免疫力は血液型で変わる?血液型ごとにかかりやすい病気や免疫力を高める方法について解説
公開日: 2020.07.03更新日: 2025.04.30
「血液型によって免疫力に違いがある?」と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
免疫力の違いが血液型によって異なるされることは、さまざまな研究で発表されています。
本記事では、血液型によって免疫力が異なる理由や、治療によって免疫力を高める「免疫細胞療法」についてご紹介します。
目次
免疫力が血液型ごとに異なる理由
細菌の中に潜む抗原にも血液型のような型があり、A型の人には抗原A型の細菌が入りやすいため、血液型ごとに免疫力が異なります。
そもそも血液型がA・B・O・ABの4種類に分類されているのは、血液内の赤血球にある抗原の種類によるものです。
免疫反応を引き起こす物資のことを抗原と呼びます。
血液中の免疫細胞には細菌などから体を守る働きがありますが、自分の細胞を破壊しないために同じ抗体の型をもつ血液を攻撃しない性質が備わっています。
体内に細菌やウイルスなどの抗原が浸入すれば排除するために抗体が作用しますが、A型の人にはA型の細菌、B型の人にはB型の細菌など同じ抗体の型を持つ細菌には免疫機能がうまく作用しません。
病気のリスクに血液型が関係しているのは、それぞれの血液型と結合しやすい抗原が細菌やウイルスごとに異なるためです。
血液型ごとの免疫力の特徴やかかりやすい病気
それぞれの血液型が持つ免疫力に関する特徴と、どのような病気に注意が必要なのかを解説します。
以下では、それぞれの血液型の特徴について詳しく解説していきます。
O型
人類の先祖が持つ血液型だったといわれているO型はもっとも免疫力が高い血液型で、さまざまな病気にかかりにくい特徴があります。
しかし、十二指腸潰瘍やノロウイルスには注意が必要です。
O型には十二指腸潰瘍の原因となるピロリ菌の受容体が多いことが関係しており、他の血液型より発症率が高いこともわかっています。
対策としては、ピロリ菌の感染を防ぐことが大切なので、定期的な検査を受けましょう。
B型
B型はO型に次いで、免疫力が高い血液型です。
同じB型の性質を持っている抗原であるサルモネラ菌・病原性大腸菌・肺炎球菌に感染しやすい特徴があります。
また、数年に1度大流行するA型インフルエンザにもかかりやすいといわれています。
B型の人は結核のリスクも高いため、健康診断など定期的に肺のレントゲン検査を行う方法があります。
A型
A型は免疫力があまり高くない血液型で、感染症に対する抵抗力も弱く、風邪をひきやすい特徴が挙げられます。
例えば、A型の人はO型の人と比べて糖尿病になるリスクが1.1倍高い※という研究結果があります。
※出典:PubMed
しかし、発症リスクが血液型だけで左右されるわけではないため、免疫力を高めることが重要です。
風邪をひきやすい、体調不良になりやすい方は、生活習慣や運動習慣を改善して、免疫力を高めましょう。
AB型
AB型は、A型とB型のそれぞれの抗原を持っているため、血液型の中でも免疫力が低いとされています。
そのため、他の血液型と比べてさまざまな細菌やウイルスにかかりやすいです。
しかし、AB型は細菌などの微生物による感染症に対抗できる抗体をつくる免疫系を持っているため、アレルギーにはかかりにくいです。
また、自己免疫疾患である皮膚炎や関節炎なども、かかりにくいとされています。
免疫力を血液型に関わらず高める方法
免疫力は血液型別に異なりますが、免疫力を高める方法は、どの血液型にも共通しています。
以下で紹介する3つの方法で、免疫力を高めて健康的な生活をめざしましょう。
重要なのは血液型ではなく、免疫力の低下を防いだり免疫力を高めることです。
以下では、自宅でも簡単に免疫力を高められる方法について詳しく解説します。
食事や運動などの生活習慣を改善する
免疫力を高めるためには、まず食事や運動などの生活習慣を見直しましょう。
食事は栄養のバランスを考え、1日3食毎日同じような時間に食べることが望ましいです。
また、スポーツクラブに通うなど定期的な運動が理想的ですが、難しい場合は生活の中で運動できる機会を探す方法もあります。
1つ先の駅やバス停まで歩いたり、エレベーターを使用しないで階段を使ってみたりすることから始めましょう。
腸内環境を整える
免疫細胞の約7割は腸に生息しているため、腸内環境を整えることで免疫力向上につながります。
腸内環境を整えるには、食物繊維を多く摂って善玉菌を増やしましょう。
食物繊維は水に溶ける水溶性と、水に溶けない不溶性がありますが、善玉菌を増やすのに有効なのは水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維を多く含むものは、海藻類や大麦、果物などが挙げられます。
適度にストレスを発散する
日々のストレスは免疫力の低下につながるため、適度にストレス発散することで免疫力低下を防ぎましょう。
スポーツで汗を流したり、友人たちと楽しく話したりするなど、自分なりのストレス発散方法を見つけることが重要です。
しかし、飲酒や喫煙、暴飲暴食といった方法は、免疫力低下につながり逆効果になるため注意しましょう。
血液型による免疫力に不安がある方は「免疫細胞療法」も選択肢の一つ
血液型による免疫力に不安がある方は、生活習慣などの改善とあわせて免疫細胞療法も検討してみましょう。
免疫細胞療法とは、NK細胞などの免疫機能に関わる細胞を血液から取り出して培養し、点滴で本人の体内に戻す治療のことです。
患者さま本人の細胞のみを用いるため、アレルギー反応や拒絶反応などの副作用リスクが少ない点がメリットです。
この副作用の少なさが注目され、近年ではガンの治療法として用いられることがあり、再発予防にも効果が期待できます。
再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。
【まとめ】免疫力は血液型で異なる!免疫力を高める方法を実践しよう
血液型と同じ型を持つ抗原には免疫作用が働きづらいため、血液型によって免疫力は異なります。
しかし、風邪や病気のかかりやすさが全て血液型で左右されているわけではないため、病気にかからないためには免疫力を高めることが大切です。
免疫力を高める方法は、生活習慣を改善したり、腸内環境を整えたり、ストレスを溜めないことが有効です。
近年では、生活習慣の改善と併用して「免疫細胞療法」によって免疫力を向上させる治療が注目されています。
「免疫力を高めてさまざまな病気の予防をしたい」という方は、ぜひ免疫細胞療法をご検討ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
略歴
2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業
2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医
2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科
2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科
2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科
2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長