太ももが筋断裂(肉離れ)を起こす原因と治し方|症状チェックリストや再発の予防法について解説
公開日: 2019.12.27更新日: 2025.08.30
「肉離れになったかも?」「肉離れを再発したかも?」
太ももの痛みにお悩みの方の中には、上記のような疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
肉離れはスポーツをする方に多く見られ、その原因は急激な負荷や疲労、ウォーミングアップ不足などさまざまです。
本記事では、筋断裂(肉離れ)の原因や症状、予防法から治療法まで幅広く解説します。
肉離れを治し早く運動を再開したい、日常生活へ復帰したい方は、ぜひ参考にしてください。
なお、肉離れを早く治したい場合は、先端医療である再生医療による治療も選択肢の一つです。
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「肉離れを早く治したい」という方は、ぜひ再生医療について検討してみてください。
目次
太ももが筋断裂(肉離れ)を起こす原因
太ももが筋断裂(肉離れ)を起こす主な原因は、以下の4つです。
以下では、それぞれの原因について詳しく解説します。
筋肉への急激な負荷
太ももが筋断裂(肉離れ)を起こす原因として、筋肉に急激な負荷がかかることが挙げられます。
筋肉が許容できる負荷には限界があります。
そのため、急な動作により筋肉が素早く収縮すると、高負荷によって筋肉が損傷し、筋断裂を引き起こす可能性があります。
筋肉への急激な負荷とは、急な走り出しや飛び上がり、方向転換などの動作が当てはまります。
筋肉の疲労
筋肉の疲労も、太ももが筋断裂(肉離れ)を起こす原因となります。
筋肉が疲労しているということは、すでに筋肉がある程度ダメージを受けている状態です。
筋肉が許容できる負荷が小さくなっているため、少しの負荷でも肉離れにつながる可能性があります。
運動をする機会が多かったり、仕事で疲労が溜まっていたりする方などは、肉離れを起こすリスクが高いです。
筋肉の柔軟性や筋力不足
筋肉の柔軟性や筋力不足は、太ももが筋断裂(肉離れ)を起こす理由の一つとなります。
筋肉の柔軟性が低いと、素早い動きについていけず、通常よりも筋肉に大きな負荷がかかります。
また、筋力が不足している場合には、強い負荷に耐えきれず、肉離れを発症するリスクが高まります。
体が硬い方や運動不足の方、年齢とともに筋力が低下してきたと感じる方は注意が必要です。
ウォーミングアップ不足
ウォーミングアップ(準備運動)不足も、太ももの筋断裂(肉離れ)の原因となります。
準備運動の目的は、筋肉を温めることで血流を促し、筋肉の柔軟性を高めることです。
準備運動が不足すると、筋肉の柔軟性が低い状態で運動という負荷をかけることになるため、肉離れを起こす可能性が高まります。
肉離れを防ぐためには、運動前のストレッチやウォーキング、軽いランニングなどが効果的です。
太ももが筋断裂(肉離れ)を起こした時に現れる症状
太ももが筋断裂(肉離れ)を起こした時には、以下のような症状が現れることが一般的です。
「肉離れになったかも?」「肉離れを再発したかも?」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
激しい痛みを感じる
重度の筋断裂(肉離れ)が起こった時は、患部に激しい痛みが生じます。
筋肉が断裂すると、「バツン」や「パチン」という音が聞こえることもあり、これは筋肉が断裂した時に聞こえる音です。
受傷してすぐに、鋭く力の抜けるような激しい痛みに襲われ、重度の場合は歩くのが困難になります。
患部の腫れや内出血
太ももに筋断裂(肉離れ)を起こすと、太ももに腫脹や内出血が生じます。
腫れや内出血が生じる理由は、炎症や血管の損傷です。
筋肉が切れると、筋肉内の血管がダメージを受け、炎症が引き起こされます。
その結果、太ももが赤く腫れ上がり、内出血によって皮膚が青黒く変色することがあります。
筋肉が痙攣する
太ももに筋断裂(肉離れ)が起こった時は、筋肉の痙攣が引き起こされる場合があります。
痙攣が起こる理由は、断裂によって筋肉内の神経が異常に興奮しているからです。
興奮した神経は筋肉に収縮命令を出すため、結果として筋肉が過剰に収縮を繰り返し、痙攣が起こります。
筋断裂によって痙攣を起こした場合は、すぐに運動を中止し、医療機関を受診しましょう。
太ももにおける筋断裂(肉離れ)の重症度分類
太ももにおける筋断裂の重症度の分類には、1型(軽傷型)、2型(中等症型)、3型(重症型)の3つがあります。
重症度 | 症状 |
---|---|
1型(軽傷型) | ・患部を動かしたときに痛みがない、または軽度の痛みがある ・筋肉や腱に損傷がなく、内出血のみが生じている状態 |
2型(中等症型) | ・患部を動かしたときに痛みを感じる ・筋腱移行部に損傷が認められる状態 |
3型(重症型) | ・患部を動かしたときに強い痛みを感じる ・腱の完全断裂や筋腱付着部の列裏が認められる状態 |
※参考:国立スポーツ科学センター
ストレッチをしても痛みが少なく、内出血のみで筋肉や腱に損傷が認められない状態は、1型に分類されます。
多くの場合、2週間ほどのリハビリテーションで運動を再開できることが多いです。
2型に分類される筋断裂では、MRIで筋腱移行部(筋肉と腱の間の部分)に損傷が認められます。
腱の完全断裂や筋腱付着部(腱が骨に付着する部分)に損傷が認められると3型に分類され、手術療法が検討されます。
太ももの筋断裂(肉離れ)で病院に行くべき症状チェックリスト
太ももの筋断裂(肉離れ)で病院に行くべき症状を、以下のチェックリストで確認してみましょう。
- 過去に太ももの肉離れ経験がある
- 安静時でも太ももに痛みや違和感が続いている
- 歩行や階段の昇り降りなど、日常動作が普段より困難に感じる
- 足を動かしたときに太ももや股関節に違和感や痛みがある
- 筋肉にへこみや、硬いしこりのような部分がある
- 患部に内出血が見られる
- 患部が赤く膨れたり、熱っぽさがある
- 患部を押さえると、ズキッとした痛みがある
- 受傷時「ブチッ」「バチッ」といった断裂音・切れるような感覚があった
肉離れを早く治すためには、早期発見・早期治療が重要です。
上記のチェックリスト内の症状が複数個該当した場合は、念のため病院を受診しましょう。
太ももの筋断裂(肉離れ)の再発を予防する方法
太ももの筋断裂の再発を予防する対処法として、太もも周辺のストレッチや筋力トレーニングなどがあります。
ただし、ストレッチや筋力トレーニングで無理をすると、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。
それぞれの対処法について詳しく解説していきます。
ウォーミングアップとクールダウン
太ももの肉離れは筋肉の柔軟性低下が原因となるため、運動前に十分なウォーミングアップを行うことが重要です。
運動をする前はストレッチやウォーキング、軽いランニングなどを行い、筋肉を十分に温め柔軟性を高めましょう。
また、筋肉に疲労を残さないよう、運動後のクールダウンも重要です。
運動後は太もものマッサージを行ったり、湯船に浸かったりして、筋肉の疲労を回復させてあげましょう。
太もも周辺のストレッチ
筋断裂は筋肉の柔軟性が悪くなっていると起こりやすくなるため、太もも周辺のストレッチが重要です。
太もものストレッチのやり方は、以下の通りです。
- ①うつ伏せになって両腕を顔の下で組む
- ②かかとをお尻に近づけるように脚を曲げる
- ③足の甲を掴み、お尻に寄せるように太ももの前面を伸ばす
- ④30秒間キープする
- ⑤反対側の脚でも同じ動作を行う
太ももが痛くなるほど伸ばしてしまうと、症状が悪化する可能性があるため、無理のない範囲で伸ばしましょう。
また、筋断裂を起こしている場合はストレッチだけで治るわけではないため、早めに医療機関へ受診することをおすすめします。
上記の動作を30秒くらいかけて3~5セットくらい行いましょう。
太もも周辺の筋力トレーニング
筋断裂は筋力が低下することでも起こりやすくなるため、大腿四頭筋やハムストリングスを強化するトレーニングが重要です。
太ももを鍛えるおすすめのトレーニングは、以下の通りです。
- ①仰向けになって両脚を伸ばす
- ②身体と垂直になるように脚を伸ばしたままゆっくり上げる
- ③脚を上げられるところまで上げたら数秒キープする
- ④ゆっくり両脚を元の位置に戻す
上記の筋力トレーニングを3〜5セット繰り返し行いましょう。
無理をすると症状悪化につながるため、無理のない範囲で継続してください。
ストレッチと同様に筋力トレーニングだけで筋断裂が治るわけではないため、早めに医療機関を受診しましょう。
太ももの筋断裂(肉離れ)の治し方は?主な治療法
太ももの筋断裂では、以下のような治療法があります。
症状の度合いに応じて適切な治療法は異なるため、それぞれ紹介していきます。
RICE処置
RICE処置は、筋断裂(肉離れ)の応急処置の基本となる処置です。
安静(Rest、レスト)、冷却(Ice、アイス)、圧迫(Compression、コンプレッション)、挙上(Elevation、エレベーション)の4つの単語の頭文字をとったもので、肉離れにも有効です。
具体的には、それぞれ以下の目的で処置を行います。
項目 | 目的 | 処置内容 |
---|---|---|
安静 | ・肉離れを起こした部位の腫れを抑える ・血管や神経がさらに損傷することを防ぐ |
肉離れを起こした部位を無理に動かさず、患部に負荷がかからない体勢で安静にする。 また、テーピングやタオルを使って患部を固定する。 |
冷却 | ・痛みを抑える ・低酸素障害による細胞の壊死を防ぐ ・患部の腫れを防ぐ |
氷嚢やビニール袋に氷と水を入れ、患部を冷やす。 凍傷にならないよう、冷やし過ぎに注意する。 |
圧迫 | ・内出血や腫れを抑える | 包帯やテーピングで患部を圧迫する。 鬱血しないように注意する。 |
挙上 | ・静脈やリンパ管の循環をよくし、内出血による腫れを防ぐ | 椅子や枕、台などを使用し、患部を心臓よりも高い位置に持ち上げ安静にする。 |
RICE処置は、対応が早いほど効果的なので、肉離れを起こしたらすぐに処置を行いましょう。
ただし、RICE処置はあくまで応急処置なので、処置後はすぐに医療機関を受診してください。
保存療法
保存療法とは、手術せずに症状の緩和・改善を目指す治療法で、軽度の筋断裂に適応される治療法です。
初期段階の筋断裂では、受傷部位の筋肉を休ませ、痛み止めや抗炎症剤で痛みや炎症を抑えることが優先されます。
症状に改善がみられるとストレッチや筋力トレーニングを行い、歩行や日常動作が無理なく行えるようにリハビリテーションを行います。
徐々に競技や職場復帰を目指して必要な動作の訓練に移行していきます。
手術療法
保存療法で改善が見られない場合や完全断裂など重度な場合は、手術療法が検討されるケースもあります。
症状に応じて、断裂した筋肉の腱を縫合する縫合術や、他の部位の腱を移植する再建術が用いられます。
手術後の経過については断裂の状態や手術法によって異なりますが、筋の関節可動域制限や術創部の癒着を予防するために、早い段階でリハビリテーションを開始します。
再生医療
近年の筋断裂の治療法には、再生医療という選択肢もあります。
再生医療では、患者様自身の血液から抽出した血小板を患部に注射するPRP療法で、損傷した筋肉の修復を促します。
患者様自身の血液のみを使うため、アレルギー反応や拒絶反応などの副作用が少ない点が特徴です。
また、患者様自身への負担も少ないため、近年ではスポーツ外傷の治療の選択肢の一つとして注目されています。
以下の動画では、ふくらはぎの肉離れに対する再生医療について解説しているので、合わせて参考にしてください。
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太ももの筋断裂(肉離れ)を早く治したいなら再生医療をご検討ください
筋断裂(肉離れ)には急激な負荷や疲労、柔軟性低下、筋力不足などさまざまな原因があります。
太ももに筋断裂が生じると、症状の度合いにもよりますが、重症の場合は2〜3カ月の治療期間を要する可能性もあります。
肉離れの治療法はさまざまですが、スポーツや職場への復帰を早めたいという方には、早期回復を目指せる再生医療をご検討ください。
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肉離れによる治療方法でお悩みの方や、再生医療による治療を検討したい方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。

監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設