腱板断裂をリハビリで保存的に治療する方法とは?根本的な改善が期待できる再生医療も紹介
公開日: 2019.10.01更新日: 2025.05.16
腱板断裂の治療法には、リハビリテーションや投薬などで症状の改善を目指す「保存療法」や、根本的に治療する手術療法などがあります。
保存療法は、手術をしないで症状を緩和させ、経過を観察していく治療法です。
本記事では、腱板断裂をリハビリで保存的に治療する方法について、詳しく解説します。
腱板断裂でリハビリを行う重要性について確認し、症状の早期改善を目指しましょう。
目次
腱板断裂を治療する方法3選
腱板断裂には、以下の3つの治療法があります。
軽度の腱板断裂の場合は、まず一般的には保存療法による治療を行います。
保存療法による効果がみられないときは、根本的な原因を取り除ける手術療法や再生医療を検討しましょう。
投薬・リハビリテーションによる保存療法
腱板断裂の治療法に、投薬やリハビリテーションによる保存療法があります。
保存療法とは、症状の緩和を目指す治療法です。
肩腱板断裂では、肩周囲に痛みがみられるため、痛み止めや抗炎症薬などで治療を行います。
リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士などの専門家が、痛みの少ない関節の動かし方や可動域の訓練方法などを教えてくれます。
自身に合った方法で保存療法を受け、症状の改善を目指しましょう。
手術療法
腱板断裂を根本的に治療する方法に、手術療法があります。
手術療法は、保存療法による効果がみられない場合や、日常生活に支障が出ているときに選択される治療法です。
関節鏡と呼ばれる内視鏡を用いて行う「関節鏡下手術」で、断裂した腱板を修復する方法が一般的です。
手術療法は入院やリハビリなどが必要なため、日常生活への復帰までの期間も考慮する必要があります。
再生医療
腱板断裂を手術しないで治す方法に、再生医療による治療があります。
再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、損傷した腱板の修復・再生を目指す治療法です。
当院(リペアセルクリニック)では、以下の特徴を持つ再生医療を提供しています。
- 入院や手術が不要
- 患者様自身の細胞を利用するため副作用のリスクが低い
- 無症候性の腱板損傷にも効果が期待できる
腱板を損傷していても、痛みがみられない場合は「無症候性」と呼ばれます。
無症候性であっても、腱板損傷が徐々に悪化し、痛みを生じる場合があるため注意が必要です。
以下の記事では、肩腱板損傷を放置した際のリスクについて、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
腱板断裂を保存療法で治す際のリハビリ―テーション
腱板断裂では、痛みの改善を目的に、以下の2つのリハビリテーションを行います。
リハビリテーションを行う際は、専門家の指示に従い、無理のない範囲で肩周囲を動かしましょう。
筋力トレーニング
腱板断裂の保存療法の1つに、筋力トレーニングがあります。
筋力トレーニングは、肩周りの筋力を向上させて、腱板へかかる負担を軽減するために行います。
肩周囲の筋肉を鍛えるトレーニング方法の例は、以下のとおりです。
- 腕を持ち上げて保持する筋トレ
1.腕を曲げ、斜め45度まで上げる動作を10回繰り返す
2.腕を伸ばし、斜め45度まで上げる動作を10回繰り返す - ゴムチューブを使用する筋トレ
1.腰前でゴムチューブを両手で持ち、損傷した側をゆっくりと斜め45度まで上げる
2.1の動作を10回繰り返す
症状や損傷部位に応じて、適したトレーニング方法が異なるため、専門家に自身に合った方法を確認しましょう。
可動域訓練
腱板断裂を保存療法で治す方法に、可動域訓練があります。
可動域訓練では、ストレッチを通して、痛みによって狭まった肩周囲の可動域を広げる動作を行います。
腱板断裂を発症し、痛みのある部位を動かさないようにしていると、肩周囲の組織が硬くなるため注意が必要です。
腱板断裂を手術で治療する際のリハビリテーション
腱板断裂を手術で治療する際は、術後にリハビリテーションを行います。
リハビリは一般的に術後3週間後から開始するのが一般的ですが、断裂部分が大きい場合は 、6週間ほど経ってから開始するケースもあります。
手術直後から術後3週間程度は、安静期間と呼ばれ、患部を動かさずに固定する場合が大半です。
安静期間後にリハビリを行い可動域が広がってきたら、運動機能を回復させるためのリハビリを実施し、日常生活に支障が出ないレベルを目指します。
そもそも腱板断裂とは?腱板損傷とは何が違う?
腱板断裂とは、肩に位置する腱板が切れるケガのことで、肩周囲の痛みや運動障害などの症状がみられます。
痛みは肩を動かした際や就寝中に感じやすく、多くの場合、挙上運動は行えます。
腱板損傷と腱板断裂の主な違いは、損傷の程度です。
腱板損傷は、腱板が傷ついている状態で、腱板の部分断裂も含まれるケースが大半です。
一方で、腱板断裂は重症の腱板損傷や、腱板完全断裂を指します。
腱板損傷の原因や主な症状については、以下で詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
腱板断裂はリハビリだけで治る?
腱板断裂は、リハビリだけでは治りません。
リハビリテーションの目的は、主に以下の2つです。
- 症状の緩和を目指す
- 症状の悪化を防ぐ
肩腱板断裂では、痛みによって肩や腕を思うように動かせなくなる場合があります。
肩周囲をほとんど動かさずに使わない状態が続くと、関節の可動域に制限がかかったり、筋力が低下したりする可能性があるため注意が必要です。
腱板断裂は基本的には自然治癒しないため、ほかの治療法と並行してリハビリを行い、症状の緩和を目指しましょう。
ただし、従来の治療では、肩への関節鏡手術を受けるためには入院が必要であり、個人差はありますが、術後も数か月のリハビリを受けなくてはなりません。
また、関節鏡手術による治療では術前より痛みが強くなることや、肩の運動制限が残ることがあります。
一方で注射による幹細胞治療は、手術のように関節の可動域が悪化することなく腱板の再生を可能とし、日常生活を維持しながら治療を受けられます。
長期の入院やリハビリが出来ない、身体にメスを入れる負担を避けたい方は、リペアセルクリニックの再生医療をご検討ください。
肩の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
【まとめ】肩腱板断裂を根本的に治すなら再生医療も選択肢の一つ
リハビリや投薬治療などの保存療法を行っても、肩腱板断裂の症状が緩和されない場合は、手術療法や再生医療による治療が検討されます。
手術療法や再生医療は、症状の原因となっている損傷した部位を、根本的に治す治療法です。
肩や腕に痛みがみられるときは、痛みのある部分に負担がかからないよう注意し、早めに医療機関を受診しましょう。
腱板損傷を放置すると徐々に損傷が広がり、最終的に完全な断裂に至って完全断裂になると手術が難しくなり、術後の再断裂のリスクも高くなります。
一方で、手術を受けても術前よりも痛みが増すことや運動制限が悪化することも。
最新の治療法である再生医療では、手術をせずに症状の改善し・腱板の再生が可能であり、リペアセルクリニックが提供している幹細胞治療では、術後も入院を必要とせず仕事を継続しながらの治療も可能です。
手術を避けて肩腱板断裂を治したい場合は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設