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健康のために減塩を心がけている方にとって、日々の調理で使うだしの塩分量は気になるポイントです。 関西だしと関東だしは色や味付けが異なりますが、実際の塩分量の違いについて理解している方は少ないのではないでしょうか。 この記事では、関西だしと関東だしの塩分濃度の違いと、塩分の摂りすぎによる健康リスク、無理なく減塩する方法を解説します。 日々の食事で塩分が気になっている方は、ぜひ最後まで読んで適切な減塩方法を見つけましょう。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 関西だしと関東だしの塩分濃度はどちらが高い?違いも紹介 関西だしと関東だしの塩分濃度について、多くの方が誤解しています。 色の違いから塩分量も大きく異なると思われがちですが、実際の塩分量は使用する調味料全体のバランスによって決まります。 そのため、関西だし・関東だしのどちらの塩分濃度が高いとは、一概には言えません。 関西だしと関東だしの違いは以下のとおりです。 関西だし 関東だし 使用する醤油 色の薄い薄口醤油 色の濃い濃口醤油 だしの種類 昆布だしを効かせることが多い かつおだしと組み合わせることが多い 調理の特徴 素材の味を大切にする調理法が特徴 濃い色と強い味付けが好まれる傾向 特徴 色を薄く保つために塩分を多めにして発酵を抑えている 色が薄くても塩分は少なくない 発酵が進んでいるため旨味成分が豊富 使用量が多ければ最終的な塩分量は増える 減塩を意識するなら、醤油の種類だけでなく、調味料全体の使用量に注目しましょう。 塩分の摂りすぎで起こる健康リスク 食塩の摂りすぎは、高血圧をはじめとした以下の生活習慣病に深く関わってきます。 高血圧・心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞など) 腎臓病 胃がん 骨粗鬆症 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」※では、成人男性は9g未満、女性は7.5g未満が一日あたりの食塩摂取目標量です。 ※出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」 しかし、多くの日本人が目標値よりも多く食塩を摂取している現状があります。 これらの正しい知識を身につけて、健康維持のための適切な食生活を心がけましょう。 高血圧・心血管疾患(脳卒中、心筋梗塞など) 血液中の塩分濃度が高くなると、体は水分を保持して濃度を薄めようとするため、血液量が増えて血管に強い圧力がかかり、高血圧になります。 塩分過多により血液量が増加 血管への圧力が高まり高血圧に 動脈硬化から脳卒中・心筋梗塞のリスク増大 高血圧で治療している人は、一日6g未満の食塩摂取がすすめられています。 腎臓病 長期間にわたって塩分を摂りすぎると腎臓に大きな負担がかかり、腎臓の機能が低下します。 塩分過多で腎臓に負担 機能低下により老廃物が体内に蓄積 重症化すると人工透析が必要に 腎臓は一度機能が低下すると回復が難しい臓器です。 日頃から塩分を控えめにして、腎臓の負担を減らしましょう。 胃がん 塩分の多い食事で胃の粘膜が繰り返し傷つくと炎症が慢性化し、胃がんの発生リスクを高める要因となります。 塩分で胃の粘膜が傷つく 慢性炎症から胃がんのリスク増大 漬物・塩蔵品の摂りすぎに注意 減塩と合わせて野菜や果物を多く摂ることで、胃の健康を守れます。 骨粗鬆症 塩分を摂りすぎると、尿と一緒にカルシウムも排出されてしまい、骨粗鬆症の要因になります。 塩分過多でカルシウムが尿と一緒に排出 骨密度が低下し骨粗鬆症のリスク増大 高齢者・閉経後の女性はとくに注意 カルシウムを含む食品を積極的に摂りながら、減塩を心がけることで骨の健康を維持できます。 健康維持のために無理なく減塩する方法 減塩は健康維持に欠かせませんが、急に味付けを変えると食事が楽しめなくなってしまいます。 無理なく減塩するには段階的に薄味に慣れていくことがポイントです。 以下の方法を実践して、おいしく無理なく減塩を続けましょう。 方法 具体的な実践内容 だしや香辛料を活かす 昆布やかつお節でしっかりだしを取り、生姜・にんにく・七味唐辛子などの香辛料や、レモン・酢などの酸味を活用する 少しずつ薄味に慣れる 醤油を小皿に少量取り分ける、味噌汁の味噌を少し減らすなど、2週間ほど続けると味覚が変化する 野菜や果物を多く摂る カリウムを含む海藻類・イモ類・果物を摂取し、体内の余分な塩分排出を助ける(男性3,000mg以上、女性2,600mg以上が目安) 副菜をしっかり食べる 野菜の煮物・おひたし・サラダなどで品数を増やし、各料理の塩分を控えめにしても満足感を得る 市販食品のチェック 栄養成分表示の食塩相当量を確認し、減塩タイプの商品を選ぶ(おでん約3.8g、かけうどん約5.6gの塩分) これらの工夫を組み合わせることで、塩分を控えながらおいしい食事を楽しめます。 塩分過多による病気は、進行すると薬や生活改善だけでは難しい 塩分の摂りすぎは、高血圧や腎臓病、心血管疾患、胃がん、骨粗鬆症などの生活習慣病のリスクを高めます。 これらの病気を予防するためには、日々の食事で塩分量に気を配ることが大切です。 だしや香辛料を活かす、段階的に薄味に慣れる、野菜や果物を積極的に摂るなど、無理なく減塩する方法を実践しましょう。 ただし、生活習慣病が進行してしまった場合、薬や食事療法だけでは改善が難しいケースもあります。 そのような場合には、再生医療も治療選択肢の一つとして考えられます。 再生医療とは、体内のさまざまな細胞に変化できる「幹細胞」を用いる治療法です。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療に関する情報をLINEで発信しているので、ぜひご確認ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.10.31 -
- その他
立ち仕事を続けていると、足の裏やかかと、ふくらはぎに痛みや重だるさを生じることがあります。 むくみや冷え、しびれなどの症状が加わると、仕事中も帰宅後も疲労が抜けず、日常生活に支障をきたすこともあります。 この記事では、立ち仕事で足が痛くなる原因と、今すぐ実践できるセルフケアの方法、症状の背景にある疾患について解説します。 足の痛みを我慢して仕事を続けるのはつらいものです。 適切な対処法を知り、症状を軽減させて快適に働ける環境を整えましょう。 立ち仕事で足が痛くなる主な原因 立ち仕事による足の痛みは、長時間の立位による体への負担が原因となって起こります。 主な原因は以下の4つです。 血行不良とむくみ 足裏のアーチへの過剰な負担 筋肉の疲労 クッション性のない靴やサイズの合わない靴を履く 長時間立ったままでいると足の筋肉をあまり動かさないため、血液が心臓に戻りにくくなり、むくみや重だるさが生じます。 これらの原因が単独または複数組み合わさることで、足の痛みが起こります。 立ち仕事で足が痛くならないようにする方法|インソールを変えるのもおすすめ 立ち仕事による足の痛みを予防・軽減するには、日常のセルフケアが重要です。 足への負担を減らす対策として以下の5つを紹介します。 湯船に浸かる マッサージ・ストレッチをする 足を心臓より高くして休む 靴を替える・インソールを使う 湿布や外用薬を使う これらを日常生活に取り入れることで、足の痛みを軽減し、仕事を続けやすくなります。 湯船に浸かる 湯船に浸かることで全身の血流が良くなり、足に溜まった血液や老廃物が流れやすくなります。 温かいお湯は筋肉の緊張をほぐし、疲労回復を促します。 リラックス効果もあり、一日の疲れを癒すことができます。 入浴の際は38〜40度程度のぬるめのお湯に15〜20分ほど浸かるのがおすすめです。 熱すぎるお湯は体に負担をかけるため避けましょう。 マッサージ・ストレッチをする マッサージやストレッチは筋肉の柔軟性を高め、血流を改善して疲労回復を促します。 硬くなった筋肉をほぐすことで、痛みやこわばりが和らぎます。 入浴後の体が温まった状態で行うとより効果的です。 足を心臓より高くして休む 足を心臓より高い位置に上げて休むことで、下半身に溜まった血液や水分、老廃物が心臓に戻りやすくなります。 その結果、むくみやだるさが軽減され、疲労回復が期待できます。 方法は、横になって足の下にクッションや枕を置き、10〜15分程度休むだけです。 寝る前に行えば、翌朝の足の軽さを実感できるはずです。 靴を替える・インソールを使う 自分の足に合わない靴は痛みの原因になります。 クッション性やアーチサポート機能のある靴やインソールを選ぶことで、足裏への衝撃を和らげ、負担を大幅に減らせます。 靴選びのポイントは、つま先に1cmほどの余裕があり、かかとがしっかり固定されるサイズを選ぶことです。 インソールは足裏のアーチをサポートするタイプを選ぶと効果的です。 湿布や外用薬を使う 炎症や筋肉痛がある場合は、鎮痛・消炎作用のある市販の湿布や外用薬も有効です。 患部に直接貼ったり塗ったりすることで、痛みを和らげられます。 冷湿布は急性の痛みや炎症に、温湿布は慢性的な痛みや血行不良に適しています。 ただし、湿布や外用薬は一時的な対症療法のため、痛みが続く場合は医療機関を受診しましょう。 立ち仕事における足の痛みで考えられる疾患 立ち仕事による足の痛みが長引く場合、背景に疾患が隠れている可能性があります。 セルフケアを行っても改善しない場合は、以下のような疾患が疑われます。 下肢静脈瘤 足底筋膜炎 坐骨神経痛 以下、それぞれの疾患の特徴と症状について解説するので、当てはまる症状がないか確認してみてください。 下肢静脈瘤 下肢静脈瘤は、足の静脈の血管が膨らんでコブのように浮き出る疾患です。 長時間立ち仕事をする人に多く見られ、足のだるさ、むくみ、痛み、重い感じなどの症状が現れます。 血液の流れが悪くなることで症状が悪化するため、放置は厳禁です。 治療法には弾性ストッキングの着用、硬化療法、レーザー治療、手術などがあります。 足底筋膜炎 足底筋膜炎は、足裏の筋膜が炎症を起こす疾患です。 かかとや土踏まずに強い痛みが出て、朝起きて最初の一歩や、長時間立った後に痛みが強くなります。 長時間の立位や歩行で症状が悪化し、適切なケアを行わないと慢性化するリスクがあるため注意が必要です。 治療法にはストレッチ、インソールの使用、湿布や消炎鎮痛剤の使用、安静などがあります。 症状が重い場合はステロイド注射や体外衝撃波治療も選択肢になります。 坐骨神経痛 坐骨神経痛は、腰から足にかけて走る坐骨神経が圧迫されて起こる症状です。 太ももやふくらはぎに痛み、しびれ、電気が走るような感覚が現れます。 立ち仕事での姿勢の歪みが影響する場合があり、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となることもあります。 主な治療法は、薬物療法、理学療法、ブロック注射、手術などです。 坐骨神経痛でやってはいけないこと、椎間板ヘルニアとの違いについては以下の記事でそれぞれ解説しています。あわせてご覧ください。 また、以下の動画では坐骨神経痛の治療方法について紹介しています。 立ち仕事における足の痛みはセルフケアが重要!眠れない程の痛みは医療機関を受診しよう 立ち仕事による足の痛みは、多くの場合セルフケアで改善できます。 湯船に浸かる、マッサージやストレッチをする、足を高くして休む、靴やインソールを見直すなど、日常生活でできる対策を継続することが大切です。 ただし、夜も眠れないほどの強い痛みや、セルフケアを行っても改善しない長引く症状は疾患のサインかもしれません。 下肢静脈瘤、足底筋膜炎、坐骨神経痛などの疾患が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。 慢性化した痛みに対しては、再生医療も選択肢の一つとなります。 手術や入院を伴わない治療法で早期回復を目指したい方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.10.31 -
- 肩
- スポーツ医療
投球障害肩(野球肩)とは、野球の投球動作によって肩に痛みが生じる状態の総称で、成長期の小中学生から成人まで幅広い年代で発症します。 適切な治療を行わずに放置すると、慢性化して競技復帰が困難になる場合があります。 この記事では、野球肩が治るまでの期間目安や治らない場合の原因、正しい治療法について解説します。 投球時の肩の痛みで悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは手術を伴わない治療法の再生医療について公式LINEで発信しております。 野球肩などのスポーツ障害に対する治療選択肢として、肩の痛みに関する改善症例も紹介しておりますので、ぜひ登録してください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 野球肩が治るまでの期間は数週間から1~2カ月が目安|ノースロー期間が重要 野球肩とは、投球動作によって肩に痛みが生じる状態の総称で、腱板損傷やインピンジメント症候群など、さまざまな疾患が含まれます。 野球肩が治るまでの期間は、症状の程度や原因によって異なりますが、一般的には数週間から1~2カ月程度が目安です。 軽度の炎症であれば数週間で改善することもありますが、重症の場合は数カ月以上かかることもあります。 治療において重要なのが、投球動作を完全に休止する期間であるノースロー期間で、痛みの回復や炎症を鎮めるために欠かせません。 ノースロー期間は通常3~4週間程度必要とされ、この間にストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行います。 ノースロー期間を守らずに投球を続けると、症状が悪化して慢性化する可能性があります。 焦らずにしっかりと休養を取ることが、早期復帰への近道です。 なお、野球肩が治らない原因については、以下で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。 野球肩が治らない原因|投球フォームや身体の使い方に注意 野球肩が治らない原因として、以下の4つが考えられます。 投球動作によるオーバーユース 不適切なフォームでの投球 筋力や柔軟性が不足している 成長期に見られる骨の脆弱性 これらの原因を理解して、適切な対処法を実践しましょう。 投球動作によるオーバーユース 投球動作を繰り返すことで肩に過度な負担がかかり、組織が損傷することをオーバーユースと呼びます。 とくに成長期の選手や投手は、連続した投球により肩の筋肉や腱に疲労が蓄積しやすい状態です。 オーバーユースが原因の野球肩では、まず投球動作を3~4週間完全に休止することが必要です。 この期間に炎症を鎮め、その後リハビリテーションを開始します。 休養期間を守らずに投球を続けると、症状が悪化して治りにくくなるため、無理は禁物です。 不適切なフォームでの投球 投球フォームに問題があると、特定の筋肉や腱に過度な負担がかかり、炎症や損傷を引き起こす原因になります。 以下のようなフォームは野球肩のリスクを高めます。 フォームの特徴 問題点と肩への影響 肘が下がっているフォーム 投球時に肘が肩よりも下がることで、肩関節に過度なストレスが加わります 手投げのフォーム 下半身や体幹を使わず腕だけで投げるため、リリース時に肩関節へ瞬間的な高負荷がかかります 体の開きが早いフォーム 上半身が先に開くことでリリースが不安定になり、肩関節に過度なストレスがかかります ステップが不足しているフォーム ステップが小さい、前足が早く着地するなどで上半身主導になり、肩への負担が増えます これらの不適切なフォームは、長年積み重なることで損傷が蓄積し、肩の違和感や痛みとして現れます。 予防には、指導者による適切なフォーム指導や、自身のフォームを見直すことが大切です。 筋力や柔軟性が不足している 肩周辺の筋力や柔軟性が不足していると、投球動作で肩関節が不安定になり、特定の組織に負担が集中します。 とくに肩甲骨周辺の筋力や、肩関節の柔軟性が低下していると、正常な投球動作ができずに野球肩を引き起こしやすくなります。 予防と改善には、肩甲骨周辺の筋力トレーニングや、肩関節のストレッチを日常的に行うことが重要です。 投球前後のウォーミングアップとクールダウンも欠かさず実施しましょう。 成長期に見られる骨の脆弱性 成長期の骨には特有の弱さがあり、スポーツ障害を引き起こしやすい状態です。 成長期の骨は以下のような特徴を持っています。 骨が柔らかく、折れ方が大人と異なる 自然治癒力が高いが、変形したまま治ることもある 骨端線(成長線)が存在し、力学的負荷に弱い 野球肩はこれらの特徴を持つ小中学生の野球選手、とくに投手に多くみられます。 野球肩(投球障害肩)の原因となる疾患 野球肩の原因となる疾患としては、以下の6つがあります。 インピンジメント症候群 ベネット損傷 腱板損傷・腱板炎 SLAP損傷(関節唇損傷) 上腕二頭筋長頭腱炎 上腕骨近位骨端線離開(リトルリーガーズ・ショルダー) 野球肩は単一の疾患ではなく、さまざまな疾患の総称です。 ご自身が該当する症状を確認して、適切な治療を受けましょう。 インピンジメント症候群 インピンジメント症候群とは、肩の関節を構成する骨同士が衝突したり、骨の間に筋肉が挟まれたりして痛みが生じる状態です。 インピンジメント症候群には主に2つのタイプがあります。 タイプ 症状の特徴 肩峰下インピンジメント 肩の上部にある肩峰と上腕骨の間で組織が挟まれ、腕を上げる動作で痛みが生じる インターナルインピンジメント 肩関節の内側で骨や腱が衝突し、投球動作の特定の角度で痛みが生じる 主な要因は姿勢の悪化や筋力の低下、柔軟性の低下です。 治療では、これらの要因を改善して、インピンジメントを生じさせない動きを取り戻すことが目的になります。 炎症がある場合はアイシングや安静で痛みを和らげ、その後ストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行います。 ベネット損傷 ベネット損傷とは、野球の投球など肩の使いすぎによって肩甲骨の後下部にできる骨の突起のことです。 投球動作を繰り返すことで、肩甲骨の一部に骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の出っ張りができます。 ベネット損傷は、投球時の肩の後ろ側に痛みや違和感を引き起こします。 治療は投球動作の休止とリハビリテーションが基本ですが、症状が改善しない場合は手術を検討することもあります。 腱板損傷・腱板炎 腱板損傷・腱板炎は、肩を動かす重要な腱が使いすぎや外傷、加齢などによって傷つき、炎症や断裂を起こす疾患です。 腱板が損傷すると肩関節が不安定になり、腕を上げる動作で痛みが生じます。 治療は保存療法が基本ですが、断裂が大きい場合や保存療法で改善しない場合は手術を検討します。 SLAP損傷(関節唇損傷) SLAP損傷とは、肩関節を構成している肩甲骨に接する関節唇が傷ついたり、裂けてしまったりすることです。 SLAP損傷の症状には、投球時の肩の痛み、肩の引っかかり感、力が入りにくいなどがあります。 診断にはMRI検査が有用で、治療は保存療法を行いますが、改善しない場合は関節鏡を使った手術を検討します。 上腕二頭筋長頭腱炎 上腕二頭筋長頭腱炎は、腕の力こぶを作る上腕二頭筋の長頭腱が、繰り返し動作による摩擦で炎症を起こし、肩の前部から二の腕にかけて痛みを生じる疾患です。 症状は肩の前面の痛みで、腕を上げる動作や物を持ち上げる動作で痛みが強くなります。 治療は投球動作の休止、アイシング、ストレッチなどの保存療法が中心です。 炎症が強い場合は消炎鎮痛薬を使用することもあります。 上腕骨近位骨端線離開(リトルリーガーズ・ショルダー) 上腕骨近位骨端線離開は、上腕骨の肩に近い部分にある骨端線(成長線)が損傷・離開する状態で、成長期の選手に発症しやすい疾患です。 投球時や投球後に肩の痛みを感じ、腕を上げる動作が困難になります。 治療は投球動作を直ちに中止することですが、早期であれば症状が改善し、スポーツに復帰できます。 復帰にあたっては投球フォームの見直しが重要で、再発予防のために過度な投球数を避けることが大切です。 野球肩に対する治療法|基本は保存療法による投球動作の休止とリハビリテーション 野球肩の治療法としては、主に以下の3つがあります。 保存療法による投球動作の休止 リハビリテーション(ストレッチ・筋トレ) 手術療法 野球肩の治療は、症状の程度や原因によって異なりますが、基本的には保存療法から開始します。 まずは、投球動作を完全に休止することが重要です。 休止期間は通常3~4週間が目安となりますが、症状の程度によって調整されます。 同時に、炎症を抑えるためのアイシングや、痛みがある場合は消炎鎮痛薬を使用することもあります。 投球動作を休止している間も、適切なストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行うことで、早期復帰につながります。 保存療法やリハビリテーションを数カ月続けても症状が改善しない「投球肩」に対しては、関節鏡下後方関節包リリース術が有効な治療となる場合があります。 この手術では、肩の内旋制限が20度以上ある投球選手5人に対してこの手術を行った結果、以下のような成績が報告※されています。 ※※出典:J-STAGE「Arthroscopic Capsular Release for a Throwing Shoulder with Refractory Posterior Capsular Tightness」 評価項目 結果 競技復帰率 5人中4人が元の80%以上のパフォーマンスで野球に復帰 外転位での内旋制限の改善 31度から7度へ改善(腕を横に上げた状態) 屈曲位での内旋制限の改善 25度から5度へ改善(腕を前に上げた状態) これらの改善は手術の有効性を示すものです。 ただし、手術はあくまで最終手段であり、まずは保存療法とリハビリテーションで改善を目指します。 野球肩の長期化・慢性化を防ぐには、早期診断と適切な初期治療が重要 野球肩は適切な治療を行えば改善が期待できる疾患ですが、放置すると慢性化して治りにくくなります。 投球時に肩の痛みを感じたら、我慢せずに早めに整形外科を受診しましょう。 初期段階であれば、投球動作の休止とリハビリテーションで多くの場合改善します。 慢性化した野球肩に対しては、再生医療という新しい治療法があります。 再生医療の一つである幹細胞治療は、患者様自身から採取した幹細胞を培養して、損傷した組織に投与する治療法です。 再生医療の治療法については、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご確認ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2025.10.31 -
- 肩
- スポーツ医療
野球肩の痛みで思うようにプレーできず、試合や練習を休まざるを得ない状況に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、野球肩に対するテーピングの効果と具体的な巻き方を解説します。 テーピングは痛みの軽減や予防に役立ちますが、あくまで応急処置やサポート手段です。 肩の痛みで悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んで適切なテーピング方法を身につけましょう。 野球肩に対するテーピングの効果 野球肩に対するテーピングには、主な効果として以下の3つがあります。 痛みの軽減:関節や筋肉の負担を減らし、痛みを和らげる 怪我の予防:肩の動きを制限し、過度な負荷を防ぐ 応急処置・再発防止:怪我をした際の処置や、再発を防ぐ 痛みが続く場合や、テーピングをしても改善が見られない場合は、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けましょう。 野球肩テーピングの巻き方【症状・目的別】 野球肩テーピングの巻き方を、痛みの軽減、投球フォームの安定化、再発予防の3つの目的別に紹介します。 痛みの軽減の場合 投球フォームの安定化の場合 再発予防の場合 事前の準備として、キネシオロジーテープとはさみを用意し、テープを貼る前に肩を拭いて乾かしましょう。 痛みの軽減の場合 5cm幅のテープを3本用意し、四隅を丸くカットカットする 1本目は肘上部から肩の頂点を通り、首の付け根まで貼る 2本目は1本目の少し後方から開始し、肩の突出部を通って胸部まで貼る 3本目は1本目の少し前方から貼り、肩を通って背中側で固定 痛みを我慢せず、適切なサポートで肩への負担を軽減しましょう。 投球フォームの安定化の場合 5cm幅のテープを3本用意し、四隅を丸くカットする 1本目は肘上部から肩の突出部を通り、首の付け根まで一直線に貼る 2本目は1本目よりやや前方から開始し、肩の突出部を経由して肩甲骨方向へ 3本目は1本目よりやや後方から始め、肩の突出部を通って胸部まで貼る 適切にサポートすることで正しいフォームの維持につながります。 再発予防の場合 5cm幅のテープを2本用意し、四隅を丸くカットする 1本目は首と肩の中間付近から、肩の突出部へ向けて貼り、棘上筋をサポート 2本目は肩甲骨の端から肩の突出部まで貼り、終わりは1本目と重ねて外旋筋をサポート 適切なテーピングで筋肉への負担を分散させ、再発リスクを軽減できます。 野球肩を治すには、テーピングに依存せず根本的な治療を行うことが重要 テーピングは痛みの軽減や怪我の予防に役立ちますが、あくまで一時的な処置に過ぎません。 根本的な原因を解決しなければ、痛みは繰り返し発生します。 野球肩の原因には、投球フォームの問題、肩周辺の筋力不足、柔軟性の低下、オーバーユース(使いすぎ)などがあります。 これらの根本的な問題を改善するには、適切な治療とリハビリテーションが必要です。 また、慢性化した肩の痛みに対しては、以下のような治療法が選択肢となります。 物理療法(電気治療、温熱療法など) リハビリテーション(ストレッチや筋力トレーニング) 投薬治療(痛み止めや炎症を抑える薬) 注射治療(ステロイド注射など) これらの治療でも改善しない場合や、より根本的な改善を目指したい場合には、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療では、他の細胞に変化する能力を持つ、幹細胞を患者様から採取・培養して患部に投与します。 肩の痛みに対する再生医療の治療法などについては、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご覧ください。 再生医療に関する情報発信や簡易オンライン診断を行っております。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 野球肩に対する簡単なテーピングの巻き方に関するよくある質問 野球肩のテーピングの巻き方について、よくある質問を紹介します。 テーピングしたまま寝ても問題ない? テーピング用テープでおすすめのものは? 疑問を解消してテーピングを行い、野球肩の回復をサポートしましょう。 テーピングしたまま寝ても問題ない? テーピングをしたまま寝ることは、基本的におすすめしません。 長時間テープを貼り続けると、肌がかぶれたり、血行が悪くなったりする可能性があります。 どうしても痛みが強く、夜間もサポートが必要な場合は、医療機関に相談してサポーターなどの別の手段を検討しましょう。 テーピング用テープでおすすめのものは? 野球肩のテーピングには、キネシオロジーテープがおすすめです。 キネシオロジーテープは、伸縮性があり肌に優しい素材でできています。 運動をする際は粘着力が強いものを選ぶなど、用途に合わせて選択しましょう。
2025.10.31 -
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「急に足の甲や足首にコブ状のしこりができた」 「触っても痛みはないけれど、病院に行くべき?」 足にコブ状のしこりができた方の中には、上記のように不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。 そのしこりの正体は、「ガングリオン」である可能性が高いです。 多くの場合、ガングリオンは無症状で痛みがないため、そのまま放置しても問題ありません。 しかし、足にできたガングリオンは靴による圧迫を受けやすく、神経の近くにできると痛みやしびれを引き起こすこともあります。 本記事では、足にできるガングリオンの具体的な症状や原因、対処法について詳しく解説します。 ガングリオンに関する正しい知識を身につけ、ご自身の症状に合った適切な対処法を見つけるために、ぜひ参考にしてください。 足にできたガングリオンの症状 足にできるガングリオンの主な症状は、皮膚の下にできる「しこり(腫瘤)」です。 多くの場合、痛みなどの自覚症状はありませんが、できる場所や大きさによっては、靴による圧迫や神経への刺激で痛みやしびれを伴うこともあります。 多くの場合は無症状で痛みはない 大きくなると痛みが生じるケースもある 以下では、足にできたガングリオンの具体的な症状について解説します。 多くの場合は無症状で痛みはない ガングリオンの一般的な症状は、痛みやその他の自覚症状を伴わない、弾力のあるしこりです。 足の甲や足首、足の指の付け根などの関節付近に発生することが多く、大きさは米粒大からピンポン玉大までさまざまです。 中身はゼリー状の液体で、押すと硬いゴムのような感触があります。 また、ガングリオン自体は良性の腫瘤であり、悪性化(がん化)することは基本的にありません。 そのため、痛みや機能的な問題がなければ、見た目(整容面)の問題を除いて特に心配する必要はないとされています。 大きくなると痛みが生じるケースもある ガングリオンが大きくなったり、発生する場所が悪かったりすると痛みや違和感を引き起こすことがあります。 痛みが起こる主な原因は、以下のとおりです。 痛みの原因 概要 神経の圧迫 ガングリオンが近くの神経を圧迫すると、痛みやしびれ、感覚の低下を引き起こすことがある 靴による圧迫 足の甲やくるぶしにできた場合、靴と擦れたり圧迫されたりすることで炎症が起き、痛むことがある 関節や腱の動きの妨げ 関節や腱の近くにできた場合、歩行などの動作のたびに違和感が生じたり、動きが妨げられたりして痛むことがある とくに足にできたガングリオンは、靴による圧迫を受けやすいため、手首などの他の部位に比べて症状が出やすい傾向にあります。 ガングリオンが足にできる主な原因 ガングリオンが足にできる明確な原因は、まだ完全には解明されていません。 一般的には、関節を包んでいる「関節包」や、腱を包む「腱鞘」の内部にある関節液が関係していると考えられています。 何らかの刺激や負荷によって、その関節液が袋状に漏れ出して濃縮され、ゼリー状のコブ(腫瘤)を形成すると推測されています。 足は、靴による圧迫やスポーツなどでの繰り返しの負荷が、発生の刺激となりやすい部位です。 しかし、はっきりとしたきっかけがなく発症することも多く、体質的な要因も関係している可能性があります。 足のしこりがガングリオンかどうか判断する方法 足にできたしこりがガングリオンなのか、あるいは別の腫瘍(脂肪腫など)や炎症なのかを自己判断するのは困難です。 本章では、医療機関で行われる主な診断方法について解説します。 画像検査 吸引検査 足のしこりがガングリオンかどうかを正確に判断するため、医療機関では、まず超音波(エコー)検査が行われるのが一般的です。 さらに、確定診断や治療を兼ねて、しこりに針を刺して内容物を確認する検査が行われることもあります。 画像検査 足のしこりがガングリオンかどうかを医療機関で診断する場合、超音波(エコー)による画像検査が一般的です。 超音波検査は人体に無害で、しこりの内部の様子をリアルタイムで確認できます。 しこりの中身が液体(嚢胞性)なのか、脂肪腫などの固形(充実性)なのかを判別するのに有用です。 中身を確認することにより、ガングリオンである可能性が高いかを判断します。 また、関節とのつながりや、神経、血管との位置関係を把握するためにも用いられます。 レントゲン(X線)検査ではガングリオン自体は写りませんが、骨の異常(骨棘など)がないかを確認するために行われることもあります。 吸引検査 しこりがガングリオンであるかを確定させる確実な方法は、注射針を刺して内容物を吸引する検査(穿刺吸引)です。 穿刺吸引は、ガングリオンかどうかの診断と治療を兼ねて行われることもあります。 しこりに針を刺し、吸い出した中身が透明で粘り気のあるゼリー状の液体(関節液が濃縮されたもの)であれば、ガングリオンであると診断されます。 中身を抜き取ることでしこり自体は小さくなるため、そのまま治療的な処置ともなります。 ただし、ガングリオンの袋自体は残っているため、時間が経つと再発する可能性があります。 ガングリオンが足にできたときの対処法と治し方 足にガングリオンができた場合の対処法や治し方は、痛みやしびれなどの症状の有無、ガングリオンの大きさによって異なります。 主な対処法と治療法は、以下の3つです。 痛みがなければ様子を見る 保存療法 手術療法 基本的には、症状がなければ経過観察、症状があれば保存療法や手術療法が検討されます。 以下では、それぞれの選択肢について詳しく解説します。 痛みがなければ様子を見る ガングリオンは良性の腫瘤(しこり)であるため、痛みやしびれなどの症状が全くない場合は、必ずしも治療を行う必要はありません。 悪性化(がん化)することはないため、経過観察が第一選択となります。 また、ガングリオンが自然に小さくなったり、いつの間にか消えてしまったりするケースも珍しくありません。 サイズが大きくなってきたり、痛みが出てきたりした場合は、医療機関を受診しましょう。 保存療法 痛みやしびれがある場合や、ガングリオンが大きくて歩行に支障が出る場合には、まず保存療法によって症状の改善を図ります。 一般的に行われるのは、診断の際にも用いる「穿刺吸引(せんしきゅういん)」です。 穿刺吸引は、ガングリオンに注射針を刺し、中に溜まっているゼリー状の液体を吸い出す処置です。 内容物を抜き取ることでしこりは小さくなり、神経や周囲への圧迫が軽減されるため、痛みやしびれの改善が期待できます。 ただし、ガングリオンの袋(嚢胞)自体は残っているため、時間が経つと再び液体が溜まり、再発する可能性は比較的高いとされています。 手術療法 保存療法を繰り返しても再発する場合、神経圧迫による痛みやしびれが強い場合、日常生活への支障が大きい場合には、手術療法が検討されます。 手術療法は、ガングリオンを切除し、根本的に取り除く治療法です。 ガングリオンの袋(嚢胞)を関節包や腱鞘とのつながっている茎(くき)の部分も含めて切除・摘出します。 穿刺吸引に比べて再発率は低いとされていますが、手術による傷跡が残ることや、稀に周囲の神経や血管を損傷するリスクも伴います。 どのような治療法を選択するかは、医師とよく相談して決めることが大切です。 ガングリオンが足にできたときによくある質問 足にガングリオンができた際、「放置しても大丈夫なのか」「なぜ自分にできたのか」といった疑問を抱く方も多いでしょう。 本章では、ガングリオンが足にできたときによくある質問について回答します。 足のガングリオンは放置してもいい? ガングリオンはどのような人にできやすい? それぞれの質問について、詳しく解説していきます。 足のガングリオンは放置してもいい? 結論、足のガングリオンに痛みやしびれ、日常生活への支障がなければ、放置しても問題ありません。 ガングリオンは悪性化(がん化)することのない良性の腫瘤(しこり)だからです。 自然に小さくなったり、気づかないうちに消失したりするケースも珍しくありません。 ただし、ガングリオンが大きくなる、痛みやしびれが出てくるなどの症状が現れた場合は、医療機関を受診しましょう。 ガングリオンはどのような人にできやすい? 比較的若い女性(20代〜50代)に多く発生する傾向がありますが、年齢や性別を問わず誰にでもできる可能性はあります。 ガングリオンが発生する明確な原因は、実はまだ解明されていません。 一般的には、関節や腱の使いすぎによる刺激が関係しているのではないかと推測されています。 足のガングリオンは、きつい靴による慢性的な圧迫や、スポーツなどによる繰り返しの負荷が発生のきっかけになる可能性も考えられます。 足のガングリオンが痛い場合は医療機関を受診しましょう 足にできるガングリオンは、悪性化(がん化)しない良性の腫瘤(しこり)です。 そのため、痛みやしびれ、歩行時の支障がなければ、基本的に治療せずに経過観察しても問題ありません。 しかし、足は靴による圧迫を受けやすい部位です。 しこりが大きくなる、靴に当たって痛む、神経を圧迫してしびれる感覚などの症状がある場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。 また、ガングリオン以外の腫瘍の可能性もあるため、自己判断せずに、医療機関で正確な診断と治療を受けることが重要です。
2025.10.31 -
- 変形性膝関節症
- 靭帯損傷
- 半月板損傷
- 膝部、その他疾患
- ひざ関節
「膝の水を抜いた後に注意すべきことは?」 「水を抜くと癖になるのでは?」 膝に水がたまってしまい、処置を検討している方の中には、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。 実際、処置後の過ごし方やケアを誤ると、炎症が再燃したり、稀に感染症を引き起こしたりする可能性もゼロではありません。 本記事では、膝の水を抜いた後に守るべき正しい注意点、考えられるリスクについて詳しく解説します。 膝にたまった水にお悩みの方は、症状改善のためにもぜひ本記事を参考にしてください。 また、膝に水がたまる根本原因を治療したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 「繰り返す膝の腫れや痛みを早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 膝の水を抜いた後の注意点 膝の水を抜いた後は、処置当日の過ごし方と再発防止のための根本治療という2つの側面で注意すべき点があります。 処置後に守るべき主な注意点は、以下のとおりです。 処置直後は患部を安静にする 激しい運動や入浴は避ける 膝に水がたまる原因を治す必要がある 関節穿刺によって膝にたまった水を抜くことはできますが、水がたまる原因が解決したわけではありません。 以下では、それぞれの注意点について詳しく解説します。 処置直後は患部を安静にする 膝の水を抜く処置は、関節に針を刺して行うため、処置直後は注射した膝をできるだけ安静に保つことが優先されます。 処置直後に歩き回ったり、膝に負担をかけたりすると、関節内が刺激され、再び炎症が起きる可能性があります。 また、注射の針穴からの出血や感染のリスクもゼロではありません。 基本的に処置後24〜48時間の安静が推奨されますが、医師の指示に従い、帰宅後は無理をせず安静に過ごしましょう。 激しい運動や入浴は避ける 処置当日は、激しい運動や長時間の入浴(湯船につかること)は控えてください。 ランニングやスポーツ、重いものを持つ作業などは、膝関節に強い負担をかけ、再び炎症が起きる原因となります。 また、湯船につかる入浴は、血行が良くなることで炎症を悪化させたり、注射の針穴から細菌が侵入したりするリスクを高めます。 処置当日はシャワーで軽く済ませるなど、医師の指示に従って生活することが重要です。 膝に水がたまる原因を治す必要がある 膝の水は、抜いたら終わりではなく、「水がたまる根本原因の治療」を受けることが重要です。 膝に水がたまるのは、変形性膝関節症や半月板損傷などによって関節内に炎症が起きている「結果」に過ぎません。 水を抜くのは一時的に症状を和らげる対症療法のため、水がたまる原因が治ったわけではないことを理解しておきましょう。 また、「水を抜くと癖になる」と言われることがありますが、癖になるのではなく、根本原因の炎症が治まっていないために繰り返し水がたまってしまうのです。 ヒアルロン酸注射やリハビリ、生活習慣の見直しなど、医師と相談しながら根本原因の治療に取り組みましょう。 膝の水を抜いた後に考えられるリスク 膝の水を抜く処置(関節穿刺)は、医療機関で一般的に行われる安全性の高い手技ですが、針を刺す以上、リスクが全くゼロというわけではありません。 処置後に考えられる主なリスクとして、以下の点が挙げられます。 感染症のリスク 出血のリスク アレルギー反応のリスク 神経や靭帯損傷のリスク これらのリスクは頻繁に起こるものではありませんが、万が一の事態に備えて理解しておきましょう。 感染症のリスク 処置(関節穿刺)に伴うリスクの中でも、とくに注意すべきなのは細菌による感染症です。 頻度は非常に稀ですが、注射針を刺す際、皮膚の細菌が関節内に入り込むことで「化膿性関節炎」を引き起こす可能性があります。 医療機関では皮膚を厳重に消毒して行いますが、処置後に針穴を不潔にしたり、医師の指示(入浴禁止など)を守らなかったりするとリスクが高まる可能性があります。 処置後に、通常とは異なる激しい痛み、熱感、赤み、または発熱が見られた場合は、早期に医療機関を受診してください。 出血のリスク 膝の水を抜く際に針を刺すため、皮膚の下や関節内部で軽度の出血(内出血)が起こる可能性があります。 通常は数日で自然に吸収されますが、処置後に膝が異常に腫れあがったり、痛みが続いたりする場合は注意が必要です。 とくに、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬や抗血小板薬)を服用している方は、出血のリスクが通常より高まります。 抗凝固薬や抗血小板薬を服用中の方は、処置を受ける前に必ず医師に申告してください。 アレルギー反応のリスク 処置に使用する薬剤に対してアレルギー反応が起きる可能性もゼロではありません。 具体的には、皮膚の消毒薬(ヨードなど)や、処置の痛みを和らげるための局所麻酔薬が原因となることがあります。 また、水を抜いた後に関節の炎症を抑えるためにステロイド剤やヒアルロン酸を注入した場合、それらの薬剤が体質に合わないことも考えられます。 過去に薬剤アレルギーの経験がある方は、必ず事前に医師に伝えてください。 神経や靭帯損傷のリスク 関節穿刺の際に、注射針が周囲の神経や血管、靭帯などを傷つけてしまうリスクも考えられます。 これは非常に稀なケースであり、医師は解剖学的な知識に基づいて安全な部位を選んで針を刺します。 しかし、万が一、処置後に膝や足先にしびれが残る、力が入らない、激しい痛みが続くといった異常を感じた場合は、すぐに医師に相談することが重要です。 膝に水がたまる原因として考えられる疾患 膝に水がたまるのは、膝関節の内部で何らかの異常が起き、炎症が発生しているサインです。 水を抜く処置は一時的に症状を楽にしますが、炎症の原因となる疾患を解決しない限り、水は再びたまってしまいます。 膝に水がたまる原因として考えられる疾患や症状について解説します。 変形性膝関節症 半月板や靭帯の損傷 その他に考えられる疾患 以下では、それぞれの疾患や症状について詳しく解説します。 変形性膝関節症 膝に水がたまる原因疾患として主に考えられるのは、変形性膝関節症です。 加齢や体重の増加、筋力の低下、過去の怪我などが要因となり、膝関節のクッションである軟骨がすり減ってしまう疾患です。 軟骨がすり減ると、その破片が関節を包む滑膜を刺激し、炎症を引き起こします。 この炎症反応の結果として、関節液が過剰に分泌され、膝に水がたまって腫れや痛みが生じます。 とくに中高年の方で、明らかな怪我のきっかけがないにもかかわらず膝が腫れる場合、この疾患が強く疑われます。 半月板や靭帯の損傷 スポーツや事故、転倒などによる外傷で半月板や靭帯など膝の組織を痛めることも、水がたまる大きな原因となります。 代表的なものとして、膝のクッションの役割を果たす「半月板」の損傷や、関節を安定させる「靭帯(前十字靭帯など)」の損傷が挙げられます。 これらの組織が損傷すると、関節内部に強い炎症が起こり、関節が不安定になります。 その結果、滑膜が刺激されて急激に関節液が分泌されることで膝に水がたまり、膝が腫れ上がります。 変形性膝関節症とは異なり、若い世代でもスポーツ活動中などに発生することが多いのが特徴です。 その他に考えられる疾患 変形性膝関節症や半月板などの損傷以外にも、さまざまな疾患が膝の炎症と水腫(水がたまること)を引き起こす可能性があります。 代表的なものには、以下のような疾患があります。 疾患名 概要 関節リウマチ 免疫の異常により、自身の関節を攻撃して炎症を起こす自己免疫疾患の一つ 痛風・偽痛風 尿酸やピロリン酸カルシウムといった結晶が関節内にたまり、激しい炎症(発作)を引き起こす 感染症(化膿性関節炎) 細菌が関節内に侵入して炎症を起こすもので、緊急の治療が必要 これらの疾患は原因が全く異なるため、治療法も変わってきます。 水がたまる原因を正確に突き止めるためにも、医療機関による適切な診断が不可欠です。 膝の水を抜いた後の注意点についてよくある質問 膝の水を抜いた後の安静期間や同時に行われることの多いヒアルロン酸注射の効果について、疑問を持つ方は少なくありません。 本章では、膝の水を抜いた後の注意点についてよくある質問を紹介します。 膝の水を抜いた後の安静期間はどのくらい? 膝の水を抜いた後にヒアルロン酸を注射するとどうなる? 以下では、それぞれの質問に対して詳しく回答していきます。 膝の水を抜いた後の安静期間はどのくらい? 膝の水を抜いた後の安静期間は、一般的に処置直後から24〜48時間の安静が推奨されます。 関節穿刺(水を抜く処置)は関節に針を刺すため、処置直後に激しい運動をしたり、湯船につかって体を温めすぎたりすることは避けましょう。 これらは炎症を再燃させたり、針穴から細菌が感染したりするリスクを高める可能性があります。 医師から特別な指示がない限り、処置当日はシャワー程度で済ませ、長距離の歩行やスポーツは控えましょう。 翌日以降の活動については、膝の状態や膝に水がたまる原因によって異なるため、必ず医師の指示に従ってください。 膝の水を抜いた後にヒアルロン酸を注射するとどうなる? ヒアルロン酸を注射することで、関節内の炎症抑制や膝の動きを滑らかにする効果が期待できます。 膝にたまる炎症性の水を抜いた後に、正常な関節液に近い性質を持つヒアルロン酸を注入することは、標準的な治療法の一つです。 ヒアルロン酸には、関節の「潤滑油」としての役割を果たし、動きをスムーズにする効果があります。 関節の潤滑性を高めることで軟骨への負担を和らげ、炎症を抑える働きも期待できます。 膝に水がたまる原因を治療したい方は再生医療をご検討ください 本記事では、膝の水を抜いた後の注意点や、水がたまる原因について解説しました。 重要なのは、水を抜く処置(関節穿刺)は、あくまで腫れや痛みを和らげる一時的な対症療法であるということです。 膝にたまった水を抜いただけでは、水がたまる原因となっている疾患や症状が解決したわけではありません。 そのため、膝に水がたまるのを繰り返さないためには、根本原因の治療が不可欠です。 膝に水がたまる根本原因の治療を目指す場合、「再生医療」をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 繰り返す膝の腫れや痛みにお悩みで、根本的な治療を検討したい方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >当院の再生医療による膝関節の症例はこちら
2025.10.31 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞の再発予防において、食事管理は重要な対策の一つです。 なぜなら、脳梗塞の再発の引き金となる高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病は、毎日の食事内容と密接に関連しているからです。 しかし「食事で何に気をつければいいのか」「具体的に食べてはいけないものは何なのか」と、日々の食生活について悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の再発リスクを高めてしまう「食べてはいけないもの」について詳しく解説します。 正しい食生活を理解し、毎日の習慣を見直すことが、再発を防ぐための一歩となります。 また、近年の脳梗塞の再発予防策として「再生医療」という選択肢が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した血管や脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 脳梗塞の再発への不安がある方や、後遺症の改善を諦めたくない方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 脳梗塞後に食べてはいけないもの一覧 脳梗塞の再発を予防するためには、食生活の改善が重要です。 とくに、動脈硬化や高血圧、脂質異常症といった脳梗塞の再発リスクを高める要因を悪化させる食品は、日常の食事から避けるか、厳しく制限する必要があります。 脳梗塞後に食べてはいけないものは、以下のとおりです。 脂肪分が多い食品 塩分の多い食品 糖分の多い食品 高GI炭水化物 アルコール これらの食品がなぜ脳梗塞の再発リスクとなるのか、具体的に解説していきます。 脂肪分が多い食品 脂肪分の多い食品の中でも、「飽和脂肪酸」や「トランス脂肪酸」を多く含むものは、避けるべきです。 これらは血液中の悪玉(LDL)コレステロールを増やし、血管の壁にプラークを蓄積させ、動脈硬化を促進させてしまうためです。 飽和脂肪酸を多く含む食品例 肉の脂身(バラ肉、ロース肉の脂身など) バター、ラード、生クリーム 加工肉(ソーセージ、ベーコン) など トランス脂肪酸を多く含む食品例 マーガリン、ショートニング ケーキ、クッキー、スナック菓子 ファストフード、揚げ物 など 後述する塩分の多い食品やアルコールとともに摂取する機会が多いため、意識して避ける必要があります。 塩分の多い食品 塩分の多い食品は、脳梗塞の危険因子である高血圧を直接招くため、厳しく制限する必要があります。 高血圧は血管に常に高い圧力をかけ、血管を傷つけ、動脈硬化を進行させる原因となります。 塩分を多く含む食品例 加工食品(ハム、ソーセージ、ちくわ、かまぼこ) インスタント食品(カップラーメン、インスタント味噌汁) 漬物、梅干し、佃煮 干物 スナック菓子、せんべい など とくに、カップラーメンなどのインスタント食品の汁は塩分が多いため、飲み干さないようにしましょう。 糖分の多い食品 ジュースやお菓子、菓子パンなど、砂糖を多く含む糖分の多い食品も控えるべきです。 これらは食後の血糖値を急激に上昇させるだけでなく、過剰な糖質は中性脂肪として蓄積されやすいためです。 糖分を多く含む食品例 清涼飲料水、ジュース、加糖のコーヒー・紅茶 ケーキ、クッキー、饅頭などの菓子類 アイスクリーム 菓子パン、デニッシュパン など 血糖値の乱高下(血糖値スパイク)や肥満は、血管に負担をかけ、動脈硬化のリスクを高めます。 高GI炭水化物 白米や食パン、うどんなど、精製された炭水化物(高GI食品)の摂取量にも注意が必要です。 これらは糖分の多い食品と同様に、摂取すると体内で速やかに糖に分解され、食後の血糖値を急激に上昇させます。 主な高GI炭水化物の例 白米 食パン、菓子パン うどん、そうめん じゃがいも など 主食を摂る場合は、玄米や雑穀米、全粒粉パン、そばといった血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」に置き換えることが推奨されます。 アルコール アルコールの過剰な摂取は、脳梗塞の再発リスクを高めるため、原則として控えるべきです。 過度な飲酒は、脳梗塞の原因となる「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」を悪化させる要因となります。 また、降圧剤や血液をサラサラにする薬(抗血小板薬、抗凝固薬)を服用中の方は、アルコールが薬の効果に影響を与える可能性もあります。 主治医から許可が出ている場合でも、示された適量を厳守することが不可欠です。 【再発防止につながる】脳梗塞後に食べた方が良いもの https://youtu.be/mVmZk4D7Fso?si=wfO51EoR58Q8W1yw 脳梗塞の再発予防には、「食べてはいけないもの」を避けるだけでなく、動脈硬化や高血圧を防ぎ、血液の状態を良好に保つ栄養素を含む食品を積極的に摂ることが重要です。 再発予防のために日々の食事で積極的に取り入れたい食品群は、以下のとおりです。 野菜類・果物類 青魚(サバ、イワシ、アジなど) 大豆製品・海藻類・きのこ類 低GI炭水化物(玄米、全粒粉パンなど) 良質な油(オリーブオイル、亜麻仁油など) など これらの食品群はどれも重要ですが、再発予防において、とくに重要なのが「野菜・果物」と「青魚」です。 野菜や果物には、血圧を下げる働きのあるカリウムが豊富に含まれており、高血圧の原因となる体内の余分なナトリウム(塩分)を排出するのを助けてくれます。 また、豊富な食物繊維がコレステロールの吸収や血糖値の急上昇を抑える役割も果たします。 青魚は血液をサラサラにする効果が期待できるEPAやDHAという良質な脂質(n-3系脂肪酸)を含みます。 これらに加え、食物繊維が豊富な大豆製品や海藻類、血糖値の上昇が緩やかな玄米、悪玉コレステロールを減らすオリーブオイルなどをバランス良く組み合わせることが重要です。 ただし、腎機能が低下している方や特定の薬を服用中の方は、カリウムの摂取制限が必要な場合もあるため、必ず主治医や管理栄養士に相談しましょう。 脳梗塞の再発防止のための食事療法とは 脳梗塞の再発予防における食事療法は、血管や血液を健康に保つための栄養素をバランス良く摂取する積極的な取り組みです。 再発防止のために日々の食事で意識すべきポイントは、以下のとおりです。 バランスよく食べる 食物繊維の多い食品を選ぶ 良質なタンパク質を摂る こまめに水分補給する カリウムを積極的に摂る 脂質・塩分・糖分の過剰摂取を避ける 以下では、それぞれの具体的な実践方法について解説します。 バランスよく食べる 食事療法の基本は、「主食・主菜・副菜」をそろえ、多様な栄養素を過不足なく摂ることです。 特定の食品に偏るのではなく、野菜、魚、肉(赤身)、大豆製品、海藻類などをバランスよく取り入れましょう。 バランスの悪い食事は、脂質異常症や糖尿病などのリスクを高め、動脈硬化を促進させる原因となるため注意が必要です。 食物繊維の多い食品を選ぶ 食物繊維の多い食品を取り入れるのも、脳梗塞の再発予防につながります。 野菜、きのこ類、海藻類、玄米などに含まれる水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑え、血糖値の急上昇を防ぐ重要な役割を果たします。 これらは余分な脂質や糖を体外に排出するのを助けます。 また、満腹感を得やすいため、カロリーの過剰摂取を防ぎ、肥満予防にもつながります。 良質なタンパク質を摂る 筋肉や血管を丈夫に保つために、良質なタンパク質を適量摂ることが重要です。 ただし、肉類に偏ると飽和脂肪酸(悪い脂)も多く摂りがちになるため注意しましょう。 肉の脂身は避け、赤身を選んだり、EPAやDHAが豊富な青魚、あるいは豆腐・納豆などの大豆製品、卵などからバランスよく摂取することを心がけましょう。 こまめに水分補給する 脳梗塞の再発予防において、血液がドロドロになるのを防ぐための水分補給は非常に重要です。 体内の水分が不足すると血液の粘度が上がり、血栓(血の塊)ができやすくなります。 とくに起床時や入浴後、運動後は水分が不足しやすいため、喉が渇く前にこまめに水や白湯、麦茶などで水分を補給する習慣をつけましょう。 カリウムを積極的に摂る カリウムは、高血圧の原因となるナトリウム(塩分)を体外に排出する働きがあるため、積極的に摂取したい栄養素です。 ほうれん草など葉物野菜、かぼちゃ、バナナやキウイなどの果物、海藻類に多く含まれています。 ただし、腎機能に問題がある方や特定の薬を服用している方は、カリウムの摂取制限が必要な場合がありますので、必ず主治医に相談してください。 脂質・塩分・糖分の過剰摂取を避ける 「食べてはいけないもの」とも共通しますが、食事療法の根幹として過剰摂取を避ける意識が重要です。 飽和脂肪酸やトランス脂肪酸(脂質)、塩分、砂糖(糖分)は、それぞれ脂質異常症、高血圧、糖尿病や肥満のリスクを高め、動脈硬化を直接的に進行させます。 普段の食事から、脂質・塩分・糖分の過剰摂取をいかに減らしていくかが再発予防の鍵となります。 脳梗塞の再発リスクについて食事で注意すべきこと 脳梗塞の再発予防では、食べるものだけでなく、食生活全体を見直すことが不可欠です。 本章では、食事に関して注意すべき3つの重要なポイントを解説します。 食べ過ぎによる肥満・体重増加を防ぐ 脱水症状にならないように水分を摂取する 嚥下障害がある場合は誤嚥に注意する 肥満や脱水は再発リスクを高める直接的な要因であり、後遺症としての嚥下障害も食事の安全に直結します。 以下では、それぞれの注意点について詳しく解説していきます。 食べ過ぎによる肥満・体重増加を防ぐ 食べ過ぎによる肥満や体重増加は、脳梗塞の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常症を悪化させるため、避ける必要があります。 肥満は万病のもとと言われ、特に血管への負担を増大させます。 食事は「腹八分目」を心がけ、主食・主菜・副菜のバランスを整えることが重要です。 とくに夜遅い時間の食事や、お菓子・ジュースなどの間食は中性脂肪として蓄積されやすいため、摂取量や時間帯にも注意しましょう。 脱水症状にならないように水分を摂取する 体内の水分が不足すると血液の粘度が上がり、血栓(血の塊)ができやすくなるため、こまめな水分補給は脳梗塞の再発予防に重要です。 とくに高齢者は喉の渇きを感じにくくなるため、意識的な水分摂取が求められます。 起床時、入浴前後、運動中やその前後、就寝前など、タイミングを決めてコップ一杯の水や白湯、麦茶などを飲む習慣をつけると良いでしょう。 ただし、心臓や腎臓に疾患がある場合は水分摂取量に制限が必要なこともあるため、必ず主治医の指示に従ってください。 嚥下障害がある場合は誤嚥に注意する 脳梗塞の後遺症で嚥下障害(飲み込む力が低下すること)がある場合、食べ物や飲み物が誤って気管に入る「誤嚥(ごえん)」に注意が必要です。 誤嚥は、窒息や「誤嚥性肺炎」という命に関わる深刻な肺炎を引き起こす原因となります。 食事中にむせる、咳き込む、食べた後に声がかすれるといった症状が見られる場合は、すぐに主治医やリハビリテーション科の医師、言語聴覚士に相談してください。 食材を細かく刻んだり、とろみをつけたりするなど、本人の飲み込む力に合わせた「嚥下調整食」の導入を検討する必要があります。 脳梗塞の再発リスクを抑えるには食事以外にも再生医療をご検討ください 脳梗塞の再発リスクを抑えるためには、脳梗塞の引き金となる高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を徹底して管理することが重要です。 そのためにも、食事管理によって血管や血液の状態を良好に保つ「守り」の対策は、脳梗塞の再発予防に不可欠です。 本記事で紹介した「食べてはいけないもの(脂質・塩分・糖分の多い食品)」を避け、「食べた方が良いもの(野菜・青魚など)」を積極的に取り入れる食事療法を実施しましょう。 しかし、長年の生活習慣によって進行した動脈硬化や、脳梗塞によってダメージを受けた脳の機能は、食事療法だけでは改善しません。 そうした課題に対し、近年では「再生医療」という選択肢が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、傷ついた血管や神経組織の修復を促したり、炎症を抑えたりすることで、失われた機能の回復や動脈硬化の根本的な改善を目指す治療法です。 脳梗塞の再発への不安がある方や、後遺症の改善を諦めたくない方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >当院の再生医療による脳梗塞(脳卒中)の症例はこちら
2025.10.31 -
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「膝が腫れる原因は何?」 「膝が腫れたらどうすればいい?」 膝の腫れや痛みがあると、歩行や日常生活にも支障が出てしまうため、上記のように原因や対処法について不安になる方も多いでしょう。 結論、膝が腫れる主な原因は、関節内部で起きている「炎症」です。 この炎症によって関節液が過剰に分泌され、いわゆる「水がたまる」状態になることで腫れが発生します。 本記事では、膝が腫れる原因として考えられる疾患や症状、膝の腫れに対する対処法について詳しく解説します。 ご自身の症状と照らし合わせ、適切な対応を知るためにお役立てください。 また、長引く膝の腫れや痛みを今すぐ解消したい方は、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 「長引く膝の腫れを早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 膝が腫れる原因は?考えられる疾患や症状 膝が腫れる原因は、加齢に伴う体の変化から、スポーツや事故による外傷、あるいは膝の疾患まで多岐にわたります。 膝の腫れを引き起こす代表的な疾患や症状は、以下のとおりです。 変形性膝関節症 半月板損傷 関節リウマチ 痛風・偽痛風 打撲などの外傷 感染症(化膿性関節炎) その他に考えられる疾患 多くの場合、膝関節の内部で炎症が起き、関節液が過剰に分泌される「水がたまる」状態になることで腫れが生じます。 放置すると症状が悪化したり、歩行に支障をきたしたりする可能性もあるため、原因を正しく理解することが重要です。 以下では、それぞれの疾患や症状について詳しく解説します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、加齢や体重の増加、筋力の低下などが原因で膝の軟骨がすり減り、関節に炎症が起きる疾患です。 とくに中高年の方に多く見られ、膝の腫れや痛みの代表的な原因の一つとして知られています。 【主な症状】 立ち上がりや歩き始めなど、動き出すときの痛み 階段の昇り降りでの痛み 炎症による膝の腫れ など この疾患は進行性のため、放置すると軟骨のすり減りが進み、歩行困難に至るケースもあります。 痛みが続く、腫れが引かない場合は、早めに医療機関を受診し、進行を遅らせる治療を開始することが重要です。 半月板損傷 半月板損傷は、スポーツや事故などで膝に強い衝撃やひねりが加わることで、クッションの役割を果たす半月板が傷ついたり、断裂したりする状態を指します。 若い世代だけでなく、加齢によって半月板がもろくなり、軽い衝撃で損傷することもあります。 【主な症状】 膝の痛みや腫れ 膝が引っかかる感覚 膝を伸ばしきれない 膝が動かなくなるロッキング症状 など 損傷した半月板は適切な治療を受けないと自然治癒が難しく、そのまま放置すると変形性膝関節症を発症するおそれもあります。 膝が動かなくなるロッキング症状や強い痛み、引っかかり感が続く場合は、早期に医療機関で検査を受けましょう。 関節リウマチ 関節リウマチは、免疫システムの異常により、自身の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。 この疾患は膝だけでなく、手や足の指、手首など、体のさまざまな関節で炎症を引き起こします。 【主な症状】 熱感を伴う膝の腫れ 朝起きたときに関節がこわばる 発熱や倦怠感などの全身症状 関節の変形 など 関節リウマチによる膝の腫れは、熱感を伴うことが多く、朝起きたときに関節がこわばって動かしにくい「朝のこわばり」が特徴的な症状です。 進行すると関節の変形をきたす可能性があり、発熱や倦怠感といった全身症状が現れる場合もあります。 痛風・偽痛風 痛風や偽痛風は、関節内に特定の結晶がたまることで、突然激しい炎症を引き起こす疾患です。 痛風は尿酸の結晶が、偽痛風はピロリン酸カルシウムの結晶が原因となります。 【主な症状】 突然の激しい痛み 赤みと熱感を伴う膝の腫れ 発作時の歩行が困難になるほどの強い痛み など 激痛発作は自然に治まることもありますが、適切な治療を受けないと腎障害などの合併症を引き起こすリスクがあります。 経験したことのない激痛が膝を襲った際は、迷わずに医療機関を受診しましょう。 打撲などの外傷 転倒やスポーツ中の接触プレーなどで膝を強くぶつけることによる打撲などの外傷でも、腫れや痛みが生じます。 打撲の場合、関節内部の組織が損傷し、内出血を起こすことで膝が腫れてきます。 【主な症状】 内出血による膝の腫れ 圧痛(押すと痛む) 強い腫れや痛みが続き、膝が不安定に感じる など 多くは時間とともに回復しますが、強い衝撃を受けた場合は注意が必要です。靭帯損傷や骨折といった、より深刻な怪我を併発している可能性も考えられます。 強い腫れや痛みが続く、膝が不安定に感じるなどの症状があれば、速やかに医療機関を受診しましょう。 感染症(化膿性関節炎) 細菌感染によって化膿性の炎症を起こす「化膿性関節炎」は、緊急の対応が必要な危険な状態です。 傷口から細菌が侵入したり、体の他の部位の感染が血液を介して関節に及んだりすることが原因となります。 【主な症状】 激しい痛みと腫れ、強い熱感 高熱や悪寒などの全身症状 など 膝の激しい痛みと腫れ、熱感に加えて、高熱や悪寒といった全身の症状を伴うことが特徴です。 治療が遅れると短時間で関節が破壊され、重い後遺症が出る危険があります。 膝の腫れだけでなく、激痛と高熱、悪寒が同時にある場合は、すぐに救急外来を受診しましょう。 その他に考えられる疾患 これまでに挙げた疾患以外にも、膝の腫れを引き起こす原因は複数存在します。 膝が腫れたときに考えられるその他の疾患は、以下のとおりです。 オスグッド・シュラッター病:成長期の子供に見られる膝の痛みと腫れ ベーカー嚢腫:膝の裏に液体がたまってこぶができる 離断性骨軟骨炎:関節の軟骨が剥がれ落ちる 上記には疾患ごとにさまざまな原因が考えられ、それぞれ治療法が大きく異なります。 膝の腫れや痛みが続く場合は、自己判断せずに医療機関による正確な診断を受けることが何よりも大切です。 膝が腫れたときに実施すべき対処法 膝が腫れた場合、まずは慌てずに応急処置を行い、できるだけ早く専門医の診断を仰ぐことが重要です。 膝が腫れたときに実施すべき基本的な対処法は、以下の3つです。 安静を保つ 患部周辺をアイシングする 早期に医療機関を受診する 炎症を悪化させないための初期対応が、その後の回復に大きく影響するため、適切な応急処置について理解を深めましょう。 以下では、応急処置の基本である「RICE処置」について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 安静を保つ 膝に腫れや痛みがある場合、まずは無理に動かさずに安静を保つことが重要です。 痛みや腫れは、膝の内部で炎症が起きているサインです。 無理に動いたり、スポーツを続けたりすると炎症がさらに悪化し、症状が長引く原因となります。 できるだけ膝に体重をかけないようにし、膝を深く曲げる動作や階段の昇り降り、長距離の歩行は避けましょう。 患部周辺をアイシングする 膝が熱っぽく腫れている場合、患部をアイシング(冷却)することで、炎症と痛みを和らげる効果が期待できます。 アイシングは、血管を収縮させて炎症物質の広がりを抑え、腫れや内出血を軽減させるための応急処置です。 氷嚢(アイスバッグ)やビニール袋に入れた氷をタオルで包み、1回15分~20分を目安に患部に当ててください。 ただし、冷やしすぎると凍傷のリスクがあるため、感覚がなくなるまで冷やし続けないよう注意しましょう。 早期に医療機関を受診する 応急処置はあくまで一時的なものであり、重要なのは早期に医療機関を受診することです。 前述のとおり、膝が腫れた場合「外傷」「加齢」「疾患」などさまざまな原因が考えられるため、自己判断は危険です。 とくに激しい痛みや高熱を伴う場合、または転倒などの明らかな原因がないのに腫れている場合は、速やかな受診が求められます。 医療機関による正確な診断を受け、原因に応じた適切な治療を開始しましょう。 膝が腫れる原因についてよくある質問 膝の腫れに関して、多くの方が抱く「水がたまる」こととの関係や、治療期間に関する疑問にお答えします。 膝が腫れるのは水がたまるのが原因? 膝の腫れは何日で治る? 以下では、これらのよくある質問について詳しく解説します。 膝が腫れるのは水がたまるのが原因? 多くの場合、膝が腫れるのは「水がたまる」状態(関節水腫)が直接的な原因です。 ただし、水がたまること自体が問題なのではなく、何らかの異常が膝関節に起きている「結果」として水がたまっています。 膝関節は「関節液」という液体で満たされており、軟骨に栄養を与えたり、関節の動きを滑らかにしたりする役割を担っています。 しかし、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどで関節内に炎症が起きると、関節液が過剰に分泌されてしまいます。 この過剰にたまった関節液が「膝にたまる水」の正体であり、膝の腫れや圧迫感、痛みを引き起こします。 膝の腫れは何日で治る? 膝の腫れが治るまでの期間は、その原因によって大きく異なるため一概には言えません。 例えば、軽い打撲による一時的な炎症であれば、数日間のアイシングや安静で腫れが引くこともあります。 しかし、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチなどの疾患が原因の場合、疾患の治療を行わなければ、腫れが引かなかったり、一度引いても再発したりすることが多いです。 さらには感染症(化膿性関節炎)が原因の場合は、緊急の治療が必要となります。 腫れが長引く、または悪化する場合は、自己判断せずに必ず医療機関を受診してください。 膝が腫れる「炎症」には再生医療も選択肢の一つ 膝が腫れる原因はさまざまですが、その多くは関節内部で起きている「炎症」が根本的な原因です。 本記事で解説したとおり、変形性膝関節症や半月板損傷、関節リウマチ、外傷など、多くの疾患や怪我が膝関節に炎症を引き起こします。 その結果、関節液が過剰に分泌され、「水がたまる」ことで膝が腫れてしまいます。 基本的な治療は安静やアイシング、湿布、ヒアルロン酸注射などですが、これらで改善が見られない持続的な炎症に対しては、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を活用し、炎症そのものを抑え、痛みを軽減させることを目指す治療法です。 「長引く膝の腫れを早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >当院の再生医療による膝関節の症例はこちら
2025.10.31 -
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関節の健康を考えてサプリメントを探していると、「グルコサミン」や「コンドロイチン」という成分をよく見かけます。 両者にどのような違いがあるのか、どちらを摂取した方が良いのか疑問をお持ちの方も多いでしょう。 結論、グルコサミンは軟骨の「原料」となり、コンドロイチンは軟骨の「保水性」を担うなど、その役割は明確に異なります。 本記事では、グルコサミンとコンドロイチンの根本的な違いから、関節痛への効果に関する医学的な見解について詳しく解説します。 それぞれの成分の働きを正しく理解し、サプリメントとの向き合い方を考える参考にしてください。 また、つらい関節痛にお悩みの方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した関節の再生・修復を促す医療技術です。 「関節痛を早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 グルコサミンとコンドロイチンの違い グルコサミンは軟骨の「原料」となる成分であり、コンドロイチンは軟骨自体に水分を保持させ「クッション性」を保つ成分である点に、主な違いがあります。 項目 主な役割 分類 グルコサミン ・軟骨成分の構成要素となる ・軟骨の新陳代謝に関与する アミノ糖(糖とアミノ酸が結合したもの) コンドロイチン ・軟骨に水分と弾力性を与え、クッション機能を維持する ・軟骨の分解を抑制する働きも期待される ムコ多糖類 どちらも関節の健康をサポートする成分としてよく知られていますが、その働きや役割は明確に異なります。 グルコサミンが新しい軟骨成分の生成をサポートする役割、コンドロイチンは既存の軟骨の健康や水分を維持する役割、と考えると分かりやすいでしょう。 また、いずれもサプリメントで経口摂取した際の効果については、科学的証拠が不十分とされているため、注意が必要です。 グルコサミンの特徴 グルコサミンは、軟骨や皮膚、爪など体を作る成分の「原料」となるアミノ糖の一種です。 特に関節軟骨においては、水分を保持するプロテオグリカンやヒアルロン酸といった重要な成分の合成を促す働きを担っています。 グルコサミンの主な特徴と含まれる食品は、以下のとおりです。 項目 特徴・内容 主な役割 ・軟骨成分の構成要素となる ・軟骨の新陳代謝に関与する 分類 アミノ糖(糖とアミノ酸が結合したもの) 多く含まれる食品 カニやエビの甲殻類(キチン質)、山芋、オクラなど 上記のように、グルコサミンは軟骨のスムーズな働きを維持するための「土台作り」をサポートする成分といえるでしょう。 コンドロイチンの特徴 コンドロイチンは、軟骨の主成分そのものであり、水分を強力に引き寄せて保持する「保水性」に優れたムコ多糖類の一種です。 軟骨がクッションのような弾力性を持ち、関節がスムーズに動くためには、コンドロイチンが持つ保水力が欠かせません。 コンドロイチンの主な特徴と含まれる食品は、以下のとおりです。 項目 特徴・内容 主な役割 ・軟骨に水分と弾力性を与え、クッション機能を維持する ・軟骨の分解を抑制する働きも期待される 分類 ムコ多糖類(ネバネバ成分) 多く含まれる食品 納豆、山芋、オクラなどのネバネバ食品、フカヒレ、うなぎ、動物の軟骨など 関節の健康を「保つ」ために、グルコサミンと並んで重要な役割を果たしている成分といえるでしょう。 グルコサミンやコンドロイチンは関節痛に効果なし? グルコサミンやコンドロイチンが関節痛に「効果がある」という、質の高い科学的根拠(エビデンス)は十分ではないとされています。 いずれもサプリメントとして広く知られていますが、医学的な評価は定まっていないのが実情です。 効果があるエビデンスは少ない 効果があると感じるのはプラセボ(プラシーボ)効果の可能性 なぜ「効果なし」と言われることがあるのか、その背景にあるエビデンスの状況と心理的な側面について見ていきましょう。 効果があるエビデンスは少ない グルコサミンやコンドロイチンが関節軟骨の成分であることは事実ですが、サプリメントとして摂取した場合に関節痛が改善するという科学的根拠は限定的です。 これまで世界中で多くの臨床試験が行われてきましたが、その結果は一貫していません。 一部の研究では「痛みが和らいだ」という肯定的な報告もあります。 一方で、偽薬(有効成分の入っていない薬)を飲んだグループと比較して、明確な差が出なかったとする大規模な研究報告も多く存在します。 研究によって使用される製剤の品質や量が異なることも、結果が一定しない一因と考えられています。 上記のような背景から、日本を含む多くの国の整形外科学会などでは、関節痛(特に変形性膝関節症)の治療ガイドラインにおいて、これらの成分の摂取を推奨するまでには至っていません。 効果があると感じるのはプラセボ(プラシーボ)効果の可能性 サプリメントを摂取して「痛みが楽になった」と感じる場合、成分の薬理的な効果ではなく、「プラセボ(プラシーボ)効果」が影響している可能性も指摘されています。 プラセボ効果とは、有効成分が入っていない偽薬を飲んだ場合でも、「効くはずだ」という期待や思い込みによって、実際に症状が改善する現象を指します。 これは「気のせい」と単純に片付けられるものではなく、脳が期待に反応して痛みを緩和する物質を出すなど、実際に体感が変化する心理的な作用です。 「高価なサプリメントを飲んでいる」「毎日ケアを続けている」という安心感や期待感が、痛みの感じ方を和らげているケースも考えられるでしょう。 科学的根拠が乏しいとされる背景には、この心理的要因が統計結果に影響を与えている可能性も考慮されています。 グルコサミンやコンドロイチンの摂取による副作用 グルコサミンやコンドロイチンは、健康食品として適切に摂取する場合、重篤な副作用の報告はまれです。 しかし、体質や摂取量によっては軽度な胃腸症状(胸やけ、吐き気、下痢など)が起こる可能性が指摘されています。 とくに注意したい点として、以下の項目が挙げられます。 項目 詳細 甲殻類アレルギー 甲殻類アレルギーを持つ方は、アレルギー反応を引き起こす可能性がある 持病や服用中の薬との相互作用 糖尿病(血糖値)への影響や、血液を固まりにくくする薬(ワルファリンなど)との相互作用が懸念される 過剰摂取 目安量を超えた過剰な摂取は、胃腸症状などを引き起こす原因となる 健康食品全般に言えることですが、目安量を超えた過剰な摂取は、胃腸症状などを引き起こす原因にもなりかねません。 製品に記載されている摂取目安量を守ることが大切です。 また、アレルギーや持病がある方は、摂取前に必ず医師や薬剤師に相談しましょう。 グルコサミンとコンドロイチンの違いについてよくある質問 グルコサミンとコンドロイチンに関しては、両者の併用や、最近注目されるプロテオグリカンとの違いについて多くの疑問が寄せられます。 グルコサミンとコンドロイチンを一緒に飲むとどうなる? グルコサミンとコンドロイチンとプロテオグリカンの違いは? グルコサミンとコンドロイチンはどちらが良い? これらの成分は働きが異なるため、どちらか一方を選ぶべきか、あるいは一緒に摂るべきか悩む方もいるでしょう。 以下では、上記のよくある疑問について、一つずつ解説していきます。 グルコサミンとコンドロイチンを一緒に飲むとどうなる? グルコサミンとコンドロイチンは、それぞれ軟骨に対する役割が異なるため、一緒に摂取することで相乗効果が期待できると考えられています。 グルコサミンが軟骨成分の「原料」となり、コンドロイチンがその軟骨に「水分」を与えてクッション性を保つ、という関係です。 市販のサプリメントの多くが、二つの成分を一緒に配合しているのは、上記のような働きを補い合うことを期待してのものです。 ただし、先述の通り、これらを併用した場合でも、関節痛への効果については、科学的根拠が十分ではない状況であることは理解しておきましょう。 グルコサミンとコンドロイチンとプロテオグリカンの違いは? グルコサミンとコンドロイチンが軟骨の「原料」や「材料」であるのに対し、プロテオグリカンはそれらが組み合わさってできた「軟骨の主成分そのもの」である点が大きな違いです。 それぞれの役割を簡潔にまとめると、以下のようになります。 成分名 役割・イメージ グルコサミン プロテオグリカンなどの軟骨成分を作るための「原料」 コンドロイチン 軟骨の「保水・クッション材」の役割も担い、プロテオグリカンの一部を構成する プロテオグリカン コンドロイチンなどが集まってできた「軟骨の主成分」 プロテオグリカンは、中心となるタンパク質に、コンドロイチンなどの成分が多数結合した大きな分子です。 グルコサミンは、このプロテオグリカンを構成する成分(コンドロイチンなど)を作るための原料となります。 以前はプロテオグリカンを抽出するのは困難でしたが、近年は技術が進み、サケの鼻軟骨などから抽出したものがサプリメントにも利用されています。 グルコサミンとコンドロイチンはどちらが良い? グルコサミンとコンドロイチンは期待される役割が異なるため、一概にどちらが良いとは言えません。 グルコサミンは軟骨の「原料」、コンドロイチンは軟骨の「保水・弾力維持」という役割を担っているためです。 どちらか一方の成分を選ぶよりも、両者を一緒に摂取する、あるいは両方が配合された製品を選ぶという考え方が一般的です。 ただし、サプリメントはあくまでも日々の食生活を補う「健康食品」であり、医薬品のように病気の治療や痛みの改善を保証するものではありません。 関節の痛みが強い場合や長引く場合は、サプリメントに頼るのではなく、まずは医療機関を受診しましょう。 グルコサミンとコンドロイチンは関節痛に効果なしの可能性が高い グルコサミンやコンドロイチンは、関節痛の改善に明確な効果を持つという質の高い科学的根拠(エビデンス)が、十分ではないとされています。 そのため、サプリメントとして摂取しても「効果は期待できない可能性が高い」というのが、多くの医学的な見解です。 グルコサミンやコンドロイチンは、もともと体内の軟骨に含まれる成分ですが、サプリメントを経口摂取した場合に、そのまま関節に届いて軟骨を再生したり、痛みを和らげたりするかは別問題です。 サプリメントは「医薬品」ではなく「健康食品」としての位置づけであり、痛みの治療を目的として頼るには不確実性が高いと考えるのが妥当でしょう。 つらい関節痛にお悩みの方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、炎症抑制や損傷した関節の再生・修復を促す医療技術です。 「関節痛を早く治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.10.31 -
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手首や手の甲、指の付け根などに突然しこりができると、「これはガングリオンだろうか?」「もしかして悪性の腫瘍だったらどうしよう」と不安になるかもしれません。 多くのしこりは良性のガングリオンですが、まれに悪性腫瘍である可能性もゼロではありません。 本記事では、ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるための一つの目安となる特徴の違いについて解説します。 さらに、確定診断に欠かせない画像検査の重要性や、両者の根本的な治療法の違いについても解説しています。 ぜひ最後までご覧いただき、ガングリオンをはじめとするしこりに対する不安を和らげるための知識を身につけましょう。 ガングリオンと悪性腫瘍の見分け方 ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるには、しこりの硬さや可動性といった「特徴の違い」をセルフチェックし、最終的には病院での「画像検査」を受けることが重要です。 特徴の違いから判断する 画像検査を受ける 自分でもある程度の違いを把握することはできますが、自己判断だけでは悪性の可能性を完全には否定できません。 不安を解消し、適切な対処を行うためにも、まずは両者の一般的な違いを知り、専門医による正確な診断の流れを理解しておきましょう。 特徴の違いから判断する ガングリオンと悪性腫瘍は、しこりの「硬さ」「動き(可動性)」「大きさの変化」「痛み」などの特徴に違いが見られる傾向があります。 主な特徴の違いは、以下のとおりです。 比較項目 ガングリオン 悪性腫瘍 硬さ ・柔らかいものから骨のように硬いものまでさまざま ・弾力性を感じることが多い ・石のように硬いことが多い ・弾力性があまりない傾向がある 動き ・押すと上下左右に少し動く(可動性がある)ことが多い ・動きにくい(可動性が乏しい)傾向がある 大きさ ・大きくなったり小さくなったりする ・自然に消えることもある ・基本的に小さくなることはない ・持続的に大きくなり続ける 痛み ・痛みがないことが多い ・神経の近くにできると圧迫して痛むこともある ・初期は痛みがないことが多い ・大きくなると痛みを伴う場合がある 自分でしこりに触れた際の感覚や、時間経過による変化を観察することで、ある程度の目安をつける助けになります。 ただし、これらはあくまで一般的な傾向であり、例外も存在するため注意しましょう。 例えば、ガングリオンでもゼリー状内容物が充満し、骨のように硬いと感じる場合や、悪性腫瘍でも初期は動くように感じるケースもあります。 自己判断で決めつけず、医療機関を受診して画像検査を受けましょう。 画像検査を受ける ガングリオンか悪性腫瘍かを正確に診断するためには、整形外科などの医療機関で画像検査を受けましょう。 医療機関では、医師による触診(しこりの硬さや動きを確認)の後、より詳しく内部の状態を調べるために画像検査が実施されます。 一般的に行われる主な画像検査は、以下のとおりです。 検査方法 特徴・目的 超音波検査(エコー) ・ガングリオンの診断に有効な検査 ・しこりの内部が液体か固形物か、大きさや形、血流の有無などを確認 MRI検査 ・しこりの内部構造をより詳細に把握できる検査 ・超音波では判断が難しい場合や、悪性腫瘍が強く疑われる場合に用いられる CT検査 ・骨との関係や石灰化の有無などを調べるのに適している ・軟部組織の描出はMRIに劣る レントゲン(単純X線)検査 ・基本的にガングリオンは映らない ・骨に異常がないか、または石灰化を伴う腫瘍でないかを確認するために行われる これらの画像検査の結果、とくに超音波検査やMRI検査で内部が液体であることが確認できれば、ガングリオンと診断されます。 逆に、内部が固形成分であったり、周囲の組織へ広がっている様子が見られたりする場合は、悪性腫瘍の可能性が疑われます。 ガングリオンと悪性腫瘍の基礎知識|治療法の違い ガングリオンは基本的に良性の「袋」であり、悪性腫瘍は命に関わる可能性のある細胞の「異常増殖」です。 両者は根本的に性質が異なり、したがって治療法や緊急性も大きく異なります。 ガングリオンとは 悪性腫瘍とは 治療アプローチの違い 以下では、それぞれの定義とどのような治療が行われるのかの違いについて解説していきます。 ガングリオンとは ガングリオンとは、関節や腱の近くにできる、ゼリー状の液体が詰まった良性の「しこり(嚢胞)」のことです。 関節を包む「関節包」や腱を包む「腱鞘」とつながって発生し、内部には、関節液や腱鞘内の液体が濃縮された、粘り気のあるゼリー状の物質が詰まっています。 多くは手首や手の甲、指の付け根などにできますが、足首や膝など他の関節にできることもあります。 基本的には良性であり、ガングリオン自体が「がん化」することはありません。 痛みなどの症状がない場合も多いですが、神経の近くにできて圧迫されると、痛みやしびれを引き起こすケースも見られます。 悪性腫瘍とは 悪性腫瘍とは、体内の正常な細胞が異常に増殖し続け、周囲の組織を破壊したり、他の臓器に転移したりする性質を持つ「腫瘍」のことを指します。 ガングリオンと見分けが必要となるのは、主に手足の皮下や筋肉内にできる「軟部肉腫(なんぶにくしゅ)」です。 良性の腫瘍(脂肪腫など)とは異なり、無秩序に増殖しながら周囲に染み込むように広がるのが特徴です。 さらに、血液やリンパの流れに乗って、肺などの遠くの臓器に「転移」する可能性もあります。 放置すると命に関わるため、早期に発見し、適切な治療を開始することが求められます。 治療アプローチの違い ガングリオンの多くが「経過観察」も選択肢となるのに対し、悪性腫瘍は「積極的な治療」が原則となる点に大きな違いがあります。 しこりが見つかった場合の標準的なアプローチは、以下のとおりです。 比較項目 ガングリオン 悪性腫瘍 治療の目的 ・痛みや機能障害、見た目などの症状改善 ・腫瘍を取り除き、「根治」と「転移の防止」を目指す 主な治療法 ・経過観察:症状がなければ様子見も可能 ・穿刺(せんし):注射器で内容物を吸い出す ・手術(摘出):症状が強い場合や再発を繰り返す場合に袋ごと切除 ・手術:腫瘍と周囲の正常組織を広範囲に切除 ・放射線治療:手術前後で再発防止のために行う ・化学療法(抗がん剤):転移がある場合や手術が難しい場合に用いる 緊急性 ・無症状の場合、緊急性は低い ・緊急性は非常に高く、すぐに医療機関を受診する それぞれの治療方針は、その性質(良性か悪性か)によって根本的に異なります。 上記のように、良性であるガングリオンの治療は、生活の質(QOL)の向上を目指すもので、無症状の場合は経過観察も可能です。 一方、悪性腫瘍の治療は命を守るために行うものであり、早期発見・早期治療が重要となります。 ガングリオンと悪性腫瘍についてよくある質問 本章では、多くの方が抱く「悪性化」の心配や痛みが出た時の対処法など、よくある質問についてお答えします。 ガングリオンが悪性の場合どうなる? ガングリオンが痛い時の対処法は? ガングリオンと似た症状の病気は? しこりを見つけた際に抱きがちな、上記のような不安や疑問を解消し、適切に行動するための知識を整理しておきましょう。 ガングリオンが悪性の場合どうなる? ガングリオンは良性の嚢胞(のうほう)であり、それ自体が悪性化(がん化)することはありません。 医学的に「ガングリオン」と診断されたものは、中身がゼリー状の液体であり、腫瘍細胞の異常増殖である「がん」とは根本的に異なります。 したがって、ガングリオンが時間経過とともに悪性腫瘍に変化するということは考えにくいです。 「ガングリオンが悪性だったら」という心配は、多くの場合、「ガングリオンだと思っていたしこりが実は最初から悪性腫瘍だった」というケースが考えられます。 両者は発生の原因も性質も全くの別物なので、自己判断せずに画像検査などで正確な診断を受けましょう。 ガングリオンが痛い時の対処法は? ガングリオンによる痛みがある場合、まずは安静を心がけることが重要です。 周囲の神経圧迫による痛みである可能性が高く、無理に動かすと袋の中の圧力が高まって痛みが強まることもあるため、まずは負担をかけないようにしましょう。 安静にしても痛みが改善しない、または日常生活に支障が出る場合は、医療機関での対処が選択肢となります。 自分でしこりを押し潰そうとするのは、神経や周囲の組織を傷つけるリスクがあるため避けるべきです。 ガングリオンの痛みが続く、あるいは強くなるようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。 ガングリオンと似た症状の病気は? ガングリオン以外にも、体にしこりを形成する病気はいくつか存在し、中には悪性腫瘍のように緊急を要するものも含まれます。 ガングリオンと間違われやすい、あるいは鑑別(見分けること)が必要な主な病気は、以下のとおりです。 病名 特徴 脂肪腫(しぼうしゅ) ・皮下にできる柔らかい脂肪の塊 ・ゆっくり大きくなる傾向がある 軟部肉腫(なんぶにくしゅ) ・手足の筋肉や脂肪、神経組織などに発生する ・初期は痛みがなく、しこりは硬い ・持続的に大きくなる アテローム(粉瘤) ・皮膚の下に袋ができ、垢や皮脂が溜まったもの ・感染すると赤く腫れる 腱鞘炎(けんしょうえん) ・腱鞘(腱を包むトンネル)が炎症を起こす病気 ・特定の動作で痛みや腫れが出る しこりができる病気は多岐にわたり、触った感覚や発生場所が似ていることもあります。 自己判断は難しく、中には緊急を要する悪性腫瘍である可能性もあるため、気になるしこりがあれば医療機関を受診しましょう。 ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるには画像検査が重要 ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるには、セルフチェックも一つの目安ですが、最終的な診断には画像検査が欠かせません。 まずは、それぞれの主な特徴を参考に、セルフチェックしてみましょう。 比較項目 ガングリオン 悪性腫瘍 硬さ ・柔らかいものから骨のように硬いものまでさまざま ・弾力性を感じることが多い ・石のように硬いことが多い ・弾力性があまりない傾向がある 動き ・押すと上下左右に少し動く(可動性がある)ことが多い ・動きにくい(可動性が乏しい)傾向がある 大きさ ・大きくなったり小さくなったりする ・自然に消えることもある ・基本的に小さくなることはない ・持続的に大きくなり続ける 痛み ・痛みがないことが多い ・神経の近くにできると圧迫して痛むこともある ・初期は痛みがないことが多い ・大きくなると痛みを伴う場合がある 医療機関では、超音波検査やMRI検査などの画像検査によって、ガングリオンか悪性腫瘍か診断されます。 悪性かどうか不安を抱えたまま過ごすよりも、まずは医療機関を受診し、正確な状態を把握することが安心への第一歩です。
2025.10.31 -
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手首や足首などにできたガングリオンが痛くなり、「どう対処したらいいの?」と不安に感じている方もいるのではないでしょうか。 痛いからといって、自分で無理に押し潰そうとしたり、強くマッサージしたりするのはかえって危険な場合があるため、適切な対処法を理解することが重要です。 本記事では、ガングリオンが痛いときに自宅でできる対処法から医療機関で受けられる治療について詳しく解説します。 正しい知識を身につけ、ご自身の症状に合った適切な対処法を見つけるための一助としてください。 ガングリオンが痛い時の対処法【自宅でできる】 ガングリオンに痛みが出た場合、自宅でもできる対処法を知りたい方も多いでしょう。 本章では、自宅でできる対処法として、以下の2つを紹介します。 安静にする 患部をアイシング(冷却)する ガングリオンによる痛みの主な原因は、ガングリオンが神経を圧迫したり、周囲の組織と擦れて炎症を起こしている可能性が考えられます。 上記の方法は、炎症を鎮めたり、神経への刺激を減らしたりするのに役立ちます。 ただし、これらはあくまで一時的な痛みの緩和策であり、ガングリオンそのものを治すものではない点を理解したうえで行いましょう。 安静にする ガングリオンが痛む場合、基本的な対処法は患部をできるだけ使わず、安静に保つことです。 患部を頻繁に動かすと、ガングリオンが周囲の組織や神経への圧迫を強め、痛みが悪化する可能性があります。 とくに以下のような動作は痛みを誘発しやすいため、意識的に避けるか、頻度を減らしましょう。 パソコンやスマホの長時間操作 重量物の持ち運び 手首や指を酷使するスポーツ 楽器の演奏 など また、手首や足首などの動きやすい関節にできている場合は、サポーターやテーピングで軽く固定し、動きを制限するのも一つの方法です。 ただし、強く締めすぎると血流を妨げてしまう恐れがあるため、圧迫しすぎないよう力加減には注意しましょう。 患部をアイシング(冷却)する ガングリオンの痛みだけでなく、患部周辺が腫れている場合は患部のアイシング(冷却)によって、症状が和らぐことがあります。 関節周辺にガングリオンができている場合、周辺組織と擦れて炎症を起こし、痛みや腫れが生じるケースが考えられます。 患部を冷やすことで炎症反応を鎮め、痛みを一時的に和らげる効果が期待できます。 氷のうやタオルに包んだ保冷剤を用意し、1回あたり15〜20分程度を目安に患部を冷やしましょう。 症状によっては冷やさずに温めた方が良いケースもあるため、事前に医療機関に相談してから実施することが推奨されます。 ガングリオンが痛い時の対処法でやってはいけないこと ガングリオンが痛む時に良かれと思って取った行動が、かえって症状を悪化させる場合があります。 とくに以下のような対処法はリスクを伴うため、避けた方が良いです。 ガングリオンを自分で押し潰す 患部に圧をかける 痛みがある状態を放置する なぜ上記の行動を避けるべきなのか、その理由を具体的に見ていきましょう。 ガングリオンを自分で押し潰す ガングリオンを自分で無理に押し潰そうとするのは、危険なので避けるべきです。 自分で潰すと新たな痛みやしびれを引き起こす可能性や、傷口から細菌が入って感染症(化膿)につながるケースも考えられます。 一時的に膨らみが消えても再発しやすいため、自分で潰すのはやめましょう。 患部に圧をかける ガングリオンを強くマッサージしたり、持続的に圧を加えたりする行為は避けましょう。 痛みがある時点で、ガングリオンが神経を圧迫したり、周辺組織で炎症が起きていたりする可能性が考えられます。 外部からさらに圧力を加えると、神経への刺激が増して痛みが強まる恐れがあります。 また、日常生活の中でも意図せずにガングリオンに負荷がかかってしまうケースもあるため、注意が必要です。 例えば、手首にガングリオンができた場合は、立ち上がるときに手をついたり、手首をひねったりする動作は避けましょう。 痛みがある状態を放置する 痛みが続いているにも関わらず、「そのうち治るだろう」と我慢して放置することも望ましくありません。 ガングリオン自体は良性のため、痛みがなければ放置しても問題ありません※。 ※出典:日本整形外科学会「ガングリオン」 しかし、痛みがある状態を我慢して放置すると、関節の動きが悪くなったり、他の筋肉に負担がかかったりして別の不調を招く恐れがあります。 また、まれにガングリオン以外の病気が隠れている可能性も否定できません。 痛みが続く場合は、自己判断で放置せず、医療機関で専門家の診断を受けることを検討しましょう。 ガングリオンが痛い時に医療機関で受けられる治療 セルフケアを試みてもガングリオンの痛みが続く、あるいは生活に支障が出る場合は、医療機関での治療を検討しましょう。 主な治療の選択肢には、以下の2つがあります。 注射器で中身を吸引する 手術によって摘出する 上記の方法にはそれぞれ特徴があるため、医師と相談しながらご自身の状況に合ったものを選びましょう。 注射器で中身を吸引する 注射器で中身を吸引する方法は、保存療法の中でも最初に行われることが多い治療法です。 ガングリオンに細い針を刺し、中に溜まっているゼリー状の液体を吸い出すことで、ガングリオンを小さくする効果が期待できます。 外来で比較的短時間で行えるのが利点ですが、吸引療法ではガングリオンの「袋」は残ってしまいます。 そのため、液体が再び溜まりやすく、再発する可能性が高い点は覚えておきましょう。 手術によって摘出する 再発を繰り返す、痛みが非常に強い、神経障害が出ている場合には、手術によるガングリオンの摘出が検討されます。 この治療は、ガングリオンを「袋」ごと、関節包につながる「根元」から切除する方法です。 袋自体を取り除くため、吸引に比べて再発する可能性が低いのが大きな利点といえます。 手術には患部を切開する方法や関節鏡(内視鏡)を用いる方法があり、吸引よりも体への負担はかかりますが、根本的な解決を目指せる治療法です。 ガングリオンが痛い時の対処法についてよくある質問 ガングリオンの痛みや対処法に関して、多くの方が抱く疑問について解説します。 ガングリオンを早く治す方法は? ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるには? それぞれ詳しく解説していきます。 ガングリオンを早く治す方法は? 現代の医療では、ガングリオンを確実に、かつ早く治す特効薬のような方法はありません。 本記事で紹介している安静やアイシングは痛みを和らげるための対処法であり、ガングリオン自体を消すものではない点を理解しておきましょう。 痛みが強く、早期の解決を望む場合は、医療機関に相談しましょう。 ガングリオンと悪性腫瘍を見分けるには? 自己判断でガングリオンと悪性腫瘍を見分けるのは困難ですが、ガングリオンは良性で悪性化は基本的にないと考えられており、一般的な特徴に違いが見られます。 特徴の違い ガングリオン 悪性腫瘍の可能性 硬さ 弾力がある 石のように硬い 表面 滑らか ゴツゴツしている 境界 はっきりしている 不明瞭 これらはあくまで目安であり、急速な変化が見られる場合や少しでも不安を感じる際は、自己判断せずに整形外科など専門医の診断を受けるようにしましょう。 ガングリオンが痛い時は正しい対処法を実施しましょう ガングリオンが痛む場合、自己判断で間違った対処をせず、正しい知識を持つことが大切です。 自宅でできる応急処置として、まずは患部を安静に保ち、患部周辺の腫れや熱感を伴う場合はアイシングで炎症を抑えるのが有効な場合があります。 逆に、自分で無理やり押し潰したり、強くマッサージしたりする行為は、神経損傷や感染症のリスクを伴うため避けましょう。 セルフケアで改善しない、あるいは痛みが強い場合は、整形外科を受診して専門家の診断を仰ぐと良いでしょう。 医療機関では注射器による吸引や、再発を防ぐための手術といった選択肢が検討されます。 当院リペアセルクリニックでは、炎症や神経損傷による痛みに効果が期待できる再生医療をご提供しています。 従来の治療では治せなかった疾患や症状の改善を期待できる場合もあるため、再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックまでご相談ください。
2025.10.31 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
「棚障害はどんな病気?」 「棚障害を治すにはどんな治療法がある?」 膝棚障害(タナ障害)とは、膝関節の「骨膜ひだ」が炎症を起こす疾患です。 膝を曲げ伸ばしするときに痛みが出たり、「ポキポキ」と音が鳴ったりする棚障害の原因や治し方を知りたいという方も多いでしょう。 本記事では、膝棚障害の具体的な症状や原因、治療法までを詳しく解説します。 ご自身の膝の状態を理解し、適切な対処法を見つけるために、ぜひ参考にしてください。 また、長引く膝の痛みには、再生医療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療に関する情報を無料で配信しています。 「膝の痛みを早く治したい」という方は、合わせてご覧ください。 膝棚障害(タナ障害)とはどのような病気? 膝棚障害(タナ障害)とは、膝関節を覆っている「滑膜ひだ」が炎症を起こし、痛みを引き起こす疾患です。 本章では、膝棚障害の主な症状や原因について解説します。 膝棚障害の主な症状 膝棚障害の主な原因 膝棚障害の診断方法 まずは、どのような症状が現れるのか、その原因は何か、そしてどう診断されるのかを詳しく解説します。 膝棚障害の主な症状 膝棚障害の主な症状は、以下のとおりです。 膝を曲げ伸ばししたときの痛み 引っかかり感(キャッチング) 動作時に「ポキポキ」「コキコキ」のような音が鳴る 炎症が起きている滑膜ひだが、膝の動きによって骨や軟骨に擦れたり挟まったりすることで、上記のような症状が現れます。 しかし、これらの症状は半月板損傷の初期症状でも見られるため、疑われる場合は医療機関を受診しましょう。 膝棚障害の主な原因 膝棚障害の主な原因は、以下のとおりです。 スポーツなどによる使いすぎ 膝への直接的な打撃 ランニング、ジャンプ、水泳など膝の曲げ伸ばしを繰り返し行うスポーツでは、反復的な摩擦が滑膜ひだの炎症を招く可能性があります。 上記のような負担が継続的に加わることで滑膜ひだが刺激され、炎症を起こすと痛みが生じます。 膝棚障害の診断方法 膝棚障害の診断は、主に医師による診察(問診や触診)と、MRIなどの画像検査を組み合わせて行われます。 診断プロセスは、一般的に以下の流れで進められます。 【問診・触診】 いつからどのような動作で痛むか、スポーツ歴などを確認 膝のお皿の内側など、痛みがある場所を押して確認(圧痛) 膝を動かして引っかかりやクリック音を再現するテスト 画像検査 詳細 X線(レントゲン) ・骨の異常(骨折や変形)がないかを確認する ・滑膜ひだそのものは写らない MRI検査 ・炎症を起こして厚くなった滑膜ひだや、関節内の水(関節水腫)の状態を確認する ・半月板や靭帯など、他の軟部組織の損傷がないかを確認するためにも用いる 超音波(エコー)検査 ・MRIと同様に、炎症を起こした滑膜ひだの状態を観察するために用いる 上記のように症状や膝の状態から膝棚障害が疑われるかを確認し、他の疾患(半月板損傷や軟骨損傷など)との見極めを行います。 これらの検査結果を総合的に判断し、他の疾患の可能性を排除した上で、膝棚障害として診断されます。 膝棚障害(タナ障害)かどうかセルフチェック ご自身の膝の痛みが膝棚障害によるものか、いくつかの症状を通じて確認する目安があります。 以下の項目に当てはまるものがないか、ご自身の膝の状態と照らし合わせてみてください。 膝のお皿(膝蓋骨)の内側を押すと痛みがある 階段の昇り降りなど膝の曲げ伸ばしをすると痛みがある 膝に引っかかり感がある これらの項目に複数当てはまる場合、膝棚障害の可能性が考えられます。 ただし、これはあくまで簡易的なチェックであり、正確な診断は医療機関で受けることが前提です。 似た症状の半月板損傷など他の疾患との見極めも必要になるため、気になる点があれば専門医に相談しましょう。 膝棚障害(タナ障害)の治し方|手術しない保存療法 膝棚障害の治療は、まず炎症を抑え、痛みの原因となっている膝への負担を減らす「保存療法」が基本です。 具体的な保存療法には、以下のようなアプローチが組み合わせて用いられます。 安静 物理療法 薬物療法 関節内注射 リハビリテーション 手術を選択する前に、これらの方法で症状の改善を目指します。 具体的にどのような治療法があるのか、詳しく見ていきましょう。 安静 膝棚障害の保存療法において基本となるのは、膝を安静に保つことです。 スポーツ活動や膝の曲げ伸ばしを多用する動作を一時的に中断し、膝にかかる負担を減らします。 日常生活でも、階段を避けてエレベーターを使用するなど、膝に負担がかかる動きを避ける工夫が必要です。 炎症が鎮まるまでの間、膝を休ませることが回復への第一歩となります。 物理療法 物理療法は、温熱や電気刺激などを利用して、膝の痛みや炎症を和らげる治療法です。 患部を温めるホットパック(温熱療法)や超音波治療、低周波治療(電気刺激)などが用いられます。 これらのアプローチは、膝周辺の血流を促し、硬くなった筋肉の緊張をほぐすことで、痛みの軽減を図ります。 リハビリテーションと並行して行われることもあります。 薬物療法 薬物療法では、痛みや炎症を抑えるために、飲み薬や貼り薬、塗り薬などが用いられます。 主に「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」が処方されるのが一般的です。 これにより、滑膜ひだの炎症を鎮め、膝の痛みを軽減させる効果が期待できます。 症状が強い時期には、他の治療と組み合わせて活用されます。 関節内注射 関節内注射は、痛みが強い場合や、他の保存療法で改善しない場合に行われる治療法です。 主に、強力な抗炎症作用を持つステロイド剤や、関節の滑りを良くし軟骨を保護するヒアルロン酸ナトリウムなどが用いられます。 炎症を起こしている患部に注射することで、痛みを迅速に抑える効果が見込めます。 ただし、ステロイド注射は頻繁に行うと組織に影響を与える可能性もあるため、医師の判断のもと適切に行われます。 リハビリテーション リハビリテーションは、痛みが落ち着いた後の再発予防や、膝への負担を根本から見直すために行われます。 膝棚障害は、太ももの筋肉(大腿四頭筋)や股関節周りの柔軟性低下が原因で、滑膜ひだが膝に挟まりやすくなっているケースが少なくありません。 リハビリテーションでは、主に以下の2点に取り組みます。 リハビリテーション内容 目的 ストレッチング 太ももや股関節周りの筋肉の柔軟性を高め、膝がスムーズに動くようにする目的 筋力トレーニング 膝関節を支える筋肉(特に大腿四頭筋の内側)を鍛え、膝の動きを安定させる目的 これらの運動を通じて、滑膜ひだが骨と擦れにくい身体の使い方を習得し、膝への負担を軽減させていきます。 膝棚障害(タナ障害)で手術が検討されるケース 膝棚障害の手術は、数ヶ月にわたる保存療法を続けても痛みが改善せず、日常生活やスポーツ活動に大きな支障が出ている場合に検討されます。 具体的には、以下のようなケースで手術が選択肢となります。 保存療法を3〜6ヶ月継続しても効果がない 膝の痛みで歩行や階段の昇り降りが困難 手術は関節鏡と呼ばれる細いカメラを用いて、炎症を起こして厚くなった滑膜ひだを切除するのが一般的です。 傷も小さく治療できるため、身体への負担は比較的小さいとされています。 しかし、術後のリハビリや手術リスクから、「できるだけ手術を避けたい」という方も少なくありません。 近年の治療では、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の修復・再生を促す再生医療が注目されています。 手術や入院不要で治療を行えるため、早期復帰を目指したい方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 膝棚障害(タナ障害)に関するよくある質問 膝棚障害と診断された方や、その疑いがある方からよく寄せられる質問にお答えします。 ここでは、以下の2つの質問について解説します。 膝棚障害はストレッチで治る? 膝棚障害にサポーターは有効? それぞれの疑問について、詳しく見ていきましょう。 膝棚障害はストレッチで治る? 膝棚障害はストレッチだけで完治するわけではありません。 しかし、適切なストレッチを行うことで、症状の改善と再発予防において重要な役割を果たします。 膝棚障害の原因の一つとして、太ももの筋肉(大腿四頭筋)の柔軟性が低下していることで、膝のお皿の動きが悪くなり、滑膜ひだが挟まれやすくなることが挙げられます。 そのため、ストレッチによって太もも周りの筋肉の柔軟性を高めて、滑膜ひだが骨や軟骨と擦れることを減らすことが重要です。 治療中や痛みが引いた後のリハビリとして、継続的に行うと良いでしょう。 膝棚障害にサポーターは有効? 膝サポーターの活用は、膝棚障害の症状を和らげるうえで有効な場合があります。 サポーターの主な役割は、膝関節の安定性を高め、膝のお皿(膝蓋骨)の動きを適切にサポートすることです。 炎症が起きている時期にサポーターを装着すると、膝が不安定になるのを防ぎ、滑膜ひだへの不要な刺激を減らす助けになります。 また、運動を再開する際にも、膝への負担や不安感を軽減する効果が期待できるでしょう。 ただし、サポーターはあくまで補助的なものであり、炎症そのものを治すわけではないため、他の治療と組み合わせて使用することが大切です。 膝棚障害(タナ障害)を治すには再生医療も選択肢の一つ 膝棚障害(タナ障害)は、膝関節の内部にある滑膜ひだが炎症を起こし、痛みや引っかかり感を引き起こす疾患です。 治療は、まず安静を保ち、ストレッチなどのリハビリテーション、薬物療法、関節内注射といった「保存療法」で炎症を鎮めるのが基本となります。 多くの場合、これらの保存療法で症状の改善が期待できるでしょう。 しかし、数ヶ月にわたり保存療法を続けても痛みが改善しない場合や、日常生活への支障が続く場合には、関節鏡を使った滑膜ひだの切除手術が検討されます。 近年の治療では、従来の手術や保存療法に加え、手術を避けたい方や、なかなか改善しない方のためのアプローチとして「再生医療」という選択肢も注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の修復・再生を促す医療技術です。 長引く膝の痛みを治したい方は、ぜひ再生医療専門クリニックである当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 >当院の再生医療による膝関節の症例はこちら
2025.10.31 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞は突然発症し、適切な治療を受けないと重篤な後遺症が残る可能性がある疾患です。 脳梗塞を発症したご家族の看護について、どのようにサポートすればよいか悩まれている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞の病期ごとの看護計画や、ご家族が退院後にできる具体的なサポート方法を解説します。 脳梗塞の看護で困っている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは脳梗塞の後遺症改善や再発予防の選択肢「再生医療」に関する情報をLINEで発信しております。 脳梗塞の後遺症に関する改善症例も紹介しておりますので、ぜひ登録してください。 脳梗塞の看護計画とケアのポイント 脳梗塞の看護は、発症からの時期によって治療方針や看護内容が異なります。 医療機関では、発症直後と3つの病期に分けられ、それぞれの段階で適切な治療とケアを行われます。 発症直後 急性期 回復期 慢性期 各段階での看護内容を理解することで、ご家族として患者さまがどのような状況にあるのかを把握できます。 発症直後 脳梗塞の発症直後は、生命に関わる最も危険な時期です。 脳の血管が詰まると、脳細胞に酸素や栄養が届かなくなり、時間とともに細胞が壊死していきます。 後遺症を減らすためにも、一刻も早く血流を再開させる治療を始めることが重要です。 脳梗塞の発症直後に医療機関で行われる主な治療は、以下の2つです。 治療法 内容 t-PA療法 発症から4.5時間以内であれば、血栓を溶かす薬を点滴で投与します。 血栓回収療法 カテーテルという細い管を血管に入れて、直接血栓を取り除きます。原則として発症から8時間以内、状態によっては24時間以内まで可能です。 この時期は、意識の状態、呼吸、血圧、脈拍などを常に確認しながら、症状の変化に注意深く対応します。 食べ物や飲み物が誤って気管に入らないよう、飲み込む力を確認してから食事を開始します。 急性期 急性期は全身の状態が安定しておらず、まだ症状が変化する可能性がある段階(1~2週間が目安)です。 医療機関では、状態が急に悪くなるリスクに注意しながら、全身の管理を行います。 医療スタッフが重点的に確認する項目は、以下のとおりです。 意識の状態(呼びかけに反応するか、会話ができるか) 呼吸の様子 血圧の変動 体温 手足の動き 皮膚の状態 この時期に注意すべきは、廃用症候群の予防です。 廃用症候群とは、筋肉が弱くなる、関節が固まる、肺炎や床ずれが起きやすくなる、といった身体機能の低下を指します。 これを防ぐため、医師の許可が出れば発症から48時間以内にリハビリを開始します。 回復期 発症後2週間から6ヶ月目までの期間を指す回復期は、全身状態が安定し、日常生活の動作を取り戻すための積極的なリハビリを行う時期です。 歩行訓練、手足の運動、言語訓練、飲み込みの訓練など、患者さまの状態に合わせたリハビリを毎日行います。 看護では、リハビリをサポートしながら以下の点を重点的に管理します。 食事の飲み込みの確認と栄養状態の管理 床ずれの予防と皮膚の清潔保持 排泄機能の回復支援 手足の麻痺や感覚障害の観察 心理的なサポート(不安や落ち込みへの対応) 適切なリハビリと看護により、多くの患者さまが日常生活動作の改善を実感できる時期です。 慢性期 慢性期は、退院に向けた準備を本格的に進める時期です。 患者さまの健康管理を続けながら、以下の点を重視した看護を行います。 退院後の日常生活をどう送るかの支援 ご家族への説明とアドバイス 不安や心配に対する心のケア わからないことや気になることがあれば、遠慮せずに医師や看護師に相談してください。 また、脳梗塞は再発しやすい病気のため、血圧の管理や生活習慣の改善などの再発防止対策を行うことも重要です。 脳梗塞の患者さまを看護するときに家族ができること 脳梗塞の患者さまが退院した後、ご家族が自宅でできる具体的な看護方法を紹介します。 日常生活のサポート 生活環境の整備 専門家に頼ることも検討 これらのサポートを適切に行うことで、患者さまの回復を促し、ご家族の負担も軽減できます。 日常生活のサポート 退院後の日常生活では、すべてを代わりにやってしまうと回復が遅れる可能性があるため、できることは患者さま自身に行ってもらうことが大切です。 主なサポート内容は、以下のとおりです。 サポート項目 具体的な内容 食事 ・食べ物を小さく切る、とろみをつける ・姿勢を正してゆっくり食べてもらう ・誤嚥防止のため食事中は目を離さない 入浴 ・手すりの使用、転倒に注意 ・麻痺側を優しく洗い、皮膚状態を確認 ・必要に応じて訪問入浴サービスを利用 排泄 ・トイレで排泄できる環境を整える ・ポータブルトイレの設置を検討 ・尊厳を守りながらサポート リハビリ ・病院で教わった運動を継続 ・無理のない範囲で毎日続ける 心理面 ・話を聞いて共感する ・小さな回復も一緒に喜ぶ 生活環境の整備 自宅での生活を安全で快適にするためには、生活環境の整備が必要です。 とくに転倒防止のためにできる工夫として、以下があります。 床に物を置かない 廊下やトイレ・浴室に手すりを設置する 照明を明るくして夜間も足元が見えるようにする 段差をなくす、滑りにくいスリッパや靴を使う カーペットを固定する 介護保険を利用すれば、住宅改修費用や介護用品の補助を受けられる場合があります。 ケアマネージャーや自治体の窓口に相談してください。 専門家に頼ることも検討 ご家族だけで看護を続けることは、身体的にも精神的にも大きな負担になります。 以下のような専門家に頼ることは決して悪いことではなく、むしろ患者さまとご家族の両方にとって良い選択です。 サービス 内容 ソーシャルワーカー 退院後の生活や介護サービス、介護保険の申請方法など幅広い相談が可能 訪問看護 看護師が自宅を訪問し、健康状態の確認や医療処置、薬の管理を実施 訪問リハビリ 理学療法士や作業療法士が自宅でリハビリを指導 デイサービス 日中、施設で食事や入浴、リハビリなどを受けられ、交流の機会にもなる 一人で抱え込まず、専門家やサービスを上手に活用しましょう。 脳梗塞の看護についてよくある質問 脳梗塞の看護についてよくある質問を紹介します。 脳梗塞の看護の役割は? 脳梗塞の看護における観察項目は? 患者さまやご家族が抱える疑問を解消し、適切なケアにお役立てください。 脳梗塞の看護の役割は? 脳梗塞の看護の役割は、患者さまの生命を守り、合併症を予防し、機能回復を支援することです。 具体的には、意識状態や呼吸、血圧などの全身状態を管理し、異常があれば迅速に対応します。 患者さまやご家族の不安に寄り添い、前向きな気持ちを保てるような心理的なケアも重要な役割です。 脳梗塞の看護における観察項目は? 脳梗塞の看護における主な観察項目は、以下のとおりです。 意識の状態(目を開けるか、反応があるか、話せるか) 呼吸の状態(息苦しさがないか、呼吸のリズムは正常か) 血圧と脈拍(血圧が高すぎたり低すぎたりしていないか) 体温(発熱していないか) 手足の動き(麻痺の程度、筋力の変化) 言葉の状態(言葉が出るか、理解できるか) 飲み込む力(食事や水分を安全に摂取できるか) 排尿・排便の状態 皮膚の状態(床ずれができていないか) 精神状態(不安や落ち込みがないか) これらの項目を定期的に確認することで、症状の変化を早期に発見し、適切な対応ができます。 脳梗塞の看護で困ったことは専門家に相談することが大切 脳梗塞の看護は、病期によって治療方針やケアのポイントが異なります。 発症直後から急性期、回復期、慢性期と段階を追って、医療スタッフが適切な治療とケアを行います。 退院後は、ご家族が日常生活のサポート、生活環境の整備、専門家への相談などを通じて患者さまを支えることが大切です。 しかし、すべてを一人で抱え込む必要はありません。 訪問看護やデイサービスなどのサービスを活用し、専門家に頼ることも大切な選択です。 また、脳梗塞の後遺症改善や再発予防の選択肢として、再生医療をご検討ください。 再生医療は、患者さま自身の細胞を使って損傷した組織を再生させる医療技術で、脳梗塞のリハビリとの併用が可能です。 当院「リペアセルクリニック」では、患者さまの状態にあわせて治療方針を提案いたします。 リハビリ以外の治療法をお探しの方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >当院の再生医療による脳梗塞の症例はこちら
2025.10.31 -
- 股関節
ランニングやサッカーの後、あるいは妊娠・出産後に足の付け根や下腹部に原因のわからない痛みを感じていませんか。 上記のような恥骨周辺の痛みや違和感は、「恥骨結合炎」が疑われます。 恥骨結合炎は、悪化すると歩くのもつらくなるなど、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があるため、早期に治療を受けることが重要です。 本記事では、恥骨結合炎の主な症状や原因、受診すべき診療科について詳しく解説しています。 従来の治療法に加えて、近年では炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す「再生医療」も選択肢の一つです。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の治療法や症例について配信しているので、ぜひご登録ください。 恥骨結合炎(恥骨炎)とは|主な症状 恥骨結合炎とは、骨盤の前方で左右の恥骨をつないでいる軟骨組織「恥骨結合」に炎症が起きる疾患です。 主な症状は、以下のとおりです。 恥骨結合炎の主な症状 恥骨部、鼠径部、下腹部の痛み 立ち上がりや歩行など、動作時の痛み 太ももや背中など、患部とは異なる部位への放散痛 まれに細菌感染による発熱 初期症状は運動後の違和感や鈍い痛みですが、悪化すると歩くのもつらくなるなど、日常生活に支障をきたす可能性があります。 上記のような症状が見られた場合、恥骨結合炎が疑われるため、早期に医療機関を受診しましょう。 恥骨結合炎(恥骨炎)の原因3つ 恥骨結合炎を引き起こす原因は、主に以下の3つです。 妊娠・出産 激しい運動の繰り返し 外傷や手術後の合併症 以下では、それぞれの原因について詳しく解説します。 妊娠・出産 妊娠・出産は、女性が恥骨結合炎を発症する要因の一つです。 妊娠後期になると、出産準備のために骨盤の靭帯の伸展性が高まる「リラキシン」というホルモンが分泌されます。 その影響で恥骨結合も緩んで不安定になり、大きくなった子宮の重みで負担がかかります。 特に出産の際に赤ちゃんが産道を通るとき、恥骨結合が大きく引き伸ばされて炎症を起こすことで、強い痛みを感じる場合があります。 産後、骨盤が不安定な状態での育児も、症状を悪化させる一因です。 激しい運動の繰り返し 恥骨結合炎は、スポーツ選手に多く見られるスポーツ障害の一種です。 ランニングやジャンプ、サッカーのキック動作など、同じ動きを繰り返すことで恥骨結合に過度な負担がかかるのが原因です。 また、股関節周辺の筋力や柔軟性の不足、急激なトレーニング量の増加によって、恥骨結合への負担が増大するため注意しましょう。 初めは運動後の違和感だけでも、無理に運動を続けると慢性的な痛みに変わる可能性があります。 外傷や手術後の合併症 頻度は低いですが、ケガや手術が原因で恥骨結合炎になる場合もあります。 例えば、転倒や事故で骨盤に強い衝撃が加わり、恥骨結合を直接損傷してしまうケースです。 また、まれな原因として、婦人科や泌尿器科などの手術後の細菌感染によって発症する「化膿性恥骨結合炎」もあります。 この場合は、恥骨周辺の痛みに加えて発熱するのが特徴で、速やかに医療機関を受診する必要があります。 【何科に行く?】恥骨結合炎(恥骨炎)の診断方法 恥骨結合炎が疑われるときは、症状に合わせて適切な診療科を選ぶのが早期回復への第一歩です。 受診すべき診療科 整形外科:運動や歩行など、体を動かすと痛む場合 泌尿器科:発熱+排尿時痛 婦人科:妊娠中・産後の骨盤痛 基本的には、骨や筋肉の専門である整形外科を受診しましょう。 また、主な診断方法は、問診、触診、画像検査を組み合わせて総合的に行います。 検査の種類 内容 触診 医師が恥骨周辺を直接触れて、痛みの場所や程度、どのような動きで痛むかを確認 MRI検査 骨やその周りの筋肉の炎症を詳しく見ることができ、恥骨結合炎の診断に欠かせない検査 レントゲン・CT検査 骨の変形やズレがないかを確認 これらの検査結果をもとに、医師が恥骨結合炎かどうかを正確に診断します。 運動時の恥骨周辺の痛みが長引いている方や発熱を伴う恥骨痛が見られる方は、早期に医療機関を受診しましょう。 恥骨結合炎(恥骨炎)による痛みの対処法 恥骨結合炎の痛みに対処するには、炎症の程度や時期に合わせたセルフケアが有効です。 負担を避けて安静にする 骨盤ベルトを装着する ストレッチや筋トレを行う まずは炎症を抑えることから始め、回復期には再発を防ぐための体づくりへと移っていきます。 負担を避けて安静にする 恥骨結合炎の治療で基本となるのは、患部に負担をかけず安静にすることです。 ランニングやジャンプ動作を繰り返し、股関節への負担が大きいスポーツは完全に中止しましょう。 日常生活でも、足を大きく開いたり、片足立ちになったりする動作は、症状悪化を招くため避けるべきです。 しかし、完全安静は筋力低下につながるため、推奨されていません。 痛みを悪化させる活動を避けつつ、日常生活は可能な範囲で継続することが重要です。 骨盤ベルトを装着する 骨盤ベルトの装着は、痛みを和らげるための有効な手段の一つで、妊娠・出産後などで骨盤が不安定になっている場合に推奨されます。 骨盤ベルトは、緩んだ骨盤を外側から支えて安定させる役割を持ちます。 装着すると、歩いたり立ち上がったりする際に恥骨結合にかかる負担が軽減され、痛みが和らぐ効果が期待できます。 ただし、強く締めすぎると血行不良の原因になるため、適切な位置に正しい強さで装着しましょう。 以下の記事では、股関節と骨盤の関係性について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 ストレッチや筋トレを行う 痛みが落ち着いてきたら、再発予防のためにストレッチや筋力トレーニングを行うことも重要です。 ケアの種類 詳細 ストレッチ ・硬くなった筋肉の柔軟性を取り戻すのが目的 ・股関節周辺だけでなく、お腹や太ももの内側の筋肉を伸ばす 筋力トレーニング ・骨盤の安定性を高めるのが目的 ・お尻の筋肉や体幹を鍛えるトレーニングが有効 ・体への負荷が少ない水中ウォーキングもおすすめ これらのケアで骨盤周りの筋肉のバランスを整えることで、恥骨結合にかかる負担が分散され、症状の改善と再発予防につながります。 しかし、発症直後の炎症が強い時期に行うと逆効果になる可能性があるため、必ず痛みのない範囲で始めてください。 恥骨結合炎(恥骨炎)の治し方|主な治療法 恥骨結合炎の治療は、症状の重さや原因に応じて、「非外科的治療」と「外科的治療」の2つが検討されます。 非外科的治療 外科的治療 ほとんどの場合、まずは非外科的治療から開始されます。 非外科的治療 非外科的治療は、恥骨結合炎の治療で最初に選択される治療法です。 主な治療目的は、患部の炎症を鎮めて痛みを和らげ、再発を防ぐための体の機能を取り戻すことです。 以下のような保存療法を組み合わせて治療を行います。 治療法 内容 安静・活動制限 痛みの原因となるスポーツ活動などを中止し、患部に負担をかけないようにする 薬物療法 痛みや炎症を抑えるために、飲み薬や湿布薬を使用する 物理療法 痛みが強い急性期に、患部を冷やして(アイシング)炎症を抑える リハビリテーション 痛みが落ち着いたら、ストレッチや筋トレで骨盤周りの筋肉の柔軟性を高め、安定させる 装具療法(骨盤ベルト) 骨盤を固定して恥骨結合への負担を減らし、痛みを和らげる 適切な治療により、約8割の方が3〜6ヶ月程度で日常生活だけでなく、スポーツ復帰も可能なレベルまで改善します。 しかし、治療を継続しても症状が長引くケースや、再発するリスクもあるため、焦らずに治療を続ける姿勢が求められます。 外科的治療 非外科的治療を3〜6ヶ月継続しても症状が改善しない場合や、重症例では外科的治療が検討されます。 主な治療法は、以下のとおりです。 主な外科的治療 運動器カテーテル治療(血管塞栓術):慢性的な痛みの原因となる異常血管を塞ぐ 内視鏡的恥骨結合掻爬術:内視鏡を用いて、炎症を起こしている組織を取り除く手術 その他の手術:筋肉の腱を切り離す手術や、恥骨結合部を削る手術など 従来の治療では重症例に対して、お腹を切る開腹手術が一般的でしたが、近年では内視鏡を用いてお腹を切らずに手術を行う方法もあります。 症状や重症度に応じて適切なアプローチが異なるため、医療機関と相談したうえで納得できる治療法を選択しましょう。 恥骨結合炎(恥骨炎)に関してよくある質問 本章では、恥骨結合炎について多くの方が疑問に思う点にお答えします。 恥骨結合炎はどこが痛い? 恥骨結合炎はどのくらいで治る? 痛みの具体的な場所や、治るまでにかかる期間について正しく理解し、不安を解消しましょう。 恥骨結合炎はどこが痛い? 恥骨結合炎の痛みは、主に骨盤の前方中央、おへその下あたりにある「恥骨結合」という部分に生じます。 この部分を指で押すと強い痛みを感じるのが、恥骨結合炎の特徴です。 痛みは中心部だけでなく、その周辺にも広がります。 痛みが広がりやすい場所 鼠径部(そけいぶ) 下腹部 太ももの内側 会陰部(えいんぶ) 人によっては背中やすねにまで痛みが及ぶ場合もあります。 とくに、ランニングやキック動作、寝返りを打つときなど、恥骨結合に負担がかかる動きで痛みは悪化する傾向があります。 恥骨結合炎はどのくらいで治る? 恥骨結合炎の治癒までにかかる期間は、症状や治療法によって異なるため、一概に「この期間で治る」とは言えません。 治療期間の目安は、以下を参考にしてください。 症状の重さ 治癒期間の目安 軽症 適切な治療により、6〜12週間で日常生活への復帰が可能 中等度 約8割の方が3〜6ヶ月の治療期間を経て、日常生活およびスポーツ復帰が可能 重症・慢性化 治療期間は長引く傾向にあり、6ヶ月以上かかるケースもある 痛みが改善した後でも筋力や柔軟性を取り戻すためのリハビリ期間が必要です。 上記の治療期間はあくまで参考程度に捉え、焦らずに治療を続けることが重要です。 つらい恥骨結合炎(恥骨炎)には再生医療をご検討ください 恥骨結合炎はスポーツや妊娠・出産をきっかけに発症します。 適切な治療を受けずに放置してしまうと、症状が長引いたり、再発を繰り返したりするケースも少なくありません。 症状の重さや原因に応じて、「非外科的治療」と「外科的治療」の2つの治療法があるため、医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 また、近年の治療では、手術せずに根本的な改善を目指せる「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の血液や細胞を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 長引く痛みにお悩みの方は、根本的な改善を目指せる可能性がありますので、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.10.31 -
- 腰
椎間板ヘルニアによるつらい痛みやしびれで、「仕事に集中できない」「日常生活もままならない」とお悩みの方も多いでしょう。 適切なストレッチで硬くなった筋肉をほぐすことで、症状を緩和する効果が期待できます。 しかし、やり方を間違えると症状を悪化させる危険性もあるため、正しい手順と注意点を理解しておくことが重要です。 本記事では、椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ方法や注意点について詳しく解説します。 しかし、正しいストレッチを継続したとしても、椎間板ヘルニアの根本的な治療にはなりません。 近年の治療では、損傷した神経にアプローチすることで椎間板ヘルニアの根治を目指す「再生医療」が注目されています。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の治療法や症例に関する情報を配信しているので、併せてご覧ください。 椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ方法 椎間板ヘルニアの症状を和らげるには、硬くなった腰周りの筋肉をほぐすストレッチが効果的です。 体をひねるストレッチ 両足を抱えるストレッチ 腰を上げるストレッチ 太もも裏を伸ばすストレッチ 筋肉の柔軟性を高めて血行を促すことで、椎間板への負担が軽くなり、痛みの緩和が期待できます。 以下では、各ストレッチの手順やポイントを解説していきます。 体をひねるストレッチ 体をひねるストレッチは、腰周りの筋肉の柔軟性を高め、背骨の動きをスムーズにする効果が期待できます。 以下の手順でストレッチを行いましょう。 【体をひねるストレッチの手順】 仰向けに寝て、両膝を立てる 両腕を体の横に広げ、手のひらを床につける 息を吐きながら、両肩が床から離れないように両膝をゆっくり右側に倒す 倒した状態で10〜30秒ほど姿勢を保つ ゆっくりと元の姿勢に戻り、反対側も同じように行う 膝を倒すときは、勢いをつけずにゆっくりとした動作で行いましょう。 腰回りの筋肉が心地よく伸びているのを感じながら、深い呼吸を続けるのがポイントです。 腰周辺の柔軟性が向上することで椎間板への負担が軽減され、痛みやしびれの緩和につながります。 両足を抱えるストレッチ 両足を抱えるストレッチは、腰から背中にかけての深層筋の緊張を和らげ、痛みの軽減に効果が期待できます。 以下の手順でストレッチを行いましょう。 【両足を抱えるストレッチの手順】 仰向けに寝て、両膝を曲げる 両手で両膝を抱え、息を吐きながらゆっくりと胸に引き寄せる 腰やお尻の筋肉が伸びているのを感じる位置で5〜10秒間姿勢を保つ ゆっくりと元の姿勢に戻る 息を吐きながら膝を引き寄せると、筋肉がリラックスしやすくなります。 痛みを感じるほど強く引き寄せる必要はないので、心地よいと感じる範囲で行いましょう。 椎間板への圧迫を緩め、神経への負担を軽減することで、腰痛などの緩和につながります。 腰を上げるストレッチ 腰を上げるストレッチは、腹筋などを強化して腰を安定させる効果が期待できます。 とくに「反り腰」の方におすすめです。 【腰を上げるストレッチの手順】 仰向けになり、両膝を90度以上に曲げて立てる 背中を床に押し付けるイメージで、お尻をゆっくりと持ち上げる お尻が少し浮いた状態で5秒間止める ゆっくりと元の姿勢に戻る 腰が反らないように常にお腹に力を入れ、背中を床に押し付ける意識をしてください。 腰に痛みがある場合は、無理のない範囲で行いましょう。 腰椎を支える体幹が強くなることで、椎間板への負担が減り、痛みの改善につながります。 太もも裏を伸ばすストレッチ 太もも裏の筋肉(ハムストリングス)を伸ばすストレッチは、腰への負担を減らす効果が期待できます。 太もも裏が硬いと骨盤が後ろに傾き、腰椎への負担が増加するため、以下のストレッチで骨盤のバランスを整えましょう。 【太もも裏を伸ばすストレッチの手順】 仰向けに寝て、片方の足の裏にタオルをかける タオルの両端を持ち、息を吐きながら膝を伸ばした状態で足をゆっくりと持ち上げる 太ももの裏が伸びるのを感じながら、10〜30秒程度姿勢を保つ ゆっくりと足を下ろし、反対側の足も同じように行う 膝をできるだけ伸ばし、つま先を顔の方へ引き寄せると、より効果的です。 お風呂上がりなど体が温まっている時に行うのがおすすめです。 椎間板ヘルニアのストレッチで悪化を防ぐための注意点 椎間板ヘルニアのストレッチは、痛みの緩和に効果が期待できる一方、やり方を間違えると症状を悪化させる危険性もあります。 痛みやしびれを感じたら中止する 過度な負荷をかけない それぞれの注意点について詳しく解説します。 以下の記事では、ぎっくり腰と椎間板ヘルニアの違いについて詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 痛みやしびれを感じたら中止する ストレッチの途中で痛みやしびれが強くなったり、普段とは違う鋭い痛みを感じたりした場合は、すぐに中止してください。 無理にストレッチを続けると、症状が悪化する恐れがあります。 ストレッチは、痛みを我慢して行うものではなく、「心地よい」「気持ちいい」と感じる範囲で止めるのが基本です。 特に鋭い痛みを感じた場合は、危険なサインなので、すぐに中断して安静にしましょう。 以下の記事では、椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 過度な負荷をかけない 椎間板ヘルニアのストレッチでは、腰に過度な負荷をかける動きは逆効果です。 腰を無理に曲げたり、反らしたり、ひねったりする動きは、椎間板への圧力を高めて症状を悪化させる可能性があります。 また、反動をつけたり、勢いよく体を動かしたりする動作にも注意しましょう 最初は少ない回数から始め、正しいフォームを意識しながら、無理のない範囲で継続してください。 椎間板ヘルニアのストレッチ方法に関するよくある質問 椎間板ヘルニアの症状を和らげるためにストレッチを取り入れるにあたり、多くの方が持つ疑問にお答えします。 椎間板ヘルニアはストレッチで治る? 椎間板ヘルニアでやってはいけないストレッチは? 寝ながらできるストレッチはある? ストレッチの効果や注意点を正しく理解し、安全なセルフケアにつなげましょう。 椎間板ヘルニアはストレッチで治る? ストレッチだけで椎間板ヘルニアを完治させることはできません。 ストレッチの主な目的は、神経周りの筋肉の緊張を和らげ、血行を良くすることで痛みやしびれを緩和させることにあります。 飛び出してしまった椎間板そのものを元に戻す効果はありません。 しかし、ストレッチは症状の緩和や再発予防に有効な手段の一つです。 症状が改善しない場合や、強い痛みがある場合は、必ず医療機関を受診し、医師の診断を受けてください。 椎間板ヘルニアでやってはいけないストレッチは? 椎間板ヘルニアでは、症状を悪化させる可能性がある避けるべきストレッチがあります。 以下のような、腰に過度な負担をかけるストレッチは避けましょう。 やってはいけないストレッチの例 理由 腰を大きく丸める(前屈) 椎間板の後方に強い圧力をかけ、ヘルニアを悪化させる可能性がある 腰を過度に反らす 椎間板の後方に圧力を集中させ、神経圧迫を強める恐れがある 腰を強くひねる・反動をつける 椎間板や筋肉に予期せぬダメージを与え、症状を悪化させる原因になる 良かれと思って行ったストレッチが、逆効果になる場合もあります。 自己判断は避け、必ず専門家の指導のもとで適切なストレッチを実施しましょう。 寝ながらできるストレッチはある? 椎間板ヘルニアの方が寝ながらできるストレッチは、以下のとおりです。 寝ながらできるストレッチの例 体をひねるストレッチ 両足を抱えるストレッチ 太もも裏を伸ばすストレッチ 寝たままの姿勢は腰に余計な負担がかかりにくく、リラックスした状態で筋肉をほぐせます。 椎間板ヘルニアの根治を目指すなら再生医療をご検討ください ストレッチは硬くなった筋肉をほぐし、椎間板ヘルニアによる痛みやしびれを和らげる効果が期待できます。 しかし、痛みを感じる場合は無理に行わずに、患部に負担をかけないように安静を保ちましょう。 また、ストレッチは症状緩和には有効ですが、ストレッチだけで椎間板ヘルニアが完治するわけではない点に注意してください。 椎間板ヘルニアの根本的な改善を目指したい方は「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて、損傷した神経や組織の再生・修復を促す医療技術です。 手術をせずに痛みの原因となっている損傷した神経にアプローチできるため、椎間板ヘルニアの新しい治療の選択肢として注目されています。 「椎間板ヘルニアを根本的に治したい」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 以下の動画では、椎間板ヘルニアの再生医療について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/4AOGsB-m63Y?si=1rYAU5OQr1tCp-Hx >当院の再生医療による椎間板ヘルニアの症例はこちら
2025.10.31 -
- 半月板損傷
- ひざ関節
「半月板損傷」は、膝関節のクッションの役割を果たす半月板が損傷することで、痛みやひっかかり感を引き起こす疾患です。 日常生活の中でも痛みを感じることもあるため、早く治したいと考える方も多いでしょう。 本記事では、早期回復を目指すために半月板損傷でやってはいけないことや、日常生活での注意点を解説します。 従来の治療法に加えて、近年注目されている再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さま自身の細胞を活用して、損傷を受けた半月板の再生・修復を目指す治療法です。 症例や治療法について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで紹介しているので、併せてご覧ください。 半月板損傷でやってはいけないこと 半月板損傷を悪化させないためには、日常生活で避けるべき動作があります。 正常な回復を妨げる可能性がある動作は、以下のとおりです。 痛みを我慢して歩行や運動の継続 膝を深く曲げる動作 自己流のストレッチやマッサージ 肥満・急激な体重増加 不適切なサポーターの装着 それぞれ詳しく解説していきます。 痛みを我慢して歩行や運動の継続 半月板損傷による痛みを我慢して歩いたり運動を続けたりするのは、症状を悪化させる可能性があるため避けるべきです。 無理に動くと、損傷した半月板に繰り返し負担がかかり、炎症の悪化や断裂がさらに広がる可能性があります。 とくに、ランニングやジャンプ、急な方向転換が伴うスポーツは膝に大きな衝撃を与えるため、できるだけ控えましょう。 痛いときは無理をせず、安静にすることが早期回復への第一歩です。 膝を深く曲げる動作 膝を深く曲げる動作は、損傷した半月板への圧力を高めるため避けるべきです。 膝を90度以上に曲げると関節内部の圧力が高まり、半月板が骨に強く圧迫されてしまいます。 膝の曲げ伸ばしで引っかかりを感じたり、激痛で膝が動かなくなったりする「ロッキング」という症状を引き起こす原因にもなります。 避けるべき動作 理由 正座・あぐら 膝関節が深く曲がり、半月板を圧迫するため しゃがみ込み 体重が膝にかかった状態で深く曲げるため負担が大きい 和式トイレの使用 膝を深く曲げないと使用できないため 日本の生活習慣には、膝を深く曲げる動きが多くあります。 食事は高めの椅子を使う、就寝時はベッドにするなど、できるだけ洋式の生活スタイルに切り替えて膝への負担を減らしましょう。 自己流のストレッチやマッサージ 膝の痛みを和らげようと、自己流でストレッチやマッサージをするのは危険です。 専門的な知識がないまま行うケアは、かえって症状を悪化させる可能性があります。 痛みを我慢して無理に膝を曲げ伸ばししたり、強くねじったりすると、損傷した半月板にさらにダメージを与えてしまいます。 ストレッチなどのリハビリテーションは、個々の損傷の状態に合わせて専門家の指導のもと行いましょう。 肥満・急激な体重増加 体重の管理は、半月板損傷の回復と悪化予防に不可欠です。 体重が増えると、その分だけ膝関節にかかる物理的な負荷が大きくなり、損傷した半月板への圧迫が増します。 体重が1kg増えるだけで、歩行時の膝への負担は約3kgも増えるといわれます。 膝の痛みで運動量が減り、その結果体重が増える悪循環に陥らないよう、食事内容を見直して体重をコントロールしましょう。 不適切なサポーターの装着 膝サポーターは、正しく選んで使用しないと逆効果になる場合があります。 サポーター装着時の注意点 大きすぎるサイズ:固定力が得られず、膝が不安定になる 小さすぎるサイズ:血行を妨げ、むくみや痛みの原因になる 自分の膝に合わないサポーターの装着は、症状を悪化させる可能性があるため注意しましょう。 また、サポーター装着中も、医師の指導のもとで適切な運動療法を継続することが、筋力維持と回復促進に重要です。 半月板損傷になったら日常生活で注意すべきこと 半月板損傷の回復期には、絶対にやってはいけないこと以外にも、日常生活で注意したい動作があります。 階段の昇り降り 長時間の立ち仕事 過度の飲酒 無意識に行なっている行動が、膝への負担を増やしているかもしれません。 階段の昇り降り 階段の昇り降りは、膝に大きな負担をかけるため注意が必要です。 平地を歩くときよりも負担が大きくなり、階段の昇り降りによって膝に体重の4〜7倍の負荷がかかるといわれています。 特に階段を下りる動作は、着地の衝撃が直接膝に伝わりやすく、痛みや炎症を悪化させる可能性があります。 半月板損傷の治療中は、可能な限りエレベーターやエスカレーターを利用しましょう。 やむを得ず階段を使う場合は、手すりにつかまって体重を分散させたり、一段ずつゆっくり昇り降りしたりすると、膝への負担を軽減できます。 長時間の立ち仕事 長時間の立ち仕事は、膝関節に持続的な圧力をかけるため、症状を悪化させる原因になります。 ただ立っているだけでも、膝には体重による負荷がかかり続けています。 負荷が蓄積すると、膝関節の炎症が起きやすくなり、痛みや腫れが強まる場合があるため、適度な休憩が必要です。 30分に一度は座って休憩する、クッション性の高い靴やインソールを使用する、などの工夫を取り入れましょう。 以下の記事では、半月板損傷手術後に立ち仕事に復帰できるかについて詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 過度の飲酒 半月板損傷の治療中、過度の飲酒は正常な回復過程を妨げる可能性があるため、注意しましょう。 アルコールは、血管拡張作用により炎症の悪化や体重増加につながり、間接的に膝の健康を損なうリスクを高めます。 アルコールが膝に及ぼすリスク 具体的な影響 炎症の悪化 アルコールの代謝物が関節の腫れや痛みを助長する可能性がある 脱水による関節への影響 利尿作用で体内の水分が不足し、関節の潤滑性が低下する恐れがある 体重増加の誘因 カロリーが高いお酒は体重増加を招き、膝への物理的負荷を増やす アルコール摂取は、膝への負担を考えると多くのリスクを伴います。 飲酒は適量に留め、膝の回復を最優先に考えた生活を送ることが重要です。 半月板損傷の痛みを放置するリスク 半月板損傷による膝の痛みを「そのうち治るだろう」と軽く考えて放置してはいけません。 半月板は血流が乏しい組織のため、一度損傷すると自然に治るケースは少ないです。 痛みを我慢していると症状が悪化し、より深刻な膝のトラブルにつながる可能性があります。 放置するリスク 詳細 変形性膝関節症への進行 クッション機能が失われ、関節軟骨がすり減り、骨が変形して激しい痛みを引き起こす 痛みの慢性化 初期は軽かった痛みが長時間続くようになり、日常生活に支障をきたす 関節水腫の頻発 関節内の炎症が続き、膝に水が溜まる状態を繰り返す ロッキングの発生 損傷した半月板が関節に挟まり、膝が動かなくなる症状が起きやすくなる 放置して重症化すると、人工関節置換術などの大掛かりな治療しか選択できなくなる場合もあります。 また、将来的に変形性膝関節症に進行する可能性もあるため、重症化する前に適切な治療を受けることが重要です。 膝の痛みや違和感に気づいたら、自己判断で様子を見るのではなく、早めに医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、変形性膝関節症のステージ分類と進行度について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 半月板損傷の早期回復を目指すには|主な治療法 半月板損傷の治療法は、損傷の程度や場所、年齢、活動量などによって変わります。 保存療法 手術療法 再生医療 それぞれ詳しく解説します。 保存療法 保存療法は、手術をせずに痛みや炎症を抑え、膝の機能回復を目指す治療法です。 以下のような治療内容を組み合わせて行います。 安静 装具療法 リハビリテーション 薬物療法 関節内注射 炎症が落ち着くまでは患部の安静や固定を行い、徐々にリハビリテーションによる膝周辺の筋力・柔軟性向上を目指します。 痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤や湿布などで痛みや炎症を抑えます。 また、ヒアルロン酸の関節内注射を行う場合があります。 保存療法は半月板そのものを温存できるものの、半月板損傷を根本的に治す治療ではないため、注意が必要です。 手術療法 保存療法で改善が見られない場合や、断裂が大きくロッキング症状を繰り返す場合には、手術療法が検討されます。 主に関節鏡と呼ばれるカメラを用いて、半月板を縫合したり、切除したりする手術を行います。 手術法 概要 半月板縫合術 ・損傷した部分を特殊な糸で縫い合わせる ・半月板の機能を温存できる ・回復に時間がかかり、リハビリ期間が長い 半月板切除術 ・損傷して機能しなくなった部分を取り除く ・術後の回復が比較的早い ・将来的に変形性膝関節症のリスクが高まる 基本的には半月板を温存できる縫合術が望ましいですが、どちらの手術を選択するかは、損傷している箇所や形状などを考慮して慎重に判断されます。 以下の記事では、半月板損傷の手術をするデメリットについて詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 再生医療 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した半月板の再生・修復を促す医療技術です。 患者さま自身の脂肪から採取した細胞を使うため、アレルギーや拒絶反応などの副作用リスクが低い点が特徴です。 手術や入院を必要としない治療法のため、手術を避けたい方や手術を受けられない方に注目されています。 以下の動画では、当院リペアセルクリニックの再生医療を受けた半月板損傷の患者さまの症例を紹介しています。 https://youtu.be/9cTCpmWaqAI?si=8IQmQnYhVKsNFC1K 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 半月板損傷でやってはいけないことを守って早期回復を目指そう 痛みを我慢して運動を続けたり、膝を深く曲げたりする動作は、症状を悪化させるため避けるべきです。 【まとめ|半月板損傷でやってはいけないこと】 痛みを我慢して歩行や運動の継続 膝を深く曲げる動作 自己流のストレッチやマッサージ 肥満・急激な体重増加 不適切なサポーターの装着 上記のやってはいけないことをしっかりと守り、ご自身に合った治療法を選択して、一日も早い回復を目指しましょう。 治療法には保存療法や手術療法がありますが、手術をせずに半月板損傷の改善を目指せる「再生医療」も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した半月板の再生・修復を促す医療技術です。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.10.31 -
- 手
「デスクワーク中に手首を反らせると痛い」「転んで手をついてから、痛みが引かない」など、手首の痛みにお悩みではありませんか。 その痛みは、ただの使いすぎだけでなく、怪我や特定の疾患、さらには女性ホルモンの影響が隠れている可能性もあります。 原因を正しく理解できていないと、適切な処置ができずに症状が悪化したり、回復が遅れたりするかもしれません。 本記事では、手首を反らせると痛い時の原因やセルフチェック方法、治療法について詳しく解説します。 痛みの原因を理解し、適切な対処法を実践するために、ぜひ最後までご覧ください。 また、長引く痛みに対する新しい治療の選択肢として、近年注目されている「再生医療」についても紹介します。 再生医療に関する詳しい情報や症例は、当院リペアセルクリニックの公式LINEでも配信していますので、併せて参考にしてください。 手首を反らせると痛い主な原因3つ 手首を反らせたときに痛みを感じる場合、その原因は1つとは限りません。 転倒などの急な怪我だけでなく、日常生活での繰り返しの負担や、体内のホルモンバランスの変化が影響している可能性もあります。 捻挫や骨折などの怪我 使いすぎによる疾患 女性ホルモン減少による炎症 以下では、それぞれの原因について詳しく解説します。 捻挫や骨折などの怪我 手首を反らせるときの痛みの原因として、転倒して手をついたときなどの強い衝撃による捻挫や骨折が挙げられます。 急な外傷が原因の場合、以下のような怪我が考えられます。 怪我の種類 特徴 橈骨遠位端骨折 手首の親指側の骨折、強い痛みと腫れが生じる 舟状骨骨折 手首の小さな骨の骨折、レントゲン検査で骨折線を発見しにくい 捻挫 関節を支える靭帯の損傷(断裂)、放置すると不安定さが残る 舟状骨骨折はレントゲンで発見しにくく、放置すると骨癒合不全や偽関節が生じるリスクが高いです。 また、捻挫も靭帯の部分断裂や完全断裂の場合、放置すると関節の不安定性が残存し、将来的に関節の変形につながる場合があります。 強い衝撃を受けた後に手首が痛む場合は、自己判断せずに整形外科を受診しましょう。 使いすぎによる疾患 はっきりとした怪我の記憶がなくても、スマホやパソコンの操作、スポーツ、家事などで手首を繰り返し使うことで、痛みを引き起こす疾患を発症する場合があります。 手首を反らせたときの痛みの原因として考えられる疾患は、以下のとおりです。 ドケルバン病(腱鞘炎) TFCC損傷 ドケルバン病(腱鞘炎) ドケルバン病は、手首の親指側に痛みや腫れが生じる腱鞘炎の一種です。 親指を伸ばしたり広げたりする腱が、手首にあるトンネル状の腱鞘と擦れて炎症を起こします。 ドケルバン病の主な特徴 症状:手首の親指側の鋭い痛みや腫れ 原因:スマホ操作や育児など親指の酷使 発症しやすい人:妊娠・出産期や更年期の女性 物をつかんだり、親指を広げたりする動作で鋭い痛みが走るのが主な症状です。 親指側の痛みが続く場合は、ドケルバン病の可能性があります。 以下の記事では、ドケルバン病をはじめとする腱鞘炎の痛みについて詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 TFCC損傷 TFCC損傷は、手首の小指側に痛みが生じる疾患です。 TFCC(三角線維軟骨複合体)とは、手首の小指側にある軟骨や靭帯の集まりで、関節を安定させ、衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。 TFCC損傷の主な特徴 症状:手首をひねるときの小指側の鋭い痛み 原因:スポーツや転倒などの外傷、加齢 痛む動作:ドアノブを回す、タオルを絞る テニスやゴルフなどのスポーツや、転倒して手をついたときの外傷が主な原因となります。 また、生まれつきの骨格的な特徴によって、TFCCに負担がかかりやすく、損傷に至るケースも見られます。 手首をひねったときに小指側が痛む場合は、TFCC損傷の可能性があります。 以下の記事では、TFCC損傷を放置することのリスクについて解説しているので、併せて参考にしてください。 女性ホルモン減少による炎症 40代以降の女性に見られる手首の痛みには、女性ホルモンである「エストロゲン」の減少が関係している場合があります。 更年期や妊娠・出産期はエストロゲンが急激に減少するため、手の不調を訴える女性が多くなります。 女性ホルモン減少による手首への影響 時期:更年期や妊娠・出産期に起こりやすい 原因:エストロゲンが減り炎症を抑える力が弱まる 症状:腱鞘炎、関節の痛み、こわばり エストロゲンには、関節や腱を包む「滑膜」の炎症を調節する作用があり、その減少により腱鞘の浮腫や滑膜の腫脹が生じやすくなると考えられています。 手を酷使した覚えがないのに手首に痛みやこわばりが現れた場合、女性ホルモンが影響している可能性も疑いましょう。 手首を反らせると痛いときの症状セルフチェック方法 手首の親指側に痛みがある場合、ご自身でドケルバン病(腱鞘炎)の可能性を調べる簡単なセルフチェックが可能です。 ここでは、代表的な「フィンケルシュタインテスト」という方法の手順を解説します。 フィンケルシュタインテストの手順 親指を内側に入れて握りこぶしを作る そのまま手首をゆっくりと小指側に曲げる この動作を行ったときに、手首の親指の付け根あたりに鋭い痛みが走った場合、ドケルバン病の可能性が考えられます。 しかし、上記のテストはあくまで参考であり、確定診断には医師の診察が必要です。 陽性であっても他の疾患の可能性があるため、手首の痛みや違和感がある場合は、早期に医療機関を受診しましょう。 手首を反らせると痛いときの対処法 手首を反らせると痛みが生じる場合、症状を悪化させないための適切な初期対応が大切です。 基本となるのは、手首への負担を避けて「安静」にすることと、熱感や腫れがある場合の「アイシング(冷却)」です。 負担を避けて安静に保つ 患部をアイシング(冷却)する ただし、これらの対処はあくまで応急処置です。 痛みが改善しない、または悪化するようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。 負担を避けて安静に保つ 手首に痛みを感じるときに優先すべきなのは、患部を安静に保ち、負担をかける動作を避けることです。 手首の使いすぎが原因の場合、原因となる動作を中断しなければ、組織の修復が進まず症状は改善しません。 具体的には、以下のような対策が有効です。 対策の種類 具体的な方法 動作の回避 痛みを感じるパソコン作業やスマホ操作などを意識的に避ける 装具による固定 サポーターやテーピングで手首の動きを制限し、負担を軽減する 動作の工夫 床から立ち上がる際に、手のひらではなくグーの形で手をつく 安静にしていても痛みが続く場合は、他の原因も考えられるため医療機関に相談しましょう。 以下の記事では、手首が痛いときの筋トレについて解説しているので、併せて参考にしてください。 患部をアイシング(冷却)する 転んだりぶつけたりした直後で、患部に熱っぽさや腫れがある場合は、アイシング(冷却)が有効な応急処置となります。 血管を収縮させることで、炎症や痛みを和らげる効果が期待できます。 アイシングで期待できる効果 痛みの一時的な軽減(神経伝達の鈍化) 受傷直後の過剰な腫脹の抑制 アイシングする際は凍傷のリスクがあるため、氷嚢などをタオルで包み、1回15〜20分を目安に患部に当てます。 ただし、慢性的な痛みやこわばりには、温めて血行を良くする方が効果的な場合もあります。 急性期(怪我の直後)はアイシング、症状が落ち着いた慢性期は温めるのが一般的ですが、判断に迷う場合は自己判断せず専門医に相談しましょう。 手首を反らせると痛いときの治療法 手首を反らせたときの痛みに対する治療は、症状の程度や原因に応じて、手術を行わない「保存療法」と、外科的な処置を行う「手術療法」に分けられます。 保存療法 手術療法 どの治療法が適しているかは、ご自身の症状やライフスタイルによって異なります。 専門医と十分に相談し、納得のいく治療法を選択しましょう。 保存療法 保存療法は、手術以外の方法で症状の緩和や改善を図る治療法の総称です。 手首の痛みの治療では第一選択となり、多くの場合、以下の方法を組み合わせて症状改善を目指します。 治療法の種類 具体的な内容 安静と固定 痛みの原因となる動作を避け、サポーターなどで手首の動きを制限する 薬物療法 湿布や塗り薬、内服薬を使い、炎症を抑えて痛みを和らげる 注射療法 痛みが強い場合に、患部へステロイドを注射して強力に炎症を抑える リハビリテーション ストレッチや筋力強化で手首の柔軟性を取り戻し、再発を予防する しかし、保存療法は痛みなどの症状をコントロールする対症療法であり、原因を根本から治療できるわけではない点を理解しておきましょう。 手術療法 手術は、保存療法を3〜6ヶ月程度継続しても改善しない場合や日常生活に大きな支障がある場合に検討されます。 痛みの根本的な原因を物理的に取り除くことを目的とし、以下のような方法があります。 手術 内容 適応される疾患例 腱鞘切開術 厚くなった腱鞘を切り、腱の圧迫を取り除く ドケルバン病など 手根管開放術 神経を圧迫している靭帯を切り、圧迫を解除する 手根管症候群など 関節鏡視下手術 関節内のカメラで損傷部を確認し、靭帯や軟骨を修復する TFCC損傷など 近年では、内視鏡を使った傷口が小さく、身体への負担が少ない手術も行われています。 局所麻酔による日帰り手術が可能なケースもありますが、術後には一定期間の安静やリハビリテーションが必要です。 手首を反らせたときの痛みに関してよくある質問 ここでは、手首を反らせたときの痛みに関してよくある質問に回答していきます。 手首を反らせると痛いときは何科に行くべき? TFCC損傷はどのくらいで治る? ご自身の症状と照らし合わせ、適切な行動を取れるようにしましょう。 手首を反らせると痛いときは何科に行くべき? 手首に痛みを感じる場合、まずは整形外科を受診しましょう。 手首の痛みは、骨折や腱鞘炎など、骨・関節・靭帯といった運動器の疾患が原因であることが大半です。 特に、以下のような症状がある場合は、自己判断せずに早めに受診しましょう。 痛みが長期間続いている 患部に腫れやしびれがある 日常生活に支障が出ている 整形外科では、問診や触診のほか、レントゲンや超音波(エコー)検査で痛みの原因を特定します。 TFCC損傷はどのくらいで治る? TFCC損傷の治療期間は、損傷の重症度や治療法によって異なります。 治療法ごとの期間の目安は、以下のとおりです。 治療法 治癒までの目安 保存療法 数週間から3ヶ月程度 手術療法 3〜6ヶ月以上 軽度の損傷であれば、安静やサポーターによる固定といった保存療法で改善を目指します。 保存療法で症状が改善しない場合や、重度の靭帯断裂の場合には手術療法が検討されます。 上記の期間は、あくまで目安であり個人差がある点を理解しておきましょう。 手首を反らせると痛いときは再生医療をご検討ください 手首を反らせたときの痛みは、怪我や使いすぎ、ホルモンバランスの変化など、さまざまな原因で起こります。 痛みが続く場合は、まず整形外科を受診し、正確な診断を受けることが大切です。 保存療法や手術療法といった治療法で改善を目指すのが一般的ですが、近年の治療では再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、ご自身の細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 長引くつらい痛みに対して根本的な改善を目指したい方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。 >当院の再生医療による手関節の症例はこちら
2025.10.31 -
- その他
「プロテオグリカンを試しているけれど、あまり変化を感じない」と疑問に思っていませんか。 プロテオグリカンは関節や美容に良い成分として知られていますが、一方で「効果がない」という声も聞かれます。 本記事では、プロテオグリカンに期待できる効果と摂取方法について、詳しく解説します。 ご自身の膝の痛みを解消するために、プロテオグリカンが適しているのかを判断する参考にしてください。 また、つらい膝の痛みに対する新しい選択肢として、近年注目されている再生医療についても紹介します。 再生医療に関する詳しい情報や症例は、当院リペアセルクリニックの公式LINEでも配信していますので、併せてご覧ください。 プロテオグリカンは効果なし?否定的な理由 臨床試験では、プロテオグリカンの摂取によって、軽度から中等度の変形性膝関節症の症状緩和に一定の効果※が確認されています。 ※出典:PubMed しかし、効果には個人差があるため、「効果がない」といわれるケースもゼロではありません。 効果がないといわれる理由として、プロテオグリカンの成分が体内でそのまま吸収されない点が挙げられます。 摂取したプロテオグリカンがそのまま吸収されるケースもありますが、大部分は消化管でアミノ酸や糖に分解されてから吸収されます。 また、プロテオグリカンは医薬品ではなく補完的なサプリメントのため、 運動療法や薬物療法と併用することが推奨されます。 プロテオグリカンに期待できる効果とは プロテオグリカンは、「効果なし」といわれる側面がある一方で、人間の体にもともと存在する成分であり、健康や美容においてさまざまな良い効果が期待されています。 特に、関節や肌、炎症に対しての効果が注目されています。 関節の痛みや不快感を軽減する 肌の潤いやハリを保つ 炎症を抑える 生活習慣病の予防につながるケースもある 具体的にどのような効果なのか、一つずつ見ていきましょう。 関節の痛みや不快感を軽減する プロテオグリカンは、関節の痛みや不快感を和らげる効果が期待できます。 プロテオグリカンは関節軟骨を構成する主成分の一つで、水分をたっぷり含んで衝撃を吸収するクッションの役割を担っています。 加齢とともに体内のプロテオグリカンが減ると、軟骨のクッション性が失われ、関節痛や動かしにくさの原因となります。 膝の軟骨を守り、関節の健康を維持するうえで役立つ成分です。 肌の潤いやハリを保つ プロテオグリカンは、肌の潤いやハリを保つ効果が期待されます。 肌の奥深くにある真皮層にもプロテオグリカンは存在しており、ヒアルロン酸と同等の保水力で肌の乾燥を防いでいます。 化粧品として外から補う方法と、サプリメントで内側から補う方法の両方で、みずみずしい肌を目指せる成分です。 以下の記事では、幹細胞を用いた肌の再生医療について詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。 炎症を抑える プロテオグリカンには、体内で起こる過剰な炎症を抑える作用が複数の研究で示唆されています。 抗炎症作用は、腸内環境への働きかけが関係していると考えられています。 経口摂取したプロテオグリカンは腸に届き、腸内細菌のバランスを整えることで、炎症を抑える働きをもつ物質が作られやすくなるのです。 生活習慣病の予防につながるケースもある プロテオグリカンの研究は進んでおり、一部の生活習慣病を予防する効果も報告されています。 研究段階ではありますが、プロテオグリカンの摂取が体重減少や血糖値の上昇抑制に関係する可能性が示唆されています。 実際に行われた研究では、以下のような作用が確認されています。 研究内容 確認された作用 マウスへの経口投与 肥満を抑制する作用 臨床試験 筋肉量の低下を抑える作用 プロテオグリカンのもつ抗炎症作用が、肥満や糖尿病の予防につながる可能性も考えられています。 また、筋肉量の維持への貢献も期待されており、運動が難しい高齢者の健康を支えるなど、新たな分野での活用が注目されています。 プロテオグリカンを摂取する方法 プロテオグリカンを摂取する方法は、主に以下の3つです。 サプリメントで摂取 食事から摂取 運動で増やす それぞれの方法に利点があるため、ご自身のライフスタイルに合わせて組み合わせるのがおすすめです。 サプリメントで摂取 プロテオグリカンは食事だけで十分な量を毎日摂るのは難しいため、サプリメントの活用が役立ちます。 市場には多くの製品があり、「機能性表示食品」として届出されているものも少なくありません。 これらの製品には、膝関節の可動性をサポートする機能などが表示されています。 製品を選ぶ際は、機能性関与成分である「サケ鼻軟骨由来プロテオグリカン」の含有量を確認しましょう。 以下の記事では、サプリメントの肝臓への影響について解説しているので、併せて参考にしてください。 食事から摂取 食事から摂取する場合、プロテオグリカンは主に動物の軟骨部分に豊富に含まれており、他の栄養素も同時に摂れるのが利点です。 プロテオグリカンを多く含む食材は、以下のとおりです。 サケの鼻軟骨(氷頭) 牛や鶏の軟骨 魚の軟骨 特にサケの鼻軟骨は「氷頭(ひず)」と呼ばれ、古くからプロテオグリカンの供給源として知られています。 運動で増やす 適度な運動は関節周辺の血流を良くすることで、プロテオグリカンの増加が促進されると考えられています。 運動不足は、プロテオグリカンの減少につながる可能性があるため、以下のような軽い運動を継続しましょう。 ウォーキング 膝の曲げ伸ばし ストレッチ 激しい運動は逆に関節を痛める原因になるため、注意が必要です。 1日10分程度でも継続することが関節の健康維持につながります。 プロテオグリカンの効果についてよくある質問 本章では、プロテオグリカンの効果についてよくある質問に回答していきます。 プロテオグリカンは癌になる? プロテオグリカンは膝に効くの? サプリメントを試す前に、正しい知識を身につけておきましょう。 プロテオグリカンは癌になる? プロテオグリカンの摂取が、直接的に癌を引き起こすという医学的な証拠はありません。 しかし、プロテオグリカンと癌の関係は複雑で、単純に「安全」または「危険」と断定できないのが現状です。 研究によると、癌細胞は増殖したり、他の場所へ移動したりするために、プロテオグリカンの一種を足場として利用することがあります。 つまり、プロテオグリカンが癌の「原因」になるのではなく、すでにある癌の進行に「利用」される可能性があるということです。 健常な人がプロテオグリカンを摂取して癌になるという報告はありませんが、すでに癌を患っている場合は、その進行に影響を与える可能性が研究段階で示されています。 プロテオグリカンは膝に効くの? プロテオグリカンの臨床試験では、膝関節の不快感の軽減、軟骨成分の分解抑制、可動域のサポートなどの効果が報告されています。 また、腸管の免疫系に作用し、全身の抗炎症応答を促すことで、間接的に関節の健康維持に寄与すると考えられています。 しかし、日本整形外科学会では、プロテオグリカンに限らずサプリメント全般について 「科学的根拠が限定的」との見解を示しています。 激しい痛みや症状の悪化がある場合は、サプリメントに 頼らず医療機関を受診しましょう。 つらい膝関節の痛みには再生医療をご検討ください プロテオグリカンは関節の健康維持に役立つ成分ですが、失われた軟骨そのものを再生させるような直接的な修復効果は期待しにくいのが現状です。 サプリメントや他の治療法で改善が見られないつらい膝の痛みには、新しい選択肢として「再生医療」があります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を使い、損傷した関節組織の再生・修復を促す治療法です。 痛みの根本的な改善を目指せるため、手術には抵抗がある方や、長引く膝の痛みにお悩みの方は、ぜひご検討ください。 「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.10.31 -
- 首
- 肩
腕や手のしびれ、原因のわからない肩こりに悩まされていませんか。 その症状は「胸郭出口症候群」かもしれません。 一度発症すると、痛みやしびれで仕事や家事に集中できなくなるなど、日常生活に支障をきたす場合があります。 本記事では、胸郭出口症候群の症状チェックリストや自分でできるテスト方法について詳しく解説します。 従来の治療法に加えて、近年注目されている再生医療は胸郭出口症候群にも有効な選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまご自身の細胞を活用して、圧迫によって傷ついた神経や組織の修復を目指す治療法です。 症例や治療法について、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで詳しく紹介しているので、併せてご覧ください。 胸郭出口症候群の症状チェックリスト 腕や手のしびれ、原因のわからない肩こりに悩んでいる場合、胸郭出口症候群の症状の可能性があります。 胸郭出口症候群は、首から腕へつながる神経や血管が圧迫されることで起こります。 ご自身の症状が当てはまるか、まずはチェックリストで確認してみましょう。 胸郭出口症候群の症状チェックリスト 腕がひんやりと冷たく感じる 腕が全体的にパンパンとむくんでいる 腕に痛みやしびれを感じる 腕の肌の色がいつもより白っぽく見える 血管が青紫色に浮き出て見える 重いものを持つと肩や首まわりが強くこる 腕を上げたときに、腕から背中にかけて痛みやしびれが走る 上記の症状は、頚椎椎間板ヘルニアなど他の疾患と似ているものもあるため、自己判断には注意が必要です。 一つでも当てはまる症状があれば、自己判断せずに専門の医療機関で相談しましょう。 胸郭出口症候群になりやすい人とは 胸郭出口症候群は、特定の身体的な特徴や生活習慣によって発症しやすい傾向があります。 発症しやすい方の主な特徴は、以下のとおりです。 胸郭出口症候群になりやすい人の特徴 なで肩の人 巻き肩や猫背の姿勢が多い人 過度な筋トレで筋肉質な人 重い物を運ぶ職業の人 腕を上げる動作を繰り返すスポーツ選手 特になで肩の方は、鎖骨と肋骨の間のスペースが狭くなりやすく、神経や血管が圧迫されやすいです。 また、デスクワークなどで長時間前かがみの姿勢を続けると、肩が内側に巻いて胸の筋肉が硬くなり、症状を引き起こす原因となります。 胸郭出口症候群の症状が疑われる場合のセルフチェック方法 ご自身の症状が胸郭出口症候群によるものか確かめるために、自宅でできるセルフチェック方法について解説します。 一人で行うテストのやり方 二人で行うテストのやり方 特定の動作で症状が現れるかを確認するもので、あくまで目安ですが、医療機関を受診する際の判断材料にもなります。 テストで陽性の兆候が見られた場合は、自己判断で終わらせず、医療機関を受診しましょう。 一人で行うテストのやり方 一人で行う胸郭出口症候群テストのやり方として、信頼性が高いとされる「ルーステスト」を紹介します。 ルーステストは、神経や血管が圧迫されやすい姿勢をとり、症状が再現されるかを確認する方法です。 具体的な手順は、以下のとおりです。 椅子に座るか立った状態で、両腕を横に開いて肩の高さまで上げる 肘を90度に曲げ、腕を後ろにひねる(バンザイのような姿勢) その姿勢を保ちながら、両手の指を「グー」「パー」と3分間リズミカルに繰り返す しびれ、前腕のだるさ、指の疲労感やグーパー運動が続けられない場合は、胸郭出口症候群が疑われます。 健常者ではほとんど症状が出ないため、有効なチェック方法といえるでしょう。 二人で行うテストのやり方 二人で行う胸郭出口症候群テストのやり方では、協力者に手首の脈拍を触れてもらいながら行います。 特定の姿勢をとったときに、血流が変化するかどうかで圧迫の有無を確認します。 代表的なテスト方法は、以下のとおりです。 テスト名 手順 陽性の判断 アドソンテスト 顎を上げ、症状のある側に顔を向けて首を反らし、深呼吸する 脈拍が弱くなる、または触れなくなる ライトテスト 症状のある側の腕を横に開き、肩の高さまで挙上し、さらに肘を90度に曲げる 脈拍が弱くなる、または触れなくなる ライトテストは、健常者でも3〜5割が陽性(偽陽性)の結果になる場合があるため、注意が必要です。 アドソンテストも行い、2つのテストで陽性が出た場合は、胸郭出口症候群が疑われます。 上記のテストは確定診断ではないため、症状が疑われる場合は、必ず医療機関を受診して、適切な検査を受けましょう。 胸郭出口症候群の症状を放置するリスク 胸郭出口症候群の症状は、肩こりや一時的な不調と誤解されがちですが、放置すると深刻な状態に進行するおそれがあります。 適切な治療を受けずに自然治癒することはまれで、多くの場合、慢性化して日常生活に支障をきたします。 初めは一時的だったしびれや痛みが持続的になり、デスクワークや睡眠中にも現れるようになります。 さらに、神経や血管への圧迫が長期間続くと、以下のような回復が難しい状態に至る場合もあるため、注意が必要です。 損傷の種類 放置した場合のリスク 神経障害 手の筋肉が痩せてしまい、握力が低下して細かい作業が困難になる 静脈の圧迫 腕に血のかたまり(血栓)ができ、急な腫れや皮膚が青紫色に変色する 動脈の圧迫 できた血栓が指先まで飛び、動脈を詰まらせて激しい痛みや組織の壊死につながる このような深刻な状態を避けるためにも、腕のしびれや痛みといった初期症状を軽視せず、早期に専門医の診断を受け、適切な治療を開始しましょう。 胸郭出口症候群の主な治療法 胸郭出口症候群の治療は、主に「保存療法」と「手術療法」の2つに分けられます。 保存療法 手術療法 治療法は症状の重症度や原因に基づいて決定されますが、基本的には身体への負担が少ない保存療法から開始し、症状の改善を目指します。 保存療法で十分な効果が得られない場合や、症状が重い場合に手術療法が検討されるのが基本的な流れです。 保存療法 保存療法は、手術以外の方法で症状の緩和と機能改善を目指す治療法です。 特に、胸郭出口症候群で最も多い神経性のタイプでは、治療の第一選択とされています。 姿勢の改善や筋肉の緊張を和らげることで、神経や血管への圧迫を軽減させます。 具体的な治療法は、以下のとおりです。 治療法 内容 理学療法 ストレッチで硬くなった筋肉を伸ばし、筋力強化で正しい姿勢を保つ 薬物療法 消炎鎮痛剤や筋弛緩薬を用いて、痛みや筋肉の過度な緊張を和らげる 注射療法 痛みの原因となっている神経の周辺に局所麻酔薬などを注射し、痛みを抑える 日常生活での姿勢や動作の指導も受け、症状を悪化させない生活習慣を身につけるのも保存療法の一環です。 手術療法 手術療法は、保存療法で改善が見られない場合や、症状が重く日常生活に大きな支障が出ている場合に検討される治療法です。 神経や血管を物理的に圧迫している原因を、手術によって直接取り除きます。 主な手術方法は、以下のとおりです。 第一肋骨切除術 前斜角筋切除術 頚肋切除術 手の筋力低下が進行している場合や、血栓などの合併症が見られる場合は、緊急で手術が選択されるケースもあります。 手術にはリスクも伴いますので、医師と十分に相談したうえで決定しましょう。 胸郭出口症候群の症状に関するよくある質問 胸郭出口症候群について、患者さまから寄せられることの多い質問にお答えします。 胸郭出口症候群はどこが痛い? 胸郭出口症候群を自分で治すには? 胸郭出口症候群でやってはいけないことは? ご自身の症状と照らし合わせ、適切な対処法を見つけるための参考にしてください。 胸郭出口症候群はどこが痛い? 胸郭出口症候群の痛みは、圧迫されている神経や血管の場所によって、さまざまな部位に現れます。 主な痛みの部位は、以下のとおりです。 首、肩、肩甲骨周り 腕の内側から薬指、小指にかけて 胸の前面や脇の下 鎖骨の周辺 重だるい痛みだけでなく、ビリビリとしたしびれや感覚が鈍くなる状態を伴う場合もあります。 また、血行不良によって腕が白っぽくなったり、冷たく感じたりするのも特徴の一つです。 胸郭出口症候群を自分で治すには? 胸郭出口症候群の症状を緩和するために、自分でできるセルフケアがあります。 主なセルフケアの方法は、以下のとおりです。 ケアの種類 具体的な方法 ストレッチ 胸や首の前側の筋肉をゆっくり伸ばし、緊張を和らげる 姿勢改善 肩甲骨を背中の中央に寄せる運動で、巻き肩や猫背を矯正する 生活習慣の見直し 高すぎる枕を避け、入浴で体を温め血行を良くする 自己判断で無理なケアをすると、かえって症状を悪化させるおそれがあります。 セルフケアを試す際は、まず専門医に相談しましょう。 胸郭出口症候群でやってはいけないことは? 胸郭出口症候群の症状がある場合、特定の動作や習慣は神経や血管への圧迫を強め、症状を悪化させるため避けるべきです。 日常生活で以下の点に注意しましょう。 腕を繰り返し高く上げる動作(洗濯物を干す、つり革を持つ) 重い荷物を腕で持つ、またはショルダーバッグを片方の肩にかける 胸の筋肉を過度に鍛えるトレーニング(ベンチプレスなど) 猫背や巻き肩、長時間のデスクワークやスマホ操作 無意識に症状を悪化させる行動をとっていないか、日々の生活を見直してみましょう。 胸郭出口症候群の症状には再生医療もご検討ください 腕や手のつらいしびれ、痛みといった症状は、日常生活の質を大きく下げてしまいます。 治療の基本は、理学療法や薬物療法といった保存療法です。 しかし、これらの治療で改善が見られない場合には手術療法が検討されますが、手術に抵抗がある方も多いでしょう。 近年の治療では、手術せずに胸郭出口症候群を治療する再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、ご自身の脂肪から採取した幹細胞を使い、圧迫によって傷ついた神経や血管、筋肉組織の修復を促す治療法です。 胸郭出口症候群によるつらい症状の根本的な改善を目指したい方は、ぜひ当院リペアセルクリニックにご相談ください。
2025.10.31 -
- 靭帯損傷
- ひざ関節
外側側副靭帯損傷とは、膝の外側にある靭帯が傷つくケガで、スポーツや転倒などで発症します。 放置すると膝の不安定感が続き、日常生活に支障をきたすことがあります。 膝の外側が痛む、腫れる、不安定な感じがするなどの症状で困っている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、外側側副靭帯損傷の症状や原因、セルフチェック方法について詳しく解説します。 膝の痛みや不安定感で悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは靭帯損傷に対する治療として注目されている再生医療に関する情報を公式LINEで発信しております。 早期回復を目指したい方や手術を避けたい方は、ぜひ公式LINEをご登録いただき、再生医療についてご確認ください。 外側側副靭帯損傷とは 外側側副靭帯損傷とは、膝の外側にある靭帯が伸びたり切れたりして、膝関節が不安定になるケガです。 ここでは、外側側副靭帯損傷について以下の内容を解説します。 外側側副靭帯損傷の症状 外側側副靭帯損傷の主な原因 外側側副靭帯損傷の検査・診断方法 これらの正しい知識を身につけて、適切な治療を選択しましょう。 外側側副靭帯損傷の症状 外側側副靭帯損傷では、膝の外側に特徴的な症状が現れます。 主な症状は以下の通りです。 膝の外側の痛み 膝の外側の腫れ 膝の不安定感 膝から下のしびれや感覚の異常 これらの症状が複数当てはまる場合は、外側側副靭帯損傷の可能性があります。 とくに膝下のしびれを伴う場合は、腓骨神経損傷を合併している可能性があるため、早期発見と早期治療が重要です 膝の不安定感も日常生活やスポーツに大きな支障をきたすため、痛みだけでなく違和感があれば医療機関を受診しましょう。 外側側副靭帯損傷の主な原因 外側側副靭帯損傷は、膝の外側に強い力が加わることで発症します。 主な原因は以下の通りです。 スポーツでの接触 転倒や事故 急激な方向転換 膝の過度な内反 外側側副靭帯損傷は、他の膝の靭帯損傷と比べて発生頻度は低いとされています。 靭帯や半月板などの他の組織も同時に損傷するケースや、腓骨神経損傷によってしびれなどの症状が起こることもあります。 外側側副靭帯損傷の検査・診断方法 外側側副靭帯損傷の診断には、医師による徒手検査と画像検査が行われます。 これらの検査を組み合わせることで、損傷の重症度を正確に判断し、適切な治療方針を決定できます。 外側側副靭帯損傷かどうかセルフチェックする方法 ご自身の症状が外側側副靭帯損傷に該当するか、以下のポイントを確認してみましょう。 膝の外側に痛みがある 膝の外側に腫れが見られる あぐらをかくような動作で膝が不安定に感じる スポーツなどでの素早い方向転換時に膝がグラつく 膝から下にしびれや感覚の異常がある 膝の外側を押すと強い痛みがある これらの項目に複数当てはまる場合は、外側側副靭帯損傷の可能性があります。 とくに痛みや腫れ、不安定感が強い場合は、早めに整形外科を受診することをおすすめします。 ただし、上記のセルフチェックはあくまで目安であり、正確な診断には医療機関での専門的な検査が必要です。 症状が軽い場合でも、放置すると症状が悪化したり慢性化したりする可能性があるため、症状がある方は医療機関を受診しましょう。 外側側副靭帯損傷の主な治療法 外側側副靭帯損傷の主な治療法は、以下のとおりです。 保存療法 手術療法 損傷の程度や患者さまの活動レベルに合わせて、適切な治療法が選択されます。 保存療法 軽度から中等度の靭帯損傷では多くの場合、保存療法が第一選択となります。 保存療法は、手術を行わずに損傷した靭帯の改善、症状の緩和を目指す治療法です。 治療の初期段階では、安静にして患部を冷やし、圧迫して腫れを抑え、心臓より高い位置に足を上げます。 痛みや腫れが落ち着いたら、膝の装具やサポーターを使用し、徐々にリハビリを開始します。 リハビリは膝周りの筋力を強化し、膝の安定性を高めることを目的として行われます。 保存療法での回復期間は、損傷の程度によって異なりますが、通常6週間から3カ月程度とされています。 手術療法 手術療法は、靭帯が完全に断裂している場合や、保存療法で改善が見られない場合に検討されます。 損傷した靭帯を修復したり、必要に応じて別の組織を使って再建したりする手術が行われます。 手術後は装具を着用して膝を保護し、段階的にリハビリを進めます。 手術後のリハビリ期間は通常3〜6カ月程度で、スポーツへの完全復帰にはさらに時間がかかることがあります。 外側側副靭帯損傷の治療に注目されている再生医療 近年、外側側副靭帯損傷の治療において再生医療が注目を集めています。 従来の治療法とは異なるアプローチを行う再生医療について、以下の2つを紹介します。 再生医療とは リペアセルクリニックの再生医療 新しい治療選択肢として、再生医療についての理解を深めましょう。 再生医療とは 再生医療とは、人間が持っている自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。 膝の靭帯損傷に対する再生医療では、患者さま自身の幹細胞を採取・培養し、損傷部位に投与します。 再生医療は手術のように大きく切開する必要がないため、身体への負担が少ない治療法です。 また、自分自身の細胞や血液を使用するため、拒絶反応やアレルギーなどのリスクが低いのも特徴です。 リペアセルクリニックの再生医療 当院「リペアセルクリニック」では、外側側副靭帯損傷に対する再生医療を提供しています。 採取した幹細胞を冷凍せずに新鮮な状態で培養できる独自の培養技術を持っている点が特徴の一つです。 幹細胞を培養した際に冷凍保存すると、治療に使うときの解凍によって活動力が低下する可能性があります。 当院では、幹細胞を冷凍せず新鮮な状態で培養し、高い活動力を持ったまま患部に投与するため、高い治療効果が期待できます。 治療後は定期的なフォローアップを行い、回復状況を確認しながら適切なリハビリを進めていきます。 具体的な治療の流れや症例について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックにお問い合わせください。 >当院の再生医療による膝関節の症例はこちら 外側側副靭帯損傷に関するよくある質問 外側側副靭帯損傷について、よくある質問を紹介します。 外側側副靭帯の痛みの原因は? 外側側副靭帯はどれくらいで治る? 外側側副靭帯損傷への理解を深めて、治療に臨みましょう。 外側側副靭帯の痛みの原因は? 外側側副靭帯の痛みの主な原因は、スポーツや事故などによる靭帯の損傷です。 膝の内側から外側へ強い力が加わると、外側側副靭帯に過度な負担がかかります。 損傷の程度によって痛みの強さも異なり、重度の場合は歩行困難になることもあります。 外側側副靭帯はどれくらいで治る? 外側側副靭帯の回復期間は、損傷の程度によって大きく異なります。 軽度の損傷では、2週間から4週間ほどで日常生活に支障がない程度まで回復します。 中等度の損傷では、6週間から8週間程度の治療とリハビリが必要です。 重度の損傷や完全断裂の場合は、保存療法で3カ月以上、手術を行った場合は6カ月程度の回復期間が必要となります。 ただし、これらはあくまで目安です。 回復速度は年齢、損傷の程度、リハビリへの取り組み方、全身の健康状態などによって個人差があります。 外側側副靭帯損傷を早く治したい方は再生医療をご検討ください 外側側副靭帯損傷は、膝の外側にある靭帯が傷つくケガで、痛みや腫れ、不安定感などの症状が現れます。 スポーツでの接触や転倒などが主な原因で、損傷の程度に応じて保存療法や手術療法が選択されます。 セルフチェックで該当する症状がある場合は、早めに整形外科を受診して正確な診断を受けることが大切です。 適切な治療とリハビリを行えば、多くの場合で良好な回復が見込めます。 早期回復を目指したい方や手術を避けたい方には、再生医療という治療法もあります。 再生医療とは、人間が持っている自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す新しい治療法です。 外側側副靭帯損傷を早く治したい方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。
2025.10.31 -
- 首
頚椎椎間板ヘルニアは首の骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出すことで神経を圧迫し、首や腕に痛みやしびれが出る病気です。 日常生活に支障をきたすことも多く、痛みやしびれで悩まれている方も多いのではないでしょうか。 この記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状を和らげるために効果的なストレッチや注意点、日常生活でできる予防法を解説します。 ただし、ストレッチは症状を和らげるのが目的であり、飛び出した椎間板を元に戻すことはできません。 根本的な改善を目指す場合は、手術や再生医療などの治療法を検討する必要があります。 現在リペアセルクリニックでは、手術をせずに損傷した組織の再生・修復を促す「再生医療」に関する情報をLINEで発信しております。 頚椎椎間板ヘルニアによる痛みやしびれでお悩みの方は、ぜひご登録ください。 頚椎椎間板ヘルニアに効果的なストレッチ 頚椎椎間板ヘルニアに効果的なストレッチとして、以下の4つを紹介します。 首(僧帽筋)のストレッチ 肩(肩甲挙筋)のストレッチ 胸(大胸筋)のストレッチ 体幹のストレッチ これらのストレッチを正しく行うことで、首周りの筋肉の緊張が和らぎ、痛みやしびれの軽減につながります。 しかし、発症直後の急性期に無理にストレッチすると、逆効果になるリスクがあるため注意が必要です。 各ストレッチは1日2〜3回程度にとどめ、心地よい範囲で行いましょう。 首(僧帽筋)のストレッチ 僧帽筋は首から肩、背中にかけて広がる大きな筋肉です。 この筋肉をほぐすことで、首にかかる負担を軽減できます。 デスクワークやスマートフォンの使用で硬くなりやすい筋肉のため、こまめにストレッチを行いましょう。 ストレッチを行う際は、肩が上がらないように意識しましょう。 また、無理に引っ張らず、心地よい程度の伸びを感じる範囲で行ってください。 肩(肩甲挙筋)のストレッチ 肩甲挙筋は首の後ろから肩甲骨につながる筋肉です。 この筋肉をほぐすことで、肩こりが軽減され、首への負担が減ります。 長時間同じ姿勢を続けると硬くなりやすい筋肉です。 ストレッチを行う際は、首の後ろから肩にかけて伸びる感覚を意識することが重要です。 急に動かさず、ゆっくりとした動作で行いましょう。 胸(大胸筋)のストレッチ 大胸筋は胸の前面にある大きな筋肉です。 この筋肉が硬くなると猫背になりやすく、首への負担が増えるため、ストレッチで胸を開くことが大切です。 猫背の改善により、首の自然なカーブが保たれます。 痛みを感じないよう適度に伸ばしましょう。 体幹のストレッチ 体幹の筋肉は姿勢を支える重要な役割があります。 体幹をほぐすことで姿勢が安定し、首にかかる負担を減らせます。 正しい姿勢を保つためには、体幹の柔軟性も必要です。 これらのストレッチを毎日続けることで、筋肉の柔軟性が保たれ、頚椎椎間板ヘルニアによる症状の軽減が期待できます。 無理のない範囲で、少しずつ習慣化していきましょう。 頚椎椎間板ヘルニアでストレッチするときの注意点 ストレッチは症状の軽減に効果的ですが、誤った方法で行うと症状を悪化させる可能性があります。 ストレッチを行う際の注意点として、以下の2つがあります。 痛みが強いときは中止する 専門家の指導のもと行う これらの注意点を守ってストレッチに取り組みましょう。 痛みが強いときは中止する ストレッチ中に強い痛みやしびれを感じた場合は、すぐに中止してください。 痛みは体からの警告サインです。 無理に続けると、神経をさらに圧迫したり、炎症を悪化させたりする可能性があります。 焦らず、自分のペースで進めることが大切です。 専門家の指導のもと行う 頚椎椎間板ヘルニアの症状は人によって異なります。 自己判断でストレッチを行うと、かえって症状を悪化させることがあるため、まずは医師や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。 とくに初めてストレッチを行う場合や、症状が強い場合は、適切な指導のもとで安全にストレッチを行いましょう。 頚椎椎間板ヘルニアに対するストレッチ以外の予防法 頚椎椎間板ヘルニアの症状を改善・予防するためには、ストレッチだけでなく日常生活の見直しも重要です。 姿勢や生活習慣の改善により、首への負担を減らせます。日常的にできる予防法として以下の3つがあります。 正しい姿勢 首に負担をかけない生活習慣 筋力トレーニング これらを意識して実践することで、長期的に頚椎椎間板ヘルニアの発症リスクを減らせます。 正しい姿勢 猫背やストレートネック(首の自然なカーブが失われた状態)は、首の椎間板に強い負担をかけるため避けてください。 正しい姿勢を保つことで、椎間板への負担を大きく減らせます。 以下のポイントを意識しましょう。 姿勢 ポイント 座るとき 骨盤を立てて座り、背もたれに背中を軽くつけます。顎を軽く引き、耳と肩が一直線になるようにします。 立つとき 頭の上から糸で引っ張られているようなイメージで背筋を伸ばします。肩の力を抜き、自然に胸を開きます。 歩くとき 視線は前方に向け、顎を引いた状態をキープします。肩を後ろに引き、胸を張って歩きます。 デスクワークやスマートフォンの使用時は、とくに姿勢が崩れやすくなります。 こまめに姿勢を確認し、正しい位置に戻す習慣をつけましょう。 首に負担をかけない生活習慣 長時間同じ姿勢を続けることは、首への負担を増やす大きな原因です。 日常生活の中で首に負担をかける習慣を見直すことで、症状の悪化を防げます。 首への負担を減らすためにできる工夫は、以下のとおりです。 場面 工夫 デスクワーク パソコンの画面は目の高さに調整し、1時間ごとに休憩を取ります。首を前に出さないよう注意します。 スマートフォン使用 画面を目の高さまで上げ、下を向き続けないようにします。長時間の使用は避けましょう。 睡眠 自分の首のカーブに合った高さの枕を使います。高すぎる枕や低すぎる枕は避けます。 重い荷物 片方の肩だけで荷物を持つことは避け、左右バランスよく持つか、リュックサックを使います。 また、喫煙や運動不足は血行を悪くし、椎間板の健康を損なう原因となります。 禁煙や適度な運動を心がけることも大切です。 筋力トレーニング 体幹の筋肉を鍛えることで姿勢が安定し、首への負担を減らせます。 とくに腹筋や背筋などの体幹の筋肉は、正しい姿勢を保つために重要な役割を果たします。 おすすめの筋力トレーニングは、以下のとおりです。 ただし、痛みが強いときは筋力トレーニングを避けてください。 無理に行うと症状を悪化させる可能性があります。 頚椎椎間板ヘルニアのストレッチに関するよくある質問 頚椎椎間板ヘルニアのストレッチに関してよくある質問を2つ紹介します。 頚椎ヘルニアはストレッチで悪化する? 頚椎ヘルニアでやってはいけないことは? 症状を悪化させないためにも、それぞれ確認しておきましょう。 頚椎ヘルニアはストレッチで悪化する? 適切な方法で行えば、ストレッチが症状を悪化させることは基本的にありません。 ただし、痛みが出るほど強く伸ばしたり、急激な動きをしたりすると、症状が悪化する可能性があります。 以下のような場合は、ストレッチを控えるか、医師に相談してから行いましょう。 強い痛みやしびれがある 腕や手に力が入らない めまいや吐き気を伴う 症状が急速に悪化している 心地よい伸びを感じる程度の強さで、ゆっくりと行うことが大切です。 頚椎ヘルニアでやってはいけないことは? 頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させないために、以下の行動は避けましょう。 長時間同じ姿勢を続けること 重い荷物を持ち上げる動作 首を急に動かしたり、無理にひねったりすること 高い枕や柔らかすぎる枕を使うこと うつ伏せで寝ること(首に負担がかかります) 痛みがあるのに無理に運動やストレッチを続けること 下を向く姿勢を長時間続けることは首への負担が大きいため、スマートフォンの使用時間を減らしたり、画面の位置を工夫したりしましょう。 日常生活の中で首に負担をかける動作を意識して避けることが、症状の改善につながります。 つらい頚椎椎間板ヘルニアには再生医療をご検討ください ストレッチや生活習慣の改善は、症状を和らげるために有効です。 しかし、ストレッチはあくまで症状緩和を目的とする対症療法であり、飛び出した椎間板を元に戻すことはできません。 根本的な改善を目指す場合は、医療機関での治療が必要です。 従来は手術が主な治療法でしたが、近年では再生医療という新しい選択肢があります。 再生医療は、手術をせずに損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 患者さまご自身の体から採取した細胞を使用するため、体への負担や日常生活への影響が少ない点が特徴です。 当院「リペアセルクリニック」では、頚椎椎間板ヘルニアに対する再生医療を行っており、多くの患者さまの症状改善をサポートしています。 ストレッチや生活習慣の改善だけでは症状が改善しない方、手術に抵抗がある方は、ぜひ一度ご相談ください。 >当院の再生医療による椎間板ヘルニアの症例はこちら
2025.10.31







