膝の痛み!介護職の職業柄多い変形性膝関節症とは
公開日: 2019.11.27更新日: 2025.02.03
介護職はやりがいのある仕事な一方で、体を使う仕事が多いためさまざまな部分に痛みが出る可能性があります。
たとえば、膝の痛みである変形性膝関節症に悩む人も多いのではないでしょうか。
今回は膝の痛みを引き起こす変形性膝関節症に介護職が多い理由や治療法について詳しく解説します。
この記事を読むとわかること |
目次
介護職に多い変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症とは、膝の軟骨がすり減ることで起こる痛みを伴う疾患で、長時間の立ち仕事や中腰姿勢が多い介護職では発症リスクが高いことが知られています。
膝関節は大腿骨と腓骨、膝蓋骨でできており、軟骨がクッションの役割を果たしています。軟骨が膝の負荷の軽減や関節の滑らかな動きに役立っているのです。
しかし加齢や肥満、過度の負荷によって軟骨がすり減ると膝への負荷が大きくなり痛みが生じます。軟骨がすり減るために骨同士がぶつかるようになり、膝関節の変形につながります。
なぜ介護職に変形性膝関節症が多いのか?
介護職に変形性膝関節症が多い理由は、利用者の介助時に必要な中腰姿勢や膝の曲げ伸ばしによる関節への負担にあります。
日常的な介助動作で膝に負担がかかり続けることで、膝の軟骨が徐々に摩耗し、変形性膝関節症を引き起こすリスクが高まる傾向にあります。
この症状は日頃の膝の使い方によって少しずつ進行していくため、予防や対策が重要です。
介護職は膝関節に負担がかかる職業
介護職は利用者の体を抱えたり、中腰の姿勢になったりと膝への負担の大きい仕事をしています。
とくに下記の動作は膝に負担がかかりやすいため、注意が必要です。
介護職で膝に負担がかかりやすい動作
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介護職は仕事中に膝の曲げ伸ばしをする機会が多く、膝関節への過度な負荷から若くても変形性膝関節症になるリスクがあります。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症とは日々の動作で膝関節の軟骨がすり減り、膝に痛みが現れる病気です。
主な症状は下記を下記の通りです。
変形性膝関節症の主な症状
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膝の痛みにお悩みの方は、自分がどの段階なのか確認してみましょう。
初期の段階では、歩き始めや立ち上がるときなど動き初めに痛みが生じます。痛みが軽い場合もあり、膝を動かさなければ痛みがないので症状を見逃してしまいがちです。
進行していくと階段の上り下りで痛みが出たり、膝が腫れたり水が溜まったりします。さらに症状が進むと安静にしていても痛みが出てきてしまいます。
日常生活が難しくなるほど悪化する前に、早めに医療機関を受診しましょう。
介護職が悩む変形膝関節症の治療法とは
膝に痛みを抱えながら介護の仕事を続けることは、大きな負担となります。そこで、変形性膝関節症の治療法について紹介します。
薬物療法
症状が軽度~中等程度であれば、痛み止めや湿布薬など薬を使って炎症を和らげます。
急な腫れには湿布の利用も効果的です。
注射
注射は変形性膝関節症の初期から治療が可能で、症状によって2種類を使い分けます。具体的な注射の種類は以下の通りです。
変形性膝関節症の治療として使用される注射
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どちらも膝関節に注射して炎症を抑える働きがあります。
サポーター
サポーターは、膝周辺の筋肉や靭帯を支えて動きを制限することで、膝の痛みを和らげる効果が期待できます。変形性膝関節症の症状がある場合は、日常生活や仕事で膝にかかる負担を減らし、症状の悪化を防ぐのに有効です。
サポーターは症状が軽度の方から使用できますが、着用しても膝の痛みが強い場合は医療機関の受診を検討してみましょう。
手術
変形性膝関節症が進行し、薬物療法やサポーターで改善が見られない場合は、手術による治療が考えられます。
手術内容としては、変形した骨や軟骨の一部を取り除く骨切り術や、人工関節を膝に埋め込む人工膝関節置換術などが代表的です。
膝が痛む際の対処法
介護職の方が変形性膝関節症によって膝が痛む場合は、痛みが収まるまで安静にして膝を冷やしましょう。
具体的には、痛くない範囲で膝を動かします。また、冷やす際には氷や保冷剤を入れたビニール袋をタオルに包んで1日3回、15分程度膝に当てましょう。
少しずつ炎症が和らぎ、腫れや痛みが落ち着いてきます。
変形性膝関節症の治療に再生医療という選択もある【休養がとれない介護職の方必見!】
近年、変形性膝関節症の治療で薬物療法や注射で効果が実感できず、手術をためらう方への新しい選択肢として再生医療が注目されています。 再生医療のメリットは以下の通りです。
再生医療のメリット
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変形性膝関節症に行われる再生医療には2種類あります。
1つ目は自身の脂肪から採取した幹細胞を膝関節に注入する方法です。幹細胞が傷ついた軟骨を修復して痛みや炎症を抑える効果があります。
2つ目は自身の血液からとれる多血小板血漿を膝関節に注射します。血小板は止血作用があることで知られていますが、血小板が放出する成長因子が膝関節の傷ついた組織を修復し痛みを軽減させます。
手術以外の選択肢を探している方は、膝の痛みを根本から解決できる再生医療を検討してみてください。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
介護職に多い変形性膝関節症のまとめ
介護職の方が悩む膝の痛みの原因として多いのが、変形性膝関節症です。
軽度の症状であれば痛み止めの内服や湿布薬で対処できます。しかし、症状が進行すると強い痛みが生じて、介護の仕事が困難になります。
そんな変形性膝関節症の治療法として、再生医療が注目されています。薬やサポーターなどでの対処が難しく、膝の痛みに悩んでいる方には、再生医療による治療も選択肢の1つです。
再生医療は、一般的な病院やクリニックで受けることはできません。当院は厚生労働省から認可を受けた再生医療専門院です。
治療についての疑問や気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設