高齢者の変形性膝関節症手術を受けるリスクについて解説!治療法の特徴や選び方も紹介

公開日: 2019.05.08
更新日: 2025.08.29

高齢者の変形性膝関節に対する手術は、痛みを軽減し活動的な生活を取り戻す有効な手段です。

しかし、術後には長期的なリハビリが不可欠であり、高齢者ならではの合併症や骨粗鬆症の影響などリスクも考慮する必要があります。

手術は生活の質を大きく向上させる可能性を秘めていますが、医師との十分な相談が大切です。

今回は、高齢者の変形性膝関節症手術の種類とそれぞれの特徴を詳しく解説します。

加えて高齢者特有の手術リスクのほか、手術以外の治療法についてもご紹介。

最適な治療法を選ぶための重要なポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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変形性膝関節症の従来の治療法は、痛みの緩和に効果がありますが、軟骨の減少を防ぐことはできません

また進行した症状には人工関節手術が提案されますが、手術にはリスクやリハビリの時間がかかります。

そのような血栓症や感染症といった手術に伴うリスクを避けるための選択肢として、再生医療(幹細胞治療)が注目されています。

適応症例

脂肪から採取した幹細胞を膝関節内に注入することで、すり減った軟骨を再生し、痛みの軽減や変形の進行防止が期待できます。

>>変形性膝関節症に対する再生医療の症例はこちら

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高齢者の変形性膝関節症手術の種類と特徴について

高齢者の方が変形性膝関節症の手術を受ける際種類は、以下の通りです。

変形性膝関節症の進行具合や、患者様個人の状態によって手術の方法は異なります。

変形性膝関節症の手術のタイミングについては、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関節鏡視下手術

関節鏡視下手術は関節鏡という細いカメラと手術器具を挿入し、モニターで関節内部の状態を確認しながら行う手術です。

関節鏡視下手術の詳細
手術方法

・小さな皮膚切開から関節鏡と手術器具を挿入
・モニターで関節内を確認しながら行う

入院期間 1週間程度
対象 初期~中期の変形性膝関節症の方
メリット ・入院期間が短い
・早期のリハビリが可能
・傷跡が目立ちにくい
デメリット ・症状が進行しすぎていると効果が限定的になる
・関節の状態によっては適応が難しい場合がある

関節鏡視下手術は小さな皮膚切開で済むため、出血量が少なく、比較的早期の回復が期待できます。

主に初期から中期の変形性膝関節症に対して、半月板損傷の修復や骨棘の切除などが行われます。

ただし変形が進行した症例では、効果が限定的となる場合があるので注意しましょう。

入院期間は、手術内容や患者様の状態によって異なりますが、おおむね1週間程度が目安になります。

高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術は、脛骨(すねの骨)の一部を切って角度を矯正し、膝の内側または外側にかかる負担を軽減する手術です。

高位脛骨骨切り術の詳細
手術方法 すねの骨の一部を切って、角度を調整する
入院期間 3~4週間程度
対象 O脚が強く膝の内側に痛みがある若年層から高齢者の方
メリット ・自身の骨を温存できる
・痛みが軽減される
・進行が抑制できる
デメリット ・回復までの期間が長い
・合併症のリスクがある

対象は比較的活動性の高い若年層から高齢の方で、特にO脚が強く、膝の内側に痛みがある場合に選択されます。

高位脛骨骨切り術は自身の骨を温存できるため、術後も活動的な生活の維持が期待できます。

ただし、骨が接合するまで時間がかかるため、リハビリテーションも比較的長期に渡ることがあります。

また関節鏡視下手術と比較して、感染や偽関節といった合併症のリスクがわずかに高まる点に注意が必要です。

人工膝関節置換術

人工膝関節置換術は、変形や損傷した膝関節の表面を、金属やポリエチレン製の人工関節に置き換える手術です。

人工膝関節置換術の詳細
手術方法 傷んだ膝関節の表面を人工材料でできた素材に置き換える
入院期間 2週間~2か月程度
対象 60歳以上で保存療法などで改善が見られない方
メリット ・痛みの軽減が期待できる
・関節可動域が改善される
・歩行能力が向上する
デメリット ・人工関節の脱臼・緩みが生じる可能性がある
・金属アレルギー反応を示す可能性がある

膝の痛みを軽減し、関節の可動域を改善・歩行能力などの日常生活における動作の向上を目指します。

手術は通常数時間で行われ、術後にはリハビリテーションが重要となります。

人工関節の耐用年数は一般的に15〜20年程度ですが、活動状況により異なるので注意しましょう。

合併症のリスクも伴うため、医師との十分な相談が必要となります。

膝の人工関節手術の特徴については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

高齢者の方が変形性膝関節症の手術を受ける際のリスクと注意点

高齢者の方が変形性膝関節症の手術を受ける際は、以下のリスクと注意点を確認しておきましょう。

手術後のリハビリは機能回復に不可欠であり、早期からの積極的な取り組みが重要です。

ここからは高齢者特有の合併症リスクのほか、予防策や早期発見のための注意点を解説していきます。

手術後のリハビリ・入院期間が長期化する可能性がある

高齢者の方の変形性膝関節症手術後は、リハビリや入院が長期化する場合があるので注意が必要です。

手術の種類や患者の状態によってリハビリ期間が異なり、一般的には以下のように数ヶ月を要します。

手術 入院期間の目安 リハビリ期間の目安
関節鏡視下手術 2~3日 数週間~6か月程度
高位脛骨骨切り術 5週間~6週間 2か月~3か月程度
人工膝関節置換術 約1ヶ月 1か月~3か月程度

リハビリは手術直後から開始され、筋力強化や関節可動域の改善、歩行訓練などを段階的に行います。

積極的なリハビリへの取り組みが、スムーズな社会復帰と長期的な良好な経過に繋がるのです。

退院後も、無理のない範囲でリハビリを継続することが重要です。

血栓症・肺塞栓などの合併症リスク

高齢者の変形性膝関節症手術では、血栓症や血栓が肺に移動して呼吸困難などを引き起こす肺塞栓のリスクが高まります。

血栓症とは、固まった血液が血管内を詰まらせてしまう病気です。

病院では血栓症予防のため、手術前から弾性ストッキングの着用や、術後の早期離床・抗凝固薬の使用などが行われます。

患者様自身も水分を十分に摂取し、医師や看護師の指示を守ることが重要です。

少しでも足の痛みや腫れ、胸の痛みや息切れを感じたら、すぐに近くにいる医療スタッフに伝えるようにしましょう。

人工関節の緩みやトラブルの可能性

高齢者の変形性膝関節症手術では骨密度の低下により、人工関節を支える骨との固定が弱まり緩みが生じることがあります。

さらに長年の使用による人工関節の摩耗や破損、感染症などもトラブルの原因となり得ます。

これらのリスクを減らすためには、手術前の精密な検査と適切なインプラントの選択が重要です。

また、術後の定期的な経過観察と、過度な負担を避けた生活習慣も大切になります。

人工関節や骨への異常を感じたら、すぐ医師に相談しましょう。

日常生活の動作に制限がかかる

人工膝関節置換術後は、人工関節を長持ちさせ、破損や脱臼のリスクを避けるため、以下のような一部の動作に制限が設けられます。

膝に強い衝撃を与える運動
  • 走る
  • ジャンプする
  • 高強度のランニングやスポーツなど
接触を伴う激しいスポーツ
  • サッカー
  • バスケットボール
  • ラグビー
深い膝の曲げ動作の制限
  • 正座
  • あぐら
  • 深くしゃがむ姿勢

人工膝関節置換術後は、生活の中で膝に過度な負担をかけないよう注意が必要です。

膝への負担を減らす工夫をすることで、長期的に快適に生活することができます。

変形性膝関節症の手術費用を紹介

変形性膝関節症に対する主な手術には、以下3つがあり、それぞれの費用目安は以下の通りです。

手術の種類 保険適用前の費用(目安) 自己負担額(3割の場合) 自己負担額(1割の場合)
関節鏡視下手術 約250,000円 約75,000円 約25,000円
高位脛骨骨切り術 約1,460,000円 約438,000円 約146,000円
人工関節置換術 約1,860,000円 約558,000円 約186,000円

また手術費用だけでなく、以下のように入院に伴う費用も発生します。

  • 食事代の一部:1食510円
    ※2025年4月改定、所得により異なる
  • 希望した場合の個室料:1日数千円~数万円で全額自己負担

医療費が高額になる場合でも、自己負担額には月ごとの上限が設けられており、「高額療養費制度」を利用することで一定額を超えた医療費が払い戻される仕組みがあります。

ただし、この制度の対象となるのは保険適用の医療費のみで、食事代や差額ベッド代などは対象外であるため、注意が必要です。

高齢者の方が自分に合った治療法を選ぶためのポイント

変形性膝関節症の手術に悩む高齢者の方は、以下のポイントを押さえると、自身に合った治療法を見つける近道となります。

  • 手術のメリット・デメリットの理解 
  • 日常生活への影響と回復見込み
  • 医師との相談で最適な治療法を見極める

手術は痛みからの解放、歩行能力の向上といった期待できるメリットがある一方、合併症などのリスクを伴う点に注意する必要があります。

また、治療法が自身の日常生活にどのような影響を与え、どの程度の回復が見込めるのかを具体的に考えて医師に相談することも重要です。

治療法を選択する際は、医師や理学療法士から詳細な情報を得るようにしましょう。

医師の専門的な知識に基づいたアドバイスを受けることが、納得のいく治療選択への第1歩となります。

また、変形性膝関節症の新たな治療法として注目されている再生医療も選択肢の1つとして検討する価値があります。

再生医療は自身の細胞を活用した治療法で、合併症のリスクなどが比較的低く、従来の治療法とは異なるアプローチが期待されています。

再生医療が自身に適しているかどうか、医師に相談して、検討してみるのもおすすめです。

 変形性膝関節症の手術以外の治療の選択肢について【再生医療も一つの選択肢】

変形性膝関節症の手術以外の治療法は、以下の通りです。

治療方法 詳細
運動療法 膝周りの筋力強化(特に大腿四頭筋)関節の可動域を広げるストレッチで改善を図る
薬物療法 痛みや炎症を抑えるための内服薬や外用薬を使用する
物理療法 温熱療法や電気刺激療法で痛みの軽減や血行促進を図る
再生医療 自身の脂肪組織などから採取した幹細胞を培養し、膝関節内に投与する

運動療法などの保存療法で効果が感じられなかった方におすすめの治療法が、再生医療です。

再生医療とは、自身の細胞や血液成分を活用し、変形した膝関節の組織修復や機能改善を目指す治療法を指します。

当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、患者様自身の細胞の力を引き出し、つらい膝の痛みの緩和と、スムーズな関節機能の回復、そして変形性膝関節症の進行抑制を目指しています。

実際に当院(リペアセルクリニック)の治療を受けた方の、

再生医療の治療法や症例については、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでもご紹介していますので、変形性膝関節症による膝の痛みに悩まされている方はぜひ参考にしてください。

\公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/公式LINE 画像

高齢者の変形性膝関節症においては手術の影響を理解し、自分に最適な治療法を選択することが重要

変形性膝関節症の手術は、痛みの軽減や機能回復のメリットがある一方、高齢者にとっては合併症などのリスクも考慮する必要があります。

リスクを懸念される方は、比較的負担の少ない治療法としてご自身の細胞を活用する再生医療を検討しましょう。

再生医療(幹細胞治療)は、自身の細胞を活用して膝の痛みを軽減し、軟骨の再生を促す治療法です。

当院(リペアセルクリニック)では、患者様の幹細胞の培養・投与を行うことで軟骨の再生、痛みの軽減を目指します。

また手術の必要も無いため、手術によるリスクは怖いけど、慢性的な膝の痛みに悩まされている方や、忙しくて入院する時間が取れないという方は一度ご相談ください。

変形性膝関節症の特徴や再生医療に関する治療法・症例については、当院(リペアセルクリニック)で解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

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監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長