正座をすると足首が痛い原因4選|症状緩和に効果的なストレッチ法を解説【医師監修】
公開日: 2020.06.25更新日: 2025.07.31
正座時に足首が痛くなってしまい、長時間座れないとお悩みの方は多いのではないでしょうか。
正座による足首の痛みの原因は、関節の硬さだけでなく、骨や軟骨の変形、過去の捻挫の後遺症などが考えられます。
この記事では、正座をすると足首が痛いときに考えられる原因や、足首の痛みを解消する方法を解説します。
正座した際のつらい痛みが慢性化している場合は、我慢せずに適切な治療を受けましょう。
また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、手術せずに損傷した組織を治療できると注目されている再生医療に関する情報を公開中です。
足首の痛みに対して、これまでの治療法で十分な改善が見られなかった方や、なるべく体に負担をかけたくない方にとって治療の選択肢となる可能性があります。
正座による足首の痛みが長引いてお悩みの方は、ぜひご覧ください。
目次
正座をすると足首が痛いときに考えられる原因
正座をすると足首が痛いときに考えられる主な原因は、以下の4つです。
原因によっては医療機関の受診が必要なケースもあります。
それぞれ詳しく解説していくので、心当たりがないか慎重に確認してください。
足首の関節が硬い
正座をすると足首が痛いときに考えられる原因の一つに、足首の関節が硬いことが挙げられます。
足首の関節は、運動する機会が減って動かさない状態が続くと徐々に硬くなるのが一般的です。
現代では正座をする頻度も少なくなり、足首を大きく動かす場面が減っています。
柔軟性が低下した状態で無理に関節を動かすと、刺激が痛みとして現れることがあります。
怪我や病気に思い当たることがない場合は、関節の硬さを疑ってみましょう。
骨や軟骨が変形している
正座をすると足首が痛いときは、骨や軟骨の変形が考えられます。
骨や軟骨が変形する主な要因は、以下の通りです。
骨や軟骨が変形する要因 | 内容 |
---|---|
足に合わない靴を履き続けている |
|
加齢によるホルモンバランスの変化 | 骨の密度が低下し、関節にかかる負担が大きくなります。 |
足に合わない靴を履き続けると、足首の骨や軟骨に負担がかかり変形を引き起こす恐れがあります。
とくに、ハイヒールは足元が不安定になりやすく、関節への負担が大きくなる場合があります。
足首の痛みが気になる方は、まず普段履いている靴が合っているかどうかを見直してみましょう。
また、女性は閉経前後に女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が減少します。
エストロゲンは骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きを持つため、分泌が減ると骨の密度が低下し関節への負担が増えやすくなります。
日々の生活習慣や身体の変化が足首の痛みに関係していることもあるため、症状が気になる場合は早めの対処が重要です。
捻挫の後遺症
捻挫による後遺症は、正座をすると足首が痛む原因の一つです。
受傷時に適切な治療やリハビリを行わないまま放置すると、靭帯や関節を損傷し痛みが残る恐れがあります。
また、骨密度は男女ともに30代頃から低下し、女性は閉経後に骨密度がさらに低下するのが一般的です。
そのため、中高年になると骨密度の低下や関節の変形が起こりやすく、過去の軽い捻挫がきっかけとなって痛みが再発するケースも少なくありません。
過去の怪我を軽視せず、必要に応じて整形外科で診察を受けることが大切です。
足関節滑液包炎
正座をすると足首の前側が腫れて痛む場合、足関節滑液包炎の可能性を疑ってみましょう。
足関節滑液包炎とは、足首前方の関節周囲にある滑液包(かつえきほう)が長時間の圧迫や摩擦により炎症を起こすことで発症します。
滑液包は関節の動きをスムーズにし、衝撃を和らげるクッションのような役割を担っています。
足関節滑液包炎の主な症状は、以下の通りです。
- 足首前面の外側の痛み
- コブのように腫れる
- 触れると熱を持っている
正座は足首の前方部分に強い圧迫や摩擦を受ける動作のため、滑液包の炎症を引き起こしやすくなります。
足関節滑液包炎は、慢性化すると痛みや腫れが続き、繰り返す場合があります。
正座をする機会が多い職業や生活習慣のある方は、整形外科を受診して適切な処置を受けましょう。
正座による足首の痛みを解消する方法
正座による足首の痛みを解消する方法を紹介します。
自身の症状や生活スタイルに合う解消方法を見つけましょう。
足首周辺をストレッチする
正座による足首の痛みの緩和を目指して、ふくらはぎや足首周辺の筋肉をストレッチしましょう。
自宅でも簡単にできる踵の上げ下げストレッチは、ふくらはぎの腓腹筋やヒラメ筋の柔軟性を高め、足首の可動域改善に役立ちます。
- 1.足を肩幅に広げて立つ
- 2.息を吐きながら、踵を上げてつま先立ちをする
- 3.息を吸いながら、踵をゆっくりと下げる
- 4.20回を目安に行う
ふくらはぎに負荷を感じながらゆっくりと踵を上下すると効果的です。
足首に痛みがある場合は無理に行わず、症状が続くようであれば医療機関に相談してください。
正座せずに座る
正座による足首の痛みを解消するには、正座せずに足首の負担を避けて安静にすることが重要です。
痛みを感じたら正座を中止し、足首にやさしい座り方に切り替えましょう。
正座を避ける方法の一例は、以下の通りです。
正座をせずに座る方法 | 特徴 |
---|---|
あぐら | 股関節や膝関節に負担がかかる可能性がある |
横すわり(正座の状態から左右どちらかに脚をずらす) | 腰に負担がかかりやすい |
椅子に座る | 足首への負担はほとんどない |
正座椅子の活用 | 足首の負担は軽減できるが膝の負担は残る |
正座は足首や膝の関節に強い負荷がかかる動作であり、とくに中高年以降の方にとっては負担の大きい体勢です。
正座が必要な場面では「足を痛めていて正座が難しい」と周囲に事情を伝えることも大切です。
必要に応じて椅子や正座椅子を使うなどして足を安静に保つよう心がけましょう。
医療機関を受診する
正座した際の痛みが長引いたり、日常生活に支障が出るような強い痛みがあったりする場合は、医療機関の受診を検討しましょう。
以下のような症状が見られる場合は、とくに注意が必要です。
- 正座のたびに足首が痛む
- 痛みが長引いている
- 歩行がつらいほど痛みが強い
- 腫れやしびれがある
- 2週間以上痛みが続いている
整形外科では、問診や視診・触診のほか、レントゲン、MRI、超音波検査などで原因を詳しく調べます。
原因を特定し適切な治療を受けることで、症状の悪化を防いで早期の回復が期待できます。
正座による足首の痛みに関するよくある質問
正座をすると足首が痛くなると悩んでいる方からの、よくある質問をまとめました。
答えを参考にしつつ、痛みに対処してください。
足首の痛みはストレッチで治る?
ストレッチは足首の痛みに対して根本的な治療はできません。
痛みが治まった後のリハビリ段階であれば、アキレス腱やふくらはぎの筋肉を伸ばすストレッチは痛みの緩和や可動域の回復に役立ちます。
しかし、関節や骨に異常がある場合は、ストレッチによって症状が悪化する恐れもあります。
そのため、足首に違和感が残るうちは無理をせず、医師の判断を仰ぎましょう。
正座で足首が腫れるのはなぜ?
正座による足首の腫れの主な原因は、滑液包炎です。
滑液包は関節の動きによる摩擦を和らげるクッションのような役割を持つ袋状の組織で、足首の前側にも存在します。
正座の姿勢では足首の前方が圧迫されやすく、滑液包が炎症を起こすと滑液が過剰に分泌されて腫れが生じます。
とくに足首の前外側に腫れや違和感が出やすいのが特徴です。
腫れを感じたら、足首に負担のかかる姿勢を避けることが大切です。
症状が長引く場合は、整形外科の受診を検討しましょう。
捻挫後に正座で足首が痛くなるのはなぜ?
捻挫で損傷した靭帯が刺激に敏感な状態で、正座で足首を伸ばしたり圧迫したりすると痛みが出やすくなるためです。
足首の前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)は、足首の捻挫にて損傷しやすい部位です。正座の姿勢によって強く引き伸ばされ、違和感や鋭い痛みを生じることがあります。
また、捻挫を十分に治療しないまま放置すると、靭帯が緩んで関節が不安定になり、慢性的な痛みや再発などの後遺症を引き起こすリスクもあります。
痛みが長引く場合や悪化する場合は、自己判断せず整形外科での診断と治療を受けることが重要です。
正座による足首の痛みが長引く方は再生医療をご検討ください
正座によって足首が痛くなる原因は、以下の通りです。
一時的な安静やストレッチで痛みが軽減するケースもありますが、痛みが長引いたり繰り返したりする場合は、医療機関で適切な治療を受けましょう。
他の治療法で期待した効果がでていない方や、手術を避けたいとお考えの方は、再生医療という選択肢があります。
再生医療は、手術をせずに損傷した靭帯や筋肉などにアプローチする治療法です。
再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご活用ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師