がんを再発させない5つの習慣とは?再発防止が期待できる免疫細胞療法について解説
公開日: 2020.04.06更新日: 2025.05.16
「がん」を再発させないためには、生活習慣の改善が重要です。
再発しやすい病気として知られている「がん」は、命に関わったり生活の質を低下させたりする可能性があるため、適切な対処をとることが大切です。
本記事では、がんを再発させないために改善すべき生活習慣を5つご紹介します。
改善できる習慣から見直し、がんの再発リスク低減を目指しましょう。
目次
がんを再発させない5つの習慣
がんを再発させないためには、以下の5つの生活習慣を意識することが大切です。
適切な運動量や体重などは、人によって異なるため、まずは自身の達成できる目標を設定しましょう。
①食生活の改善
がんを再発させないためには、食生活の改善が重要です。
栄養バランスの整った健康的な食事は、身体に必要な栄養素を効率良く取り込めます。
がんの再発予防では、以下の栄養素を含む食材をバランス良くとることを意識しましょう。
栄養素 | 効果・作用 | 具体例 |
---|---|---|
タンパク質 | 身体をがん細胞から守る免疫細胞を作るために必要な栄養素 | 肉・魚介類・卵・乳製品・大豆製品 |
ビタミンC | 抗酸化作用(体内の細胞を傷つける活性酸素から守る働き) | 野菜・果物 |
ビタミンE | ナッツ類・植物油・魚介類 | |
食物繊維 | 腸内環境の改善 | 穀類・野菜・海藻類 |
乳酸菌 | 乳製品・発酵食品 |
上記の中でも特にタンパク質は、免疫力向上のために必要不可欠な栄養素なので積極的に取り入れることが推奨されます。
がんの治療中で食欲低下や味覚の変化がみられたりする場合でも、食事量を過度に減らしたり、味付けを濃くしたりしないようにしましょう。
以下の動画では、がんのリスクを減らすために避けるべき食べ物について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
②運動習慣を身につける
がんの再発を防ぐためには、運動習慣を身につけることが大切です。
適度な運動は、体温が上がることによる血行促進やストレスの発散につながり、がん細胞から身体を守る免疫力が向上する効果をもたらします。
しかし、激しい運動を無理に行うと、心身ともにストレスとなり、逆に免疫力が低下する恐れがあるため注意が必要です。
運動時間の確保が難しい場合は、日常生活のなかで正しい姿勢を心がけたり、歩数を増やしたりして工夫しましょう。
③タバコを控える・禁煙する
がんの再発を防ぐ生活習慣に、禁煙があります。
タバコには発がん性物質が含まれており、喫煙者は非喫煙者と比べて約1.5倍がんの発症リスクが高まる※といわれています。
※国立がん研究センター「日本人のためのがん予防法5+1」
自分で禁煙するのが難しい場合は、禁煙補助剤などを用いた禁煙治療を受けることも検討してみましょう。
また、非喫煙者であっても、喫煙者のタバコの煙(副流煙)を間接的に吸ってしまう「受動喫煙」に注意が必要です。
喫煙者も非喫煙者もがんの発症リスクを上げないために、タバコの煙を避けて生活しましょう。
④お酒を控える・禁酒する
がんを再発させないために、禁酒を習慣化することが大切です。
お酒に含まれるアルコールは、摂取量が多いほどがんの発症リスクが高まることがわかっています。
飲酒習慣がある方は飲酒量を減らしたり、アルコール度数の低いお酒にしたりして、アルコール摂取量を抑えましょう。
⑤体重管理
がんの再発防止には、肥満や痩せすぎないように体重管理が大切です。
肥満でも痩せすぎでもがんの発症リスクや、がんによる死亡リスクが高くなることがわかっています。
また、体重管理を行う場合、食生活や運動習慣などの生活習慣にも気を付けることが増えるため、がんの再発予防に効果的といえるでしょう。
痩せすぎや肥満などを判断する体格指数は「BMI」と呼ばれ、以下の計算式で求められます。
BMI=体重(㎏)÷{身長(m)×身長(m)}
男性はBMI21~27、女性はBMI21~25になるように、体重を管理しましょう。
がんを再発させないために生活習慣を改善する重要性
がんを再発させないためには、生活習慣を改善することが重要です。
がんの発症には、遺伝的要因のほかに、過度な飲酒や喫煙などの生活習慣が関係しているといわれています。
以下の5つの健康習慣をすべて実践している人は、0~1つの習慣を実践している人と比べてがんの発症リスクが低いと推計※されています。
※参照:国立がん研究センター「日本人のためのがん予防法(5+1)」
- たばこを吸わない
- 飲酒を控える
- バランスの良い食事を心がける
- 日常生活を活動的に行う
- 体重管理をする
生活習慣を見直すことで、がんの再発リスクも低減できる可能性が高まるため、実施可能な行動から改善しましょう。
がんの再発防止を期待できる免疫細胞療法について
がんの再発予防を期待できる治療法に、免疫細胞療法があります。
免疫細胞療法とは、体内の免疫細胞を培養し、体内に戻すことで免疫力を高める治療法です。
- 患者様の細胞を使用するため副作用やアレルギーのリスクが低い
- 入院や手術が不要
- ほかのがん治療との併用が可能
免疫力の低下によってウイルスや菌へ感染すると、がんに進展するリスクが高まってしまいます。
免疫力を高めることで、がんにつながる疾患やがんの再発を予防できる可能性がある免疫細胞療法が近年注目されています。
免疫力の低下ががんの発症リスクを高める理由については、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。
【まとめ】がんを再発させない5つの習慣だけでなく免疫細胞療法も検討しよう
がんを再発させないためには、以下の5つの習慣を心がけることが大切です。
- 食生活を改善する
- 運動習慣を身につける
- タバコを控える・禁煙する
- お酒を控える・禁酒する
- 適正体重を目指す
がんの再発予防として、近年注目されている治療法に免疫細胞療法があります。
免疫細胞療法は、免疫力の向上が期待でき、がんの再発リスクを低減できる可能性があります。
がんの再発を予防したい方は、生活習慣の改善と合わせて、免疫細胞療法による治療もご検討ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
略歴
2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業
2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医
2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科
2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科
2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科
2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長