膝が骨壊死したらどうなる?治る見込みや治療法について医師が解説

公開日: 2020.06.16
更新日: 2025.08.30

膝が骨壊死すると痛みを感じるだけでなく、膝関節の可動域制限などの症状が現れます。

放置すると症状の悪化や合併症のリスクにつながるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。

本記事では、膝が骨壊死したらどうなるのか、治る見込みはあるのかについて詳しく解説します。

従来の治療では難しいとされていた壊死した骨の根本的な改善を目指せる再生医療についても紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

\治療困難な骨壊死の完治を目指す再生医療とは/

再生医療は、従来の治療では難しかった骨壊死の根本的な改善が期待できる治療法です。

【こんな方は再生医療をご検討ください】

  • 膝の骨壊死が治るか不安を抱えている方
  • 手術せずに膝の痛みを治したい方
  • 人工関節は避けたい方

「膝関節の痛みに悩まされている」「手術するしかないと言われた」という方の新たな選択肢として、ぜひ検討してみてください。

具体的な治療法や回復見込みがあるかどうか、リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。

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以下の動画でも、骨壊死の再生医療についてわかりやすく解説しています。

膝が骨壊死したらどうなる?

膝の骨が壊死すると膝関節に痛みが生じ、日常生活に影響を与える可能性があります。

症状の程度や進行段階によって治療法が異なるため、まずは骨壊死がどのような状態なのかを診察してもらうことが重要です。

以下では、膝の骨壊死における自然治癒の可能性や症状、原因について詳しく解説します。

膝に骨壊死の初期症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

軽度な症状は自然治癒の可能性あり

軽度の骨壊死の場合、保存療法によって症状の改善がみられる可能性があります。

膝の骨壊死は、主に「ステージ1(発生期)」「ステージ2(吸収期)」「ステージ3(完成期)」「ステージ4(変性期)」と4つに分類されています。

研究結果では、初期症状(ステージ1)の方に対して、保存療法によって骨壊死が改善される結果が得られました。
※参考:日関病誌|保存療法による発症早期膝関節特発骨壊死の検討

軽度であれば症状が改善される可能性もありますが、進行すると軟骨が削れ、関節も変形していくため早期に治療を受けましょう。

膝が骨壊死したときの初期症状

膝が骨壊死したときの初期症状は、主に以下の4つです。

  • 突然膝の痛みを感じる
  • 安静時、夜間の膝の痛み
  • 膝の圧痛(押した時の痛み)
  • 膝がこわばる

初期症状では、突然膝の内側に痛みが現れます。とくに、階段の上り下りや歩行時に痛みを感じるケースが多いです。

また、症状が進行していなくても安静時や夜間に膝が痛む場合があり、悪化すると眠れないほど強い痛みを感じる場合があります。

上記のような症状にあてはまる方は、医療機関を受診して早期に治療を受けましょう。

膝が骨壊死する原因はわかっていない

血液の供給が不足することで骨が壊死しますが、具体的な原因はわかっていません

膝の骨壊死につながると考えられている要因は、主に以下の6つです。

  • ステロイドの長期使用
  • 過度の飲酒
  • 腎移植
  • 血液凝固障害
  • 半月板の損傷
  • 過去の骨折

しかし、先述のとおり明らかな原因がわからないため、原因の対策や対処が難しいです。

膝の骨壊死は中高年に多く発症するため、この年代で膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

膝の骨壊死を治療せずに放置するリスク

膝の骨壊死を放置すると、症状の悪化の他にも合併症を患うリスクがあります。

治療の選択肢がなくなるというリスクもあるため、膝の骨壊死は放置せずに医療機関の受診が重要です。

膝の骨壊死を放置するリスクについて、それぞれ詳しく解説します。

変形性膝関節症を合併する可能性

膝の骨壊死を治療せずに放置しておくと、変形性膝関節症を引き起こす可能性があります。

壊死した部分に関節液が流れ込むことで関節面が陥没し、膝の変形が徐々に進行してしまいます。

さらに、変形性膝関節症を合併すると、骨壊死の進行を抑えるのが難しくなり、症状が悪化することも少なくありません。

痛みに加えて関節が著しく変形するため、日常生活にも大きな支障をきたすようになります。

膝の骨壊死を放置すれば変形性膝関節症の合併リスクがあるだけでなく、症状の進行を早めてしまう可能性があるため、早期に治療を行うことが大切です

治療の選択肢がなくなってしまう

膝の骨壊死を放置すると、選べる治療法が次第に限られてしまう可能性があります。

初期段階では、レントゲンでの診断が難しく、骨壊死と判定されないことも少なくありません。

原因が不明のまま時間が経過し、最終的に膝の骨壊死と診断されるころには、手術が必要な状態になっているケースもあります。

初期の段階であれば壊死の範囲が狭く、保存療法による治療が可能です。

しかし、薬やリハビリで改善しない場合や、痛みが強くなってから受診した場合には、手術を選択することが多くなります。

膝の骨壊死は治る?主な治療法

膝の骨壊死に対する主な治療法は、3つあります。

症状によって治療法は異なります。

それぞれの治療法について、詳しく確認していきましょう。

保存療法

膝の骨壊死における保存療法では、主に薬物療法・理学療法・装具療法の3種類を併用して行います。

薬物療法は、主に痛み止めやヒアルロン酸注射を使用し、痛みや炎症をコントロールすることを目的とした治療です。

痛みや炎症が落ち着いてきたら、筋力トレーニングやストレッチなどの理学療法で膝周辺の筋肉や柔軟性を向上させ、骨壊死している部位への負担軽減を図ります。

また、膝の骨が壊死している状態だと、歩行するだけでも負荷がかかるため、装具療法も有効です。

膝を外側に曲げる外反装具やインソール(靴の中敷き)と呼ばれる足底装具、松葉杖などを用いて、膝周辺への負担を軽減させましょう。

手術療法

膝の骨壊死において、以下のような場合は手術療法が検討されるケースがあります。

  • 保存療法で痛みが治まらず、日常生活に影響が出るケース
  • 日常的に薬物療法に頼らなければいけないほど痛みが強いケース
  • 症状が進行して将来的に歩けなくなってしまう可能性が高いと医師が判断したケース

手術療法では、壊死部を除去してプレートで固定する方法と、膝関節を人工関節に置き換える方法があります。

壊死部だけを取り除いてプレートで固定すれば、関節機能の温存が可能です。

そのため、壊死の範囲が狭く、他の部分の状態が良い場合は、関節機能を温存する術式が適応されます

再生医療

従来の治療では、保存療法で症状が抑えられない場合や改善が見られない場合は、手術しか治療の選択肢がないといわれていました。

しかし、現在では先端医療である再生医療で治療できる可能性があります。

再生医療とは、患者さま自身の血液や幹細胞を用いて、損傷した組織の再生・修復を目指す医療技術のことです。

ご自身の血液や幹細胞を使うため、アレルギー反応などのリスクが少ないという特徴があります。

手術に抵抗がある方や、手術のための長期休暇が取りにくい方は、ぜひ再生医療による治療をご検討ください。

膝の骨壊死についてよくある質問

膝の骨壊死について、患者さまからよくある質問を紹介します。

骨壊死を放置するリスクや、骨壊死の痛みの特徴について解説します。

特発性膝骨壊死とは?

特発性膝骨壊死とは、膝関節の大腿骨の膝関節部分の内側にある丸い膨らみに壊死が起こる病気です。

突然の膝の痛み(とくに夜間の痛みや安静時の痛み)が特徴で、症状が進行すると日常生活にも大きな影響を与えます。

原因は不明ですが、加齢や外傷によって骨壊死が起こるケースがあります。

保存療法や手術療法などが治療に効果的です。

骨壊死を放っておくとどうなる?

骨壊死を放置すると症状が悪化し、痛みによって歩行や階段の上り下りが困難になる可能性があります。

また、変形性膝関節症を併発する恐れがあるため、膝の痛みにお悩みの方は医療機関を受診して、治療を受けてください。

初期段階の場合は、短期間の保存療法で痛みが緩和される可能性があります。

骨壊死はどんな痛み?

痛みの場所や程度は個人によって異なりますが、一般的に針で刺されたような強い痛みと表現されます。

初期は関節を動かしたときや体重をかけたときに痛みを感じますが、進行とともに安静時にも関節に痛みが生じるケースが多いです。

突然激痛を感じることが多いため、膝に強い痛みを感じた場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

膝の骨壊死の回復には早期発見と治療開始が重要

膝の骨壊死は、初期段階の場合は保存療法で治る可能性があります。

膝の骨壊死を放置すると症状が悪化するほか、膝関節がすり減って変形する変形性膝関節症を併発する可能性があるため、早期治療が重要です。

保存療法で改善が見られない場合は、手術でしか改善の余地がないといわれていた膝の骨壊死ですが、現在では再生医療の選択肢もあります。

再生医療をご検討の方は、当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設