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ブロック注射の効果とは|いつまで持続する?痛みの悪循環を解消できる理由について解説

ブロック注射の効果とは|いつまで持続する?痛みの悪循環を解消できる理由について解説
公開日: 2025.12.26

ブロック注射の仕組みや持続時間、自分の症状に適応するかを把握すれば、治療への不安を解消できます。

飲み薬やリハビリで変化がない痛みや症状に対して、ブロック注射は有効な手段となる可能性がある治療法です。

この記事では、ブロック注射で得られる効果や持続時間、効果が期待できる症状について詳しく解説します。

この記事を読んでわかること

  • ブロック注射で得られる効果
  • ブロック注射の効果の持続時間
  • ブロック注射の効果が期待できる症状
  • ブロック注射の費用

痛みを我慢し続ける生活は、精神的な負担も大きいものです。仕事や家事に支障が出ている状態なら早めにブロック注射を検討してみましょう。

また、つらい関節痛や神経痛には、損傷した組織の再生・修復を促す再生医療も選択肢の一つです。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。

ブロック注射で得られる効果|痛みの悪循環を断ち切れる理由

ブロック注射は、痛みの連鎖を止めるための多面的な働きがあります。

複数の作用が重なり合うことで、辛い状態からの回復を促します。

以下でそれぞれの仕組みを詳しく解説します。

局所的な麻酔作用

ブロック注射で得られる効果は、麻酔薬による痛み信号を脳に伝える神経の遮断です。

麻酔作用の特徴

  • 痛み信号を脳に伝える神経の遮断
  • 即効性のある鎮痛
  • 筋肉の硬直緩和

神経の通り道に薬を注入し、痛み信号が脳に届くのを遮断することで、一時的に痛みを感じにくくなります。

麻酔の効果で痛みのない時間を作れば、リハビリへ進むための準備が整います。

注射後15〜30分程度で変化を実感できる即効性があり、ブロック注射は激しい症状を速やかに和らげるための有効な手段です。

効果の強さや持続時間は個人差があることは理解したうえで、治療を受けましょう。

神経の鎮静化

ブロック注射によって神経の鎮静化を図ることで、過敏になった神経を正常な状態へ戻します

長引く痛みによって神経が過剰に興奮している場合、ブロック注射によって一時的に休ませる作用が期待できます。

神経の状態 ブロック注射後の変化
過剰な興奮状態 神経の活動が穏やかになる
低い痛み閾値 正常な感覚に近づく
持続する不快感 信号の遮断によるリセット

神経の興奮状態をリセットする作用が働くことで、麻酔の効果が切れた後もブロック注射を打つ前より楽な状態が続きます。

つらい症状が一時的に緩和されるため、精神的なストレスも軽減されるでしょう。

炎症の抑制

ブロック注射には炎症の抑制も期待でき、炎症による痛みや腫れを和らげるために有効な働きです。

ステロイド薬などを併用すれば、神経の周囲に発生した強い炎症反応を鎮められます。

炎症が抑えられることで神経の圧迫が和らぎ、血流改善・回復の促進につながります。

一時的な炎症の抑制だけでなく、腰や肩の慢性化した痛みにも効果が期待できる点も強みの一つです。

飲み薬に比べて少ない量で効果を発揮するため、体への負担も軽減して治療を受けられます。

血行の改善

ブロック注射によって炎症が抑えられることで血行改善につながり、組織の修復力を高める効果が期待できます。

良好な血流は、傷ついた組織を治すために必要不可欠な要素です。

交感神経の緊張が解けて血管が広がることで、患部へ酸素や栄養が供給されるようになります。

また、筋肉の強張りが緩和されることで、本来の柔軟性を取り戻す助けとなるでしょう。

ブロック注射の効果はいつまで持続する?

ブロック注射の効果が持続する時間は、症状や体質によって異なります。

本章では、ブロック注射による効果の持続時間について解説していきます。

1回のブロック注射でも効果を実感できる場合もありますが、複数回治療を受けるなど計画的に進めるケースも少なくありません。

以下で詳しく見ていきましょう。

数時間から数週間が目安

ブロック注射の1回あたりの持続期間は、数時間から数週間と幅広いです。

使用する麻酔薬自体の作用は数時間で切れますが、神経の鎮静化や血行改善によって痛みの悪循環を断ち切る狙いもあるため、効果を実感できる状態が続きます。

症状の程度 持続期間の目安
軽度の症状 1週間から数週間程度
重度の症状 数時間から数日程度

症状が軽いほど、1回のブロック注射で得られる効果の持続時間は長くなる傾向にあります。

逆に、慢性化・重症化しているケースでは、効果の持続時間が短く感じられるケースも少なくありません。

痛みのない時間を使って、リハビリテーションなどの次のステップへ進みましょう。

安静に過ごしながら、体の変化を慎重に観察してください。

複数回の治療で効果が持続する

ブロック注射は、複数回繰り返すことで効果の持続が期待できます。

1回のブロック注射では戻ってしまう痛みのサイクルを、複数回の処置によって安定させるためです。

最初は週1回のペースで始め、状態が良くなれば2週間程度に間隔を空け、2〜7回を目安に症状改善を目指します。

最終的には注射が不要な状態を目指すのが一般的な治療の流れです。

ステロイドを併用する際は回数に上限が設けられる場合もあるため、主治医と相談しながら進めてください。

ブロック注射の効果が期待できる症状

ブロック注射の効果が期待できる症状は多岐にわたります。

痛みの原因箇所へ薬剤を直接届けるため、薬物療法や理学療法で変化を感じられなかった症状にもアプローチ可能です。

ご自身の今の状態と照らし合わせて確認してください。

足・腰の痛み

ブロック注射は、足や腰の痛みに対して高い改善効果が見込めます。

特に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった、神経が圧迫される疾患に適しています。

神経のすぐそばに局所麻酔薬やステロイド薬を注入して、炎症を強力に抑えるためです。

レントゲンや超音波で位置を確認しながら薬剤を届ける手順により、痛みの元へ直接作用させます。

主な適応疾患 症状の詳細
腰椎椎間板ヘルニア 腰から足先への鋭い痛みやしびれ
腰部脊柱管狭窄症 歩行時に足が重だるくなる症状
坐骨神経痛 お尻から太もも裏にかけての痛み

神経根の炎症や腫れを鎮める働きにより、脳へ送る信号伝達を抑制します。

麻酔が切れた後も鎮痛効果が持続するケースもあり、日常生活の動作が楽になるはずです。

強いしびれや慢性化した腰痛を抱える方は、症状が悪化する前に相談しましょう。

また、次の記事では坐骨神経痛と腰椎椎間板ヘルニアの違いについて詳しく解説しているので、参考にしてください。

首・肩の痛み

首・肩の痛みには、症状の原因に合わせて適切なブロック注射を選びます。

骨の変形で神経が圧迫されるケースや、筋肉の過度な緊張が原因の肩こりまで幅広く対応可能です。

薬剤を注入して神経の過敏な興奮を鎮め、筋肉をほぐす効を狙います。

効果が期待できる症状

  • 頚椎椎間板ヘルニアによる腕のしびれ
  • 頚椎症による首や背中の痛み
  • 筋肉の硬直からくる慢性的な肩こり

腕へのしびれがある場合には神経根ブロック、筋肉の硬結部にはトリガーポイント注射を選択します。

血行を改善させる作用により、酸素や栄養が組織に届きやすくなるメリットもあります。

湿布や内服薬だけでは解消しきれないつらい症状を、直接的なアプローチで緩和しましょう。

また、次の記事では頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて詳しく解説しているので、参考にしてください。

頭痛・顔面の症状

頭痛・顔面の症状を和らげる際にも、ブロック注射は有効な治療法です。

特に首の付け根にある神経に働きかける星状神経節ブロックは、血流を改善し自律神経を整える働きがあります。

血管の異常な拡張や神経のダメージからくる痛みを軽減します。

頭部全体の血行が促されるため、慢性的な不調を抱える方に適した処置です。

対象となる症状 期待できる変化
片頭痛・群発頭痛 激しい発作の回数や強さを抑制
顔面神経麻痺 神経への血流を補助
緊張型頭痛 頭周りや首筋の筋肉の強張りを緩和

自律神経のバランスを正常な状態に導き、痛みを引き起こす原因へ直接アプローチします。

顔面の違和感や繰り返す頭痛にお悩みの方は、専門的な治療を検討してください。

ブロック注射の費用

ブロック注射の費用は、基本的に健康保険が適用されるため、自己負担を抑えて治療を受けられます。

支払う金額は、受診する医療機関や受ける注射の種類、使用する薬剤の内容によって変わります。

初めて受診する際は、診察料や検査費用が加わる点も把握しておきましょう。

注射の種類 費用の目安(3割負担)
トリガーポイント注射 200〜300円前後
星状神経節ブロック 1,000円前後
硬膜外ブロック 2,000〜3,300円前後
神経根ブロック 4,500円前後

正確な金額は、処置の内容やクリニックによって異なるため、事前の確認を推奨します。

保険適用外の自由診療を併用しない限り、1回の支払額が数万円に達するケースはほとんどありません。

ブロック注射の効果についてよくある質問

ここでは、ブロック注射の効果についてよくある質問に回答していきます。

ブロック注射を検討している方は、参考にしてください。

ブロック注射はどれくらいで効果が出る?

ブロック注射の効果が出るタイミングは、2つの段階に分かれます。

1つ目の段階は、注射した直後に現れる即効性です。

配合された局所麻酔薬が、神経の伝達を遮断するため、数分から数十分で痛みが和らぎます。

処置の後に院内で安静にしている間に、体が軽くなる実感を得る患者さまも多いです。

2つ目の段階は、数日経ってから現れる持続的な効果です。

ステロイド薬を併用する場合、炎症を鎮める作用が本格的に発揮されるまでには時間がかかります。

麻酔が切れて一度痛みが戻ったように感じても、後から楽になる経過を辿るケースがあります。

焦らずに数日間は様子を見守りましょう。

自分の症状における変化を医師へ伝えると、次回の処置をより適切に調整できます。

ブロック注射が効かない理由は?

ブロック注射が効かない理由は、痛みの発生源や症状の進行具合が関係しています。

処置をしても変化がない場合、注射した場所とは別の部位に本当の原因が隠れている場合があります。

期待した反応が得られないからといって、無意味な治療だったと決めつける必要はありません。

効果が出にくい主な理由 具体的な状況の解説
原因部位が異なる 痛みを起こす神経が別の場所にある
薬剤が届かない 神経の通り道が狭く針先が届きにくい
症状が極めて重度 炎症や圧迫が強く1回では不十分
脳の痛みの記憶 慢性化により神経以外に原因がある

1回の処置で諦めず、回数を重ねたり治療法を見直したりする柔軟な姿勢が大切です。

ブロック注射の効果を実感できない場合は再生医療をご検討ください

ブロック注射の効果は、麻酔作用や炎症の抑制によって痛みの連鎖を止める点にあります。

数時間から数週間といった持続時間の目安を知り、計画的に治療を進める意識を持ちましょう。

ブロック注射を繰り返しても効果を実感できない場合は、再生医療という新しい選択肢をご検討ください。

神経痛や関節痛に対する再生医療は、傷ついた組織の再生・修復を促したり、炎症を抑制したりする効果が期待できる治療法です。

当院リペアセルクリニックでは、再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。

監修者

岩井 俊賢

Toshinobu Iwai

医師

略歴

2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業

2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医

2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科

2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科

2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科

2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長