再生医療によって肝硬変の「治療期間」は変わる!
公開日: 2020.02.12更新日: 2024.02.07
病気の治療にかかる期間は、体への負担や費用面の負担から考えると、できるだけ短い方が良いでしょう。
「肝硬変」も治療が必要になりますが、これから肝硬変とつきあっていかなければならない人にとっては治療期間が気になるところだと思います。
そこで今回は、肝硬変の治療期間について解説します。
肝硬変の治療期間と肝臓の状態について
肝硬変の治療期間について理解するうえでは、そもそも肝硬変という病気がどのような状態であるのか理解する必要があります。
肝硬変とは、文字通り肝臓が固く変質してしまう状態のことです。
なぜ肝臓が硬化するのかといえば、多くの場合は何らかの原因によって発生した慢性的な肝臓の炎症(肝炎)により発症します。
炎症を起こした肝臓は細胞が壊れ、修復するたびに線維化が進んでしまうと、次第に肝臓は小さく硬くなってしまうのです。
そして、一度肝硬変であると診断された場合、従来の治療法では肝臓を元に戻すことは極めて難しいとされてきました。
つまり、肝硬変は基本的に「一生かけてつきあっていく病気」だったのです。
従来の肝硬変の治療法
従来の肝硬変の治療法はいわゆる「根治治療(病気を根本的に治す治療)」ではなく、症状の進行を防ぐための治療が中心となり、以下のような治療を行うのが一般的です。
- ・肝炎の治療
- ・肝庇護療法(肝臓を鎮静化させる)
- ・免疫抑制剤の使用(自己免疫異常による肝硬変)
- ・食事療法
- ・運動療法
選択される治療法は、肝臓の状態や肝硬変の原因、その他の要因を加味して決められます。
いずれの治療法も変質した肝臓の状態を改善する治療法ではないため、現状の肝機能を維持するという方針となりますので、基本的に治療期間はその後の人生すべてにまたがることになるでしょう。
肝硬変を再生医療で治療できる時代です!
肝硬変の治療期間が半永久的になるというのは、従来の常識でした。
しかし現在は、肝硬変を根本的に治療できるかもしれない治療法として「再生医療」が注目されています。
再生医療とは、さまざまな細胞に変質して壊れた組織を修復する働きをする「幹細胞」を利用し、硬質化した幹細胞を修復することで肝硬変の症状を改善できる可能性がある治療法です。
再生医療の成果は個人差があるので100%肝硬変を根治治療できるとは限りませんが、肝硬変の合併症のリスクを減らすなどの効果は期待できます。
まとめ
肝硬変は一度診断されたら元の状態に戻らない、治らないといわれてきました。
しかし、新しい治療法である再生医療には肝硬変を改善できる可能性を見出すことができます。
再生医療による治療法も選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。