たない人と比較して、もやもや病を発症するリスクが高くなることがわかっています。

血縁者に患者がいる場合、この遺伝子変異が受け継がれている可能性が高く、病態を解明するうえで重要な指標となっています。

遺伝子を持っていても発症しない人もいる

RNF213遺伝子の変異はもやもや病の強いリスク要因ですが、この変異を持っている人が必ずしも全員発症するわけではありません。

実際には、一般の健康な日本人でも約1〜2%がこの遺伝子変異を持っていますが、その多くは生涯にわたってもやもや病を発症せずに過ごします。
※出典:難病情報センター「もやもや病(指定難病22)」

上記のことから、もやもや病が発症するためには、遺伝的な要因だけでなく、感染症や自己免疫反応といった何らかの「環境要因」が複合的に関与していると考えられています。

そのため、遺伝的なリスクがある場合でも過度に悲観せず、定期的な検査を受けることが重要といえるでしょう。

もやもや病の家族がいる人が早期発見するための対策

もやもや病を発症しているご家族がいる場合、将来のリスクに備えた積極的な予防策が重要になります。

早期発見に有効な主な対策は、以下の2つです。

それぞれの対策について、具体的な内容を順番に見ていきましょう。

定期的な脳ドックの受診

もやもや病の早期発見には、MRIやMRA(磁気共鳴血管撮影)などの画像検査による定期的な脳ドックの受診が有効な手段の一つです。

もやもや病は初期段階では症状が出にくく、ある日突然、脳虚血や脳出血を起こして判明するケースも少なくありません。

なお、もやもや病は数年単位でゆっくり進行する場合もあるため、一度の検査で終わらせず、定期的なMRI/MRA検査による継続的な経過観察が推奨されます。

特に家族歴がある場合は、まず脳神経外科または脳神経内科で相談し、MRI/MRAの要否や時期を判断してもらうと良いでしょう。

遺伝カウンセリングの活用

遺伝的な不安や将来への心配事がある場合は、専門的なアドバイスを受けられる「遺伝カウンセリング」の活用も選択肢の一つです。

臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが、最新の医学的根拠に基づき、ご家族の状況に合わせた正確な情報を提供してくれます。

情報不足の状態で「自分も発症するのではないか」「子どもに遺伝するのではないか」といった不安を抱え続けると、過度なストレスにつながりかねません。

遺伝カウンセリングでは、遺伝子検査を受けるべきかどうかの判断だけでなく、心理的な不安の軽減にも大きく役立つでしょう。

一人で抱え込まず、まずは専門の医療機関に設置された相談窓口を利用することが大切です。

もやもや病と遺伝に関するよくある質問

最後に、もやもや病の遺伝や医療機関の受診に関するよくある質問に回答します。

不安を抱えたままにせず、適切な医療機関を受診し、専門医のサポートを受けることが大切です。

それぞれの疑問について、順番に見ていきましょう。

家族がもやもや病になったら遺伝子検査を受けるべき?

家族が発症したからといって、必ずしもすぐに遺伝子検査を受ける必要はありません。

まずは専門医による画像検査(MRI/MRA)を定期的に受診し、血管の状態を確認することが推奨されます。

前述の通り、もやもや病のリスク遺伝子を持っていても、全員が必ず発症するわけではないためです。

検査結果がもたらす心理的な影響も大きいため、まずは遺伝カウンセリングを活用し、検査の必要性を慎重に相談してみると良いでしょう。

もやもや病の遺伝以外の原因は?

もやもや病は遺伝的要因だけでなく、何らかの「環境要因」が引き金になると考えられていますが、明確な原因は未だ解明されていません。

指定難病に定められており、現在も研究が進められている段階です。

現時点では、ウイルス感染や自己免疫異常などの炎症反応が関与している可能性が指摘されています。

遺伝子変異というベースにこれらの環境要因が複雑に絡み合うことで、脳の血管の異常が引き起こされると考えられています。

もやもや病が疑われるときは何科を受診すればいい?

もやもや病が疑われる場合は、「脳神経外科」または「脳神経内科」を受診しましょう。なお、子どもの場合は「小児神経科」や「小児科」を受診してください。

頭痛や手足のしびれなど、気になる症状がある場合は早めに専門医に相談することが大切です。

確定診断には、脳の血管を詳しく調べるためのMRI/MRA検査、脳血管造影検査などが必要になります。

専門的な設備が整った医療機関で精密検査を受けることで、脳血管の状態を正確に把握し、早期発見・早期治療につながります。

もやもや病は必ず遺伝する病気ではないが定期的な検査が大切

もやもや病の発症には「RNF213」などの遺伝子変異が関与していますが、親から子へ必ず遺伝する病気ではありません。

遺伝的な要因を持っていても生涯発症しない人もいるため、過度に悲観する必要はありません。

しかし、ご家族に発症者がいる場合は、一般の方と比べてリスクが高いことは事実です。自覚症状がなくても定期的に脳ドックなどのMRI/MRA検査を受診し、脳の血管の状態を把握しておくことが早期発見の鍵となります。

不安を抱え込まず、まずは脳神経外科などの専門医や遺伝カウンセリング窓口へ相談してみてください。

正しい知識を持ち、平時からの備えを継続することで、ご自身やご家族の健康をしっかりと守っていくことが大切です。

監修者

圓尾 知之

Tomoyuki Maruo

医師

資格・所属学会

日本脳神経外科学会 所属

脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。

関連論文: The association between diffusion-weighted imaging-Alberta Stroke Program Early Computed Tomography Score and the outcome following mechanical thrombectomy of anterior circulation occlusion