足首の捻挫を放置したらどうなる?主な後遺症や治るまでの期間について解説
公開日: 2020.02.06更新日: 2025.04.30
足首の捻挫がなかなか治らず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
よくある怪我だからといって放置すると後遺症が出る可能性があるため、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
今回は、足首の捻挫を放置した時のリスクや治療法についてご紹介します。
また、足首の捻挫の根本的な治療に期待できる再生医療についても紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
足首の捻挫を放置すると生じる主な後遺症
足首の捻挫を放置すると生じる主な後遺症について紹介します。
捻挫は、スポーツや転倒、階段の踏み外しなどによって、足首の靭帯や軟骨などに過度な力が加わり損傷した状態を指します。
痛みや腫れが一般的な症状ですが、重度であれば靭帯の断裂や圧迫骨折する場合もあります。
以下では、捻挫を放置したことによる後遺症について、それぞれ解説していきます。
捻った痛みが続く
足首の捻挫を放置すると、捻った痛みが続く可能性があります。
損傷した靭帯の回復が不十分だと痛みが慢性化し、日常生活やスポーツにも影響を及ぼしかねません。
早めに適切な処置を受けて、慢性化を防ぎましょう。
足首が不安定になる
足首が不安定になるのも、足首の捻挫を放置した際の後遺症の一つです。
捻挫によって伸びた靭帯が放置されると足首の関節を安定させる機能が低下し、足首がぐらつく感じがあります。
足首が不安定になると歩行や足をついた時など、日常生活の中でも足首をひねりやすくなり、捻挫の再発につながります。
さらに放置すると足首の関節軟骨がすり減って変形してしまうリスクもあるため、悪化する前に治療しましょう。
関節炎の発症リスクを高める
足首の捻挫を放置し再発を繰り返すと、慢性足関節捻挫と呼ばれる関節炎の発症リスクを高める可能性があります。
慢性足関節捻挫は、捻挫を繰り返すことによって足首の靭帯や関節に負担がかかり、炎症が起こっている状態を指します。
主な症状は以下の通りです。
- くるぶしあたりが痛む
- 足首が腫れて重く感じる
- 長時間の歩行で痛む
捻挫を繰り返している方や足首の腫れがある方は、単なる捻挫ではなく関節炎の発症を疑いましょう。
足首の捻挫に施す治療方法
足首の捻挫に施す治療法について解説します。
よくある捻挫だからと放っておくと、足首の不安定さや慢性的な痛みなどの後遺症が出るリスクがあります。
自己判断で治療やリハビリを中止せずに、医師の指示に従いましょう。
応急処置として「RICE処置」を行う
足首の捻挫に施す主な治療として、「RICE処置」があります。
RICE処置の内容は、以下の通りです。
- R(Rest)安静:無理に歩かず、足首に負担がかからないようにする
- I(Ice)冷却:氷のうや保冷剤などで15~20分ほど冷やす
- C(Compression)圧迫:腫れや内出血を抑えるために包帯で軽く圧迫する
- E(Elevation)挙上: 横になりクッションや枕などで心臓よりも高い位置に上げ、痛みや腫れを軽減する
RICE処置は、捻挫だけでなく肉離れや打撲にも用いられる応急処置方法で、内出血や痛み、腫れを抑える効果が期待できます。
あくまで適切な治療を受ける前の応急処置なので、早期に医療機関を受診しましょう。
湿布やテーピングなどを活用する
足首の捻挫に対する痛みや腫れには、湿布やテーピングなどを活用しましょう。
捻挫直後の炎症や腫れには冷感湿布、症状が落ち着いたら血行促進のための温感湿布など、症状によって使い分けるのが重要です。
また、テーピングは捻挫後の不安定な足首を支えたり、症状の悪化を防いだりするのに有効です。
間違った巻き方では逆に症状の悪化に繋がるので、自分でテーピングをする際は強く巻きすぎないように注意してください。
痛みや腫れが引かない場合や内出血している場合は、捻挫ではなく骨折している可能性もあるため、医療機関を受診しましょう。
靭帯が断裂すると手術が検討されるケースもある
足首の靭帯が断裂すると手術が検討されるケースがあります。
靭帯の断裂で行われる手術は、以下の通りです。
- 靭帯修復術:残っている靭帯を修復する
- 靭帯再建術:他の部位の腱を移植して、靭帯を再建する
手術の際は、皮膚を数センチ切開する直視下法と、小さな穴を開けて内視鏡(カメラ)を挿入する鏡視下手術があります。
手術後の1日目から歩行が可能で、松葉杖を使用して痛みや腫れを確認しながらリハビリを行います。
足首の捻挫を治療するのにかかる期間
足首の捻挫の治療期間は重症度によって異なり、軽症で2〜3週間程度、重要で1〜3ヶ月程度かかります。
受傷直後から数日間はRICE処置を行い、症状を見ながら炎症抑制やストレッチなどの簡単なリハビリを開始します。
炎症や痛みが引いてきたら筋力トレーニングやバランス感覚の訓練など、リハビリの強度を少しずつ上げていくことが重要です。
早期回復を目指すためにも、症状に合わせて適切なリハビリを行いましょう。
足首の捻挫を早く治したい方は再生医療も選択肢の一つ
足首の捻挫を早く治したい方は、再生医療による治療も検討してみましょう。
再生医療の幹細胞治療は、自身の幹細胞を用いて損傷した足首の靭帯や関節包の修復を目指す医療技術です。
幹細胞は人間の身体の中に存在していて、筋肉や腱、神経などさまざまな組織に形を変えられる細胞です。
患者さまの脂肪を採取して幹細胞を抽出・培養したものを患部に注射します。
手術や入院が不要かつ、患者さまの細胞のみを使用するためアレルギーや拒絶反応などの副作用リスクが低い点が特徴です。
足首の慢性的な痛みにお悩みの方や、捻挫の早期改善を目指したい方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
【まとめ】足首の捻挫を放置すると後遺症が出る可能性があるので早期治療が重要
足首の捻挫は、放置すると慢性的な痛みや足首の不安定感などの後遺症が出る可能性があります。
後遺症や再発を防ぐために、医療機関を受診して早期に治療を受けましょう。
また、スポーツの早期復帰を目指したい方や、長期化する捻挫の症状にお悩みの方は、再生医療による幹細胞治療も選択肢の一つです。
再生医療による治療を検討している方は、お気軽に当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設