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脳出血の看護ケア|在宅でも家族ができることや注意点・ポイントについて解説

脳出血の看護ケア|在宅でも家族ができることや注意点・ポイントについて解説
公開日: 2025.12.26

脳出血と診断を受け、これからの生活や自宅でのケアに大きな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

急性期の予断を許さない状況から、リハビリを経て在宅生活へと移行する過程で、求められる看護や介護のポイントは刻々と変化します。

本記事では、脳出血における入院中の看護ケアの視点から、退院後にご家族ができる在宅サポートの具体的な内容について解説します。

「何を見ておけばよいのか」「どう支えればよいのか」を知ることが、患者さまだけでなく、支えるご家族自身の心の負担を軽くする第一歩となるでしょう。

また、懸命なリハビリを続けても改善しない場合は、損傷した脳細胞の改善が期待されている「再生医療」という選択肢もあります。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。

>>再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例(80代女性)

当院リペアセルクリニックでは、脳出血の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。

脳出血の看護における観察項目

本章では、脳出血の入院中の看護における観察項目について解説します。

看護師が頻繁に訪室し、患者さまの様子を細かくチェックするのは、命に関わる「再出血」や「脳のむくみ」の兆候をいち早く見つけるためです。

ご家族から見ると「寝ているのに何度も起こされて可哀想」と感じることもあるかもしれませんが、発症直後は以下の項目を常に確認し、容態の急変を防ぐことが何より重要となります。

  • 意識の状態(呼びかけに対して目を開けるか、話せるか)
  • 血圧や脈拍の数値(高すぎないか、乱れていないか)
  • 手足の動きや麻痺の進行(握る力に変化はないか)
  • 瞳孔の様子(左右の目の大きさに違いはないか)

看護師は機械の数値だけでなく、患者さま本人の「小さな変化」を観察しています。

もし面会中に「さっきより呼びかけへの反応が鈍い気がする」といった変化を感じた場合は、遠慮なく看護師にお伝えください。

ご家族の「いつもと違う」という直感が、早期発見のきっかけになることも少なくありません。

【在宅】脳出血の看護で家族ができること

退院後の在宅生活を支えるためには、ご家族による直接的なサポートと、公的な支援制度を組み合わせることが重要です。

本章では、脳出血の在宅看護でご家族ができることについて解説します。

すべてをご家族だけで背負う必要はありません。

「できることは本人に任せる」という視点を持ちつつ、プロの手も積極的に借りることで、無理のない介護体制を整えていきましょう。

日常生活のサポート

脳出血の在宅看護でご家族ができることは、患者さまが退院した後の日常生活をサポートすることです。

しかし、食事や移動の介助では「手伝いすぎない」ことが大切で、本人ができる動作までご家族が手伝ってしまうと機能回復の機会を奪うことになりかねません。

「ボタンを留めるのだけ手伝う」「転倒の危険がある場所だけ支える」など、本人ができない部分や危険がある場所だけサポートする工夫が必要です。

また、食事中は誤嚥を防ぐため、上体をしっかり起こし、飲み込みを確認しながらゆっくり進めましょう。

生活環境の整備

転倒による怪我を防ぐため、麻痺の状態に合わせて生活環境を見直すことも大切です。

まずは本人がよく通る動線に手すりを設置し、わずかな段差もスロープにして転倒リスクを下げられるように工夫しましょう。

また、床に置かれたコード類もつまずきの原因になるため整理が必要です。

介護保険を利用すれば住宅改修費用の補助を受けられる場合があるため、ケアマネジャーに相談することをおすすめします。

要介護認定の申請

介護サービスの費用負担を減らすための「要介護認定」の申請を代行するのもご家族だからこそできることです。

申請から結果が出るまで約1カ月かかるため、退院前から医療ソーシャルワーカー等と連携して手続きを進めておくとスムーズです。

認定されれば1〜3割の自己負担でサービスを利用でき、ご家族の介護負担を大きく減らすことができます。

地域の介護サービスの活用

長期的な在宅生活には、訪問看護やデイサービスなどのプロの力を借りることが不可欠です。

これらは本人の機能維持だけでなく、ご家族が介護から離れて休息する(レスパイト)ためにも重要です。

「訪問系」「通所系」「宿泊系」など多様なサービスがあるため、ケアマネジャーと相談しながら、ご家族だけで抱え込まない体制を整えましょう。

施設介護サービスの検討

自宅での介護が限界だと感じたら、無理をせず施設入所を検討することも前向きな選択肢です。

リハビリ中心の「介護老人保健施設」や、長期ケアを行う「特別養護老人ホーム」など、状況に合わせた施設があります。

施設利用は決して「患者さまを見放す行為」ではありません。

お互いが共倒れせず、笑顔で過ごせる適切な距離感を保つために、専門施設のサポートを頼ることも大切です。

脳出血の看護における注意点・ポイント

脳出血の在宅看護において、身体的な安全確保はもちろんですが、患者さま自身の「意欲」や「尊厳」を守るような関わり方が大切です。

本章では、脳出血の看護における注意点やポイントについて解説します。

良かれと思った手助けが、かえって回復の妨げになってしまうこともあります。

以下でそれぞれの注意点やポイントを確認していきましょう。

本人ができることを妨げない

本人ができることでも時間がかかるなどの理由から動作を先回りして手伝ってしまうことは、リハビリの観点からは推奨されません。

着替えや食事など、時間がかかっても自分でできることは本人に任せることが、身体機能の維持と「自分でもできる」という自信の回復につながります。

ご家族にとっては「やってあげた方が早い」と感じる場面も多いですが、見守ることも重要な看護ケアの一つです。

日常生活のサポートは、本人がどうしてもできない部分だけに留め、達成できた時には共に喜びを分かち合う姿勢を持ちましょう。

精神的なケア・サポートを大切にする

脳出血の後遺症による身体の不自由さは、患者さまに想像以上の喪失感やストレスを与え、うつ状態や感情の不安定さを引き起こすことがあります。

急に泣き出したり、怒りっぽくなったりすることもありますが、これは脳のダメージや病気に対する受容の過程によるものです。

励ますよりも、気持ちに寄り添い、話をじっくり聞く姿勢を見せることが患者さまの心の安定につながります。

本人の不安や焦りを否定せず、今のありのままを受け入れる温かいサポートを心がけることが大切です。

飲み込みやすい食事を提供する

麻痺の影響が喉や舌に残っている場合、飲み込む力が弱まり、食べ物が気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)性肺炎」のリスクが高まります。

パサパサしたものや水分はむせやすいため、片栗粉や市販のとろみ剤を活用して、まとまりやすく飲み込みやすい形態に調整しましょう。

また、食事中は顎を少し引いた姿勢を保つことで、気管への誤入を防ぎやすくなります。

患者さまが食べる楽しみを損なわないよう、見た目の彩りにも配慮しつつ、その日の体調に合わせて固さや大きさを工夫することが大切です。

脳出血の治療計画とは|主な治療法

脳出血発症直後の治療において優先されるのは、「出血をこれ以上広げないこと」と「脳の腫れ(浮腫)を抑えること」です。

本章では、脳出血の治療計画について「内科的治療」と「外科的治療」の治療法を解説します。

出血の量や場所、患者さまの意識レベルによって、薬で様子を見るか、手術で血腫を取り除くかが判断されます。

医師から提示される治療方針を正しく理解するために、それぞれの特徴を知っておきましょう。

内科的治療

出血量が少なく、意識もしっかりしている軽度〜中等度のケースでは、手術を行わず薬物療法(内科的治療)が選択されます。

基本的には入院して絶対安静を保ちながら、血圧を下げる薬(降圧剤)や、脳のむくみを取る点滴を使用して症状の安定を図ります。

「手術をしなくて大丈夫なのか」と心配になるかもしれませんが、小さな出血であれば自然に吸収されるのを待つ方が、体への負担が少なく予後が良い場合も多いです。

この期間は、再出血を防ぐために血圧のコントロールを徹底することが何よりの治療となります。

外科的治療

出血量が多く脳への圧迫が強い場合や、命の危険が迫っている場合には、血腫を取り除くための外科手術が行われます。

手術の方法は、頭の骨を大きく開いて直接血腫を取り除く「開頭血腫除去術」と、小さな穴から器具を入れて吸い出す「内視鏡手術」の主に2種類です。

目的はあくまで「脳への圧迫を解除して命を救うこと」であり、一度壊れてしまった神経細胞を手術で元に戻せるわけではありません。

患者さまの年齢や体力、出血部位などを総合的に考慮し、医師と家族が相談した上で慎重に決定されます。

脳出血の看護は家族の支えが重要!治療には再生医療をご検討ください

脳出血後の生活は長期的なリハビリが重要となりますが、日々の変化を見守ってくれるご家族の存在こそが患者さまにとって心の支えとなります。

以下のポイントを押さえて、患者さまが回復できるようサポートすることが大切です。

  • 毎日の観察と心のケアが回復のカギとなる
  • 介護サービスも活用し、ご家族も無理をしない体制を作る
  • 機能回復の新たな希望として「再生医療」を視野に入れる

専門家や公的なサービスを頼りながら、焦らず一日一日を積み重ねていくことが大切です。

また、懸命なリハビリを続けても改善しない場合は、損傷した脳細胞の改善が期待されている「再生医療」という選択肢もあります。

再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、損傷した脳細胞の再生・修復を促す医療技術です。

以下の動画では、再生医療によって脳出血の後遺症が改善した症例を紹介しているため、併せて参考にしてください。

当院リペアセルクリニックでは、脳出血の再生医療について無料カウンセリングを実施しているため、ぜひご相談ください。

監修者

圓尾 知之

Tomoyuki Maruo

医師

資格・所属学会

日本脳神経外科学会 所属

脳神経外科の最先端治療と研究成果を活かし、脳卒中から1日でも早い回復と後遺症の軽減を目指し、患者様の日常生活の質を高められるよう全力を尽くしてまいります。

関連論文: The association between diffusion-weighted imaging-Alberta Stroke Program Early Computed Tomography Score and the outcome following mechanical thrombectomy of anterior circulation occlusion