重症化した足底腱膜炎はどうなるの?原因や治療方法もあわせて紹介
公開日: 2019.12.01更新日: 2024.11.19
- 「重症の足底腱膜炎と診断された」
- 「足底腱膜炎が重症の場合はどんな治療方法がある?」
人口の1割程度の方が発症すると言われている足底腱膜炎は、最初は我慢できる程度の症状です。しかし、悪化して重症になり、つらい症状が出てしまうこともあるため、早めの対処が必要です。
この記事では、足底腱膜炎が悪化した場合の症状や原因、治療方法について紹介します。
- ・足底腱膜炎が悪化した場合の症状
- ・悪化した足底腱膜炎の治療方法
目次
足底腱膜炎が重症化するとどうなる?
足底腱膜炎が軽度の場合と重症の場合を以下にまとめました。
- ・立ちっぱなしや動いている時に生じる痛みが激しくなる
- ・立ったり動いたりしていなくても痛みが生じる
- ・踵骨棘(しょうこつきょく)ができてさらに痛みが増す
- ・長時間立ちっぱなしになると足の裏にしびれや痛みが生じる
- ・歩行やランニングで足が地面に着く際に痛みが生じる
踵骨棘(しょうこつきょく)とはかかとに痛みを伴うトゲです。足底腱膜が長い間炎症した際、足底腱膜とかかとの骨をつないでいる健がトゲのように固くなってしまうために起こります。
踵骨棘(しょうこつきょく)ができるほど重症化した場合、治療は難しくなるので早めの対策が必要です。
足底腱膜炎が重症化してしまう原因
足底腱膜(足の裏)の過剰な負担が足底腱膜炎の重症化を招く原因です。足底腱膜の負担が増すと、ダメージが蓄積されて炎症反応が起こります。
具体例を以下にまとめました。
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体質や年齢、日常の過ごし方によって足底腱膜炎が重症化してしまう可能性があります。
重症化した足底腱膜炎の治療方法
足底腱膜炎が軽度である場合は、ストレッチやインソール、テーピングなどの保存療法があります。しかし、重症化すると保存療法だけでは十分な治療に繋がりません。
そこでこの項目では、重症化した足底腱膜炎の治療法にフォーカスして紹介します。
体外衝撃波疼痛治療
足底腱膜炎が重症になった場合の主な治療法として手術が挙げられますが、できるだけ避けたいと考える方も多いです。また、身体への負担を考慮して高齢の患者さんに対しての手術を見送る場合もあります。
以前は重症化した足底腱膜炎に対して、手術の選択肢しかありませんでしたが、近年ではスポーツ医療の進歩によって、手術よりも負担がはるかに少ない治療装置による治療もおこなわれるようになりました。
その装置は体外衝撃波疼痛治療装置と言われるもので、痛みを感知する神経に衝撃波をあてて痛みを緩和したり、血流を促進させて損傷部分の組織を修復させる治療法です。
ステロイド注射
重症化した足底腱膜炎の治療には、ステロイド注射が有効な場合があります。ステロイドはアレルギー反応や炎症を抑えられる薬です。
患部に注射して痛みを和らげる効果がありますが、副作用により処置できる回数が限られています。
- ・だんだん効果が感じられなくなる
- ・かかとの皮下脂肪が傷つく
- ・筋膜が損傷する
また、足の裏は敏感なため処置の際に大きな痛みを感じやすい部位です。慎重に検討しましょう。
手術
ストレッチやインソールなどの保存療法を半年から3年程度行っても効果がない方や、日常生活で支障をきたしている方には手術が検討されます。
- ・足底腱膜が炎症したり損傷したりして厚くなっている場所を切り取る
- ・腱の移植や部分的に切れ目を入れて足底腱膜を延長する
足底腱膜や骨棘(こつきょく)の切除を目的とした手術がありますが、成功率は高くないとされているため、留意しておく必要があります。
再生医療
近年では、自身の細胞を用いて損傷した部分の再生・修復を図る再生医療が注目を集めています。自身の細胞を利用して治療をおこなうことから、アレルギーなどの副作用を伴わず、治療にかかる期間も短縮できる点がメリットです。
再生医療を実施できる医療機関は限られているため、興味のある方はぜひ当院にお問い合わせください。
足底腱膜炎の重症化を未然に防ごう
足底腱膜炎が重症になるとどのような症状が出るか、また、重症になった場合の治療法について紹介しました。現在ではスポーツ医療の進歩により、重症になっても手術以外の治療で痛みの緩和や治癒を目指せるようになりました。
とはいえ、足底腱膜炎は重症になる前の予防が大切です。足の裏やかかとが痛い場合や、つっぱりを感じる場合は無理をせずに安静にしましょう。また、重症化を防ぐためにも医療機関の受診をおすすめします。
当院でも足底腱膜炎をはじめ、さまざまな疾患に対するお悩み相談を受け付けています。お気軽にお問い合わせください。