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免疫の仕組み|自然免疫と獲得免疫の違いを再生医療専門医がわかりやすく解説

公開日: 2020.05.09
更新日: 2025.04.30

「免疫」という言葉は日常的によく耳にしますが、その仕組みや働きについて詳しくは理解していない、という方も多いのではないでしょうか。

健康な日常を送れているときは、免疫システムについて意識することは少ないものです。

しかし、この目に見えない防御機構は24時間365日、私たちの体を様々な病原体から守り続けています。

この記事では、免疫システムの基本的な仕組みや、免疫力が低下したときの症状、そして免疫力を高める方法までをわかりやすく解説します。

さらに、免疫機能をサポートする先進的な選択肢として、再生医療による免疫細胞療法についてもご紹介します。

免疫の仕組み|どんな働きをしているの?

免疫とは、人の体を細菌やウイルスなどの外敵から守る防御システムのことです。

このシステムは「自己」と「非自己」を区別し、非自己と判断した異物(抗原)に対して防御反応を起こします。

体が抗原を検知すると、免疫グロブリンというタンパク質(抗体)を作り出し、抗原の活動を阻害します。

免疫システムの主な働きは次の通りです。

  • 病原体の侵入防止と排除
  • がん細胞の監視と排除
  • 老廃物の処理
  • 過去に遭遇した病原体を記憶する機能

これらの機能がバランスよく働くことで健康が維持され、免疫システムは単なる防御機構だけでなく、体内環境を整える清掃員としての役割も担っています。

免疫システムは大きく2つに分類される

人の体には、日々侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から身を守るための防御システムが備わっています。

この防御システムを「免疫」と呼び、次の2つの仕組みで構成されています。

これらは連携しながら健康を守る防御壁として機能しています。

外敵が侵入すると、まず自然免疫が即座に対応し、それでも撃退できない場合には獲得免疫が出動するという2段構えの防御体制となっています。

以下では、自然免疫と獲得免疫についてそれぞれ詳しく解説します。

自然免疫

自然免疫は、生まれつき備わっている免疫システムです。

皮膚や粘膜などの物理的バリアを突破して体内に侵入した病原体に対して、免疫細胞がすぐさま反応して攻撃・排除します。

自然免疫の中心的役割を担うのは、白血球の一種であるマクロファージや好中球などの病原菌を食べる貪食細胞です。

これらの細胞は体内をパトロールし、侵入した異物を見つけると素早く取り囲んで「食べる」ように分解します。

自然免疫の特徴は、異物の種類を特定せず、非自己と判断したものには何でも即座に攻撃することです。

ただし、攻撃の強さや特異性には限界があり、自然免疫で排除しきれなかった場合は獲得免疫が働きます。

獲得免疫

獲得免疫は、自然免疫で排除できなかった病原体に対して働く、より高度な防御システムです。

獲得免疫の大きな特徴は、一度出会った病原体を記憶する能力を持っていることです。

この「免疫記憶」により、同じ病原体に再び感染した場合には、より迅速かつ強力に対応することができます。

獲得免疫の中心的な役割を担うのはリンパ球と呼ばれる白血球の一種で、B細胞とT細胞に分類されます。

B細胞は特定の抗原(異物)に対して抗体を産生します。この抗体は鍵と鍵穴のように特定の抗原だけに結合し、病原体を撃退する働きがあります。

一方、T細胞には主にヘルパーT細胞とキラーT細胞があり、ヘルパーT細胞は他の免疫細胞に指令を出し、キラーT細胞はウイルスに感染した細胞やがん細胞を直接攻撃します。

さまざまな病気のワクチンは、この獲得免疫の仕組みを利用して作られています。

免疫力が低下するとどういう状態になる?

免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、一度かかると症状が長引く傾向があります。

具体的な症状としては、次のようなものがあります。

  • 疲れやすさや倦怠感が持続する
  • 口内炎や皮膚トラブルが増加する
  • 傷の治りが遅くなる
  • 帯状疱疹が発症しやすくなる など

さらに、免疫システムはがん細胞の監視・排除も担っているため、免疫力低下はがんリスクの上昇にもつながる可能性があります。

健康維持のためには、免疫力を適切に保つことが非常に重要です。

免疫力を高める方法

免疫力を高める方法として、次の2つを紹介します。

日々の生活習慣の見直しと体温管理で免疫力を高め、健康な毎日を手に入れましょう。

生活習慣を改善する

免疫力向上の基本となるのが生活習慣の改善です。

まず重要なのは栄養バランスの取れた食事で、特に腸内環境を整えるヨーグルトなどの発酵食品や食物繊維を含む野菜・キノコ類を積極的に摂取しましょう。

免疫に関係する細胞の半分以上が消化管にあるため、腸内環境の改善は免疫力アップに直結します。

また、免疫力低下を防ぐために質の良い睡眠の確保も不可欠です。

入眠してから2〜3時間経過すると、細胞の修復や体の疲労を回復させる働きがある成長ホルモンが分泌されます。

睡眠時間が確保できないと免疫力の低下につながるため、寝る前にリラックスできる環境を整えて8時間以上の睡眠を心がけましょう。

さらに、過度なストレスは免疫細胞の働きを低下させるため、自分なりのストレス発散方法を知っておくことも重要な要素です。

適切な体温を維持する

免疫細胞が最も活発に働く体温は36.5~37.1℃といわれています。体温の低下は、免疫力低下の一因です。

体温が1℃下がると免疫力は約30%低下するともいわれており、適切な体温維持は免疫力向上の鍵となります。

体温を維持するためには、冷たい飲食物の摂りすぎに注意し、適度な運動で筋肉を動かして熱産生を促進することが効果的です。

また、半身浴やぬるめの入浴で体の芯から温めるのも良いでしょう。

体を温めることで血液循環が促進され、免疫細胞が体内をスムーズに巡り、効率的に働くことができます。

 

免疫力を高めるには再生医療による免疫細胞療法も選択肢の一つ

免疫力を高めたい方は、当院リペアセルクリニックで提供している再生医療の「免疫細胞療法」をご検討ください。

免疫細胞療法では、免疫細胞の機能向上を目指し、健康な体作りをサポートします。

風邪や皮膚トラブル、歯周病などでお悩みの方は、免疫力が低下している可能性が高いので、ぜひ当院へお問い合わせください。

以下のページでは、免疫細胞療法について詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。

【まとめ】免疫の仕組みはウイルスや細菌から身体を守る重要な防御システム

人の体には、病原体から身を守る「免疫」という防御システムが備わっており、「自然免疫」と「獲得免疫」の2つの仕組みで構成されています。

免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなり、疲労感や皮膚トラブルが増え、がんリスクも高まる可能性があります。

免疫力を高めるには、発酵食品や食物繊維を含む食事の摂取、質の良い睡眠確保、適度な運動などの生活習慣改善が重要です。

免疫力を高めるには、生活習慣の見直しの他にも「免疫細胞療法」という方法もあります。

免疫細胞療法を受けてみたい、詳しく知りたいとお考えの方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。

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監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長

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