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- 変形性股関節症
「変形性股関節症がなかなか治らない」 「手術にはどのような種類がある?」 つらい股関節の痛みにお悩みの方の中には、上記のような不安や疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。 変形性股関節症の治療法の1つに、股関節骨切り術があります。 股関節骨切り術とは、股関節の骨を部分的に切る治療法で、関節の損傷が少ない早期の段階に行われます。 本記事では、変形性股関節症の骨切り術について詳しく解説します。 保存療法を行っても症状の改善がみられない場合は、骨切り術をはじめとした手術による治療も検討しましょう。 なお、変形性股関節症を手術せずに治したい場合、先端医療である再生医療も選択肢の一つとなります。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、「再生医療で実際に行う治療の内容」「再生医療で治療した症例」といった情報を無料でご覧いただけます。 「変形性股関節症を手術せずに治したい」とお考えの方は、ぜひ再生医療についてチェックしてみてください。 股関節骨切り術の種類 はじめに、股関節骨切り術の種類を解説します。 股関節骨切り術には、主に以下の3種類の手術があります。 寛骨臼回転骨切り術 キアリ骨盤骨切り術 大腿骨骨切り術 骨を切ることによって、寛骨および大腿骨頭の接地面を増やしたり、関節軟骨に負荷がかかる部分をずらしたりすることで、関節への負担を軽減させます。 寛骨臼回転骨切り術 寛骨臼回転骨切り術は、骨盤の臼蓋(きゅうがい)と呼ばれる部分を切り、回転させて股関節の形状を矯正する手術です。 股関節は、寛骨臼(骨盤の骨の凹み)に大腿骨頭(太ももの骨の頭部分)がはまり込んでできています。 寛骨臼回転骨切り術では、この寛骨臼の辺縁を丸く切り抜き、外側に少し回転させます。 寛骨臼の形状を変えることで、寛骨臼および大腿骨頭の接地面を増やし、関節軟骨への負荷を分散させる目的があります。 キアリ骨盤骨切り術 キアリ骨盤骨切り術もまた、股関節のすぐ上の骨盤を横に切り、骨盤をずらして固定する手術です。 まず、キアリ骨盤骨切り術では寛骨臼のすぐ上で骨を垂直に切り、寛骨を半分にします。 その下半分を身体の内側に移動させることで、上半分の寛骨が大腿骨頭に覆い被さり、寛骨臼および大腿骨頭の接地面が増加します。 体重がかけられる関節の面積が増えるため、股関節への負荷が軽減し、変形性股関節症の痛みや炎症を抑えられます。 大腿骨骨切り術 大腿骨骨切り術は、その名のとおり大腿骨(太ももの骨)を切る手術です。 以下のとおり、大腿骨骨切り術には、骨を切る部位によってさまざまな術式があります。 術式 内容 大腿骨外反骨切り術 ・大腿骨骨幹部のうち、股関節近くの外側を骨切りする ・大腿骨頭の位置を調整し、損傷した軟骨に体重がかからないようにする 大腿骨内反骨切り術 ・大腿骨骨幹部のうち、股関節近くの内側を骨切りする ・大腿骨頭の位置を調整し、損傷した軟骨に体重がかからないようにする 大腿骨頭回転骨切り術 ・大腿骨頭の根本を骨切りする ・大腿骨頭を前方または後方に回転させ、損傷した軟骨に体重がかからないようにする 大腿骨骨切り術はいずれも大腿骨頭の位置を変え、損傷した軟骨に負荷がかからないようにすることが目的です。 骨切りを行った後は、金属製の板や針を骨の中に入れて、骨が自然に繋がるまで切った部分を固定します。 股関節骨切り術の入院期間と回復までの期間 手術自体は数時間で終わりますが、その後の入院やリハビリが長いことが股関節骨切り術の特徴です。 股関節骨切り術の主な流れは、以下のとおりです。 入院し骨切り術を受ける 医師の許可が出るまで安静に過ごす 安静指示が解除されたらリハビリを開始する 補助具を使用し、歩行ができるようになったら退院 退院後も外来にてリハビリを行う 入院期間は2か月程度で、働いている方や育児をしている方は、周囲の人の協力が必要になります。 術後のリハビリでは、まずはベッドサイドでの車椅子移乗や、トイレ移動などの生活動作の習得を目指します。 術後1カ月目からは、両松葉杖や平行棒などを使用して片足での歩行訓練を行います。 片足歩行が安定してきたら、手術した側の足に体重を乗せる練習を行いますが、両足歩行ができるまでには3か月〜6か月必要です。 退院後もリハビリを継続する必要があり、スポーツや日常生活への復帰までには1年程度かかるため注意しましょう。 股関節骨切り術の術後に考えられる後遺症 股関節骨切り術は、古くから変形性股関節症の治療に用いられる有効な治療法ですが、ごく一部の患者さまで後遺症(合併症)がみられます。 術後に考えられる後遺症は、以下のとおりです。 細菌感染 血栓症 出血 脱臼 切った骨が回復しない 変形性股関節症の進行 再手術 上記の後遺症はあくまで一部のケースに起こるものですが、手術を受ける際は医師と十分に相談したうえで検討しましょう。 股関節骨切り術のメリット 股関節骨切り術には、主に以下の2つのメリットがあります。 関節を温存できる 人工関節よりも術後の制限が少ない 手術を受ける前には、手術によるメリットおよびデメリットの両方をよく理解しておくことが重要です。 関節を温存できる 股関節骨切り術のメリット1つ目は、関節を温存できることです。 自分の関節を残したまま治療できるため、人工関節のような人工物を身体の中に入れることに抵抗がある方でも治療を受けやすいでしょう。 損傷していない関節の組織を取り除かないため、術後も大きな負荷に耐えられます。 人工関節よりも術後の制限が少ない 股関節骨切り術のメリット2つ目は、人工関節よりも術後の制限が少ないことです。 損傷していない関節の組織は取り除かないため、術後に負荷をかけた場合でも、日常生活や運動などに大きな制限はありません。 また、人工関節は細菌感染や血栓症などの合併症を起こすリスクや、15~20年程度の耐用年数があるというデメリットがあります。 感染が起こったり、人工関節が寿命を迎えたりすると、再度手術が必要になります。 人工関節と比較して、股関節骨切り術は術後の制限が少ない点がメリットといえるでしょう。 股関節骨切り術のデメリット 股関節骨切り術にはさまざまなメリットがありますが、デメリットも少なからず存在します。 主なデメリットは、以下の3つです。 術後の回復に時間がかかる可能性 痛みが完全になくならない可能性 再手術が必要になる可能性 メリットだけでなくデメリットも理解した上で、股関節骨切り術を検討しましょう。 術後の回復に時間がかかる可能性 股関節骨切り術のデメリット1つ目は、術後の回復に時間がかかることです。 術後は長期間の入院やリハビリなどが必要なため、日常生活への復帰に時間がかかります。 入院期間は2か月程度で、働き盛りの方や育児をしている方は、気軽に股関節骨切り術を受けることは難しいでしょう。 また、手術をしてから1か月前後は歩行制限があり、骨切りした部分が回復してきたら松葉杖や歩行器をした状態で歩けるようになります。 その後は、少しずつ関節に体重をかけるリハビリを行い、通常3か月〜6か月ほどで松葉杖が取れます。 骨の再生具合によっては、より長期間の入院およびリハビリが必要になることを覚えておきましょう。 痛みが完全になくならない可能性 股関節骨切り術のデメリット2つ目は、痛みが完全になくならない可能性があることです。 骨盤や太ももの骨を切ることで関節を温存できるメリットがある一方で、逆にいえば損傷した軟骨部分をそのまま残しているともいえます。 そのため、術前の状態によっては痛みが完全になくならないケースもあります。 手術前の症状が進行しているほど、術後の痛みも改善しにくいです。 また、年齢が高いほど、術後に変形性股関節症が進行しやすく、痛みが再び現れる可能性があります。 再手術が必要になる可能性 股関節骨切り術のデメリット3つ目は、再手術が必要になる可能性があることです。 骨を切ることで患者さまの股関節を温存する治療法なので、時間の経過とともに関節軟骨が擦り減り、症状が再び現れる可能性があります。 症状が進行すると、人工股関節術などの検討が必要になります。 とくに、術前の病期が進行しているほど、人工股関節に移行しなければならない例が多いです。 変形性股関節症に対して股関節骨切り術を適用する場合、症状の進行具合や年齢、入院期間、リハビリ期間などを考慮して、適切な治療法を選択する必要があります。 股関節骨切り術以外の治療法 ここまで股関節骨切り術について解説してきましたが、変形性股関節症の治療法は股関節骨切り術だけではありません。 以下では、変形性股関節症の治療法を2つ紹介します。 人工関節置換術 再生医療 骨切り術以外の治療法が気になる方は、ぜひ参考にしてください。 人工関節置換術 人工関節置換術は、股関節を人工関節に置き換える手術です。 症状が進行した変形性股関節症にとくに有効で、歩行および運動機能を改善し、健常者とほとんど同じような生活が送れるようになります。 一方、脱臼や細菌感染、血栓症などのリスクがあり、それぞれの発生率は以下のとおりです。 合併症 発生率 脱臼 初回手術:1%〜5% 再手術:5〜15% 細菌感染 初回手術:0.1%〜1% 再手術:初回よりも高い傾向 血栓症 数%〜数十% ※予防の有無や検査方法により差あり ※参考:日本整形外科学会「変形性股関節症 診療ガイドライン(改訂第2版)」 また、人工関節は15年〜20年ほどで寿命を迎えるため、手術時点の年齢によっては再手術が必要になります。 再生医療 再生医療は、患者さま自身の細胞を使って、損傷した組織を再生・修復させる治療法です。 変形性股関節症に用いられる再生医療には、主に「PRP療法」と「幹細胞治療」の2種類があります。 治療法 内容 PRP療法 ・患者さまの血液から血小板を取り出し、濃縮したものを股関節内に注射する治療法 ・血小板の成長因子が軟骨修復を促し、痛みの軽減が期待できる 幹細胞治療 ・患者さまの幹細胞を採取・培養し、数を増やした後に関節内に注射する治療法 ・傷ついた関節軟骨の修復を促し、変形性股関節症の症状を抑える効果が期待できる 再生医療では、患者さま自身の細胞や血液を使用するため、アレルギー反応や拒絶反応などの副作用が起こりにくいというメリットがあります。 当院リペアセルクリニックでは、変形性股関節症に対して再生医療による治療をご提供しています。 公式LINEでは、「再生医療で実際に行う治療の内容」「再生医療で治療した症例」を無料で配信しているので、ぜひチェックしてみてください。 股関節の骨切り術の特徴を理解して自分に合った治療を選択しよう 初期の変形性股関節症では、自分の股関節を温存できる「骨切り術」で治療できる場合があります。 骨切り術は、比較的年齢が若く、変形性股関節症の症状が軽度の場合に対象となる治療法です。 人工関節手術や他の治療法のメリット・デメリットを比較して、納得のいく治療法を選択しましょう。 骨切り術による治療の適応外の方や、手術を避けて変形性股関節症を治したい場合は、再生医療による治療も1つの選択肢です。 再生医療は、患者さま自身の細胞を利用して、すり減った軟骨や関節の修復・再生が期待できる先端医療として注目されています。 変形性股関節症を「手術せずに治療したい」という方は、当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。
2020.05.29 -
- 変形性股関節症
運動したりしゃがんだりしたときに、股関節が痛いと感じることはありませんか。 動作時に股関節に痛みを感じたり、下半身の可動域が制限されたりしている場合は、変形性股関節症の可能性があります。 変形性股関節症は、中高年以上の女性に好発する進行性の疾患です。 本記事では、変形性股関節症の主な症状や原因、治療法について詳しく解説します。 また、症状のチェックリストを活用して、ご自身の股関節の痛みが当てはまるかどうかを確認してみましょう。 変形性股関節症の疑いがある方は、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。 変形性股関節症の主な症状 変形性股関節症の主な症状は、以下のとおりです。 変形性股関節症を治療せずに放置していると、症状が進行し歩行が困難になるほど悪化する恐れがあります。 症状が見られたら、早期に治療を開始し症状の悪化を防ぐことが大切です。 変形性股関節症の症状チェックリスト 変形性股関節症の症状か確かめるために、以下のチェックリストを活用しましょう。 変形性股関節症になると、身体を支えている股関節に痛みが生じるため、歩行時に身体が左右に揺れやすくなります。 変形性股関節症のチェックリストに当てはまっている症状がある人は、早めに医療機関を受診しましょう。 変形性股関節症におけるステージ(病期)について 変形性股関節症は、以下4つのステージ(病期)に分けられます。 変形性股関節症では、レントゲン写真を撮って股関節の状態を確認し、関節の骨と骨の隙間の広さや軟骨のすり減り状態からステージの分類を行います。 変形性股関節症はステージごとに治療方法が異なるため、軽症のうちから治療を開始し症状の悪化を防ぐことが大切です。 前期 前期股関節症では、骨盤側のお椀状になっている部分「寛骨臼」と大腿骨の先端の丸い部分「骨頭」が接する関節部分に異常が見られることがあります。 ただし、この段階では両者の間の隙間は正常で、軟骨のすり減りも確認されません。 変形性股関節症の前期は、痛みを感じることが少なく、足がだるい・疲れやすいと感じる方がいます。 初期 変形性股関節症の初期は、寛骨臼と大腿骨頭の隙間がやや狭くなった状態です。 初期は痛みが少ない場合が多く、中には違和感を覚える方や筋肉のこわばりを訴える方もいます。 長時間立位をとっていたり、たくさん歩いたりすると、痛みが増強し動かしにくくなることもあるため注意が必要です。 進行期 変形性股関節症の進行期は、寛骨臼と大腿骨頭の隙間がさらに狭くなり、関節の擦り減りも進行している状態です。 歩行時に痛みを感じやすく、しゃがみ込む動作や足の曲げ伸ばしができないなど、日常生活に支障をきたす症状が出現する場合もあります。 末期 寛骨臼と大腿骨頭の隙間が消失し、骨の変形も進んでしまった状態は、変形性股関節症の末期です。 末期になると組み合わさった骨同士が直接接触して激しい痛みが出てきてしまい、治療で手術を選択せざるを得なくなってしまいます。 変形性股関節症の末期では、歩行が困難になったり、安静時にも痛みを感じたりするなどの症状が見られます。 変形性股関節症の主な原因 変形性股関節症は、発症原因がはっきりしていない一次性と、原因がはっきりしている二次性に分けられます。 それぞれの主な原因は、以下のとおりです。 変形性股関節症は中高年以上の女性に多く見られるますが、二次性の割合が高く※、若い人でも発症する可能性があります。 ※出典:公益社団法人 日本理学療法士協会「理学療法ハンドブック 変形性股関節症」 変形性股関節症の治療方法は? 変形性股関節症の治療方法は、以下の3つです。 変形性股関節症はステージごとに実施できる治療法が異なります。 前期や初期に変形性股関節症の症状に気づければ、あらゆる治療方法を選択できる可能性があります。 保存療法 変形性股関節症の治療法の1つは、保存療法です。保存療法には、薬物療法や温熱療法、リハビリテーションなどがあります。 薬物療法では貼付薬や鎮痛剤を使用し、炎症や痛みの緩和を行います。 温熱療法は身体を温めることで、股関節周囲の血行を良くして疼痛緩和を目指す治療法です。 変形性股関節症の痛みによって日常生活に支障をきたしている場合は、リハビリテーションを行い、股関節の負担を軽減しましょう。 手術療法 変形性股関節症の進行状態によって手術による治療を検討されるケースがあります。 手術療法の中でも自身の関節を残して治療する「関節温存手術」と人工関節と入れ替える「人工股関節置換術」があります。 関節温存手術には「股関節鏡視下手術」や「骨切り術」などがあります。 一方、人工股関節置換術は、炎症のある大腿骨頭や寛骨臼を人工の関節に置き換える手術です。 人工股関節置換術を受けると痛みが改善され、股関節の動きがスムーズになったり歩行の安定性が向上します。術後はリハビリを十分に行えば、仕事やスポーツ活動への復帰が見込めます。 再生医療 再生医療は、自身の幹細胞を培養して股関節に注射し、擦り減った関節軟骨の再生を促す治療法です。 擦り減ってしまった関節軟骨の再生により痛みの緩和が期待でき、変形性股関節症の悪化を防げる可能性があります。 手術や長期間の入院などもなく、早期に日常生活に戻れるため注目されている治療方法です。 変形性股関節症の痛みにお悩みの方や人工股関節にしたくない方は、再生医療による治療を検討しましょう。 変形性股関節症の症状に関するよくある質問 変形性股関節症の症状に関するよくある質問と回答は、以下の通りです。 変形性股関節症でやってはいけない動作はある? 変形性股関節症の患者を看護する際のポイントは? 変形性股関節症でやってはいけない動作はある? 変形性股関節症の方は、以下のような関節に負担をかける動作を避けることが大切です。 体重の増加 重い物を持って立ち上がる・歩く行為 ヒールの高い靴を履く あぐら 時間しゃがむ 足を組んで座ること 猫背 ジョギング ストレッチ・ヨガ(股関節に負担がかかるもの) 変形性股関節症で避けるべき動作については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 変形性股関節症の患者を看護する際のポイントは? 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、以下のようなポイントが重要です。 股関節への負担を減らす日常生活の管理 リハビリが安全に行える環境づくり 痛みや不安に配慮した問診と観察 手術(人工股関節置換術)前後のサポート 術後の生活指導やメンタルケアも含め、患者さん一人ひとりに寄り添った支援が求められます。 変形性股関節症の看護で押さえるべきポイントについては、以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。 変形性股関節症の症状の変化に前期の違和感から注意しよう 変形性股関節症は、症状の変化や前期に出現しやすい股関節周囲の違和感に注意してください。 変形性股関節症の症状チェックリストで該当項目がある方は、早めに医療機関を受診し、治療法を検討しましょう。 軟骨のすり減りや骨の変形が進んでしまうと、手術を避けられなくなってしまう場合もあるため、早期の治療開始が望まれます。 変形性股関節症の症状にお悩みの方や人工関節置換術を回避したい方は、再生医療という選択肢もあります。 再生医療による治療は患者さま自身の血液や幹細胞を使用するため、アレルギーや拒絶反応などの副作用リスクが低く、股関節の痛みの軽減にも期待できます。 再生医療をご検討の方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2020.05.27 -
- 股関節
股関節が痛くなったときに考えられる原因の1つが股関節の石灰化です。 股関節内に石灰化したカルシウムが沈着すると、痛みや関節の可動域の制限を引き起こします。 ときには、強い痛みで歩けなくなる恐れがある疾患です。 本記事では、股関節の石灰化の症状や原因、対処法について詳しく紹介します。 また、石灰化した股関節の根本的な治療に期待できる再生医療についても紹介しているので参考にしてみてください。 股関節が石灰化すると歩けない可能性があるのはなぜ? 股関節が石灰化すると歩行が困難になる可能性がある理由は、症状が進行することで強い痛みや股関節の可動域が制限されるためです。 股関節の石灰化は「石灰沈着性腱炎」という病名で、石灰と呼ばれるカルシウムの結晶が股関節の組織に溜まる病気です。 股関節以外にも肩関節、手足の関節などによく発症し、急に患部が痛んだり、夜も眠れないほどの痛みを感じたりします。 股関節に発症すると炎症による痛みで関節の動きが制限され、歩行が困難になるなど日常生活に大きな影響を与える病気です。 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因は、身体が石灰を異物と判断して攻撃するために起こる炎症です。 石灰化したカルシウムが股関節に沈着すると、身体が石灰を異物だと認識して攻撃するので関節がダメージを受けて炎症を起こします。 沈着したカルシウムを異物と判断して攻撃することは本来ならありませんが、なぜ攻撃するのかは解明されていません。 また、石灰化が肩の腱板に起こると「石灰沈着性腱板炎」になり、痛みを引き起こします。詳しくは下記の記事を参考にしてください。 病態によって症状が異なる場合がある 石灰沈着性腱炎による股関節痛の痛みの度合いや鎮静化するまでの期間は個人差があり、年齢や免疫反応(石灰を攻撃する力)によって異なります。 若い人は体の免疫反応が強いため、炎症が激しく、強い痛みが出ることがあります。 しかし、症状が鎮静化するまでの期間は短いケースが多いです。 免疫反応が弱い高齢者では、強い炎症や激しい痛みになるケースは少なくなりますが、鎮静化するまでの期間が長くなる傾向にあります。 股関節はどうやって石灰化する?沈着するカルシウムについて 股関節が石灰化するきっかけとなるのがカルシウムの沈着です。 カルシウムが沈着する主な要因は、以下の通りです。 カルシウムの代謝異常によって骨からカルシウムが溶け出す 加齢によってカルシウムの代謝バランスが崩れる カルシウムの過剰摂取によって石灰化を促進する可能性がある カルシウムは本来、骨を維持するために腸から吸収し、余分なものは尿で排出しています。 しかし、加齢によって吸収と排出のバランスが崩れたり、カルシウムを過剰摂取したりすると石灰化が促進される可能性があります。 また、カルシウムは体内の細胞が活動するのに欠かせないので、カルシウム不足になると骨を溶かして補おうとします。 代謝異常によって必要以上にカルシウムが溶け出してしまうことで、カルシウムの蓄積につながり、石灰化する可能性があります。 股関節の石灰化による炎症や進行を治療する方法 股関節の石灰化によって歩けないときの治療法を紹介します。 保存療法 再生医療 股関節の石灰化は自然に治癒する場合もありますが、痛みが強い方や長引いている方は、医療機関を受診しましょう。 保存療法 股関節の石灰化に対する保存療法は以下の通りです。 安静にする 鎮痛剤や抗炎症剤の内服 石灰部位への注射 石灰の吸引 リハビリテーション 保存療法では、痛みの原因である石灰を吸引したり、炎症を抑えたりする治療が一般的です。 重度の場合や保存療法で改善が見られない場合、石灰部位を外科手術で摘出する治療も検討されます。 再生医療 股関節の石灰化による治療では、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療の治療は、主に以下の2種類です。 幹細胞治療:損傷した組織の再生および修復 PRP治療:自然治癒力を高め、炎症を抑える とくに幹細胞治療では自身の細胞を活用し、損傷した股関節の再生・修復を目指します。 患者さまから幹細胞を採取・培養し、注射で患部に投与します。 手術や入院をせずに根本的な治療が期待できるため、近年注目されている治療法です。 股関節の石灰化による歩行の困難さにお困りの方は当院へご相談ください 歩行が困難なほどの股関節痛にお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 当院で提供している再生医療の特徴は、以下の通りです。 股関節の疾患に対する幹細胞治療の症例数は数千件以上 独自の培養技術で幹細胞の生存率・活動率が高い 手術や入院が不要で早期回復を目指せる 当院(リペアセルクリニック)では、豊富な症例を元に患者さまそれぞれの症状に合わせた治療法をご提案します。 再生医療の効果には個人差がありますが、股関節の強い痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 股関節の石灰化で歩けない方からよくある質問 股関節痛の石灰化で歩けない方からよくある質問をまとめました。 受診の検討や予防に役立ててください。 股関節の石灰化は自然に治る? 股関節の石灰化に有効なストレッチは? 股関節の石灰化に効く食べ物は? 股関節の石灰化は自然に治る? 股関節の石灰化は、保存療法を受ければ自然に軽快する場合が多い病気です。 関節の石灰化による痛みが出たら、一般的に痛み止めの服用やステロイドの注射、リハビリなどの保存療法を行います。この治療を3カ月行なったところ、73%以上に改善があった報告もあります。※ ※出典:肩の石灰性腱鞘炎:メカニズム、病因、および治療に関する臨床的展望 保存的な治療を行えば、比較的高い確率で改善する病気です。 股関節の石灰化に有効なストレッチは? 石化に有効なストレッチはありませんが、予防のために股関節を柔らかくするストレッチがおすすめです。 寝ながらできる簡単なストレッチについて紹介します。 寝た姿勢になる 膝を胸に向かってゆっくりと引き寄せる 20〜30秒姿勢を保つ 3セット繰り返す 朝晩1回ずつ継続して行いましょう ただし、石化の根本的な治療が必要になるので、専門家への相談を忘れずに行ってください。 股関節の石灰化に効く食べ物は? 石灰化しやすい食べ物や石灰化に効く食べ物は、今のところありません。 コーヒーが石灰沈着性腱炎の原因と言われていますが、医学的根拠はなく因果関係も証明されていません。 全身の炎症を抑えたいなら、抗炎症食品として有名な果物や野菜、ナッツ、脂肪の多い魚の摂取がおすすめです。 【まとめ】股関節の石灰化は早期治療によって進行を防ぐことが大切 石灰沈着性腱炎による股関節痛の原因や症状について紹介しました。 股関節痛の原因はさまざまですが石灰沈着性腱炎が疑われる場合、症状の度合いによって適切な治療法も異なります。 股関節が痛みや思うように動かせない方は、放置せずに早めに医療機関を受診してください。 また、当院(リペアセルクリニック)では、股関節の疾患に対して再生医療による治療を取り扱っています。 股関節痛を根本的に解決したい方は、まず当院へご相談ください。
2020.05.20 -
- 変形性股関節症
- 股関節
変形性股関節症は、「股関節が痛くて座ったり立ち上がったりするのがつらい」「階段の昇り降りや靴を履くのが大変」などの症状が出現します。 変形性股関節症の症状で日常生活に支障が出ていて、手術をしないで治したいと思う方もいるでしょう。 本記事では、変形性股関節症を手術しないで治す方法について詳しく解説します。 変形性股関節症は病期ごとに治療方法が異なります。症状に合った治療方法を検討し、変形性股関節症の症状緩和を目指しましょう。 変形性股関節症を手術しないで治す方法はある?主な治療方法 変形性股関節症を手術なしで治す方法は、以下の4つです。 変形性股関節症は骨盤と大腿骨(足の骨)との間の軟骨の擦り減りが原因です。擦り減った軟骨は、自然に再生することはありません。 そのため、痛みや症状を緩和する治療が中心となりますが、再生医療では変形性股関節症の症状の緩和や軟骨の再生が可能です。 変形性股関節症の治療法については、以下で詳しく解説しているので参考にしてください。 温熱療法 変形性股関節症の症状を緩和する方法の1つに、温熱療法があります。股関節を温めると血行が良くなり筋肉がほぐれるため、痛みの緩和が期待できます。 しかし、炎症を起こしている場合、温熱療法を実施することで症状の悪化につながる可能性があります。 温熱療法は症状の程度をみながら、やりすぎないように注意して実施しましょう。 運動療法 変形性股関節症の症状を手術なしで緩和する方法に、運動療法があります。 運動を行うことで、関節の位置矯正や筋肉の柔軟性が向上し、症状を緩和できる可能性があります。筋力トレーニングやストレッチなどを無理のない範囲で行いましょう。 運動療法は正しい方法で行わなければ、症状が悪化するリスクもあるため注意が必要です。 薬物療法 変形性股関節症は薬物療法によって、症状の緩和が期待できます。 内服薬や外用薬、座薬などの抗炎症薬は、急性炎症による痛みの緩和が期待できます。 しかし、薬物療法による痛みの緩和はあくまで一時的で、変形性股関節症が治るものではありません。 変形性股関節症のステージや症状によって合う薬も異なるため、医師へ相談し自身に合った治療を受けましょう。 再生医療 再生医療は変形性股関節症の症状緩和と、重症化予防に効果が期待できる治療法です。 再生医療は自身の細胞を使用する治療で、痛みの緩和だけでなく、擦り減った関節軟骨の再生にも効果が見込めます。 手術や入院なしで受けられる再生医療は、仕事で忙しい方でも治療を受けやすいのが特徴です。 変形性股関節症はステージによって治療法が異なる 変形性股関節症は、ステージ(病期)によって治療方法が異なります。変形性股関節症になった際は以下のポイントを押さえて、自身に合った治療方法を検討しましょう。 変形性股関節症が悪化しないように、正しい時期に適切な治療を受けましょう。 初期と進行期は「保存療法」 変形性股関節症の初期と進行期は、保存療法を中心とした治療を行うのが基本です。 初期症状として、動作時に股関節に痛みを感じることが多いです。病期が進行していくにつれて、動作時だけでなく常に痛くなる「持続痛」や夜間の痛み「夜間痛」も出てくる場合があります。 手術を回避して治療を行うためには、保存療法に加えて日常生活の改善も重要です。股関節にできるだけ負担をかけないように、身体の使い方を意識して動きましょう。 軽症のうちに治療を開始すれば、症状の悪化を防ぎ、手術療法が必要となるリスクを軽減できます。 末期・重症化の場合は「手術療法」 変形性股関節症が重症化、または末期になった場合、手術療法による治療を検討します。 手術療法は、保存療法を行っても改善しない場合に選択肢となる治療法の1つです。 手術には主に、骨盤や大腿骨の骨を切って関節面を調整する「骨切り術」と関節を人工関節に入れ替える「人工股関節術」があります。 変形性股関節症を手術しないで治す再生医療とは? 手術なしで変形性股関節症を治療する方法として、再生医療が注目されています。 変形性股関節症の治療法にお悩みの方は、以下のポイントを確認し、再生医療による治療をご検討ください。 変形性股関節症の方は、軽症のうちから治療を開始し、症状の進行を抑えることが大切です。 手術をしないで変形性股関節症の治療ができる再生医療について、詳しく解説します。 再生医療とはどんな治療法? 再生医療は、患者さま自身の幹細胞を採取・培養して股関節に注射し、損傷した関節軟骨の再生を目指す治療法です。 変形性股関節症は、関節軟骨が徐々に擦り減ることで骨同士がぶつかり痛みを感じるため、再生医療により関節軟骨が再生されれば、手術を必要とする状態へ悪化するのを抑えられる可能性があります。 再生医療がおすすめな人 再生医療は、以下の方におすすめな治療法です。 再生医療は手術や入院を必要としない治療法で、忙しい方でも受けやすいのが特徴です。 基礎疾患や年齢の問題により手術を受けられない方でも、再生医療であれば変形性股関節症の治療が受けられる可能性があります。 当院(リペアセルクリニック)の再生医療の特徴 当院(リペアセルクリニック)の再生医療の特徴は、以下の4つです。 一般的に股関節への注射は関節の外側に針を刺しますが、関節内に幹細胞が届きにくいという欠点があります。 当院(リペアセルクリニック)では、特殊な針とエコーやレントゲン装置を使用し、股関節内の損傷部位に直接幹細胞を注入しています。 また、股関節は身体のなかで一番大きな関節であり、関節軟骨の再生には多くの幹細胞が必要です。 独自の培養技術により幹細胞の生存率・活動率が高いため、治療成績が良い特徴があります。 幹細胞を抽出するために採取する脂肪も最低限(米粒2〜3粒程度)なので、身体への負担も少ないです。 再生医療による治療を検討している方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 変形性股関節症やってはいけないこと 変形性股関節症でやってはいけないことは、以下のとおりです。 股関節に負担のかかる姿勢は、変形性股関節症の症状を悪化させるため注意が必要です。 変形性股関節症の悪化を防ぐために、ストレッチを中心的に行い、痛みが強いときは休息をとるようにしましょう。 【まとめ】変形性股関節症を手術しないで治すための選択肢「再生医療」 変形性股関節症は初期や進行期の場合は保存療法を中心に治療されますが、重症・末期の症状の場合は手術も検討されます。 また、手術以外の治療法としては、再生医療があります。再生医療は、擦り減った関節軟骨の再生が期待できる治療法です。 治療方法の選択にあたっては、安全性や効果を重視しながら、医師と十分に相談することが大切です。 再生医療を含めた治療方法について詳しく知りたい方は、ぜひ再生医療専門クリニックである当院(リペアセルクリニック)へお問い合わせください。
2020.05.13 -
- 股関節
- 変形性股関節症
生物学的製剤による関節リウマチの治療を始めて効果を実感している方の中には、治療期間や中止のタイミングに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。 特に症状が落ち着いてきた時期には、治療継続の必要性や経済的な負担について悩まれることも少なくありません。 本記事では、生物学的製剤の適切な治療期間や、治療を継続する重要性について詳しく解説します。 関節リウマチの生物学的製剤はいつまで続くの? 生物学的製剤を使用したリウマチの治療は高い効果が期待できるものの、どれくらいの期間、継続する必要があるのでしょうか。 以下の項目について詳しく解説します。 厳密な接種期間は定められていない 1年以上の接種が望ましいとされている 薬の減量や休薬はできる? 実は、いつまで継続するべきか、明確には定まっていないのが現状です。 そして、仮に生物学的製剤を使用していて症状が安定していたとしてもすぐに中止せずに少なくとも1年くらいは継続するべきと言われています。 生物学的製剤による治療を受けて短期間で効果があったとしても自己判断で治療を止めるべきではありません。 厳密な接種期間は定められていない 関節リウマチの症状や進行状況は患者さまによって大きく異なるため、生物学的製剤の投与期間について明確な基準は設けられていません。 治療効果や副作用の有無、患者さまの状態などを総合的に判断しながら、主治医が個別に投与期間を決定していきます。 そのため、他の患者さまの治療期間を参考にすることはできず、自分の状態に合わせた治療計画に従うことが重要です。 1年以上の接種が望ましいとされている 生物学的製剤による治療では、症状が改善してきても最低1年間は継続することが推奨されています。 生物学的製剤を中止した場合、2年以内に56%※もの患者さまで症状が再燃することがわかっています。 ※出典:東邦大学「『関節リウマチ患者の生物学的製剤投与中止後の再燃を予測』~血液中バイオマーカーの組み合わせが最も有用~」 再燃のリスクを考慮すると、十分な期間の治療継続が重要です。 なお、治療の継続や中止については、血液検査などの結果も考慮しながら、主治医と相談のうえで慎重に判断する必要があります。 薬の減量や休薬はできる? 症状が安定している場合、主治医の判断のもと投与量を減らしたり、投与間隔を延ばしたりする方法を検討することは可能です。 ただし、これは必ず医師の指示に従って慎重に行う必要があります。 自己判断での減量や休薬は、症状の悪化を招く可能性が高く危険です。 減量や休薬を検討する場合は、定期的な経過観察を行いながら、慎重に進めていくことが重要です。 関節リウマチ治療の生物学的製剤の使用期間は長くなるほど費用がかさむ 生物学的製剤は関節リウマチ治療において高い効果を発揮する一方で、経済的な負担が大きいことが課題となっています。 3割負担の場合でも毎月1万5千円から3万円の自己負担が必要となり、継続的な治療費用は患者さまにとって大きな負担となります。 このような経済的負担から、症状が安定した患者さまの中には投与中止を希望するケースもあります。 ただし、投与中止後2年以内に56%の患者さまで症状が再燃することがわかっており、休薬の判断は慎重に行う必要があります。 医療費の負担軽減については、高額療養費制度や各種医療費助成制度の活用を検討することをおすすめします。 関節リウマチの主な治療法は?根本的な治療が期待できる再生医療について 関節リウマチの主な治療法には、以下のようなものがあります。 薬物療法 手術療法 再生医療 それぞれの治療法について解説します。 薬物療法 薬物療法は関節リウマチ治療の基本となる治療法です。 抗リウマチ薬(DMARDs)、生物学的製剤、JAK阻害薬などが使用され、炎症を抑制し関節破壊の進行を防ぐことを目的としています。 特に早期からの治療開始が推奨され、メトトレキサートを中心とした従来型抗リウマチ薬による治療が第一選択とされています。 効果が不十分な場合は、主治医との相談のもと、生物学的製剤やJAK阻害薬の使用が検討されることがあります。 手術療法 手術療法は、薬物療法では十分な効果が得られない場合や、関節の変形や破壊が進行した場合に検討される治療法の一つです。 主な手術方法には、人工関節置換術、関節形成術、関節固定術などがあります。手術の種類や方法は、症状や状態によって個別に検討されます。 手術後は、医師の指導のもとでリハビリテーションを行い、段階的に日常生活への復帰を目指します。 再生医療 再生医療では、主に幹細胞治療とPRP療法があります。 幹細胞治療は、患者さまの幹細胞を採取・培養して投与する治療法です。 幹細胞は体内の様々な種類の細胞に変化する能力があり、損傷部位に投与すると、必要とされる特定の細胞の種類へと変化するのが特徴です。 また、PRP療法では患者さま自身の血液を採取して、血小板を濃縮した後に投与します。血小板には成長因子を放出する働きがあります。 再生医療について興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 まとめ・関節リウマチ治療で効果を期待できる生物学的製剤の治療期間と費用 生物学的製剤による治療は一般的に長期間継続することになります。 また、費用も高額になるため計画的に治療を受けるかどうかを判断し、必要に応じて高額療養費制度などを活用すると良いでしょう。 生物学的製剤による治療を検討している人は、費用面も含めて医師に相談して計画を立てる必要があります。 関節リウマチの治療方法には、薬物療法、手術療法の他に再生医療も選択肢のひとつです。 再生医療をご検討の際は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」へお問い合わせください。
2020.03.17 -
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変形性股関節症と診断されて「手術が必要」と言われたものの、「本当に今が手術のタイミングなのか」「もう少し様子を見てもよいのではないか」と迷われている方も多いのではないでしょうか。 変形性股関節症の手術は人工関節への置き換えが一般的ですが、一度手術を行うと元に戻すことはできません。 そのため、適切なタイミングで判断することが重要です。 この記事では、変形性股関節症の手術を受けるべきタイミングの判断基準や手術のメリット・デメリット、手術以外の治療選択肢について解説します。 手術に不安を感じている方や、より負担の少ない治療法をお探しの方は、ぜひ最後まで読んで適切な治療選択ができるように参考にしてください。 また、変形性股関節症に対しては、再生医療という治療選択肢もあります。 再生医療については、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで情報を発信しているので、ぜひご覧ください。 変形性股関節症の治療選択肢として、股関節の痛みに関する症例も紹介しています。 【結論】変形性股関節症の手術タイミングは症状や生活に合わせて判断 変形性股関節症のステージは前期・初期・進行期・末期の4段階ですが、手術を受ける明確なタイミングは存在しません。 股関節の状態が末期であっても、激しい痛みや生活への支障がなければ、保存療法(薬物療法など)で経過をみる場合があります。 一方で、変形性股関節症の前期や初期でも、患者さまが激しい痛みを訴えている場合は、手術の検討が必要です。 変形性股関節症の各ステージと、患者さま一人ひとりの症状は必ずしも一致しないため、手術は「必要性があるかどうか」で判断されます。 変形性股関節症における手術のタイミングを決めるポイント 変形性股関節症の手術を受ける場合、後悔しないための判断が必要です。 手術のタイミングを決める際には、以下の3つのポイントを考慮して決めます。 痛みの強さと日常生活への支障を考慮する 関節の変形度と画像診断の進行度を確認する 生活の質(QOL)や今後の人生設計を考慮する これらの正しい知識を身につけて、適切な治療を選択しましょう。 痛みの強さと日常生活への支障を考慮する 変形性股関節症の手術を受けるかどうかは、痛みの強さや日常生活への支障の程度を考慮して決めましょう。 初期段階で痛みが限定的かつ仕事や日常生活に支障がなければ、保存療法で経過をみるのも一つの選択です。 しかし、以下のような強い痛みが続く場合は、手術を検討するタイミングといえます。 夜眠れないほど痛い 歩くのがつらいほど強い痛み 安静にしていても痛みが続く 痛み止めが効かない これらに該当して、日々の生活で「辛い」と感じている場合は、医師に手術を相談してみましょう。 関節の変形度と画像診断の進行度を確認する 変形性股関節症の治療において、手術のタイミングを決める際は、関節の変形の程度が判断材料になります。 股関節の変形は進行期にあらわれるケースが多く、以下の画像検査で判定可能です。 検査の種類 検査できる症状 レントゲン検査 股関節の変形・骨棘の形成・関節の隙間 CT検査 股関節の変形・骨棘の詳細な形状・関節の隙間(レントゲンで分からない部分) MRI検査 軟骨のすり減り・靭帯などの損傷・炎症の有無 骨の出っ張りを骨棘(こつきょく)といい、股関節の痛みや可動域制限を引き起こす原因となります。 歩行時のバランスも不安定にさせるため、骨棘が形成されている場合は、手術を選択肢に入れるタイミングです。 なお、軟骨や靭帯はレントゲン画像に写らないため、画像診断を受ける際には、CTやMRI検査ができるかどうか、事前に確認しておきましょう。 生活の質(QOL)や今後の人生設計を考慮する 変形性股関節症の手術を受ける際は、生活の質や今後の人生設計も考える必要があります。 「仕事を休めない」「手術が不安」などの理由で痛みを我慢すると、日常生活や趣味・スポーツなどの動作が制限されます。 変形性股関節症の痛みは歩行にも影響するため、毎日の通勤を苦痛に感じてしまう恐れもあります。 また、日本人は平均寿命が伸びているので、働き盛り(40〜60代など)で変形性股関節症になった場合は、痛みを伴う人生が何十年も続きます。 少しでも早いタイミングで手術を受け、今後の不安を取り除くなど、人生設計も考えておくとよいでしょう。 変形性股関節症の手術を行うタイミングが早い場合のデメリット 変形性股関節症の手術として行われる人工股関節置換術は、股関節の損傷部分を取り除き、人工の関節に置き換える手術です。 しかし、手術のタイミングが早すぎる場合にはデメリットもあります。 人工関節の寿命を短くする可能性がある 手術には合併症などのリスクも伴う 手術を検討する際は、これらのリスクも十分に理解しておきましょう。 人工関節の寿命を短くする可能性がある 人工関節が使用できるのは20年~30年ほどが目安です。 若いうちに人工関節にすると、数十年後に再度手術が必要になる可能性が高くなります。 とくに40代や50代で手術を受けた場合、70代や80代でもう一度手術を受けなければならない可能性があります。 再手術は初回の手術よりも技術的に困難で合併症のリスクも高くなるため、症状が軽い場合は様子を見ることも検討しましょう。 手術には合併症などのリスクも伴う 人工関節手術には、感染症や合併症のリスクがあります。 とくに免疫機能が低下している場合、手術後に感染症を引き起こすと重篤になる可能性があり、傷の治りが悪くなって再手術が必要になる恐れもあります。 感染症の確率を0%にすることはできないため、事前に十分な検査が必要です。 手術を検討する際は、これらのリスクと現在の症状を比較検討して判断しましょう。 変形性股関節症の手術後の生活 人工股関節置換術を受けた後の生活も手術を受けるかどうかの判断材料になります。 痛みの大幅な軽減が期待できる 手術後はリハビリが必要になる 股関節に負担がかかる動作は避ける必要がある 手術後の生活イメージを持ち、より適切な治療を選択してください。 痛みの大幅な軽減が期待できる 人工股関節置換術の最大のメリットは、股関節の痛みが大幅に軽減されることです。 手術前に歩行時や安静時に感じていた痛みがほとんどなくなり、生活の質が大きく向上します。 多くの患者さまが「手術を受けてよかった」と感じる理由は、この痛みの軽減効果です。 また、股関節の可動域も改善されるため、これまで痛みで制限されていた動作ができるようになることが期待できます。 手術後はリハビリが必要になる 人工股関節手術後は、約2〜3週間の入院期間とその後の継続的なリハビリが必要です。 手術翌日から理学療法士の指導のもと、段階的にリハビリを開始します。 最初はベッド上での運動から始め、徐々に立ち上がり、歩行訓練へと進んでいきます。 退院後も外来でのリハビリを継続していきますが、完全に日常生活に戻るまでは3〜6カ月程度かかります。 この期間は、仕事や家事など日常生活への影響も大きいため、あらかじめ回復に必要な時間を見据え、無理のない生活設計を立てておくことが大切です。 股関節に負担がかかる動作は避ける必要がある 人工股関節手術後は、股関節に負担がかかる動作や姿勢を避ける必要があります。 あぐらや横座りなどを避ける ズボンや靴下を履くときは椅子に腰掛ける 過度な運動やスポーツを避ける 重いものを持たないようにする 入浴時は膝を大きく曲げないようにする 転倒を防ぐための生活環境を整える 適度な運動は股関節周りの筋肉を鍛えることにつながりますが、過度な運動は股関節の脱臼やゆるみを起こしてしまう可能性があります。 水泳やウォーキングなどの軽い運動は可能ですが、野球やサッカーなどの激しいスポーツは控えた方がよいでしょう。 変形性股関節症の手術を避けたい方は再生医療も選択肢の一つ 変形性股関節症の治療には、手術の他に再生医療という選択肢もあります。 再生医療とは、幹細胞を投与してすり減った軟骨などの回復に働きかける治療方法です。 手術による治療方法ではないため、皮膚の切開や入院を必要としません。 再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEで情報を発信しています。 症例紹介や簡易オンライン診断も行っているので、ぜひ一度チェックしてみてください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 変形性股関節症の手術を受けるタイミングは医師と相談して決めよう 変形性股関節症を治療する場合、手術を受けるタイミングは必ず医師と相談して決めることが大切です。 手術のタイミングや必要性は総合的に判断されるため、医師による問診・触診や、画像検査などが必要です。 定期的に通院し、医師に患部の状態をチェックしてもらい、相談の上で手術のタイミングを決めましょう。 ただし、手術には感染症などのリスクがあるほか、人工股関節置換術は入院やリハビリを伴うため歩けるようになるまで時間がかかります。 手術のリスクを回避したい方や、仕事復帰への時間をかけたくない方は、再生医療を選択肢に入れてみましょう。 再生医療は手術や入院の必要がなく、体にかかる負担も軽いため、高齢者も治療が受けられます。 変形性股関節症に対する再生医療について相談したい方は、お気軽に当院「リペアセルクリニック」へお問い合わせください。
2020.03.10 -
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- 変形性股関節症
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変形性股関節症を発症したら仕事を辞めるべき?と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 身体を使う仕事は、股関節に大きな負荷がかかりやすく、仕事を続けることで重症化するリスクがあります。 変形性股関節症は重症化すれば働くことが困難になり、結果的に「仕事を辞めなければいけない」ということにもなりかねません。 本記事では、変形性股関節症の症状や治療法、仕事を辞めても復職できる人の特徴を詳しく解説します。 変形性股関節症で仕事を辞めても、しっかりと治療を行えば復職できる可能性があります。 変形性股関節症の症状が出たら早めに治療を開始し、仕事への早期復帰を目指しましょう。 変形性股関節症とは? 変形性股関節症とは、身体を支えたり動かしたりする役割を担う股関節の軟骨が擦り減り、痛みが出現する疾患です。 中高年以上の女性に好発する疾患ですが、小児期の発育性股関節形成不全が原因となる場合もあり、若い方でも発症する可能性があります。 変形性股関節症は進行性の病気のため、軽症のうちに治療を開始し、症状の悪化を防ぎましょう。 変形性股関節症の原因 変形性股関節症の原因は、先天性のものから後天的なものまで多岐にわたり、それぞれが股関節に負担をかけたり軟骨を損傷する原因となります。 変形性股関節症の原因の多くは股関節の形成不全ですが、加齢による身体の変化やケガによる股関節の変形も発症原因であるため、年齢問わず注意が必要です。 変形性股関節症の症状 変形性股関節症では、股関節の軟骨が擦り減ることで、日常生活のさまざまな動作に支障をきたします。 変形性股関節症の症状は、以下のとおりです。 変形性股関節症の初期は、太ももの付け根やおしりなどに違和感や痛みが出現します。 症状を治療せずに放置していると、変形性股関節症が悪化していき、歩行が困難になったり、安静時にも痛みが出現したりします。 変形性股関節症の症状は日常生活に支障をきたす恐れがあるため、早期から治療を開始するのが大切です。 変形性股関節症の診断方法 変形性股関節症は、問診や診察、単純X線(レントゲン)写真で診断します。 正常な股関節 骨盤と大腿骨の間にすき間がある 大腿骨の関節部分は丸い形をしており、上部は骨盤に覆われている 変形性股関節症 骨盤と大腿骨のすき間が狭くなる 骨盤に覆われている面積が狭くなっている 軟骨下骨が硬くなる 症状が進行すると、関節周囲にトゲのような骨組織や骨嚢胞(こつのうほう)と呼ばれる骨の空洞ができる 変形性股関節症になると、股関節の可動域も制限される可能性があります。 変形性股関節症で仕事を辞める選択肢を取る理由とは? 変形性股関節症で仕事を辞める選択肢を取る人が多い理由は、仕事や作業が股関節へ与える負担が大きいからです。 立ち仕事の方やしゃがんだり、中腰での作業が多い方は、変形性股関節症を発症するリスクが高まるだけでなく、症状を悪化させる可能性もあります。 また、デスクワークなど長時間座りっぱなしになりやすい仕事も、股関節への負担が大きいです。 そのため、仕事を辞めて治療やリハビリに専念することを選択する方もいます。 仕事を辞めるべきか考える際は、症状の程度や治療の見通し、職場の理解やサポート体制など、さまざまな要素を検討することが重要です。 まずは医師と相談し、適切な治療を受けつつ、自分に合った働き方を模索しましょう。 変形性股関節症を治療する方法 変形性股関節症の治療方法は、以下の4つがあります。 変形性股関節症は症状の程度に応じて治療法が異なります。 早期に医療機関を受診して適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぎながら日常生活や仕事を続ける道が見えてくるかもしれません。 薬物療法 変形性股関節症の治療法の1つは、薬物療法です。変形性股関節症の薬物療法では、内服薬や外用薬、坐薬などの鎮痛剤を使用し、炎症や痛みのコントロールを行います。 鎮痛剤を使っても痛みのコントロールが難しい場合は、薬の種類を変更したり、ほかの治療法を検討したりします。 運動療法 変形性股関節症の症状を軽減する治療法に、運動療法があります。 股関節は骨盤と大腿骨で構成されるため、周りの筋肉を鍛えて力をつけたり、股関節の柔軟性を高めることで、症状の改善や進行を遅らせる可能性が高まります。 変形性股関節症の方は、無理のない範囲で以下の動きを行いましょう。 股関節周りの筋肉は、足を動かすことで鍛えられます。足を前に出す動作は、膝を伸ばして行うとより強い負荷で運動できます。 トレーニングをする際は転倒や上半身のブレをなくすために、手すりを使用しましょう。 手術療法 変形性股関節症が進行し、薬物療法や運動療法で疼痛のコントロールが難しいときは、手術療法が検討される場合もあります。 初期の段階では骨同士がぶつからないように、骨の一部を切り取る術式が一般的です。 関節の変形が進んでいる進行期や末期は、人工股関節置換術という手術で擦り減った関節を人工関節に置き換えます。 術後は痛みが著しく緩和しますが、仕事に復帰するには、しっかりとリハビリを行う必要があります。 再生医療 再生医療は、痛みの緩和が見込めるだけでなく、擦り減った関節軟骨の修復も期待できます。 痛みを我慢しながら仕事を続けるのは大変なことです。 手術となると入院のために仕事を休む必要があり、術後も復帰までに時間がかかる可能性があります。 再生医療は患者さま自身の幹細胞を股関節に注入し、傷ついた軟骨の再生を促す治療法で、入院や手術が不要です。 変形性股関節症の痛みにお悩みの方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)の再生医療をご検討ください。 変形性股関節症で仕事を辞めても復職できる人の特徴 変形性股関節症で仕事を辞めても復職できる人は、以下の3つの特徴があります。 変形性股関節症は、股関節への負担が大きいと症状が悪化する恐れがあります。 症状が落ち着くまで安静にしていたり、治療期間が長引いたりしている場合は、股関節周辺の筋力が低下してちょっとした動作でも負荷がかかりやすくなってしまいます。 症状の程度に合わせて適切な治療を受け、無理のない範囲で仕事への復帰を目指すことが大切です。 復職後の業務内容が肉体労働ではない 変形性股関節症で仕事を辞めても、適切な治療を受け、復職後の業務内容が肉体労働でない場合は、仕事に復帰できる可能性が高いです。 座り仕事や事務仕事などのデスクワークであれば、変形性股関節症の症状が出現していても無理なく仕事を続けられるでしょう。 しかし、業務内容が肉体労働であっても職場復帰できないわけではありません。 肉体労働は股関節への負荷が大きいため、職場復帰する場合は変形性股関節症が悪化や再発しないように注意しながら仕事しましょう。 リハビリ期間が長く筋力もついている 変形性股関節症のリハビリ期間が長く、筋力もついている場合は、辞めていた仕事にも復帰できる可能性があります。 変形性股関節症のリハビリでは、仕事や日常生活での動きを想定して、股関節への負担が少ない動き方を練習します。 リハビリ期間が長ければ、日常生活動作で使用する部位の筋力を効率良く上げられ、復職した際も股関節への負担が少なく身体を動かせるでしょう。 再生医療による治療を受けている 変形性股関節症で仕事を辞めても、再生医療による治療を受けていれば、復職できる可能性があります。 再生医療は入院や手術を必要としない治療法で、治療期間の短縮を目指せるのがメリットです。 再生医療は手術の場合と異なり、長期間の入院がないため、早期の職場復帰が見込めます。 【まとめ】変形性股関節症で仕事を辞めても職場復帰できる 変形性股関節症で仕事を辞めても、職場復帰できる可能性はあります。 変形性股関節症は症状が進行するにつれ、関節が擦り減り痛みが増強する疾患です。 立ち仕事や重い物を持つ仕事に就いている方は、変形性股関節症の症状が悪化しやすいため注意が必要です。 「痛みがつらいけれど手術や入院のために休みがとれない」「手術は避けたい」という方は、痛みの緩和が期待できる再生医療を検討しましょう。 再生医療による治療は、身体への負担が少ないだけでなく、職場への早期復帰も見込めます。 変形性股関節症の治療に再生医療をお考えの方は、まずはお気軽に当院(リペアセルクリニック)までご相談ください。
2019.11.29 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症の患者さんを看護する際は、股関節への負担を減らせるよう、日常生活を工夫することが大切です。 股関節の軟骨が擦り減り、骨の変形を引き起こす「変形性股関節症」は、下半身に痛みがみられる疾患です。 本記事では、変形性股関節症の患者さんの看護について、詳しく解説します。 看護ケアを行う際は、身体的側面だけでなく心理的側面にも注意し、患者さんと関わりましょう。 変形性股関節症の患者さんを看護するポイント 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、以下の4つのポイントを押さえることが大切です。 股関節への負担を減らす日常生活の管理 リハビリが行えるように環境を整える 問診時 人工股関節置換術(THA)の手術前後 骨の変形がみられる変形性股関節症では、病状の進行や治療経過などに、患者さんの気持ちが追いつかない場合もあります。 患者さんが安心して日常生活を送れるよう、患者さんに合わせて看護ケアを行いましょう。 股関節への負担を減らす日常生活の管理 変形性股関節症の看護では、股関節への負担を減らす日常生活の管理を行うことがポイントです。 股関節へ大きな負担がかかると、症状が悪化し、治療期間が延長する恐れがあります。 改善が必要な生活習慣を送っている場合は、患者さんの意見を聞きながら、個々に合わせた行動を提案しましょう。 リハビリが行えるように環境を整える 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、リハビリが行えるように環境を整えることが重要です。 リハビリを実施する際は、以下の点に注意して環境整備を行いましょう。 ベッドの高さが患者さんに合っているか ナースコールやコードが絡まっていないか 固定具の装着方法が正しいか 床に物が散らかっていないか 変形性股関節症でリハビリを行う目的は、症状の緩和や術後の可動域の拡大です。 安全にリハビリが行えるように、看護師は患者さんの身の回りを入念にチェックしましょう。 問診時 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、問診時の表情や言動を確認することがポイントです。 問診時に以下の点を観察すると、症状の有無や患者さんの気持ちなどを把握できます。 苦痛表情の有無 動作時の痛みの有無 股関節の可動域 歩行状態 感覚障害の有無 不安症状 リハビリの進捗状況 など 患者さんの訴えに耳を傾けることも大切ですが、診察の出入りや待っている様子などを見て、日常生活での困りごとを知ることも重要です。 人工股関節置換術(THA)の手術前後 変形性股関節症で人工股関節置換術(THA)を受ける患者さんを看護する際は、手術前後の様子を観察しましょう。 人工股関節置換術(THA)とは、股関節の擦り減った部分を人工物に置き換える手術です。 術後は変形性股関節症による痛みや動かしにくさなどの症状が改善しますが、リハビリで日常生活動作を獲得していく必要があります。 手術前後で下半身の使い方に違いが生じることで違和感を覚えたり、今後の生活が見通せなかったりすると、患者さんの不安が大きくなるため注意が必要です。 手術への不安が大きく、手術を避けて治療したい場合は、再生医療による治療も選択肢の1つです。 以下の動画では、手術を避けて変形性股関節症を治した方の体験談をご紹介していますので、合わせてご覧ください。 変形性股関節症の看護ケアで重要なこと 変形性股関節症の看護ケアで重要なことは、以下の2つです。 退院後の生活指導も重要 術前後のメンタルヘルスに注意する 手術で変形性股関節症を治療した場合は、リハビリによる可動域の拡大が期待できるため、今までできなかった動作ができるようになる可能性があります。 人工股関節置換術を受けた患者さんの、日常生活での注意点を指導し、合併症のリスクを低減しましょう。 退院後の生活指導も重要 変形性股関節症の看護ケアでは、退院後の生活指導も重要です。 人工股関節置換術を受けた患者さんに退院指導を行う際は、以下の内容を伝えましょう。 あぐらの姿勢をとらない 正座で前かがみにならない 前かがみで靴下を履かない 足を組まない 手術をした側の足を軸足にしない 重い荷物を持たない 転倒に注意する 洋式トイレを使用する 激しい運動を行わない 変形性股関節症の術後は、人工関節に負担がかからないように姿勢を工夫することが大切です。 仕事や趣味などで、股関節に負担のかかる動作がないか、患者さんとともに確認しましょう。 術前後のメンタルヘルスに注意する 変形性股関節症の患者さんを看護する際は、術前後のメンタルヘルスに注意が必要です。 術前に思い描いていた生活と実際の術後の様子が異なる場合に、ストレスが増加したり意欲の低下がみられたりするケースがあります。 元の日常生活に戻るためにはリハビリが必要ですが、意欲の低下により目標を見失うこともあります。 看護師は術前後の患者さんの悩みを傾聴し、不安を軽減できるよう関わりましょう。 【まとめ】変形性股関節症の看護はケアと周囲の協力が重要 変形性股関節症の看護は、患者さんの周囲の協力や気持ちに寄り添ったケアが重要です。 変形性股関節症で痛みや動かしにくさなどの症状がある場合は、保存療法や手術療法が検討されます。 手術療法は患者さんの気持ちが変化しやすく、不安や辛さなどの心理は術後のリハビリにも影響する恐れがあります。 生活指導では患者さんだけでなく、患者さんのご家族の協力も得て、退院後の生活について考えていくことが重要です。 不安が大きく、手術療法を避けて変形性股関節症を治療したい患者さんには、再生医療による治療も1つの選択肢です。 患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、患者さんに合わせた看護を提供しましょう。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
ヨガは体にいい運動として一般的に知られていますが、変形性股関節症を患っている方は注意が必要です。 ヨガは股関節に大きな負担がかかるポーズが多く、床に座る時間が長いため股関節に痛みがある方にはおすすめできません。 変形性股関節症を改善するためには、症状に合わせた運動療法が必要です。 しかし「どんな運動がいいの?」「やり方が間違っていたら怖い」という方も多いのではないでしょうか? そこで本記事では、変形性股関節症の症状や正しい運動療法について解説します。 運動療法で改善を図り、日常生活で注意すべきことを意識して、痛みと上手に付き合っていきましょう。 また変形性股関節症の根本的な改善を目指す方に向けて、再生医療の治療法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 変形性股関節症にヨガが適さない理由 結論から述べると、変形性股関節症の方や脚の付け根に痛みを感じる場合、ヨガは基本的にNGです。 床に座る姿勢が続くことで、股関節に負担がかかります。股関節の痛みがあるのに我慢してヨガを行うと、症状が悪化する可能性が高いです。 変形性股関節症やその症状が疑われる方は、専門家の指導を受けてからヨガを行いましょう。 変形性股関節症とは 股関節は太ももの骨である大腿骨が骨盤にはまり込むようにできています。 この股関節が変形してくると、以下のような状態が見られるようになります。 関節の隙間が狭くなり、軟骨が硬くなる 骨の縁に「骨棘(こつきょく)」というトゲ状の骨組織ができる 「骨嚢胞(こつのうほう)」という骨の空洞が形成される このような構造の変化により、股関節の可動域が徐々に狭まり、以下のような動作が難しくなっていくことも。 股関節を深く曲げる 足を大きく外側に開く 正座やあぐらなど床座りの姿勢 最初の頃は立ち上がりや歩き出しの際に足の付け根に痛みが見られます。 症状が進行してくると痛みも強くなり、場合によっては夜寝ていても痛みを感じるようになる人もいます。 対して、骨の変形により狭くなった可動域をヨガなどで無理に動かすことは、痛みをさらに増強させることになりかねません。 症状が軽いうちにケアを始めることが、将来的な手術回避や生活の質の維持につながります。 「痛みが出てきたかも」と感じたら、早めの受診・相談をおすすめします。 変形性股関節症にはヨガ以外の運動療法が効果的 変形性股関節症とヨガの相性は良くありませんが、股関節や下肢をまったく動かさないことも問題です。 そのため、変形性股関節症の患者さんに対して治療の一環として「運動療法」が取り入れられることが多いです。 運動療法の目的は、股関節のリラックスによる股関節軟骨の健康維持と股関節の可動域の確保です。 運動療法を適切な方法で継続すると、股関節を正しく動かせるため、筋力の維持にもつながります。 変形性股関節症の正しい運動療法 変形性股関節症は原則として担当医から指導された内容を実施することが重要ですが、股関節に過度な負担がかからない運動や継続が容易である運動が効果的です。 股関節や下肢に負荷のかかる運動は、かえって変形性股関節症の症状を悪化させる可能性があります。 運動療法は根治的な治療とはなりませんが、症状の改善に役立つため継続が大切です。 しかし、患者さんによっては継続が難しい場合もあるため、軽めかつ簡単に実施できる以下の運動をおすすめします。 他にも「水中運動」は負荷が少ないため、変形性股関節症の運動療法として適しています。 日常動作における改善方法 変形性股関節症は股関節の軟骨がすり減ることにより、痛みや運動の制限を引き起こします。 日常生活のさまざまなシーンで動きや姿勢に注意を払うと、痛みを軽減できたり、生活しやすくなったりします。 以下の方法を実践してください。 正しい姿勢を保つ 立つときや座るときに背筋を伸ばして肩を後ろに引く 座るときに工夫する 背もたれがある椅子にする、足は組まない 歩くときに工夫する ゆっくりと大きな歩幅で歩き、足を引きずらない 階段を使用する 1段ずつ足を上げる、手すりを使用する 荷物の持ち方を工夫する 重い荷物は肩に掛ける、両手で持つ 動作に気をつける 重いものを持ち上げる・しゃがむときは腰を丸めずに足に力を入れる 睡眠時の姿勢を意識する 背骨が自然なカーブを保つようにする、ゆっくりと寝返りをする 運転するときに配慮する 運転席の位置を調整して膝を曲げやすくする 変形性股関節症は再生医療も選択肢の一つ https://youtu.be/iHqwMDfKID8 変形性股関節症は、軟骨がすり減ることで痛みや歩行障害を引き起こす疾患でこれまでの治療は、以下のような方法が一般的でした。 リハビリや鎮痛剤などの保存療法 人工関節置換術などの手術療法 しかし、「手術は避けたい」「もっと身体に優しい方法で治したい」という方は、以下の再生医療も選択肢の一つとして検討しましょう。 手術なし・入院不要 軟骨の再生を促し、根本的な改善が期待できる 身体への負担が少なく、高齢の方や持病がある方にも対応可能 再生医療は、自分の脂肪から採取した幹細胞を活用し、傷ついた軟骨の再生を促す最新の治療法です。 まだ症状が軽い段階の方から手術を勧められた方まで、幅広く適応可能です。 「股関節の痛みをなんとかしたい」「でも人工関節は不安」という方は、当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 治療法や症例は、当院の公式LINEでも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にして治療して本当に良かったと実感できる毎日を取り戻しましょう。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 変形性股関節症はヨガでなく適切な運動療法で改善しよう https://youtu.be/iPHLbIXjPNk?feature=shared 変形性股関節症における運動療法は効果的です。 一方、体に良いイメージがあるヨガは、股関節への負荷が大きいことから変形性股関節症の治療法として適していません。 逆に症状を悪化させる恐れがあるため注意が必要です。 運動療法を取り入れる場合は、担当の医師から指導された内容を遵守して、継続的に行いましょう。 調子が良いからと運動量を自分の判断で増やしても良くならないため、無理は禁物です。 一度の運動量を増やすのではなく、決められた運動を毎日継続してください。 また、近年では変形性股関節症の再生医療が注目を集めています。リスクを抑えつつ治療効果が期待できる治療方法です。 興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
変形性股関節症では、股関節や下半身に痛みの症状がみられます。 ストレッチを行ったり患部を温めたりしても、痛みが引かない場合は、痛み止めによる薬物療法が有効です。 本記事では、変形性股関節症に適用される痛み止めについて、詳しく解説します。 痛み止めは変形性股関節症による痛みの緩和に期待できますが、根本的に原因を取り除ける治療法ではないため注意が必要です。 変形性股関節症で痛み止めを服用する際は、自身に合った薬剤を処方してもらい、量や用法を守りましょう。 変形性股関節症に適用される痛み止めを紹介 変形性股関節症に適用される痛み止めには、以下の3種類があります。 内服薬 注射薬 外用薬 変形性股関節症になると、股関節や下肢に痛みがみられます。 初期はストレッチや患部の温めで痛みが引く場合もありますが、関節の変形が進むと、痛みも強くなる可能性があるため注意が必要です。 変形性股関節症の痛みを緩和する方法に、痛み止めを服用する薬物療法があります。 薬物療法を受ける際は、医師の指示を守り正しく薬剤を使用しましょう。 内服薬 変形性股関節症では、主に以下の痛み止めが内服薬として処方されます。 アセトアミノフェン ロキソニン(NSAIDs) リリカ(プレガバリン) サインバルタ トラムセット など 内服薬は口から投与する薬で、錠剤や粉薬などの形状があります。 痛みが常時でなければ頓服として処方される場合が大半ですが、薬の種類によっては内服時間が決まっていこともあるため、医師に確認しましょう。 注射薬 変形性股関節症では、以下の注射薬が適用される場合があります。 ステロイド関節内注射 ヒアルロン酸注射 ステロイドは、強い痛みにも効果が期待できる薬剤ですが、長期使用すると副作用のリスクが高まります。 ヒアルロン酸注射は、関節の動きを滑らかにし、痛みの軽減を図る治療法です。 注射で痛みを緩和する場合は、穿刺部の感染リスクがある点に注意が必要です。 外用薬 変形性股関節症の痛み止めの1つに、外用薬があります。 湿布薬や塗り薬などを外用薬といい、患部に直接使用するのが特徴です。 外用薬は内服薬や注射薬と比べて、効果が出現するまでに時間がかかりますが、胃腸への負担が少ないといったメリットがあります。 変形性股関節症に痛み止めを服用する際の注意点 変形性股関節症に痛み止めを服用する際は、以下の3点に注意しましょう。 薬物療法は根本的な治療ではない 痛みが緩和しない場合は医師に相談する 服用方法や飲み合わせには十分注意する 服用する際の注意点を確認し、適切な用法で痛み止めを使用しましょう。 薬物療法は根本的な治療ではない 薬物療法は、変形性股関節症の根本的な治療ではない点に注意が必要です。 痛み止めは対症療法であり、変形性股関節症によって起こる痛みの軽減に期待できます。 変形性股関節症による痛みは、股関節の変形によって起こるため、原因となっている部位の治療も行うことが大切です。 痛みが緩和しない場合は医師に相談する 変形性股関節症で痛み止めを使用しても、痛みが緩和しない場合は早めに医師に相談してください。 痛みが緩和しない場合は、服用している薬が合っていない可能性があります。 薬の効果が十分に得られないときは、早めに医師へ相談し、ほかの薬を処方してもらいましょう。 服用方法や飲み合わせには十分注意する 変形性股関節症で痛み止めを使用する場合は、服用方法や飲み合わせに十分注意してください。 痛み止めは、自己判断で中断せずに、医師の指示通りに服用しましょう。 医療機関や薬局へ行く際は、お薬手帳を持っていき、服用可能かどうか確認することが大切です。 変形性股関節症は、運動療法や温熱療法などの保存的治療と合わせて薬物療法を行うと、痛みの緩和により効果が期待できます。 【まとめ】変形性股関節症を根本的に治療するなら再生医療も選択肢の一つ 変形性股関節症では、症状の進行を抑えたり痛みを和らげたりするために、まずは保存的治療を行うのが一般的です。 保存的治療の1つに、痛み止めによる薬物療法があります。 痛み止めの服用は、痛みのコントロールに有効ですが、根本的な治療ではないため注意が必要です。 薬物療法をはじめとした保存療法を行っても、症状の悪化がみられる場合は、手術療法や再生医療による治療を検討しましょう。 再生医療とは、患者様自身の細胞を利用して、擦り減った軟骨の修復・再生を促す治療法です。 変形性股関節症を根本的に治療したい場合は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
「変形性股関節症でやってはいけないことは?」 変形性股関節症と診断され、悪化させないために「やってはいけないこと」を知りたい方も多いのではないでしょうか。 股関節に過度な負担をかける動作を続けることで、症状を進行させてしまうため注意が必要です。 この記事では、変形性股関節症の方がやってはいけないことや治療法について詳しく解説します。 近年の治療では、手術や入院をせずに変形性股関節症を治療できる再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性股関節症に対する再生医療の治療法や症例を無料で配信中です。 「変形性股関節症を手術せずに治したい」という方は、ぜひチェックしてみてください。 変形性股関節症でやってはいけないこと【7選】 変形性股関節症でやってはいけないことは、以下の通りです。 長時間の立ち仕事 膝を深く曲げる 激しい運動 急激な体重増加 重量物の持ち運び 脚に負担のかかる靴の着用 正座やあぐらで座る 上記の行動は股関節に大きな負担をかけ、痛みや変形の進行を招く原因となります。 日常生活の中で可能な限り避けて、症状の悪化を防ぎましょう。 長時間の立ち仕事 長時間立ち続けると、股関節に大きな負担がかかり、強い痛みや症状の悪化につながる可能性があります。 接客業や工場での作業などの立ち仕事だけでなく、キッチンでの料理や洗濯物を干すなどの家事も、毎日の積み重ねで股関節に負担を与えるため注意しましょう。 長時間の立ち仕事では、こまめに姿勢を変えたり休憩をとったりして、股関節にかかる負担を軽減することが重要です。 膝を深く曲げる 膝を深く曲げる動作は股関節に大きな負担がかかり、変形性股関節症の症状を悪化させる恐れがあります。 関節の軟骨や骨への負担が増して痛みや炎症の悪化、変形の進行につながる可能性があるためです。 とくに、以下のような動作には注意が必要です。 草むしり スクワット 和式トイレの使用 床に膝をついて掃除をする 床にある物を拾うために深くしゃがみ込む 日常生活の中で無意識に行うことも多いため、動作を見直し股関節にやさしい姿勢を心がけましょう。 激しい運動 変形性股関節症の方にとって過度な運動は股関節に大きな負担をかけ、痛みや炎症の悪化、関節の変形を進行させるリスクがあります。 衝撃が大きい運動や股関節に強い負荷がかかる動作は注意が必要です。 以下のような運動は、変形性股関節症の悪化につながる可能性があるため控えましょう。 ジョギングやランニング 長時間のウォーキング 階段昇降を繰り返す運動 スクワット テニスやバスケットボールなど急激な動きのあるスポーツ 一方で、運動をまったく行わないのもよくありません。 変形性股関節症の治療では、股関節への負担を軽減しつつ可動域を確保するために適度な運動が重要です。 無理のない範囲で継続して股関節を動かさないと、関節の可動域が狭くなり筋力の低下を招いてしまいます。 専門家の指導のもと、自分に合った運動量・運動内容を見極めながら継続的なケアを行いましょう。 急激な体重増加 体重が増えると、股関節にかかる負担も大きくなります。 立ち上がりや階段の昇降、歩行などの動作では体重の数倍の力が股関節に加わることもあります。 急激な体重増加は股関節への負荷を高め、痛みや変形の悪化を引き起こす原因の一つです。 変形性股関節症の治療を続ける上で、適正体重の維持は重要です。 日々の食事管理や無理のない運動を通じて、体重のコントロールを意識しましょう。 重量物の持ち運び 重たい荷物を持ち上げたり運んだりすることは、股関節に大きな負担をかけます。 持ち上げる瞬間や持ち運んでいる最中は、体重の数倍もの力が股関節に集中し、変形性股関節症による痛みや変形の悪化を招く原因になります。 職業的に股関節への負担がかかりやすくなる例は、以下の通りです。 スーツケースを持ち運ぶ 買い物袋を両手に持って歩く 建設現場や引越し業、工場作業など重いものを扱う仕事に従事する 仕事の都合で避けられない場合でも、台車の活用や十分に休憩時間を確保するなど、股関節への負担を軽減することが重要です。 周囲の理解と協力を得ながら可能な限り負荷を減らし、症状の進行を防ぎましょう。 脚に負担のかかる靴の着用 ヒールの高い靴やクッション性の乏しい靴は股関節に余計な負荷をかけ、変形性股関節症の悪化を招く可能性があります。 歩行時の衝撃が十分に吸収されず股関節に直接伝わることで、痛みや炎症が強くなる恐れがあるためです。 症状に応じて靴の見直しや買い替えを検討しましょう。 変形性股関節症の方が靴を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。 自分の足に合った靴を選ぶ クッション性が高く、着地の衝撃を吸収できる かかと部分に安定感があり、歩行時にぶれにくい 中敷きを使用して衝撃を和らげたり、安定性を高める サイズの合った靴や股関節への負担を軽減できる靴を選ぶことで、痛みの緩和にもつながります。 今の靴が自分の症状に合っているか、見直してみましょう。 正座やあぐらで座る 正座やあぐらの姿勢は股関節を深く曲げることになり、大きな負担がかかるため変形性股関節症の方は避けたい動作です。 和式トイレの使用や低い椅子での立ち座りは膝を深く曲げる体勢になりやすく、関節にストレスを与えます。 日常生活では脚つきの椅子や洋式トイレを使用し、膝の角度が90度以下にならないよう心がけましょう。 住環境を和式から洋式に変える意識が、股関節への負担軽減につながります。 変形性股関節症でやってはいけないことを続けるリスク 変形性股関節症において、股関節に負担の大きい行動を続けるリスクを解説します。 疼痛が強くなる 日常生活が困難になる 治療の選択肢が限られる リスクを回避するためにはやってはいけないことを理解し、日常生活や職場での行動を見直してみましょう。 疼痛が強くなる 変形性股関節症は、股関節に負担がかかる動作や姿勢を続けると症状の進行が進み、疼痛が強くなる可能性があります。 疼痛は、強い痺れを感じる人や焼けるような感覚など、痛みの感じ方には個人差があります。 股関節の負担を軽減するために体重管理を徹底し、膝や腰を深く曲げるような動作は避けましょう。 日常生活が困難になる 股関節に負担をかけ続けると、変形性股関節症の症状が悪化したことによる痛みで日常生活が送るのが難しくなる可能性があります。 重度の変形性股関節症では歩行できないほど痛みが強くなるなど、日常生活を送れなくなるケースもあります。 歩行困難になると、仕事に行けなくなることはもちろん、スーパーやコンビニなどへの簡単な外出も難しくなるでしょう。 治療の選択肢が限られる 変形性股関節症が進行することで、治療の選択肢が限られてしまう点も大きなリスクです。 初期の変形性股関節症では、リハビリや運動療法、薬物療法など幅広い治療法の中から症状に適した治療を行います。 しかし、股関節に負担がかかる生活を続けていると症状が進行し、「手術しないと治らない」という状況になる可能性があります。 人工関節置換術や骨切り術など、手術リスクや術後のリハビリテーションが必要な治療が必須になってしまいます。 変形性股関節症を悪化させないための工夫 股関節への負担や禁忌肢位を避けて生活するためのポイントは、以下の3つです。 正しい姿勢を意識する 体重管理を徹底する サポート用具を活用する 少し意識を変えるだけでも、股関節の負担軽減が見込めます。 日常生活の中で無理なく取り入れましょう。 正しい姿勢を意識する 股関節の負担を軽減するには、姿勢の意識が重要です。 姿勢が悪いと股関節に余計な力がかかり、痛みや変形の進行を招く恐れがあります。 また、長時間同じ姿勢で過ごすことも関節に負担を蓄積させる要因となるため、こまめに姿勢を変える習慣を身につけましょう。 股関節への負担を減らすための正しい姿勢の例は、以下のとおりです。 耳、肩、腰、膝、くるぶしが一直線になるように立つ 骨盤を立てて座る 足を組まずに両足を床につけて座る 座面の高さは膝が90度になるように調整する 長時間座る場合は30分〜1時間ごとに立ち上がる 両足を肩幅に開き、かかとを壁につけて立つと正しい姿勢ができているか確認できます。 後頭部、胸の後ろ、お尻が壁につき腰の後ろに手のひらが入る程度の隙間があれば、姿勢はおおむね良好です。 また、トップスとボトムスの脇のラインの縫い目がまっすぐになっているかもチェックの目安になります。 小さな意識を積み重ねて、股関節へのダメージ軽減につなげましょう。 体重管理を徹底する 股関節への負担を軽減するには、適正体重の維持が不可欠です。 体重が増えると股関節への圧力も大きくなり、痛みや変形の悪化リスクが高まります。 股関節に負担の少ない運動を選ぶことで、痛みを悪化させずに健康的に体を動かせます。 股関節にやさしい運動の例は、以下のとおりです。 ウォーキング(平坦な道をゆっくりと) 水中ウォーキング 水泳 自転車 ヨガやピラティス(関節に負荷をかけすぎない動作) 股関節まわりのストレッチや軽い筋トレ 日常的に無理のない範囲で運動習慣を取り入れ、体重増加を防ぎましょう。 以下の記事では、股関節の強化に効果が見込める踏み台昇降について紹介しているので参考にしてください。 サポート用具を活用する 立ち上がるときや歩くときに股関節へかかる負担を減らすために、サポート用具を活用するのも一つの選択肢です。 サポート用具の一例は、以下のとおりです。 杖 歩行時や立ち上がるときの股関節への負担を軽減 クッション性の高い靴 歩行時の衝撃を吸収し、関節への負担を減らす 中敷き 安定性やフィット感を向上させ、歩行をサポート 手すり 立ち座りや歩行の補助に役立つ 椅子用クッション 座るときの負担を和らげる 痛みの予防や進行抑制のためにも、無理をせずにサポート用具の使用を検討しましょう。 変形性股関節症の治し方|主な治療方法 変形性股関節症の治療法は、主に以下の3種類です。 保存療法 手術療法 再生医療 まずは保存療法から始めることが一般的で、保存療法でも改善しない場合や悪化した症状には手術療法を検討されるケースがあります。 また、手術しない治療法として注目されている再生医療も選択肢の一つです。 それぞれの治療方法について詳しく解説します。 保存療法 保存療法では、股関節にかかる負担を軽減して、症状の進行を抑えることが目的となります。 主な保存治療には、以下のようなものがあります。 薬物療法 リハビリテーション 運動療法 物理療法 生活習慣の改善指導 保存療法では、股関節周辺の筋力や柔軟性を向上させることで、股関節への負担を軽減することが重要です。 しかし、対症療法である保存療法では、変形性股関節症の原因を根本的に治せるわけではないことを覚えておきましょう。 手術療法 保存療法を半年程度継続しても症状の改善が見られない場合は、手術療法が検討されるケースがあります。 変形性股関節症で行われる手術は、主に以下のとおりです。 手術方法 内容 股関節鏡視下手術 内視鏡で関節軟骨の傷んだ部分を切除する手術 骨切り術 骨盤や大腿骨の骨を切り、一部を移動させることで股関節の形を矯正する手術 人工関節手術 損傷した股関節を人工関節に置き換える手術 手術には入院が必要ですが、手術の翌日から歩行訓練を開始されることが多いです。 一般的には1週間から3週間程度で退院できますが、術式によっては1〜2ヶ月ほど入院しなければならないケースもあります。 再生医療 再生医療とは、損傷した組織の機能を取り戻すために、人間が持つ自己修復力を活かした治療方法です。 治療には患者さま自身の幹細胞を用いた「幹細胞療法」と血液から抽出した血小板を用いた「PRP療法」があります。 再生医療による治療は、手術や入院の必要がないので、日常生活を送りながら治療ができるのは大きなメリットです。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性股関節症に対する再生医療の治療法や症例を無料で配信しています。 「変形性股関節症を手術せずに治したい」という方は、ぜひチェックしてみてください。 変形性股関節症でやってはいけないことでよくある質問 変形性股関節症でやってはいけないことでよくある質問に答えていきます。 変形性股関節症の貧乏ゆすりはやってはいけない? 変形性股関節症でやってはいけないストレッチは? 股関節に負担をかけない寝方は? 以下の内容を参考にして日常生活を送りましょう。 変形性股関節症の貧乏ゆすりはやってはいけない? 変形性股関節症では貧乏ゆすりと似た動きのジグリング※という動きを運動療法として取り入れています。 ※出典:PubMed つま先を床につけた状態で左右のかかとを小刻みに上下させて、かかとは床から2センチ程度上げます。 関節に負担をかけることなく動かせる方法としておすすめです。 変形性股関節症でやってはいけないストレッチは? 変形性股関節症の方は、関節に負担のかかるストレッチは避けましょう。 誤ったストレッチは痛みや炎症を引き起こす恐れがあります。 とくに、以下のような動きは控えましょう。 ストレッチの内容 例 曲げ伸ばしや回旋(ねじれ)を伴うストレッチ 合蹠のポーズ 股関節に強い負荷をかけるストレッチ ダウンドッグ 長時間同じ姿勢で行う静的ストレッチ 立ったまま上半身だけを伸ばす動き ストレッチを行う際は痛みが出ない範囲で、股関節に優しい方法を心がけましょう。 股関節に負担をかけない寝方は? 股関節に負担をかけない寝方は、横向きや仰向けで脚を自然な位置に保つ姿勢です。 変形性股関節症の方は、就寝時の姿勢によっても関節への負担が変わります。 以下のような寝方を試してください。 仰向けで寝る場合|膝の下にクッションを入れる 横向きで寝る場合|膝の間にクッションを挟む 股関節にやさしい姿勢は、痛みの軽減や症状の進行予防につながります。 医師や理学療法士と相談しながら、自分に合った就寝スタイルを整えましょう。 変形性股関節症による股関節の痛みには再生医療をご検討ください https://youtu.be/isSkwxfHrbI?si=HLJixXMRjySQZh6M 変形性股関節症を悪化させないためには、やってはいけないことを理解し、日常生活の中で注意することが大切です。 長時間の立ち仕事 膝を深く曲げる 激しい運動 急激な体重増加 重量物の持ち運び 脚に負担のかかる靴の着用 正座やあぐらで座る 股関節に痛みや違和感がある場合には、我慢せずに医療機関を受診しましょう。 治療を続けても改善が見られない場合や、手術を勧められたものの手術や人工関節は避けたい場合には、再生医療による治療が選択肢の一つです。 再生医療は、手術や入院をせずに変形性股関節症を治療できる方法として注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、変形性股関節症に対する再生医療の治療法や症例を無料で配信しています。 「変形性股関節症を手術せずに治したい」という方は、ぜひチェックしてみてください。
2019.05.08 -
- 変形性股関節症
股関節の痛みに悩まされる高齢者の方にとって、人工股関節置換術は活動的な生活を送るための手段の1つです。 しかし、手術後は日常生活に戻るため、長期的なリハビリを行う必要があります。 本記事では、高齢者の人工股関節置換術後のリハビリ内容・リハビリの流れと全体像について解説します。 また手術後の注意点やリハビリを継続するための工夫についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。 人工関節置換術を検討している方や、ご家族の方のお役に立てる情報をお届けします。 一方で、「できれば手術は避けたい」「手術のリスクが不安」という方には、人工関節に頼らない新しい治療法として再生医療という選択肢もあります。 >>股関節の症例についてはこちら 当院(リペアセルクリニック)の治療法や実際の症例については、公式LINEでも詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 高齢者の股関節手術で選択される人工股関節置換術について【前提知識】 人工股関節置換術とは、加齢などに伴ってすり減った股関節の骨や軟骨を取り除き、人工の関節(インプラント)に置き換える手術です。 英語では「Total Hip Arthroplasty」といい、略してTHAとも呼ばれます。 人工関節は金属・セラミック・ポリエチレンなどで作られており、摩耗した関節を人工物に置き換えることで痛みを軽減し、歩行や日常生活の質を改善できます。 人工股関節置換術は、以下の手順で進められることが一般的です。 麻酔を実施 股関節周辺の皮膚を切開 傷んだ大腿骨頭を切除し、代わりに金属製のステム(棒)を大腿骨に挿入し、先端に人工の骨頭(ボール)を取り付ける 臼蓋側(骨盤側)の傷んだ軟骨を削り、金属製のカップをはめ込む カップの内側にポリエチレンなどでできたライナーを装着 骨頭ボールをカップにはめ込み、関節の動きを確認後、縫合 近年では、筋肉を極力切らない低侵襲手術も普及しており、術後の回復やリハビリの負担が軽減されつつあります。 高齢者の人工股関節術後(THA)のフェーズ別リハビリ内容 高齢者の人工股関節術後(THA)のフェーズ別リハビリ内容は、以下の通りです。 手術後1週目:安静と日常的な運動を始める 手術後2~4週目:可動域と筋力回復訓練 手術後1~3か月:歩行・日常生活に戻るための練習 今回は、手術後1週目から3か月後にかけてのリハビリ内容を紹介します。 具体的にどのような訓練を行うのか解説していくので、ぜひ参考にしてください。 手術後1週目:安静と日常的な運動を始める 手術後1週目は、安静を基本としつつ、早期離床に向けての準備段階の時期です。 体位変換(体の位置や向きを変える介助)を定期的に行い、褥瘡の予防に努めましょう。 運動は主に足首の曲げ伸ばしや、ふくらはぎのポンプなど、深部静脈血栓の予防運動が中心となります。 ベッド上での簡単な運動から始めて徐々に活動範囲を広げていき、痛みの程度を確認しながら無理のない範囲でリハビリを進めましょう。 また手術後1週目は日常生活動作への導入として、寝返りや起き上がりなどの練習を開始する時期でもあります。 術後の状態や回復具合に合わせて、理学療法士や医師の指示のもと、慎重にプログラムを進めていくことが重要です。 手術後2〜4週目:可動域と筋力回復訓練 手術後2〜4週目は、可動域と筋力回復訓練が中心です。 【主なリハビリ内容】 股関節の可動域訓練 筋力強化訓練 立位・歩行訓練の導入 歩行器や杖を使った訓練を開始し、徐々に歩行距離を伸ばしていきます。 大腿四頭筋や臀筋の強化を目的とした運動療法も、積極的に行う場合が多いです。 日常生活動作に必要な筋力と可動域の改善を目指し、階段昇降などの練習を始めていくケースもあります。 痛みのコントロールと状態観察を継続しながら、退院後の生活を見据えたリハビリを進めていきましょう。 手術後1〜3か月:歩行・日常生活に戻るための練習 手術後1~3か月は、安定した歩行の確立を目指す段階です。 自立して歩けるように、必要に応じて杖の使用を継続しましょう。 加えて買い物・調理・トイレ動作などのADLトレーニングを実施し、退院後の生活をスムーズに送れるよう療法士が支援します。 また、筋力維持・向上のための運動療法を継続し、自主トレーニングについても指導を行います。 この段階のリハビリは、「焦らず、しかしあきらめず」の姿勢が大切です。 日々の小さな変化や前進を前向きに捉え、継続する意志と自己肯定感を持って取り組むことが、回復への大きな力となります。 人工股関節術後のリハビリの流れと全体像 人工股関節術後のリハビリの流れと全体像は、以下の通りです。 術後リハビリのフェーズ(術後直後~退院後) 歩行・自立までの目安 術後は簡単なリハビリから始め、徐々に歩行・自立を目指します。 ここからは、2つの段階に分けて解説していきます。 術後リハビリのフェーズ(術後直後~退院後) 術後早期は、疼痛管理と基本的な運動から開始し、徐々に可動域訓練や筋力強化に移行します。 退院前には、日常生活動作(ADL)の練習を集中的に行い、社会復帰に向けた準備を整えます。 退院後は、自宅での自主トレーニングを継続し、定期的な外来リハビリで経過を確認するフェーズに移行します。 活動的な日常生活の維持と、再手術のリスク軽減を目標にリハビリを継続していきましょう。 一人ひとりの状態や経過に合わせた、段階的かつ継続的なリハビリが重要です。 歩行・自立までの目安 歩行・自立までの目安は、一人ひとりの状態や手術の経過によって異なります。 時期 到達目標 術後〜1週 立位保持 2〜4週 杖を使った歩行訓練開始 1〜3か月 杖卒業・自立歩行の練習 3か月以降 屋外歩行の練習 人工関節置換術は身体への負担が大きく、回復までに個人差がある点に注意が必要です。 リペアセルクリニックでは、変形性股関節症に対し、自己脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療を提供しています。 この治療法は手術をせずに、損傷した軟骨の修復を促し、痛みを軽減することを目指します。 培養した幹細胞を股関節に注射することで、軟骨の再生を促し、関節機能の改善が期待できるでしょう。 高齢者が人工股関節術後の生活で気をつけること 高齢者が人工股関節術後の生活で気をつけることは、以下の通りです。 家の中の安全対策 脱臼を防ぐ動作や生活習慣 杖や補助具の使い方 歩行や自立が成功しても、思わぬ事故が起こり、再手術するケースは珍しくありません。 再手術や怪我をするリスクを下げるためにも、日常生活の中で対策を行いましょう。 家の中の安全対策 転倒は再手術や更なる怪我のリスクを高めるため、家の中での安全対策が必要です。 可能な限り段差の解消や手すりの設置を行い、移動の安全性を確保しましょう。 また転倒防止のために、滑りにくいマットの活用も有効です。 電気コードやカーペットの端など、つまずきやすいものの整理も忘れないようにしましょう。 さらに明るい照明を確保し、夜間の移動にも配慮することで、より安全な生活を送ることができます。 脱臼を防ぐ動作や生活習慣 術後の生活では、股関節に過度な負担をかけないことが重要です。 【日常で注意すべき動作】 深く腰をかがめる ↳座った状態で足を組む・床にある物を拾う・和式トイレの使用など 股関節を内側にねじる動作 ↳片足立ちで靴を履く・布団の上で方向転換する動作など 特に、深く腰を曲げる、足を大きく開く、内側にひねるなどの動作は避けるように心がけましょう。 また睡眠姿勢や椅子の腰掛け方など、日常の「クセ」にも注意が必要です。 仰向けで寝る、座る際には深く腰掛けすぎない、立ち上がる際には手すりを利用するなどの工夫も重要となってきます。 長時間の同一姿勢も股関節に負担をかけるため、適度に体勢を変えるようにしましょう。 杖や補助具の使い方 杖や補助具を使用する際は、医師や理学療法士の指示に従い、適切な種類と長さを選ぶことが大切です。 術後間もない方(特にバランス不安定な方) ↳歩行器または四点杖 ゆっくり歩けるが、まだふらつきがある方 ↳四点杖または多脚杖 屋外でもある程度歩ける方 ↳T字杖(一本杖) 歩行時には、杖を体のやや前方に突き出し、杖を突くタイミングと反対側の足を一緒に出すよう意識しましょう 正しい使い方を身につけることで、転倒のリスクを減らし、安全に活動範囲を広げることができます。 また補助具に頼りすぎず、徐々に自力で歩けるように訓練することも大切です。 高齢者がリハビリを続けるための工夫 高齢者がリハビリを続けるための工夫は、以下の通りです。 モチベーション維持のポイント 家族や介護者のサポート方法 歩行・自立を成功させるには、日々のリハビリが欠かせません。 1日でも早く歩行・自立した状態になるためには、家族や介護者のサポートが必要です。 ご家族や介護者の協力を得ながら、共に日々のリハビリを継続して、回復を目指していきましょう。 モチベーション維持のポイント モチベーション維持のためにも、小さな成功体験を積むことを意識しましょう。 小さな成功体験は、リハビリへの更なる意欲に繋がります。 例えば「少しだけ歩けた」「痛みが少し和らいだ」など、些細なことでも家族や友達と喜びを共有しましょう。 そのためにも家族やスタッフの声かけが大切であり、励ましや応援の言葉が大きな支えとなります。 家族や介護者のサポート方法 家族や介護者のサポートは、高齢者が安心してリハビリに取り組み、日常生活に戻る上で欠かせません。 一緒に散歩や体操をすることで、身体的なサポートはもちろん、精神的な支えにもなります。 また生活リズムの見守りも重要な役割です。 規則正しい生活は、身体機能の回復を促し、意欲の維持にも繋がります。 さらに温かい励ましと理解を示すことが、高齢者にとって大きな心の支えとなります。 高齢者の人工股関節置換術後のリハビリに関するよくある質問 高齢者の人工股関節置換術後のリハビリに関するよくある質問と回答は以下の通りです。 高齢者が股関節の手術を行うリスクは? 人工股関節の手術は80歳でもできる? 高齢者が股関節の手術を行うリスクは? 高齢者が股関節の手術を行う際には、以下のようなリスクが起こる可能性があります。 感染(手術部位感染) 血栓症・肺塞栓症 脱臼・骨折 人工関節のゆるみ 人工股関節置換術は、高齢者にとって生活の質を改善できる有効な治療法です。 しかし一方で、高齢者は基礎疾患を抱えているケースが多く、合併症(後遺症)のリスクが高まることも事実です。 とくに糖尿病や心疾患、関節リウマチなどの病歴がある場合は、術後に合併症を起こしやすいため、事前に医師と相談し、自身の体調や生活環境に合わせた治療方針を立てましょう。 人工人股関節の手術は80歳でもできる? 人工股関節置換術は80歳を超えていても受けられるケースがあります。 ただし、以下のような高齢者ならではのリスクも理解しておくことが大切です。 筋力低下・姿勢の変化 寝たきり 心肺機能への負担 基礎疾患の影響 このように人工股関節の手術は年齢だけで判断せず、現在の体力や心肺機能、基礎疾患の有無、リハビリ環境などを総合的に考えることが重要です。 痛みにより生活の質が大きく低下している場合は、主治医と相談しながら最適な治療法を検討しましょう。 人工股関節置換術後は、元の生活に戻るために適切なリハビリが重要 人工股関節置換術は、変形性股関節症などで強い痛みがある方に有効な治療法ですが、高齢者ではリハビリの負担や合併症のリスクが課題となります。 元の生活に戻るためにも、家の中での安全対策や生活習慣、家族やスタッフのサポートが欠かせません。 当院(リペアセルクリニック)では、再生医療とリハビリを組み合わせた、より積極的な機能回復支援を提供しています。 幹細胞を活用した自己脂肪由来の幹細胞を培養・投与することで、損傷した軟骨の修復や炎症の抑制が期待でき、人工関節手術の回避や進行を遅らせる効果が期待できます。 実際に当院(リペアセルクリニック)で再生医療とリハビリを受けられた患者様の声を、以下に紹介していますので、ぜひご覧ください。 https://youtu.be/geO1CJsL-D4 自己の細胞を活用した治療は安全性が高く、将来的な関節の健康維持にもつながる選択肢です。 股関節の痛みや将来の手術に不安を抱えている方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 治療法や症例については、公式LINEでも詳しくご紹介しています。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/
2019.05.08