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脳卒中における二木の予後予測とは|回復期リハビリテーションの重要性と注意点を解説

脳卒中における二木の予後予測とは|回復期リハビリテーションの重要性と注意点を解説
公開日: 2026.01.30

「二木の予後予測とは何のこと?」
「脳卒中との関連性は?」

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳に障害が起こる病気です。

突然発症し、手足の麻痺や言葉の障害などの後遺症が残る場合があります。

ご家族が脳卒中を発症されたとき、「どのくらい回復するのか」「いつ自立した生活に戻れるのか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、脳卒中の回復見込みを予測する「二木の予後予測」の内容と、リハビリテーションの重要性について解説します。

脳卒中の回復について不安を抱えている方は、ぜひ最後まで読んでリハビリ計画の参考にしてください。

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脳卒中における二木の予後予測とは

二木の予後予測(早期自立度予測基準)とは、医師・医療経済学者である二木立医師が研究・開発した、脳卒中の方の回復見込みを評価するための指標です。
※出典:急性期脳卒中者に対する二木,石神,著者の3つのモデルによる歩行予後予測の精度比較|理学療法科学

入院時から段階的に患者さまの状態を評価し、歩行や日常生活動作の自立度を予測します。

それぞれの時期における評価のポイントを理解して、リハビリ計画を立てる際の参考にしましょう。

入院時の予後予測

入院時の予後予測では、発症から入院後できるだけ早い段階で患者さまの状態を評価します。

具体的には、年齢・麻痺の程度・日常生活動作(食事・尿意の訴え・寝返りなど)の3つの要素から総合的に判断します。

  • ベッド上で自分で起き上がって座れる場合:多くの方が歩行自立を見込める
  • 食事・尿意の訴え・寝返りのうち2項目以上できる場合:歩行自立の可能性が高い
  • 重度の意識障害があり麻痺が重く70歳以上の場合:歩行自立が難しい傾向がある

入院時の評価は、その後のリハビリ計画を立てるための重要な指標です。

入院2週時の予後予測

発症から2週間が経過すると、ある程度の回復傾向が見られるようになります。

この時点で再度評価を行い、リハビリの強度や内容を調整します。

  • ベッド上で自分で起き上がって座れる場合:2カ月以内に歩行自立する方が多い
  • 食事・尿意の訴え・寝返りの3項目すべてに介助が必要で60歳以上の場合:歩行自立が難しい傾向がある
  • 長く続く意識障害や重度の認知症がある60歳以上の方:歩行自立が難しい傾向がある

2週時の評価結果をもとに、より具体的なリハビリ目標を設定できます。

入院1カ月時の予後予測

発症から1カ月が経過すると、多くの患者さまで症状が安定してきます。

この時点で詳細な評価を行い、退院後の生活を見据えた計画を立てます。

  • ベッド上で自分で起き上がって座れる場合:3カ月以内に歩行自立する方が多い
  • 食事・尿意の訴え・寝返りのうち1項目以下しかできず60歳以上の場合:歩行自立が難しい傾向がある
  • 長く続く意識障害・重度の認知症・両側の脳障害・重い心臓病などがある60歳以上の方:歩行自立が難しい傾向がある

1カ月時の予測は、退院時期の目安や退院後の生活環境の準備に役立ちます。

脳卒中の予後予測に影響を与える要因

脳卒中の回復度合いは、さまざまな要因によって左右されます。

予後予測を理解する上で知っておきたい主な要因として、以下の3つがあります。

これらの要因を把握しておくと、より現実的な回復目標を設定しやすくなります。

損傷部位

脳卒中の予後は、脳のどの部分が損傷を受けたかによって大きく変わります。

たとえば、内包後脚(ないほうこうきゃく)や脳幹といった重要な神経の通り道が損傷すると、小さな病変でも手足の動きや歩行能力に深刻な影響が出やすい傾向があります。

一方で、損傷が大きくても比較的回復しやすい部位もあります。

損傷部位に応じた適切なリハビリを行うことが大切です。

年齢

一般的に、高齢の方は若い方と比べて回復に時間がかかる傾向があります。

二木の予後予測でも、60歳や70歳といった年齢区分が評価基準に含まれています。

ただし、年齢だけで回復の可能性が決まるわけではありません。

リハビリへの意欲や全身の体力、周囲のサポート体制なども回復に影響します。

年齢にかかわらず、機能改善を目指して適切なリハビリを継続することが大切です。

基礎疾患

糖尿病や心臓病などの基礎疾患があると、リハビリの進み具合に影響を与える場合があります。

これらの病気があると、体力の回復が遅れたり、リハビリの強度を調整する必要が出てきたりします。

基礎疾患がある方は、それぞれの病気の管理も並行して行いながら、無理のない範囲でリハビリを進めることが重要です。

医師や理学療法士と相談しながら、個々の状態に合ったプログラムを組み立てましょう。

脳卒中の予後予測に基づくリハビリテーションの重要性

脳卒中の発症後、予後予測に基づいてリハビリを行うことには大きな意義があります。

以下の2つの点から、その重要性を解説します。

予後予測を活用するメリットを理解して、効果的なリハビリにつなげましょう。

リハビリ計画に役立つ

予後予測を活用すると、回復の見込みを把握した上で段階的なリハビリ計画を立てられます。

明確な目標設定ができることで、リハビリへのモチベーションも維持しやすくなります。

例えば、発症2週時点での評価をもとに、どの程度の歩行訓練を進めるべきかを判断でき、1カ月時の予測によって、退院後の生活を見据えた計画も立てられます。

無理のない範囲で適切な目標を設定して、着実な回復を目指しましょう。

将来の見通しが立てられる

予後の見通しがわかることで、患者さまやご家族の不安が軽減されます。

たとえば、1カ月時点の予測をもとに、退院後にどの程度自立した生活が送れるかを判断できます。

これにより、必要な介護サービスの手配や住環境の調整もスムーズに進められ、退院に向けた早めの準備が可能です。

二木の予後予測はあくまで「予測」であることに注意

二木の予後予測は脳卒中リハビリにおいて有益な指標ですが、あくまでも過去のデータに基づく統計的な予測です。

実際の回復には個人差があり、予測よりも早く回復する方もいれば、時間がかかる方もいます。

患者さまの状態や置かれている環境によって、回復の度合いは大きく異なることは理解しておきましょう。

予後が良いと予測されていても、積極的なリハビリを行わなければ十分な回復を得られない場合があります。

反対に、予後が厳しいと予測された場合でも、諦めずにリハビリを続けることで状態が改善するケースもあります。

予後予測の結果に過度な期待や不安を抱かず、参考程度にとどめることが大切です。

医師や理学療法士の指導のもと、適切なリハビリを継続しましょう。

二木の予後予測を取り入れてリハビリ計画を立てよう

脳卒中の回復には、適切なリハビリ計画が欠かせません。

二木の予後予測を活用すれば、入院時・発症2週・1カ月の各時点で回復の見通しを立てやすくなり、より効果的なリハビリが可能です。

予後予測はあくまでも目安ですが、リハビリの目標設定や退院後の生活準備に役立ちます。

二木の予後予測を参考にしながら、無理のないリハビリを続けて自立した生活を目指しましょう。

脳卒中の治療に注目されている「再生医療」

近年、脳卒中の後遺症に対する治療法として「再生医療」が注目されています。

再生医療とは、患者さま自身の幹細胞や血液を活用し、脳卒中によって損傷した脳細胞や血管の再生・修復を促す医療技術です。

当院リペアセルクリニックでは、脳卒中の後遺症にお悩みの方へ、手術や入院の必要がない再生医療を提供しています。

以下の動画では、実際に再生医療を受けた方の改善症例を紹介しておりますので、併せて参考にしてください。

当院リペアセルクリニックでは、脳卒中の再生医療について無料カウンセリングを実施しております。ぜひご相談ください。

監修者

圓尾 知之

Tomoyuki Maruo

医師

略歴

2002年3月京都府立医科大学 医学部 医学科 卒業

2002年4月医師免許取得

2002年4月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2002年6月関西労災病院 脳神経外科 勤務

2003年6月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2003年12月大阪母子医療センター 脳神経外科 勤務

2004年6月大阪労災病院 脳神経外科 勤務

2005年11月大手前病院 脳神経外科 勤務

2007年12月大阪大学医学部附属病院 脳神経外科 勤務

2012年3月大阪大学大学院 医学系研究科 修了(医学博士)

2012年4月大阪大学医学部 脳神経外科 特任助教

2014年4月大手前病院 脳神経外科 部長