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肩腱板断裂を放置するとどうなる?悪化のリスクや主な症状についても解説

公開日: 2019.09.28
更新日: 2025.04.30

肩腱板断裂を治療しないで放置しても、自然に治るのか疑問を感じる方は多いのではないでしょうか。

しかし、肩腱板は血流が少なく治癒に必要な栄養素が血流によって届けられないため、自然な治癒が見込めません。

放置すると症状が悪化し、関節の変形や手術が難しくなるリスクもあるため、注意が必要です。

この記事では、肩腱板断裂を放置するリスクや症状、治療法について解説します。

肩腱板断裂が悪化する前に、早期に医療機関を受診しましょう。

また、肩腱板断裂の根本的な治療方法についても紹介しているので参考にしてください。

肩腱板断裂は放置すると元に戻らない!悪化のリスクについて紹介

肩腱板断裂を放置することで、以下のような症状が起こるリスクがあります。

  • 手術による回復が難しくなる
  • 肩関節の変形(腱板断裂性肩関節症)
  • 夜間痛や慢性的な痛みの増強
  • 肩の可動域が狭くなる

肩の腱板は血流が少なく、回復に必要な栄養素が届けられないため自然治癒しにくい組織になります。

肩腱板断裂を放置すると、断裂によって正常に機能できなくなった腱板が痩せて縮んでしまうので、手術による修復が難しくなります。

さらに症状が進行すると、肩関節そのものが変形(腱板断裂性肩関節症)して、痛みが強くなるほか、関節機能が著しく低下する恐れも。

悪化を防ぐためには、早期の診断と適切な治療が重要です。

「最近肩が上がらない」「夜間にズキズキ痛む」といった症状がある方は、早めに整形外科を受診し、専門的な診察・画像検査を受けることをおすすめします。

肩腱板断裂の主な症状|五十肩との違い

肩の痛み、肩腱板損傷

肩腱板断裂では、以下のような症状がみられることがあります。

  • 夜間の強い痛み
  • 腕を上げるときに痛くなる
  • 腕を上げるときに力が入らない
  • 腕を上げるときに動きの制限がある
  • 腕を上げるときに肩の前上面でジョリジョリと音がする

こうした症状は五十肩(肩関節周囲炎)とよく似ているため、自己判断が難しいことが特徴です。

肩腱板断裂と五十肩との違いを、以下にまとめました。

症状には個人差があるので、あくまでも目安として参考にしてください。

病名 症状 自然治癒
肩腱板断裂
  • 夜間の強い痛み
  • 腕を上げるときに力が入りにくい
  • ジョリジョリと音が聞こえる
  • 腕の上げ下げの途中で痛む
ほとんどない
五十肩
  • 関節の動きが硬くなる
  • 腕が上がらないところで肩が痛む
自然に回復する場合あり

肩腱板断裂と五十肩は初期症状が似ているため、「五十肩だから大丈夫」と放置してしまうケースも少なくありません。

しかし、肩腱板断裂は放置することで状態が悪化し、将来的に手術が困難になることもあります。

肩腱板断裂かどうかの正確な診断には、レントゲンやMRIなどの検査が必要になるので、五十肩と思い込んで放置せず、医師に診てもらいましょう。

肩腱板断裂の治療法について紹介

肩腱板断裂の治療法について紹介します。

再生医療は、手術しないで肩腱板の修復が期待できる治療法です。

肩腱板断裂を治療する新たな選択肢としてご紹介します。

保存療法

肩腱板断裂の保存療法の内容は、以下の通りです。

  • 安静:三角巾で1~2週間の安静
  • 注射療法:局所麻酔剤やヒアルロン酸などの注射
  • 運動療法:残った腱板の機能を活性化させるリハビリ

怪我による急性の肩腱板断裂では、炎症や痛みを抑えるために1~2週間の安静が有効です。

断裂部の回復はできませんが、約70%の患者さんで保存療法によって症状が軽快したという報告も。
公益社団法人日本整形外科学会「肩腱板断裂」

肩の痛みが強い際は、局所麻酔剤やヒアルロン酸を注射します。

また、損傷部分の周りの関節や筋肉を柔らかくしたり鍛えたりして、残った腱板の機能を活性化させるリハビリも効果的です。

ただし、すべての症例に保存療法が適しているわけではありません。

断裂の程度や患者さんの年齢・生活スタイルによっては、手術療法のほうが望ましいケースもあります。

手術療法

肩腱板断裂に対しては、半年以上の保存療法で症状が回復しない際や、完全に断裂して腕が上がらない際は、手術が検討されます。

手術は、内視鏡を使用した鏡視下腱板修復術が一般的で、以下の手順で行われます。

  • 1.肩に数カ所の小さな切開(数ミリ程度)を行う
  • 2.関節鏡(小型カメラ)を挿入して、関節内の状態を確認する
  • 3.断裂した腱板を専用の糸で縫合
    ⇒断裂の状態によっては、他部位の組織(筋肉や腱)を利用して修復することもある

手術後は肩を動かさないように安静が必要で4~6週間程度、腕を曲げた状態で固定できる専用の装具で固定します。

また、肘や指のストレッチなど軽度な運動を行い、血流や筋力の低下を防ぐことが大切です。

その後、医師や理学療法士の指導のもと、肩の可動域を広げるリハビリを2~3カ月程度継続して行います。

再生医療

再生医療は肩腱板断裂の修復に期待ができる治療法で、以下のような内容になります。

  • 手術が不要なため、体への負担を抑えながら治療が行える
  • 入院を必要としない場合が多く、日常生活への影響を抑える
  • 自己由来の細胞を使用することで、アレルギー反応などのリスクが低いとされる

この治療法は手術とは異なり、患者さまご自身の細胞を活用して、損傷した組織の修復や機能回復を目指すものです。

幹細胞は、損傷した腱板の修復や組織再生を促す働きを持つとされており、手術以外のアプローチとして可能性が期待されています。

ただし、再生医療はすべての方に適応できるわけではなく、事前に医師による適応判断が必要です。

「手術には抵抗がある」「年齢的に負担の少ない治療法を探している」という方は、一度専門医にご相談ください。

肩の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

【まとめ】肩腱板断裂は放置せず早めに治療を受けよう!

肩腱板断裂は放置しても自然に治癒することはほとんどないとされており、進行すると手術が難しくなる場合もあります。

また以下のような症状を引き起こすリスクもあります。

  • 夜間の強い痛み
  • 腕を上げるときに痛くなる
  • 腕を上げるときに力が入らない
  • 腕を上げるときに動きの制限がある
  • 腕を上げるときに肩の前上面でジョリジョリと音がする

また、自然に治癒する可能性がある五十肩と症状が似ているので、自分で判断するのは危険です。

自己判断で様子を見るのではなく、画像診断(レントゲンやMRI)を含めた専門的な評価を受けることが大切です。

手術が難しくなり、症状が悪化する前に医療機関を受診しましょう。

また、治療法には保存療法や手術療法に加えて、再生医療の選択肢もあります。

肩の痛みや可動域の制限にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設

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