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アルコール性肝炎が治る可能性は?禁酒の重要性と治療法について解説【医師監修】

アルコール性肝炎が治る可能性は?禁酒の重要性と治療法について解説【医師監修】
公開日: 2026.02.27

「アルコール性肝炎は治るの?」
「アルコール性肝炎の治療における禁酒期間はどれくらい?」

飲酒習慣がある方の中には、アルコール性肝炎と診断され、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、アルコール性肝炎が治る可能性と禁酒の重要性について詳しく解説します。

アルコール性肝炎を治し、健康的な肝臓を取り戻したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

アルコール性肝炎は治る可能性あり!禁酒の重要性

アルコール性肝炎は、進行度合いによっては治る可能性がある病気ですが、そのためには「禁酒」が必要不可欠となります。

完治を目指す上で、以下の2つのポイントを正しく理解しておくことが大切です。

以下で早期発見と禁酒の重要性や、進行してしまった場合のリスクについて詳しく見ていきましょう。

早期発見と禁酒が重要

アルコール性肝炎を治すには、肝臓の炎症が軽度なうちに早期発見し、完全にアルコールを断つことが重要です。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれており、初期段階では自覚症状がほとんど現れないため、症状を自覚した頃にはすでに進行してしまっていることが少なくありません。

そのため、健康診断の血液検査などで異常を指摘された時点で、すぐにお酒をやめる決断ができるかが早期回復のポイントになります。

早期に禁酒できれば、肝臓の高い再生能力によって炎症が治まり、数カ月から半年程度で元の健康な状態への回復が期待できます。

重症例では完治が難しいケースもある

先述のとおり、アルコール性肝炎は早期発見と適切な治療を受けることで改善が期待できますが、重症例では完治が難しい場合もあります。

黄疸や腹水などの症状が現れるほど進行していたり、肝硬変まで進行したりした場合、肝臓の完全回復は困難です。

特に肝臓が線維化して硬く縮んでしまう肝硬変になると、従来の治療では肝臓を元の状態に戻せず、進行を遅らせるのが目的となります。

重症化させない、肝硬変に進行させないためにも、症状が軽いうちに早期から適切な治療を受けることが重要です。

アルコール性肝炎の重症度を診断する検査方法

アルコール性肝炎の重症度を診断するには、以下のような複数の検査を組み合わせて総合的に判断を下します。

それぞれの検査がどのような目的で行われるのか、順番に確認していきましょう。

血液検査

血液検査は、肝臓の炎症度合いや、肝機能がどの程度保たれているかを数値で把握するための基本となる検査です。

AST(GOT)やALT(GPT)、γ-GTPといった数値をはじめ、白血球の数などを調べることで重症度を詳細に評価します。

また、黄疸の指標となるビリルビン値や、血液を固める能力なども病状の深刻さを知るうえで欠かせない項目です。

肝臓の状態やアルコール性肝炎の重症度を把握するためにも、定期的に数値を測りましょう。

画像検査

画像検査は、肝臓の大きさや形、脂肪の蓄積具合を視覚的に確認し、合併症がないかを調べるために行われます。

主に超音波(エコー)検査やCT検査、MRI検査が用いられ、肝臓全体の状態を把握できるのが大きな特徴です。

肝臓がどれくらい腫れているか、あるいは腹水が溜まっていないかを直接確認できるため、肝臓の状態を判断するうえで重要な役割を果たします。

肝生検

肝生検は、肝臓の組織を一部採取して顕微鏡で調べることで、炎症度合いや線維化の程度を詳しく把握できます。

最も正確な組織情報を得るための検査ですが、全ての患者さまに必須というわけではなく、血液検査や画像検査だけでは診断が難しい場合などに行われます。

また、アルコール性肝炎では凝固異常(血が固まりにくい状態)を伴うことが多く、経皮的生検(腹から針を刺す方法)は出血リスクがあることも覚えておきましょう。

アルコール性肝炎を治すための治療法4つ

アルコール性肝炎を治し、健康な肝臓を取り戻すには、進行状態に応じて適切な治療を受けることが重要です。

本章では、以下の治療法について解説します。

それぞれの治療法が持つ役割や具体的なアプローチについて、詳しく見ていきましょう。

禁酒

アルコール性肝炎を治すうえで、最も重要かつ基本となるのが「禁酒」です。

肝臓の炎症を悪化させないためにも、アルコール性肝炎の原因となるアルコールの摂取を断つ必要があります。

お酒の量を減らすのではなく、一滴も飲まない決断をすることが早期回復の近道といえるでしょう。

自力でやめるのが難しい場合は、家族の協力を得たり、専門外来を活用したりするなど、周囲のサポートを積極的に受けてみてください。

栄養療法

アルコール性肝炎の治療において、肝臓の回復を助けるために必要な栄養素を摂取する「栄養療法」が重要です。

長期間にわたって多量のアルコールを摂取していると、肝臓の再生に必要なタンパク質やビタミンが不足しがちになります。

そのため、タンパク質やビタミンB群を豊富に含む食品を中心に、栄養バランスの取れた食事をしっかりと食べることが推奨されます。

経口摂取が難しい場合や重症の肝炎の場合、点滴を用いて直接栄養を補給する治療が行われるケースもあります。

薬物療法

アルコール性肝炎が進行している場合やアルコール依存症の治療では、薬物療法が行われます。

肝細胞の破壊を抑制するための肝庇護薬や、不足したビタミンを補う内服薬が患者さまの状態に合わせて処方されます。

また、重症のアルコール性肝炎と判断された場合に限り、ステロイド薬が適応されることがあります。

ただし、大前提となるのは「禁酒」であり、薬はあくまで補助的な役割であることを覚えておきましょう。

再生医療

重症化したアルコール性肝炎など、従来の治療だけでは難しい場合の選択肢として「再生医療」が注目されています。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。

肝臓疾患に対しては、ご自身から採取した幹細胞を培養し、点滴で体内に戻すことで、肝臓組織の再生・修復を促して機能の回復を目指します。

限られた医療機関でしか受けられない自由診療の段階ですが、これまで治癒が困難だった方にとって、新たな選択肢となるでしょう。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

アルコール性肝炎が治る可能性に関するよくある質問

最後に、アルコール性肝炎が治る可能性に関するよくある質問に回答していきます。

ご自身の状況と照らし合わせて、今後の生活改善や医師との相談に役立ててください。

アルコール性肝炎の禁酒期間はどれくらい?

アルコール性肝炎になった場合、基本的には生涯にわたる禁酒が必要です。

禁酒を開始してから1カ月〜数カ月程度で血液検査値の改善が見られることがありますが、数値が改善しても飲酒を再開してはいけません。

これは肝機能が回復しても再びアルコールを飲み始めると、高確率で再発してしまうためです。

肝臓の健康を守るためにも、アルコールを一滴も飲まない生活を継続することが重要です。

アルコール性肝炎の初期症状は?

初期段階のアルコール性肝炎の多くは無症状ですが、倦怠感や食欲不振、右脇腹の痛みなどの初期症状が見られる場合があります。

また、肝臓の不調でよく見られる「黄疸(おうだん)」が現れることがあります。

しかし、アルコール性肝炎をはじめとする肝臓疾患は初期段階では症状が現れにくいため、自覚症状が出た時点である程度進行している可能性が高いです。

初期症状を自覚したら肝炎が大きく進行している可能性があるため、早めに医療機関を受診しましょう。

アルコール性肝炎を治すには完全な禁酒と治療を受けよう

アルコール性肝炎は、早期発見し、「禁酒」をはじめとする適切な治療を受ければ、治る可能性がある疾患です。

しかし、アルコール性肝炎をはじめとする肝臓疾患の初期段階は無症状なことが多く、自覚症状が出始めたころにはすでに進行している可能性があります。

そのため、アルコール性の肝臓疾患を患った場合、肝臓の健康を維持するために完全にアルコールを断つことが大切です。

近年の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した肝細胞や周辺組織の再生・修復を促す医療技術です。

>>再生医療による肝臓疾患の症例はこちら

当院リペアセルクリニックでは、肝臓疾患に対する再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長