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肩の痛み、我慢していませんか? 朝、髪を梳かす、洋服を着替えるといった何気ない動作でさえ、激痛が走る。夜も痛みのあまり眠れない…。 日本では、四十肩・五十肩を含む肩関節周囲炎だけで推定700万人が悩まされているというデータも。 さらに、腱板損傷や神経の圧迫など、肩の痛みの原因は多岐に渡ります。 この記事では、肩の痛みの代表的な4つの原因と、それぞれの症状、さらに保存療法・手術療法・在宅ケアといった様々な治療法のメリット・デメリットを詳しく解説します。 肩の痛みを根本から理解し、適切な対処法を見つけるための、決定版と言えるでしょう。 肩の痛みの原因4選とそれぞれの症状 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。 朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 肩の痛みは、その原因によって症状や痛みの種類も様々です。 今回は、肩の痛みの代表的な原因を4つご紹介し、それぞれの症状について、より詳しく、そして具体的に解説していきます。 五十肩/四十肩(肩関節周囲炎) 五十肩/四十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、肩関節を包む組織に炎症が起こることで、痛みや動かしにくさが現れる病気です。 40~60歳代に多く発症し、特に女性に多い傾向があります。 まるで肩関節が錆びついたように、スムーズに動かなくなるのが特徴です。 原因ははっきりとは解明されていませんが、加齢による肩関節の老化現象や、糖尿病などの基礎疾患が影響していると考えられています。 五十肩/四十肩は、炎症期、拘縮期、回復期の3つの時期に分けられます。 最初の炎症期には、肩に鋭い痛みが走り、夜も眠れないほどの激痛に襲われることがあります。 まるで肩の中に棘が刺さっているような感覚で、少し動かしただけでもズキズキと痛みます。安静時にも痛みがあり、特に夜間は痛みが強くなる傾向があります。 次の拘縮期には、痛みはやや落ち着いてきますが、肩関節が硬くなり、腕を上げにくくなります。 例えば、洗濯物を干す、背中に手を回すといった動作が困難になります。 最後の回復期には、徐々に痛みと動かしにくさが改善していきます。日 常生活動作も少しずつ楽になり、再び活動的に過ごせるようになります。 多くの場合、1年から4年程度で自然に治癒していきますが、中には回復に時間がかかるケースもあります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 腱板損傷 腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋という4つの筋肉の腱の集合体です。 この腱板が切れたり、傷ついたりした状態が腱板損傷です。スポーツや転倒など、急激な外力で起こります。 加齢変化の場合は、日常生活動作で徐々に損傷が進行していくこともあります。 腱板損傷の症状は、肩の痛み、腕を上げにくい、力が入らないなど、五十肩/四十肩と似ています。 そのため、鑑別が難しいケースもあります。大きな違いは、腱板が損傷しているため、損傷した腱に対応する筋肉の筋力低下が起こることです。 例えば棘上筋が損傷すると、腕を外側に持ち上げる力が弱くなります。 また、寝ていて痛みが出ることもあります。痛みは、断裂した腱の種類や損傷の程度によって異なり、全く症状がない場合もあります。 頸椎椎間板ヘルニア 頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にあるクッションの役割をする椎間板が飛び出し、神経を圧迫することで、肩や腕に痛みやしびれが生じる病気です。 単に肩の痛みだけでなく、首の痛み、腕のしびれ、手の動かしにくさなど、様々な症状が現れることがあります。 首の神経は、肩や腕、手につながっているため、神経が圧迫されると、その支配領域に沿って症状が現れます。 これは、まるで電気が流れるように、首から肩、腕、手へと痛みが広がっていくような感覚です。 加齢や姿勢の悪さ、外傷などが原因で発症し、肩の痛みのみを訴える場合もあり、見過ごされることもあります。他の肩関節疾患との鑑別が重要となります。 医学論文においても、頚椎根症は頸椎から出ている神経根の炎症や圧迫によって引き起こされ、患部の神経根が支配する領域に運動障害や感覚障害を伴う痛みを生じることが報告されています(Corey DL and Comeau D. Cervical radiculopathy. 2014)。 胸郭出口症候群 胸郭出口症候群は、首から腕、手へと伸びる神経や血管が、胸郭出口と呼ばれる狭い部分で圧迫されることで、肩や腕、手に痛みやしびれ、冷感などが現れる病気です。 なで肩の女性に多くみられます。 鎖骨や肋骨の異常、筋肉の緊張、姿勢の悪さなど、様々な原因が考えられます。 症状は多様で、他の病気と間違えやすいのが特徴です。 肩や腕の痛み、しびれ、だるさ、冷感など、様々な症状が現れ、重症になると手の握力が弱まったり、細かい作業がしにくくなったりすることもあります。 神経や血管の圧迫される部位や程度によって症状が変化するため、診断が難しい場合もあります。 肩の痛みの治療法3選とそれぞれのメリット・デメリット 肩の痛み。それは、日常生活の些細な動作さえも困難にする、悩ましい症状です。 朝、髪を梳かす時、洋服を着替える時、高い所の物を取ろうとする時など、痛みが走るたびに憂鬱な気分になりますよね。 痛みの原因、症状の重さ、そして患者さん自身のライフスタイルや価値観に合わせた最適な治療法を選択することが重要です。 ここでは、肩の痛みに対す る主な治療法を3つご紹介します。これらの情報を参考に、ご自身の状況に合った治療法を見つけるための一助としてください。 保存療法(薬物療法、リハビリテーションなど) 身体への負担が少ないため、多くの場合、最初の治療として選択されます。 保存療法には、薬物療法とリハビリテーションがあります。 薬物療法 例えば、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は、炎症や痛みを引き起こす物質の生成を抑えることで効果を発揮します。 SAIDsは、内服薬だけでなく、湿布薬や塗り薬などの外用薬もあります。 痛みが強い場合には、ステロイド注射を行うこともあります。 ステロイドは強力な抗炎症作用を持つ薬であり、炎症を起こしている関節に直接注射することで、速やかに痛みを軽減できます。 リハビリテーション 具体的には、ストレッチ、筋力トレーニング、温熱療法などがあります。 保存療法のメリットは、侵襲的な治療ではないため、日常生活への影響も最小限に抑えられます。 しかし、効果が現れるまでに時間がかかる場合や、重度の症状に対しては効果が不十分な場合もあります。 特に、腱板断裂などの構造的な異常がある場合には、保存療法だけでは十分な効果が得られない可能性があります。 ただ、経験上、肩腱板損傷の手術の成績はあまりよくありません。 日常生活ができるなら、整形外科医として、手術はあまりお勧めしていません、 しかし、昨今、再生医療という新しい治療法が出てきました。幹細胞による肩腱板損傷の再生です。 ただ注意点として、元気な幹細胞でないと、うまく治療はできません。医療機関によって幹細胞の培養方法は全く違うのです。 リペアセルクリニックに幹細胞は、国内唯一の分化誘導と、冷凍しないで培養する方法で多くの患者様を元気にしてきました。詳しくはこちらへ 手術療法(関節鏡手術など) 近年では、関節鏡手術という低侵襲な手術が広く行われています。 関節鏡手術は、小さな切開部からカメラと特殊な器具を挿入し、関節内部の状態を直接確認しながら行う手術です。 従来の手術に比べて傷口が小さくても可能です。 手術療法のメリットは、保存療法では改善が見られない症状に対しても効果が期待できることです。 特に、腱板断裂のように構造的な異常が原因となっている場合には、手術によって根本的な原因を取り除くことができます。 しかし、手術にはどうしても身体への負担や費用、感染症などの合併症のリスクが伴います。 よく見られる合併症は、拘縮です。あとは痛みが改善しないこともあります。 手術療法を選択する際には、医師とよく相談し、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断することが重要です。 文献においても、肩の痛みの治療は多くの場合、疼痛コントロールと運動療法に基づいており、手術は限定的に行われるとされています。 在宅ケア(ストレッチ、温罨法など) 在宅ケアとは、痛みが軽度の場合や、手術後のリハビリテーションとして行われます。 代表的な方法として、ストレッチや温罨法などがあります。 ストレッチは、肩関節の柔軟性を高め、筋肉の緊張を和らげる効果があります。 温罨法は、患部を温めることで血行を促進し、痛みを和らげる効果があります 。温罨法には、蒸しタオルや温湿布、入浴などが有効です。 在宅ケアのメリットは、手軽に行えることと、費用がかからないことです。 自宅でできるため、通院の負担もありません。しかし、効果は限定的であり、症状によっては悪化させる可能性もあります。 肩の痛みを予防するための生活習慣改善3選 適度な運動 運動不足は、肩周りの筋肉を弱らせ、関節の柔軟性を低下させ、症状を強くします。 例えば、デスクワーク中心の生活を送っていると、肩甲骨周囲の筋肉が硬くなり、血行不良に陥りやすくなります。 このような状態が続くと、肩関節の動きが悪くなり、痛みが発生しやすくなるのです。 適度な運動は、肩周りの筋肉を強化し、柔軟性を高めることで、肩への負担を軽減し、痛みを予防する効果が期待できます。 具体的には、ウォーキングやジョギング、水泳、ヨガ、ピラティスなどの運動が効果的です。 正しい姿勢 猫背や前かがみの姿勢は、肩甲骨の位置を変化させ、肩関節への負担を増大させます。 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用は、無意識のうちに猫背になりやすく負担がかかります。 正しい姿勢を保つことは、肩への負担を軽減し、痛みを予防する上で非常に重要です。 具体的には、立っているときは背筋を伸ばし、あごを引いて、お腹に力を入れるように意識しましょう。 座っているときは、深く椅子に座り、背もたれに寄りかかるようにしましょう。 また、パソコン作業時には、画面を目の高さに合わせ、キーボードとマウスは体に近い位置に置くように心がけてください。 バランスの取れた食事 栄養バランスの取れた食事は、健康な体を維持するために不可欠です。 肩の痛みにおいても、栄養状態は重要な役割を果たします。 例えば、タンパク質は筋肉の構成成分であり、肩周りの筋肉を強化するために必要不可欠な栄養素です。 カルシウムは骨を強くし、ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあります。 これらの栄養素が不足すると、骨や筋肉が弱くなり、肩の痛みを引き起こしやすくなります。 再生医療の無料相談受付中! リペアセルクリニックは「肩の痛み」に特化した再生医療専門クリニックです。手術・入院をしない新たな治療【再生医療】を提供しております。 参考文献 Corey DL, Comeau D. "Cervical radiculopathy." The Medical clinics of North America 98, no. 4 (2014): 791-9, xii. Greenberg DL. "Evaluation and treatment of shoulder pain." The Medical clinics of North America 98, no. 3 (2014): 487-504. Crookes T, Wall C, Byrnes J, Johnson T, Gill D. "Chronic shoulder pain." Australian journal of general practice 52, no. 11 (2023): 753-758.
2025.02.11 -
- 再生治療
- 肩
肩関節唇損傷は、肩関節が脱臼しないように安定させる役割を持つ関節唇が損傷する疾患です。 損傷した関節唇が自然治癒することはなく、適切な治療を受けなければいけません。 肩の過剰使用や脱臼が原因となることが多く、野球やテニスなどのスポーツ選手が発症しやすい疾患としても知られています。 本記事では、肩関節唇損傷の治療方法について解説します。 肩関節唇を損傷してしまった場合は、適切な治療を受けましょう。 肩関節唇損傷とは 肩関節唇損傷とは、肩の安定に不可欠である関節唇が剥がれてしまう疾患です。 関節唇は、関節のくぼみである関節窩の周りに付いている軟骨で、関節を安定させる重要な役割を果たしています。 特に肩関節の関節唇の上部は、デリケートで損傷しやすい部位です。 以下では、肩関節唇損傷の主な症状や原因について解説します。 肩関節唇損傷の主な症状 肩関節唇損傷の主な原因 損傷した関節唇は、自然治癒することがないため、医師の治療・リハビリの指示を受けましょう。 主な症状 肩関節唇損傷の主な症状は、以下の通りです。 肩の痛み 肩が抜けるような不安定感 可動域の制限 コリッと音(クリック音)がする 上記以外にも、関節の安定感が低下している状態ですので、脱臼を繰り返す「反復性肩関節脱臼」と呼ばれる状態に陥ってしまう可能性があります。 主な原因 肩関節唇損傷の主な原因として、以下の3つが挙げられます。 肩関節の脱臼 肩の使いすぎ 転倒や事故による外的要因 肩関節唇損傷は野球やテニスなど、肩を酷使するスポーツ選手や、肩に大きな負荷がかかる仕事をしている人によく見られる疾患です。 また、肩を強く打つなどの強い衝撃によっても関節唇が損傷するケースがあります。 特に、肩の脱臼が原因で肩関節唇を損傷した場合は、周囲の骨組織も傷つけてしまう場合があるため、反復性肩関節脱臼になりやすくなります。 肩関節唇損傷の治し方は?主な治療法 肩関節唇損傷の主な治療法をご紹介します。 保存療法 手術療法 再生医療 3つの治療法について、詳しく解説します。 保存療法 軽度の肩関節唇損傷の場合、保存療法によって症状や痛みの緩和を図ることが多いです。 保存療法は、細かく分けると以下のような方法があります。 薬物療法 リハビリ それぞれの治療法について詳しく解説します。 薬物療法 薬物療法は、消炎鎮痛剤の内服やヒアルロン酸の関節内注射が基本です。痛みが治まらない場合、ステロイド注射で痛みの緩和を図ります。 基本的には薬物療法によって痛みや炎症が落ち着いてから徐々にリハビリでの治療が行われます。 リハビリ 肩関節唇を損傷した場合、以下のようなリハビリが行われます。 肩関節のストレッチ 肩の可動域を改善する運動 肩の筋力強化 肩関節唇損傷は、肩後面の組織が硬いケースがあるため、柔軟性を上げるためにストレッチを行います。 また、肩関節唇を損傷すると痛みによって筋肉が緊張していて可動域が狭くなりやすいので改善する運動が重要です。 手術療法 保存療法で痛みが緩和されなかった場合、手術療法を検討するケースがあります。 肩関節唇損傷の症状に応じて「損傷した関節唇を物理的に除去」と「剥離した関節唇を縫合」などの処置を行います。 関節鏡を用いた手術が主流で、従来の切開手術より体への負担が少なく術後の回復が早い特徴があります。 個人差はありますが、約1ヶ月後には日常生活に戻れる程度には回復することが多いです。 スポーツの復帰には、術後3ヶ月から6ヶ月程度のリハビリが必要になります 。 再生医療 再生医療は、幹細胞のさまざまな組織に変化する能力を利用して損傷した箇所を修復・再生させる治療法です。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さま自身の細胞を用いるため、アレルギーや拒否反応のリスクが小さい点が特徴です。 また、手術不要で長期間の入院の必要がないので日常生活へ早く復帰できるメリットがあります。 保存療法で肩関節唇損傷が治らない方や手術を避けたい方は、再生医療による治療をご検討ください。 治療後のリハビリテーションの流れ 肩関節唇損傷は、治療後のリハビリが大切です。主なリハビリの方法を1ヶ月目から順番に解説します。 治療後1ヶ月目のリハビリ 治療後2ヶ月目のリハビリ 治療後3ヶ月目以降のリハビリ 治療が終わった後のリハビリがその後の生活にも大きく影響します。怪我の状態や時間経過に合わせて無理なくリハビリをしましょう。 治療後1ヶ月目のリハビリ 治療後初期は痛みがあるため、安静にし、鎮痛剤などで改善を図ります。また、夜間に肩を動かさないように装具を着用します。 しかし、肩背面の組織が硬くなりやすいため、リハビリは手術翌日から無理のない範囲で開始することが一般的です。 重い負荷をかけてトレーニングをしてしまうと悪化する可能性があるので、運動量や負荷には注意しなければなりません。 治療後2ヶ月目のリハビリ この時期は、肩関節の可動域向上、筋力強化のためのリハビリを行います。可動域を広げて肩関節の負担を軽減する狙いがあります。 肩の筋力を上げるトレーニングでは、軽い負荷から徐々に難易度を上げていくことが大切です。 スポーツ復帰を目指す場合は、全身の心肺機能を戻すために有酸素運動も行います。 治療後3ヶ月目以降のリハビリ 3ヶ月目以降は、トレーニングの負荷を上げながらスポーツに特化したリハビリが行われます。 スポーツの中では瞬発的な動作が多いため、素早い動作に対応できるようトレーニングします。 受傷のきっかけとなった動作をチェックし、再発を防止することが重要です。 肩関節唇損傷を放置するリスク 肩関節唇損傷を放置すると、「肩腱板断裂」を合併する可能性があります。 肩腱板断裂とは、腱板と呼ばれる肩の関節を安定させる働きがある筋肉が断裂してしまう疾患です。 肩の可動域や筋力の低下、肩を動かしたときや、夜間の肩の痛みなどの症状があります。 加齢によって発症することもありますが、肩の酷使や外傷によって断裂してしまうケースもあります。 肩関節唇損傷の治療・再発予防に再生医療という選択肢 肩関節唇損傷の治療・再発予防には、再生医療をご検討ください。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまの幹細胞を利用した再生医療を行っています。 患者さま自身の細胞を用いた治療でアレルギーや拒絶反応などのリスクが少ない治療法です。 また、手術や入院が不要で日帰りで済ませることができます。 再生医療を検討している方は、ぜひ当院(リペセルクリニック)にご相談ください。 【まとめ】肩関節唇損傷を治すなら再生医療による治療を検討しよう 肩関節唇損傷は、自然治癒することはないため、病院で適切な治療を受ける必要があります。 損傷の状態に応じて、保存療法や手術などの治療法があります。 肩関節唇損傷の症状でお悩みの方は、手術や入院が不要な治療法として注目されている再生医療での治療をご検討ください 当院(リペアセルクリニック)の再生医療は、患者さま自身の細胞を用いて治療を行うため、アレルギーや拒絶反応のリスクが少ない点が特徴です。 身体への負担も少なく済むため、肩関節唇損傷の根本的な治療には再生医療による治療を推奨しています。 手術を避けたい、保存療法で改善があまり見られなかった方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2025.02.07 -
- 肩
- 腱板損傷
肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷になると、腕が上がらなくなって悩まされるようになります。思うように腕が上がらないと洗濯物を干す、高いところのものを取るといったことが困難になるなど日常生活でもいろいろと支障が出てきます。また、ずっとこのような状態が続くのだろうかと不安になる人もいると思います。 そこで、今回は肩腱板損傷で腕が上がらないというのはなぜなのか?ということについて紹介します。 肩腱板損傷で腕が上がらないのはなぜ? 肩腱板は肩関節を覆う筋肉です。肩関節は複数の関節がありますが、それらの関節だけでは非常に不安定でスムーズに動かすことができません。その関節を安定させてスムーズに腕をあげたり、捻ったりすることをできるようにしているのが肩腱板です。 肩腱板が損傷してしまうと、肩関節を安定させる役割を十分に果たせなくなり、肩関節が不安定になるため腕が上がらないという症状が出ることがあります。 五十肩の腕が上がらない症状と、肩腱板損傷で腕が上がらない症状の違い 腕が上がらないというのは肩腱板損傷でよくある症状の1つですが、腕が上がらないと言えば五十肩をイメージする人もたくさんいると思います。 たしかに、五十肩でも腕が上がらなくなることはありますが、五十肩の場合は肩関節が不安定になるのが理由ではありません。 五十肩の場合は、本来柔らかくて伸びがある関節がかたくなってしまうのが主な理由になります。また、痛みが強すぎて動かすことができないというケースもあります。 このように、腕が上がらない理由は異なりますが、それが肩腱板損傷か五十肩かを自分で判断するのは難しいのです。 肩腱板損傷で腕が上がらないときの対策 肩腱板損傷はそのままにしておいても、損傷した部分が自然に修復し治るということはありません。悪化して損傷した部分が拡大したり断裂してしまうことがあります。 しかし、肩甲骨や脊柱など肩関節周辺の筋肉や関節を柔らかくすることで、腕を上がりやすくすることは可能です。ただし、状態の程度によっては手術をしないと腕を上がるようになるのは難しいケースもありますから、まずは専門医に相談をしてみましょう。 まとめ・肩腱板損傷で腕が上がらない!どうして?その原因とは 肩腱板損傷で腕が上がらないという症状について紹介しました。 無理やり腕をあげようとしたり、何とかしようと自己流で対策をすると悪化してしまう可能性があります。肩腱板損傷で腕が上がらないのを何とかしたいという人は、まずは医療機関で診てもらうことをおすすめします。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=AuS-8sLS0tUiHFfL ▶治療方法の選択肢のひとつとして、こちらの動画も是非ご覧ください。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2021.01.12 -
- 肩
肩の石灰化は腱板と呼ばれる腱の中にカルシウムが蓄積して痛みを伴う疾患です。急激に強い痛みが伴うことから多くの方が悩まされています。 そんな肩の石灰化の痛みを改善するには、ストレッチによる運動治療が有効です。 本記事では、効果的なストレッチ方法を3選紹介します。症状改善と日常生活の質向上を目指すためにもぜひ最後までご覧ください。 肩の石灰化に運動治療(ストレッチ)が有効な理由 肩が石灰化している場合、夜中に肩の痛みで目が覚める・腕を動かすと痛みがある・腕を動かせないといった症状があります。 肩の石灰化に有効な治療法は多数存在しますが、そのなかの ひとつに運動療法によるストレッチが挙げられます。 ストレッチは石灰化を起こしている肩周辺の筋肉をほぐし、可動域を広げる効果があります。 この項目では、そもそも肩の石灰化とはどういった疾患なのかを具体的に解説した上で、運動治療の目的を紹介します。 肩の石灰化(肩石灰沈着性腱板炎)とは 肩の石灰化とは、体内の余分なリン酸カルシウムが肩関節の動きを安定させる役割のある腱板の周囲に沈着して硬くなってしまうことです。 沈着する初期のリン酸カルシウムはミルク状ですが、徐々に練り歯磨き状・石膏状へと硬くなっていきます。 この石灰化したものを身体が異物と認識し、攻撃することで腱板が炎症を起こします。また、硬くなり膨れ上がった石灰が腱板を突き破ることで、激しい痛みが生じます。そうした症状を、石灰沈着性腱板炎と言います。 運動療法の目的 石灰沈着性腱板炎は、発症してから1週間から4週間の急性期に強い痛みが生じます。よって急性期は保存療法で安静を保ち、強い痛みが落ち着いてから運動療法を開始します。 運動療法は、ダメージや運動不足によって硬くなった筋肉や関節をほぐすことを目的とし、痛みの緩和や関節の可動域を広げる効果があります。 また、肩の石灰化に対して運動療法を行う場合は、痛みが強くならないよう注意しなければなりません。無理して運動してしまうと症状が悪化してしまいます。 肩の石灰化に有効なストレッチ3選 肩の石灰化に運動治療が有効な理由を確認いただいたところで、さっそく有効なストレッチ3選を紹介します。 ストレッチは、空き時間を利用しながら手軽にできる運動療法です。確認し次第実践してみましょう。 タオルを使ったストレッチ タオルの両端を両手で持って、上下に動かす タオルの両端を両手で持って、腕を真上に挙げた状態でゆっくり左右に動かす 両腕を下げて体の後ろでタオルの両端を持ち、その状態で左右に動かす ※いずれも繰り返し行います 硬くなってしまった筋肉や関節をほぐすイメージで行います。強い痛みが出る場合は、無理をせず中止してください。 肩の後ろを伸ばすストレッチ 横向きで寝る(ストレッチを実施する肩が下になるよう) 下側の腕を肘から直角に曲げる(腕は肩と並行になるよう真横に向ける) 曲げている肘の手首を上側の手でつかむ 手首を腹部側に徐々に倒す(床につけるように) 上記は、肩の後ろを伸ばすのに効果的なストレッチです。就寝前など、寝転んだついでに実践できるお手軽なストレッチとなっています。 インナーマッスルストレッチ 床や背もたれのない椅子に座る 伸ばす方の腕を下から背中に回す 棒やタオルを持ったもう一方の腕を上から背中に回す 棒やタオルを両手で持ち、上に回した腕で伸ばす腕を引き上げる 上記ストレッチは、棒やタオルといった引っ張れるものを使用します。 お互いの腕を上下に分けて背中に回し、伸ばす側の腕を引っ張るイメージです。 適切なストレッチで肩の石灰化を緩和しよう 肩の石灰化に対して運動療法は有効ですが、間違ったタイミングや方法でおこなうとかえって悪化を招いてしまいます。自己判断で運動したり自己流の運動をしたりせずに、医師や専門家のアドバイスをきちんと受けた上で正しく行いましょう。 また、手術を伴わない療法として再生医療が近年注目を集めています。肩の痛みにお悩みの方は再生医療による治療も検討してみてはいかがでしょうか。
2020.05.24 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎は、前触れもなく関節に突然強い痛みが発生するので、初めて発症した人は痛みが辛いのはもちろんのこと「放っておくと悪化するの?」「悪化したらどうなるのだろう」と不安になる人も多いでしょう。 ここでは、石灰沈着性腱板炎が悪化するとどういった症状が出るのかについて、また、悪化した時の治療方法についても紹介します。 石灰沈着性腱板炎が悪化する流れ 石灰沈着性腱板炎は腱板にリン酸カルシウムの石灰が沈着し、その石灰を何らかの原因で身体が異物だと判断して攻撃することで腱板が炎症を起こすものです。 沈着する石灰は最初ミルク状ですが、悪化すると練り歯磨き状になり、さらに悪化すると石膏状になるというようにどんどん硬くなっていき、石灰が溜まって膨れ上がっていきます。 そうなると痛みがどんどん増してしまいます。 さらに、石膏状になって膨らんだ石灰が腱板を破って関節の周囲にあって関節の動きを滑らかにする働きのある滑液包へと移動すると強烈な痛みが生じます。 石灰沈着性腱板炎を悪化させないための保存療法について 石灰沈着性腱板炎が発症してから1週間から4週間くらいの急性の時期は保存療法による治療がおこなわれます。 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って患部を動かさないようにして負荷を軽減した状態で安静したり、炎症鎮痛剤を内服するによって炎症や痛みを抑えたりします。 このような保存療法をおこなうことで石灰が体内に吸収されて消失して、悪化せずに軽快するケースが多いです。 また、この時期は石灰がまだミルク状なので、痛みが強い時は注射針を挿入して吸引して取り除く治療をおこなうこともできます。 石灰沈着性腱板炎の悪化した際の治療法 石灰沈着性腱板炎が悪化すると、慢性的に痛みが強くなり関節を思うように動かせなくなってしまいますが、石膏状になった石灰は注射針を挿入しても吸引して取り除くことはできませんし、放置しておいて自然に軽快することも期待できません。 そういう場合は、内視鏡による手術が検討されるのが一般的ですが、近年では衝撃波によって石膏状の石灰を取り除く体外衝撃波療法のように皮膚を切開する必要のない治療法もおこなわれるようになってきています。 まとめ・石灰沈着性腱板炎の辛い痛みは放置しない!悪化するとどうなる?その治療法とは 石灰沈着性腱板炎が悪化した時の症状や治療方法について紹介しました。 石灰沈着性腱板炎は悪化せずに自然に治まっていくこともありますが、悪化すると痛みや関節の可動域制限などでつらい日々を過ごすことになってしまうこともあります。 悪化させないためにも早めに医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください 監修;リペアセルクリニック大阪院
2020.05.17 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎とは 石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱板にカルシウムが蓄積し、それが炎症を引き起こすことで強い痛みや肩の可動域制限が起こるつらい疾患症状です。 この痛みは前触れもなく突然発生することが多く、夜中に寝返りを打った瞬間に激痛が走って目覚めたり、痛みから腕や物を持ち上げたりする動作が難しくなります。そのため、症状が続くと日常生活の質が大きく低下し、不安やストレスを感じることも少なくありません。 そこで、ここでは、石灰沈着性腱板炎の痛みの原因やどれくらいの期間痛みが続くのかについて紹介します。 痛みが続く原因 石灰沈着性腱板炎の痛みは、石灰が沈着することによる腱板の炎症によるものです。 沈着する石灰はリン酸カルシウム結晶で、なぜリン酸カルシウムが沈着してしまうのかは解明されていません。 また、石灰が付着しても必ず痛みが生じるわけではないので、症状が出ていない人のなかにも石灰が沈着している人はたくさんいます。 沈着した石灰が硬くなって膨らんでしまうと痛みが増し、腱板を破って関節の周囲にある滑液包へ出てしまうと強烈な痛みが生じます。 痛みが続く期間 石灰沈着性腱板炎には3つの型(急性型、亜急性型、慢性型)があり、この型によって痛みが続く期間が異なります。 急性型 急性型は発症してから1週間から4週間に炎症によって強い痛みが生じるタイプです。 沈着する石灰はミルク状です。そして、体内で一部吸収されることもあり、自然に消滅することもあります。 石灰が消滅し炎症も治まれば痛みも生じなくなるのですが、多くの場合、残存します。 亜急性型 亜急性型は1ヶ月から半年くらい痛みが続くタイプです。 急性型のような症状が出たり、症状が治まったりするのを繰り返すのが特徴です。 慢性型 慢性型は6ヶ月以上痛みが続くタイプです。 関節をたくさん動かすと痛む、腕を挙げると痛むのが特徴です。 石灰沈着性腱板炎の治療法 発症から間もない時期 石灰沈着性腱板炎が発症してから1週間から4週間くらいの急性の時期は保存療法による治療がおこなわれます。 アームスリングや三角巾などの固定器具を使って患部を動かさないようにして負荷を軽減した状態で安静したり、炎症鎮痛剤を内服するによって炎症や痛みを抑えたりします。 このような保存療法をおこなうことで石灰が体内に吸収されて消失して、悪化せずに軽快するケースが多いです。 また、この時期は石灰がまだミルク状なので、痛みが強い時は注射針を挿入して吸引して取り除く治療をおこなうこともできます。 悪化してしまった場合 石灰沈着性腱板炎が悪化すると、慢性的に痛みが強くなり関節を思うように動かせなくなってしまいますが、石膏状になった石灰は注射針を挿入しても吸引して取り除くことはできませんし、放置しておいて自然に軽快することも期待できません。 そういう場合は、内視鏡による手術が検討されるのが一般的ですが、近年では衝撃波によって石膏状の石灰を取り除く体外衝撃波療法の ように皮膚を切開する必要のない治療法もおこなわれるようになってきています。 石灰沈着性腱板炎の治療に手術が必要なのか?についてはこちらもご覧ください 石灰沈着性腱板炎の予防 石灰沈着性腱板炎の原因については、はっきりしたことが分かっていませんが、予防には、肩関節まわりの筋力トレーニングやストレッチといった、一般的な肩の痛みの予防法が有効だと考えられます。 軽いダンベルを持って、可動域を意識したトレーニングや肩を色々な方向に動かすラジオ体操、ヨガにダンスなどもよいでしょう。肩を酷使する仕事やスポーツをする場合は、定期的な休息を取り、無理をしないよう心がけることが大切です。 また、食べ物で予防を心がけるのであれば、オメガ3脂肪酸を多く含む魚やナッツ類、ビタミンCやEを豊富に含む果物や野菜は、全身の炎症を抑える効果が期待できます。これらの栄養素を含む食品は、腱の健康を保つために有益であるという研究結果もあるので、積極的に摂取していくのがおすすめです。 肩のストレッチについてはこちらもご覧ください まとめ 石灰沈着性腱板炎は、肩に強い痛みを伴う疾患です。型によって痛みの強さや感じる期間は異なりますが、早期治療をすれば早期回復が見込めるものでもあります。悪化すると日常生活の質が低下してしまうので、早期に医療機関を受診するようにしましょう。
2020.05.15 -
- 肩
石灰沈着性腱板炎の治療には手術が必要なのか? 石灰沈着性腱板炎は、肩に突然激しい痛みが生じて関節を動かせなくなってしまいます。 しかし、医療機関の受診を検討している人のなかには「手術を受けることになってしまうのでは?」「手術じゃないと治らないのだろうか」と不安になっている人も多いのではないでしょうか。 石灰沈着性腱板炎の治療で、発症時期や状態によっては手術が検討されるケースもあります。ここでは、手術が検討されるケースや手術内容などについて紹介します。 石灰沈着性腱板炎の手術が検討されるケース 石灰沈着性腱板炎の治療では必ずしも手術がおこなわれるわけではありません。 石灰沈着性腱板炎が発症して1週から4週くらいの急性型の場合は、沈着している石灰はミルク状で、時間が経過すると吸収されることがあります。 しかし、多くの場合は残存します。もし、痛みや関節が動かせないなどの症状が強い場合は、注射針で吸引することもできますが、急性型が過ぎても改善されず、ミルク状だった石炭が段々と硬くなってきて石膏状になってしまうこともあります。 硬く膨らんだ石灰によって、強い痛みが続き、関節の可動にも支障がある場合は手術が検討されます。 石灰沈着性腱板炎の手術内容 石灰沈着性腱板炎の手術では関節鏡を用いた手術がおこなわれます。 関節鏡とは、細い棒状の形をしたCCDカメラで、直径5ミリくらいとかなり細いので、皮膚に小さな傷を開けるだけで関節内に挿入し、関節内の状態を細部まで確認することができます。 関節鏡で状態を確認できたら、腱板に沈着している石炭を専用の機械で取り除きます。石灰を取り除いた部分は穴が開いた状態になりますが、自然に修復されるので縫合の必要がないケースがほとんどです。 入院期間と術後について 手術によって沈着していた石灰が確実に取れた場合は、手術後比較的早めに効果を実感することができますし、入院期間も数日で済むケースが多いです。 手術が成功し、腱板に沈着していた石灰が消失した場合は1週間から2週間くらいで腕を挙げることができるようになり、医師のアドバイスを受けてストレッチなどのリハビリを自分でおこなっていくというのが術後の一般的な流れになります。 まとめ・石灰沈着性腱板炎の治療には手術が必要なのか? 石灰沈着性腱板炎の治療で手術が検討されるケースや手術の内容について紹介しました。 手術というと肉体的にも精神的にも大きな負担がかかるイメージを持つ人も多いと思います。 しかし、石灰沈着性腱板炎の手術は肉体的、精神的負担も比較的少ないので、必要以上に不安になる必要はありません。 また、早期治療をおこなえば手術を受けずに軽快することも可能なので、我慢せずに早めに医療機関を受診することをおすすめします。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.05.11 -
- 肩
石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について 肩関節に突然強い痛みが出て関節を動かすこともできなくなってしまう石炭沈着性腱板炎は、夜中寝ている時に突然強い痛みが出ることがあります。そのため、痛みだけでなく、寝不足にも悩まされている人も少なくないでしょう。 そんな石炭沈着性腱板炎を治すために医療機関の受診を検討している人もいると思いますが、ここでは、石炭沈着性腱板炎の治療法について紹介します。 急性の石炭沈着性腱板炎の治療法 石炭沈着性腱板炎は発症時期によって急性型、亜急性型、慢性型に分けられますが、発症してから4週間までに強い痛みが生じる急性期には、保存療法がおこなわれるのが一般的です。 固定器具(アームスリング、三角巾など)を使って患部を固定して安静にしたり、湿布で患部を冷やす、消炎鎮痛剤を投与するなどで炎症を抑えたりすることで、軽快するケースが多いです。 痛みがかなり強い場合は、腱板に沈着した石炭に注射針を刺してミルク状になっている石炭を吸引して痛みをとる治療がおこなわれることもあります。 亜急性・慢性の石炭沈着性腱板炎の治療法 石炭沈着性腱板炎は多くの場合、急性に保存療法で安静にしておくことで軽快していきます。 しかし急性の時はミルク状だった石炭沈着が硬くなって石膏状になってくる亜急性型(発症から1ヶ月から6カ月)や慢性型(6カ月以上)では、関節を動かした時に石炭が周りの組織に当たるようになり、炎症や痛みが引かなくなることもあります。 こうした場合は手術で沈着した石炭を取り除くことが検討されます。石炭沈着性腱板炎の手術は内視鏡で患部を確認して器機で石灰を切除するのが一般的です。 体外衝撃波療法とは 石炭沈着性腱板炎の治療方法として、近年では手術の他に体外衝撃波療法もおこなわれるようになっています。 体外衝撃波療法とは、専用の機器によって衝撃波を体外から患部に照射する治療法です。ヨーロッパで普及した治療法で、日本では主に尿路結石の治療に普及しています。 石炭沈着性腱板炎の場合は、沈着している石炭の部分に体外から衝撃波を照射します。 痛みを発している神経の一部は衝撃波で破壊されるので痛みは取れていきます。(破壊された部分の組織は再生されます)また、石炭も衝撃波で破壊され、破壊された石炭は体内に吸収されて少しずつ消えていきます。 まとめ・石炭沈着性腱板炎の急性、亜急性、慢性それぞれの治療法について 石炭沈着性腱板炎の治療法について紹介しました。医療機関では発生時期や症状に応じた治療がおこなわれます。 石炭沈着性腱板炎によって痛みが生じたり、関節が動かせなかったりして悩んでいるけど我慢している人もいるかもしれません。 しかし、症状が長引いたり悪化したりしないためにも医療機関を受診して正しい治療を受けることをおすすめします。 こちらも併せてご参照ください 監修:リペアセルクリニック大阪院
2020.05.08 -
- 腱板損傷
肩のインナーマッスルを構成する「腱板(けんばん)」が部分的、あるいは完全に断裂することで起こる腱板損傷。 特に40代以降に多く見られ、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。 そんな腱板損傷に対して「これって本当に治るの?」「手術しないとダメ?」と、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、腱板損傷が治る可能性や具体的な症状・原因について詳しく解説します。 「放っておいても大丈夫?」と迷っている方も、正しい知識を持つことで、より良い治療選択につながります。 まずはご自身の状態を知るヒントとして、ぜひ参考にしてください。 【結論】腱板損傷が治るかは損傷の程度次第!完全・広範囲の断裂は自然治癒が難しい 腱板損傷が治るかは、以下の損傷の程度によって異なります。 自然治癒が期待できるケース(軽度な損傷) ・部分断裂や炎症のみの場合 ・早期に発見され、保存療法を開始した場合 ・リハビリや鎮痛薬で肩の動きを維持しながら回復が見込める 自然治癒が難しいケース(重度な損傷) ・完全断裂や広範囲の断裂がある ・損傷を長期間放置してしまった ・筋肉が萎縮・脂肪化してしまっている ・肩を動かすと常に激しい痛みがある 腱板損傷は、肩の運動に重要な役割を果たす腱板(けんばん)が、部分的または完全に切れてしまう状態です。 軽度の部分断裂であれば、保存療法(リハビリ・薬物療法)により改善が期待できるケースもあります。 しかし完全断裂や広範囲の損傷となると、腱の自然な再生が難しくなるため、手術が必要になるケースが多いです。 腱板損傷は放置せず、肩の痛みや可動域の制限が続く場合は、早期に専門医の診察を受けることが重要です。 腱板損傷の症状と原因 腱板損傷でよく見られる代表的な症状と、その主な原因について以下で詳しく解説していきます。 症状 原因 腱板損傷は、肩の運動に深く関わる重要な筋肉と腱が傷つくことで、痛みや可動域の制限など、さまざまな不調を引き起こします。 放置すると日常動作にも支障が出るため、早期発見・対応が重要になりますので、ぜひ参考にしてください。 症状 「肩の痛み」や「肩の動かしにくさ」が腱板損傷の主な症状です。 特に以下のような動作の際に痛みが生じるのが特徴です。 腕を上げる 下ろす ひねる 初期には夜間痛(夜寝ているときの痛み)から始まり、やがて日中の動作にも影響が出るようになります。 主に動作で痛みや制限を感じることが多いのは、以下のような場合です。 洋服を着る・脱ぐとき 入浴時に頭を洗うなどの頭より上の動作が困難になる 肩を動かすときに「引っかかる」感覚がある 力が入らず物を持ち上げられない 痛みが慢性化してくると、筋力低下や肩の可動域制限が進み、四十肩・五十肩と診断されることがあります。 特に高齢者では自覚症状が軽くても損傷が進んでいるケースがあるため、軽い痛みでも医師の診察を受けることが重要です。 原因 腱板損傷の原因は大きく分けて、以下の2つに分類されます。 加齢による変性 外傷(ケガ) 腱や筋肉が年齢とともに弱くなっていく自然な過程で起こります。 40代以降では腱板に小さな亀裂が入りやすくなり、繰り返しの使用によって徐々に損傷が広がることがあるためです。 たとえば、重いものを持ち上げる作業を繰り返したり、テニスや水泳など肩を酷使するスポーツを続けている人に多く見られます。 また転倒して手や肩を強く打ったり、無理な力が肩に加わった場合などに起こります。 とくに高所からの落下や交通事故などの衝撃で、腱が急激に断裂する「完全断裂」も少なくありません。 また、肩の構造的な異常(肩峰の形状や狭小な肩関節空間)により、腱板が骨が擦れやすくなる「インピンジメント症候群」も損傷の要因となる可能性があります。 いずれにしても、原因を正確に突き止めることが適切な治療の第一歩です。 腱板損傷の予後と回復までにかかる期間 腱板損傷はその程度や治療方法によって、予後や回復までにかかる期間が異なります。 軽度の損傷の場合 数週間〜数ヶ月 完全断裂や広範囲の損傷の場合 数ヶ月~1年 軽度の損傷の場合は、保存療法を中心としたリハビリテーションで数週間〜数ヶ月のうちに痛みが和らぎ、肩の動きも徐々に改善することが多いです。 しかし完全断裂や広範囲の損傷の場合は自然治癒が見込めず、手術を要するケースもあるため、ある程度の時間が必要です。 通常、術後は数週間の固定期間を経てリハビリが始まり、日常生活に支障がないレベルまで回復するには数ヶ月から半年程度、スポーツや重労働への復帰には半年から1年程度を要する場合もあります。 このリハビリ期間中に焦って無理な動作を行うと、再断裂のリスクが高まるため、医師や理学療法士の指導を守ることが非常に重要です。 また、高齢者や基礎疾患がある人、筋力の低下が著しい人では回復が遅れる傾向にあります。 一方で、早期に診断され、適切な治療を受けた場合には、比較的良好な予後が得られることも多いです。 腱板損傷の予後は以下の3要素に大きく左右されます。 損傷の程度 治療の選択 リハビリの継続 自己判断で放置せず、早期に専門医の診断を受けることで、長期的な痛みや機能障害を防ぐことができます。 腱板損傷を治すための治療法 腱板損傷の治療法には、主に以下3つがあります。 保存療法 手術療法 再生医療 軽度の場合は、保存療法による自然回復が期待できる一方、完全断裂や広範囲にわたる損傷では手術が検討されるケースもあります。 ここでは、それぞれの治療法の特徴と流れについて詳しく紹介します。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに腱板損傷の症状を緩和・改善する治療法です。 主に軽度〜中等度の部分断裂や、手術が難しい高齢者などに対して用いられます。 保存療法には、以下のような手段が含まれます。 消炎鎮痛薬の投与(内服・外用) ステロイド注射(関節内の炎症を抑える) 物理療法(電気治療や温熱療法など) 運動療法(リハビリ)(可動域と筋力の回復を目的) リハビリは非常に重要で、専門の理学療法士の指導のもと、痛みを抑えながら徐々に肩関節の可動域を広げていきます。 肩周囲の筋肉(特に三角筋や肩甲骨周囲筋)を鍛えることで、腱板の機能を補うようにするのが基本的な考え方です。 保存療法のメリットは、手術による身体的負担を避けられることですが、一方で損傷が進行するリスクや、完全には治らないまま機能障害が残る可能性もあります。 そのため、一定期間(おおむね3~6ヶ月)で改善が見られない場合や、日常生活に支障が続く場合は手術への切り替えが検討されます。 手術 腱板損傷が完全断裂している場合や保存療法で改善が見られないケースでは、手術による修復が必要となります。 手術は主に「関節鏡視下手術」で行われることが多く、身体への負担を最小限に抑えながら損傷部位を修復することが可能です。 術式には以下のようなものがあります。 腱板縫合術:断裂した腱を縫い合わせて骨に固定する 肩峰形成術:骨と腱が擦れ合わないよう骨を削る 部分置換術や腱移植:重度の場合、補強する人工物や他の腱を利用 術後は、肩の固定を数週間行ったのち、段階的にリハビリを開始します。 肩の可動域を回復し、再断裂を防ぐためには、術後のリハビリが非常に重要です。 医師と相談し、最も適した方法を選択することが大切です。 再生医療 腱板損傷に対しては、以下の治療法が検討されます。 PRP療法 自身の血液から抽出した血小板を濃縮し、損傷部位に注射する治療法 幹細胞治療 脂肪組織などから採取した幹細胞を用いて、より積極的に損傷した腱や筋肉の再生を促し炎症の抑制や組織の修復を促進 PRP療法は血小板には「成長因子」と呼ばれる組織の修復を促進する物質が含まれているため、損傷した腱の再生を助ける効果が期待されています。 外来での処置が可能で、入院も必要ありません。 ただし、再生医療は保険適用外の治療が多く、自費診療となる点には注意が必要です。 再生医療の詳細については、以下でも紹介していますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。 【まとめ】腱板損傷が治るかは損傷の程度による!適切な治療を受けよう 腱板損傷は、損傷の程度・発見時期・治療内容によって回復の可能性が大きく変わります。 軽度な部分断裂:保存療法やリハビリによる自然回復が期待できる 完全断裂や広範囲の損傷:手術を含む積極的な治療が必要になることも 「自然に治るだろう」と自己判断せず、早期に医療機関を受診することが重要です。 医師による正確な診断を受け、自身の状態に最適な治療法を選ぶことが、回復への近道です。 医師や理学療法士の指導のもと、無理のないペースで回復を目指すことをおすすめします。 さらに近年では、再生医療(PRPや幹細胞治療)といった新たな選択肢も注目されています。 肩の痛みや動かしづらさを感じたら放置せず、ご相談ください。
2020.05.02 -
- 肩
肩が動かない!リハビリでは治りにくい凍結肩の治療法「マニピュレーション」とは 五十肩(肩関節周囲炎)の症状は自然と改善していくこともありますが、症状が長引いて凍結肩になり、肩が動かせなくなってしまうこともあります。凍結肩になると運動療法やリハビリなどでは改善が期待できなくなるため、手術が検討されるのが一般的です。 しかし、他にもマニピュレーションという治療法もあります。今回は、マニピュレーションによる凍結肩の治療について紹介します。 マニピュレーションによる凍結肩の治療 凍結肩の治療におこなわれるマニピュレーションとは、肩に局所麻酔をおこなった状態で、関節包を医師の手で解離させる治療法です。局所麻酔をおこなう際には、超音波エコーで確認しながら狙ったところに正確に麻酔薬を注入していきます。 局所麻酔で肩関節の周りの痛みを感じなくなったところで、医師が患者さんの腕や肩を動かし、関節にくっついて硬くなっている関節包やじん帯を解離させます。 そうすることで、動かなくなった凍結肩を回復させていく治療法です。 マニピュレーションによる治療のメリット 凍結肩の一般的な手術では、皮膚を切開し内視鏡を使用し関節包を剥がしていきます。一方、マニピュレーションは、皮膚の切開をする必要がないというメリットがある治療方法です。 切開を必要とする手術の場合は、感染症のリスクが高いですが、マニピュレーションであれば、感染のリスクも少なく済みます。さらに、手術の場合は入院が必要で医療費も高額になります。 しかし、マニピュレーションは入院の必要がありません。日帰りでの治療が可能のため、費用の負担も手術より少なくすみます。このように、マニピュレーションには手術にはないメリットがたくさんあります。 治療後にリハビリは必須 マニピュレーションによる凍結肩の治療は、入院の必要がなく、日帰りで治療を受けることができますが、治療後のリハビリは欠かすことができません。マニピュレーションによる治療によって肩を動かしやすくなっても、そのままにしておくと関節包や靱帯が再び硬くなって動かなくなってしまいます。 そのため、硬くならないようにリハビリをしっかりとおこなう必要があります。リハビリ期間は通院で3週間くらいかけておこなわれるのが一般的です。マニピュレーションによる治療を検討している人はリハビリ期間も考慮して、治療計画を立てましょう。 まとめ・肩が動かない!リハビリでは治りにくい凍結肩の治療法「マニピュレーション」とは マニピュレーションによる凍結肩の治療について紹介しました。凍結肩になって肩が動かせなくなったら手術を受けるしかないと思っていた人もいるかもしれません。 しかし、マニピュレーションのように手術を必要としない治療法もあります。詳しくは、マニピュレーションを行っている医療機関の専門医にご相談くださいね。 監修:リペアセルクリニック大阪院 こちらも併せてご参照ください
2020.04.30 -
- 肩
日常生活において肩を動かすたびに鋭い痛みが走り、動作がつらく感じる瞬間はありませんか。 それは、40〜60代を中心に多くの方が経験する凍結肩(五十肩)の可能性があります。 凍結肩は肩関節周囲の組織に炎症が起き、関節の動きが制限される状態で放置すると関節が固まり、腕がほとんど上がらなくなるリスクも。 一方で、適切なストレッチを習慣づけることで、痛みの緩和や可動域の回復が期待できます。 本記事では、自宅で無理なく実践できる凍結肩の改善ストレッチを詳しく解説します。 凍結肩の不安を解消し、元気な毎日を取り戻したい方は、ぜひ最後までお読みください。 冷凍肩(五十肩)を改善するストレッチ6選 凍結肩(五十肩)の痛みの軽減や可動域の改善が期待できて、自宅でも簡単にできるストレッチを6つ紹介します。 これらを継続すれば、肩の痛みが軽減され、可動域を広げられる可能性があります。 ただし、無理をすると症状が悪化する恐れがあるため、適度に行うよう注意してください。 壁を使うストレッチ 壁を使うストレッチは肩関節の可動域を広げるのに適しており、方法は以下のとおりです。 ①:壁の前に立ち、痛む方の腕を肩の高さまで上げる ②:指先を壁につけ、人差し指と中指で壁を歩かせるようにゆっくりと腕を上げていく ③:腕を上げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す 肩甲骨の動きを意識すると、肩関節だけでなく肩甲骨周辺の筋肉もストレッチできます。 また、息を吸いながら腕を上げ、息を吐きながら腕を下ろすとリラックスして行えます。 ストレッチをする際は無理に高く上げようとせず、痛みを感じない範囲で少しずつ上げていきましょう。 テーブルストレッチ テーブルストレッチは肩関節の可動域を広げるとともに、肩甲骨周囲の筋肉をほぐす方法でやり方は、以下のとおりです。 ①:テーブルの前に立ち、両手を肩幅に開いてテーブルにつく ②:膝を軽く曲げ、前傾姿勢になる ③:ゆっくりと息を吐きながら、体を前に倒す ④:体を倒しきったら10秒間キープ ⑤:①~④を10回繰り返す ストレッチを行う際はテーブルの高さと肩の高さを合わせ、背中が丸まらないよう注意しましょう。 肩の力を抜き、リラックスした状態で実践するのが望ましいです。 振り子ストレッチ 振り子ストレッチは肩関節周囲の筋肉をリラックスさせ、痛みを和らげる方法でやり方は以下のとおりです。 ①:足を肩幅に開いて立ち、痛む方の腕を体の横にだらんと下げる ②:上半身を軽く前に倒し、痛くない方の手をテーブルなどにつく ③:腕を振り子のように前後に揺らす ④:腕を左右に揺らす ⑤:腕を円を描くように回し、時計回りと反時計回りをそれぞれ10回ずつ行う これらはコッドマン体操とも呼ばれ、重力と慣性を利用して、肩関節に負担をかけずに可動域を広げられます。 ストレッチ中は無理に大きく揺らす必要はなく、肩の力を抜き、腕の重みで自然に揺れるよう意識しましょう。 小さな振り幅から始め、徐々に大きくしていってください。 タオルストレッチ タオルストレッチは肩関節の可動域を広げ、肩を外に開く動作(外旋)の改善が期待できる方法で、やり方は以下の通りです。 ①:タオルを約50cm幅に丸めて両手で持つ ②:タオルを持った手を頭の上に上げ、ゆっくりと後ろに倒していく ③:タオルを持った手を後ろに倒しきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す タオルを使用するため、肩関節に無理な負担をかけずに済みます。 痛みを感じる場合は、無理に倒さずに痛みを感じない範囲で止めましょう。 タオルは持つ幅を狭くすると、ストレッチの強度が高まります。 肩甲骨はがしストレッチ 肩甲骨はがしストレッチのやり方は以下の通りで、肩甲骨周囲の筋肉をほぐし、肩関節の可動域を広げる方法です。 ①:椅子に座り、両手を肩に置く ②:肘を大きく回すように、肩甲骨を意識して腕を回す ③:前方向と後ろ方向をそれぞれ10回ずつ行う 肩甲骨が背骨から離れるように、大きく回すのがポイントです。 肘を前に出すときは肩甲骨を外側に開き、肘を後ろに引くときは肩甲骨を内側に寄せるよう意識しましょう。 挙上ストレッチ 挙上ストレッチは肩関節の可動域を広げ、腕を上げる動作(挙上)の改善に適しており、やり方は以下のとおりです。 ①:仰向けに寝て、両手を天井に向かって伸ばす ②:両手を組んで、ゆっくりと頭の上に上げていく ③:両手を頭の上に上げきったら、ゆっくりと元の位置に戻す ④:①~③を10回繰り返す このストレッチは肩関節周囲の筋肉や靭帯を優しく伸ばし、柔軟性を高められます。 息を吸いながら手を上げ、息を吐きながら手を下ろすと、リラックスしながら実践できます。 冷凍肩(五十肩)になる原因 凍結肩(五十肩)の原因は、はっきりと解明されていませんが、以下のような要因が複合的に関与していると考えられています。 原因 説明 加齢に伴う組織の変化 ・ 加齢とともに、肩関節を構成する腱板、関節包、滑液包などの組織が変性し、柔軟性を失う。 ・肩関節の可動域が制限され、わずかな外力や負荷でも炎症が起こりやすくなる。 運動不足 ・運動不足は肩関節周囲の血行を悪化させるため、筋肉や靭帯の柔軟性が低下しやすい。 ・長時間のデスクワークなど、同じ姿勢を続けると肩甲骨の動きが制限され、肩関節周囲の血行が悪化しやすくなる。 ・血行不良は、筋肉や靭帯の柔軟性を低下させ、炎症を引き起こしやすい。 生活習慣病(糖尿病、脂質異常症) ・糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病は、冷凍肩の発症リスクを高めることが指摘されている。 ・これらの疾患は肩関節周囲の組織の代謝を妨げ、炎症を慢性化させる可能性がある。 また肩関節を構成する骨や軟骨、靱帯、腱といった組織が加齢とともに変化し、周囲に炎症が生じることも原因とされています。 ※出典:日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」 主な症状は、肩の痛みと運動制限です。 症状 説明 肩の痛み 初期には肩を動かすと鋭い痛みを感じ、中期以降は肩関節が硬くなって肩を動かす際に痛みを感じやすくなる。 運動制限 ・肩関節が徐々に硬くなって可動域が狭まるほか、腕を上げたり後ろに回したりすることが困難になる。 ・日常生活においては、髪を整えたり服を着替えたりする動作が難しくなりやすい。 症状は、初期(炎症期)、中期(拘縮期)、後期(回復期)の3つの段階を経て進行します。 冷凍肩(五十肩)の予防と治療法 凍結肩(五十肩)の予防には、日頃から肩関節を動かす習慣をつけましょう。 主な予防策は、以下のとおりです。 ラジオ体操 ストレッチ 軽めの筋力トレーニング これらの運動は肩関節周囲の筋肉や靭帯の柔軟性を高め、血行を促進する効果を期待できます。 また、正しい姿勢を保つことも、予防には欠かせません。 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、同じ姿勢が取り続ける場合は、定期的に休憩を取り、肩関節を動かすストレッチを心がけましょう。 治療法に関しては、症状の程度や進行度合いによって異なります。 初期の痛みや炎症が強い時期には安静にし、湿布や痛み止めなどの薬物療法を行うのが一般的です。 痛みが落ち着いてきたら、肩関節の可動域を徐々に広げるためのリハビリテーションを開始します。 リハビリテーションは、専門家の指導のもとで行うのが望ましいです。 その冷凍肩(五十肩)は腱板断裂かも? https://youtu.be/TaYHPluB3Wc?si=caE1yNvtLEZ9HGed 肩の痛みと可動域制限を伴う症状では、凍結肩(五十肩)と腱板断裂が混同されやすいです。 症状 原因 凍結肩(五十肩) 肩関節周囲の組織の炎症や癒着が原因で起こり、症状が徐々に現れる場合が多い 腱板断裂 外傷や加齢による変性、肩の腱板と呼ばれる筋肉を覆う腱が断裂することで起こる どちらも中年以降に多く見られる疾患ですが、原因や治療法が異なるため、正確な診断をしなければいけません。 それぞれの特徴は、以下のとおりです。 凍結肩(五十肩) 腱板断裂 発症 徐々に痛みが増し、可動域が制限される 外傷や急な動作をきっかけに、急激な痛みが生じることが多い 痛み 肩全体に広がるような鈍痛。夜間痛が強い 特定の方向への運動で痛みが生じやすい。力を入れると痛みが増す 可動域制限 全方向への可動域制限 特定の方向への可動域制限 治療法 保存療法(リハビリ、薬物療法、注射など)が中心 断裂の程度や活動レベルに応じて、保存療法または手術療法 その他 自然治癒する場合もある 放置すると症状が悪化する場合がある 腱板断裂の疑いがある場合は、再生医療を検討しましょう。 PRP(多血小板血漿)療法や幹細胞療法などの再生医療は、自己の血液や細胞を利用して、腱の修復を促進する治療法です。 痛くてストレッチができない方、ストレッチの効果が得られない方からすると、適切な治療になる可能性があります。 肩の痛みと可動域制限を伴う症状でお悩みの方は、ぜひ一度以下の記事もご参考ください。 ※内部リンク:ショートコード【肩】 【まとめ】冷凍肩(五十肩)はストレッチで改善を目指そう 冷凍肩(五十肩)にお悩みの方は、以下のような自宅でできるストレッチを継続することで、肩の可動域改善や痛みの緩和が期待できます。 壁を使うストレッチ テーブルストレッチ 振り子ストレッチ タオルストレッチ 肩甲骨はがしストレッチ 挙上ストレッチ これらのストレッチは、肩関節周囲の筋肉や靱帯の柔軟性を高め、血行促進にもつながる可能性もあります。 ただし、痛みを我慢して無理に動かすことは、炎症を悪化させる原因にもなりかねません。 痛みを感じたら無理をせずに中止し、医師に相談することをおすすめします。 また、ストレッチを続けても症状が改善しない場合は、腱板断裂の可能性も考慮し、速やかに診断を受けましょう。 自分が冷凍肩なのかお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」までお気軽にご相談ください。
2020.04.23 -
- 肩
肩の痛みや腕の動かしにくさが続く場合、五十肩が進行し、凍結肩になっている可能性があります。 五十肩と凍結肩は似た症状を持ちますが、進行度や治療法に違いがあるため、適切な対処をしないと回復に長い時間がかかることも。 しかし「五十肩と凍結肩の違いがわからない」「自分に合った治療法について知りたい」とお考えの方も多いのではないでしょうか。 この記事では、五十肩と凍結肩の違いや治療方法、手術が必要になるケースについて解説するので、自身の症状に合った対処法を見つけましょう。 五十肩から凍結肩に進行するとどうなる? 五十肩から凍結肩に進行すると、以下のような症状が現れます。 自然に症状が回復しづらい 長期間に渡って肩が痛む 長期間に渡り腕が上がらない 通常、五十肩は自然に回復する傾向にありますが、凍結肩に進行すると年単位と長期に渡り、肩の痛みや腕が上がらない状態が続き、以下のような日常生活に支障をきたす可能性があります。 洗濯物を干す エプロンを結ぶ 髪を洗う(シャンプー・ドライヤー) 背中に手を回す(服の着脱)など また凍結肩の経過は、一般的に以下の3段階に分けられます。 凍結前期:肩の痛みが強まり、動かすのが困難になる 凍結期:肩周辺の筋肉が硬直し、可動域が制限される 解凍期:硬直が和らぎ、動かしやすくなる 長期的な肩の痛みや可動域の制限にお困りの方は、医療機関の受診を検討しましょう。 五十肩から凍結肩に進行した場合の治療方法 五十肩から凍結肩に進行した場合の治療方法は、以下の通りです。 薬物療法 痛み止めや炎症を抑える薬を処方される 物理療法 患部を温めたり、冷やしたりする 注射療法 局所麻酔、ステロイド、ヒアルロン酸などの注射する リハビリテーション ストレッチやマッサージを受ける 凍結肩の治療では、痛み止めやアイシングで炎症を抑え、痛みが落ち着いたら肩の関節の可動域を広げるストレッチやリハビリを行います。 継続的なリハビリで動かせる範囲が広くなり、痛みが軽くなる傾向にあります。 炎症による痛みのために動かさないでいると、さらに関節が硬くなり可動域が狭まる悪循環に陥る可能性があります。 肩の可動域を狭めないためにも医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。 凍結肩の手術が必要になるケース 凍結肩は、リハビリを継続しても改善が期待できないと判断された場合、手術が検討されます。 関節鏡視下授動術と麻酔下徒手的授動術について 手術後はリハビリが必要 この項目では、凍結肩の手術方法や手術後のリハビリについてみていきましょう。 関節鏡視下授動術と麻酔下徒手的授動術について 凍結肩の手術には、関節鏡視下授動術と麻酔下徒手的授動術があります。 関節鏡視下授動術:皮膚に小さな穴を開け、スコープ(関節鏡)を入れて内部を確認し、肩が動かせない原因となっている関節包(関節を包んでいる袋)を切開して剥がす。 麻酔下徒手的授動術:麻酔をかけた状態で医師が外から肩を動かして硬くなっている関節包を伸ばし、肩関節を動かせるようにする。 一般的に、2つの手術は同時に行われます。 関節鏡視下授動術にて方が動かせない組織を切開した後に、麻酔下徒手的授動術で肩関節に力を加えて動かし可動域を広げます。 入院期間は麻酔の種類によって異なり、局所麻酔は日帰り、全身麻酔の場合は1泊が一般的です。 手術後はリハビリが必要 凍結肩の手術後はリハビリを継続する必要があります。 手術直後は肩の可動域が改善しているのが一般的ですが、適切なリハビリを行わず放置すると関節が再び硬くなったり、場合によっては以前より悪化したりする可能性があります。 そのため、鎮痛薬を併用しながら、手術前よりも積極的にリハビリ取り組むことが重要です。 凍結肩の手術を受ける際は、術後のリハビリを見据えたうえで準備を進めましょう。 【まとめ】五十肩から凍結肩に進行する前に早期治療が大切!まずは医療機関にご相談を 五十肩から凍結肩に進行する前に、治療を受けるのが大切です。 五十肩は一般的に自然治癒しますが、年単位に及ぶほど長期の痛みにお悩みの場合は、凍結肩に進行している恐れがあります。 手術が必要になる程悪化する前に、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。 凍結肩の強い痛みや可動域の制限には、再生医療も一つの選択肢です。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまの再生能力を活かした幹細胞治療を行っています。 幹細胞治療とは、患者さまから抽出した幹細胞を使用して、五十肩や凍結肩で損傷した組織の修復を目指す治療法です。 手術不要で五十肩や凍結肩を解決したい方は、再生医療の専門医がいる当院へご相談ください。
2020.04.20