関節リウマチで膝裏に痛みが生じることはある?痛みが生じる原因や治療法を解説
公開日: 2020.03.02更新日: 2025.02.07
関節リウマチで膝裏に痛みにお悩みではありませんか。
関節リウマチは身体のさまざまな部位に症状が現れます。その中でも膝裏は関節リウマチの症状が現れやすい部位の1つです。
本記事では、関節リウマチによる膝裏の痛みの原因や、痛みの緩和方法などを詳しく解説します。
関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因や痛みの緩和方法を確認し、症状が悪化しないようにしましょう。
目次
関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因とは?
関節リウマチが膝裏の痛みを引き起こす原因は、関節の内側を覆っている滑膜が攻撃され炎症を起こすためです。
滑膜が攻撃される原因は解明されていませんが、免疫系の異常が主な要因と考えられており、ホルモンバランスの影響も関連している可能性があります。
関節リウマチは、手や足の指、手首、足首、肘、膝、股関節などの関節に、腫れや痛み、こわばりなどの症状が出るのが特徴です。
関節リウマチを発症すると、以下の疾患や膝の変形を伴う可能性があります。
関節リウマチの合併症により、さらに膝に痛みが出現する場合もあるため注意が必要です。
ベーカー嚢腫(のうしゅ)
関節リウマチの合併症の1つに、ベーカー嚢腫(のうしゅ)があります。ベーカー嚢腫とは、関節液が過剰分泌され、膝裏に「こぶ」ができる疾患です。
膝裏にできたこぶは、腫れや痛みを伴う場合があり、関節リウマチの症状と相まって膝裏の痛みが増強する恐れがあります。
ベーカー嚢腫の腫れが引いても、膝裏の神経を傷つけていれば痛みが長引く可能性があります。
関節リウマチによる膝の変形
関節リウマチによる膝の変形は、痛みを伴う場合があります。
膝の変形には、以下の3つのタイプがあります。
疾患名 | 状態 |
---|---|
内反膝 | 内側の関節が破壊されて膝が外側に変形した状態 |
外反膝 | 膝の外側が破壊されて膝が内側に変形した状態 |
波形膝 | 真っすぐ立つと、両膝が左右どちらかに同じ方を向いている状態 |
関節リウマチで手や足の指が変形してしまう症状はよく知られていますが、膝も変形するので、膝裏に痛みがある人は注意が必要です。
関節リウマチ以外の疾患によって膝裏に痛みが生じる原因
関節リウマチ以外の疾患でも膝裏に痛みが生じる場合があり、以下の4つの原因が考えられます。
関節リウマチと合併して発症する病気もあるため、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
膝裏に痛みが生じたときは、何が原因なのかをしっかりと確認し、適切な治療を受けましょう。
変形性膝関節症
関節リウマチ以外で、膝裏に痛みが生じる原因の1つに、変形性膝関節症があります。
変形性膝関節症は加齢や肥満を原因に発症する疾患で、膝の関節軟骨が擦り減ることで膝に痛みが生じます。
変形性膝関節症の主な症状は、以下のとおりです。
- 膝の痛み
- 膝に水が溜まる
- 階段昇降が困難になる
- 歩行が難しくなる
変形性膝関節症になり膝が大きく変形してしまうと、日常生活に支障をきたすため、早めに治療を開始しましょう。
変形性膝関節症の症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので参考にしてください。
半月板損傷
関節リウマチ以外で膝裏に痛みが生じる原因に、半月板損傷があります。半月板損傷とは、膝関節内にある「半月板」と呼ばれる板状の線維軟骨が損傷する疾患です。
半月板損傷の主な症状は、以下のとおりです。
- 膝に痛みを感じる
- 膝が腫れる
- 膝の曲げ伸ばしができない
- 膝を動かすと引っかかる感じがする
半月板は膝関節を安定させる役割を担っているため、損傷すると膝の筋肉や腱などに大きな負荷がかかってしまいます。
半月板損傷の症状や治療法については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
靭帯損傷
関節リウマチ以外で膝裏に痛みを生じる原因の1つに、靭帯損傷があります。
靭帯を損傷すると、以下の症状がみられます。
- 膝裏に痛みを感じる
- 膝の曲げ伸ばしがしづらい
- 膝に水が溜まる
- 歩行が困難になる可能性がある
膝の靭帯損傷は、スポーツや交通事故などが原因で起こります。
膝に突然強い圧力を受けたり、同じ動作を繰り返したりすると、靭帯損傷につながる恐れがあるため、膝を酷使しないよう気をつけましょう。
反張膝
関節リウマチ以外で膝裏に痛みを生じる原因に、反張膝があります。
反張膝には以下の症状がみられます。
- 膝に痛みを感じる
- 膝関節が不安定になり外れそうな感覚がある
- 筋肉が張り、痙攣を起こすことがある
膝周囲の筋力不足や身体の重心が後方に偏っていると、反張膝になりやすい傾向があります。
反張膝を防ぐためには、運動をして膝周囲の筋肉を鍛えたり、日常生活で正しい姿勢をするよう意識したりするのが大切です。
関節リウマチによる膝裏の痛みを緩和させるには?
関節リウマチによる膝裏の痛みを緩和させる方法は、以下の3つです。
関節リウマチによる痛みは、セルフケアで緩和できる場合があります。関節リウマチの痛みを自身で対処しても、強い痛みが治まらないときは、医療機関を受診し適切な処置を受けましょう。
温冷によるケアを施す
関節リウマチによって膝裏痛みがある場合は、症状の程度に合わせて温冷によるケアを施すことが大切です。
関節リウマチの急性期症状である患部の腫れや赤みが出現していないかを確認し、ケアを行ってください。
膝裏に赤みや熱があって腫れている急性期の場合は、膝裏を冷やすことで痛みを緩和できる可能性があります。
急性期を終えて熱や腫れが引いた慢性期の場合は、膝裏を温めて血行を良くすると、痛みの緩和が期待できます。
痛みが強い場合は安静にする
関節リウマチで膝裏に強い痛みがある場合は、膝を動かさずに安静にしましょう。
急性期で熱や腫れがあるときは無理して動かすべきではありませんが、関節は動かさずにいると固くなり、周囲の筋肉も痩せてしまいます。
慢性期になったら、無理のない範囲で足を動かしたり伸ばしたりして、筋力低下を防ぐことが大切です。
投薬治療を受ける
関節リウマチによる膝裏の痛みの緩和方法に、投薬治療があります。関節リウマチの投薬治療には、消炎鎮痛剤やステロイド薬、抗リウマチ薬などが使用されます。
関節リウマチの発症原因を精査し、痛みの原因に合った薬物を使用して治療を進めていくことが大切です。
まずは関節リウマチの専門科を受診し、自身に合った治療法を提案してもらいましょう。
【まとめ】関節リウマチによる膝裏の痛みが治まらない場合は医療機関を受診しよう
関節リウマチによる膝裏の痛みが治まらない場合は、医療機関を受診しましょう。
膝裏の痛みは、関節リウマチだけでなく、変形性膝関節症や半月板損傷など他の疾患でも見られる症状です。
膝裏の痛みを放置したり、我慢して無理に動かしたりすると、症状が悪化する恐れがあります。
関節リウマチや他の疾患にかかり痛みが慢性化している場合は、再生医療での治療を検討しましょう。
膝裏の痛みにお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。