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脳梗塞は、突然の発症だけでなく再発するリスクが高い病気です。 一度発症すると、「また起こったらどうしよう」「再発を防ぐには何をすればいいのか」といった不安や疑問を抱える方も多いでしょう。 本記事では、脳梗塞の再発リスクや具体的な予防策について詳しく解説します。 脳梗塞を再発すると一度目より後遺症が重くなる傾向があり、生活の質に大きな影響を及ぼすことが懸念されます。 近年の治療では、脳梗塞の後遺症改善や予防法の一つとして、先端医療である再生医療が注目されています。 脳梗塞の再発リスク|再発率に関するデータ 脳梗塞は一度発症すると、再発するリスクが高い疾患です。 再発を重ねると後遺症が重くなる傾向があるため、正しい知識をもって予防に取り組む必要があります。 本章では、以下の点について解説します。 脳梗塞の再発率は約50% 再発リスクを高める危険因子 具体的なデータを確認し、予防の重要性について理解を深めましょう。 脳梗塞の再発率は約50% 脳梗塞は再発しやすい疾患として有名ですが、発症から10年以内に約50%の方が再発すると報告されています。 主な原因である高血圧や動脈硬化などの生活習慣病は、一度の治療で完治するわけではなく、継続した管理をしないと血管の状態が再び悪化するためです。 脳梗塞の累積再発率について、以下のようなデータが示されています。 期間 脳卒中(脳梗塞を含む)累積再発率 5年以内 約35% 10年以内 約50% ※出典:PubMed 再発を繰り返すごとに後遺症が重くなる傾向もあるため、発症直後から継続的に再発予防に取り組むことが重要です。 再発リスクを高める危険因子 再発率の数字からも分かるように、脳梗塞は長期的に再発リスクが続く病気です。 以下のような項目は危険因子と呼ばれ、再発を高める要因とされています。 再発リスクを高める危険因子 内容 高血圧 血管にかかる負担が増大し、動脈硬化が進行する 糖尿病 血糖値のコントロール不良が血管のダメージを悪化させる 脂質異常症 血中の脂質バランスが崩れ、血管の詰まりが起こりやすくなる 喫煙 血管の収縮や血液の粘度が高まり、血流障害を引き起こす 心房細動 不規則な心拍により血液の流れが乱れ、血栓が形成されやすくなる これらの危険因子に注意して日常生活を送ることが、再発予防のカギとなります。 脳梗塞の再発リスクが高い理由は? 脳梗塞の再発リスクが高い理由は、脳梗塞を引き起こした根本原因が治療後も残り続けるためです。 脳梗塞の治療によって脳の症状が改善・緩和された場合でも、脳梗塞の原因となった高血圧など危険因子が治るわけではありません。 高血圧などの脳梗塞の危険因子を改善しない限り、再び脳梗塞が起こる可能性があります。 そのため、再発を防ぐには脳梗塞の治療だけでなく、背景にある危険因子を生涯にわたって管理し続ける「二次予防」が必要です。 脳梗塞の再発リスクを高めないための対策 脳梗塞は、生活習慣や健康状態の見直しといった適切な予防によって、再発リスクを低下させることができます。 とくに生活習慣や健康状態の見直しが予防のカギです 以下では、脳梗塞予防のための具体的な方法を詳しく解説します。 生活習慣病を改善する 脳梗塞の再発予防の基本は、原因となる高血圧や糖尿病といった生活習慣病を適切に管理することです。 生活習慣病は血管に負担をかけ、動脈硬化を進行させるため、放置すると再び脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。 医師の指導のもと、薬物療法を継続するとともに、以下の数値を目標に生活習慣を改善していく必要があります。 管理項目 目標値の目安 血圧 135/85mmHg未満 糖尿病 HbA1c:7.0%未満 脂質異常症 LDLコレステロール:120mg/dL未満 目標を達成するため、減塩や適度な運動を心がけ、処方された薬は自己判断で中断しないようにしてください。 定期的な通院で体の状態を確認し、治療を継続することが再発予防につながります。 血栓を予防する 脳梗塞を予防するためには、血栓の形成を防ぐ抗血栓療法が有効です。 抗血栓療法は脳梗塞に効果的な方法の一つとして広く用いられています。 血液をサラサラにする抗血栓薬の服用により、血液中の血小板の働きを抑えて血管内で血栓ができにくい状態を維持します。 さらに、血栓がすでに形成されている場合や高度な動脈硬化がある場合には、外科的治療も選択肢の一つです。 例えば、動脈の詰まりを取り除く手術や、血流を確保する治療などがあります。 食生活を改善する 脳梗塞の再発リスクを高めないためには、食生活の改善が重要です。 食生活の改善をするうえでポイントとなるのが塩分と脂質で、塩分は1日6g未満に抑え、高脂質の食事は控えましょう。 大量のアルコール摂取は脳梗塞の再発リスクが高まるため、お酒の飲みすぎには十分注意してください。 また、体内の水分が不足すると血栓ができやすくなるため、こまめな水分補給を心がけることも大切です。 以下の動画では、脳梗塞を含む脳卒中のリスクを下げる食生活について解説しているので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/FytmHfYCyt4?si=TD6tDBhmXi_eh6sI 適度に運動をする 日常的に体を動かし、血流を促進することが脳梗塞の再発リスクを抑える対策の一つです。 ウォーキングや軽いジョギングなど有酸素運動や、水中歩行など軽いリハビリを日常生活に取り入れることで、血流の改善や心肺機能の向上が期待されます。 また、日常生活では階段を使用することや、徒歩で移動するなど、自然な形での運動量を確保することで、生活習慣を改善できます。 日常的に体を動かして、血流を促進することで再発リスクを予防できるため、適度な運動により血管や心臓の健康を保ち、脳梗塞や高血圧のリスクを減らしましょう。 睡眠の質を高める 睡眠の質を高めることも脳梗塞の再発リスクを高めない重要な対策の一つです。 良質な睡眠は血圧を安定させるため、脳への負担を減らすことができます。 睡眠の質を高めるためには、就寝前のスマホ操作を控えることや、簡単なストレッチを行うことも重要です。 ストレスを発散する 心身のストレスを上手に発散することも、脳梗塞の再発予防には欠かせません。 ストレスは交感神経を刺激し、血圧が上昇するだけでなく、過食や喫煙といった生活習慣の乱れにもつながり、再発リスクを高めるからです。 心と体の緊張をほぐし、再発リスクを遠ざけるために、以下のような方法を日常に取り入れましょう。 おすすめのストレス発散方法 ウォーキングなどの有酸素運動 ぬるめのお湯での入浴 規則正しい生活で睡眠の質を高める 家族や友人との会話を楽しむ 飲酒・喫煙はかえって体に負担をかけ、再発リスクを高めます。 健康的な方法でストレスを管理し、穏やかな毎日を過ごすことが再発予防の助けとなります。 定期健診を受ける 定期健診は脳梗塞の危険因子を早期に発見し、適切な対応を取るために欠かせない予防策です。 とくに、脳梗塞の主なリスクである高血圧・糖尿病・脂質異常症は、自覚症状がないまま進行することが多いため、定期的な検査によるチェックが必要です。 健診では、血圧や血糖値、コレステロール値の測定に加えて、心電図や頸動脈エコー検査などにより隠れたリスクを見つけられます。 定期健診を通じて危険因子を早期に発見し、脳梗塞の発症や再発を未然に防ぎましょう。 脳梗塞の再発予防につながるリハビリテーション 脳梗塞を発症した後のリハビリテーションは、失われた機能を取り戻すためだけでなく、再発を予防するうえでも必要なステップです。 体を動かす習慣を身につけることで、血圧や血糖値の安定につながり、再発リスクを減らすことにつながります。 本章では、以下の点について解説します。 リハビリテーションの重要性 リハビリテーション内容 リハビリテーションがなぜ再発予防に必要なのか、具体的な内容についてそれぞれ見ていきましょう。 リハビリテーションの重要性 リハビリテーションの目的は、ただ手足の動きを回復させるだけでなく、体全体の健康状態を向上させ、再発の引き金となる要素を減らすことにあります。 以下のような再発予防効果が期待できます。 リハビリテーションの重要性 運動習慣が身につき、血圧や血糖値が安定する 寝たきりによる血栓や誤嚥性肺炎などを防ぐ 転倒などを防ぎ、安全に活動できる範囲が広がる 発症直後の急性期から退院後の生活期まで、一貫してリハビリに取り組むことで、再発しにくい体と生活習慣を作り上げることが重要です。 リハビリテーション内容 リハビリテーション内容は、発症後の時期によって目的が異なり、段階的に進められます。 脳梗塞後のリハビリテーション内容は、以下のとおりです。 時期 主な目的 リハビリ内容の例 急性期(発症直後) 合併症の予防、寝たきりの防止 ベッド上での関節運動、座位訓練 回復期(状態安定後) 日常生活動作の再獲得、在宅復帰 歩行訓練、食事や着替えの練習、言語訓練 維持期(退院後) 機能の維持、再発予防の習慣化 通所リハビリ、自宅での自主トレーニング それぞれの時期で、患者さまの全身状態に合わせた専門的なプログラムが組まれます。 また、リハビリテーションは入院中の病院だけで完結するものではありません。 退院後も通所サービスや訪問リハビリなどを活用し、リハビリテーションを生活の一部として続けることが大切です。 脳梗塞の再発予防には再生医療をご検討ください https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=QvRU1AQnzXckmArn 再生医療による幹細胞療法は、脳梗塞の再発予防と後遺症の改善に期待ができる治療法です。 幹細胞治療は、患者さま自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、体内に戻すことで損傷した組織の修復や再生を促進する治療法です。 さらに幹細胞には抗炎症作用があり、脳内の炎症を抑制して再発リスクの低減が期待できます。 当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞を含む脳卒中に対する再生医療の症例が多くございます。 例えば、50代の女性が脳梗塞と脳出血を経験し、右半身麻痺や言語障害などの後遺症に悩まされていましたが、幹細胞治療を3回受けた結果、症状改善がみられたケースがあります。 >症例の紹介ページはこちら 再生医療は脳梗塞の再発予防だけでなく、後遺症の改善にも効果が期待できます。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。 脳梗塞の再発リスクに関するよくある質問 ここでは、脳梗塞の再発リスクに関するよくある質問に回答していきます。 脳梗塞を再発しやすい人は? 脳梗塞を再発したらどうなる? 脳梗塞の再発サインは? それぞれの疑問を解消し、今後の対策を明確にしていきましょう。 脳梗塞を再発しやすい人は? 脳梗塞を再発しやすい方には、生活習慣や治療への取り組み方において共通する特徴が見られます。 注意が必要な方の特徴は、以下のとおりです。 分類 再発リスクが高い方の特徴 生活習慣・行動 ・喫煙や多量の飲酒を続けている ・塩分の多い食事が中心 ・運動不足が続いている ・医師から処方された薬を自己判断でやめてしまう ・定期的な通院や検査を怠っている 身体的な特徴・病気 ・高血圧、糖尿病、脂質異常症の管理が不十分 ・心房細動(不整脈の一種)がある ・肥満の状態にある 脳梗塞の根本的な原因である危険因子を放置していると、再発のリスクは常に高い状態が続きます。 ご自身の生活や体の状態が上記に当てはまる場合は、生活習慣の改善や適切な治療を受けましょう。 脳梗塞を再発したらどうなる? 脳梗塞を再発すると、初回の発症時よりも後遺症が重くなる可能性があります。 一度ダメージを受けた脳に、新たな損傷が加わることで症状が悪化したり、後遺症の種類が増えたりするためです。 具体的には、以下のような状態になる場合があります。 脳梗塞の再発を繰り返すリスクの例 初回発症時よりも症状が悪化し、日常生活の自立が難しくなる 高次脳機能の低下が進行して会話や判断力に支障をきたし、介護が必要となる 後遺症の種類が増える 上記のように、脳梗塞の再発は患者さまご本人とご家族の負担を増大させます。 後遺症を悪化させないためにも、日々の再発予防が何よりも大切です。 脳梗塞の再発サインは? 脳梗塞の再発を早期に発見するには、「FAST(ファスト)」と呼ばれるサインを覚えておくことが役立ちます。 これは、脳梗塞の典型的な初期症状の頭文字をとったものです。 FAST 症状 Face(顔のゆがみ) 顔の片側だけが下がる、笑ったときに片方の口角が上がらない Arm(腕の麻痺) 腕が上がらない、力が入らない Speech(言葉の不明瞭さ) 言葉がうまく出てこない、話している内容が不明瞭になる Time(時間) 迅速に医療機関へ連絡し、治療を開始する時間を確保するのが重要 これらのサインが1つでも見られた場合は、ためらわずに救急車を要請してください。 脳梗塞の治療は時間との勝負です。発症から4.5時間以内であれば、血栓を溶かす効果的な治療を受けられる可能性※があります。 ※参照:国立循環器病研究センター「4.5時間を過ぎても、専門的な脳梗塞救急治療が重要です」 以下の動画では、脳梗塞の前兆である危険サインについて解説しているので、合わせて参考にしてください。 脳梗塞の再発リスクを抑えるには生活習慣の改善が重要 脳梗塞の再発予防には、危険因子を管理して生活習慣を見直すことが重要です。 高血圧や糖尿病、脂質異常症といった危険因子をコントロールし、適度な運動や減塩を意識した食生活を取り入れて再発リスクを減らしましょう。また、喫煙や多量飲酒を控えるのも効果的です。 さらに、再発のサインであるFAST(顔のゆがみ、腕の麻痺、言葉の不明瞭さ、時間の重要性)を理解し、早期に対応するのが後遺症を抑えるカギとなります。 定期健診を受け、自分の健康状態を常に把握しておくことも忘れてはなりません。 これらの取り組みに加え、再生医療は脳梗塞の再発予防や後遺症の改善に新たな選択肢を提供します。 幹細胞治療は、損傷した神経の修復や再生を促し、脳細胞の損傷が改善されることで再発リスクを軽減する効果が期待されています。 予防と治療の両面で効果が期待できる再生医療をぜひご検討ください。
2025.01.08 -
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脳出血は、突然の発症だけでなく、後遺症として麻痺や言語障害が残ることが多いため患者や家族にとって大きな悩みとなります。 治療後の回復に不安を感じる方や、「最新の治療方法で改善できるのか」「費用や期間はどれくらいかかるのか」といった疑問を抱える方も多いでしょう。 本記事では、脳出血後の後遺症改善に向けた最新治療や、それぞれの治療法の特徴や効果、費用面についても解説します。 脳出血の後遺症に対する最新治療 脳出血は後遺症として麻痺や言語障害などが残ることが多く、治療後の生活の質を大きく左右します。 近年、医療技術の進歩により、従来の治療法に加え、新たなリハビリテーションや治療法が注目されています。 たとえば、IVES療法やHANDS療法といった電気刺激を用いる治療法や、ロボット技術を活用したリハビリ、さらにはボツリヌス療法や再生医療などがあります。 これらの治療法は、それぞれ異なるアプローチで後遺症の改善を目指しており、患者の状態や目標に合わせた治療法の選択が重要です。 以下では、これら最新の治療法について詳しく解説します。 IVES療法・HANDS療法 脳出血の後遺症に対する最新治療として、IVES療法やHANDS療法があります。 この治療では、後遺症によって思うようにできない動きを補助し、その動きを自力でできるようにするものです。 IVES療法 特殊な低周波の電気刺激装置による治療で、麻痺した場所を動かそうとしたとき、活動しようとしている筋肉に電気刺激を与えることで、筋肉の動きを補助し動かしやすくします。 HANDS療法 IVES療法をする際に、手関節装具を併用しておこなう治療方法です。 手関節装具を装着すると、物をつまんだり離したりする動作がしやすくなります。 ロボットによるリハビリ 脳出血の後遺症の最新治療として、ロボットを活用したリハビリがあります。 たとえば、人が体を動かそうとするときに、その意思が脳から筋肉へと伝達されます。そのときに生じる生体電気信号を検知して動作支援をする歩行支援ロボットなどです。 ロボットによるリハビリは、高いリハビリ効果を期待できるだけでなく、リハビリをする患者と療法士の負担を軽減できるというメリットもあります。 ボツリヌス療法 脳出血の後遺症のひとつに、手足がつっぱって動かしにくい、勝手に動いてしまう痙縮(けいしゅく)という症状があります。 この痙縮の最新治療として、ボツリヌス療法があります。 ボツリヌス療法とは、筋肉の緊張を緩める作用があるボツリヌストキシンという成分を筋肉に注射する治療方法です。 ボツリヌストキシンはボツリヌス菌からつくり出されるたんぱく質ですが、ボツリヌス菌自体を注射するわけではないので菌に感染する心配はありません。 ボツリヌス療法は2~3日くらいで効果が現れてきて、その効果は4カ月くらい持続します。 その間にリハビリをおこなうことで、リハビリによる改善効果を高めることもできます。 再生医療 再生医療は、体内に存在する幹細胞の能力を活用し、損傷を受けた組織や臓器を修復する治療法です。 幹細胞には、自己複製能力とさまざまな細胞に分化する能力があります。幹細胞の利用により、従来の治療では難しかった機能の回復が期待できます。 脳出血の場合、幹細胞を用いた治療が損傷した神経組織の再生を促進し、後遺症の軽減や再発予防効果が見込めます。 再生医療(幹細胞治療)で期待できる治療効果 再生医療は、幹細胞を活用して損傷した組織や神経を修復する先進的な治療法です。 脳出血の治療では、幹細胞を利用して後遺症の軽減や再発防止を目指します。 ここでは厚生労働省届出済医療機関である当院(リペアセルクリニック)が提供している、再生医療(幹細胞治療)を基に具体的な治療効果について詳しく説明します。 最先端の医療技術に興味がある方はぜひ参考にしてください。 身体機能(後遺症)の回復 幹細胞治療は、脳出血後に起こる麻痺や言語障害などの後遺症の改善効果が期待できます。 幹細胞が損傷した神経を修復し、新しい神経のつながりを作ることで、体の機能を回復させます。 また、幹細胞が脳の炎症を抑え、回復しやすい状態にします。 効果には個人差があるものの、呂律困難や痺れの軽減が期待される治療法です。 リハビリテーションの効果を増幅 幹細胞治療をリハビリテーションと組み合わせることで、後遺症からの回復がさらに高まります。 発症直後の方だけでなく、発症から数年が経過している方も再生医療の対象です。 幹細胞治療により神経の修復が進むことで、リハビリ中のトレーニングに対する体の反応が良くなります。 その結果、運動能力や感覚の早い改善が期待されます。 リハビリテーションの成果を高めたい方は、再生医療の利用をご検討ください。 脳卒中の再発予防 幹細胞治療には、脳卒中の再発を防ぐ効果も期待されています。 脳卒中は1年以内の再発が12.8%、10年以内の再発は51.3%※と、再発する可能性が高い疾患です。 ※出典:PubMed「Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study」 幹細胞治療を利用すると、損傷した血管が修復されて血流が安定します。 また、幹細胞が血管を健康に保つ働きをするため、再発のリスクを下げられます。 脳出血の最新治療に関してよくある質問Q&A 再生医療は、脳出血後の新しい治療方法として注目されていますが、治療を受けるにあたって、効果が出るまでの期間や費用についてあまり知られていません。 ここでは、脳出血の最新治療に関してよくある質問として、下記の2つの疑問にお答えします。 再生医療に興味がある方はぜひ参考にしてください。 脳出血の後遺症に再生医療の治療効果が現れるまでどのくらい? 再生医療による治療効果が現れるまでの期間は、患者さまの状態や体質により個人差があります。 幹細胞を投与した後、神経細胞の修復や再生には時間がかかるため、数週間から数カ月間、あるいは1年以上は経過を観察する必要があります。 また、治療後のリハビリテーションも重要です。リハビリと再生医療の併用により、回復が促進される効果が期待できます。 再生医療にかかる費用はなぜ高額? 再生医療が高額である理由は、主に3つ挙げられます。 まず、幹細胞を治療に使用する際には、特別な環境下で細胞を培養・増殖する必要があります。 このプロセスには高度な技術や専門的な設備が必要となるため、非常に高いコストがかかります。 また、再生医療の効果を最大限に引き出すためには治療後のリハビリテーションが重要であり、その費用も治療プランに含まれることが一般的です。 さらに、最新の治療法である再生医療は多くの場合、健康保険が適用されない自由診療に分類されているため、治療費を全額自己負担しなければなりません。 これらの治療は保険適応外であることが多いため、費用は基本的に全額自己負担となります。 ただし、医療費控除が適用される場合があり、これにより税負担を軽減できる可能性があります。 【まとめ】脳出血による後遺症は再生医療で回復が期待できる 脳出血後の後遺症に対する治療は、従来のリハビリテーションだけでなく、さまざまな最新技術を取り入れることで改善の可能性が広がります。 IVES療法やHANDS療法、ロボットによるリハビリ、ボツリヌス療法など、それぞれが異なるアプローチで機能回復をサポートします。 患者さまの状態や目標に応じて最適な治療法を選択すると、より良い結果につながるでしょう。 中でも、再生医療は幹細胞を用いて損傷した神経や組織を修復し、後遺症の軽減や回復を目指す新しい治療法として注目されています。 再生医療による治療をご検討の際は、ぜひ当院へご相談ください。
2025.01.08 -
- 脳梗塞
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脳梗塞の後遺症による言語障害で「言葉がうまく話せない」「思ったことを伝えられない」といった症状にお悩みの方は多いです。 言語障害には、失語症や構音障害などの症状があり、回復のスピードは個人差があります。 本記事では、脳梗塞後に起こる言語障害から回復する割合や期間、回復率を高める方法について詳しく解説します。 また、近年の治療では、今まで損傷して元に戻らないといわれていた脳細胞が改善する可能性があるとして再生医療が注目されています。 損傷を受けた脳細胞の修復を促すことで再発リスクを抑えるとともに、言語障害をはじめとする後遺症の緩和にもつながる治療法です。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の治療に関する情報を配信しています。 「言語障害がなかなか改善しない」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。 ▼脳梗塞の後遺症治療に注目 >>公式LINE限定の再生医療に関する情報を見てみる 脳梗塞後の言語障害は治る可能性がある 脳梗塞による言語障害は、適切なリハビリテーションによって改善が期待できます。 医療技術の進歩により脳血管障害による死亡率は減少しており、若い患者の約7割※が発症直後からリハビリを受けることで症状が改善し職場復帰が可能です。 ※出典:厚生労働省「脳卒中に関する留意事項」 復職率は発症から3〜6か月後、または1年〜1年半後に上昇し、最終的には50〜60%に達します。 経過は急性期、回復期、生活期に分かれ、患者は治療状況や職場への配慮を医療機関と相談する必要があります。 脳梗塞による失語症の回復率 脳梗塞後に失語症がみられた患者さまの約74%の方が、発症から6ヶ月後に症状が改善している※と報告されています。 ※出典:PubMed 発症から6ヶ月までの「回復期」と呼ばれる期間に適切なリハビリテーションを行うことで、失語症の改善が期待できることがわかるでしょう。 また、発症6ヶ月以降でも回復期ほどではないものの失語症が改善する傾向があります。 失語症にお悩みの方は、諦めずに適切なリハビリテーションを継続することが重要です。 脳梗塞後の言語障害でみられる症状とメカニズム 脳梗塞後の言語障害でみられる症状と発症のメカニズムについて解説します。 失語症 構音障害 それぞれの症状について詳しく解説していきます。 失語症 失語症は、脳梗塞などにより脳の言語機能が損なわれ、読む・書く・話す・聞く能力に影響を及ぼす症状です。 脳梗塞によって大脳の言語をつかさどる領域が損傷することで、言語機能に大きな影響を与えます。 回復には年齢や損傷部位、健康状態などが関わりますが、継続的な言語訓練によって大幅な改善が期待できます。 リハビリの内容としては、口や舌の運動、ジェスチャーを交えた会話、書字の訓練などがあります。 症状や進行具合に応じてリハビリ内容が調整され、患者さまにあったプランを作成します。 構音障害 構音障害は、脳梗塞によって脳幹や脳幹につながる神経線維が損傷することで、唇や舌が麻痺して言葉を発音しづらくなる症状です。 言葉を発音しづらくなるだけのため、失語症を合併していない場合は、聞く能力や文字を読み書きする能力に影響はありません。 治療法としては「外科的介入」「発音補助装置の利用」「構音訓練」の3つがあり、患者の症状に応じて選択されます。 外科手術では発音機能を改善し、補助装置を使用して発声を補助します。 また、言語聴覚士がリハビリテーションを通じて舌や口の運動機能を高め、呼吸・発声・音読の向上を目指します。 早期のリハビリテーションが回復において重要な役割を果たすため、少しでも違和感を感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。 脳梗塞後の言語障害に対するリハビリテーション 脳梗塞発症後の言語障害のリハビリについては、意識状態など症状が安定し始めた頃から適切な対処が必要となります。 急性期のリハビリテーション 回復期・維持期のリハビリテーション 言語能力が維持・向上し続けるためには、主に発症からおよそ1~2カ月以内の急性期、約3〜6ヶ月の回復期、自宅へ戻ってからの生活期と、それぞれのリハビリを行うことが重要です。 また、急性期・回復期においては、医療保険が適用される病院でのリハビリが行われますが、適用期間については基本的に脳梗塞は150日、高次機能障害を伴う重篤の場合は180日と定められていて、その後介護保険が適用される生活期へと移行していきます。 この3段階のリハビリをどのように行っていくのかをそれぞれ詳しく紹介していきます。 急性期のリハビリテーション 急性期のリハビリでは、言語聴覚士が中心となり、口の動きの練習など患者の発話に合わせた言語機能回復訓練を行うことにより、発話意欲を高めていくことが重要となります。 また、挨拶など実用的なコミュニケーションが最も重要で、毎回顔を合わせるたびに挨拶を行い、時間帯で違う挨拶が返ってきても決して否定しないことが大切です。 患者だけでなく、ご家族の方もコミュニケーション方法をしっかり習得して、患者の言語機能の変化を追跡していくと同時に、患者が安心してリハビリに取り組んでいける環境づくりも、急性期では重要となります。 回復期・維持期のリハビリテーション 回復期のリハビリは失語症と構音障害により違いがありますが、基本的にはどちらも発話や読み書き、言葉の理解などを中心とした訓練を行うことが重要です。 リハビリでは、言語聴覚士が回復に向けたプランを作成しますが、患者本人の意欲を高めるためには、家族のサポートが何より重要です。そのサポートがリハビリの効果をさらに向上させます。 脳梗塞のリハビリ期間は病院などにより違いはありますが、原則発症から6ヵ月が経過した段階で生活期へと移行します。基本的には回復期で行ってきたリハビリは継続しながら、社会活動への参加なども行います。 脳梗塞後の言語障害に対して家族ができるサポート 脳梗塞後の言語障害のリハビリでは、主に言語聴覚士が行いますが、日常生活の中でご家族がサポートすることも重要です。 あいさつや日常会話のコミュニケーションを大切にする 日記や手帳など読み書きを一緒に行う 思考能力は低下していないことを理解する 以下では、それぞれのサポート内容について詳しく解説していきます。 あいさつや日常会話のコミュニケーションを大切にする 「おはよう」や「いただきます」といった簡単なあいさつなど、日常的に会話の機会を増やしていくことが大切です。 重度の失語症の場合でも、家族が発音した言葉を真似て言うことが可能なので、日常会話のミュニケーションは積極的に行いましょう。 また、難しい質問などは控えて、患者さまが「はい」「いいえ」で答えられる簡単な質問も効果的です。 日記や手帳など読み書きを一緒に行う 日記や手帳にその日の出来事や今後の予定を書くなどの読み書きの練習を一緒に行うことが重要です。 文章を書くのが難しい場合は「名前」「生年月日」「住所」などの簡単な文字から書いてみるのが良いです。 書ける文字が増えてきたら、徐々に長い文章や申込書などを患者さまが自分で記入できることを目標にしてみましょう。 思考能力は低下していないことを理解する 患者さまが言語障害によって会話や読み書きが難しい場合でも、思考能力は低下していないことを理解することが重要です。 例えば、失語症によって言葉をうまく話せなくなった患者さまに対して、小さな子供に接するような態度をとってしまうケースがあります。 患者さまの自尊心が傷ついてしまうことも少なくないため、患者さまの症状を理解して寄り添う気持ちを持ちましょう。 脳梗塞後の言語障害にお悩みなら再生医療も選択肢の一つ 脳梗塞後の言語障害にお悩みの方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 今まで損傷した脳細胞や神経は元に戻らないといわれていましたが、再生医療によって改善する可能性があるとして注目されています。 損傷を受けた脳細胞の修復を促すことで再発リスクを抑えるとともに、言語障害をはじめとする後遺症の緩和にもつながります。 再生医療による治療は、開始時期が早いほど高い治療成績をもたらします。 また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、脳梗塞の言語障害の改善が期待できる再生医療に関する情報を配信中です。 「言語障害のリハビリを頑張っても改善がみられない」「患者さまの言語障害を早く治してあげたい」という方は、ぜひ再生医療について知っておきましょう。 ▼脳梗塞の後遺症治療に注目 >>公式LINE限定の再生医療に関する情報を見てみる 脳梗塞後の言語障害は適切なリハビリで回復を目指せる 脳梗塞による言語障害は、適切なリハビリを行うことで日常生活への影響を軽減し、言語機能を改善できる可能性があります。 また、言語障害のリハビリは患者さま本人だけでなく、ご家族の理解やサポートが重要です。 症状について理解し、患者さまの気持ちに寄り添って日常生活をサポートしましょう。 当院リペアセルクリニックでは、脳梗塞による後遺症の改善が期待できる再生医療をご提供しています。 「言語障害がなかなか改善しない」「再生医療について詳しく知りたい」という方は、ぜひ当院リペアセルクリニックまでご相談ください。 現在、公式LINEでも再生医療に関する情報を配信しているため、まずはお手持ちのスマホから確認してみてくださいね。 ▼脳梗塞の後遺症治療に注目 >>公式LINE限定の再生医療に関する情報を見てみる
2025.01.08 -
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脳梗塞を発症してから後遺症に悩まされ、なかなか回復の見通しが立たず困っている方も多くいらっしゃるかと思います。 また、運動麻痺を含む後遺症は早期の社会復帰が難しく、回復の可能性に疑問を持たれる方もいるのではないでしょうか。 脳梗塞の後遺症は発症後のリハビリ次第で、徐々に回復する可能性があることが判明しています。 個人差はありますが適切な方法を意識してリハビリを行えば、慢性期でも改善する可能性はあるとされています。 本記事では具体的な回復のメカニズムからリハビリ方法について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の後遺症は本当に治る?回復のメカニズムについて 脳梗塞による後遺症の回復は、適切なリハビリや治療を受ければ改善する見込みがあります。 脳梗塞の後遺症に悩んでいる方やご家族の後遺症が回復する可能性が知りたい方は、ぜひ参考にしてください。 回復過程と時期ごとの特徴 脳梗塞の回復過程と時期ごとの特徴は、以下の通りです。 時期 期間 特徴 急性期 発症直後〜数週間 ・早期離床と関節可動域を増やすためのリハビリを行う ・少しずつ手足を動かしたり、ベッドの上でできるリハビリから始めることが多い 回復期 3〜6か月 ・神経可塑性を最大限活かした集中的なリハビリを行う ・身体を動かすリハビリ、集中力や思考力に関するリハビリを主に行う ・自宅での生活を想定し、日常生活に必要な作業に関するリハビリを行う 生活期(慢性期) 6か月以降 機能維持と再発予防に向けた取り組みを行う 急性期は発症してからそこまで時間が経っていないため、この時期のリハビリが早期の回復に繋がります。 急性期から回復期に入ると症状が落ち着き、歩行訓練や食事や着替えなどの日常動作に関するリハビリを行います。 生活期(慢性期)になると退院しているケースが多いので、自宅やリハビリテーションでの訓練になります。 ウォーキングなどの軽い運動や生活習慣・生活リズムを整え、再発予防をしながら社会復帰を目指します。 脳梗塞後の神経可塑性による回復の見込みについて 人間の脳は、生き残った神経細胞が機能を補う「神経可塑性(しんけいかそせい)」により回復の可能性があります。 神経可塑性とは、外部からの刺激によって、失われた機能を他の機能が代替えする現象です。 脳梗塞によって失われた脳細胞もリハビリによって脳が刺激され、他の細胞が失われた脳細胞を支える役割を果たします。 脳の神経可塑性を促進するためには、早期から適切なリハビリを反復して行うことが大切です。 同じリハビリを反復して行うことで脳細胞の刺激や繋がりが強化され、回復に1歩近付くことができるでしょう。 回復に個人差が生じる要因 回復に個人差が生じる要因として、主に年齢・発症部位・リハビリ開始時期が挙げられます。 若者の場合は高齢者と比較して基礎体力があり、リハビリに取り組みやすいことから回復が早いです。 また脳の発症部位によって症状の重さが変化する点も、回復に個人差のある理由の1つです。 さらにリハビリの開始時期によっても回復の度合いは左右され、基本的に適切なリハビリや治療を行う時期が早いほど効果が期待できます。 複数の要因が回復状況を左右するため、リハビリや治療は個人に合わせたアプローチが必要です。 脳梗塞の特徴 脳梗塞とは脳卒中の一種で、脳の血管が詰まることで発症します。 主な種類・特徴と原因は以下の通りです。 ラクナ梗塞 アテローム血栓性脳梗塞 心原性脳塞栓 ラクナ梗塞は、脳の深部にある微細な血管が詰まることや血管に強い圧力がかかることで発症する脳梗塞の1種です。 日本人が発症する脳梗塞としては1番多く、脳梗塞の中で全体の25~40%の割合※を占めています。 ※出典:日立造船健康保険組合 因島総合病院「疾病案内 Vol. 07 脳梗塞について」 症状としては運動麻痺や感覚障害、呂律が周らないなどが挙げられますが、意識障害を起こす人は少ないです。 そのため他の脳梗塞と比較すると、個人差はありますが早期からリハビリに取り組める傾向にあります。 アテローム血栓性脳梗塞は、脳や首太い血管が動脈硬化によって詰まる・狭くなることで発症する病です。 脳梗塞の前触れとして一過性脳虚血発作(TIA)を起こす人が多く、全体の20~30%が発症しています。 一過性脳虚血発作とは一時的に脳の血管が詰まり、めまいやふらつきなどの症状が起こる発作です。 心原性脳梗塞は、心臓内の血栓が血流に乗って脳の血管を詰まらせることで発症します。 心臓で発生した血栓のサイズは大きい傾向にあり、脳の血管に詰まると重篤な症状を引き起こしやすいです。 心原性脳塞の原因は不整脈によるもので、ラクナ梗塞やアテローム血栓性脳梗塞と異なり、予防が難しい病気と言われています。 治療には血栓を溶かす薬が使用(t-PA療法)されますが、血栓が溶けきらない場合は太ももからカテーテルを挿入し脳の血栓を回収する手術が行われます。 脳梗塞の後遺症の種類と各症状について 脳梗塞の後遺症は、発症した部位によって症状が異なります。 症状によってリハビリ方法も異なるので、最適なリハビリ方法も含めてぜひ参考にしてください。 運動麻痺(片麻痺) 運動麻痺(片麻痺)は脳の運動機能に関わる領域※の損傷によって引き起こされ、多くの場合は損傷した部位の反対側に麻痺が現れます。 ※脳皮質運動野・大脳基底核・小脳・脳幹など リハビリは筋出力トレーニングやバランス訓練、歩行訓練といった、歩くことに特化した内容が多いです。 いずれもバランスを改善するエクササイズや、麻痺している側の筋力を強化する方法になります。 その他にも神経筋電気刺激(NMES)といった、筋肉を電気刺激することで回復を図る方法も。 これらのリハビリを適切な頻度で繰り返し行い、少しでも歩ける状態を目指していきます。 感覚障害やしびれ 感覚障害やしびれは頭頂葉の損傷によって発症し、触覚や温度感覚が鈍くなる症状を引き起こします。 加えて「じんじん」「ぴりぴり」とした体のしびれが起こり、日々の生活に支障をきたす場合も多いです。 また、頭頂葉は身体の様々な感覚情報を処理する「体性感覚野」と呼ばれる領域があり、この部位が損傷されると、感覚の鈍麻以外にも、手足の使いづらさや異常感覚が生じることもあります。 さらに、頭頂葉の特定の部位が損傷されると、ゲルストマン症候群(失算、失書、手指失認、左右失認)などの症状が現れることがあります。 感覚障害に対しては、理学療法士によるマッサージなどしびれを和らげるリハビリが行われます。 他にも重さや硬さ・材質が異なる物を手に取って、物を掴む力・物を手にした時の感覚を取り戻していくリハビリも。 またTMSという機械で脳に直接磁気刺激を与え、感覚障害やしびれの改善を目指す方法もあります。 視野障害と失語症 視覚中枢と言語中枢の損傷により、片目の視力が失われたり、言葉が出にくくなる失語症や感覚性失語症を発症します。 また両目は見えていても視野が狭くなったり、一部分だけが見えないケースも。 視野障害のリハビリは、視力の残っている方の視野に見たい対象を写す、眼球運動で改善を目指します。 一方で失語症には、言語聴覚士による絵が描かれたカードの名前を読み上げる訓練などが行われます。 加えて周りとのコミュニケーションで徐々に失語症が回復していくこともあるので、意識的にコミュニケーションを図ると良いでしょう。 高次脳機能障害 高次脳機能障害は記憶障害・注意力低下など、日常生活に大きな影響を与える症状を引き起こします。 記憶障害の場合、日付を忘れたり新しい情報が覚えられなくなったりと社会生活に支障が出てしまうケースも。 また注意力低下によりミスが増えたり、作業を長く続けられないなどの症状も現れます。 記憶障害のリハビリには記憶したことを復習する反復訓練や、物や人を見た目のイメージに基づいて記憶する視覚イメージ方があります。 一方注意力低下に対してのリハビリには、パズルや間違い探し、電卓計算やデータ入力作業が効果的です。 上記のリハビリを反復して行い、日々の生活でもメモを取る・集中できる環境を整えるなどのアプローチを行いましょう。 精神的後遺症 脳梗塞によってうつ症状や感情コントロール障害といった精神的後遺症が起こるケースも、少なくありません。 脳の感情を司る部位に損傷が起こることで不安感や意欲の低下起き、うつの症状が起こります。 また日々の生活で必要な動作(歩行や食事など)ができなくなることも、活力の低下の原因に。 そして感情コントロール障害により、急に怒り出す・泣き出すといった感情失禁を引き起こすこともあります。 上記の症状に対しては、精神科の医師や心理士によるカウンセリングが必要です。 カウンセリングと併せて、自分の行動を見直し認知の歪みを治す認知療法も行うと改善が期待できます。 後遺症改善に向けたリハビリ方法 脳梗塞の後遺症のリハビリは、時期に応じて適切に行うことが大切です。 急性期・回復期・生活期に分けて紹介するので、後遺症改善の参考にしてください。 急性期のリハビリ 急性期のリハビリは、主に離床と関節可動域を維持する内容になります。 リハビリ 内容 早期離床 ・車いすに移る ・ベッドから起き上がる 関節可動域訓練や廃用症候群の予防 ・手足を動かすストレッチ ・関節を動かすストレッチ ・食事や入浴などの日常の動作を行う 急性期は身体の機能が低下しないよう、日常での動作や廃用症候群を予防するリハビリが中心です。 廃用症候群とは長期間寝たきりになることで関節が固まってしまい、身体機能に不調をきたしている状態のこと。 そのため関節が固まらないように手足・関節のストレッチ、日常動作の動きから始めていきます。 回復期のリハビリ 回復期のリハビリは、運動療法と言語訓練・嚥下訓練を主として行います。 また、これらの基本的な機能回復に加えて、作業療法による、より実生活に即した訓練も取り入れられます。 リハビリ 内容 運動療法 ・歩行訓練を行う ・自重を使った筋力トレーニングを行う 言語訓練・嚥下訓練 ・物やカードを使って名前を言う ・PCでデータ入力を行う ・舌や頬の筋力を取り戻す訓練を行う 作業療法 ・調理、掃除、洗濯などの家事動作を含む、応用的な日常生活動作の練習 ・手指の巧緻性訓練や高次脳機能訓練などを行う 回復期は急性期と比較して容体が安定しているため、日常生活への復帰を目指すリハビリが中心です。 運動療法では歩行訓練のほか、スクワットなど自重を活かしたトレーニングを行い、身体機能の回復を図ります。 また喋る・飲み込むことに支障がある場合は、言語聴覚士による舌や頬の筋力を鍛える訓練も合わせて実施します。 生活期のリハビリ 生活期のリハビリは自主的なリハビリ、訪問・通所リハビリによって社会復帰を目指します。 リハビリ 内容 自主的なリハビリ ・バランス訓練を行う ・手足を中心としたストレッチを行う 訪問・通所リハビリ ・理学療法士や言語聴覚士による機能訓練を行う 生活期に入ると退院しているケースがほとんどなので、自宅できるリハビリや訪問・通所でリハビリを行います。 自主リハビリは手足を動かすストレッチ、歩行の際に転倒しないようバランス訓練が中心です。 訪問・通所リハビリでは歩行や寝返りなどの機能訓練のほか、福祉用具の取り扱いについてもアドバイスが貰えます。 脳梗塞の後遺症の回復なら再生医療もご検討ください これまでのリハビリに限界を感じている方は、当院(リペアセルクリニック)で提供している再生医療も選択肢の1つです。 当院では「脳細胞は再生しない」という常識を覆し、再生医療での新たな治療方法を確立しました。 新たな治療方法では、幹細胞の投与によって脳細胞の修復・血管の再生を目指し、一般的な治療と比較して効果が高い2億個の幹細胞を投与する治療を行っています。 脳梗塞でよくある以下のような症状についても、回復を見込めるのも特徴です。 再生医療の効果については個人差があるものの、実際に当院で治療を受けた人からも、後遺症が改善されたとの事例が多くあります。 脳出血後の後遺症として左半身麻痺を認め、車椅子の移乗にも3人の介助が必要となりましたが、幹細胞治療後には、車椅子への移乗が独りでできるようになりました。歩行においても左下肢と体幹の力がつくことで、安定して歩けるようになりました。もう一つ安定した歩行で大事なことは足の指の力であり、この力がつくことにより足の踏ん張りがつきます。 引用:リペアセルクリニック「脳出血後の後遺症で左半身麻痺 50代男性」 「今のリハビリに限界を感じている」「再発を予防したい」方や、リハビリで進捗を実感できない方・ご家族の回復を願う方にとって、回復・再発予防の期待できる治療法と言えるでしょう。 再生医療については早期に始めるほど良い効果が期待できます。 再生医療の内容や費用について知りたい、どの程度の回復見込みがあるかについて気になる方はお早めにご相談ください。 来院やメールによる相談のほか、オンラインカウンセリングも受け付けています。 脳梗塞の後遺症と回復に関するよくある質問 脳梗塞の後遺症と回復に関するよくある質問は、以下の通りです。 脳出血や脳梗塞の違い、脳梗塞の再発予防について回答しているのでぜひ参考にしてください。 脳出血・脳梗塞・くも膜下出血は何が違う? 脳出血・脳梗塞・くも膜下出血は、いずれも脳卒中の中に包括され、具体的には以下のように分類されます。 脳出血の種類 症状 分類 脳出血 脳の細い血管が破裂し出血した血液が神経を圧迫する ₋ くも膜下出血 脳動脈瘤が破裂し硬膜やくも膜下腔に血液が溜まる ₋ 脳梗塞 脳の細い血管もしくは太い血管に血栓が詰まり脳細胞に損傷が起こる ・ラクナ梗塞 ・アテローム血栓性脳梗塞 ・心原性脳塞 脳出血は脳の微細な血管が破裂・出血することで、神経を圧迫して運動麻痺や感覚障害などの症状を引き起こします。 一方脳梗塞は血管が詰まることで血流が途絶え、脳細胞に損傷をきたす症状で脳出血とは要因が異なります。 くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂で硬膜に血液が溜まり、激しい頭痛や意識障害、嘔吐やけいれんを伴う症状です。 いずれも早期発見・治療が回復の鍵になる症状なので、脳に違和感を覚えたらすぐにかかりつけ医に相談しましょう。 脳梗塞の再発を防ぐ方法は? 脳梗塞の再発を防ぐ方法としては、生活習慣の改善や血圧・糖尿病管理、適度な運動が挙げられます。 予防法 具体的な対策 生活習慣の改善 ・野菜や魚を取り入れたバランスの良い食事を意識する ・禁酒・禁煙する ・6~8時間の睡眠をとる ・ストレス解消方法を見つける 血圧管理 ・塩分の多い食事を控える ・毎日血圧を測る 糖尿病管理 ・血糖値、血圧を測る ・薬を忘れずに飲む ・食事計画に従う 適度な運動 ・20分~30分程度の運動を週3回程度行う ・ウォーキングやストレッチなどの軽い運動から始める 脳梗塞は高血圧や糖尿病、喫煙による動脈硬化によって引き起こされるため、これらの症状を予防する必要があります。 特に高血圧は脳梗塞の1番の要因となっているので、塩分の多い食事が多い日本人には血圧管理や糖尿病管理が必須です。 まずは無理なく日常的に取り入れられる対策から始め、習慣化していきましょう。 脳梗塞の後遺症は適切に処置すれば十分に回復する見込みがある 脳梗塞の後遺症は適切なリハビリと治療を継続していくことで、改善や回復が期待できます。 後遺症の内容に応じて、自宅での自主リハビリやリハビリテーション施設の通所を継続していきましょう。 時には理学療法士・言語聴覚士・作業療法士によるフィードバックを受け、回復に向けた取り組みを見直すことも大事です。 また脳梗塞の後遺症の改善方法として、リハビリのほかに再生医療という選択肢もあります。 当院リペアセルクリニックでは幹細胞を活用した治療で、損傷した脳細胞や血管の回復・再生を目指しています。 幹細胞治療は後遺症の改善のほかに、再発予防にも繋がるため、再発予防に取り組みたい方にも最適です。 早期の治療が回復の鍵になるので、気になる方はお早めにご相談ください。
2025.01.08 -
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健康の不安を抱えていて、自身が脳梗塞を発症するリスクについて知りたい方は多いのではないでしょうか。 脳梗塞は、年齢が上がるほど発症リスクが高まる傾向にありますが、20代前後の若い世代でも脳梗塞になる可能性があるため、注意が必要です。 本記事では、脳梗塞の年齢別発症率や、高齢女性が発症しやすいと言われている理由などを解説します。 脳梗塞を発症しやすい年齢や要因を把握して、予防に役立てましょう。 また、近年の脳梗塞治療では、従来の治療では難しいといわれていた損傷した脳細胞の改善が期待できる再生医療が注目されています。 \脳梗塞に有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脳梗塞が治るか不安を抱えて生活している 治療後にも後遺症に悩まされている 現在の治療では目立った効果が出ていない 「脳梗塞が治るか不安」「後遺症を早く治したい」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。 以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、脳梗塞の後遺症が改善された患者さまの症例を紹介しています。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=r7ykvSwmkQJPeu9i 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、脳梗塞の治療として注目されている再生医療に関する内容や症例を公開中です。 後遺症の改善も期待できる治療法なので、将来的な不安がある方は、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の年齢別発症率|9割が65歳以上 本章では、脳梗塞の年齢別発症率や男女別の発症率について解説します。 脳梗塞発症の年齢分布 男女別の年齢別発症率 若年性脳梗塞は20代でも発症する可能性 それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。 脳梗塞発症の年齢分布 脳梗塞における年齢別の発症率は、以下のとおりです。 年代 人数 割合 総数 119,100人 100% 0~14歳 100人 約0.08% 15~34歳 400人 約 0.34% 35~64歳 12,100人 約 10.16% 65~69歳 7,400人 約 6.21% 70~74歳 14,900人 約 12.51% 75歳以上 84,200人 約 70.68% 厚生労働省のデータによると、2023年に脳梗塞を発症した約12万人のうち、およそ9割が65歳以上※でした。 ※厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」 脳梗塞は、どの年齢でも起こる可能性がありますが、とくに高齢の方が発症しやすいといえます。 高齢の方が脳梗塞になりやすい主な原因は、以下のとおりです。 高血圧 不整脈 加齢による血管の柔軟性の低下 心臓の機能低下 そのため、早い段階から生活習慣の見直しや定期的な検査を受けるなどして予防を心がけましょう。 以下の記事では、脳梗塞と同様に脳血管の疾患である脳出血の再発や予防についてまとめていますので、詳しく知りたい方はご覧ください。 男女別の年齢別発症率 男女別の脳梗塞を発症した人数と、年齢の中央値※は、以下のとおりです。 ※出典:日本脳卒中データバンク「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」 性別 脳梗塞を発症した人数 脳梗塞を発症した中央値 男性 8,401人 75歳 女性 6,116人 82歳 上記のデータからわかるポイントは、下記のとおりです。 男女とも、年代と共に脳梗塞を発症するリスクが高まる 男性は脳梗塞を発症した人数が多い 女性はより高齢で脳梗塞を発症する傾向にある 年代や性別によって脳梗塞のリスクが異なることを把握し、予防につなげましょう。 若年性脳梗塞は20代でも発症する可能性 脳梗塞は高齢者の病気というイメージがありますが、実際には「若年性脳梗塞」として、20代の若い世代でも発症する可能性があります。 若年性脳梗塞とは、45歳未満で発症する脳梗塞を指すことが多く、決して他人事ではありません。 高齢者の脳梗塞が主に動脈硬化や生活習慣病を原因とするのに対し、若年性脳梗塞の主な原因として、以下のようなものが挙げられます。 心臓の異常(心原性脳塞栓症):先天的な心臓疾患によってできた血栓が脳に運ばれ、血管を詰まらせる可能性 血管の異常:脳や首の血管が裂ける「動脈解離」や、血管の炎症である「血管炎」などが引き金となる可能性 血液の病気:血が固まりやすくなる特定の病気によって、血栓ができやすくなっている状態が要因となる可能性 若いから大丈夫と過信せず、発症リスクを知っておくことが、万が一の際に自分の身を守ることにつながります。 また、年齢に関わらず、ろれつが回らない、体の片側に麻痺を感じるなどの前兆が現れた場合は、すぐに医療機関を受診する意識を持ちましょう。 女性が脳梗塞になりやすい理由3つ|高い年齢の方は要注意 女性が脳梗塞になりやすいと言われる理由は、以下のとおりです。 ホルモンバランスの変化 不整脈を発症しやすい 妊娠高血圧症候群 女性特有の閉経や出産などが原因であることがわかっています。 以下で詳しく解説しますのでご覧ください。 ホルモンバランスの変化 閉経に伴うホルモンバランスの変化は、脳梗塞を高齢女性が発症しやすい要因の一つです。 閉経を迎えると、女性ホルモンの1種であるエストロゲンの分泌が減少します。 エストロゲンは女性らしい体を作るだけでなく、血管を保護する役割も担っているため、血管のダメージが蓄積しやすくなり脳梗塞を発症する可能性が高まります。 脳梗塞が心配な方は、エストロゲンと似た作用がある大豆イソフラボンを含む大豆製品を食事に取り入れるのも一つの手です。 閉経後の日本人女性が大豆製品を週5日以上食べると、週に0~2日しか食べない人と比べて脳梗塞になるリスクが約36%低い※という報告があります。 ※出典:がん対策研究所予防関連プロジェクト「イソフラボンと脳梗塞・心筋梗塞発症との関連について」 不整脈を発症しやすい 中年期から高齢の女性は、男性と比較して不整脈を発症しやすい傾向にあります。 不整脈は、脈の速さが不規則になる状態を指し、ストレスや更年期による自律神経の乱れなどが主な原因です。 とくに、不整脈の一種であり心臓の上部の部屋が細かく震える心房細動は脳梗塞と密接な関係があります。 心房細動がある人は、ない人と比べて脳梗塞のリスクが約5倍高い※というデータもあります。 ※出典:PubMed 心房細動は心臓の動きが不規則になるため、心房内の血液がよどんで血の塊ができやすくなります。 血の塊が脳に流れて血管に詰まると、脳梗塞を引き起こす可能性が高まります。 そのため、動悸や脈の乱れを感じたら、脳梗塞を防ぐためにも早めに医療機関を受診しましょう。 妊娠高血圧症候群 妊娠高血圧症候群は妊娠中に血圧が高くなる疾患で、重症化すると合併症で脳梗塞を発症するケースがあります。 妊娠高血圧症候群になった場合、産後10年から15年で脳梗塞を含む脳卒中を発症するリスクが約2倍※に上がるので注意が必要です。 ※出典:PubMed 一般的に、妊娠高血圧症候群は分娩後に少しずつ改善されますが、血管へのダメージは残っています。 そのため、産後も生活習慣の見直しや血圧の記録などで体調を管理すると、脳梗塞の予防につながります。 脳梗塞の初期症状が出た場合は早期に医療機関を受診しよう https://youtu.be/nImMy68lviU?si=cUY8jDQl0xWFrW5x 脳梗塞の症状が出た場合、早急に救急病院や脳神経外科などの医療機関を受診しましょう。 代表的な脳梗塞の初期症状は、以下の6つです。 初期症状 主な例 顔のしびれや顔のゆがみ コップで水を飲もうとしたらこぼしてしまう ろれつが回らない 「ぱ」「た」「か」などが発音しづらい 感覚が鈍感になる 熱い・冷たいがわからない、お風呂の温度をあまり感じない 手足の力が入りにくい 箸が持ちにくい、両手を前に出すと片方の手が落ちてしまう めまいや吐き気 小脳に脳梗塞が起きている可能性がある 目のかすみやぼやけ 両目の視野が欠けたりぼやけたりする 脳梗塞を早期に治療できれば、大きな後遺症が現れるリスクが低下します。 たとえば、発症してから4時間以内であれば、血栓を溶かす薬を点滴で投与する血栓溶解療法と呼ばれる治療を受けられます。 とくに、3時間以内に血栓溶解療法を受けると約33%の確率で良好な結果を得られる※というデータがあります。 ※出典:国立循環器病研究センター「治療開始時間、年齢、脳梗塞重症度が血栓溶解療法(rt-PA静注療法)に及ぼす影響を、国際試験の統合解析から解明」 そのため、脳梗塞が疑われる症状がある際は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。 脳梗塞の年代別発症率に関するよくある質問 脳梗塞の年代別発症率について、よくある質問は以下のとおりです。 脳梗塞はどの年齢層に多い? 脳梗塞は若い世代でも発症する? 50代で脳梗塞になる割合は? 脳梗塞を予防するためにできることは? 脳梗塞の発症リスクや予防法について知りたい方は、参考にしてください。 脳梗塞はどの年齢層に多い? 厚生労働省の調査によると、2023年に脳梗塞を発症した方の9割が65歳以上※でした。 ※厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」 上記のことから脳梗塞は、年齢に伴って発症リスクが高まるといえます。 また、発症しやすい年齢は男女に差があることがわかっています。 脳梗塞を発症した年齢の中央値は男性が75歳で女性が82歳※と、女性の方が高い年齢で発症する傾向がみられました。 ※出典:日本脳卒中データバンク「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」 家族や自身の健康を守るためにも、年代ごとの発症リスクを把握しましょう。 脳梗塞は若い世代でも発症する? 若い世代でも脳梗塞を発症する可能性があり、45歳以下で発症する脳梗塞を「若年性脳梗塞」と呼びます。 若年性脳梗塞の主な原因は、以下のとおりです。 主な原因 特徴など 抗リン脂質抗体症候群 血液が固まり詰まってしまう血栓症や、不育症の原因にもなる自己免疫疾患の一種で、女性に多い 奇異性脳塞栓症 先天的に心臓の奇形や穴が開いていることが原因で、静脈でできた血栓が動脈に流れ込み脳血管に詰まる もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症) 脳内の太い血管が細くなることで不足した脳の血液を補うために、もやもやとした細い血管が作られる 若年性脳梗塞は遺伝的な要因や先天的な特徴など、高齢者が発症する脳梗塞とは異なる原因で起こる場合があります。 脳梗塞はどの年代でも発症リスクがある病気なので、頭痛・しびれ・めまい・ろれつが回らないなどの症状があれば早期に医療機関を受診しましょう。 50代で脳梗塞になる割合は? 50代で脳梗塞になる割合は明らかにされていませんが、全年齢における脳卒中の発症率は、人口10万人あたり約100人(=約0.1%)※とされています。 ※出典:島根県健康福祉部健康推進課「島根県保健医療計画 第5章 医療提供体制の現状、課題及び施策の方向」 脳卒中とは、脳梗塞や脳出血など脳の血管に関わる疾患の全般を指します。 また、同調査によると脳卒中を発症した患者のうち、50代の男性は6.0%、女性は3.7%を占めていて、40代に比べて50代から患者の割合が増加していることがわかりました。 50代から健康への意識を高めて、将来のリスクに備えましょう。 脳梗塞を予防するためにできることは? 脳梗塞を予防するためにできることは、適度な運動や、食習慣の見直し、良質な睡眠、禁煙などです。 年代によってリスクや対策が異なるため、以下の点に注意して脳梗塞を予防しましょう。 年代 予防ポイント 39歳まで 生活習慣病を防ぐため、食事や運動などの生活習慣を見直す 40歳から64歳まで 定期健診で血圧や血糖値の状態を把握する 適切な体重を維持して内臓脂肪を減らす 65歳以上 生活習慣病を予防したり治療を受ける 心配な方は、脳ドックで詳しく検査する 水をこまめに飲み血液の循環をよくする 部屋を暖かくして血圧の上昇を防ぐ 脳梗塞は予防ができる病気です。年代に応じた対策を取り入れてリスクを軽減させましょう。 脳梗塞を防ぐには年齢別の対策が重要 脳梗塞はどの年齢でも発症する可能性のある病気ですが、とくに高齢の方に発症しやすい※傾向があります。 ※厚生労働省「令和5年(2023)患者調査の概況」 予防するためには、食生活の見直しや運動の習慣化、禁煙などの生活習慣を整えることで、発症リスクを抑えられます。 また、万が一脳梗塞を発症してしまったときのための治療法や対処法を知っておくことが重要です。 近年の脳梗塞治療では、従来の治療では難しいといわれていた脳細胞の改善が期待できる再生医療が注目されています。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 脳梗塞が治るか不安を抱えて生活している 脳梗塞の再発を予防したい 脳梗塞の後遺症に悩まされている 「脳梗塞が治るか不安」「後遺症を早く治したい」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。
2024.12.17 -
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脳卒中とは、脳の血管障害が原因で発症する疾患群の総称で、脳の血管が破れたり、詰まったりして起こる病気です。 脳卒中には3種類あり、それぞれの病型で特徴や原因が異なります。 本記事では、脳卒中の種類や特徴についてわかりやすく解説します。 また、脳卒中を予防するために日常生活でできることも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 一度損傷した脳細胞は回復しないといわれていますが、近年では脳卒中の治療に先端医療である再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、脳梗塞をはじめとする脳卒中に対する再生医療に関する情報を配信中です。 脳卒中の症状や後遺症リスクを下げるためにも、発症後すぐの対応がとても重要です。 将来的な不安がある方は、今のうちに再生医療ではどのような治療を行うのか知っておきましょう。 脳卒中の種類は大きく3つに分類される 脳卒中には、主に3つの種類があります。 脳梗塞 脳出血 くも膜下出血 3種類の疾患について、それぞれ詳しく解説します。 脳梗塞 脳梗塞は脳卒中のひとつで、脳梗塞の中でも以下の3種類の病型に分類されます。 ラクナ梗塞 高血圧が原因で穿通動脈と呼ばれる細い血管が詰まり発症する脳梗塞 脳梗塞の範囲が直径15㎜以下と小さく、症状に気づきにくい アテローム血栓性脳梗塞 動脈硬化により脳内の血管が狭くなり、血栓ができることで起こる 悪玉コレステロール(LDL)などで作られたプラーク(粥種)が原因の動脈硬化 硬化が原因でもろくなった血管は、血栓ができやすく、脳梗塞になりやすい 心原性脳塞栓症 心臓にできた大きな血栓が脳に運ばれ、脳血管を詰まらせて発症する脳梗塞 心臓の機能が低下すると、血流が滞り血栓ができやすくなる 太い脳血管に血栓が詰まるため、症状が重く、後遺症も出やすい ラクナ梗塞で症状が出現しない場合は、「無症候性脳梗塞」と呼ばれ、検査などで偶然発見されるケースがあります。 アテローム血栓性脳梗塞のプラークは、悪玉コレステロール以外に脂質が原因になる可能性もあります。 脳出血 脳出血は、脳内にある細い血管が破れて出血する疾患です。 脳出血の原因の多くは高血圧であると言われており、脳出血患者の46%は高血圧症の治療中※であったとの研究結果もあります。 ※参考:日本神経治療学会「Ⅲ.脳出血」 以下の記事では、脳幹で生じた脳出血の回復見込みや、早期にリハビリテーションを行う重要性について解説しているので、ぜひ参考にしてください。 くも膜下出血 くも膜下出血とは、くも膜下腔(脳の表面とくも膜の間)に出血が生じる疾患です。 こぶのように膨らんだ脳動脈瘤と呼ばれる血管が破裂して、くも膜下腔に流れ出すケースが約8割※を占めています。 ※出典:健康長寿ネット 重症の場合には、呼吸が止まってしまったり不整脈を伴う場合もあります。 以下の記事では、くも膜下出血を発症した患者さまにご家族ができることや、回復過程について解説しているので、合わせてご覧ください。 【種類別】脳卒中の主な原因 脳卒中の原因は、以下のように種類によって異なります。 脳卒中の種類 原因 要因 脳梗塞 脳の血管が詰まり、血流が遮断される ・高血圧 ・血栓 ・動脈硬化 など 脳出血 脳血管が破れて出血する ・高血圧 ・動脈硬化 など くも膜下出血 くも膜と脳の間の血管が破裂する ・脳動脈瘤の破裂 ・動静脈奇形 ・頭部外傷 など 脳梗塞の原因は「血管が詰まる」ことですが、脳出血とくも膜下出血の原因は「血管の破裂」によるものです。 どの疾患でも高血圧など脳血管への継続的な負担によって発症する可能性があります。 脳卒中を予防するためにできること 脳卒中を予防するために、3つの点に注意しましょう。 血圧管理を徹底する 食生活を改善する 適度な運動習慣をつける 以下では、注意すべき点について、それぞれ詳しく解説します。 血圧管理を徹底する 脳卒中を予防するには、原因となる高血圧を防ぐために血圧管理を徹底することが重要です。 高血圧は脳卒中のリスク因子です。高血圧を放置すると動脈硬化が進み、血管の詰まり・破裂のリスクが上がります。 高血圧は自覚症状がない場合があるため、日々の血圧管理が大切です。 血圧管理には、食事療法、運動療法、禁煙、節酒、十分な睡眠、ストレス管理などの、生活習慣の改善が効果的です。 食生活を改善する 脳卒中を予防するには、高血圧や脂質異常症、糖尿病を防ぐために栄養バランスの良い食生活に改善しましょう。 とくに、塩分の過剰摂取は生活習慣病や高血圧につながります。 20歳以上の食塩摂取目標値は男女ともに7.0g未満です。高血圧の予防のためには1日あたり6g未満※に抑えるのが望ましいとされています。 ※参考:厚生労働省「健康日本21(第三次)の推進のための説明資料」 また、多量の飲酒も高血圧の要因になるため、適量に抑えましょう。適度なアルコール摂取量は、1日約20g※です。 ※厚生労働省「アルコール」 適度な運動習慣をつける 適度な運動習慣をつけることで血圧を下げる効果が期待でき、脳卒中の予防につながります。 1日に30分の有酸素運動を続けると、高血圧患者の血圧は約3mmHg※低下することが期待されています。 ※厚生労働省「高血圧の人を対象にした運動プログラム」 高血圧の方でなくても、適度な運動習慣は生活習慣病や高血圧、糖尿病の予防にも効果的です。 脳卒中の種類に関するよくある質問 脳卒中の種類に関するよくある質問にお答えします。 脳卒中の種類の割合は? 脳卒中と脳梗塞の違いは? 脳卒中の前兆は? 脳卒中に後遺症はある? 各質問について、それぞれ詳しく回答します。 脳卒中の種類の割合は? それぞれの発症の割合は、脳梗塞が約70%、脳出血が約11%、くも膜下出血約4%、その他脳血管疾患が約16%※で、脳梗塞が半数以上を占めています。 ※参考:日本生活習慣病予防協会「脳梗塞の調査・統計」 脳梗塞の中にも3種類の病型がありますが、それぞれ30%ずつの割合です。心原性脳塞栓は加齢とともに増加傾向にあります。 それぞれの病型で重症度や予防法が異なるので、できるだけ早く病型を特定するためにも早期に医療機関を受診しましょう。 脳卒中と脳梗塞の違いは? 脳卒中と脳梗塞は、意味と対象となる疾患の範囲が異なります。 脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の脳血管障害を総称した呼び方です。 脳梗塞はその中でも、脳の血管が詰まって血流が遮断される疾患のことを呼びます。脳梗塞の主な原因は動脈硬化や血栓です。 脳梗塞は、脳卒中の中でも発症の割合が高い疾患です。 脳卒中の前兆は? 脳梗塞が起こる前触れを、一過性脳虚血発作(transient ischemic attack:TIA)といいます。 突然症状が現れ、24時間以内に消失してしまうケースが多いです。 一過性脳虚血発作の症状が現れたら、症状が治まっても、すぐに病院に行きましょう。 脳卒中に後遺症はある? 脳卒中の主な後遺症は以下の5つです。 身体が動かしづらい しびれなどの感覚障害 視野の障害 記憶障害や注意力の低下(高次脳機能障害) うつ症状 脳の損傷範囲によっては、身体を動かしづらいなどの運動障害が現れる可能性があります。 運動障害は、筋力トレーニングや歩行訓練を行うことで、改善が期待できる後遺症です。 高次脳機能障害は、記憶障害や注意力の低下を引き起こし、日常生活に大きな影響を与える場合があります。反復練習を通じて回復を図ることが可能です。 また、脳の感情を司る部位が損傷を受けると、うつ症状や意欲の低下を引き起こすケースもあります。 うつ症状はカウンセリングや認知療法により、改善が見込まれます。 脳卒中の種類を理解して予防に努めよう 脳卒中の種類には、脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の3種類があり、それぞれ原因や要因が異なります。 いずれの種類でも脳血管に負担がかかる高血圧が大きな原因となるため、生活習慣の見直しや適度な運動が大切です。 バランスの良い食事や定期的な運動によって血圧を低下させる効果が期待されます。 また、もし脳卒中になってしまった場合に備えて、治療法について知っておくことが大切です。 脳卒中になった場合は、血圧を下げたり出血を止める薬の投与や、必要に応じて手術が行われます。その後は機能回復のため、なるべく早期からのリハビリ開始が望まれます。 後遺症からの回復や再発予防には、再生医療という選択肢もあります。 再生医療は患者さま自身の細胞を利用するため、拒否反応が起こるリスクが低い治療法として注目されている先端医療の一つです。 将来的な不安がある方は、この機会に再生医療について知っておきましょう。
2022.01.26 -
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脳卒中は発症後どれだけ早く初期治療を受けられるかで、その後の回復に大きな影響を与えます。 本記事では「脳卒中発症後の初期治療の重要性」について詳しく解説します。 脳卒中の発症後はできるだけ早い対応が求められるため、自分や家族が倒れた時にすぐ対応できるようにしましょう。 機能回復に重要なリハビリや再生医療による治療方法についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。 脳卒中(脳梗塞)は倒れてからの時間より発症後の時間が重要 脳卒中には「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」の3種類があり、これらを発症してしまった場合は、一刻も早く治療を受ける必要があります。 特に「脳梗塞」は、発症からの時間がその後の回復に大きな影響を与えます。 重要なのは倒れた時間ではなく、最初に症状が現れた時刻です。 頭痛やしびれなど、軽微な症状が出始めた時点が発症時間となります。 救急車を呼ぶ際も、「何時頃から症状が出始めたか」を正確に伝えられるよう、時間を記録しておくことが大切です。 脳梗塞は発症から4.5時以内の初期治療が鍵となる 脳出血は発症後1~6時間で出血が止まるが早期受診が必要 くも膜下出血は早急に救急車を呼ぶ 4.5時間経過後も初期治療は重要!諦めずにすぐ病院へ 脳卒中を疑ったら可能な限り早く専門医を受診しましょう。 脳の障害は発症後、時間が経つほど症状が大きくなり後遺症も重度になる可能性が高いです。 また脳梗塞では、発症してから4.5時間以内に行えるt-PA点滴治療、8時間以内の患者さんのみに行える特殊な治療の血管内治療があります。 脳梗塞は発症から4.5時間以内の初期治療が鍵となる 脳梗塞を発症後、4.5時間以内に初期治療を受けることが重要です。 脳梗塞になると、脳に血液を送る血管が詰まり、脳に血液が流れなくなることで脳の神経細胞が死んでしまいます。 しかし、脳梗塞の発症から4.5時間以内なら、血栓を溶かすt-PA治療が行えます。 t-PA治療は、血管内の血栓を溶かすことで詰まった脳血管を再開通させ、脳細胞への血流を回復させます。 発症から治療開始までの時間が遅くなるほど脳の神経細胞が死滅するリスクが上がるため、早急に治療を受ける必要があります。 脳出血は発症後1~6時間で出血が止まるが早期受診が必要 脳出血(脳内出血)は発症から1〜6時間程度で出血が止まりますが、意識障害など重症になる可能性があるため、早期受診しましょう。 脳出血とは、脳内の血管が破れて脳内に出血する病気のことです。 出血した血液が固まって血腫となり脳を圧迫することで吐き気や意識障害などを引き起こします。 脳出血を発症してから6時間以上経過しても、意識障害などの重度な症状が出ない場合は手術せずに様子をみることが多いです。 しかし、発症後に意識障害まで悪化してしまうと命に関わる可能性があります。 早期受診することで症状が悪化した時に病院ですぐ対応できるようにすることが重要です。 くも膜下出血を発症した場合は早急に救急車を呼ぶ くも膜下出血を発症した場合は、できる限り早く医療機関へ搬送できるよう救急車を呼びましょう。 脳の血管が破裂したことで、脳の表面を覆っているくも膜と軟膜の間にある「くも膜下腔」に出血が起こる病気のことです。 くも膜下出血の原因でもっとも多い脳動脈瘤が破裂してしまうと、24時間以内に再破裂する可能性があります。 再破裂して出血すると死亡率は約50%といわれており、初期治療では再出血の予防が重要になります。 主な初期症状は「突然の激しい頭痛」「嘔吐」「意識障害」などがあり、一時的に症状が治ることもあるため、異変を感じたらすぐに医療機関へ相談しましょう。 4.5時間経過後も初期治療は重要!諦めずにすぐ病院へ 脳梗塞の治療は発症から4.5時間以内のt-PA静注療法が有効ですが、それを過ぎても諦める必要はありません。6時間以内なら血管内治療など、まだできることがあるのです。 発症時刻が不明でも、MRI検査で判断できればt-PA静注療法を検討できる場合もあります。 さらに、脳卒中専門病棟での治療と早期リハビリで、4.5時間を過ぎても良好な効果が期待できます。 大切なのは、できるだけ早く専門的な治療を始めること。脳梗塞の疑いがあれば、躊躇せずに救急車で専門病院へ行きましょう。 諦めずに治療を受けることが、その後の回復と生活の質を大きく左右します。 急性脳卒中のガイドライン/FASTで脳卒中(脳梗塞)か判断 急性脳卒中を診断する際には、「FAST」と呼ばれるガイドラインが使用されます。FASTは、脳梗塞を早期発見するためにチェックするポイントの頭文字を合わせたものです。 FACE:顔 うまく笑顔が作れますか? 片側の顔だけが歪んでいたり、ひきつっていないか、顔の麻痺状態をチェックしましょう。 ARMS:腕 腕を上げたままキープできますか? 両腕をゆっくりと上げ下ろししてみて、腕の麻痺が起きていないかどうかをチェックします。もしも両腕を前に上げた際に、片腕だけが脱力して腕が上げられなければ要注意です。 SPEECH:話 短い文がいつも通り話せますか? 簡単な問いかけ(例えば本人の名前や今日の日付など)をしてみて、正しい返答があるかどうかをチェックしましょう。 TIME:時間 発症時刻を確認。 脳梗塞の場合、発症してからの時間によって治療内容が変わります。発症後3〜4.5時間以内であれば、薬物により血栓を溶かす治療が可能となることがあります。 周りにいる人が突然倒れたり、自分でおかしいなと思ったら、上記の4点を確認して、速やかに救急車を呼びましょう 症状が消えても油断できない一過性脳虚血発作(TIA)について 脳梗塞は突然襲ってきます。夜中のトイレ、朝の起床時、日中の活動中など、発症のタイミングははっきりしているケースがほとんどです。 ところが、最初の症状が徐々に和らいで消えてしまうことがあります。これを「一過性脳虚血発作(TIA)」と呼びます。 一過性脳虚血発作(TIA)は、脳梗塞の前触れとして、同じような症状が一時的に現れる現象です。数分から数十分、長くても24時間以内に症状が消えます。 症状が一時的でも、一過性脳虚血発作(TIA)を経験した人は、再び脳卒中に襲われる危険性が非常に高いため油断は禁物です。 もし一過性脳虚血発作(TIA)かもしれないと思ったら、一刻も早く医療機関を受診しましょう。 脳卒中で自分や家族が倒れた時にやるべきこと 脳卒中で自分や家族が倒れた時にやるべきことや、対応のポイントを解説します。 意識があるとき 意識がないとき 救急車を呼ぶ 脳卒中で倒れるほどの症状が出ている場合は、時間との戦いです。 後遺症のリスクを抑え、回復する確率を少しでも上げるために、できるだけ早く医療機関を受診して初期治療を受けましょう。 意識があるとき とにかく周囲に助けを求め、できるだけ動かずその場で横になることが原則です。周囲の人は、マットや毛布の上に患者さんを乗せて、広いところに移動して寝かせましょう。 これは脳への血流を保つこと、血圧上昇による出血の悪化や、再出血を予防するためです。横になれる場所が近くになくても、自分で立って歩くべきではありません。 なぜなら脳の血管が詰まって症状が出ている時には、歩くことで脳への血流が悪くなり、脳の障害がひどくなる恐れがあるからです。 意識がないとき こちらからの呼びかけや、体をゆすっても反応がまったくない、一時的に目を開けてもまたすぐに閉じて眠り込んでしまう。 さらに目は開いていても応答が曖昧な場合は、周囲の人が慎重に機敏に対応しなくてはなりません。 意識がないときの対応ポイント 倒れたまま意識がない時は救急車が到着するまで、以下のポイントを意識して対処しましょう。 1.適切な場所への移動 敷物などに寝かせ、処置や運び出しがしやすい場所に移動 戸外であれば、風通しのよい日陰に移動させる 頭をできるだけ動かさない(特に前に曲げない) 2.気道の確保と誤飲の防止 頭を前屈させない(=枕をしない) いびきや呼吸が苦しそうな時は、バスタオルや座布団などを巻いて肩の下に敷く(首を反らせ気味にすると、呼吸が楽になることが多い) 嘔吐しそうな時は、誤飲や窒息を防ぐため体ごと横向きに寝かせる(麻痺がある時は、麻痺側を上に向ける) 3.環境調節 上着のボタンを外し、ズボンのベルトを緩める 眼鏡、腕時計などのアクセサリー、入れ歯を外す 照明をやや暗く、室温を20℃程度にして換気をする 脳卒中発症後すぐに生命の危険があるのは、重症のくも膜下出血を除けばほとんどありません。落ち着いて上記の3点をすぐに実行してください。 救急車を呼ぶ 脳卒中が疑われる時は、一刻も早く専門医の受診が必要になります。通院治療中のかかりつけ医がいる場合は、専門の医療機関を紹介してもらうのが良いでしょう。 すぐに連絡がつかない場合は、直ちに119番に電話し、救急車を呼びましょう。受診予定の病院には、あらかじめかかりつけ医や救急隊から連絡し、搬送予定の患者の病状を説明した上で受け入れ可能か確かめておけば無駄な時間を省いて搬送できます。 重症の場合ではもちろんですが、軽症と思われる時も救急車を利用してください。 これは一刻も早く救急搬送するためであり、また搬送の途中で急に容体が悪化することも十分あり得るからです。 もしも救急車が他の現場へ出動中などで到着に時間がかかる時は、患者さんに横向きに寝てもらって、家族や周囲の人が車を運転し、病院へ運んでください。 ただし、患者さん本人が運転したために大事故を起こした例や、手遅れになるほど病状が悪化した例もあるため、患者さんが自分で運転して病院へ向かうのは絶対にやめましょう。 脳卒中(脳梗塞)で倒れたらどんな後遺症が残る? 脳卒中、特に脳梗塞は治療後も様々な後遺症が残ることがあります。 主な後遺症とその症状は以下の通りです。 後遺症 主な症状 運動麻痺 片側の上下肢が動かなくなる 感覚障害 触覚や痛覚が鈍くなったり、過敏になったりする 目の障害 視野狭窄、複視、半盲などの症状が長期間残ることも 構音障害 呂律が回りにくくなる 嚥下障害 飲み込みにくくなる 高次脳機能障害 記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、病識欠落など多岐にわたる 失語症 言葉が出にくくなったり、理解できなくなったりする 半側空間無視 外界の半側(主に左)に注意が向かなくなる 自発性障害 自ら進んで動作や会話ができなくなる 脳梗塞の後遺症は、日常生活に大きな影響を与える可能性があります。脳梗塞になった場合は、このような後遺症についても理解しておくことが重要です。 脳卒中(脳梗塞)の後遺症に対する治療 脳卒中(脳梗塞)の後遺症は、患者さんの日常生活に大きな影響を与えます。 しかし、適切なリハビリテーションと治療により、後遺症の改善が可能です。 理学療法 作業療法 感覚統合訓練 認知リハビリテーション 薬物治療 など リハビリテーションは、急性期、回復期、維持期に分けて行われ、それぞれの時期に応じた適切なアプローチが重要です。 後遺症からの回復には時間がかかりますが、粘り強いリハビリテーションを続けることで、多くの患者さんが自立した生活を取り戻すことができます。 リハビリや治療に関して、詳しくは以下の記事をご覧ください。 脳卒中(脳梗塞)の回復には早期のリハビリが重要 脳卒中の治療後は、さまざまな後遺症が残ってしまう可能性があり、機能回復のために早期のリハビリが重要です。 一般的に脳卒中の発症から6ヶ月後までは、ダメージを受けた脳の神経ネットワークが再構築すると考えられているため、後遺症が回復する見込みがあります。 そのため、発症から6ヶ月後までの「回復期」と呼ばれる期間にリハビリを積極的に行いましょう。 脳梗塞の後遺症に効果的なリハビリ内容について詳細が知りたい方は、以下をご参考ください。 脳卒中(脳梗塞)の治療法としての選択肢「再生医療」 脳卒中(脳梗塞)の治療法としては、脳梗塞や脳出血に対する効果が認められてきている再生医療という選択肢もあります。 再生医療では、主に幹細胞治療とPRP療法の2つを行います。 幹細胞治療:患者さま自身から採取した幹細胞を培養して投与。ご自身の幹細胞を利用するため副作用などリスクが少ないのが特徴です。 PRP療法:患者さま自身の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を患部に注射します。こちらもご自身の血液を利用するため副作用などリスクは少ない治療方法です。 特に幹細胞治療は脳神経細胞の修復および再生と、脳の血管を新しく再生させるという2つの大きな作用があり、脳卒中の再発予防にも効果的です。 特に以下のような方が治療対象になります。 うまく話せない 痺れや麻痺をなんとかしたい もうこれ以上の機能の回復が見込めないと診断を受けた方 リハビリの効果を高めたい 脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)の再発を予防したい 再生医療について興味がある方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 【まとめ】脳卒中の発症後は時間との戦い!その時に取るべき行動や知っておきたいこと 早期発見や早期治療がその後の予後に大きく関わります。 運動麻痺、感覚障害、高次脳機能障害など、患者さんの日常生活に大きな影響を与える後遺症に対して、適切なリハビリテーションが重要です。 脳卒中の後遺症からの回復には時間がかかりますが、あきらめずに継続的なリハビリテーションに取り組むことで症状の改善が目指せます。 また自分が脳卒中の危険因子に当てはまる場合は、再発予防のためにも生活習慣を見直し、検診を受けるように心がけましょう。 現在既に脳卒中後の後遺症で悩んでいる方は、後遺症の改善・再発予防として再生医療もご検討ください。 脳卒中の症状の多くはリハビリを重ねていけば改善が見込めるものの、慢性期を過ぎてしまった場合はリハビリ効果が低くなっていきます。 そうしたケースに対して、後遺症の回復効果が期待できるのが再生治療です。 脳卒中の治療法でお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」で行っている無料相談をご利用ください。
2022.01.25 -
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- 脳梗塞
くも膜下出血は、半身麻痺や運動や言語などの神経障害など、多くの後遺症が残る可能性があります。 くも膜下出血の原因は、髄膜という脳の組織の内側にある軟膜と、中間にあるくも膜のすき間にあるくも膜下腔の出血です。 この記事ではくも膜下出血による右脳と左脳の後遺症の違いや、症状からリハビリまで詳しく解説します。 くも膜下出血の後遺症は右脳と左脳で異なる? くも膜下出血の後遺症は、半身麻痺の場合、右脳では左半身に、左脳では右半身に麻痺症状が出ます。 これは運動機能の中枢は、右脳と左脳の両方にあり、右脳は左半身の運動機能に、左脳は右半身の運動機能につながっているためです。 また、運動機能だけでなく、視覚なども同じ機能のため、右脳と左脳とでは現れる後遺症に左右の違いがあります。 くも膜下出血の後遺症 くも膜下出血の後遺症は、出血した部位や出血量、発症後から治療までの時間などによって、症状や後遺症に違いがあります。 出血量が多い場合や治療が遅れた場合は、脳血管攣縮による脳梗塞などを発症し、その結果として高次脳機能障害や運動障害などの後遺症が残ることがあります。 くも膜下出血の主な症状には次のような後遺症があります。 高次機能障害 運動障害 言語障害 感覚障害 視野障害 嚥下障害 排尿障害 感情障害 それぞれの症状について解説していきます。 高次脳機能障害 くも膜下出血の後遺症による神経症状に、高次脳機能障害があります。 高次脳機能障害は、脳の損傷による認知障害全般を指していて、失語・失行・失認や、記憶障害、注意障害、遂行機能障害などの症状が含まれます。 また、高次機能障害は外見では判断しにくいことや、本人が認識していないなどの特徴があります。 運動障害 くも膜下出血の後遺症による神経症状は、運動障害です。脳の運動に関わる部位がダメージを受けると、身体を思い通りに動かせなくなります。 運動障害の1つである麻痺は、症状の程度や出現する部位によって名称が決まっています。 麻痺や運動障害の重さ 痙縮 筋肉が重く、突っ張った感じがする程度 不全麻痺 部分的な麻痺、わずかな麻痺 完全麻痺 まったく動かない麻痺 不随意運動 無意識に手足が動いてしまう異常運動 例)健側に力を入れると麻痺側の手足が勝手に動く 運動失調 筋力低下や麻痺がないにも関わらず、協調運動ができない状態 例)小脳の障害により、歩行バランスが悪くなり上手に歩けなくなる 麻痺の現れる部位別の名称 単麻痺 片半身の上肢あるいは下肢だけの麻痺 片麻痺 右半身あるいは左半身の上下肢の麻痺 脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、脳の外傷などで起こる 対麻痺 両下肢の麻痺 スポーツや交通事故、転落・落下による脊髄損傷で起こる場合が多い 四肢麻痺 両側の上肢と下肢の両方が麻痺した状態 脊髄損傷や脳性麻痺などによって起こる くも膜下出血の発症部位の反対側に運動障害が現れることを「半身麻痺」といいます。障害部位と反対側に麻痺が起こる理由は、脳からの指令を全身に伝達する神経が首のあたりで交差しているためです。 右脳に障害がある場合は、左半身の運動機能が障害されて左半身麻痺になる 左脳に障害がある場合は、右半身の運動機能が障害されて右半身麻痺になる 言語障害 くも膜下出血の後遺症による神経症状に、言語障害があります。言語障害は、構音障害(運動障害性構音障害)と失語症に分けられます。 脳の障害部位により、うまく話せない理由が異なるため注意が必要です。 構音障害(運動障害性構音障害) くも膜下出血の後遺症による言語障害に、構音障害(こうおんしょうがい)があります。 構音障害は声が出にくかったり、呂律が回らなかったりする言語障害です。 構音障害が起こると、口や舌などの発声・発語器官がうまく機能しなくなってしまいます。 失語症 くも膜下出血の後遺症の1つに、失語症があります。 失語症とは、脳の言語中枢が障害されて考えている言葉とは異なる言葉が出たり、聞いた単語を理解できなくなったりする症状です。 失語症の患者さんは、”言葉がわからない国に、突然放り出されたような状態”となります。 相手の言葉を理解できず、自分の思いも上手に伝えられないためコミュニケーションにストレスを感じやすいのが特徴です。 感覚障害 くも膜下出血の後遺症に感覚障害があります。感覚神経の異常反応によって視覚・聴覚などの知覚に異常が生じたり、鈍くなったりする障害です。 半身の感覚が麻痺したり手足がしびれたりすると、痛覚や温度感覚などが鈍くなる感覚障害が現れる場合があります。 視野障害 くも膜下出血の後遺症に、視野障害があります。視野障害のひとつ「Terson(テルソン)症候群」は、くも膜下出血に伴う眼内出血が原因です。 主に硝子体と呼ばれる部位に出血することで知られています。 症状としては、目のかすみや浮遊物がみえるなどがありますが、さらに悪化すると視力の低下など日常生活に支障を来す場合があります。 嚥下障害 くも膜下出血を発症すると、嚥下障害(えんげしょうがい)が起こる可能性があります。嚥下障害は、食べ物の飲み込みが上手にできなくなる症状です。 嚥下(飲み込み)障害には、窒息や誤嚥性肺炎のリスクもあるため注意が必要です。 排尿障害 くも膜下出血により排尿に関わる神経が障害されると、排尿をコントロールできなくなる症状が現れます。 排尿障害の症状例は、以下のとおりです。 失禁 頻尿 尿が出ない 尿意を感じない 排泄に関する症状はデリケートな内容であるため、周囲の人に伝えられずにストレスを感じる場合もあります。 感情障害 くも膜下出血の後遺症に、感情障害があります。感情障害で出現する症状は、以下のとおりです。 意欲の低下 感情失禁(少しのことで、喜怒哀楽が激しく現れる) 幻覚や妄想 また、気分障害の一種である「うつ病」になる場合もあります。うつ病は気持ちの落ち込みが長く続き、心の持ちようや精神力をコントロールできなくなる病気です。 うつ病の主な症状は、抑うつ気分や不安感、焦燥感(しょうそうかん:焦りやイライラ感)、不眠、食欲低下などです。 くも膜下出血の後遺症により、日常生活に支障をきたすショックがうつ病の原因になります。 くも膜下出血の後遺症に対するリハビリ くも膜下出血の後遺症に対するリハビリは、「急性期」「回復期」「維持期」の3段階に分けられます。 症状や障害の程度に応じて、理学療法(基本動作)、作業療法(日常生活動作)、言語聴覚療法(コミュニケーション機能)を組み合わせてリハビリを実施します。 急性期リハビリテーション くも膜下出血の急性期リハビリテーションは、発症からおよそ1~2カ月以内※ とされています。 ※出典:厚生労働省「脳卒中に関する留意事項」 発症直後はベットから起き上がれない状態となることが多いため、麻痺した側の手足の関節が固まってしまうことや、麻痺していない筋力が低下する可能性があります。 そのため、急性期では手足を動かしたり、筋力をつけるなど、ベットサイドで簡単にできるリハビリを行います。 回復期リハビリテーション くも膜下出血の回復期リハビリテーションは、発症からおよそ3~6ヵ月とされています。 主に、立ち上がりや歩く動作のほか、箸の練習から着替えなど、日常生活における動作を中心に行われます。 回復期で行われるリハビリは、歩行といった日常生活の確立を目標として実施されます。また、機能が低下している部分の回復も重要です。 維持期リハビリテーション くも膜下出血の維持期リハビリテーションは、発症から6ヵ月以降とされています。 回復期で行ってきたリハビリの継続や、取り戻した身体機能の維持など日常生活の自立と社会生活への復帰を目指す段階です。 つまり、維持期ではくも膜下出血によって、後遺症として残った機能障害の改善だけでなく、生活の質の向上を目的としています。 くも膜下出血の後遺症改善のための選択肢「再生医療」について 近年、くも膜下出血だけでなく脳出血や脳梗塞などにおいて、新たな治療の選択肢として再生医療があります。 くも膜下出血を含む脳卒中に対する治療として、再生医療の幹細胞治療が行われています。 再生医療について詳しい情報をご希望の方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 無料のメール相談やオンラインカウンセリングを承っております。 【まとめ】くも膜下出血の後遺症は早期リハビリと適切な治療が重要 くも膜下出血による後遺症は、神経症状など個人によって差があります。 しかし、急性期から維持期まで、適切なリハビリを行うことにより低下した身体機能を回復させ、日常生活への支障を軽減することができます。 くも膜下出血に対する治療法としては、再生医療も選択肢の一つとして挙げられます。再生医療は、患者様自身の幹細胞を採取・培養し、体内の損傷した部位に投与する治療法です。 くも膜下出血による後遺症にお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へ一度ご相談ください。
2022.01.22 -
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「脳梗塞の前兆をチェックする方法はある?」 突然の体調不良によって脳梗塞ではないか不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、脳梗塞の前兆をチェックする方法から、日常生活でできる予防法について詳しく解説します。 「もしかして脳梗塞かも…」と不安な方は、ぜひ本記事のチェック方法や初期症状を参考にしてください。 また、万が一脳梗塞を発症してしまったときのために、近年注目されている再生医療について知っておきましょう。 \脳梗塞に有効な再生医療とは/ 再生医療は、損傷した脳細胞にアプローチする治療によって、従来の治療では難しい脳細胞の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 脳梗塞が治るか不安を抱えて生活している 脳梗塞の再発を予防したい 脳梗塞の後遺症に悩まされている 「脳梗塞が治るか不安」「後遺症を早く治したい」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。 以下の動画では、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療を受け、脳梗塞の後遺症が改善された患者様の症例を紹介しています。 https://youtu.be/AoMLP77h-c4?si=r7ykvSwmkQJPeu9i 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、脳梗塞によって損傷した脳細胞の改善が期待できる再生医療について情報を公開中です。 再発防止や後遺症の治療にも効果が期待できるので、将来的な不安がある方は、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の前兆をチェックする方法 本章では、脳梗塞の前兆をチェックする方法について解説します。 前兆チェックには「FAST」が効果的 脳梗塞のセルフチェックリスト 脳梗塞は突然発症することが多い疾患ですが、前兆が現れるケースもゼロではありません。 以下では、見逃しがちな脳梗塞の前兆について詳しく解説します。 前兆チェックには「FAST」が効果的 脳梗塞の前兆チェックには、「FAST(ファスト)」を確認しましょう。 FASTは、脳梗塞の代表的な初期症状の頭文字をとり、取るべき行動を示したもので、迅速な対応を促します。 文字 チェックするポイント Face(顔) ・顔の片側が歪んでいないか ・笑顔を作ったときに口角が片方だけ下がっていないか Arm(腕) ・片方の腕や足に力が入らず、だらんと下がってしまわないか ・両腕を前に伸ばして維持できるか Speech(言葉) ・言葉がうまく話せないか ・呂律が回っていなかったり、意味不明なことを言ったりしていないか ・短い文章を繰り返せるか Time(時間) ・これらの症状に気づいたら発症時刻を確認し、すぐに救急車を呼ぶ 上記の中で「Face(顔の麻痺)」、「Arm(腕の麻痺)」、「Speech(言葉の障害)」の症状が一つでも見られたら、脳梗塞の可能性を疑いましょう。 「Time(時間)」にもあるとおり、脳梗塞の発症からいかに早く治療を開始できるかが、その後の経過に大きく影響します。 症状に気づいた時刻を正確に把握し、すぐ「119番」に電話して救急車を呼びましょう。 脳梗塞のセルフチェックリスト 脳梗塞のセルフチェックリストを確認してみましょう。 以下の特徴に該当するものが多い場合、脳梗塞になりやすい可能性があります。 該当するものが多くても、ほとんどの脳梗塞は血圧管理を徹底し、生活習慣を整えることで予防できる疾患です。 脳梗塞になりやすい特徴が多い方は正しい生活習慣に改善し、健康的な生活を心がけましょう。 脳梗塞の前兆で見逃してはいけない初期症状 https://youtu.be/nImMy68lviU?si=l1xOr7xXyXcfZK-k 脳梗塞の初期症状は、脳のどの部分で血管が詰まったかによって、さまざまな形で現れます。 以下の初期症状は、脳梗塞を見逃さないための重要なサインです。 運動機能に関する前兆 感覚機能に関する前兆 言語機能に関する前兆 視覚機能に関する前兆 平衡感覚機能に関する前兆 上記の症状は、脳梗塞によって特定の脳の機能が障害されるために起こります。 一時的な症状であっても、脳梗塞の前兆である可能性を疑い、早期に医療機関を受診することが後遺症を抑えるために重要です。 以下で、それぞれの障害について、どのような初期症状が現れるのかを具体的に見ていきましょう。 運動機能に関する前兆 脳梗塞による運動障害では、体の片側の筋力や動きが低下します。 私たちの脳は、体の動きをコントロールする「運動野」という部分があり、脳梗塞によって神経経路がダメージを受けると、体を動かすための指令が筋肉にうまく伝わらなくなります。 特徴的なのは、脳の右側が障害されれば体の左側に、脳の左側が障害されれば体の右側に症状が出ることです。 症状の程度は様々で、完全に動かせなくなる場合もあれば、少し動かしにくい程度の軽い麻痺のこともあります。 脳梗塞によるしびれについては、以下の記事で詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。 感覚機能に関する前兆 脳梗塞による感覚障害は、触覚・痛覚・温度感覚などの体の感覚に異常が生じます。 私たちの体は、皮膚などで感じ取った様々な感覚情報を脳に伝えて認識しています。 脳梗塞によって感覚情報を処理する脳の領域や神経経路がダメージを受けると、体の片側で感覚の異常が起こります。 運動障害と同時に、同じ側の手足に感覚障害が起こることも少なくありません。 言語機能に関する前兆 脳梗塞による言語障害は、話すことあるいは理解することに支障が生じます。 言葉を理解したり話したりする機能は、脳の左半球にある「言語野」という部分が中心となって担っています。 脳梗塞によって言語野や関連する神経がダメージを受けると、言語機能にさまざまな障害が現れます。 以下の記事では、脳梗塞による言語障害について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 視覚機能に関する前兆 脳梗塞による視覚障害は、視野の片側が見えなくなる、二重に見えるなど見え方に異常が生じます。 私たちが見た情報は、眼から脳の後ろ側にある「後頭葉(視覚野)」という部分に送られて処理されます。 脳梗塞によってこれらの部分がダメージを受けると、様々な視覚の異常が生じます。 平衡感覚機能に関する前兆 脳梗塞による平衡感覚障害は、激しいめまいや著しいふらつきがあります。 体のバランスを保つ機能は、主に脳の「小脳」や「脳幹」という部分がコントロールしています。 脳梗塞によってこれらの部分がダメージを受けると、平衡感覚に異常が生じ、激しいめまいやふらつきが現れます。 これらの症状は耳の病気(内耳性のめまい)でも起こることがありますが、脳梗塞の重要なサインである可能性もあります。 脳梗塞の前兆における日常生活で意識したいこと 脳梗塞の発症リスクを少しでも減らし、万が一の前兆に気づきやすくするためには、以下のポイントを意識しましょう。 こまめに水分補給する 定期的に運動する 前兆がみられたときの対処法を知っておく 以下では、日常生活で意識したいポイントについて詳しく解説します。 こまめに水分補給する 体内の水分が不足すると血液の粘度が高まり(ドロドロに)、血栓ができやすくなるため、こまめな水分補給が大切です。 一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度の水を数回に分けて飲むようにしましょう。 睡眠中は汗をかきやすく血流も滞りがちになるため、就寝前と起床後の水分補給は血栓予防に効果的です。 定期的に運動する 適度な運動は血行を促進し、肥満や高血圧などの生活習慣病を予防・改善することで、脳梗塞のリスクを低減します。 無理なく続けられる運動を選ぶことが重要です。 例えばウォーキングであれば、特別な道具も必要なく手軽に始められます。 まとまった時間が取れない場合でも、日常生活の中で意識して体を動かす機会を増やすことが、健康維持に役立ちます。 前兆がみられたら時の対処法を知っておく 脳梗塞は、治療開始までの時間が予後を大きく左右します。 前兆に気づいたらすぐに救急車を呼び、適切な情報を伝えることが、命を救い後遺症を最小限に抑えるために重要です。 脳梗塞の前兆と思われる症状に気づいたら、一刻も早く専門的な治療が受けられる医療機関へ搬送されることが何よりも大切です。 また、初期治療の詳細や倒れた時にやるべきことについて以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。 脳梗塞の前兆チェックに関するよくある質問 脳梗塞の前兆チェックに関するよくある質問とその回答をご紹介します。 脳梗塞で女性特有の前兆・初期症状は? 脳梗塞の前兆は何日前にきますか? 肩こりは脳梗塞の前兆ですか? 脳梗塞を予防するには? それぞれ詳しくみていきましょう。 脳梗塞で女性特有の前兆・初期症状は? 脳梗塞の典型的な前兆(片側の麻痺や言語障害など)は男女共通ですが、女性は原因不明の倦怠感や吐き気など、一見脳梗塞とは結びつきにくい非典型的な症状が前兆として現れることがあります。 上記の症状は心疾患など他の病気とも共通点が多く、ご自身や周囲の方が「いつもと違う、何かおかしい」と感じた場合は、早めに医療機関に相談することが大切です。 脳梗塞の前兆は何日前にきますか? 脳梗塞の前兆は、本格的な脳梗塞が起こる数日前から当日という非常に短い期間に現れることが多く、症状が短時間で消えても決して油断はできません。 前兆は、本格的な脳梗塞が起こる前の「警告サイン」です。 したがって、どんなに短い時間でも脳梗塞を疑う症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。 肩こりは脳梗塞の前兆ですか? 一般的な肩こりが、直接的に脳梗塞の前兆となることは稀です。 しかし、「いつもと明らかに違う」「これまでに経験したことのないような」突然の激しい肩や首の痛み、後頭部の痛みなどが現れた場合には注意が必要です。 ごく稀にですが、脳の血管に問題が起きた初期症状として、首周辺の血流の滞りや神経の麻痺によって強い痛みを感じることがあります。 特に、手足の動きにくさやしびれ、言葉のもつれといった他の症状が同時に出ている場合は、「ただの肩こり」と自己判断せず、念のため速やかに医療機関を受診しましょう。 脳梗塞を予防するには? 脳梗塞を予防するためには、バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙・節酒といった生活習慣の改善と、定期的な健康診断による高血圧などのリスク管理が重要です。 予防のポイント 具体的な内容 食事 塩分・脂質の摂りすぎを避ける 野菜・果物・魚を中心としたバランスの良い食生活を心がける 運動 ウォーキングや水泳などの有酸素運動を行う(週に150分以上が目安) 禁煙・節酒 喫煙と飲酒はできるだけ控える 水分補給 こまめに水分を摂取する 定期的な健康診断を受け、ご自身の体の状態を把握し、早期発見・早期対応につなげましょう。 前兆チェックで脳梗塞が疑われる場合は早期に医療機関を受診しよう 脳梗塞は、発症後の迅速な対応がその後の経過を大きく左右するため、早期の医療機関受診が重要です。 前兆が見られたら、一時的な症状や軽い異変であっても迷わず医療機関を受診しましょう。 また、万が一脳梗塞を発症してしまったときは、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 脳梗塞が治るか不安を抱えて生活している 脳梗塞の再発を予防したい 脳梗塞の後遺症に悩まされている 再生医療は、損傷した脳細胞にアプローチする治療によって、従来の治療では難しい脳細胞の改善が期待できます。 具体的な治療法については、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。
2022.01.22 -
- 脳梗塞
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「脳卒中の発症リスクをどうすれば管理できる?」 「再発を予防するためにできることは?」 上記のような疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 脳卒中は、ある日突然生活を一変させる可能性のある病気ですが、生活習慣の見直しと正しい知識でリスクを下げられます。 本記事では、脳卒中の主な危険因子である高血圧や糖尿病などのリスクを管理する方法を詳しく解説します。 ご自身や大切なご家族の健康を守るため、ぜひ最後までご覧ください。 また、脳卒中のリスク管理・再発予防には、先端医療である再生医療による治療も選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、損傷した脳細胞の改善にも期待できる再生医療に関する情報を配信しています。 「脳卒中の発症リスクを抑えたい」「将来的な不安がある」という方は、この機会に再生医療について確認してみてください。 脳卒中の主なリスクと管理方法 脳卒中の発症や再発には、ご自身の努力で管理できる生活習慣病などの「危険因子」が隠れているケースがあります。 この章では、脳卒中を予防するうえで特に重要な危険因子と管理方法を取り上げます。 高血圧 糖尿病 脂質異常症 心房細動(不整脈) 嗜好品の制限 ご自身やご家族の健康を守るため、どのようなリスクがあり、どうすれば管理できるのかを確認していきましょう。 高血圧 高血圧は、脳卒中を引き起こす危険因子の1つです。 血圧が高い状態が続くと血管の壁に強い圧力がかかり、血管が弾力性を失って脆くなります。 この「動脈硬化」が、脳梗塞や脳出血の直接的な原因となります。 高血圧の主な対処法は、以下の通りです。 減塩を心がける(1日6g未満) 野菜や魚中心の食事に改善する ウォーキングなどの運動を習慣にする 飲酒量を控え、必ず禁煙する 医師から処方された薬を飲み続ける 高血圧は自覚症状がほとんどないため「サイレントキラー」とも呼ばれます。 そのため、家庭で血圧を測る習慣をつけ、ご自身の数値を把握することが管理の第一歩です。 脳卒中の治療ガイドラインでは、血圧を140/90mmHg未満、特定の条件に当てはまる方は130/80mmHg未満に抑えることが推奨※されています。 ※出典:日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2021〔改定2025〕」 また、以下の記事では、高血圧についてわかりやすく解説しているので、合わせてご覧ください。 糖尿病 糖尿病も脳卒中の重要な危険因子の一つです。 血糖値が高い状態が続き、全身の血管がダメージを受けることで動脈硬化が進行しやすくなるため、脳梗塞との関連が深いとされています。 糖尿病の主な対処法は、以下の通りです。 適切なカロリーと栄養バランスの食事 血糖コントロールを改善する運動療法 医師の処方に従った薬物療法 肥満を防ぐための体重管理 糖尿病の管理目標は、血糖値を安定させて合併症を防ぐことです。 初期段階では自覚症状が乏しいため、気づかないうちに病状が進行しているケースも少なくありません。 健康診断などで血糖値の異常を指摘された際は、放置せずに医療機関で相談しましょう。 脂質異常症 脂質異常症とは、血液中の悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。 自覚症状がないまま動脈硬化を進行させ、脳卒中の中でも「アテローム血栓性脳梗塞」のリスクを高める要因になります。 脂質異常症の主な対処法は、以下の通りです。 動物性脂肪やトランス脂肪酸の摂取を控える 食繊維や魚(EPA・DHA)を積極的に摂る コレステロール値を改善する有酸素運動 動脈硬化を悪化させる喫煙をやめる 必要に応じて脂質異常症治療薬を服用 血液中の悪玉コレステロールが過剰になると血管の壁にプラークという塊を作り、血管が狭くなることで血流が悪化します。 プラークが破れると血栓が脳の血管を詰まらせ、脳梗塞を引き起こす可能性につながります。 脂質異常症の管理には、健康診断などでの定期的な血液検査が欠かせません。 生活習慣の改善で数値が良くならない場合は、医師の判断で薬物療法が行われます。 心房細動(不整脈) 心房細動は、心臓が不規則にけいれんするように震える不整脈の一種です。 心臓の中に血の塊(血栓)ができやすくなるため、重症化しやすい「心原性脳塞栓症」の原因となります。 心房細動の主な対処法は、以下の通りです。 血栓を防ぐ抗凝固薬の服用 心拍数を整えるための薬物治療 不整脈の原因を焼くカテーテル治療 高血圧や飲酒など生活習慣の管理 心臓でできた血栓が血流に乗って脳の太い血管を詰まらせると、広範囲の脳組織がダメージを受け、深刻な後遺症につながる可能性があります。 動悸・息切れ・めまいといった症状は、心房細動のサインかもしれません。 上記のような症状を感じたら放置せずに医療機関を受診し、診断に基づいた適切な治療を開始することが重要です。 嗜好品の制限 喫煙と過度な飲酒は、それぞれが脳卒中の危険因子であるだけでなく、高血圧や脂質異常症といった他の生活習慣病を悪化させる要因にもなります。 脳卒中のリスク管理を考えるうえで、嗜好品の制限は避けて通れません。 要因 メカニズム・作用 タバコ (ニコチンなどの有害物質) ・血管を収縮させ血圧が上昇する ・血液の粘度が増大する(血液がドロドロになる) ・血管内壁を傷つけ動脈硬化を促進する 長期間の多量飲酒 ・持続的に高血圧を引き起こす ・心房細動を誘発する可能性 脳卒中予防において、禁煙は効果的な対策の一つです。 ご自身の力で禁煙するのが難しい場合は、禁煙外来で専門家の支援を受けることをおすすめします。 飲酒は、1日あたりの純アルコール量で約20g(ビール中瓶1本程度)の適量※を守りましょう。 ※出典:厚生労働省「アルコール」 脳卒中のリスク管理方法と合わせて確認したい予防十か条 脳卒中を予防するためには日々の生活を見直し、危険因子に関する正しい知識を持つことが大切です。 具体的な行動指針として、公益社団法人日本脳卒中協会では「脳卒中予防十か条」を提唱しています。 ご自身の生活習慣と照らし合わせながら、一つひとつ確認してみてください。 第1条 手始めに 高血圧から 治しましょう 第2条 糖尿病 放っておいたら 悔い残る 第3条 不整脈 見つかり次第 すぐ受診 第4条 予防には たばこを止める 意志を持て 第5条 飲むならば なるべく少なく アルコール 第6条 高すぎる コレステロールも 見逃すな 第7条 お食事の 塩分・脂肪 控えめに 第8条 体力に 合った運動 続けよう 第9条 万病の 引き金になる 太りすぎ 第10条 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ ※出典:公益社団法人 日本脳卒中協会 上記の十か条は、脳卒中の主要な危険因子への対策から、万が一発症してしまった際の対応を分かりやすくまとめられています。 第1条から第3条は、脳卒中の3大危険因子である「高血圧」「糖尿病」「不整脈(心房細動)」の管理がいかに重要であるかを示しています。 中でも高血圧は大きな危険因子であり、血圧を適切にコントロールすることが脳卒中予防の重要なポイントです。 また、第5条のアルコールに関する標語は、「少量のお酒なら健康に良い」という考え方が新たな研究で否定されている背景から、2025年に内容が変更されました。 新たな飲酒は量に関わらずリスクを伴うため「飲むのであれば、できる限り少量に」とされています。 第10条では、脳卒中を疑う症状が現れた際は、躊躇せずに救急車を呼び、一刻も早く専門的な治療を受けることの重要性を伝えています。 脳卒中の急性期リハビリテーションにおけるリスク管理 万が一、脳卒中を発症してしまった場合、その直後の対応が回復を大きく左右します。 「急性期」とは、一般的に発症から病状が安定するまでの数週間から1ヶ月程度の期間のことです。 ここでは、脳卒中の急性期リハビリテーションにおけるリスク管理について解説します。 早期離床してリハビリを開始する 再発や合併症を予防する 急性期は脳のダメージが広がりやすく、血圧や意識レベルといった全身状態も変動しやすいデリケートなタイミングです。 そのため、専門チームが密に連携し、患者様の全身状態を常に確認しながら、治療とリハビリを慎重に進めていく必要があります。 早期離床してリハビリを開始する 脳卒中のリハビリにおいて、徹底したリスク管理のもと、可能な限り早くリハビリを始める「早期離床」が推奨されています。 目的:寝たきりによる「廃用症候群」の予防 主な合併症:筋力低下や関節の拘縮、肺炎、血栓 リハビリ内容:ベッド上の運動から始める段階的な訓練 早期から積極的に体を動かすことが障害を抑え、その後の回復を促すために重要です。 再発や合併症を予防する 脳卒中の急性期は、再発のリスクが高い時期でもあるため、リハビリは医学的な治療を妨げないように厳重な管理下で行う必要があります。 また、食べ物が気管に入ることで起こる「誤嚥性肺炎」や、足に血栓ができる「深部静脈血栓症」などの合併症にも注意が必要です。 これらの合併症は生命に関わるだけでなく、その後のリハビリの進行を大きく遅らせる原因となります。 急性期のリハビリは、機能回復を目指すだけでなく、上記のような危険な合併症を防ぐという意味でも大切です。 以下の記事では、脳梗塞の再発リスクについて詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。 脳卒中のリスク管理についてよくある質問 ここでは、脳卒中のリスク管理についてよくある質問に回答していきます。 脳卒中の危険因子を管理するにはどうすればいい? 脳卒中を防ぐ方法はある? 脳卒中で早期離床を促すのはなぜ? それぞれ詳しく解説します。 脳卒中の危険因子を管理するにはどうすればいい? 脳卒中の危険因子の管理は「生活習慣の見直し」と「適切な治療の継続」が基本です。 塩分を控えた食事や定期的な運動、禁煙を心がけましょう。 それに加えて、定期健診でご自身の体の状態を把握し、異常があれば必ず医師に相談してください。 処方された薬を自己判断でやめないことも、脳卒中予防では重要なポイントです。 脳卒中を防ぐ方法はある? 高血圧をはじめとする生活習慣病を管理することで、多く脳卒中を防ぐことが可能とされます。 とくに脳卒中の大きなリスクとなる高血圧を防ぐためにも血圧管理を徹底することが重要です。 また、健康的な食事や適度な運動習慣といった生活習慣の改善は、複数の危険因子に同時に良い影響を与えます。 症状がないうちからリスクを早期発見し、対策を講じることが発症を防ぐためのポイントといえるでしょう。 脳卒中で早期離床を促すのはなぜ? 脳卒中で早期離床を促すのは、「二次的合併症」を防ぎ、「脳機能回復の促進」のためです。 寝たきりの状態は回復を妨げる多くの問題を引き起こし、筋力低下や肺炎、血栓などの二次的合併症の可能性が高くなります。 また、脳機能の回復を促進する目的でも早期離床は重要です。 早期からリハビリを始めることで脳や身体機能の改善が早まり、より良い状態で退院できる可能性が高まります。 脳卒中のリスク管理と合わせて再生医療をご検討ください https://www.youtube.com/watch?v=pSaJBptY3Bc 本記事では、脳卒中の発症および再発予防におけるリスク管理の重要性について解説しました。 高血圧や糖尿病といった危険因子を日々の生活で管理し、健康的な習慣を続けることが基本となります。 これらに加え、再発予防の新たな選択肢として「再生医療」をご検討ください。 再生医療は、患者さまの脂肪から幹細胞を採取・培養し、体内に戻すことで損傷した組織や身体機能の再生・修復を促す治療法です。 また、損傷した脳機能の改善を促し、後遺症である麻痺などの症状軽減が期待できる治療法として注目されています。 脳卒中のリスク管理や再発予防にお悩みの方は、ぜひ一度当院リペアセルクリニックへご相談ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2022.01.22 -
- 脳梗塞
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脳梗塞を患った患者さまやご家族にとって、「リハビリはどのくらいの期間必要なのか」「どのような内容なのか」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、脳梗塞のリハビリの内容や期間の目安、退院後の生活における注意点について分かりやすく解説します。 脳梗塞のリハビリで悩まれている方は、ぜひ最後まで読んで適切な対処法を学びましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは「手術なしで根本的な改善が期待できる」再生医療に関する情報をLINEで発信しております。 脳梗塞の後遺症に対する治療選択肢として、機能の改善症例も紹介しておりますので、ぜひご登録ください。 脳梗塞のリハビリメニューと期間の目安を病期別に解説 脳梗塞のリハビリは発症後の時期によって内容や目的が異なり、以下の3つの段階があります。 病期 期間 目的・内容 急性期 発症から2~3週間 身体機能の低下予防と言語障害・認知機能障害の回復 回復期 発症から3~6ヶ月 脳梗塞からの回復に最も重要な期間で、日常生活に戻るためのリハビリ 生活期(維持期) 発症から6ヶ月以降 社会復帰を目的とした訓練と生活の質の向上 病期ごとの特徴を理解して、適切なリハビリを受けましょう。 急性期 脳梗塞の急性期におけるリハビリは、脳梗塞発症から2~3週間の間に行われます。 ベッドの上で座る練習 自分で手足を動かす練習 関節を動かして可動域を広げる練習 飲み込みの練習(必要に応じて) これらのリハビリは、身体機能の低下予防と言語障害・認知機能障害の回復が目的です。 わずか1~2週間の急性期のリハビリがその後の回復・死亡率の低下に影響※します。 ※出典:日医大医会誌「脳梗塞のリハビリテーション治療」 回復期 脳梗塞発症後、3~6ヶ月は回復期と呼ばれ、主に以下のリハビリを行います。 歩行訓練 手先を使った細かい動作の練習 食事、着替え、トイレなどの日常生活動作の練習 言語障害がある場合は発声や会話の練習 回復期は脳梗塞からの回復に重要な期間で、日常生活に戻れるようにリハビリを行います。 この期間は、平日だけでなく休日もリハビリを継続して行うことで、入院期間が短縮できたという研究※もあります。 ※出典:全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会実態調査委員会「脳卒中リハビリテーションの訓練時間と帰結との関係:全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会調査(第2報)」 回復のためには、医師や理学療法士の指導のもと、継続的にリハビリを行うことが重要です。 生活期(維持期) 生活期とは、発症から6ヶ月以降の期間を指し、主に以下のリハビリを行います。 学業や仕事に復帰できるような専門的な訓練 筋力・体力向上のための運動療法 心理的なサポート(カウンセリング) 生活期のリハビリは、社会復帰に必要な訓練が行われ、生活の質を向上させることを目的として行います。 発症から6カ月以上経過した生活期(維持期)の患者さまにおいても、歩行訓練や有酸素運動は有効※です。 ※出典:日本脳卒中学会「脳卒中の維持期(生活期)リハビリテーションの効果に関するナラティブレビュー」 脳梗塞のリハビリにおける入院期間の目安 脳梗塞のリハビリにおける入院期間は、患者さまの年代や症状の重症度によって大きく異なります。 ここでは、年代別と重症度別の入院期間の目安をご紹介します。 年代別の入院期間 重症度別の入院期間 ご自身の重症度や年代から、おおよその入院期間がわかります。 年代別の入院期間 年代別の入院期間の目安は、以下のとおりです。 年代 急性期 回復期 20代~30代 約1~2週間 1~2ヶ月 50代~60代 2~3週間 2~3ヶ月 70代以上 3~4週間 3~6ヶ月 20代~40代は体力がある年代のため、比較的早期に状態が安定する可能性が高いです。 中年期に入ると、糖尿病などのリスクが上がるため、治療が長引くと同時に入院期間が長くなる場合があります。 さらに、高齢になるほど回復が遅くなる傾向にあります。 重症度別の入院期間 重症度別の入院期間は、以下のとおりです。 重症度 急性期 回復期 軽度 1週間程度 1ヶ月程度 中等度 2~3週間程度 2~3ヶ月 重度 3週間以上 6ヶ月以上 脳の機能が大きく低下していない軽度な場合、急性期は1週間程度、回復期は1ヶ月程度で退院できる場合が多いです。 症状が重くなるほど回復が遅くなる傾向にあるため、退院した後も在宅でのリハビリが必要な場合もあります。 脳梗塞のリハビリにおける改善結果に影響を与える要因 脳梗塞の改善には個人差があり、どれほどの機能を改善できるか、また期間的にどれくらい早く改善できるかを正確に予測するのは困難です。 一般的に、脳梗塞の改善に向けたリハビリの成功には次のような要素が関係しています。 身体的要因:脳梗塞の重症度など 感情的要因:やる気や気分など 社会的要因:友人や家族のサポートなど 治療上の要因:リハビリの早期開始など 改善率は一般的に、脳梗塞発症直後の数週間から数ヶ月で最も大きくなります。 また、脳梗塞後の改善に向けたリハビリは、長期間にわたって必要です。 途中で挫折してしまうことがないよう、リハビリの効果を得るためには時間がかかることを理解しておきましょう。 ご家族の理解とサポートが、患者さまの回復にとって重要な要素となります。 退院後に脳梗塞のリハビリを自宅で行うときの注意点 無事に退院し、介護体制も確保できれば、いよいよ在宅生活がスタートします。 なるべく長く快適にご自宅で過ごすために、注意しなければいけない点が2つあります。 脳梗塞の再発予防を行う 無理せずにリハビリを継続すること これらのポイントを理解して実践すると、退院後の生活をより充実したものにできます。 脳梗塞の再発予防を行う 脳梗塞をはじめとする脳卒中は、10年で約半数の方が再発する非常に再発率が高い疾患※です。 ※出典:PubMed 脳梗塞の再発を予防するためには、脳梗塞や脳出血の発生リスクを高める以下のリスクを取り除く必要があります。 高血圧 糖尿病 高脂血症 飲酒・喫煙 これらを防ぐために、塩分や脂を取りすぎないよう意識した食事や運動習慣の改善、禁酒・禁煙などを心がけましょう。 また、脳梗塞の再発が疑われる症状を理解しておくことも大切です。 手足のしびれや一時的に目が見えなくなる、ろれつが回らないなどの症状があれば、すぐに病院へ行きましょう。 無理せずにリハビリを継続すること 脳梗塞の後遺症を改善するためにリハビリは有効ですが、すぐに効果が出るわけではないため、焦らないことが大切です。 無理にリハビリを行うと逆効果になってしまうため、痛みが強い時はリハビリを中止しましょう。 また、失われた機能を取り戻すことに執着しがちですが、健康な機能を維持することも大切です。 例えば、片麻痺のリハビリにおいて、麻痺が起きていない側を鍛えることで、後遺症のある部位をサポートできます。 さらに、リハビリのモチベーション維持のためにも、リハビリ以外の時間をどう過ごすかがとても重要になります。 趣味・家族団らんなどの「生きがい」と呼ばれる楽しさを感じることがモチベーションに繋がる方も多いです。 脳梗塞のリハビリ期間についてよくある質問 脳梗塞のリハビリ期間について、よくある以下の質問にお答えします。 脳梗塞のリハビリで退院できる目安は? 脳梗塞のリハビリは180日しか受けられない? 脳梗塞でリハビリをしないとどうなる? 多くの患者さまやご家族が抱える疑問や不安について、分かりやすく解説していきます。 脳梗塞のリハビリで退院できる目安は? 軽い場合は1週間程度、重度の場合は6ヶ月以上かかる場合もあります。 年代や重症度によって入院期間が大幅に異なるため、詳しい期間については医師に相談しましょう。 退院後も、デイケアや外来のリハビリが必要になる可能性があります。 脳梗塞のリハビリは180日しか受けられない? 脳梗塞における医療保険の適用範囲内でリハビリが受けられるのは、発症から180日(6ヶ月)までです。 また、180日の期限は高次機能障害を伴う場合のみで、高次機能障害がない場合は150日の制限があります。 180日を過ぎた後は、自費でのリハビリや介護保険(65歳以上・要介護認定を受けている方)などの方法でリハビリを続けていく場合があります。 脳梗塞でリハビリをしないとどうなる? 脳梗塞の治療後にリハビリをしないと、症状の悪化や後遺症の長期化につながります。 手足の機能が回復しないうえ、麻痺の悪化や合併症のリスクも高まる可能性が高いです。 また、生活動作ができないことで生活の質が大幅に下がる場合も考えられます。 寝たきり状態が続くと、筋力・体力の低下や認知機能低下などを招く「廃用症候群」と呼ばれる状態になってしまう可能性があります。 脳梗塞や後遺症のリハビリでお悩みの方は再生医療をご検討ください 脳梗塞のリハビリ期間は、患者さま本人がリハビリを頑張るだけでなく、ご家族の理解やサポートも重要です。 しかし、患者さまができないことをすべて代わりにやるのではなく、患者さまご自身が生活しやすいように手助けする意識を持って取り組みましょう。 脳梗塞のリハビリは長期にわたるため、乗り越えるためには周囲の方の支えが必要不可欠です。 脳梗塞の後遺症に対しては、リハビリと併用して行う再生医療という選択肢もあります。 再生医療は患者さまの細胞を利用して治療するため、副作用のリスクが低い治療法です。 脳梗塞の後遺症や再発に悩んでいる方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。
2021.08.06 -
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脳出血を発症した方やご家族の中には、「また脳出血を起こしてしまうのではないか」「再発率はどのくらい高いのだろうか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 実際に脳出血は再発しやすい病気ですが、適切な対策を取ることで発症リスクを下げられます。 この記事では、脳出血の再発率に関するデータと、再発を予防するための具体的な方法を解説します。 脳出血の再発で不安を感じられている方は、ぜひ最後まで読んで適切な予防法を見つけましょう。 また、現在リペアセルクリニックでは再生医療に関する情報をLINEで発信しております。 脳出血の再発予防でお悩みの方は、ぜひLINEをチェックして再生医療ガイドブックをお受け取りください。 脳出血の再発率に関するデータ 脳出血の再発率について、実際のデータを基に以下2つを解説します。 約2人に1人は10年以内に再発している 再発率は50代以上から高まる 再発率に関して正しい知識を身につけて、自分や家族の将来を見据えた行動に役立てましょう。 約2人に1人は10年以内に再発している 脳出血の再発率は、発症後10年以内に約55.6%※というデータがあり、約2人に1人が再発していることがわかります。 ※出典:PubMed 血圧管理が不十分だったり、生活習慣が乱れていたりする方は、高血圧や糖尿病につながり再発リスクが高まります。 そのため、毎日血圧を測定し、医師の指導を受けながら食生活の改善や適度な運動を取り入れることが重要です。 適切な健康管理を維持することで、脳出血の再発リスクを大幅に下げることができ、不安を軽減して生活を送れるようになるでしょう。 再発率は50代以上から高まる 脳出血の再発率は、50代以上から高まる傾向があることが分かっています。 栃木県が発表している脳卒中発症者数※では、男性は70歳代、女性は80代がピークとなります。 ※出典:栃木県公式ホームページ「脳卒中発症登録集計結果」 加齢とともに血管の弾力性が低下し、血圧のコントロールが難しくなるため高齢になるほど再発率が高くなります。 また、運動不足や不健康な食生活が続くと高血圧や糖尿病などのリスクにつながり、さらに再発リスクが高まります。 定期的に健康診断を受け、自分の健康状態をしっかり把握することが重要です。 さらに、ストレスをため込まない生活を心がけることも再発予防につながります。 脳出血の再発を予防するために重要なこと 脳出血の再発を防ぐためには、日常生活で以下の3つに取り組むことが重要です。 血圧管理の習慣 定期的な検査 処方された薬を正しく服用 これらの取り組みを続けて、脳出血の再発予防に役立てましょう。 血圧管理の習慣 高血圧が原因で引き起こる脳出血は患者全体の約9割を占めます。 脳出血は脳内の血管に負担がかかって引き起こるため、再発を防止するには血圧の管理が重要です。 脳出血を起こしたことがある方は家庭血圧で115/75mmHg未満※が推奨されています。 ※出典:厚生労働省「生活習慣病」 生活習慣だけで高血圧を改善できない場合、薬を飲んで血圧を下げるケースもあります。 血圧の正常値と正しい測り方 脳出血の再発予防のためには、以下の正しい方法で血圧を測りましょう。 毎日朝と夜2回、できるだけ同じ時間に測る リラックスして椅子に座り、背筋を伸ばした状態で測る 寝ている場合は仰向けになって腕を伸ばし、手のひらを上に向けて測る 毎回同じ腕で測る。原則、利き腕とは反対側 カフ(腕帯)は肘から1〜2cm上、腕帯のチューブが手のひら側になるよう巻き付ける 血圧を測るのに適した時間帯は、朝は起床後1時間以内・排尿後・朝食や服薬の前、夜は就寝前です。 毎日測定し、正常値の血圧を維持できるようにしましょう。 定期的な検査 脳出血の再発を防止するには、定期的に検査を受け、医師の診断を受けることが大切です。 CTやMRI、頸動脈エコーを受けることで、脳の血管や組織の異常を詳しく確認できます。 異常が早期に発見できれば、再発を未然に防げる可能性が上がります。 処方された薬を正しく服用 脳出血の再発を予防するために、医師から出された薬は決められた通りに継続して服用しましょう。 血圧をコントロールする薬や血液の流れを良くする薬は、脳出血の予防において非常に重要です。 薬の服用を勝手にやめたり、飲む量を変えてはいけません。 薬を飲んでいて体調に変化を感じたり、不安なことがあったりする場合は、遠慮せずに医師に相談してください。 脳出血が再発しないためにやるべき生活習慣の改善 脳出血の再発を予防するには、血圧が高くならないように生活習慣を改善するのが効果的です。 日常生活で取り組める改善方法として以下の6つがあります。 食生活を改善する 定期的に運動する 禁煙する アルコール摂取量を抑える 睡眠の質を高める ストレスを解消する これらの生活習慣の改善を実践して、効果的な再発予防に取り組みましょう。 食生活を改善する 塩分・脂質の摂りすぎは、血圧上昇につながります。 普段の食事では、減塩に取り組みましょう。 一般的には目標摂取量は成人男性1日あたり7.5g未満、成人女性1日あたり6.5g未満ですが、高血圧予防の観点からは男女ともに1日6.0g未満が推奨されています。 また、果物や緑黄色野菜を積極的に摂り、カリウムの摂取を心掛けてください。 カリウムは塩分の排出を助け、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。 魚介・ナッツ類、アマニ油や大豆油は体内の脂質のバランスを整える働きがあります。 これらの食品を日々の食事に取り入れることで、血圧管理に役立つだけでなく、全身の健康維持にもつながります。 定期的に運動する 定期的に運動を行うことで、血圧を下げる効果が期待できます。 筋トレよりも有酸素運動が好ましく、週に2〜3回、1日30分程度のウォーキングで脳出血予防に効果があります。 ただし、運動のやりすぎは体に負担をかけてしまいます。 運動の頻度は医師と相談し、無理のない範囲で行いましょう。 禁煙する タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、血圧を上昇させる恐れがあります。 禁煙すると脳の血管の収縮が抑えられるため、脳出血のリスクが減少します。 脳出血を発症したことがある喫煙者は、まず禁煙しましょう。 禁煙が難しい方は依存症の可能性があるので、禁煙外来などで医師の指導を受けてください。 アルコール摂取量を抑える アルコールは血圧を上昇させる作用があるので、血圧をコントロールするためにもアルコール摂取量を減らしましょう。 また、アルコールには利尿作用があります。 水分が足りなくなると脳の血流が悪くなり、血栓ができやすくなる点にも注意が必要です。 1日のアルコール摂取量は20g※までに控えましょう。 ※出典:厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」 お酒の種類 アルコール20g相当量 ビール 500ml 日本酒 180ml チューハイ 350ml ワイン 200ml 焼酎 100ml ウイスキー 60ml 女性は上記の半分が適量になるため、覚えておきましょう。 睡眠の質を高める 質の良い睡眠は、血圧の安定に重要な役割を果たします。 睡眠不足や質の悪い睡眠は血圧上昇の原因となるため、脳出血の再発予防には十分な睡眠が必要です。 理想的な睡眠時間は7〜8時間とされており、規則正しい睡眠リズムを心がけることが大切です。 就寝前はスマートフォンやテレビなどの画面を見ることを控え、リラックスできる環境を整えましょう。 寝室の温度や湿度を調整し、快適な睡眠環境を作ることも重要です。 ストレスを解消する 慢性的なストレスは、血圧上昇の大きな要因となります。 日常的にストレスを感じている状態が続くと、血管に負担がかかり脳出血のリスクが高まります。 ストレス解消法としては、深呼吸や瞑想、趣味や軽い運動が効果的です。 また、家族や友人との会話を楽しんだり、自然の中で過ごしたりすることも心の安定につながります。 ストレスを一人で抱え込まず、必要に応じて専門家のサポートを受けることも大切です。 脳出血の再発時にみられる前兆を知っておこう 脳出血の再発には、前兆となる症状が現れることがあります。 前兆となる症状を早期に認識し、適切に対処することで重篤な状態を回避できる可能性があります。 以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。 突然の激しい頭痛(今まで経験したことがないような強い痛み) 普段と違う激しいめまいや立ちくらみ 視界がぼやける、一部が欠けて見える ろれつが回らない、言葉が出にくい 手足の力が急に入らなくなる 顔面の麻痺(口元が下がる、表情が作れない) 意識がもうろうとする 吐き気や嘔吐を伴う強い頭痛 とくに頭痛は片頭痛などとは違い、突然強い痛みが発生するのが特徴です。 また、普段と違う激しいめまいがあった場合は、脳出血の前兆である可能性が高いです。 これらの症状は単独で現れる場合もあれば、複数の症状が同時に起こる場合もあります。 少しでも異常を感じたら、迷わず救急車を呼ぶか、すぐに病院を受診することが大切です。 脳出血の再発に関してよくある質問 脳出血の再発に関してよくある質問を紹介します。 脳出血が再発する原因は? 脳出血を再発しやすい人は? 脳出血で退院した後に気を付けることは? 再発予防のためにも、関連する知識を身につけておきましょう。 脳出血が再発する原因は? 脳出血が再発する原因は複数ありますが、最も多いのは高血圧です。 脳の血管に継続的な負担がかかると、脳出血のリスクが高まります。 その他の原因として、処方された薬を自己判断で中止、塩分や脂質の多い食事、運動不足などの生活習慣が挙げられます。 また、年齢とともに血管の弾力性が低下することも再発リスクを高める要因の一つです。 生活習慣の改善による予防と同時に、定期的な検査で再発時の早期発見に努めましょう。 脳出血を再発しやすい人は? 脳出血の再発リスクが高い方には以下の特徴があります。 高血圧・糖尿病の人 飲酒・喫煙の習慣がある人 運動の習慣がない人 食生活が乱れている人 薬の服用を自己判断でやめてしまう人 定期的な検査を受けていない人 慢性的なストレスを抱えている人 食生活の改善は、野菜や果物・魚を中心とした食事に切り替えて塩分や脂質を控えるのが重要です。 また、運動はウォーキングを30分、週2回ほどで効果が期待できます。 ご自身の体力や体調を考えながら無理のない範囲で運動の習慣を作りましょう。 脳出血で退院した後に気を付けることは? 脳出血で退院した後は、再発予防のために以下の点に気をつけましょう。 医師から処方された薬を指示通りに服用し続けること 家庭での血圧管理を毎日行うこと 食生活や運動習慣を改善すること 定期的に検査を受けること まず、医師から処方された薬を指示通りに正しく服用することが重要です。 血圧を管理する薬や血液をサラサラにする薬は、脳出血の再発予防に欠かせません。 家庭での血圧測定を毎日行い、記録をつけて定期受診時に医師に報告しましょう。目標値は115/75mmHg未満です。 また、塩分を1日6g未満に抑え、野菜や果物を多く摂るように食生活を改善しましょう。 さらに、定期的な外来受診を継続し、CTやMRIなどの検査を定期的に受けることで早期に異常を発見できます。 体調の変化や気になる症状があれば、すぐに医療機関に相談することが大切です。 脳出血の再発予防には再生医療による治療をご検討ください 脳出血は約2人に1人が10年以内に再発する可能性があり、とくに50代以降では再発率が高まることが分かっています。 脳出血を予防するには、高い再発率を踏まえ、日頃の血圧管理や生活習慣の改善への取り組みが重要です。 血圧のコントロール、定期的な検査、処方薬の適切な服用、食生活の改善、適度な運動など、包括的な健康管理により再発リスクを大幅に下げられます。 生活習慣の他に、脳出血の再発予防には再生医療という治療選択があります。 幹細胞を用いる幹細胞治療では、傷跡がほぼ残らない・拒絶反応のリスクが低いなどの特徴があります。 再生医療についての詳細や、脳出血の再発予防に関するご相談をご希望の方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。
2021.08.06







