フライパンを持つと肘が痛い原因は?自分でできるストレッチと治し方を解説【医師監修】
公開日: 2020.07.07更新日: 2025.06.30
「フライパンを持つと肘が痛くなるのはなぜ?」
日常的に料理をしている方の中で、フライパンを持つと肘が痛い症状に悩まされている方は多いのではないでしょうか。
料理をする上でフライパンを振るのはよく行う動作ですが、頻繁に料理をする方は継続的な肘への負担によって痛みが生じる場合があります。
本記事では、フライパンを持つと肘が痛いときの原因について解説します。
フライパンを持つと肘が痛いときに有効なストレッチも紹介していますが、自己判断で行うと痛みが強くなったり、症状が悪化する可能性があるので注意しましょう。
また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、肘の痛みをはじめとする関節疾患の症状や炎症の改善に期待できる再生医療に関する情報を配信中です。
「肘の痛みを早く治したい」「悪化する前に治療したい」という方は、再生医療がどのような治療を行うかご参考ください。
目次
フライパンを持つと肘が痛む原因として考えられる疾患
フライパンを持つと肘に痛みが生じる原因として、上腕骨外側上顆炎が考えられます。
テニス肘とも呼ばれる疾患で、肘に痛みが生じるのが特徴です。
上腕骨外側上顆炎について、詳しく解説します。
上腕骨外側上顆炎とは
上腕骨外側上顆炎は、肘の部分にある上腕骨外側上顆から手首につながっている筋肉や関節に炎症が起きて痛みが生じる疾患です。
上腕骨外側上顆炎の症状は、主に以下の4つです。
- 肘の外側の痛み
- 手首を反らす動作での痛み
- 前腕の痛み
- 握力が低下する
物を持ち上げる、タオルをしぼるなどの動作によって、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じます。
手首を反らす、指を伸ばすなどの動作で肘の外側に痛みが生じるケースもあります。
以下の記事では、テニス肘とも呼ばれる上腕骨外側上顆炎が重症化させない方法について解説しているので、合わせてご覧ください。
上腕骨外側上顆炎を発症する原因
上腕骨外側上顆炎の原因は、主に4つあります。
- 手首の曲げ伸ばしを繰り返す
- 反復動作
- 筋力の低下
- 関節内の病変
テニスやゴルフ、バドミントンなどのスポーツや、長時間のキーボード使用など、手首の伸展を繰り返すと上腕骨外側上顆の腱に負担がかかり、上腕骨外側上顆炎を発症するケースがあります。
フライパンを振る機会が多い調理師や、大工など肉体労働で腕を酷使する方に発症しやすい疾患です。
また、加齢や肘の酷使によって腱や筋肉の柔軟性が低下し、負担に弱くなってしまうことで上腕骨外側上顆炎の原因となる場合もあります。
他にも、肘関節の軟骨や腱の損傷によって発症する例もあります。
フライパンを持つと肘が痛いときのストレッチ法
フライパンを持つと肘に痛みが生じるときに、有効なストレッチ法を紹介します。
1.ストレッチする側の腕を地面と水平にまっすぐ上げる
2.手のひらが手前になるように手首を腕と垂直に曲げる
3.反対の手で手の甲をつかみ手前に引く
手のひらを外側に倒した状態でも同じように、左右両方行ってください。
伸ばした状態で30秒キープして行うとより効果的です。腕に痛みがある場合は、症状に合わせて負荷を調整して無理のない範囲で行いましょう。
急性期や痛みの強い時期は避けて、医師に相談のうえで実施することをおすすめします。
フライパンを持つと肘が痛いときの治し方
フライパンを持ったときに生じる痛みの治し方は、主に2つあります。
それぞれの治療法について、詳しく解説していきます。
保存療法
保存療法には、主に以下の6つの治療を行います。
- 安静
- 日常の動作を工夫する
- サポーターを装着
- ストレッチ
- 湿布
- 消炎鎮痛剤を服用
初期の上腕骨外側上顆炎は、安静にすると痛みが和らぐケースがあります。
肘を動かさない生活が難しい場合は、日常生活の中でなるべく肘に負担がかからないように工夫しましょう。
また、テニス肘(上腕骨外側上顆炎)用のサポーターを装着して肘への負担を軽減することで、症状の改善が期待できます。
ストレッチについては、急性期を避け、医師や理学療法士の指導のもとで適切に行うことが重要です。
痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤の内服に加えて、医師の判断によりステロイド剤の局所注射が行われる場合があります。
手術療法
保存療法を6カ月程度行っても症状が改善されない場合や、日常生活や仕事に支障がある場合は手術が検討されます。
上腕骨外側上顆炎では、主に以下の手術が行われます。
- 腱切離術
- 肘関節鏡手術
腱切離術は、皮膚を切開して変性した腱組織を切除する手術法です。
一方、肘関節鏡手術は関節鏡を用いて傷んでいる組織を取り除く手術で、皮膚を切開する手術と比較して傷跡が小さく済む特徴があります。
長引く肘の痛みには再生医療も選択肢のひとつ
長引く肘の痛みにお悩みの方には、再生医療の選択肢もあります。
再生医療は、患者さまご自身の幹細胞や血液を利用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低い治療法です。
また、入院や手術を必要としない治療法なので、仕事やスポーツへの早期復帰が期待できます。
とくに、血小板を含む液体を注射するPRP療法では、約30分ほどで治療が終わるケースもございます。
早期治療を望む場合は、再生医療を選択肢のひとつとしてご検討ください。
フライパンを持つと肘が痛いときは早期に医療機関を受診しよう
フライパンを持つと肘が痛いときは、上腕骨外側上顆炎を発症している可能性があります。
ストレッチによって症状が緩和されるケースがありますが、まずは早期に医療機関を受診することが推奨されます。
本記事で紹介したストレッチを行う場合でも、急性期や痛みが強い時期は避けて、医師に相談のうえで実施しましょう。
また、治療法には「保存療法」「手術療法」「再生医療」があるので、本記事を参考にご自身の状況に合わせて、適切な治療法を選択してください。
当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による治療を行っているため「肘の痛みを早く治したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設