鵞足炎で病院に行くべき症状とは?受診のタイミングの目安を医師が解説

公開日: 2019.10.01
更新日: 2025.08.29

膝の内側に違和感や痛みが続いていると、「このまま様子を見ていれば良くなるのか、それとも病院へ行くべきなのか」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

鵞足炎は軽症であれば安静やセルフケアで改善することもありますが、痛みが長引く場合や日常生活に支障が出る場合は、早めに医師へ相談することが大切です。

受診せずに放置してしまうと、症状が慢性化して治りにくくなるリスクもあるため注意が必要です。

本記事では、鵞足炎で病院を受診すべき症状やタイミングの目安を医師の見解をもとに解説しています。

膝の痛みをまだ大丈夫と見過ごさず、正しい知識を持って将来の自身の健康を守りましょう。

また慢性化してしまった症状や保存療法で改善が見られない方・手術は避けたいという方には、再生医療という選択肢もあります。

当院(リペアセルクリニック)の公式LINEで治療法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リペアセルクリニック 公式LINE画像

LINE限定で無料オンライン診断を実施中!
>>簡単30秒で診断してみる

病院に行くべき鵞足炎(がそくえん)の症状・タイミング

以下のような症状が起きている場合、鵞足炎を含めた膝関節疾患が考えられるため、早めに病院を受診しましょう。

  • 痛みが2週間以上続く、または安静にしても改善しない
  • 膝の内側に腫れや熱感・発赤がある
  • 階段の昇り降りや正座・膝立ちが困難になる
  • 夜間痛で眠れない、安静時にも痛む
  • 膝の動作で引っかかりやロッキング、不安定感がある

これらは炎症が進行しているサインであり、鵞足炎だけでなく半月板損傷や靭帯損傷など他の膝疾患の可能性もあります。

特に腫れや発熱を伴う場合には、滑液包炎の危険性もあるため、放置は禁物です。

症状が進むと完治までの時間が長引き、再発のリスクも高まります。

気になる症状が当てはまる場合は、早めに整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることが将来の膝の健康を守る第一歩となります。

症状の進行度について

鵞足炎は放置すると違和感から痛み、さらに激痛へと段階的に進行していきます。

自分の状態を把握するために、以下の進行度の目安を確認してみましょう。

ステージ1(軽度) 膝の内側に違和感があるが、運動や生活に大きな支障はない
ステージ2(中等度) 運動後に膝の痛みをはっきり自覚し、階段昇降で痛みを感じる
ステージ3(重度)

安静時にも痛みが続き、膝の曲げ伸ばしに制限が出る。

腫れや熱感を伴うこともある

ステージ4(最重度)

歩行すら困難になり、股関節や腰にまで痛みが波及することがある

初期の違和感の段階で対応すれば比較的早く改善が見込めますが、重症化すると治療に長期間を要し、完治が難しくなるケースもあります。

違和感を覚えた段階で速やかに医療機関を受診しましょう。

受診する病院・クリニックの選び方

鵞足炎が疑われる場合は、まず整形外科を受診するのが基本です。

整形外科ではレントゲンやMRIを用いた検査で、鵞足炎と似た半月板損傷・靭帯損傷・変形性膝関節症などとの鑑別も行ってくれます。

スポーツが原因で痛みが出た場合には、スポーツ整形外科がおすすめです。

アスリートやランナーに向けて、競技復帰までを見据えたリハビリ計画やフォーム改善の指導を受けられるのが特徴です。

また、リハビリ施設が併設されているクリニックなら、原因となる筋肉の硬さやフォームの改善を専門的にサポートしてもらえます。

まずは近くの整形外科を受診し、必要に応じてスポーツ整形や再生医療専門クリニックに紹介してもらう流れが安心です。

鵞足炎を放置するリスク

鵞足炎を放置すると、以下のように症状が悪化して治療が長引くリスクがあります。

  • 違和感が徐々に痛みに変わり、やがて激痛へと進行する
  • 腱や滑液包に炎症が慢性化し、治りにくくなる
  • 階段昇降や歩行が困難になり、生活の質が低下する
  • 炎症が広がり、股関節や腰など他部位に負担が及ぶ
  • 再発を繰り返し、慢性化して難治性に移行する

初期段階では軽い違和感でも、安静やケアを怠ると炎症が進み、膝の可動域制限や夜間痛へと進行します。

さらに慢性化すると、保存療法だけでは改善せず、再生医療や手術といった高度な治療が必要になる可能性があるので注意しましょう。

鵞足炎は早期対応が肝心で違和感を感じた段階でセルフケア(テーピング・アイシングなど)を行い、痛みが強まるようなら速やかに整形外科を受診することをおすすめします。

病院で受けられる鵞足炎の治療法は保存療法と手術療法に分けられる

鵞足炎の治療は、まず以下のような保存療法が基本であり、手術に至るケースはごくまれです。

安静とアイシング 運動や長時間の歩行を避け、患部を冷やして炎症を抑える
薬物療法 痛みや炎症が強い場合は、消炎鎮痛剤の内服が処方される
理学療法・リハビリ 理学療法士の指導によるストレッチや筋力強化で膝への負担を減らす
足底板(インソール)療法 扁平足や膝のアライメントに異常がある場合にインソールで調整
ステロイド注射 炎症が強く保存療法だけで改善が得られない場合にステロイド薬を直接注射する
PRP注射

慢性化・再発例に行われる先進的治療で、組織修復を促す

保存療法を続けても改善が見られず、慢性化して生活に著しい支障が出る場合や、感染により滑液包に膿がたまったケースでは、滑液包を切除する手術が検討されます。

ただし一般的な鵞足炎では、手術に至ることはほとんどありません。

安静・薬物・リハビリといった保存療法によって、数週間〜数か月のうちに症状が改善することも少なくありません。

病院に行っても改善しない鵞足炎には再生医療も選択肢の一つ

\幹細胞治療とPRP療法の特徴についての解説はこちら/

 

鵞足炎は多くの場合、安静・薬物・リハビリといった保存療法で改善が期待できます。

しかし、中には症状が慢性化して数か月以上続いてしまう難治性ケースもあり、従来の治療では十分な効果が得られないこともあります。

手術を避けたいと考える方にとって、再生医療は新たな治療の選択肢となります。

幹細胞治療(自己脂肪由来幹細胞)
  • 下腹部などから採取した脂肪に含まれる幹細胞を培養し、数千万〜数億個に増やしたうえで体内に戻す方法

  • 幹細胞は損傷組織の修復や炎症抑制に働きかけ、摩耗した軟骨や腱の回復を助ける

  • 自己細胞を利用するため安全性が高く、関節疾患や難治性の膝痛に対する治療として注目されている
PRP療法(多血小板血漿注射)
  • 自身の血液を採取し、遠心分離で血小板を高濃度に抽出して患部に注射する治療法

  • 血小板から放出される成長因子が炎症を抑え、損傷した組織の修復を促進

  • 自己血を利用するためドーピングやアレルギー・拒絶反応のリスクが少ないのが特徴でプロアスリートでも利用可能
体外衝撃波療法(ESWT)
  • 高エネルギーの衝撃波を膝の鵞足部に照射し、血流改善と組織修復を促す方法

  • 保存療法で改善が乏しい場合に行われ、非侵襲的で日帰り治療が可能という特徴がある

当院(リペアセルクリニック)では、こうした再生医療を提供しています。

治療法や実際の症例については、公式LINEでもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/公式LINE 画像

鵞足炎で病院行くべきかお悩みの方からよくある質問

足炎で病院に行くべきか迷っている方からよく寄せられる質問と、その回答を以下にまとめました。

鵞足炎になったら、運動は完全に禁止すべき?

鵞足炎になったら、運動を完全に禁止する必要はありませんが、痛みが出る動作や負荷の高い運動は控えましょう

鵞足炎は膝の使いすぎが主な原因の一つとされるため、ランニングやジャンプなど膝に大きな負担をかける動作を続けると炎症が悪化しやすくなります。

一方で、痛みのない範囲での軽いストレッチやウォーキングや水中運動など低負荷の運動は、血流改善や再発予防に役立つこともあります。

症状が強い時期は無理をせず、痛みが和らいできた段階でリハビリや軽い運動を取り入れていくのが望ましいでしょう。

鵞足炎の改善にストレッチは効果的?

ストレッチは再発予防や改善に役立つことがありますが、炎症が強い急性期には控えましょう

鵞足炎は太もも裏のハムストリングスや大腿四頭筋の硬さが要因となることが多いため、筋肉の柔軟性を高めるストレッチは膝への負担を軽減し、症状の改善や再発予防に効果的とされています。

ただし、炎症や痛みが強い段階で無理に伸ばすと、かえって症状を悪化させる可能性があります。

痛みが落ち着いてきた回復期から、専門家の指導を受けながらストレッチを取り入れるのが安全です。

鵞足炎にサポーターは効果ある?

サポーターは痛みを和らげたり膝の安定性を補助するのに役立つ場合がありますが、根本治療にはなりません。

鵞足炎では膝の内側に負担がかかりやすいため、サポーターを装着することで膝周囲の筋肉をサポートし、動作時の不安定感や痛みを軽減できることがあります。

特に階段の上り下りや長時間の歩行時など、膝に負荷がかかる場面での補助として有効です。

ただし、サポーターはあくまで補助的な役割であり、炎症や組織損傷そのものを治す効果はありません。

長期的に依存すると筋力低下を招く可能性もあるため、安静・ストレッチ・筋力トレーニングなどと併用しながら使うようにしましょう。

鵞足炎で病院に行くべきタイミングは早期受診が大切!違和感を感じたら相談しよう

軽度の鵞足炎であれば安静やセルフケアで改善する場合もありますが、2週間以上痛みが続く、日常生活に支障が出る、夜間も痛むといった症状が見られる場合は、自己判断せず整形外科を受診しましょう。

特に腫れや熱感がある、関節が不安定に感じるといったケースは、鵞足炎以外の膝疾患が隠れている可能性もあるため、早めの診察が重要になります。

慢性化してしまった症状に対して従来の保存療法では改善が見られない場合は、PRP療法や幹細胞治療といった再生医療が新たな選択肢として広がっています。

当院(リペアセルクリニック)では、こうした再生医療を行っています。

治療法や実際の症例については、公式LINEでも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/公式LINE 画像

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設