癌の免疫療法とはどんな治療?免疫の基礎知識と治療のメリットについて解説
公開日: 2019.11.11更新日: 2025.05.16
「癌の免疫療法とはどんな治療?」と気になりますよね。
癌の免疫療法には、NK細胞療法や免疫チェックポイント阻害薬など、免疫細胞の力を活かした治療法があります。
本記事では、癌に対する免疫療法について、詳しく解説します。
免疫力の低下は、癌以外の病気の発症リスクも高めます。
自身の持つ免疫力を利用し、癌をはじめとしたさまざまな疾患の発症を予防しましょう。
目次
癌に対する「免疫療法」とは
癌に対する「免疫療法」とは、人間がもともと持っている免疫力を利用して、癌細胞を攻撃する治療法です。
免疫療法は、身体への負担が少ない治療法として、近年注目を集めています。
以下では、癌に対する免疫療法について詳しく解説していきます。
免疫の力を利用してがんを攻撃する治療法
癌の免疫療法とは、免疫の力を利用してがん細胞を攻撃する治療法です。
人間が生まれながらにして持っている免疫を「自然免疫」といいます。
自然免疫は、体内の病原体の情報をリンパ球に伝えたり、異物を攻撃したりする役割を担います。
一方で、自然免疫で対処できない場合に自然免疫から得た病原体の情報を記憶して働く免疫系は、「獲得免疫」です。
自然免疫がうまく働かなければ、獲得免疫もうまく機能しないため、異物の排除ができずに感染症にかかりやすくなるだけでなく、癌になるリスクも高くなります。
以下では、肺がんの免疫療法について、詳しく解説していますので合わせてご覧ください。
がんの第四の治療法として呼ばれる
免疫療法は「がんの第四の治療法」として呼ばれ、以下の3つの治療法に加えて、近年注目を集めている治療法です。
- 手術
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
がんの転移や再発などのリスクを低減するために、自身に合った治療法を検討しましょう。
癌を免疫療法で治療するメリット
癌を免疫療法で治療するメリットは、以下の2つです。
手術や抗がん剤治療などの従来の治療法は身体への負担や副作用リスクが大きいですが、免疫療法は身体への負担が少ない治療法です。
年齢や既往歴などが原因で手術ができない方は、1つの選択肢として免疫療法による治療を検討しましょう。
以下では、免疫療法のメリットについて詳しく解説していきます。
ほかの治療法を組み合わせられる
癌を免疫療法で治療するメリットは、ほかの治療法と組み合わせて実施できる点です。
免疫療法は、癌治療の3本柱と呼ばれる「手術療法・抗がん剤治療・放射線治療」と組み合わせて実施できます。
ほかの治療法と組み合わせることで、単独治療よりスムーズに治療が進む可能性があります。
単独治療で効果がみられない場合は、免疫療法の併用も検討しましょう。
がんの予防や再発防止が期待できる
がんの予防や再発防止が期待できることは、免疫療法で治療するメリットの1つです。
免疫療法は、自身の持つ免疫力を利用するだけでなく、低下した免疫力を向上させる治療法でもあります。
身体を守るための免疫力が向上すれば、がん細胞の増殖を防ぐことにつながり、がん予防や再発防止が期待できます。
癌の免疫療法の副作用は?
癌の免疫療法は、副作用のリスクが低い特徴がありますが、以下のような副作用が考えられます。
- 発疹やかゆみなどの皮膚障害
- 大腸炎などの消化管疾患
- 頭痛や発熱
など
副作用のリスクが低い理由は、患者様自身の免疫細胞を利用した治療法であるためです。
しかし、免疫機能に作用する治療法のため、何らかの理由で正常な細胞を攻撃してしまい副作用が出る可能性があります。
一方で従来の放射線治療や抗がん剤治療では、以下の副作用が生じる恐れがあります。
- 倦怠感
- 疲労感
- 脱毛
- 食欲不振
- 易感染(感染しやすくなる)
副作用が心配で癌治療が進んでいない場合は、免疫療法による治療も視野に入れましょう。
癌の治療・予防が期待できる免疫細胞療法
癌の治療や予防に期待できる免疫細胞療法には、主に以下の3種類があります。
免疫力の向上やほかのがん治療との併用を希望する場合は、免疫細胞療法を実施している医療機関へ相談しましょう。
再⽣医療で免疫⼒を⾼めることができる時代です。
NK細胞免疫療法
癌治療やがんの予防に期待できる免疫細胞療法に、NK細胞免疫療法があります。
NK細胞免疫療法とは、患者様自身の血液から採取したNK細胞を培養して活性化し、体内に戻す治療法です。
100~1000倍に増やしたNK細胞を体内に戻し、免疫力を向上させることで、がんの予防や再発防止を目指します。
NK細胞は、体内の異物を排除するためにパトロールする役割も持つため、活性化することでがん細胞を見つける力も強くなります。
自家CAT細胞療法
自家CAT細胞療法は、癌治療やがんの予防に期待できる免疫療法の1つです。
自家CAT細胞療法とは、がん細胞を攻撃するT細胞を体外に取り出し、がん細胞により反応するように改良・培養してから体内に戻す治療法です。
患者様から採取したT細胞を活性化させてから体内に戻すため、異物への攻撃力が高まり、癌細胞を排除できる可能性があります。
免疫チェックポイント阻害薬
癌の治療や再発予防に期待できる治療法に、免疫チェックポイント阻害薬があります。
免疫チェックポイント阻害薬とは、癌細胞を攻撃するT細胞の働きが抑制されるのを防ぐ治療薬のことです。
がんの進行度や発生部位によって、適した免疫チェックポイント阻害薬は異なります。
免疫チェックポイント阻害薬による治療を検討中の方は、自身に合った薬剤について専門家に確認しましょう。
【まとめ】癌を免疫療法で治療したい方は当院へご相談ください
免疫力が低下すると、癌が転移したり、再発したりする恐れがあるため注意が必要です。
癌の治療や再発予防に効果が期待できる治療法に、免疫療法があります。
免疫療法には、NK細胞免疫療法や自家CAT細胞療法、免疫チェックポイント阻害薬などがあります。
免疫力が低下すると、癌以外の病気にもなりやすいため、免疫力の向上に期待できる免疫療法を検討しましょう。
当院(リペアセルクリニック)では、免疫療法の1つとして、NK細胞免疫療法を提供しています。
癌を免疫療法で治療したい方は、ぜひ一度当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。

監修者
岩井 俊賢
Toshinobu Iwai
医師
略歴
2017年3月京都府立医科大学 医学部医学科卒業
2017年4月社会医療法人仁愛会 浦添総合病院 初期研修医
2019年4月京都府立医科大学附属病院 整形外科
2020年4月医療法人啓信会 京都きづ川病院 整形外科
2021年4月一般社団法人愛生会 山科病院 整形外科
2024年4月医療法人美喜有会 リペアセルクリニック大阪院 院長