頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと|首の負担を避けるために守ることを解説【医師監修】

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公開日: 2025.09.30

「頚椎ヘルニアでやってはいけないことは?」
「痛みを和らげる方法は?」

頚椎椎間板ヘルニアと診断され、つらい症状にお悩みの方は、上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

日常生活の些細な習慣や癖が引き金となり、症状が悪化するケースも少なくありません。

また、良かれと思って行っていたセルフケアが、実は逆効果なこともあります。

本記事では、頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させないために「やってはいけないこと」について詳しく解説します。

この記事を読むとわかること

  • 症状を悪化させる日常生活のNG行動
  • 自宅でできる効果的なセルフケア方法
  • 医療機関で受けられる専門的な治療法

損傷した神経の根本的な改善を目指せる再生医療についても解説しますので、つらい症状に悩む方はぜひ最後までご覧ください。

また、当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の治療法や症例を配信しています。

「頚椎椎間板ヘルニアを手術せずに治したい」という方は、ぜひこの機会に再生医療についてチェックしてみましょう。

頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないこと

頚椎椎間板ヘルニアと診断されたら、症状を悪化させないために日常生活の過ごし方を見直すことが重要です。

本章では、以下の頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことについて解説します。

上記の行動をなぜ避けるべきなのか、1つずつ詳しく見ていきましょう。

首に負荷がかかるスポーツ

首に負荷がかかるスポーツは、症状をさらに悪化させる危険性が高いため避けるべきです。

ヘルニアによって神経が圧迫されている状態で外部から強い衝撃が加わると、神経の損傷がさらに進む可能性があります。

とくに、以下のようなスポーツには注意が必要です。

  • ラグビー、柔道、格闘技などの体に直接的な衝撃が加わるスポーツ
  • スキー、スノーボード、体操など、転倒する可能性があるスポーツ
  • アメリカンフットボールなど、急激な方向転換を行うスポーツ

もし運動中に首の痛みや手のしびれを感じた場合は、自己判断せずに、直ちに運動を中止してください。

悪い姿勢で長時間過ごす

悪い姿勢で長時間過ごすことは、首の骨(頚椎)に持続的な負担をかけ、ヘルニアの症状を悪化させる原因になります。

とくに現代の生活では、以下のような無意識のうちに首に悪い姿勢をとりがちです。

  • スマホやPCの長時間利用
  • 猫背などの前傾姿勢
  • 不適切な睡眠姿勢
  • 重い物を持つ動作

これらの姿勢を続けないように30分〜1時間に一度は休憩し、軽く体を動かして首周りの緊張をほぐしましょう。

自己流のストレッチやマッサージ

自己流のストレッチやマッサージは、ヘルニアの症状を悪化させる危険があるため、直ちにやめましょう。

良かれと思って行ったセルフケアが圧迫されている神経をさらに刺激し、痛みやしびれを強めてしまう可能性があります。

とくに、以下のような自己流のケアは危険です。

  • 首を大きく反らしたり、ぐるぐる回したりするストレッチ
  • 痛みやしびれがある部分を、強い力で揉みほぐすマッサージ
  • 首の痛みを治そうと、自己判断で首の筋力トレーニングを行うこと

ストレッチやマッサージが全て悪いわけではありませんが、必ず医師や理学療法士など専門家の指導のもとで、ご自身の症状に合った方法で行いましょう。

首や体を冷やす

首や体を冷やすと、血行が悪くなることで筋肉が硬く緊張し、首への負担につながります。

硬くなった筋肉は、首の骨や椎間板への負担を増やし、ヘルニアの痛みやしびれを悪化させる原因となります。

ただし、痛みの時期によっては対処法が異なるため注意が必要です。

時期 主な症状 推奨される対処法
急性期 強い痛み、熱感がある状態 アイシング(冷却)で炎症を抑える
慢性期 長引く痛み、首や肩のこり 温めることで血行を促進し、筋肉の緊張を和らげる

強い炎症がある場合を除き、日常生活では体を冷やさないことが基本です。

夏場のクーラーの効いた部屋ではストールを巻いたり、冬場はマフラーなどで防寒したりするなど、首周りを冷やさない工夫をしましょう。

喫煙習慣

喫煙習慣は、頚椎椎間板ヘルニアの症状を悪化させるだけでなく、発症のリスクも高める重要な要因です。

タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させる強い作用があります。

喫煙が首に与える主な悪影響

  • 椎間板の栄養不足
  • 修復能力の低下
  • 炎症の促進

健康な椎間板を保ち、症状の改善や再発予防を目指すうえで、禁煙は重要です。

急激な体重増加

急激な体重増加も首への負担を増やし、ヘルニアの症状を悪化させる一因です。

重い頭を支えている首の骨にとって、体重増加は無視できない影響を与え、主に以下のような問題が起こりやすくなります。

  • 体重に比例して、頭を支える首への負担が大きくなる
  • 腹囲の脂肪によって体の重心が前にずれ、バランスをとるために頭が前に出た姿勢になりやすくなる
  • 痛みで動かないことで筋力や代謝が落ち、さらに太りやすくなる悪循環に陥りやすくなる

首への負担を減らし、症状の悪化を防ぐために、適切な体重を維持することは不可欠です。

頚椎椎間板ヘルニアで首の痛みを和らげる方法

頚椎椎間板ヘルニアによるつらい首の痛みや手のしびれは、日常生活に大きな影響を与えます。

症状を和らげ、悪化を防ぐためには、自宅でできる「セルフケア」と医療機関での専門的な「治療」を正しく組み合わせることが重要です。

まずは自宅でできることから始め、必要に応じて専門的な治療を取り入れていくのが基本的な流れです。

それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。

自宅でできるセルフケア

頚椎椎間板ヘルニアの悪化を防ぐためには、日々の生活の中でのセルフケアが不可欠です。

対策方法 ポイント
安静と姿勢の管理 ・急性期は無理に動かさず首を安静にする
・デスクワークやスマホで長時間同じ姿勢を避ける
・30分〜1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かす
体を温める ・慢性期には入浴や蒸しタオルで首を温め血行を促進
・筋肉のこわばりをほぐし痛みを和らげる
専門家指導のストレッチ ・首や肩の緊張を和らげる安全なストレッチを行う
・専門家の指導のもとで実施する
寝具の工夫 ・睡眠中はうつ伏せ寝を避ける
・枕の高さは頭〜首のカーブを自然に支えるものを選ぶ

少しの工夫で首への負担は大きく変わるため、日常生活の中でできることから始めましょう。

医療機関で受けられる治療法

頚椎椎間板ヘルニアに対する医療機関での治療は、まず「保存療法」から始めるのが一般的です。

薬物療法、神経ブロック注射、首の牽引といった理学療法、頚椎カラー(コルセット)などを組み合わせ、痛みの緩和を目指します。

保存療法を6ヶ月ほど続けても改善しない、または麻痺が進行するような重い症状がある場合は、神経の圧迫を取り除く手術が検討されます。

また、近年では、手術を避ける新しい選択肢として「再生医療」が注目されています。

再生医療は患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促す医療技術です。

体への負担が少なく、従来の方法では難しかった症状の根本的な改善が期待できます。

以下の症例ページでは、実際に当院リペアセルクリニックで再生医療の治療を受けた方の症例を紹介しているため、併せてご覧ください。

>>頚椎椎間板ヘルニアの症例ページはこちら

頚椎椎間板ヘルニアでやってはいけないことに関するよくある質問

頚椎椎間板ヘルニアと診断されると、症状や日々のケアについて、さまざまな疑問が浮かんでくるでしょう。
 
ここでは、とくに多くの方が疑問に思う2つの点についてお答えします。
 

ご自身の症状を正しく理解し、適切なセルフケアをおこなうために、ぜひ参考にしてください。

頚椎椎間板ヘルニアの症状は?

頚椎椎間板ヘルニアの症状は、どの神経をどのくらい圧迫しているかによって大きく異なります。

単なる肩こりのような軽い症状から、生活に支障をきたす重い症状までさまざまです。

症状の段階 主な症状
初期症状 ・首の痛み、肩こり、背中の違和感
・寝違えと勘違いしやすいが、痛みが長引く
中期症状(神経根症)  ・主に片側の肩甲骨周りから腕、指先にかけての激しい痛みやしびれ
・腕のだるさや、握力の低下
重症化(脊髄症)  ・両手のしびれ
・箸が使いにくい、ボタンがかけられないなど、手指の細かい作業が困難になる
・脚がもつれて歩きにくい
・頻尿になる

とくに、重症化のサインである「脊髄症」の症状が現れた場合は、永続的な後遺症につながる可能性があるため、直ちに医療機関を受診する必要があります。

「ただの肩こり」と軽視せず、腕や手にまで広がる痛みやしびれを感じたら、一度整形外科で相談しましょう。

頚椎椎間板ヘルニアで湿布を貼る場所は?

頚椎椎間板ヘルニアによる痛みで湿布を使う場合、神経が圧迫されている首の後ろ(首の骨の周辺)に貼りましょう。

その上で、痛みが広がる部分に追加で貼ると、より痛みを和らげる助けになります。

  • 首の後ろ:痛みの根本原因にしっかりと貼る
  • 肩甲骨の周り:首から背中にかけて痛みが広がる場合、痛む側の肩甲骨に沿って貼る
  • 肩や腕:症状が出ている肩や腕の痛む部分にも追加で貼る

しかし、市販の湿布は、あくまで一時的に炎症や痛みを和らげるためのものです。

症状が続く場合は、必ず医療機関を受診し、根本的な原因に対する治療を受けましょう。

頚椎椎間板ヘルニアは首への負担を避けて生活しよう

頚椎椎間板ヘルニアにおいて重要なのは、日々の生活の中で首への負担を意識的に減らすことです。

首に負担がかかる運動や行動を避け、長時間のスマホ操作やデスクワークでの姿勢を見直すことが、症状の悪化を防ぐことにつながります。

痛みが続く場合は、我慢せずに整形外科を受診し、ご自身の状態に合った適切な治療を受けることが大切です。

近年の椎間板ヘルニアの治療では、手術を避ける新しい選択肢として「再生医療」が注目されています。

再生医療は患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した神経の再生・修復を促す医療技術です。

つらい症状に悩まされず、快適な毎日を送るために、まずは首に負担をかけない生活を今日から始めていきましょう。

以下の動画では、椎間板ヘルニアの再生治療について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。

監修者

坂本 貞範

Sadanori Sakamoto

医療法人美喜有会 理事長

「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。

略歴

1997年3月関西医科大学 医学部卒

1997年4月医師免許取得

1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務

1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務

1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務

1999年2月国立大阪南病院 勤務

2000年3月野上病院 勤務

2003年3月大野記念病院 勤務

2005年5月さかもとクリニック 開設

2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任

2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設

2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設