変形性股関節症は、完治するのか?
公開日: 2020.06.02更新日: 2024.11.19
目次
変形性股関節症は完治するの?
変形性股関節症は完治する病気なのでしょうか?高齢化社会に伴い加齢が発症の一因ともなる変形股関節症の方が増えてきています。痛みを感じない軽度の方から、日常生活を送るのが困難な方までその症状や状態も多岐に渡ります。
ここでは変形性股関節症の状態と完治について紹介していきます。
変形性股関節症は完治するのか
変形性股関節症とは、加齢や骨の異常により軟骨のすり減りや骨の変形が起きてしまう病気のことです。一度すり減った軟骨や骨の変形は二度と元には戻らないため、変形性股関節症が完治するということはありません。
変形性股関節症はどんな治療をするの?
比較的早期の段階では、ヒアルロン酸の注射や人工的に骨を削って形を整える骨切り術と呼ばれる手術が行われます。さらに症状が進み悪化している場合には人工関節置換術が行われ、股関節を人工関節と置き換えます。
それぞれの状態に応じて治療を行い、症状の緩和や進行の抑制をすることはできても、関節自体を元の状態に戻す治療法は現段階ではないのが実情です。
人工関節置換術とは?
変形性股関節症で損傷が進んでしまった股関節を人工関節と置き換えることで、完治に近い状態に持っていくことができます。人工関節置換術では手術後ほぼ完全に痛みがなくなり、手術翌日からリハビリを始め、約2週間で退院して不自由なく歩くことができます。
しかし、人工関節にはデメリットもあります。術後経過が一見良好でも、人工関節が外れてしまう脱臼が起きることがあり、これが続くようであれば再手術となります。
また、人工関節を入れた部分は細菌感染が起きやすい環境になっており、炎症がひどくなると人工関節自体を取りはずさなければならない場合もあります。さらには、人工関節も時間が経つにつれて劣化してしまうため定期的に受診しながら状態の確認も行う必要があります。
このように万能と思われる人工関節にもデメリットはあります。
完治しない変形性股関節症…注目を集める治療法があった!
近年、注目を浴びている新しい治療法に再生医療があります。再生医療は、自身の細胞を用いて軟骨の修復や再生を促進したり、病気の進行を抑制することが可能と言われており、他の治療を行っても効果が感じられなかったり、症状が悪化してしまった場合の選択肢として検討する人もいます。
副作用が少なく済むなど、患者さんへの負担も小さく、治療期間も短くて済むなどのメリットもあります。
まとめ/変形性股関節症は完治するのか
変形性股関節症は、現状では完治することのない病気です。痛みが大きく和らぐ人工関節手術を行ったとしても、定期的に受診して状態を確認せねばならず、完治とは言えません。
変形性股関節症における治療は進行を抑制することしかできず、術後もできるだけ負担をかけないようにするなど、上手につきあっていく必要があるのです。
完治しない病気であるからこそ、痛みを我慢したりせず、軟骨や関節のすり減りや悪化が進む前に早めに医療機関を受診し、治療法や日常生活上の注意などの指導を受けるようにしましょう。
また、近年注目を集めている再生医療についても検討してみてはいかがでしょうか。
▶こちらの動画もぜひご覧ください。
監修:リペアセルクリニック大阪院

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設