足底腱膜炎かどうか確かめる方法は?セルフチェック後の治療法について解説
公開日: 2019.12.08更新日: 2025.04.30
普段の生活に影響をおよぼす、足のかかと部分の鋭い痛みにお悩みではないでしょうか。
もしかすると、かかとの痛みは足底腱膜炎の典型的な症状かもしれません。
しかし「足底腱膜炎かどうか確かめる方法が分からない」という、疑問を抱えている方もいるでしょう。
この記事では足底腱膜炎のセルフチェック方法から詳しい症状、発症原因、そして効果的な治療法までを詳しく解説します。
一般的な治療法に加え、足底腱膜炎に対する再生医療という新たな選択肢についてもご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
足底腱膜炎かどうか確かめる方法【セルフチェック】
足底腱膜炎の疑いがある方は、以下の項目に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
☐ 朝起きて最初の一歩目にかかとの内側前方に強い痛みがある
☐ かかとの内側前方を指で押すと強い圧痛がある
☐ 足の指を上に反らすと痛みが増す
☐ 長時間座った後に立ち上がった直後に痛みがある
☐ 歩き始めは痛いが、しばらく歩くと痛みが軽減する
☐ 階段を上る時やつま先立ちをすると痛みが増す
☐ 夕方になると痛みが再び強くなる
これらの症状が複数当てはまる場合は、足底腱膜炎の可能性があります。
ただし、かかとの痛みには様々な原因があるため、自己判断せずに整形外科など専門の医療機関で正確な診断を受けましょう。
足底腱膜炎が発症する原因
足底腱膜炎の発症の主な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 長時間の立ち仕事や歩行による過剰な負担
- 体重増加による荷重負荷の増大
- アーチが高すぎるまたは低すぎる足の形状的な問題
- 不適切な靴の使用 など
特にクッション性の低い靴や、サポート性の低いサンダルの使用は注意が必要です。
また、ランニングやジャンプなどのスポーツによるオーバーユース(使いすぎ)にも注意が必要です。
さらに、ふくらはぎの筋肉やアキレス腱が硬い状態も、足底への負荷を高める要因となります。
このような要因が組み合わさることで、足底腱膜に慢性的な炎症が起こりやすくなる場合も。
靴の見直しや柔軟運動の習慣化など、日常生活から改善していくことが予防につながります。
足底腱膜炎の症状
足底腱膜炎の最も特徴的な症状は、朝起床して最初の一歩目に感じる強い痛みです。
この痛みは足底腱膜がかかとの骨に付着する部位(かかとの内側前方)に現れ、5〜10分ほど歩くと徐々に軽減していく可能性も。
しかし、日中の活動量が増えると、夕方にかけて再び痛みが強くなるパターンが見られます。
また、以下のような動作でも痛みが増すケースがあります。
- 階段を昇るとき
- つま先立ちをしたとき
- 長時間座った後に立ち上がったとき
また、足の裏の内側の縁に沿って、焼けるような痛みや刺すような痛みを感じることもあり、歩行時の不快感につながる場合もあります。
足底腱膜炎の治療方法
足底腱膜炎の治療方法には、主に次の3種類があります。
一般的には保存的治療から始め、症状が改善しない場合には手術へ進んでいきます。
本章では、3つの治療法についてそれぞれ解説します。
理学療法
理学療法では足底腱膜炎の痛みを軽減し、炎症の抑制、足底への負担軽減を目的とした施術が行われます。
主なアプローチは以下の通りです。
- ストレッチ運動
- 靴の調整と足底挿板(インソール)の使用
- 冷却療法(アイシング)
アキレス腱や足底腱膜・ふくらはぎの筋肉を中心とした足裏全体の柔軟性を高めることで、過剰な牽引力を和らげ、症状の緩和が期待されます。
足底腱膜への負担を軽減するためには、足の形に合った靴の選択や足底挿板(インソール)の装着も効果的です。
クッション性やアーチサポートに優れたインソールを使うことで、かかとへの衝撃を吸収し、腱膜にかかる負荷を分散させられます。
また、氷や冷却パックを用いた冷却療法では、患部を冷やすことで炎症反応や腫れを一時的に抑える効果が期待されます。
こうした理学療法は、医師や理学療法士の指導のもとで症状や生活スタイルに応じて適切に行うことが大切です。
薬物療法
薬物療法は、主に足底腱膜炎による痛みや炎症を軽減するための基本的な治療法のひとつです。
症状の程度やライフスタイルに応じて、以下のような薬剤が使用されます。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
- ステロイド剤の局所注射
最も一般的なのは非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で、外用剤(塗り薬)や経口剤(飲み薬)などがあります。
痛みが強く、他の治療で効果が不十分な場合には、ステロイド剤の局所注射を行うこともありますが、副作用のリスクもあるため慎重に行う必要があります。
手術療法
手術療法は保存的治療でも症状の改善が見られない重症例に対して検討されます。
代表的な手術方法は、以下の通りです。
- 筋膜切離術
- 骨棘(こつきょく)切除術
- 内視鏡手術
最近では、体への負担が少ない内視鏡手術も行われるようになっています。
手術後はリハビリテーションが重要で、適切な回復プログラムに従うことで日常生活やスポーツ活動への早期復帰が目指せます。
足底腱膜炎を治すには再生医療も選択肢の一つ
一般的な治療法で改善が見られない足底腱膜炎に対しては、再生医療が一つの選択肢となります。
再生医療の一つ、PRP(多血小板血漿)療法では、患者さま自身の血液に特殊な加工を施し、患部に注入します。これにより、足底腱膜の損傷部位にアプローチする治療法です。
入院を伴うほどの大きな手術を必要としないのも再生医療の特徴で、とくにPRP療法では最短30分で治療が行えます。
再生医療について詳しくは、以下のページもあわせてご覧ください。
スポーツ外傷は⼿術しなくても治療できる時代です。
【まとめ】足底腱膜炎の症状が緩解しない場合は当院へご相談ください
足底腱膜炎は適切な治療を行うことで多くの場合、改善が期待できますが、症状が長引く場合もあります。
従来の治療法で十分な効果が得られない方は、当院「リペアセルクリニック」の再生医療をご検討ください。
当院では、PRP療法や幹細胞治療など患者さま一人ひとりの症状に合わせた治療プランをご提案いたします。
まずはお気軽に当院まで、お悩みの症状についてご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設