- その他
サルコペニア肥満とは|主な原因は?診断基準やセルフチェック方法を解説

「最近、歩く速度が遅くなった」「階段の上り下りがつらい」と感じていませんか。
上記のようなケースでは、筋肉量の減少と肥満が同時に進行する「サルコペニア肥満」が隠れている可能性があります。
サルコペニア肥満とは、筋肉量の減少(サルコペニア)と体脂肪の増加(肥満)が同時に進行している状態です。
本記事では、サルコペニア肥満の主な原因や診断基準、セルフチェック方法について詳しく解説します。
ご自身の身体の状態を正しく把握し、早めの対策につなげるためにも、ぜひ最後までご覧ください。
目次
サルコペニア肥満とは?
サルコペニア肥満とは、筋肉量の減少と肥満が同時に進行している状態を指します。
見た目は普通体型でも、体内では筋肉が減少し脂肪が多くなっている「隠れ肥満」のケースもあり、外見だけでは気づきにくいのが特徴です。
| 状態 | 特徴 |
| サルコペニア | 加齢などで筋肉量・筋力・身体機能が低下した状態 |
| サルコペニア肥満 | 筋肉量の減少と体脂肪の増加が併存している状態 |
サルコペニア単独や肥満単独よりも健康への影響が大きいとされており、早期に状態を把握することが重要です。
サルコペニア肥満が引き起こすリスク
サルコペニア肥満は、生活習慣病と転倒・骨折の両方のリスクを高めるとされています。
筋肉量の減少により基礎代謝が低下し、体脂肪がさらに蓄積しやすい悪循環が起こります。
その結果、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクが、通常の肥満やサルコペニア単体の場合よりも高まると考えられています。
さらに、筋力やバランス能力の低下により転倒や骨折のリスクが増大し、将来的に寝たきりや要介護状態を招く恐れもあります。
サルコペニア肥満の主な原因
サルコペニア肥満は、加齢・運動不足・不適切な栄養摂取などが重なり合うことで引き起こされる可能性があります。
ここでは、サルコペニア肥満を招く代表的な3つの原因について解説します。
以下でそれぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
加齢や運動不足による筋肉量の減少
サルコペニア肥満の根本的な原因は、加齢や運動不足による筋肉量の減少です。
加齢に伴い筋タンパク質の合成能力が低下することに加え、運動不足で筋肉を使わない状態が続くと、筋繊維が萎縮し筋力も低下していきます。
また、肥満により筋肉内に「異所性脂肪(本来脂肪が蓄積されない場所に溜まる脂肪)」が蓄積すると、慢性的な炎症が引き起こされ、筋肉の減少がさらに進むといわれています。
活動量低下による身体機能の低下
身体機能の低下は、活動量が減ることで進行しやすくなります。
体重が増えると関節への負担が大きくなり、膝や腰の痛み、身体の動かしにくさを感じやすくなります。
その結果、外出や家事などの日常的な活動量が減少し、さらに筋肉が萎縮するという悪循環に陥りやすいのが特徴です。
「動かない→筋肉が減る→動きにくくなる」のサイクルを断ち切ることが大切です。
偏った食事によるタンパク質不足
偏った食事によるタンパク質不足も、サルコペニア肥満を引き起こす大きな原因の一つです。
筋肉の材料となるタンパク質の摂取量が不足すると、筋肉の合成が妨げられてしまいます。
特に高齢になるほど食が細くなり、知らぬ間にタンパク質不足に陥っているケースも少なくありません。
また、食事制限のみに頼った過度なダイエットは、脂肪を十分に燃焼させずに筋肉だけを減らしてしまうリスクがあるため注意が必要です。
サルコペニア肥満の診断基準
サルコペニア肥満には、「肥満」と「サルコペニア」それぞれの基準を組み合わせて評価する方法が用いられます。
本章では、評価で用いられる代表的な2つの指標について解説します。
以下でそれぞれの基準について詳しく見ていきましょう。
①体格指数(BMI)の評価
1つ目の指標は、体格指数(BMI)による肥満度の評価です。
BMIは、体重と身長から計算される肥満度の指標で、「体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」で算出されます。
日本肥満学会の基準では、BMIが25以上の場合に肥満と判定され、サルコペニア肥満の評価対象となります。
※出典:一般社団法人日本肥満学会
ただし、BMIだけでは筋肉量と脂肪量のバランスは把握できないため、骨格筋量・機能の評価とあわせて判断することが重要です。
②骨格筋量・機能の低下レベル
2つ目の指標は、骨格筋量と筋機能の低下レベルです。
骨格筋量については、骨格筋量指数(SMI=四肢の筋肉量を身長の2乗で割った数値)が特定のカットオフ値を下回ることで「筋肉量の減少」と評価されます。
あわせて、握力や歩行速度といった筋機能の指標も評価対象となり、これらの基準を肥満の判定と組み合わせることで、サルコペニア肥満の有無が判断されます。
サルコペニア肥満のセルフチェック方法
サルコペニア肥満を疑う手がかりとして、BMIの自己計算や指輪っかテスト、握力テストのセルフチェックが参考になります。
まずはセルフチェックの方法について詳しく見ていきましょう。
ただし、セルフチェックだけでは、サルコペニア肥満だと断定できないため、疑われる場合は医療機関を受診してください。
体格指数(BMI)の自己計算
肥満傾向にあるかどうか手軽にチェックできる方法として、体格指数(BMI)を自己計算してみましょう。
前述のとおり、体格指数(BMI)の計算式は「体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)」です。
例えば、身長160cm・体重65kgの場合、「65 ÷ 1.6 ÷ 1.6 = 約25.4」となり、肥満の基準に該当します。
あわせて、後述する筋肉量のチェックも行うことで、サルコペニア肥満の傾向があるかどうかの判断材料になります。
指輪っかテスト
指輪っかテストは、筋肉量の減少を簡単にチェックできる方法です。
具体的なチェック方法は、両手の親指と人差し指で輪を作り、利き足ではない方のふくらはぎの最も太い部分を囲むだけです。
この際、指の間に隙間ができる場合は、筋肉量低下の可能性を疑う目安になります。
握力テスト
握力テストは、全身の筋力低下の指標として活用される代表的なチェック方法です。
アジアのサルコペニア基準(AWGS 2019)では、握力計を使用する場合、男性28kg未満、女性18kg未満が筋力低下の目安とされています。
※出典:PubMed「アジアのサルコペニア基準(AWGS 2019)」
握力計が手元にない場合は、「ペットボトルのフタが開けにくい」「片足立ちで靴下が履けない」「雑巾が固く絞れない」といった日常動作からも簡易的に推測することが可能です。
体格指数(BMI)や指輪っかテストで該当するなど、複数のチェックでサルコペニアや肥満が疑われる場合は、早めに医療機関で相談しましょう。
サルコペニア肥満を解消するには?主な治療法・対策
サルコペニア肥満の対策は、筋肉量を維持・増加させながら、体脂肪を減らすことがポイントです。
本章では、サルコペニア肥満の改善で基本となる2つのアプローチについて解説します。
以下で主な対策について確認していきましょう。
食事療法
食事療法の中心は、タンパク質や筋肉合成を助けるロイシン、ビタミンDなどの栄養を積極的に摂取することです。
サルコペニア肥満が気になる方は、筋肉の材料となるタンパク質(肉・魚・卵・大豆製品)を毎食欠かさず摂取しましょう。
また、ロイシンとビタミンDは、タンパク質摂取の効果を引き出すうえで欠かせない栄養素です。
| 栄養素 | 主な食品 |
|---|---|
| ロイシン | ・牛乳、ヨーグルトなどの乳製品 ・鶏むね肉や牛赤身肉などの肉類 ・サンマ、アジなどの魚類 ・納豆、高野豆腐などの大豆製品 など |
| ビタミンD | ・サケ、イワシなどの魚類 ・しめじ、舞茸などのきのこ類 など |
上記とあわせて、主食・主菜・副菜を揃えたバランスのよい食事を意識することも重要です。
過度な食事制限は筋肉の減少を招く恐れがあるため注意しましょう。
運動療法
運動療法では、レジスタンストレーニングと有酸素運動やバランス運動を組み合わせて行うのが効果的です。
レジスタンストレーニングは、筋肉に負荷をかけて筋力・筋肉量の維持や増加を目指す運動で、代表的なメニューは以下のとおりです。
- スクワット:椅子から立ち上がる動作などを通じて、太ももやお尻の大きな筋肉を鍛える
- かかと上げ(カーフレイズ):つま先立ちを繰り返すことで、歩行を安定させるふくらはぎの筋力を強化
- ゴムチューブ体操:専用のゴムを引っ張ることで、関節に負担をかけずに上半身や下半身を強化
また、ウォーキングや水泳などの有酸素運動で全身の血流を促し、疲れにくい身体の土台を作ることが大切です。
サルコペニア肥満を改善するためにも食事と運動に気をつけよう
サルコペニア肥満は、筋肉量の減少と肥満が同時に進行する状態で、生活習慣病や転倒・骨折のリスクを高めるとされています。
外見からは判断しにくく、自覚のないまま進行することもあるため、BMI・指輪っかテスト・握力テストなどで早期に状態を把握することが重要です。
対策の基本は、タンパク質を中心としたバランスのよい食事と、レジスタンストレーニングを中心とした運動習慣の継続です。
サルコペニア肥満に伴う関節の痛みが進行している場合は、「再生医療」による治療を検討しましょう。
再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。
当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。
監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
関連する症例紹介
-

“リペア幹細胞” 痛み10段階中6が3に!人工関節を回避して前進!右変形性股関節症 50代 女性
-

“リペア幹細胞” 痛み10段階中8が2に!フルマラソン復帰も夢じゃない!両変形性股関節症 70代 女性
-

“リペア幹細胞” 歩行スピードが周囲も驚く改善!7年間の脊髄損傷後遺症に光!胸髄腫瘍摘出後の脊髄損傷 50代 女性
-

“リペア幹細胞” 痛み10段階中7〜8が3に!手術なしで半月板を温存!右変形性膝関節症・右半月板損傷 60代 女性
-

“リペア幹細胞” 痛み10段階中8が2に!人工関節を回避して歩ける喜び!右変形性股関節症 60代 女性
-

“リペア幹細胞” 長距離歩行の不安が軽減!人工関節回避へ前進!両変形性股関節症(臼蓋形成不全)50代 女性

















