腱板損傷とは?原因と治療法を詳しく紹介!
公開日: 2020.05.02更新日: 2024.11.19
日常生活の中で何気なく動かしているように思う肩ですが、思わぬケガが原因で強い痛みが出たり、動かせなくなったりすることがあります。
スポーツ障害でも多い腱板損傷は、そのような状態を引き起こすもののひとつです。
今回は、その腱板損傷について詳しくご紹介します。
目次
腱板損傷とは?どのような症状があるの?
腱板は肩に存在する筋で、板のように広がっているので腱板といいます。
腱板を構成するのは「肩甲下筋腱」「棘上筋腱」「棘下筋腱」「小円筋腱」という4つの筋肉です。これらが肩の骨を囲み、肩関節の安定性に働きかける重要な存在です。
その腱板が部分的、または完全に断裂するのが腱板損傷です。主な症状は痛みですが、軽い場合もあれば、動かせないほどの激痛、夜間に起こる痛みなど程度に差があります。
部分的な断裂では、肩を動かせないということはあまりありません。損傷が激しい場合、腕が上がらなくなったり、肩が動かしにくいという症状が出ることもあります。
腱板損傷の原因とは?
腱板損傷の原因について見ていきましょう。腱板損傷の原因は大きく3つにわけられます。
外傷
腱板損傷の原因で多いのが外傷、つまりケガです。転んで肩を強く打つ、手をついたときに肩に衝撃が加わるというのが腱板を傷つけてしまうことがあるのです。
オーバーユース
スポーツ医療でも注目される腱板損傷ですが、ケガというよりも肩の使い過ぎが原因のことが多いです。
その代表的なスポーツが野球です。何度も繰り返しボールを投げることで、肩関節や腱板に負荷がかかってしまうのです。
加齢によるもの
加齢によって腱板損傷が起こることもあります。年齢を重ねると腱や軟骨など、身体の組織も衰えてしまいます。そのため、自分でも気が付かないうちに腱板が傷ついていることもあるのです。
腱板損傷の治療法とは?
腱板損傷の治療法をご紹介します。近年期待されている治療方法についても見ていきましょう。
保存療法
腱板損傷の治療は基本的には保存療法です。急性期には三角巾で固定し、患部の安静を保ちます。痛みや腫れがある場合は痛み止めの注射やヒアルロン注射を行うこともあります。
また、腱板が損傷した状態で無理に動かすと再発したり、ひどくなったりすることがあるので、リハビリも大切です。
手術
保存療法で痛みが改善しない、損傷がひどく肩の動きが悪いという場合には手術を検討します。損傷した腱板を手術によって直接修復するというものです。
近年は関節鏡といって皮膚を大きく切らない手術が行われています。術後1~2週間ほどで痛みが落ち着くことが多いですが、正常な肩関節の状態に戻すにはリハビリ期間を含めて6か月程度かかることが多いです。
再生医療
これまで腱板損傷の治療は保存療法と手術がメインでした。しかし、手術となれば治療やリハビリを含めてスポーツ復帰までの期間が長くなります。
そんな中、近年、腱板損傷の治療法として再生医療が注目されています。
再生医療は、自身の脂肪から採取した幹細胞を肩腱板に注射します。そして幹細胞が傷ついた腱板や組織を修復するというものです。
外科的な手術をしないで治療できるため、治療期間の短縮も期待できます。
▶こちらの動画でも詳しく解説しています。是非ご覧ください。
まとめ
今回は腱板損傷についてご紹介しました。
肩を使うスポーツでは使い過ぎによって腱板が傷つくこともありますし、加齢によって腱板損傷を起こすこともあります。
近年治療法として再生医療が注目されています。自分の幹細胞を用いるので、副作用のリスクが少なく、治療期間も短くて済むというメリットがあります。
腱板損傷でお悩みの方は、再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。
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