トラマールは腰痛に効く?効果・副作用や服用時の注意点を解説

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公開日: 2026.08.31

トラマール(一般名:トラマドール)は、オピオイド系の鎮痛薬で、腰痛に対して処方される場合があります。

ただし、腰痛と診断されたすべての患者様に最初から使われる薬ではありません。

消炎鎮痛薬などで十分な効果が得られない場合に、痛みの強さや原因を踏まえて医師が判断します。

本記事では、トラマールが腰痛に使われるケースや作用の仕組み、副作用、服用時の注意点、効かない場合の対処法を解説します。

処方された薬を安心して使うための参考として、ぜひ最後までご覧ください。

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トラマールは腰痛に処方されることがある

トラマールは、トラマドールを有効成分とするオピオイド系の鎮痛薬で、慢性的な腰痛に使用される場合があります。

オピオイドと聞くと強い薬というイメージを持つかもしれませんが、トラマドールは弱オピオイドに分類されます。

ただし、一般的な腰痛に対して最初から使われる第一選択薬ではありません

腰痛の治療では、まず消炎鎮痛薬(NSAIDs)やアセトアミノフェンなどの非オピオイド鎮痛薬が用いられるのが基本です。

それらで痛みを抑えきれない場合に、痛みの強さや原因、患者様の全身状態を踏まえてトラマールが検討されます。

処方された背景には、こうした段階的な判断があることを理解しておきましょう。

トラマールはどのように腰痛を抑える?

トラマドールは、2つの経路から痛みを抑えると考えられています

1つは、脳や脊髄にあるオピオイド受容体に結合し、痛みの信号が伝わるのを抑える働きです。

もう1つは、痛みの伝達に関係する神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリン)の働きに作用し、痛みを抑える仕組みを後押しする働きです。

いずれも中枢神経に作用するものであり、炎症そのものを抑える作用はほとんどありません。

この点が、炎症物質の生成を抑えて痛みを鎮めるNSAIDsとの大きな違いです。

そのため、腫れや熱感を伴う炎症性の痛みではNSAIDsが適し、炎症が落ち着いても続く慢性的な痛みにはトラマールが検討されるといった使い分けが行われます。

薬の強さだけでなく、痛みの種類に合っているかどうかが重要です。

腰痛でトラマールが検討されるケース

トラマールが使用される可能性があるのは、主に以下のような状況です。

ここでは、それぞれのケースについて解説します。

他の鎮痛薬で十分な効果が得られない場合

NSAIDsやアセトアミノフェンといった非オピオイド鎮痛薬で痛みを抑えきれない場合に、トラマールが検討されることがあります。

また、胃潰瘍の既往がある方や腎機能が低下している方では、NSAIDsを使いにくいケースがあります。

NSAIDsは胃粘膜を保護する働きや腎臓の血流にも影響するため、こうした持病がある方では慎重な判断が必要になるためです。

その代替として、胃腸や腎臓への負担が比較的少ないトラマールが選択される場合もあります。

つまり、痛みの強さだけでなく、患者様の体の状態も選択の要素になります。

慢性的な強い腰痛が続いている場合

慢性腰痛で日常生活への支障が大きく、他の治療だけでは痛みのコントロールが難しい場合にも使用されることがあります。

痛みで眠れない、仕事や家事が続けられないといった状態では、生活の質そのものが大きく損なわれるためです。

ただし、慢性腰痛では薬物療法だけで完結させないことが重要です。

痛みを避けて動かない期間が長引くと筋力が低下し、かえって腰への負担が増してしまいます。

そのため、痛みが和らいでいる間に運動療法やリハビリを進め、腰を支える機能を高めていく方針がとられます。

トラマールは、そうした治療を進めるための土台をつくる役割を担う場合があります。

トラマールの主な副作用

トラマールで報告されている主な副作用は、以下のとおりです。

分類 主な症状
消化器症状 吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘
神経症状 眠気、めまい、ふらつき、頭痛
その他 口の渇き、発汗、排尿困難

とくに多いのが、飲み始めの吐き気です。

症状に応じて吐き気止めが併用されたり、少量から開始して段階的に増量する方法がとられたりします。

便秘も起こりやすいため、水分摂取や必要に応じた下剤の使用について医師に相談しておくとよいでしょう。

また、眠気やめまいがある状態では転倒のリスクが高まります。

高齢の方は骨折につながるおそれもあるため、立ち上がりや歩行時には十分注意してください。

服用開始時や用量を変更した直後は、とくに体調の変化に気を配りましょう。

トラマールを腰痛で服用するときの注意点

トラマールを安全に使ううえで、押さえておきたい点は以下のとおりです

  • 眠気やめまいが出るため、自動車の運転や機械の操作は避ける
  • 自己判断で増量・減量・中止をしない
  • 長期使用では依存や耐性が生じる可能性がある
  • 急に中止すると、不安、発汗、吐き気などの離脱症状が現れる場合がある
  • 飲酒との併用は、眠気や呼吸抑制のリスクを高める
  • 抗うつ薬など、併用によって相互作用が生じる薬がある

とくに注意したいのが、依存と離脱症状です。

「痛みが引いたからもう飲まなくていい」と急にやめるのではなく、中止の判断は医師に委ねましょう。

また、セロトニンに作用する抗うつ薬などと併用すると、まれに重い症状が現れることがあります。

服用中の薬やサプリメントはすべて医師・薬剤師に伝え、お薬手帳を活用してください。

トラマールを飲んでも腰痛が効かない場合はどうする?

処方どおり服用しても痛みが改善しない場合は、自己判断で量を増やさず医師へ相談してください。

増量しても効果が高まるとは限らず、吐き気や眠気といった副作用のリスクだけが高まる可能性があります。

効かない背景には、痛みの原因と薬の作用が合っていないことも考えられます。

たとえば、しびれや電気が走るような痛みを伴う場合は、神経障害性疼痛の可能性があります。

神経の損傷そのものが原因の痛みに対しては、一般的な鎮痛薬では十分な効果が得られないとされています。
※参照:日本ペインクリニック学会「神経障害性疼痛薬物療法ガイドライン 改訂第2版」

椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が背景にある場合は、神経に作用する薬への変更、神経ブロック注射、リハビリ、手術など別の治療が検討されます。

薬の効果だけを判断材料にせず、画像検査などで原因を再評価することが改善への近道です。

腰痛にしびれ・筋力低下・排尿障害がある場合は早めに受診する

以下の症状を伴う場合は、神経が強く圧迫されている可能性があるため、速やかに受診してください。

  • 足に力が入りにくい、つまずきやすくなった
  • しびれが急速に広がっている
  • お尻や股のまわり(会陰部)の感覚が鈍い
  • 尿が出にくい、または漏れてしまう
  • 便をコントロールできない
  • 安静にしていても激しい痛みが続く
  • 発熱を伴う腰痛がある

とくに排尿・排便の障害は、神経の束が強く圧迫されているサインである可能性があります。

対応が遅れると症状が残るおそれがあるため、鎮痛薬で様子を見続けることは避けてください。

痛み止めが効いている間は症状の進行に気づきにくいこともあるため、しびれや力の入りにくさといった変化に注意しましょう。

トラマールは腰痛の状態に応じて使用される鎮痛薬

トラマールは腰痛に処方される場合がありますが、すべての腰痛に適する薬ではなく、他の鎮痛薬の効果や痛みの原因を踏まえて医師が判断します。

吐き気や眠気、便秘などの副作用があり、長期使用では依存や離脱症状にも注意が必要です。

効果が不十分でも自己判断で増量せず、副作用や症状の悪化がある場合は処方医へ相談しましょう。

一方で、薬物療法やリハビリを続けても痛みやしびれが長引く場合には、治療の選択肢を広げて検討する必要があります。

リペアセルクリニックでは、椎間板ヘルニアなどによる慢性的な痛みに対する再生医療についてもご紹介していますので、保存療法を続けても改善しない腰痛でお悩みの方は参考にしてください。

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監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設