変形性膝関節症のリハビリ期間を手術別に徹底解説!治療内容・入院期間も紹介
公開日: 2019.05.08更新日: 2025.04.30
変形性膝関節症の手術後は、すぐに日常生活へ戻れるわけではなく、数ヶ月にわたってリハビリが必要になることもあり、体への負担や生活への影響が大きくなる可能性があります。
しかし、手術の種類によってリハビリにかかる期間や回復スピードは異なるため、事前にその違いを知っておくことが重要です。
本記事では、変形性膝関節症における3つの代表的な手術ごとに、リハビリ期間と入院期間を比較しながらわかりやすく解説していきます。
変形性膝関節症のリハビリ期間に関する不安や疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
変形性膝関節症のリハビリ期間は手術の種類によって異なる
変形性膝関節症のリハビリに要する期間は、以下手術の種類によって異なります。
手術 |
リハビリ期間 |
約1ヶ月 |
|
・手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 ・膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 |
|
約2ヶ月 |
それぞれの手術の特徴やリハビリ期間について見ていきましょう。
人工関節置換術
人工関節置換術(TKA)は、変形が進行した膝関節の表面をチタンやセラミック製の人工関節に置き換える手術で、術後のリハビリ期間は1か月程度が目安です。
強い痛みや歩行障害など、日常生活に支障をきたす症状がある中等度〜重度の変形性膝関節症の方に適応されます。
関節を人工物に置き換える大掛かりな手術のため、術後は歩行訓練や筋力回復のためのリハビリが必須となります。
人工関節のデメリットについては、以下の動画で解説していますので、ぜひ参考にしてください。
関節鏡視下手術
関節鏡視下手術は膝に2~3か所の小さな切開を加え、内視鏡を挿入して関節内を映像で確認しながら処置を行う手術で、リハビリ期間は以下の通りです。
- 手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間
- 膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月
入院期間は2〜3日程度と比較的短いだけでなく、切開が小さく身体への負担も少ないため、高齢者を含め幅広い年代の方に対応可能です。
高位脛骨骨切り術
高位脛骨骨切り術(HTO)は、膝の変形や痛みを軽減するために、脛骨(すねの骨)を切り、角度を調整する手術です。
リハビリの進行には個人差もありますが、以下のような流れで回復していきます。
- 術後3週目頃:松葉杖をつきながら体重の1/2の負荷をかけて歩行を開始
- 5週目以降:全体重をかけての歩行練習を開始
- 退院後約2カ月程度:杖なしでスムーズに歩けるようになるまで
退院後は、早歩きや車の運転が可能になる方も多く、徐々に日常生活に戻ることを期待することが可能です。
全体重をかけての歩行練習は5週目頃から行われ、杖を使わず歩けるようになるのは退院後約2か月かかります。
骨を安定させるために金属プレートで固定する処置を行いますが、術後2〜3年を目安にプレートを取り除くための再手術が必要になるので注意が必要です。
変形性膝関節症の入院期間は?
変形性膝関節症の入院期間を手術方法ごとに紹介します。
手術 | 入院期間 |
---|---|
人工関節置換術 | 約1ヶ月 |
関節鏡視下手術 | 2~3日 |
高位脛骨骨切り術 | 5週間~6週間 |
入院期間を比較すると、手術時の切開が小さい関節鏡視下手術が最も短く、2~3日で退院できます。
最も入院期間が長い高位脛骨骨切り術は、骨を切るため治癒に時間がかかり、リハビリも含めた入院期間は5~6週間が目安です。
人工関節置換術は手術後のリハビリを含め、約1ヶ月かかります。
ただし、入院期間の長さだけで手術を選ぶのではなく、退院後も継続的なリハビリが必要であることを理解しておきましょう。
とくに高位脛骨骨切り術では、退院後も杖なしで歩けるようになるまで約2ヶ月かかるため、生活環境を整えておくことが重要です。
変形性膝関節症で入院・手術を避ける治療法なら再生医療も選択肢に
変形性膝関節症の治療を検討されている方で、できるだけ入院や手術を避けたいという方は、再生医療も選択肢としてご検討ください。
再生医療は患者さまの細胞を採取・加工して注射する治療法で、入院や手術を必要としません。
また、患者さま自身の細胞を利用するので、副作用のリスクは比較的低いとされます。
脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療では、患者さまから米粒2~3粒ほどの脂肪組織を採取し、培養した幹細胞を患部に注射します。
再生医療について詳しく知りたい方は、以下のページもご覧ください。
膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。
【まとめ】変形性膝関節症のリハビリ期間は手術によって異なる
変形性膝関節症のリハビリ期間や入院期間は、以下のように手術によって異なります。
手術 |
リハビリ期間 |
人工関節置換術 |
約1ヶ月 |
関節鏡視下手術 |
・手術前と同じ生活を送る:約2〜3週間 ・膝に痛みや違和感を感じなくなるまで:約3〜6ヶ月 |
高位脛骨骨切り術 |
約2ヶ月 |
個人差はありますが、変形性膝関節症の手術後、違和感なく日常生活を送れるようになるには2~3ヶ月以上かかるケースが多いです。
いずれの手術も回復に時間がかかるため、症状が軽いうちに早期治療を行うことが重要です。
また、入院や長期リハビリを避けたい方には手術不要の再生医療も選択肢となります。
自身の生活スタイルや症状に合わせて最適な治療法を医師と相談しましょう。
なお、当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症に対して再生医療を提供しております。
再生医療による治療を検討している方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設