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変形性膝関節症の手術後のリハビリ期間|入院期間と手術を避ける再生医療について

変形性膝関節症の手術後は、すぐに日常生活へ戻れるわけではありません。
数カ月にわたってリハビリが必要になることもあり、体への負担や生活への影響が大きくなる可能性があります。
リハビリにかかる期間や回復スピードは、手術の種類によって異なります。
本記事では、変形性膝関節症における3つの代表的な手術のリハビリ期間と入院期間を比較しながらわかりやすく解説します。
変形性膝関節症のリハビリ期間に関する不安や疑問を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
また、変形性膝関節症の根治を目指すなら、手術せずに治療できる再生医療も選択肢の一つです。
再生医療は患者さまの細胞を採取・培養して注射する治療法で、損傷した関節軟骨の再生・修復を促す医療技術です。
「再生医療について詳しく知りたい」という方は、当院リペアセルクリニックにご相談ください。
目次
変形性膝関節症の手術後のリハビリ期間
変形性膝関節症のリハビリに要する期間は、手術の種類によって異なります。
変形性膝関節症の代表的な手術とリハビリ期間は、以下のとおりです。
| 手術 | リハビリ期間 |
|---|---|
| 人工関節置換術 | 約1カ月 |
| 関節鏡視下手術 | 約3〜6カ月 |
| 高位脛骨骨切り術 | 約2カ月 |
それぞれの手術の特徴やリハビリ期間について見ていきましょう。
人工関節置換術のリハビリ期間は約1カ月
人工関節置換術のリハビリ期間は、1カ月程度が目安です。
この手術では、変形が進行した膝関節の表面をチタンやセラミック製の人工関節に置き換えます。強い痛みや歩行障害など、日常生活に支障をきたす症状がある中等度〜重度の変形性膝関節症の方に適応されます。
関節を人工物に置き換える手術のため、術後は歩行訓練や筋力回復のためのリハビリが必須です。
術後のリハビリテーション内容
人工関節置換術の術後のリハビリテーションの内容は以下のとおりです。
- ベッドサイドでの膝の曲げ伸ばし
- 歩行器を使用して歩行訓練
- 筋力増強と可動域訓練
- 階段の昇降など日常生活動作
リハビリ計画は状態によって個人差があるため、担当の理学療法士の指導のもとで行う必要があります。
人工関節置換術のリスクについての詳細は、以下の記事をご覧ください。
関節鏡視下手術のリハビリ期間は約3〜6カ月
関節鏡視下手術のリハビリ期間は、膝に痛みや違和感を感じなくなるまで約3〜6カ月が目安です。
関節鏡視下手術は膝に2〜3か所の小さな切開を加え、内視鏡を挿入して関節内を映像で確認しながら処置します。
比較的軽度から中等度の変形性膝関節症に適応される手術です。関節内の半月板や軟骨の破片、増殖した滑膜を除去することで、痛みや炎症を軽減します。
切開が小さく身体への負担も少ないため、高齢者を含め幅広い年代の方に適応されます。
術後のリハビリテーション内容
関節鏡視下手術後のリハビリテーションの内容は、以下のとおりです。
- 痛みが出ない程度で他動運動による関節可動域の維持
- 患部以外の筋力トレーニング
- 少しずつ可動域を拡大
- 日常生活動作
術後すぐは炎症や痛みの管理を行い、自分の力を使わずに施術者が関節や筋肉を動かす他動運動を行い、他部位の筋力トレーニングをしながら患部は安静にします。
術後から中期にかけては、自分の筋力をできるだけ使わないトレーニングを行い、徐々に負荷をかけていくことが重要です。
高位脛骨骨切り術のリハビリ期間は約2カ月
高位脛骨骨切り術は、杖を使わず歩けるようになるまで退院後約2カ月かかります。
高位脛骨骨切り術(HTO)は、膝の変形や痛みを軽減するために、脛骨(すねの骨)を切り、角度を調整する手術です。
高位脛骨骨切り術は、比較的若く活動性が高い方で、膝関節の内側のみに変形があり、O脚変形が見られる場合に適応されます。
術後のリハビリテーション内容
高位脛骨骨切り術の術後のリハビリテーションの内容は以下のとおりです。
- ベッドサイドでの膝の曲げ伸ばし
- 松葉杖を使用して歩行訓練
- 機械による関節可動域の拡大
- 筋力強化トレーニング
高位脛骨骨切り術のリハビリは、早い段階での関節可動域の訓練と筋力強化トレーニングを行うことが特徴です。
ただし、他のリハビリと同様、患部に負荷がかかるトレーニングは控え、理学療法士の指示のもと、リハビリを行いましょう。
変形性膝関節症の手術後の入院期間【治療法別】
変形性膝関節症の入院期間を手術方法ごとに紹介します。
| 手術 | 入院期間 |
|---|---|
| 人工関節置換術 | 2〜4週間 |
| 関節鏡視下手術 | 2〜3日 |
| 高位脛骨骨切り術 | 3〜4週間 |
入院期間を比較すると、手術時の切開が小さい関節鏡視下手術が最も短く、2〜3日で退院できます。
比較的に入院期間が長い高位脛骨骨切り術は、骨を切るため治癒に時間がかかり、入院期間は3〜4週間が目安です。
人工関節置換術の入院期間は、約2〜4週間かかります。
ただし、入院期間の長さだけで手術を選ぶのではなく、退院後も継続的なリハビリが必要であることを理解しておきましょう。
とくに高位脛骨骨切り術では、退院後も杖なしで歩けるようになるまで約2カ月かかるため、生活環境を整えておくことが重要です。
変形性膝関節症の手術せずに治療する再生医療とは
変形性膝関節症を根本的に治すには手術療法が一般的でしたが、近年では手術せずに根治を目指せる再生医療という選択肢があります。
再生医療は患者さまの細胞を採取・培養して注射する治療法で、損傷した関節軟骨の再生・修復を促す医療技術です。
患者さま自身の細胞を利用するため、拒絶反応やアレルギー反応といったリスクが低い点も特徴です。
以下のページでは、当院リペアセルクリニックの再生医療で変形性膝関節症を治療した症例を紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
>変形性膝関節症に対する再生医療の症例はこちら
変形性膝関節症のリハビリ期間に関するよくある質問
変形性膝関節症のリハビリ期間について、よくある質問を紹介します。
- 変形性膝関節症の手術後の生活における注意点は?
- 膝の手術後にリハビリをしないとどうなる?
- 変形性膝関節症の手術後に仕事復帰できるのはいつ?
手術後の日常生活における注意点やリハビリに関する質問などがありますので、参考にしてください。
変形性膝関節症の手術後の生活における注意点は?
変形性膝関節症の手術後は、膝に過度な負担をかけないよう、激しい運動を行わずにリハビリを継続することが重要です。
日常生活での主な注意点は、以下のとおりです。
- 正座や低い椅子の使用を避ける
- トイレは和式ではなく洋式を使用する
- 小さな傷など感染症の予防
- 肥満予防など体重の管理
- 痛みのない範囲内でのリハビリの継続
正座や低い椅子の使用や、和式トイレなどは膝への負担が大きいため、避ける必要があります。
また、感染症の予防や体重管理にも注意し、理学療法士の指導のもと、リハビリを継続しましょう。
膝の手術後にリハビリをしないとどうなる?
膝の手術後にリハビリをしない場合、筋力が低下し、関節の可動域が硬くなることで日常生活に支障をきたす可能性があります。
手術後は理学療法士の指導のもと、膝への負担が少ない筋力トレーニングや関節の可動域を回復させるリハビリが必要です。
リハビリをしない場合は、回復する機会を失い、回復が遅れた場合はリハビリの効果もなくなってしまうため注意しましょう。
変形性膝関節症の手術後に仕事復帰できるのはいつ?
変形性膝関節症の手術後は、安静にしておく必要がありますが、デスクワークなど膝への負担が少ない仕事は比較的早い段階で復帰できることもあります。
立ち仕事や力仕事は膝への負担が大きいため、復帰するには医師の判断が必要です。
復帰時期については、手術後の膝の状態など個人差があるため、必ず医療機関に相談して決めましょう。
変形性膝関節症の手術後のリハビリ期間は約1〜6カ月が目安
変形性膝関節症のリハビリ期間は、以下のように手術によって異なります。
| 手術 | リハビリ期間 |
|---|---|
| 人工関節置換術 | 約1カ月 |
| 関節鏡視下手術 | 約3〜6カ月 |
| 高位脛骨骨切り術 | 約2カ月 |
個人差はありますが、変形性膝関節症の手術後、違和感なく日常生活を送れるようになるには2〜3カ月以上かかるケースが多いです。
いずれの手術も回復に時間がかかるため、症状が軽いうちに早期治療を行うことが重要です。
また、入院や長期間のリハビリを避けたい方は、手術せずに根治を目指せる再生医療も選択肢となります。
当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症に対して再生医療を提供しております。
変形性膝関節症の治療法でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設



















