足底筋膜炎のステロイド注射は痛い?効果・副作用・受けるべきかを解説
公開日: 2019.12.30更新日: 2025.06.02
足底筋膜炎(足底腱膜炎)の治療法のひとつとして、ステロイド注射が選択されることがあります。
強い抗炎症作用により、短期間で痛みを緩和できる有効な治療法とされています。
しかし「注射自体はどのくらい痛いのか?」「副作用はあるのか?」といった、不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
本記事では、足底筋膜炎に対するステロイド注射の痛みについて解説します。
ステロイド注射の副作用についても紹介していますので、「注射の痛みに耐えられるか不安」「本当に効果があるのか知りたい」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
【結論】足底筋膜炎(足底腱膜炎)へのステロイド注射は痛みや副作用のリスクがある
足底筋膜炎へのステロイド注射は強い痛みを短期間で抑える効果が期待できますが、以下のように痛みや副作用のリスクもあります。
- 足の裏は痛覚が密集している
- 皮下脂肪の萎縮や皮膚の変色
- 腱や腱膜の断裂リスク(特に繰り返し注射する場合)
- 一時的に良くなっても再発するケースもある
しかし、局所麻酔と併用されるケースがあり、痛みを軽減できる可能性があります。
ただしステロイド注射は応急的処置的な手段であり、根本的な治療ではありません。
ステロイド注射を検討する際は保存療法で効果が出なかったか、炎症の程度や生活への影響の強さなどを踏まえ、医師に相談した上で判断しましょう。
また自身が足底腱膜炎かどうか確かめる方法については以下で解説していますので、ぜひご覧ください。
ステロイド注射の副作用リスク|腱断裂・脂肪収縮などに注意
ステロイド注射を繰り返すと、以下にような副作用を引き起こす可能性があります。
- 腱断裂
- 脂肪収縮
ステロイドはタンパク質を分解してしまう作用があり、筋肉や腱を弱らせてしまうケースがあります。
また、注射部位の脂肪が収縮し、皮膚が薄くなる可能性もあるだけでなく、アレルギー反応のリスクも考えられます。
ステロイド注射はあくまで一時的に痛みを改善する治療法で、長期にわたっての継続は推奨されていません。
足底筋膜炎でステロイド注射が選ばれるケースとは
足底筋膜炎に対してステロイド注射が選ばれるケースは、主に3つです。
ステロイド注射での治療が選択される症状について、詳しく解説します。
保存療法で回復しない慢性痛
足底筋膜炎では、まず以下のような保存療法から治療が始まります。
- 安静や運動制限
- サポーター・湿布の使用
- 内服薬
- リハビリ
また症状や原因に応じて、複数の治療法を組み合わせて行う場合もあります。
こうした保存療法を継続しても症状の改善が見られない場合、次のステップとしてステロイド注射が検討されることがあります。
歩行が困難なレベルの強い痛み
歩行が困難な場合、以下のステロイド注射が選択されるケースがあります。
- 短期間で炎症を抑え、痛みを和らげる効果がある
- 歩けないほどの激しい痛みに対して、一時的に改善が期待できる
効果には個人差もありますが、歩いても痛みを感じなくなる程度まで回復するケースがあります。
ただし注射を繰り返すことによる組織へのダメージや腱断裂のリスクもあるため、使用頻度やタイミングには慎重に判断しましょう。
足底筋膜炎が慢性化・重症化した場合のリスクや治療方針については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。
炎症が局所的に強く出ている場合
足底筋膜炎では、土踏まずやかかとの内側など、限られた部位に強い痛みが集中するケースがあります。
こうした局所的に強い炎症や痛みが続く場合には、ステロイド注射が治療の選択肢となることがあります。
ステロイドには強力な抗炎症作用によって約12週間ほど痛みを軽減する効果があるとされており、炎症が集中している部分の痛みを抑えることで、日常生活への支障を減らすことが可能です。
【まとめ】足底筋膜炎の注射は痛みもあるが有効な治療法のひとつ
足底筋膜炎に対するステロイド注射は、強い抗炎症作用によって短期間で痛みを緩和できる治療法のひとつです。
歩行が困難なほどの強い痛みや、局所的な炎症が激しい場合に効果が期待できます。
ステロイド注射は強い抗炎症作用があり、短時間で効果があります。
ただし、ステロイド注射はあくまで一時的な対症療法であり、長期的な解決にはつながりません。
保存療法や注射で改善が見られない慢性の足底腱膜炎に対しては、再生医療という新たな選択肢もあります。
症例や治療法については以下でもご紹介していますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設