正座ができない原因は?膝の痛みを和らげる対処法や再生医療も解説
公開日: 2019.04.22更新日: 2025.06.30
「正座ができないほど膝が痛い原因は?」
正座ができないほど膝に痛みを感じると、日常生活にも大きな影響が出て悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、正座ができないときに考えられる疾患や、対処法について解説します。
- 正座ができない痛みの原因
- 正座が痛くてできないときの対処法
- 正座ができない膝の痛みを和らげる方法
- 再生医療について
日常生活の中で正座をする機会が多い方や、急に正座ができなくなるほど膝に痛みがある方は、ぜひ参考にしてください。
また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、突然の膝の痛みを改善できる可能性がある再生医療に関する情報を配信中です。
「正座できないほどの痛みを何とかしたい」「膝の痛みを早く治したい」という方は、ぜひご覧ください。
目次
正座ができないほどの痛みの原因
正座をしたときに痛みを感じる場合、主に以下の原因が考えられます。
正座をしたときに限らず、正座をするとき以外にも膝や脚に痛みを感じる場合は、変形性膝関節症などの疾患の可能性があります。
以下では、それぞれの原因について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝の関節軟骨がすり減ってしまうことで、痛みと変形を引き起こす疾患です。
関節軟骨が摩耗してしまうと、体重がかかったときにクッション作用が機能しにくくなり、骨同士がぶつかることで強い痛みを感じます。
変形性膝関節症になりやすい人は、以下の通りです。
- 50歳以上
- 女性
- 肥満
- 膝に負担がかかりやすい仕事をしている
- 膝に負担がかかるスポーツの経験者
- リウマチや骨壊死の既往歴がある
とくに中高年に多く見られ、症状が進むと膝を動かせる範囲が制限されていき、末期になると膝の変形が見られます。
膝をぶつけたり捻ったりしたわけでもないのに、正座をすると痛い、または正座ができない場合は変形性膝関節症が疑われます。
変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減ってしまうことで、正座や歩行をするときに痛みを感じるようになる疾患です。
股関節の疾患ですが、股関節の痛みや変形によって、膝関節に負担がかかりやすくなり膝の痛みの原因となるケースがあります。
発症する原因によって、変形性股関節症は2種類に区分されています。
変形性股関節症の種類 | 原因 |
一次性変形股関節症 | ・加齢 ・体重増加 ・肉体労働 ・過度な運動 |
二次性変形股関節症 | ・寛骨臼形成不全 ・発育性股関節形成不全 |
上記の通り、一次性股関節症はなんらかの病気によって変形性股関節症になるわけではなく、加齢や体重の増加など、股関節に過度な負荷がかかり軟骨がすり減ることで炎症が起こります。
一方で、二次性股関節症は股関節の構造自体に異常が見られる場合や、股関節周辺に生じたケガなどが原因です。
靭帯損傷
正座ができないほど膝に痛みを感じる場合は、靭帯を損傷している可能性があります。
膝周辺には、以下の4つの靭帯が存在しています。
- 前十字靭帯
- 後十字靭帯
- 内側側副靭帯
- 外側側副靭帯
上記の4つの靭帯のうち、前十字靭帯と後十字靭帯は関節内にあり、内側側副靭帯は関節の内側、外側側副靭帯は外側にあります。
いずれかの靭帯を損傷している状態の場合、正座をすると膝の屈曲角度が鋭角になり、損傷している靭帯に牽引力がかかり痛みを感じます。
靭帯損傷によって膝が腫れている場合には、正座で膝を曲げると関節内の圧力が高まり痛みを感じる場合もあります。
加齢による関節機能や筋力の低下
加齢による関節機能や筋力の低下も正座ができなくなる原因の一つです。
若いときには問題なく正座ができていても、年齢を重ねるにつれて関節機能や足の筋肉量が低下し、正座をつらく感じるようになります。
また、関節機能や筋肉量が低下すると、身体を動かす運動や外出をするのも億劫に感じるようになり、運動不足がさらに症状を悪化させる可能性が高いです。
運動不足が続くと、さらに関節機能や筋肉量の低下が起こるため、結果的に正座がつらい症状がひどくなることが考えられます。
肥満によって膝への負担が大きい
正座ができなくなるほどの痛みを感じる原因には、肥満による膝への負担が挙げられます。
普段の生活の中で、身体の重みを膝が支えているため、肥満で体重が重いと膝にかかる負担が大きいです。
また、正座をしているときには、足に身体の重さがのしかかります。圧迫によって筋肉や神経に負担がかかるため、痛みやしびれが出て、正座を続けるのが難しくなるでしょう。
肥満は、正座が難しくなる直接の原因であるだけでなく、変形性膝関節症や変形性股関節症の原因にもなるため、注意が必要です。
正座ができないほど膝に痛みがあるときの対処法
膝が痛くて正座ができないときの対処法を紹介します。
症状の悪化を防ぐためにも、早めの対処が大切です。
膝への負担を避けて生活する
正座ができないほど膝に痛みがあるときは、膝に負担をかけないように生活しましょう。
- 階段を避けてエスカレーターを使う
- 膝を大きく曲げる動作を避ける
- 座るときはイスを使う
- 長時間の立ちっぱなしや歩行を避ける
無理に正座をすると、骨や筋肉に大きな負荷がかかり、身体に歪みが生じることが可能性があります。
正座をしなければいけない状況の場合は、理由を説明して理解してもらい正座以外の座り方をしましょう。
定期的に姿勢を変える
長時間同じ姿勢を続けることや、動き出しの動作で痛みを感じるのは筋緊張が原因の可能性があるので、定期的に姿勢を変えましょう。
例えば、長時間椅子に座っていた後に正座をして痛みが出るなら、椅子に座っている段階から15分に1回は立つといった対策が必要です。
どのような体勢であっても、長時間同じ姿勢を続けるのは筋緊張を招くため、こまめに姿勢を変えるようにしてください。
また、長時間同じ姿勢でいると血流が悪化する可能性もあり、筋肉の炎症が起こる原因となります。
正座ができない膝の痛みを和らげる方法
正座ができないほど膝に痛みがあるときに、痛みを和らげる方法を紹介します。
膝を温めて血行を促進する
膝を温めて血行を促進すると、痛みを和らげる効果が期待できます。
- ひざ掛けを使う
- 毎日入浴をする
逆に膝を冷やすと血流の低下によって筋肉が動きにくくなったり、痛みを感じやすくなるため、膝を冷やさないように注意しましょう。
太ももやふくらはぎをストレッチする
膝の痛みを和らげるには、膝に負担がかからない運動が大切で、太ももやふくらはぎのストレッチがおすすめです。
- 【太もも】伸ばしたい方の足の甲を反対側の手で持ち、お尻に近づけて伸ばす
- 【ふくらはぎ】椅子に座り足の外くるぶしを反対側の太ももにのせ、手で足首・足の甲を伸ばす
- 【両方】椅子などに踵をのせてつま先を上げ、胸を膝に近づけて足首を内側にねじる
ストレッチは膝の痛みを和らげる効果が期待されますが、長時間続けるなど、無理をすると逆効果になりかねません。
無理のない範囲で毎日継続的に行いましょう。
運動習慣を身につける
運動習慣を身につけると、筋力や柔軟性の向上や体重管理に効果的です。
加齢によって筋肉の柔軟性が低下しやすくなりますが、定期的に運動をする習慣が身についていると、筋力や柔軟性を維持できます。
ウォーキングなどの膝への負担が少なく、自分のペースでできる運動から始めてみましょう。
場所も道具も必要なく、費用もかからないため今からでも始められます。
正座ができないほど膝に痛みがあるなら再生医療の選択肢も
正座ができないほどの膝の痛みにお困りの方には、「再生医療」による治療も選択肢の一つです。
再生医療とは、人間の持つ再生力を活用し、損傷した組織の再生・修復を図る医療技術のことです。
変形性膝関節症、変形性股関節症によって摩耗した関節軟骨の改善にも期待できる治療法として注目されています。
再生医療では、患者さまから採取した幹細胞を体外で培養し、規定量まで増殖した後に再び患者さまの身体に戻します。
患者さま自身の細胞を身体に戻すため、拒絶反応やアレルギー反応が起こりにくい治療方法です。
入院や手術が不要で、日常生活を送りながら治療できるため、幅広い方に適応な治療です。
正座ができないときは膝への負担を避けて生活しよう
正座ができない原因には、変形性膝関節症や靭帯損傷などが考えられます。
膝を温める、ストレッチをするなどの対処法で改善する場合もありますが、痛みが続く場合は早めに医療機関での受診が大切です。
また、正座をするときに痛みを早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。
当院リペアセルクリニックは、再生医療専門のクリニックで入院や手術不要で膝の痛みや正座ができない症状の緩和を目指します。
公式LINEでは、再生医療に関する情報を配信しているので「膝の痛みを早く治したい」という方は、ぜひご覧ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設