変形性股関節症を発症し、やむなく介護職を辞めないための治療法と予防について
公開日: 2019.11.29更新日: 2024.11.19
目次
変形性股関節症を発症し、やむなく介護職を辞めないための治療法と予防について
介護職は、体を使う仕事のため関節などに負荷がかかりすぎることが原因で体のどこかに痛みを抱えている人が多いです。たとえば、変形性股関節症は股の痛みを伴います。
股関節に痛みがあると介護の仕事に支障をきたすこともありますし、重症化すれば働けなくなり、仕事を辞めてしまうことにもなりかねません。今回は、介護職に就かれている方が発症することもある「変形性股関節症」について、その原因や治療法を紹介し予防に努めて頂きたいと考えます。
変形性股関節症とは?
股関節は、わたしたちの体の中で最大の関節で、体を支えるだけでなく、体を動かすことにも重要な役割を果たしています。その股関節に痛みが出てくる変形性股関節の原因や症状を紹介します。
変形性股関節症の原因
日本人の変形性股関節症の原因は、股関節の形成不全が多数を占めています。これは乳幼児の時の股関節の脱臼の後遺症や、生まれつきの形成不全です。股関節の脱臼や大腿骨頚部骨折といったケガ、関節リウマチも変形性股関節症のリスクを高めます。
また、加齢による軟骨のすり減りによって発症することもあります。
介護職に変形性股関節症が起こる理由
変形性股関節症のリスクは介護の仕事にも多く潜んでいます。日常的に長時間立ちっぱなしで仕事をしたり、しゃがんだり、中腰での作業が多かったり、何より利用者の体を移動したり、支えたりする仕事は、思った以上に股関節への負荷が大きくなり軟骨がすり減るリスクが高くなります。
変形性股関節症の症状
初期の症状は立ち上がる時や動き始める時に起こる、足の付け根の痛みです。おしりや太ももに痛みが出ることもあります。進行するとしゃがむことが困難になったり、前かがみができなくなったりと日常生活に支障が出ます。
長時間立っているのがつらくなる場合もあるでしょう。
変形性股関節症の診断
- ・変形性股関節症はレントゲンで進行度合いを確認することができます。
- ・常な股関節症は骨盤と大腿骨の間に隙間がみられます。
- ・大腿骨の関節部分は丸い形をしており、その上部は骨盤に覆われています。
- ・しかし、股関節に形成不全がみられる方は、骨盤に覆われている面積が狭くなっています。
- ・また変形が進行してくると、骨盤と大腿骨の隙間が狭くなったり、軟骨下骨が硬くなります。
- ・さらに症状が進行すると、関節の周囲にトゲのような骨組織ができたり、骨嚢胞(こつのうほう)とよばれる骨の空洞ができることがあります。
介護職が悩む変形性股関節症の治療
もしも介護職が変形性股関節症になったらどのような治療があるのでしょうか。
薬物療法
痛みがあると仕事だけでなく日常生活にも支障が出てしまいます。そのため痛み止めで疼痛コントロールを行います。
運動療法
股関節は骨盤と大腿骨で構成されるので、その周りの筋肉を鍛えて力をつけることで股関節の変形をとどめることができます。ここでは簡単な筋力トレーニングの方法を紹介します。
股関節周りの筋肉は、足を動かすことでトレーニングすることができます。立った状態で行う場合は、足を前に出す、横に開いていく、後ろに上げる、この3つを試してみましょう。足を前に出すときは、膝を曲げて行ってもよいですが、膝を伸ばして行うとより強い負荷で運動できます。
これら3つの運動を、痛みの出ない範囲でゆっくりと行います。トレーニングをする際は、バランスを崩して転倒したり、足を動かした際に上半身が前後左右に動かないよう、手すりなどにつかまりながら行うようにしましょう。
手術
痛み止めや運動療法で疼痛コントロールが難しいほど進行した場合、手術という選択肢があります。初期の段階では骨の一部を切って骨同士がぶつからないようにします。
変形が進んでいる場合は人工股関節置換術という方法もあります。
朗報!変形性股関節症も再生医療なら辞めないで働き続けられる
痛みを我慢しながら介護職を続けるのは大変なことです。手術となると入院のため仕事を休まなければなりません。また手術の後どれくらいで復帰できるかも気になるでしょう。
介護の職場では人手不足のところが多く、休暇を取りにくい人もいるかもしれません。そこでご紹介したいのが、再生医療という方法です。再生医療では、患者さん自身の脂肪から採取した幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨を修復するという治療法を行います。
自身の血液から採取した多血小板血漿を股関節に注射し、傷ついた組織を修復させる方法もあります。手術の場合、長期休暇が必要になり、介護職の人には負担でした。
しかし再生医療は入院のために仕事を休む必要はなく、自身の細胞や血液を使うので副作用の心配もありません。新たな治療の選択肢として可能性が広がっているのです。
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まとめ・変形性股関節症を発症し、やむなく介護職を辞めないための治療法と予防について
体を使うことの多い介護職が変形性股関節症になると、仕事自体がリスクになりますし、働けなくなって、辞めるという選択肢を取られる方もいらっしゃいます。何より、日常生活そのものにも支障をきたすこともあります。
そして近年、変形性股関節症の新たな治療として再生医療が注目されていることをお伝えしました。痛みが強くて、つらいけれど手術するほど休みがとれない、手術は避けたい、少しでも安心な治療法で根本的な治療を望みたいというのであれば、再生医療を検討してみる価値があるでしょう。
監修:リペアセルクリニック大阪院
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