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肩が痛いときは病気のサイン?主な原因となる病気やケガ、治し方について解説

肩の痛みは、日常生活の中で多くの方が経験する身近な症状の一つです。
しかし、自己判断して放置してしまうと、症状悪化につながったり、命に関わる病気を見逃したりする可能性があります。
肩の痛みは、四十肩・五十肩といった関節のトラブルだけでなく、心筋梗塞など命に関わる内臓疾患のサインであるケースも少なくありません。
本記事では、肩が痛いときに考えられる病気や、医療機関を受診すべき危険な症状について詳しく解説します。
「肩の痛みの原因がわからない方」「病院に行くべきかお悩みの方」は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
肩が痛いときに考えられる病気・ケガ
肩の痛みの原因には、肩の関節や筋肉の問題だけでなく、首の神経や内臓の病気の可能性も考えられます。
肩が痛いときに考えられる病気・ケガは、以下のとおりです。
それぞれの特徴を確認し、ご自身の症状と照らし合わせてみてください。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
一般的に四十肩や五十肩と呼ばれる「肩関節周囲炎」は、肩関節を取り囲む関節包や靱帯、腱などの周囲組織に炎症が起こる病気です。
急性期は安静にしていても痛みが強く、夜間にズキズキと痛む夜間痛で睡眠が妨げられることも少なくありません。
慢性期に入ると痛みは落ち着きますが、関節が硬くなって腕が上がらない「拘縮(こうしゅく)」という状態になります。
放置してしまうと肩の可動域が狭くなってしまうため、適切なリハビリテーションを継続することが重要です。
肩峰下インピンジメント症候群
肩峰下インピンジメント症候群は、腕を上げる動作の途中で、肩先の骨(肩峰)と筋肉の腱(腱板)がぶつかり合って痛みや炎症が生じる病気です。
腕を肩の高さから少し上に挙げた角度(およそ60〜120度)で、特に強い痛みや引っかかりを感じるのが特徴です。
野球の投球やテニスのサーブ、水泳など、腕を頭より高く上げるスポーツを頻繁に行う方に多く見られます。
治療は安静を基本とし、痛みが強い場合は内服薬や注射を用いながら、フォームの改善や肩甲骨周りのストレッチを行います。
腱板断裂
腱板断裂とは、肩関節を安定させる役割を持つ「腱板」が完全に、または部分的に断裂した状態です。
腕を上げようとすると力が入らなかったり、上げた腕を下ろす途中で痛みを感じたりする症状が見られます。
また、夜間に痛みが強くなることもあり、肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)と似た症状が見られることも少なくありません。
転倒などのケガがきっかけになることもありますが、40代以降は加齢による組織の劣化で自然に断裂するケースが多いです。
放置すると断裂が広がる恐れがあるため、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。
石灰沈着性腱板炎
石灰沈着性腱板炎とは、肩腱板の中にリン酸カルシウムという石灰成分が沈着することで、急激な炎症が起こる病気です。
40〜50代の女性に多く見られ、ある日突然、肩に激しい痛みが走るのが典型的な症状です。
夜間に発作的な激痛が生じたり、腕を少し動かすだけでも激痛を伴ったりするため、日常生活に大きな支障をきたします。
基本は保存療法で炎症を抑える治療を行いますが、重症例では注射器で沈着した石灰を吸引したり、ステロイド注射を打ったりする治療が検討されます。
頚椎椎間板ヘルニア
頚椎椎間板ヘルニアとは、首の骨の間にある「椎間板」というクッション組織が飛び出し、神経を圧迫してしまう病気です。
首の病気ですが、神経の通り道である肩から腕、指先にかけて鋭い痛みやしびれを伴います。
特に、上を向く動作や首を特定の方向に反らせたときに神経が強く圧迫され、痛みやしびれが悪化する傾向があります。
症状が進行すると握力が低下し、ボタンを留めにくい、箸を持ちにくいなどの手指の細かな動きや作業が難しくなります。
心筋梗塞・狭心症
心筋梗塞や狭心症は、動脈硬化などによって心臓に血液を送る血管(冠動脈)が狭くなったり塞がったりする、命に関わる重篤な病気です。
心臓そのものの病気ですが、内臓の痛みを伝える神経の経路が肩の神経と近いため、左肩から背中、左腕にかけて痛みやしびれを感じる「関連痛」が起こることがあります。
階段を上るなど身体を動かした際に肩周辺の痛みが強くなる場合は、特に注意が必要です。
胸の強い締め付け感や圧迫感、息苦しさ、冷や汗、吐き気などを伴う場合は、心筋梗塞を起こしている可能性が高いため、すぐに救急車を呼んでください。
肩が痛いときに医療機関を受診すべき症状・タイミング
肩の痛みに加え、胸の圧迫感や激しい痛み、腕のしびれを伴う場合は、重大な病気が隠れている可能性があります。
特に以下のような症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 突然の激しい痛みに襲われる
- 胸が締め付けられるような圧迫感がある
- 腕や手がしびれる、力が入りにくい
- 安静時にも痛みが引かず、夜も眠れないほどの激痛がある
- 痛みが1〜2週間以上続いている
肩の痛みは日常的によく見られますが、上記のような症状を伴っている場合、命に関わる重篤な疾患のサインである可能性もあります。
特に、左肩から背中への痛みとともに胸の圧迫感や冷や汗を伴う場合は、心筋梗塞を起こしている可能性があるため、ためらわずに救急車を呼びましょう。
肩が痛いときの治し方は?主な治療法
肩の痛みを治すには、薬やリハビリで症状改善を目指す「保存療法」と、根本的な原因を取り除く「手術療法」の2つがあります。
以下で、それぞれの治療法について詳しく見ていきましょう。
保存療法
保存療法は、手術を行わずに肩の痛みや炎症を和らげ、機能の回復を目指す治療法です。
痛み始めた急性期には、患部の安静を保ち、炎症を抑えるための鎮痛剤や湿布などの外用薬を使用して痛みをコントロールします。
強い肩の痛みには、関節内にステロイドやヒアルロン酸を直接注射することもあります。
炎症が落ち着いてきたら、温熱療法で血流を促したり、理学療法士の指導のもとでリハビリテーションを行ったりします。
ストレッチや筋力トレーニングを継続することで、関節の動きを改善して再発を予防します。
手術療法
手術療法は、6カ月以上の保存療法でも痛みが改善しない場合や、腱板断裂などの物理的な損傷が著しい場合に検討されます。
近年では、皮膚を大きく切開せずに済む「関節鏡視下手術」が主流となっており、身体への負担を抑えて治療を受けられるようになりました。
この関節鏡視下手術では、肩に開けた小さな穴から関節鏡(カメラ)と専用器具を挿入し、モニターで確認しながら、切れた腱を縫い合わせたり、炎症を起こしている組織を取り除いたりします。
関節の変形が進行している重症例に対しては、肩関節を人工のものと入れ替える「人工肩関節置換術」が行われることもあります。
肩の痛みと病気のサインに関するよくある質問
最後に、肩の痛みと病気のサインに関するよくある質問に回答していきます。
以下で、それぞれの内容について確認していきましょう。
肩の付け根がズキズキ痛いのは何の病気?
肩の付け根がズキズキと痛む場合、「石灰沈着性腱板炎」や「腱板断裂」などの病気が疑われます。
石灰沈着性腱板炎は、肩の腱に石灰が溜まることで急激な炎症が起こり、ズキズキとした激痛を伴うのが特徴です。
また、腱板断裂では、腕を上げたり下ろしたりする際に肩の付け根にズキズキとした痛みが走ります。
いずれの場合も、痛みが強い場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
肩の痛みが癌の可能性はある?
稀ではありますが、長引く肩の痛みが癌のサインである可能性は決してゼロではありません。
肺の上部にできる肺がんなどは、肩や腕の神経を直接圧迫し、強い痛みやしびれを引き起こすことがあります。
また、他のがんが肩の骨に転移して、持続的な痛みを生じるケースも考えられます。
整形外科の治療で全く痛みが改善しない場合や、急激な体重減少などを伴う場合は、早急に内科などで精密検査を受けましょう。
肩の痛みは原因に対して適切な治療を受けることが重要
肩の痛みの裏には、関節や筋肉のトラブルから重大な内臓疾患まで、多岐にわたる原因が潜んでいます。
安静にしても痛みが引かない場合や、胸の痛み、腕のしびれを伴う場合は、決して自己判断してはいけません。
少しでも普段と違う痛みや違和感を覚えたら、我慢せずに早めに整形外科や内科を受診してください。
早期発見と適切な治療を開始することが、健やかな生活を取り戻す大切な第一歩となります。
また、近年の治療では、自己細胞を用いた「再生医療」が注目されています。
再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促す医療技術です。
当院リペアセルクリニックでは、肩の再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。
監修者
坂本 貞範
Sadanori Sakamoto
医療法人美喜有会 理事長
「できなくなったことを、再びできるように。」
人生100年時代、皆様がより楽しく毎日を過ごせることの
お手伝いができれば幸甚の至りでございます。
略歴
1997年3月関西医科大学 医学部卒
1997年4月医師免許取得
1997年4月大阪市立大学(現大阪公立大学)医学部附属病院 勤務
1998年5月大阪社会医療センター附属病院 勤務
1998年9月大阪府立中河内救命救急センター 勤務
1999年2月国立大阪南病院 勤務
2000年3月野上病院 勤務
2003年3月大野記念病院 勤務
2005年5月さかもとクリニック 開設
2006年12月医療法人美喜有会設立 理事長就任
2019年9月リペアセルクリニック大阪院 開設
2021年5月リペアセルクリニック東京院 開設
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 開設



























