- 肝疾患
肝嚢胞による背中の痛みの原因は?症状や注意すべき兆候、治療法について解説

「肝嚢胞は無症状と聞いたけれど、背中が痛くなるのはなぜ?」
「背中の痛みは肝嚢胞が原因?」
肝嚢胞は基本的に無症状のため、経過観察になることが多い疾患ですが、痛みなどが現れて不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
結論、肝嚢胞が肥大化すると周辺組織を圧迫して背中の痛みにつながる場合があります。
本記事では、肝嚢胞による背中の痛みの原因や注意すべき兆候、治療法について詳しく解説します。
肝嚢胞による背中の痛みにお悩みの方や、治療が必要かどうか不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
肝嚢胞による背中の痛みの原因
肝嚢胞が背中の痛みを引き起こす原因は、主に嚢胞が肥大化し、周囲の組織へ負担をかけていることが考えられます。
基本的に良性で無症状のことが多い疾患ですが、なぜ背中まで痛みが広がるのか、そのメカニズムや発症の背景について解説します。
以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
肥大化して周辺の神経や臓器が圧迫されている
肝嚢胞が肥大化すると、肝臓の表面を覆う被膜が引き伸ばされたり、胃や腸などの臓器を物理的に圧迫したりします。
この肥大化による周囲への強い圧力が、右上腹部だけでなく、背中や腰にまで広がる鈍い痛みを引き起こす主な要因です。
症状が進行すると、臓器の圧迫によって食欲不振や吐き気といった消化器系の不調を伴うケースも少なくありません。
背中にまで痛みが及んでいる場合は、肝嚢胞が大きくなっているサインと捉え、早めに医療機関で精密検査を受けましょう。
肝嚢胞ができる原因は解明されていない
背中の痛みの引き金となる肝嚢胞ですが、なぜ肝臓に嚢胞(水ぶくれ)ができるのか、その根本的な原因は完全には解明されていません。
生まれつき嚢胞が存在する先天的なケースが多数を占めていますが、基本的には良性のため、急いで治療を受ける必要はありません。
40〜60代の女性に多く見られることから、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を指摘する声もありますが、明確なメカニズムの特定には至っていないのが現状です。
肝嚢胞ができるとどうなる?主な症状
肝嚢胞ができても多くは無症状のまま経過しますが、進行して肥大化すると周囲の臓器を圧迫し、症状を引き起こすようになります。
それぞれの段階で体にどのような変化が起こるのか、嚢胞のサイズに応じた症状の違いについて解説します。
ご自身の状態を正しく把握するためにも、どのようなサインに注意すべきかを確認していきましょう。
小さい肝嚢胞なら基本的には無症状
肝嚢胞は基本的に良性のため、サイズが小さい初期段階では身体に悪影響を及ぼさず、痛みなどの自覚症状もないことが多いです。
そのため、健康診断や人間ドックでの腹部超音波(エコー)検査などをきっかけに、偶然発見されるケースが一般的です。
発見された後も、特に自覚症状が見られなければ慌てる必要はなく、医師の指示のもとで定期的な経過観察となるケースが大半を占めます。
進行すると痛みや違和感などの症状が現れる
基本的に良性の肝嚢胞でも、進行してサイズが肥大化すると、みぞおちの痛みやお腹の張り、背中の痛みといった明確な症状が現れ始めます。
これは、大きくなった嚢胞が肝臓の表面を強く引っ張ったり、胃や腸などの周囲の臓器を物理的に圧迫したりすることが原因です。
胃が圧迫されることで、食欲がわかなくなったり吐き気を催したりといった消化器系の不調を伴うケースも少なくありません。
痛みが背中や腰にまで広がっている場合は、かなり肥大化が進んでいるサインと考えられるため、早めに医療機関を受診しましょう。
なお、ごく稀に嚢胞内に細菌が入り込んで感染を起こした場合には、発熱などの症状が引き起こされる点にも注意が必要です。
肝嚢胞による背中の痛み以外に注意すべき兆候
背中の痛みだけでなく、肝嚢胞が肥大化して周囲の臓器に影響を及ぼし始めると、お腹周りや全身にさまざまな不調のサインが現れます。
本章では、背中の痛み以外に注意すべき兆候について解説します。
以下でそれぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
腹部の違和感や痛み
肝嚢胞が大きくなると、右側のお腹の上部からみぞおちにかけて、鈍い重だるさや張りのような違和感・圧迫感を覚えるようになります。
これは肥大化した嚢胞(水ぶくれ)が、肝臓の表面を覆う膜を内側から強く引っ張ることで生じる症状です。
サイズが小さいうちは無症状ですが、徐々にお腹が圧迫されるような不快感が強まってきた場合は注意しましょう。
痛みが慢性的に続くようであれば、早めに医師に相談することが重要です。
胃を圧迫されることによる吐き気や食欲不振
大きく膨らんだ肝嚢胞によって肝臓のすぐ隣にある胃が物理的に圧迫されると、消化器系のトラブルが引き起こされやすくなります。
胃の容量が狭まるため、少し食べただけで満腹感を感じたり、慢性的な食欲不振に陥ったりするケースが少なくありません。
症状が進行すると、強い吐き気を催し、食べたものを吐き出してしまうこともあります。
食事量が減って体力が落ちる前に、適切な検査を受けることが大切です。
腹痛や食欲不振を伴う発熱
背中やお腹の痛みに加えて発熱が見られる場合は、肝嚢胞の内部に細菌が入り込み、感染を起こしている可能性が疑われます。
内部で強い炎症が起きている状態のため、悪寒を伴う急激な発熱や鋭い腹痛が現れるのが特徴です。
このような感染を伴うケースでは、食欲不振や全身の強いだるさが重なり、放置すると重篤な状態に陥る恐れがあります。
腹痛と発熱が同時に起きた際は、速やかに医療機関を受診してください。
肝嚢胞による背中の痛みを治すには?具体的な治療法
肝嚢胞が肥大化して背中の痛みや臓器の圧迫症状が現れた場合は、嚢胞の状態に合わせて以下のようなアプローチで治療が行われます。
放置しても自然に小さくなることは珍しいため、根本的な解決や痛みの緩和を目指すことが重要です。
以下でそれぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
穿刺吸引・硬化療法
肝嚢胞が肥大化して背中の痛みが生じている場合、超音波で確認しながら嚢胞に針を刺し、溜まった液体を抜き取る「穿刺吸引」が選択されます。
さらに、再び水が溜まるのを防ぐため、エタノールなどの薬剤を注入し、液体の再貯留を防ぐ「硬化療法」を併用するのが一般的です。
局所麻酔で行えるため入院期間も数日程度で済みますが、時間の経過とともに再発するリスクがある点には留意しておきましょう。
「身体への負担をできるだけ抑えたい方」や「手軽に症状を和らげたいと考える方」にとって、有効な初期治療の選択肢となります。
腹腔鏡下嚢胞開窓術・肝切除術
肝嚢胞の再発を繰り返す場合や、嚢胞が極端に大きく激しい痛みを伴うケースでは、根本的な解決を目指す外科手術が検討されます。
代表的な「腹腔鏡下嚢胞開窓術」は、お腹に小さな穴を開けてカメラを入れ、嚢胞の壁の一部を広く切除することで、内容液を腹腔内へ排出・吸収させる治療法です。
また、嚢胞のサイズが非常に大きい場合や、他の治療が困難な場合には「肝切除術」が検討されることがあります。
症状の根本的な改善を目指し、長引く背中の痛みから解放される有効な手段といえます。
肝嚢胞による背中の痛みに関するよくある質問
最後に、肝嚢胞による背中の痛みに関するよくある質問に回答していきます。
不安を和らげ、日常の生活の中で気をつけるべきポイントを確認していきましょう。
肝臓が悪くなると背中のどこが痛くなる?
肝臓の不調を示す背中の痛みは、主に右側の肩甲骨の下あたりから腰にかけての範囲に現れやすいのが特徴です。
臓器が腫れたり神経を圧迫したりすると、背中側の近い部位へ影響が及びます。
また、肝嚢胞ができている方が背中に鈍い痛みを感じる場合、肥大化している可能性があるため、長引く違和感がある場合は早めに受診しましょう。
背中の痛みが内臓疾患か見分ける方法は?
筋肉や骨の異常であれば、体を動かしたり特定の姿勢をとったりした際に痛みが強まる傾向にあります。
一方で内臓疾患による痛みは、安静にしていても鈍い痛みが持続し、姿勢を変えても楽にならないことが多いのが特徴です。
吐き気や発熱、食欲不振といった全身の不調を伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。
肝嚢胞になったら気をつけることは?
肝嚢胞が見つかった場合でも無症状のケースがほとんどであるため、基本的には普段通りの生活を送れます。
ただし、医師の指示に従って定期的な検査を受け、嚢胞が肥大化していないか注意深く見守ることが重要です。
肝臓全体の健康維持のために過度な飲酒を控え、右側の背中の痛みなどが出た際は我慢せずに医療機関へ相談しましょう。
肝嚢胞による背中の痛みには穿刺吸引や手術によって改善が期待できる
肝嚢胞は良性のため、無症状であれば急いで治療を受ける必要がない疾患です。
しかし、肥大化して周辺組織を圧迫して背中に痛みがある場合、穿刺吸引や手術療法によって内容物を抜くことで、症状の改善が期待できます。
無症状の場合でも定期的に医療機関を受診し、サイズや症状に変化がないか経過観察することが重要です。
背中の痛み以外にも「腹部の違和感や痛み」「吐き気や食欲不振」「腹痛や食欲不振を伴う発熱」がある場合は、医療機関を受診しましょう。
監修者
渡久地 政尚
Masanao Toguchi
医師
略歴
1991年3月琉球大学 医学部 卒業
1991年4月医師免許取得
1992年沖縄協同病院 研修医
2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務
2008年沖縄協同病院 内科 勤務
2012年老健施設 かりゆしの里 勤務
2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長
2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長
2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長
2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長
所属学会
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