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貧血の数値はどこを見る?基準となる指標や重症度・効果的な対策について解説

貧血の数値はどこを見る?基準となる指標や重症度・効果的な対策について解説
公開日: 2026.04.30

貧血とは、血液中の赤血球やヘモグロビン(酸素を運ぶタンパク質)が不足することで、全身に酸素が届きにくくなる状態です。

「健康診断で貧血を指摘されたけれど、どの数値を見ればいいのかわからない」「自分の数値がどのくらい深刻なのか知りたい」と、感じている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、貧血の診断に使われる検査項目の基準値・重症度の目安・主な原因・数値改善のための対策を解説します。

貧血の数値が気になる方は、ぜひ最後までご覧いただき、ご自分の状態を確認してみてください。

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貧血の基準となる数値・重症度

貧血かどうかを調べるには血液検査が必要で、主に「ヘモグロビン濃度」「赤血球数」「ヘマトクリット値」の3つの数値を確認します。

これらの値が基準を下回っている場合、貧血と診断されます。

ヘモグロビン濃度

ヘモグロビンは赤血球に含まれる鉄分を持ったタンパク質で、酸素を全身へ運ぶ重要な役割を担っています。

ヘモグロビン濃度の基準値と貧血と判断される目安は、以下のとおりです。

対象 基準値(正常) 軽度の貧血 中等度の貧血 重度の貧血
成人男性(15歳以上) 13.0 g/dL以上 11.0~12.9 g/dL 8.0~10.9 g/dL 8.0 g/dL未満
成人女性(15歳以上、非妊娠) 12.0 g/dL以上 11.0~11.9 g/dL 8.0~10.9 g/dL 8.0 g/dL未満
妊娠中の女性 11.0 g/dL以上 10.0~10.9 g/dL 7.0~9.9 g/dL 7.0 g/dL未満

※参考:WHO「Haemoglobin concentrations for the diagnosis of anaemia and assessment of severity

健康診断の結果でヘモグロビン値が基準を下回っていた場合は、自覚症状がなくても一度医師に確認することをおすすめします。

赤血球数

赤血球数は血液中に赤血球がどれだけ含まれているかを示す値で、酸素を運ぶ細胞の量を直接表しています。

赤血球数の基準値は以下のとおりです。

対象 基準値
男性 435万〜555万個/μL
女性 386万〜492万個/μL

※参考:国立がん研究センター中央病院「臨床検査基準値一覧 血液検査 2016年6月版

この基準値を下回ると貧血が疑われます。

ヘマトクリット値

ヘマトクリット値は、血液全体に占める赤血球の割合(パーセント)を示す数値で、貧血の診断に欠かせない指標の一つです。

基準値は以下のとおりです。

対象 基準値
男性 40.7〜50.1%
女性 35.1〜44.4%

※参考:国立がん研究センター中央病院「臨床検査基準値一覧 血液検査 2016年6月版

基準値より低い場合は赤血球の不足が示唆され、貧血の疑いがあります。

数値に表れない「かくれ貧血」にも注意

ヘモグロビンや赤血球数などの数値が正常範囲内でも、体内に蓄えられた鉄分(貯蔵鉄)が不足している「かくれ貧血(潜在性鉄欠乏症)」の状態になっている場合があります。

かくれ貧血を判断する際のポイントは、以下のとおりです。

  • ヘモグロビン値は正常範囲内でも、フェリチン(貯蔵鉄)の値が低下している状態
  • 頭痛・めまい・不眠・疲労感などの症状が現れることがある
  • 一般的な健康診断にはフェリチン検査が含まれていないことが多い
  • 放置すると本格的な貧血に進行するおそれがある
  • とくに月経のある女性は鉄分を失いやすいため、注意が必要

症状が続く場合は、通常の血液検査に加えてフェリチン値を調べてもらえるよう、医師に相談することをおすすめします。

貧血になるのはなぜ?主な原因

貧血の原因はさまざまで、単純な鉄分不足だけでなく、他の栄養不足・慢性的な病気・血液の病気が関係している場合もあります。

原因を正しく知ることが、適切な対処につながります。主な原因として以下の4つがあります。

それぞれの原因の特徴を理解することで、自分の貧血がどのタイプに当てはまるか考える手がかりになります。

鉄欠乏性貧血

貧血の中で特に多いのが、血液中の鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」です。

鉄分ヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素で、不足すると酸素を十分に運べなくなります。

鉄分が不足する主な要因は以下のとおりです。

  • 偏った食事や過度なダイエットによる鉄分の摂取不足
  • 月経による毎月の鉄分の損失
  • 胃潰瘍や大腸ポリープなど消化管からの出血
  • 消化器の障害により鉄分が吸収されにくくなっている状態
  • 妊娠・授乳期や成長期など鉄分の需要が増える時期

女性は月経があるため、男性よりも鉄欠乏性貧血になりやすい傾向があります。

鉄分以外の栄養不足

貧血は鉄分不足だけでなく、赤血球を正しく作るために必要なビタミンB12や葉酸が不足することでも起こります。

これらが欠乏すると、赤血球が通常より大きくなり、正常に機能しにくくなります。

栄養不足による貧血の主な原因は以下のとおりです。

  • 胃の切除後などによるビタミンB12の吸収障害
  • 偏った食事や栄養不良による葉酸の不足
  • アルコールの飲みすぎによるビタミンB群・ビタミンCの消費増加
  • まれに銅・亜鉛の欠乏が原因となることもある

食事の偏りを見直し、バランスよく栄養を摂ることが大切です。

慢性疾患による影響

慢性的な病気が続くと、体の中で赤血球を作る働きが低下し、貧血が起こることがあります。

貧血を引き起こすことがある主な慢性疾患は以下のとおりです。

  • 慢性腎臓病
  • 関節リウマチ
  • 甲状腺疾患
  • 悪性腫瘍
  • 感染症
  • 心不全

病気の管理と合わせて貧血への対処を進めましょう。

血液疾患の可能性

鉄分不足・栄養不足・慢性疾患のどれにも当てはまらない場合、血液そのものに関わる病気が原因である可能性があります。

貧血の原因となりうる主な血液疾患は以下のとおりです。

  • 再生不良性貧血
  • 骨髄異形成症候群
  • 白血病
  • 多発性骨髄腫

貧血が続く・数値の改善がみられない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

貧血の数値改善に効果的な対策

貧血の数値改善には、毎日の食事で鉄分とその吸収を助ける栄養素をバランスよく摂ることと、生活習慣を整えることの両方が大切です。

対策として以下の2つが効果的です。

できるところから少しずつ取り組んでみましょう。

鉄分+吸収を助ける栄養素を摂取する

鉄分は体内で作られないため、毎日の食事からしっかり補うことが貧血予防・改善の基本です。

鉄分の1日の推奨摂取量の目安は以下のとおりです。

対象 推奨摂取量(目安)
成人男性 7.5mg
月経のある女性 10.5〜11.0mg
閉経後の女性 6.0mg

※参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)

鉄分が多く含まれる食品と、吸収を助ける栄養素の組み合わせのポイントは以下のとおりです。

  • レバー・赤身の肉・魚など動物性食品は鉄分の吸収率が高い
  • 非ヘム鉄(ヒジキ・ほうれん草など植物性食品)はビタミンCと合わせると吸収率が上がる
  • 葉酸・ビタミンB12・タンパク質も赤血球の産生や鉄分の吸収を助ける
  • コーヒー・緑茶・紅茶は食事の前後を避けると鉄分の吸収を妨げにくい

パプリカやブロッコリーなどビタミンCの多い野菜・果物と合わせて摂ると、さらに吸収率が上がります。

生活習慣を改善する

食事だけでなく、睡眠や日々の習慣を整えることも、血液を作る体の機能を支えるために重要です。

貧血改善に役立つ生活習慣のポイントは以下のとおりです。

  • 睡眠不足は血液を作る働きを妨げることがあるため、十分な睡眠をとる
  • 過度なダイエットや食事制限は鉄分・栄養不足を招くため避ける
  • 激しいスポーツや大量の発汗が続く場合は鉄分が失われやすいため意識的に補給する
  • アルコールの飲みすぎはビタミンB群・ビタミンCを消耗させるため控える
  • 健康診断を定期的に受け、数値の変化に早めに気づく習慣をつける

自覚症状が現れてからでは改善に時間がかかるため、健康診断など定期的なチェックを行うことが大切です。

貧血の基準となる数値を理解して早期改善を目指そう

貧血の改善には、まず自分の数値が何を示しているかを正しく理解することが大切です。

ヘモグロビン値を中心に赤血球数・ヘマトクリット値を確認し、症状がなくてもかくれ貧血に注意しながら、食事や生活習慣の見直しを続けることが数値改善につながります。

気になる症状がある方や健康診断で指摘を受けた方は、早めに医療機関を受診しましょう。

監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長