アスリートは風邪を引きやすい!その原因と対処法も紹介
公開日: 2019.11.04更新日: 2025.06.02
日々のトレーニングに全力で取り組むアスリートにとって、体調管理も結果を出すために必要な要素です。
しかし、「気をつけているつもりでも風邪を引きやすい」「試合前に体調を崩してしまった」といった経験がある方も多いのではないでしょうか。
実は激しい運動を日常的に行うことで、一時的に免疫力が低下しやすくなるだけでなく、精神的なプレッシャーや遠征による環境変化も免疫機能に負担をかける要因になります。
この記事では、アスリートが風邪を引きやすい理由とそのメカニズムを解説するとともに、免疫力を高めるための具体的な対策をわかりやすくご紹介します。
風邪を予防し、練習や試合に万全のコンディションで臨むために、ぜひ参考にしてください。
目次
アスリートが風邪を引きやすい原因|免疫機能の低下に注意
アスリートが風邪を引きやすい理由として、以下のような要因による一時的な免疫機能の低下が関係しています。
- 激しい運動による免疫力低下
- 精神的ストレス
- 睡眠不足や栄養不足
- 遠征・合宿などによる環境変化
高強度のトレーニング後はオープンウインドウと呼ばれる免疫が一時的に低下する状態になりやすく、風邪やインフルエンザなどウイルス感染のリスクが高まります。
また、競技に対するプレッシャーや成績への不安といったメンタルストレスも、ストレスホルモン(コルチゾール)の慢性的な分泌を引き起こし、免疫機能を抑制する原因となる可能性も。
※参照:J-Stage
移動や宿泊による時差や気候の変化や飛行機や公共交通機関での人との接触も身体にとってストレスとなり、体調を崩すリスクを高めます。
このように、アスリートは日々の活動の中で免疫機能が低下しやすく、風邪を引きやすいリスクがあります。
風邪をひかないようにするためにはトレーニングだけでなく、心身のコンディション管理や感染予防を徹底することが大切です。
アスリートが風邪にかからないための予防策|免疫力を高めることが大切
アスリートが風邪にかからないための予防策は、以下の通りです。
ぜひ参考にして、風邪に負けない身体づくりと安定したパフォーマンス維持につなげましょう。
食品・食事に気を遣う
風邪を防ぎ、体調を安定させるためには、日々の食事から免疫を支える栄養素を摂ることが欠かせません。
以下は、免疫力維持に役立つ栄養素と栄養素を豊富に含む代表的な食材となります。
栄養素 | 食材の例 |
---|---|
ビタミンC | 赤パプリカ、ブロッコリー、キウイ、みかんなど |
ビタミンD | 鮭、サバ、しいたけ、卵黄など |
亜鉛 | 牡蠣、豚レバー、牛肉、カシューナッツなど |
たんぱく質 | 鶏むね肉、豆腐、納豆、ヨーグルト、卵など |
発酵食品 | 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチなど |
また、寒い時期は体が冷えやすいため、鍋料理やスープなどの温かいメニューで体を内側から温めつつ栄養を効率よく補うのも効果的です。
感染予防を徹底する
風邪やインフルエンザの感染を防ぐためには、以下のように日常的な感染対策を徹底することが重要です。
- 外出後の手洗い・うがい
- 外出時のマスク着用
- ドアノブや手すりなどの接触部位の消毒
また、アルコール消毒液を携帯し、こまめに手指の衛生を保つことも効果的です。
集団で活動するアスリートにとっては、自身の体調管理がチーム全体への影響にもつながるので意識して感染予防を行いましょう。
リカバリーを行う
風邪を防ぐために、運動後のリカバリーを意識的に行いましょう。
- 栄養補給(プロテイン・バナナなど)
- 休息と睡眠
- ストレッチや入浴
トレーニングや試合の後は、体力とともに免疫機能も一時的に低下しやすくなります。
負荷の大きいトレーニングをする際は、栄養や睡眠をしっかり確保し、体を回復させることも意識しましょう。
免疫低下に備える
寒暖差が大きい時期や遠征続きで疲労が蓄積しているときは、免疫機能の低下が起こりやすくなります。
「体がだるい」「寝ても疲れが取れない」と感じたら、トレーニングの強度を落とし、睡眠時間を確保するなど早めの対策をとりましょう。
あわせて、青魚・野菜・発酵食品などの炎症を抑える食材や、抗酸化作用のある栄養素を積極的に取り入れ、こまめな水分補給で血流を促進することも有効です。
【まとめ】アスリートは風邪を引きやすい!免疫力を高めて万全なコンディションで練習・試合に臨もう
免疫力が低下すると、風邪や感染症などの病気にかかりやすくなります。
特に日々ハードなトレーニングを積んでいるアスリートは、一般の人よりも免疫力が一時的に落ちやすい状態にあるといわれています。
だからこそ日常生活の中で以下のような体調管理を徹底し、免疫力を維持することが大切です。
- 食品・食事に気を遣う
- 感染予防を徹底する
- リカバリーを行う
- 免疫低下に備える
こうした日々の対策に加え、内側から免疫機能を高める選択肢のひとつとして「免疫細胞療法」もあります。
体に備わった免疫機能を強化することを目的としており、副作用の心配がほとんどないのも特徴です。
風邪を繰り返してしまう、疲労が抜けにくい、トレーニング中の体調不良が気になる方は、免疫細胞療法を検討してみるのもひとつ選択肢です。
この治療法については、以下で解説していますので、興味のある方はぜひご覧ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師